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最新ニュース

2017/09/30(土)
☆蓋で(F1)
○第15戦マレーシアGPがセパン・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。この日のセパンは,不順な天候となり,1回目のフリー走行はウェット,2回目はドライでの走行となりました。タイムアップが可能となった2回目のフリー走行でトップタイムをマークしたのは,ここまでランク2位につけているレッドブルのS.ベッテルで,彼がマークしたタイムはコースレコードとなる1分32秒566でした。そのベッテルからコンマ6秒遅れとハナされてしまいましたが,チームメイトのK.ライコネンが2番手タイムをマークし,初日はフェラーリによるワンツーとなりました。次に速さを見せたのはレッドブル勢で,D.リカルドが3番手,M.フェルスタッペンが4番手タイムでした。そして,何と5番手タイムをマークしたのは,既に今季限りで袂を分かつことが決定しているマクラーレン・ホンダのマシンを駆るF.アロンソでした。マクラーレンがチャンピオンチームのメルセデスAMG勢よりも速さを見せたのは,マクラーレンはルノーと,ホンダはトロロッソと新たにタッグを組むことになりますが,互いに来シーズンに向けてポジティブな気持ちを抱くことができたのではないかと思います。もちろん,初日のタイムですから,両者共に浮かれるほどではないと思いますが。そうした中,セッション終盤に入って,サーキットが一瞬凍り付く出来事がありました。それは,ハースF1のR.グロージャンがターン14を走行している際,突然右リアタイヤがバーストし,コントロールを失ったグロージャンはそのままタイヤバリヤへと突っ込んでしまいました。幸いにも自力でマシンを脱出でき,大きなケガには繋がらなかったようです。このバーストの原因は排水溝の蓋で,既に通過したマシンが蓋を持ち上げ,その次にさしかかったグロージャンのタイヤをカットした事が原因のようです。この事故によりセッションは赤旗が提示され,そのままフリー走行2は終了となりました。この出来事を受けてサーキット全ての蓋をチェックし,最終的に夜を徹して全ての蓋を溶接で止める対策を講じることになっています。
2017/09/29(金)
☆復帰(WRC)
○ヒュンダイ・モータースポーツから発表があり,昨シーズンはフォルクスワーゲンのワークスドライバーを務めていたA.ミケルセンと2年間の契約が成立しました。この度契約が成立したミケルセンは,昨シーズンでワークスドライバーとしての契約を成立することができず,シトロエンからスポットでの参戦を繰り返して今シーズンを戦ってきました。そのような中,9月5日(火)に同チームから発表があり,今シーズンの残り3戦にヒュンダイはミケルセンを起用し,今季契約を結んでいる3名のドライバーとラウンド毎に組み替えながら臨むことになっています。これは,来季に向けた動きという側面があるのかもしれませんが,現在マニュファクチャラーズタイトル争いでトップを行くMスポーツ・ワールド・ラリー・チームから64ポイントの遅れをとっている状況を打破するためではないかと思われます。なお,ミケルセンと契約が成立したということは,通常ですと現在ワークスドライバーを務めているT.ヌービル,D.ソルド,H.パッドンの3名の内の誰かがシートを失うことになるわけですが,ヒュンダイによると3名との契約は継続するようです。
2017/09/28(木)
☆確定(MotoGP)
○シーズン終盤に入ってチャンピオン争いが激しさを増していますが,それと同時に来季に向けてのシート獲得競争も終盤を迎えてきています。まずは最高峰クラスであるMotoGPクラスからシートが決定していき,その後中・軽量級クラスのシートが決定していくのが常ですが,最近はその中・軽量級クラスに関する発表がどんどんなされています。というのも,MotoGPクラスで唯一決まっていなかったレアーレ・アビンティア・レーシングの残り1つのシートに,今季タスカ・レーシング・スクーデリアMoto2からMoto2クラスにフル参戦しているX.シメオンが座ることが先週発表され,これで来季のMotoGPクラス全シートが決定しました。来季のシート獲得競争は,昨シーズン末がちょうど契約期間が切れるライダーが多かったこともあって,ヤマハだったJ.ロレンソがドゥカティへ,スズキだったM.ビニャーレスがヤマハへと大型移籍があったりしたのですが,来季は契約が切れるライダーがあまりいないこともあって,昨シーズンほど大型の移籍がありませんでした。私たち日本人にとっては,何といっても中上貴晶のステップアップがうれしいニュースでした。ここでそのラインナップをまとめておきたいと思います。
2018年 MotoGPクラス ライダーラインナップ
チーム ライダー
モビスター・ヤマハMotoGP V.ロッシ
M.ビニャーレス
レプソル・ホンダ・チーム M.マルケス
D.ペドロサ
ドゥカティ・チーム A.ドビツィオーゾ
J.ロレンソ
チーム・スズキ・エクスター A.イアンノーネ
A.リンス
モンスター・ヤマハ・テック3 J.フォルガー
J.ザルコ
オクト・プラマック・レーシング D.ペトルッチ
J.ミラー
アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ A.エスパルガロ
S.レディング
LCRホンダ C.クラッチロー
中上 貴晶
レアーレ・アビンティア・レーシング T.ラバト
X.シメオン
プル&ベア・アスパー・チーム A.バウティスタ
K.アブラハム
エストレラ・ガルシア0,0マークVDS F.モルビデリ
T.ルティ
レッドブルKTMファクトリー・レーシング P.エスパルガロ
B.スミス
2017/09/27(水)
☆スポット参戦(F1)
○スクーデリア・トロロッソから発表があり,10月1日(日)に今週末にセパン・インターナショナル・サーキットで開幕する第15戦マレーシアGPに,D.クビアトに代わって今季SFにフル参戦しているP.ガスリーがスポット参戦することになりました。ガスリーのF1参戦については,今シーズン途中から参戦することになるのではないかという噂も出ていましたが,どうやらそれの実現の可能性は低くなっています。しかし,来季からのフル参戦するのはほぼ間違いない状況になってきています。今季のSFでは,ホンダエンジンユーザーの1つであるTEAM MUGENからフル参戦しています。そして,ガスリーはこれまでレッドブルの支援を受けてジュニアドライバーとしてレース参戦してきています。来季からそのレッドブルのジュニアチームであるトロロッソにホンダ製パワーユニットが搭載されることが決定していますので,偶然とはいえ,まさにガスリーのためにそうなったのではないかと思われるくらいの状況にあります。今季マクラーレン・ホンダからフル参戦しているS.バンドーンがそうであったように,F1へのステップアップの前段階としてSFへのフル参戦をしているガスリーですが,初めてのサーキットばかりにもかかわらず第2戦で初ポイントを獲得。そして第4戦で初優勝を飾ると,次に我が大分県にあるオートポリスで行われた第5戦でも優勝して連勝を飾りました。さらに,第6戦では優勝こそ逃したものの,2位に入って現在ランク2位につけていて,ホンダエンジンユーザーでは唯一タイトル争いに残っています。SFはあと1戦しか残ってなく,そこで今季のチャンピオンが決まることになります。F1へのスポット参戦で勢いをつけ,SFの最終戦で優勝を飾り,来季のF1フル参戦の手土産になるのか,ガスリーに今季残っている2つのレースは要注目となりますね。
