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最新ニュース

2017/05/31(水)
☆2チーム体制(8耐)
○今年は7月30日(日)に決勝レースが予定されている『コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース』ですが,昨年までの2年間は,ヤマハのワークスチームが連覇していて,今年は3連覇へと記録を延ばすべく,5月28日(日)に今年の参戦体制について発表がありました。それによると,2連覇している中須賀克行を今年もエースライダーに据え,「ヤマハ・ファクトリー・レーシング」として参戦することになりました。そして,その中須賀のチームメイトとなるのは,ヤマハのマシンを駆ってSBKにフル参戦しているA.ロウズと,そのチームメイトで,昨シーズンまでSBKで所属していたホンダから8耐にも参戦して2度の優勝経験を持つM.ファンデルマークの2人です。そして,チーム監督を務めるのは,これまでと同じく元ヤマハのワークスライダーとして国内外で活躍した経歴を持つ吉川和多留監督です。もう1つのチームは,今年8耐が最終戦として組み込まれているEWCにフル参戦している「YART・ヤマハ・オフィシャル・EWC・チーム」が,今年も2チーム目のオフィシャルチームとなります。こちらは,EWCにおける他のレースと同じくB.パークスとM.フリッツ,そして第2戦からチームの一員として加わったJRRのJSB1000クラスにワークスライダーとしてフル参戦している野左根航汰の3人となります。今シーズンの中須賀は,現在まで2戦連続して転倒リタイアに終わっていて,まさかのノーポイントレースが続いています。それに対してホンダの高橋巧が2連勝していて,残りのレース数から考えて中須賀が自力でタイトルを獲得するのがかなり厳しい事態に陥っています。それだけに,8耐にかける意気込みはこれまで以上であることが考えられ,中須賀のさらなる熱い走りを見ることができそうです。
2017/05/30(火)
☆快挙(インディカー)
○世界三大レースの1つである「インディ500」の決勝レースが,雨が心配されたものの,35万人の大観衆が見守る中,最後までドライコンディションとなったインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われました。予選で過去日本人最高位となる4番グリッドからスタートしたアンドレッティ・オートスポーツの佐藤琢磨は,やや順位は下げたものの,順調に上位での争いに加わっていました。ところが,82周目にピットインした際にトラブルからピット作業に時間がかかってポジションをダウン。その後もペースが上がらずに一時は17番手まで順位を下げてしまいました。しかし,予選等を含めて好調さが見られていた啄磨は,粘り強くポジションをアップしていきました。そして,終盤に入って5位まで順位を上げ,179周目には2位にまでポジションアップを果たしました。2012年のこの大会でも2位にポジションアップを果たした経験がある啄磨ですが,その時はかなり強引にトップ浮上を狙ってコンクリートウォールの餌食になってしまい,表彰台獲得はおろか,完走さえ果たすことができませんでした。しかし,今回の啄磨はその時とは違っい,トップを行くチーム・ペンスキーのH.カストロネベスが非常にクリーンなレースを展開していく素晴らしいレーサーであることが分かっていて,残り5周となったところで満を持して彼をパスしてトップに躍り出ました。その後は,カストロネベスの追撃を巧みに振り切ってトップの座を守り抜き,日本人として初のインディ500ウィナーとなりました。まさに,日本のモータースポーツ史上最大の快挙と言える今回の勝利となります。おめでとう啄磨選手!!今回の優勝により,ランキング争いで大幅にジャンプアップし,ランク4位になると共に,ランクトップを行くカストロネベスに11ポイント差まで縮まっています。
なお,同日開催となったもう1つの世界三大レースの1つであるF1モナコGPをパスして,この大会はもちろん,インディカーシリーズ自体も初参戦となるF.アロンソは,啄磨の隣の5番グリッドからスタートし,何と一時はトップに立つというさすが元F1チャンピオンの走りを見せましたが,7番手走行中の残り21周というところでエンジントラブルが発生し,惜しくもリタイアに終わっています。
2017/05/29(月)
☆明暗 PART1(F1)
○世界三大レースの内2つの決勝レースが同日に行なわれ,アメリカのインディカーシリーズでは佐藤琢磨が長い伝統の中で初めて日本人ドライバーとして制覇しました(詳しくは明日お伝えします。)が,それに先んじてヨーロッパでは,第6戦モナコGPの決勝レースが,好天に恵まれたモンテカルロ市街地コースで行われました。K.ライコネン&S.ベッテルがフロントローを独占してスタートを切り,両者は順調にその順位を守りました。そして,両者の明暗を分けたのは,ピット戦略の違いでした。ベッテルよりも先にピットインしたのはライコネンでしたが,ピットアウト後は抜きどころの少ないモナコの罠にはまって前を行くマシンを交わすのにとても苦労していきました。それに対して,ステイアウトを選んだベッテルは,ライコネンが抜きあぐねている間にペースを上げ,タイヤ交換作業を済ませてコースインしたときには,ライコネンの前に出ていました。結局チームメイト同士による優勝争いはベッテルに軍配が上がり,今季3勝目を挙げてランクトップの座を守りました。ワンツーフィニッシュを果たしたフェラーリですが,そのフェラーリがモナコを制するのは2001年以来で,ワンツーは2010年以来となります。3位にはレッドブルのD.リカルドが入りましたが,彼もステイアウトを選んだ中の一人でした。予選で2台揃ってQ2突破をしたマクラーレン・ホンダですが,マシンの信頼性不足は相変わらずで,F.アロンソの代役として参戦したJ.バトンは,パワーユニット等を交換したため15グリッド降格のペナルティが科され,さらにフロアを交換したためピットスタートすることになりました。S.バンドーンは,前戦のアクシデントにより3グリッド降格処分が科されていました。まずバトンは,当然ポイント圏内争いに加わるような状況にはならず,最終的には他車と接触してリタイアに終わっています。バンドーンの方は,ポイント獲得争いに加わっていましたが,バリアの餌食となってこちらもリタイアに終わっています。