2017/09/26(火)
☆どちらに?(F1)
○レッドブルから発表があり,イギリスの高級スポーツカーブランドであるアストンマーチンと同チームのタイトルスポンサーとしての契約が成立しました。これにより,来季からのチーム名が『アストンマーチン・レッドブル・レーシング』になります。両社の関係は2016年に始まり,レッドブルのE.ニューウェイがデザインを手がけたアストンマーチンのハイパーカーである『ヴァルキリー』を共同開発しています。今回の契約成立により,両社の関係はさらに強まり,アドバンスド・パフォーマンス・センターという設備がミルトンキーンズに作られてヴァルキリーの後継モデルの作製をしていくことになります。今回の契約は,市販車の開発をすることから注目を集めているだけではありません。来季までルノー製パワーユニット(PU)を使用することが決まっていますが,2019年以降は別のPUを使用することになっています。その新たなPUがどこになるのかは未定です。アストンマーチンがF1進出を狙っているのではないかという噂が以前から浮上していて,アストンマーチンとしてもそれを否定していません。ただ,新たなPUに関するレギュレーションが2021年から始まりますが,その内容がどうなるかで進出するかしないかの判断をするということです。PUに関しては,このことだけではありません。既に発表があったように,マクラーレンとホンダの提携が今シーズン限りで解消となり,来季からレッドブルのジュニアチームであるトロロッソが,新たにホンダとタッグを組むことになりました。これは,単にトロロッソが独自の判断でホンダと手を組んだわけではなく,この提携はレッドブルが話を進めていっています。この決定の背景には,2019年シーズンからレッドブルもホンダと手を組むことになるのではないかというものがあります。来季はここ3年間のマクラーレンがそうだったように,トロロッソのみへのPU供給となっています。開発のためには複数チームへの供給が望ましく,ホンダも来季に向けてマクラーレンともう1チームへの供給を目指していました。その一環としてザウバーと契約が一旦は成立しましたが,その後解消になっということも起きています。ということで,2019年からレッドブル系の2チームにホンダ製PU供給ということになりそうな感じもありますので,果たしてレッドブルのルノーに替わる新たなPUがアストンマーチンになるのか,それともホンダになるのか,今後の動向がかなり気になるところですね。
2017/09/25(月)
☆スペイン(MotoGP)
○第14戦アラゴンGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったモーターランド・アラゴンで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたドゥカティチームのJ.ロレンソが,好スタートを切ってトップに立ちました。先行逃げ切りを得意とするロレンソは,ソフトタイヤ選択の利を活かしてトップの座を守って独走態勢に持ち込もうとしました。中盤まではトップの座を守っていたものの,徐々にペースが落ちていきました。そうした状況の中ペースを上げ来たのが,ここまでランくをっぷを行くレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。前日の予選で転倒を喫し,5番グリッドからのスタートなったマルケスでしたが,徐々にポジションをアップしていき,16周目についにトップに浮上すると,少しずつポジションをアップすると,12周目に2位に浮上し,16周目にはペースが少しずつ落ちてきたロレンソを交わしてついにトップに立ちました。その後は単独走行に持ち込み,今季5勝目を挙げました。ランキングラソイデ直接的ライバルになっているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが7位に終わってしまったため,ランク2位のドビツィオーゾとの差を16に広げました。ここを得意とする6番グリッドスタートのレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,こちらも徐々にペースを上げて順位を上げていき,残り3周となったところでペースが落ちているロレンソを交わして2位に浮上しました。その後はこちらも単独での2位走行となり,レプソル・ホンダ・チームのワンツーフィニッシュとなりました。ペースが落ちたロレンソでしたが,トップから2秒遅れの3位でフィニッシュしています。トレーニングで転倒して骨折しているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,何とかメディカルチェックも通って無事出場となりました。まだケガの状態が不完全なままでの出場でしたが,予選から速さを見せて彼のタフネスさを示しましたが,トップ争いからは離れましたが,決勝レースでも同様に上位争いに顔を出し,最終的にチームメイトであるM.ビニャーレスに交わされたものの,5位でのチェッカーとなりました。なお,スペインのアラゴンでのレースでしたが,大勢の観客に書k初されたのか,スペイン人ライダー勢が上位に顔を出していて,トップ10中7人がスペイン人ライダーとなっていますし,表彰台も独占しています。
Moto2クラスは,ランクとぷを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリと,今シーズン好調な走りを見せているイタルトランス・レーシング・チームのM.パッシーニとのトップ争いとなりました。最後まで続いた2人のバトルでしたが,来季MotoGP昇格が決まっているモルビデリがトップでゴールラインを越え,今季8勝目を挙げました。3位には,KTMのシャーシを駆るレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。10番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップから7秒以上離されて8位でチェッカーとなっています。テルルSAGチームの長島哲太は,18位でチェッカーを受けてノーポイントレースに終わっています。
毎回最初にレースが行われるMoto3クラスですが,霧がサーキットに立ちこめていた影響でスタートがディレイとなり,その後霧が晴れてスタートとなりましたが,周回数が7周減算となって決勝レースがスタートとなりました。複数台によるトップ争いが展開され,ここまでランクトップを行くレオパード・レーシングのJ.ミルが,最終ラップに逆転でトップに立ち,今季8勝目を挙げました。この勝利により,ランク2位につけているマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティとの差が80ポイントとなり,早くもチャンピオン獲得に王手をかけています。最後まで続いたトップ争いでしたが,デル・コンカ・グレシーニMoto3F.ディ.ジアントニオが2位,ミルのチームメイトであるE.バスティアニーニが3位に入っています。日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が13位でチェッカーを受けてポイントを獲得したものの,SICレーシング・チームの佐々木歩夢は僅差で16位でのチェッカーとなり,惜しくもポイント獲得はなりませんでした。ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,感想は他はしたものの,28位でのチェッカーとなっています。

☆逃げ切り(SF)
○第6戦の決勝レースが,ドライコンディションとなったスポーツランドSUGOで行われました。今季全7戦で行われているSFですが,今回で残り2戦となってタイトル争いが佳境を迎えてきています。そのような中でスタートが切られた決勝レースは,ポールからスタートしたKONDOH RACINGのN.キャシディが出遅れたのに対して,好スタートを切ったTOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛がトップに立ちました。その関口を来季F1昇格が期待されているTEAM MUGENのN.キャシディ,そして元F1ドライバーであるVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴が追うという展開となりました。タイヤ交換義務がなく,ピット作戦の違いにより順位に変動が見られましたが,終盤まで続いた3台によるトップ争いでしたが,終盤に入ってガスリーがトップの関口を責め立てたものの,関口が逃げ切ってコンマ243秒差で今季2勝目を挙げています。中嶋は,最終的にトップから1秒以上離されたものの,4位に大差をつける独走で3位に入っています。この結果,ランクトップを行くP.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明と,2位を行くガスリーとのポイント差が,わずかコンマ5点と差が全くと言っていいほどなくなっています。
2017/09/22(金)
☆移籍(MotoGP)
○シーズン後半に入り,今シーズンのタイトル争いはもちろん,来季のシート獲得競争も後半に入っています。まずは最高峰のMotoGPクラスから決まっていきますが,この度ドゥカティのサテライトチームの1つであるレアーレ・アビンティア・レーシングから発表があり,今シーズンMoto2クラスにフル参戦しているX.シメオンを来シーズン起用することが決定しました。同チームの今シーズンは,H.バルベラ&L.バズのコンビで臨んでいましたが,先日T.ラバトが来季から同チームに所属することが発表され,今回新たにシメオンとの契約が発表されたことから,二人ともシートを失うことが決定しました。それと同時に,この度Moto2クラスにフル参戦しているポンスHP40から発表があり,来シーズンからバルベラを起用することになりました。8年間にわたって最高峰クラスにフル参戦してきたバルベラですが,再び中量級クラスに参戦することになりました。さらに,そのチームメイトとしてR.バルダッサーリとの契約も発表されました。これにより,来季の同チームは,30歳のベテランスペイン人ライダーと,20歳の若手イタリア人ライダーというように,ある意味理想的な組み合わせとなります。
また,V.ロッシがオーナーを務め,中・軽量級クラスにフル参戦しているスカイ・レーシング・チームVR46から発表があり,Moto2クラスに関しては,F.バグナイアを継続起用すると共に,新たに今季フォワード・レーシングから同クラスにフル参戦し,ランク11位につけているR.マリーニと新たな契約が結ばれました。マリーニといえば,既に皆さんご存知のように,ロッシの異父兄弟に当たりますので,まさに兄弟でタッグを組んだ形になっています。
2017/09/21(木)
☆復帰(インディカー)
○インディカーシリーズにフル参戦している佐藤琢磨が,来シーズンはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍することを発表しました。今シーズンはアンデョレッティ・オートスポーツからフル参戦し,日本人としては初となる世界4大レースの1つ「インディ500マイルレース」を制するという快挙を成し遂げました。チームとの関係はとても良好で,来シーズンは同チームで2年目のシーズンを迎えるものと思われていました。しかし,流れが変わってきたのが,来シーズン同チームがどのエンジンを使用するかという点でした。今季はホンダエンジンユーザーの1つだった同チームですが,来季はシボレーエンジンにスイッチするのではないかという噂が浮上してきました。もしそうなると,ホンダの支援を受けている啄磨は他のチームを探す必要が出てきます。早くいいシートを確保する必要がある啄磨側は,水面下でこの事態に対処していったようです。ところが,チームがホンダ陣営残留を発表したため,表向きは啄磨が残留するものと思われていました。ところが,4台体制を敷く同チームから,9月15日付のこのページでお伝えしたように,唯一残っていた4つ目のシートにZ.ビーチを採用することが発表され,自動的に啄磨が同チームでのシートを失うことが決定していました。どうやら,同チームがどのエンジンを採用するかの検討をしている段階で,啄磨とチーム側に行き違いのようなものが生じていたようです。この発表を受けて,啄磨側が今回のレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍することになりました。移籍とはいっても,啄磨は同チームから2012年シーズンにフル参戦していますので,実際には復帰ということになります。このチームは,かつてインディカーシリーズの前身であるCARTシリーズでチャンピオンを獲得した経歴を持つB.レイホールが共同経営しているチームで,今シーズンはG.レイホールの1台体制で臨んでいます。そのチームが来季は2台体制を組むことになり,そこに啄磨が座ることになったわけです。今シーズンはわずか1年でチームを去ることになりますが,実は2012年シーズンもチームがホンダからシボレーにエンジンを変更することになったため,啄磨は1年でチームを移籍することになった経歴があります。今度はぜひ複数年在籍し,安定した成績を出していってほしいものです。
2017/09/20(水)
☆参戦は?(MotoGP)
○先月末にプライベートで行っていたトレーニングにおいて転倒を喫し,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは右足の脛骨と腓骨を骨折するという重傷を負ってしまいました。すぐに手術が施され,現在はリハビリに取り組んでいる状態です。そのケガが治るには1ヶ月以上の期間が必要といわれていて,実際彼にとって最も身近な場所での開催である第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPは欠場となってしまいました。さらに,今週末に行われる予定になっている第14戦アラゴンGPも当初は欠場することになっていて,彼の代役としてSBKにおけるヤマハのワークスライダーの一人であるM.ファン.デル.マークが出場することが発表され,ロッシはその次の日本GPからの復帰を目指すということでした。ところが,42ポイント差をつけられてかなり厳しいとはいえ,現在ランク4位につけているロッシとしては,チャンピオン獲得が全く不可能というわけではありませんから,1戦でも早く復帰したいのも事実でしょう。そこでロッシはプライベートテストを行い,その走りを受けてアラゴンGP出場の可否を判断することにしたようです。そこで9月18日(月)と19日(火)の両日,ロッシは第13戦の会場で,彼にとってのホームコースであるミサノ・ワールド・ワーキット−マルコ・シモンチェリでプライベートテストを行いました。テストに使用したのは,彼が駆っているMotoGPマシンであるYZR-M1ではありませんでdした。というのも,シーズンを通してのテスト回数に制限がありますから,ここで使用するわけにはいかないからです。そこで彼が駆ったのは,ヤマハの市販マシンであるYZF-R1です。18日は雨に見舞われてしまったため,ほとんど走行できずに終わりましたが,19日は天候が回復し,2時間ほどの走行で20周こなし,良いフィーリングを持てたということです。ということで,彼としては出場の方向に持って行きたいようですが,そうは簡単にいかないもの事実です。彼の回復具合を調べる必要があり,その結果次第では,やはり欠場せざるを得なくなります。今日リハビリ具合を調べる精密検査を受診することになっていますので,その結果で出場の可否が決まることになります。
2017/09/19(火)
☆2レースとも(SBK)
○ポルトガルのアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェにおいて,第10戦の決勝レースが行われました。今シーズンからSBKは土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われるようになっています。前日に行われたレース1では,ここまでランクトップを行くカワサキ・レーシング・チームのJ.レイが,チャンピオンらしい走りを見せて単独走行に持ち込み,今季10勝目を挙げました。2,3位には,それぞれC.デイビス,M.メランドリのAruba.itレーシング・ドゥカティ勢が入っています。トレーニング中の事故により帰らぬ人となったN.ヘイデンの代役として何人かのライダーが代役宣戦していますが,今回は国内ホンダのエースライダー及びHRCテストライダーを務めている高橋巧が代役参戦しています。その高橋ですが,レース1では15位完走を果たし,初めての海外レースにおいて見事ポイントを獲得しました。
日曜日に行われたレース2は,SBK恒例のリバースグリッドでスタートしました。レース1の勝者であるレイは9番グリッドからスタートとなりましたが,圧倒的な速さに変わりはなく,2周目には早くもトップに立ちました。その後もレイを脅かすライダーは現われず,2日連続で単独走行に持ち込んでこの大会をダブルで勝利しています。2位争いをはじめは5台で行われていましたが,転倒により3台によるバトルとなり,残り3周となったところでデイビスが転倒を喫してリタイアとなり,最終的に鈴鹿8耐の勝者であるPATAヤマハ・オフィシャルWSBKチームのM/ファン.デル.マークが2位,レース1で3位に入ったメランドリが,レース2でも同じ3位に入っています。代役参戦をしている高橋は,ここでも国内ホンダのエースとしての活躍を見せ,今度は10位でチェッカーを受けてトップ10フィニッシュを達成し,両レースで見事ポイントを獲得しています。今回の会場となったアルガルベは,起伏に富んでいて,しかもブラインドコーナーが多いという攻略するのにとても難しいサーキットの1つです。にもかかわらず初めての海外レース,初めてのサーキットというハンディがあるにもかかわらずダブル入賞を果たしたというのは十分に高橋を賞賛して良いと思います。あともう1回第12戦であるスペインのヘレスで代役参戦する機会がありますが,そこでもダブルポイント獲得目指して頑張って欲しいと思います。それにより,高橋が目指している国内で活躍し,SBKへ参戦というMotoGP以外のもう1つの,そして実現性の高い流れが生まれ,もちろんそれに高橋が乗っていくことになるのではないでしょうか。
2017/09/18(月)
☆サバイバルレース(F1)
○第14戦シンガポールGPの決勝レースが,ナイトレースとしてマリーナ・ベイ・サーキットで行われました。今回で10回目の開催となるシンガポールGPですが,これまでウェットによる走行が一度もなかったのですが,決勝レース前に雨が降り始め,初めてウェットコンディションでのスタートとなりました。タイヤ選択がウェットインターミディエイトに分かれてのスタートとなる中でスタートが切られ,好スタートを切ったフェラーリのK.ライコネンとレッドブルのM.フェルスタッペンとが流れの中で2回も接触してしまい,両者はリタイアとなりました。この混乱の中でポールからスタートを切ったフェラーリのS.ベッテルと8番手でスタートしたマクラーレン・ホンダのF.アロンソとが巻き込まれてしまい,両者はすぐにリタイアにはならなかったものの,この接触でマシンに不具合が生じたようで,その後リタイアとなりました。このサーキットとは相性が悪いメルセデスAMG勢は,レースウィークに入ってトップタイム争いから離れたところでの走行を強いられていました。ところが,クラッシュなどのトラブルが多発する中でランクトップを行く5番手スタートのL.ハミルトンは,好スタートを切って一挙にトップに立ちました。その後は,ファステストをマークしたりしながら順調にトップの座を守っていき,アクシデントによるセーフティーカー導入があって差がなくなってもペースアップで後続との差を広げていったりしながらトップを走行していき,最後は2位に入ったレッドブルのD.リカルドに4秒以上の大差をつけて今季7勝目を挙げました。スタート時のアクシデントの影響でベッテルがリタイアに終わったため,両者の差は28ポイントに広がっています。3位にV.ボッタスが入って,結局チャンピオンチームであるメルセデスAMG勢が,相性の悪いこの大会で表彰台2つを獲得する結果となりました。レースウィークに入って好調な走りを見せていたマクラーレン・ホンダ勢は,アロンソがアクシデントの影響によりリタイアに終わってしまったものの,9番手からスタートしたS.バンドーンが7位入賞を果たしています。復活以来3年間にわたって好結果が得られなかったため,この大会を前に提携解消が発表されたマクラーレンとホンダですが,そのレースで入賞を果たすという何とも皮肉な結果となっています。なお,20台でスタートを切ったこのレースですが,アクシデントやトラブルが多発してサバイバルレースとなってしまい,最終的に完走を果たしたのは12台でした。
2017/09/17(日)
☆巻き返し(F1)
○第14戦シンガポールGPの予選が,午後9時から始まるというナイトセッションで行われました。トップ10でグリッドを決めるQ3でトップタイムをマークしたのは,現在ランクトップから3ポイント差で2位につけているフェラーリのS.ベッテルでした。今シーズン3度目となるポールを決めた彼のタイムは,トラックレコード更新するものでした。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれM.フェルスタッペン,D.リカルドで,初日から好調な走りを展開していたレッドブル勢でした。レッドブルに対して初日から苦戦している感のあるメルセデスAMG勢ですが,L.ハミルトン,V.ボッタスのグリッドは,それぞれ5,6番に終わっていて,予選でも苦しい走りになっていました。レッドブル勢と同じく好調な走りとなったのが,大会を前に今シーズン限りで提携解消を発表したマクラーレン・ホンダでした。2台揃ってQ3進出を果たし,最終的にF.アロンソが8番手,S.バンドーンが9番手と,ダブル入賞を果たしたハンガリーGPと同じ予選結果でした。
2017/09/16(土)
☆解消&提携(F1)
○セナ&プロスト時代に黄金期を迎え,再びその再現を担って始まったマクラーレンとホンダの提携でしたが,3年間にわたって続いたこの関係は,優勝はもちろん,ポイント獲得さえもままならない状況が続く中で終焉を迎えることになりました。ずっと提携解消の噂が絶えなかった両者の関係でしたが,昨日ホンダ及びマクラーレンから発表があり,今シーズン限りでパートナーシップを解消することになりました。思うような結果を出すことができない状態続いているホンダ製パワーユニット(PU)は,F1復帰以来マクラーレンのみに供給されていましたが,データ不足を解消するため,2チーム目の供給先を見つけていました。その結果,来季からザウバーへも供給することが一旦は決定し,来季は2チームからのデータを得ることができることになり,復帰以来3年間低迷しているホンダPUの開発が期待されました。ところが,ザウバーの体制に大きな変更があり,ホンダとの提携にこぎ着けたM.カルテンボーンがチーム運営から離れることとなり,新しい体制は不振を極めるホンダ製PU導入をやめ,現行のフェラーリとの提携を継続する道を選びました。2チーム目を模索しているホンダは,今度はレッドブルのジュニアチームともいえるトロロッソとの提携を目指して話し合いを開始。一時は提携がまとまるところまで話は進んだようですが,一部報道機関では話し合いが不調に終わったことを報道する状況となりました。そのような中,ハンガリーGPでダブル入賞を果たし,ようやく前に進めそうな状況となったものの,すぐにその勢いはすぼみ,相変わらず信頼性と速さが大きく不足する状況となりました。F.アロンソがホンダとの提携解消の圧力を加えるかのような発言を繰返したり,チームからも似たような発言が出てきて,両者の関係はさらに悪化してもはや提携解消は避けられない状況になっていました。しかし,マクラーレンがホンダから手を引いたとしても,それに替わって使用するPUが見当たらず,メルセデスやフェラーリは早い段階で供給拒否を明言。後残るのはルノー製PUのみとなりました。しかし,既に4チーム供給が決定していて,これ以上の供給は不可能ということで,マクラーレンとしてはホンダを選ぶしか手はない状況でした。ここで浮上してきたのが,一部で不調に終わったという報道がなされたトロロッソとの提携でした。トロロッソの親チームであるレッドブルは,ルノー製PUを搭載しているものの,PU名はルノーではなく,スポンサーであるタグホイヤーを冠しているように,決して良好な関係が続いているとはいえません。むしろ,いつご破算になってもおかしくない状況です。そこで考えられるようになったのが,トロロッソがホンダ製PUを採用するということです。レッドブルと同じくルノー製PUを採用しているトロロッソが,それを手放してマクラーレンにその枠を譲り,替わってホンダと提携すると,現在の状況が全て丸く収まることになります。来季以降ホンダ製PUの開発が順調に進み,ある程度大きな結果が出るようになったら,レッドブルがルノーとの提携を解消して,2チーム供給を目指しているホンダに乗り換えるということも可能となります。そうした思惑が垣間見える中で話し合いが進んでいき,冒頭でお伝えしたホンダとマクラーレンの提携解消へと続きました。さらに,その流れから提携解消の発表後,今度はホンダとトロロッソから発表があり,両者が複数年契約を結んで提携することになり,トロロッソ・ホンダが新たに来季からスタートすることが決定しました。自動的に,来季はマクラーレン・ルノーがスタートすることにもなりました。色々な報道機関から憶測が飛び交っていた一連の話ですが,ようやく決着を見た状況となっています。
2017/09/15(金)
☆1年で(インディカー)
○今シーズンのインディ500王者である佐藤琢磨が所属するアンドレッティ・オートスポーツから発表があり,昨年インディ・ライツシリーズでランク4位に輝いたZ.ビーチを来シーズンから起用することになりました。4台体制を敷いている同チームですが,今シーズン同チームに所属しているM.アンドレッティとR.ハンター−レイは来季まで契約が残っていますし,今シーズンで契約が切れるA.ロッシについては,先日契約延長が発表されていますので,4つのシート全部が埋まったことになります。ということは,今シーズン同チームに移籍し,インディ500を制した啄磨は,わずか1年で同チームのシートを失うことが決定しました。ホンダエンジンを採用している同チームですが,一時はシボレーエンジンを来季から採用するのではないかという噂が浮上していました。もしそうなると,ホンダの支援を受けている啄磨はチームを離脱することになるところでしたが,継続してホンダエンジンを採用することが発表されたことから,すっかり来季も同チームから参戦と思われていました。しかし,その噂が浮上してきてから,啄磨が来季はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍するのではないかという噂が浮上していました。アンドレッティ・オートスポーツのシボレー陣営加入はなくなったものの,どうやら啄磨がレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍するという噂は現実のものとなりそうです。
2017/09/14(木)
☆史上初(MotoGP)
○FIMより,来シーズンのレースカレンダーの発表がありました。それによると,既に発表があったように,来季からタイでのレースが加わることになりましたので,史上初となる全19戦のシーズンとなります。ツインリンクもてぎで行われる日本GPは,第16戦としての開催で,これまで通り10月に開催となります。具体的なカレンダーは以下の表のようになりますが,これは暫定版ですので,今後変更になる可能性があります。
2018年 MotoGPレースカレンダー(暫定)
決勝日 大会 サーキット
第1戦 3月18日 カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット
第2戦 4月8日 アルゼンチンGP テルマス・リオ・オンド
第3戦 4月22日 アメリカズGP サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
第4戦 5月6日 スペインGP ヘレス・サーキット
第5戦 5月20日 フランスGP ル・マン
第6戦 6月3日 イタリアGP アウトドローモ・デル・ムジェロ
第7戦 6月17日 カタルニアGP バルセロナ・カタルニア・サーキット
第8戦 7月1日 オランダGP TTサーキット・アッセン
第9戦 7月15日 ドイツGP ザクセンリンク
第10戦 8月5日 チェコGP アウトモトドローム・ブルノ
第11戦 8月12日 オーストリアGP レッドブル・リンク・シュピールベルグ
第12戦 8月26日 イギリスGP (未定)
第13戦 9月9日 サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニ ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ
第14戦 9月23日 アラゴンGP モーターランド・アラゴン
第15戦 10月7日 タイGP チャーン・インターナショナル・サーキット
第16戦 10月21日 日本GP ツインリンクもてぎ
第17戦 10月28日 オーストラリアGP フィリップアイランド・サーキット
第18戦 11月4日 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット
第19戦 11月18日 バレンシアGP コムニタ・バレンシアーナ-リカルド・カルド
2017/09/13(水)
☆市販F1マシン?(F1)
○現在フランクフルト国際モーターショーが開催されていますが,その会場で各社からレースに関連する車がいくつも発表されています。その中で最も注目を集めているのは,何といってもメルセデスAMGが発表した市販車でしょう。その車とは,同社が開設50周年を記念して開発されている2シータースポーツカーである『メルセデスAMG・プロジェクト・ワン』です。これは,F1で採用されている1.6リッター V6ターボのパワーユニットをミッドシップに搭載している,形こそ違いますが,まさに市販F1マシンともいえるものです。各車輪に電動モーターも搭載していて,総出力が1000馬力以上,最高時速は350km/hにも及び,時速0kmから時速200kmまでがわずか6秒という加速を味わえるということです。まだ開発段階で今回発表されたのが最終仕様というわけではありませんが,推定価格は240万ポンド(約3億4,000万円)という報道がなされています。庶民には全く関係のない車ですが,既に200人をはるかに超える人が契約をしているとのことです。実車を目にすることさえもないと思いますが,我々はネットや雑誌などの写真でその迫力を楽しむとしましょうかね。
2017/09/12(火)
☆代役参戦(MotoGP)
○モビスター・ヤマハMotoGPから発表があり,9月24日(日)に決勝レースを迎える予定の第14戦アラゴンGPに,負傷欠場しているV.ロッシの代役として,SBKにヤマハのマシンを駆ってフル参戦しているM.ファン.デル.マークを起用することになりました。既にお伝えしたように,地元での大会となる第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPを前に,ロッシはイタリアでモトクロストレーニング中に転倒して脛骨や右足を骨折する大怪我を負ってしまいました。無事手術は終了しましたが,完治するまで1ヶ月かかるといわれていて,ロッシにとっては肝心の第13戦を欠場していました。その際,同チームは代役を立てませんでしたが,次戦アラゴンGPでは代役を立てることになったわけです。欠場が続くロッシは,来月中旬に行われる日本GPからの復帰を目指してリハビリに専念するようです。今回代役参戦となったファン.デル.マークは,2014年にチャンピオンを獲得したWSSや,SBKにおいてホンダのマシンを駆っていましたが,今シーズンからヤマハに移籍しています。ホンダ時代に鈴鹿8耐で2013,2014年と連勝を果たし,今年はヤマハから出場しました。そこでも圧倒的な速さを見せる走りに貢献し,見事優勝を果たしています。GPにおけるフル参戦はありませんが,中・軽量級クラスでの参戦は経験しています。最高峰クラスへの参戦は初めてで,もちろんヤマハのMotoGPマシンであるYZR-M1を駆るのも今回が初めてとなります。
2017/09/11(月)
☆2連勝 PARTT(JRR)
○第7戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。今回は,SFとの併催である2&4でした。JSB1000クラスのみの開催となった今大会は,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰,そのチームメイトで,オートポリスで行われた第5戦の勝者である中須賀克行,そしてSBKへのスポット参戦が決まっているMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの高橋巧による三つ巴の争いが展開されていきました。ところが,15周目に入った1コーナーで野左根がオーバーランを喫してトップ争いから脱落し,中須賀と高橋巧によるマッチレースとなりました。そして,その翌周に高橋から中須賀がトップの座を奪うと,後は差を徐々につけていき,最終的に高橋に3秒近い差をつける独走で,中須賀の地元九州で2連勝を飾りました。野左根がトップ争いから脱落したことで3位にヨシムラスズキMOTULの津田拓也が入り,ランクトップの座を何とか守りました。脱落した野左根は,7位でチェッカーを受けています。なお,我が大分県の高校生ライダーで,普段はRS ITOHからST600クラスにフル参戦している清末尚樹が,豊後なしかレーシング倶楽部からという形でスポット参戦し,ポイント獲得にはほど遠かったものの,22位完走を果たしています。

☆2連勝 PARTU(SF)
○JRRとの併催となる第5戦の決勝レースが,暑い日差しが差すオートポリスで行われました。序盤は,ポールからスタートしたDOCOMO DANDELIONの野尻智紀と,ツインリンクもてぎで行われた前戦でSF初優勝を飾ったTEAM MUGENのP.ガスリーとのトップ争いとなりました。ミディアムタイヤを選択した野尻と,グリッド上でソフトタイヤに履き替えたガスリーとで作戦に違いが見られ,それが結果的にレース結果に大きな影響を与えました。そして,結果的にどちらが正解だったかというと,ソフトを選んだガスリーの方でした。野尻を抜きあぐねていたガスリーは,ライフが短いソフトを履いていたことで野尻より早めのピットインとなりました。ここで野尻も合わせてピットインしていたら違った展開になっていたのかもしれませんが,ライフの長いミディアムを履いていたこともあってか,そのまま走行を続けました。38周目にピットインした野尻でしたが,給油が長引いたことからピットアウト後ペースを上げていたガスリーに前を行かれるだけでなく,1コーナーでKCMGの小林可夢偉と接触してフロントウィングを失いながらコースオフを喫してしまい,上位争いから脱落してしまいました。トップの立ってからのガスリーは安定した速さを見せ,トップの座を守ったままチェッカーを受け,前戦に次ぐ2連勝を果たしました。既にF1参戦に必要なスーパーライセンスを保有しているガスリーですが,F1でのシートに座ることができなかったため,昨シーズンのS.バンドーンのようにSFに闘いの場を求めている状況です。ところが,トロロッソのC.サインツがシーズン途中でルノーへ移籍するかもしれないという噂が出ていて,その空いたシートにガスリーが座るのではないかという噂も同時に浮上しています。しかも,来シーズンの話ではなく,10月初めに行われる第15戦マレーシアGPから昇格するのではないかということで,大どんでん返しが起きそうな気配があります。トロロッソといえばマクラーレンに替わって来シーズンからホンダエンジンを搭載するのではないかという噂が日に日に高まってきている状況ですから,1つ1つが連動してきているかのような印象を受けます。ここ数日でもしかしたら方向性が出そうな気配もありますから,しばらくは目が離せない状況といえます。なお,2,3位には早めのピットイン作戦を採ったSUNOCO TEAM LEMANS 勢が入り,それぞれF.ローゼンクヴィストと大嶋和也が入りました。ローゼンクヴィストの表彰台獲得は3戦連続で,大嶋は2012年以来5年ぶりの表彰台獲得となります。

☆ランクトップ(MotoGP)
○第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースが,ウェットコンディションとなったミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで行われました。MotoGPクラスは,ランク4位を行くV.ロッシが,ケガにより地元GPを欠場しています。レースの方ですが,8番グリッドからスタートしたオクト・プラマック・レーシングのD.ペトルッチが,7周目にトップに立ち,それをポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが追うという展開となりました。ファイナルラップまで続いた2人のバトルは,マルケスがファステストラップを刻む速さを見せて逆転し,今シーズン4勝目を挙げました。この大会前までランクトップに立っていたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾは,2人のトップ争いからは離されたものの,3位でチェッカーを受けて今季6度目となる表彰台を獲得しています。この結果,ランキング争いでマルケスがドビツィオーゾに同ポイントとなり,勝利数が多いマルケスの方がランクトップに再び立っています。
Moto2クラスは,雨により足元をすくわれるライダーが続出し,31名中15名が転倒リタイアに終わるというサバイバルレースとなりました。その転倒リタイアの中には,ランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリも含まれています。その荒れたレースを制したのは,キーファー・レーシングのD.エガーターでした。カレックス製のマシンが圧倒的強さを見せているこのクラスですが,彼が駆るマシンはスッター製で,同マシンの優勝は,2014年シーズンの最終戦バレンシアGPで当時はスッターを駆っていたインターウェッテンのT.ルティが優勝して以来となります。現在はカレックスのマシンを駆っているランク2位のルティですが,エガーターから1秒以上遅れは取ったものの2位に入り,モルビデリがリタイアしたことから2人のポイント差が9に縮まっています。3位には,ウェットコンディションを得意とするペトロナス・レースライン・マレーシアのH.シャハリンが入り,ワイルドカード参戦をした2012年の第16戦マレーシアGP以来となる表彰台を獲得しています。前戦で勝利を収めたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,5位走行中に転倒を喫するというアクシデントに見舞われました。しかし,幸いなことに再スタートを切ることができ,11位でチェッカーを受けています。上位争いに絡むことはできませんでしたが,貴重なポイントを獲得することができ,これによりランク6位に浮上しています。テルルSAGチームの長島哲太も,中上と同様に転倒&再スタートをし,14位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,Moto2クラスと同じく転倒者が続出する展開となり,31名中15人が転倒リタイアという荒れた展開となりました。そのような中,ポールからスタートしたマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティは,3周目にトップに立つと圧倒的な速さで後続との差を広げていき,2位に28秒以上の大差をつける独走で今季2勝目を挙げました。その2位には,ランクトップを行くレオパード・レーシングのJ.ミルが入っています。3位にデル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジアントニオが入り,今季3度目の表彰台を獲得しています。
2017/09/08(金)
☆復帰(MotoGP)
○MotoGPクラスにフル参戦しているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSは,J.ミラー&T.ラバトの2人で今シーズンフル参戦していますが,来シーズンに関しては,既に正式発表されているように,同チームからMoto2クラスにフル参戦し,ここまでランクトップを行くF.モルビデリが最高峰クラスにそのまま昇格することになっています。さらに,そのモルビデリとタイトル争いを演じているT.ルティが,彼のチームメイトとして昇格することにもなっています。ということでミラーにしてもラバトにしても新たなシートを獲得する必要があるわけですが,ミラーについては,既にプラマック・ドゥカティに移籍することが発表されています。そして,この度レアーレ・アビンティア・レーシングから発表があり,来シーズンそのラバトを起用することになりました。同チームはドゥカティから型落ちのデスモセディチを供給されていますが,ラバトは今季型を使用することになるようです。同チームの前身はホンダBQRですが,ラバトは2005年に同チームに所属してスペイン選手権の125ccクラスにフル参戦した経歴を持ちます。その後他チームへの移籍を経験していますが,その度にBQRが運営するチームに復帰していて,今回も同様の形となります。Moto2クラスではチャンピオンを獲得したものの,MotoGPクラスに昇格してからはほとんど上位争いに顔を出すことがないまま2年間を過ごしていました。今季タイトル争いを展開しているマシンを来季駆ることになるわけで,優勝争いという点では厳しいでしょうが,今季なかなか達成できていないトップ10フィニッシュは十分可能なのかもしれませんね。
2017/09/07(木)
☆欠場&出場(MotoGP)
○明日から第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPが開幕しますが,ここはモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシにとってまさに地元でのレースということになりますので,例年ですと間違いなくスタンドはロッシカラーである黄色に染まることになります。ところが,その染まった前をロッシが駆け抜ける事が不可能となりました。というのも,先月30日にエンデューロを使用してトレーニングしている時に転倒を喫し,右脚の脛骨と腓骨を骨折するという重傷を負ってしまいました。直ちに病院に運ばれて1日に手術となり,これは無事成功して2日に退院しました。しかし,彼からは正式発表はないものの,完治するのに1ヶ月以上必要な状況にあるようです。その結果,ロッシにとって最重要ともいえる今回の大会を欠場することが決まりました。現在のロッシは,早期回復に向けて物理療法によるリハビリを開始しているとのことです。今シーズンのMotoGPクラスは,彼が所属するモビスター・ヤマハMotoGP及びレプソル・ホンダ・チームの2人,そしてここまでランクトップをいっているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾの5人によるチャンピオン争いが展開されています。それだけに,1戦でも取りこぼすことは大きな痛手となります。まさにロッシにとって黄色信号が灯った状況になっています。
なお,ロッシが怪我の治療をしている4日に,同じイタリア国内でトレーニングのために過ごしていたLCRホンダのC.クラッチローが,左手人指し指の伸筋腱をナイフでカットするというケガを負ってしまいました。バイクを操作する上で支障となることは間違いありませんが,病院で特別な添え木をしてもらっていて,明日からのレースには出場するということです。
2017/09/06(水)
☆5年連続(MotoGP)
○2輪レースを統括するFIMより,10月15日(日)に決勝レースを迎える予定の第15戦日本GPにおいてワイルドカード参戦するライダーの発表がありました。その内訳ですが,まずMotoGPクラスには,JRRのJSB1000クラスにおいて前人未踏の5連覇を成し遂げて今シーズンを迎えている中須賀克行が参戦することになりました。6連覇を目指している今シーズンの中須賀は,JRR本戦では転倒続きで決して言いリザルトを残しているとは言えませんが,7月末に行われたWECシリーズの最終戦となる鈴鹿8耐において圧倒的な強さと速さを見せ,ヤマハとしては史上初となる3連覇を成し遂げています。MotoGPクラスには,今年で5年連続ワイルドカード参戦となります。2012年には,代役参戦した第18戦バレンシアGPにおいて雨に見舞われた不安定な路面状況の中2位表彰台を獲得しています。ヤマハで開発ライダーも務めている中須賀ですが,その自ら開発しているYZR-M1を駆って,今大会ではYAMALUBE YAMAHA FACTORY RACINGからゼッケン21をつけて参戦することになります。
次に,Moto2クラスに2名のライダーがワイルドカード参戦することが決まりました。1人目は,今シーズンJRRのJ-GP2クラスにMuSASHi RT HARC-PRO.からフル参戦している水野涼です。今シーズンの水野は,ここまで5戦中4勝を挙げてランクトップに立っています。2人目は,MOTO BUM HONDAに所属して水野と同じくJ-GP2クラスにフル参戦している榎戸育寛です。昨シーズンはST600クラスでチャンピオンを獲得した後,今季からJ-GP2に進出して3回表彰台を獲得してランク5位につけています。水野,榎戸のどちらも,日本GPではカレックスのマシンを駆ることになっています。なお,毎年ワイルドカード参戦があるMoto3クラスですが,今シーズンは参戦するライダーがありません。
2017/09/05(火)
☆世界へ(SBK)
○SBKシリーズにおけるホンダのワークスチーム的立場にあるRed Bull Honda World Superbike Teamから発表があり,アウトドローモ・アルガルベで行われる第10戦ポルトガルとヘレス・サーキットで行われる第12戦スペインに,今シーズンJRRのJSB1000クラスにMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaからフル参戦している高橋巧をスポットで起用することになりました。今シーズンの同チームは,N.ヘイデン&S.ブラドルの体制でスタートしましたが,既にお伝えしたようにトレーニング中の事故により,残念ながらヘイデンが帰らぬ人となってしまいました。それ以後は,ヘイデンの代役を固定せず,ラウンドによって代役を変えて行きながらシーズンに臨んできています。そして,今回の高橋起用に至ったわけです。今回自身初となる海外戦に挑むことになった高橋は,JSB1000において今季2勝を挙げ,ここまでランク2位につけています。HRCのテストライダーも務めている彼ですから,MotoGPマシンであるRC213Vをはじめ,今シーズンから各種スーパーバイクシリーズにホンダが投入しているCBR1000RR SP2の開発に携わっています。SBKにおける今シーズンのホンダは,登場間もないマシンということや,エースライダーであるヘイデンのご逝去ということもあってか,トップ10フィニッシュがままならないという状況で推移してきています。今回の高橋起用は,こうした状況を打破するためのマシン開発を進める上で重要な機会となることは間違いありません。何より,高橋自身にとって世界への進出に貴重な経験になることは間違いなく,ぜひ良い結果を出してほしいものです。なお,SBKにおける日本人ライダーの参戦は,現在HRCでメインの開発ライダーを務めている青山博一が,2012年にフル参戦して以来5年ぶりとなります。
2017/09/04(月)
☆トップ浮上(F1)
○フェラーリを応援する赤い軍団「ティフォシ」が大勢押し寄せるモンツァ・サーキットで,第13戦イタリアGPの決勝レースが行われました。前日に行われた予選は,激しい雨にレーススケジュールが大幅に変更となる状況でしたが,決勝レースは打って変わって好天に恵まれました。過去最高という新記録でポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,絶好のスタートを切ってトップの座を守ってホールショットを奪いました。その後も順調に走行を続けていき,後半までピットインを延ばして31周目にピットインし,トップのままコースに復帰しました。その後も順調に走行を続け,最終的に2位に4秒以上の差をつける余裕の独走で今季6勝目を挙げました。この大会前までハミルトンと7ポイント差でランクトップに立っていたフェラーリのS.ベッテルは,そのハミルトンから36秒以上差をつけられる3位でフィニッシュとなり,この結果ハミルトンがベッテルを3ポイントリードしてランクトップに浮上しています。2位にV.ボッタスが入り,フェラーリのお膝元でメルセデスAMGがワンツーフィニッシュを達成しています。超高速サーキットのため,スピードで劣るマクラーレン・ホンダは苦戦が予想されていましたが,決勝レースはまさにその通りとなりました。まずF.アロンソは,次戦に備えてエンジン載せ換えをしたため,大幅なグリッド降格のペナルティを受けてスタートしましたが,序盤からシフトアップ時のギアボックスにトラブルが出ていて,思うような走行ができない状態が続いていました。そして,このまま走行を続けると次戦でギアボックス交換等のペナルティが出てくる可能性があるため,レース終盤の51周目にピットインしてそのままリタイアを選択しています。また,予選ではQ3まで進出する活躍を見せたS.バンドーンでしたが,事前にMGU-Kにトラブルが見つかってパワーユニットごと載せ換えしてグリッド降格のペナルティを受けて18番グリッドからスタートしました。ところが,その載せ換えたパワーユニットにトラブルが発生したため,33周目にピットインしてそのままリタイアに終わっています。
2017/09/03(日)
☆史上最多(F1)
○前戦がスパフランコルシャン,そして今回がモンツァと,2戦連続して超高速サーキットでの開催となるF1ですが,そのモンツァ・サーキットでの第13戦イタリアGPの予選が行われました。この日のモンツァは,しばしば激しい雨に見舞われる生憎の天候となりました。激しい雨の中で始まったQ1でしたが,開始から4分ほどだってハースのR.グロージャンが,アクアプレーニングによりストレートで挙動を乱してクラッシュ。このアクシデントにより,予選は早くも赤旗中断となりました。その後も断続的に激しい雨に見舞われてはスタートがディレイとなって,4時を過ぎてようやく何とか走行ができるほどの天候となり,予選が進行していきました。最後のトップ10を決めるQ3で速さを見せたのは,ここまでランク2位を行くメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。しかも,2位におよそ1.1秒の差をつけるという圧倒的な速さを見せてのトップタイムで,これによりハミルトンは史上最多となる69回目のポール獲得となりました。2,3番手タイムをそれぞれM.フェルスタッペン,D.リカルドのレッドブル勢がマークしました。ただ,今回のレッドブル勢は,フェルスタッペンが4基目を超えるエンジンの載せ換え,リカルドが同じくエンジンの載せ換えに加えてギアボックスの交換となっていてグリッド降格が決まっていますので,決勝スタート時は,4番手タイムをマークしたウィリアムズのL.ストロールがフロントローからのスタートとなります。超高速サーキットでのレースとなるため,スピードに劣るホンダエンジンを搭載しているマクラーレン・ホンダは苦戦が予想されますが,予選が雨となったためにスピード面がカバーされ,S.バンドーンはQ3まで進出となり,10番手タイムをマークしています。チームメイトのF.アロンソは,次戦に向けてエンジンの載せ替えを行いますからあえて35グリッド降格のペナルティを受けることを決めていて,Q2での敗退となって13番手タイムをマークしています。
 

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