☆明暗 PART2(SF)
○昨日お伝えしたように,岡山国際サーキットで行われた第2戦は,土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行なわれる2レース制となっていて,それぞれのレースで獲得するポイントは,通常の半分という形になっています。ただ,SF独特のシステムであるオーバーテイクシステムは,1回のレースで通常使うことができる5回を2レースで使うことになります。好天に恵まれた中で行なわれたレース2は,ピットインのタイミングが勝敗に明暗を分けました。ポールからスタートしたP.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明がステイアウトを選択したのに対し,3番グリッドからスタートしたITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛は1周目走行完了でピットインすることを選択しました。この両者の争いは関口が正解だったようで,トップを走行してピットインした石浦でしたが,ピットアウトしてコースに復帰すると1周目でピットに入った関口に前を行かれてしまいました。懸命に関口を追いかけた石浦でしたが,抜きどころが少ない岡山に苦しめられて抜くことができませんでした。終盤に入ってDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの伊沢拓也がクラッシュしてセーフティーカーが導入されて差がなくなりましたが,関口が抜群のリスタートを決めてトップの座を最後まで守り切り,今季初勝利を収めました。3位には,前日に勝利を収めたVANTELIN TEAM TOM’SのA.ロッテラーが入り,この結果ロッテラーがランクトップに立っています。
2017/05/28(日)
☆久々(SF)
○岡山国際サーキットにおいて第2戦が行なわれていますが,この大会は土曜日,日曜日にそれぞれ予選と決勝が行なわれる2レース制となっています。ということで昨日1回目の決勝レースが行なわれました。予選で2番グリッドを獲得したVANTELIN TEAM TOM'SのA.ロッテラーは,好スタートを切ってホールショットを奪いました。ポールからスタートしたITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛は,ロッテラーに前に行かれたものの,その彼を追う展開に持ち込みました。抜きどころが少ない岡山だけに,レース途中で関口はロッテラーとの差を少し縮めるところまではいくものの,抜くところまでは至りませんでした。そして中盤以降はロッテラーが後続との差を徐々に広げていき,トップでチェッカーを受けました。ロッテラーの優勝は,2015年の最終戦以来久々のものとなります。トップからおよそ2秒遅れで関口がチェッカーを受け,3番グリッドからスタートしたその位置を守り続けたKONDO RACINGのN.キャシディが3位でチェッカーを受け,うれしい初表彰台を獲得しています。4位には,昨年ノーポイントに終わって今季にかけるKCMGの小林可夢偉が入っています。ロッテラーのチームメイトで,開幕戦を制した中嶋一貴は9位でのチェッカーとなり,ノーポイントでレース1を終えています。

☆久々&独占(F1)
○世界三大レースの1つである第6戦モナコGPの予選が,好天に恵まれたモンテカルロ市街地コースで行われました。トップ10のグリッドを決めるQ3では,フェラーリのK.ライコネンが早い段階でトップタイムをマークしてタイミングモニターのトップに躍り出ていました。そのライコネンの勢いは衰えず,ラストアタックでタイムをさらに縮めてトップの座を守り,今季初ポールを獲得しました。ライコネンがポールシッターとなるのは,何と2008年のフランスGP以来9年ぶりとなります。チームメイトのS.ベッテルが2番手タイムをマークし,フェラーリがフロントローを独占しています。優勝候補の1人であるメルセデスAMGのV.ボッタスは,トップからわずか1000分の45秒差で3番手タイムとなっています。優勝候補の1人であるメルセデスAMGのL.ハミルトンは,Q1から思うようにタイムアップを果たすことができないままの走行となりました。そして,Q1は突破できたものの,次のQ2でもタイムアップが果たせないまま時間が過ぎ,Q2でのラストアタックの段階となりました。そして,アタックの最中に前のマシンがスピンを喫したためにタイムアップすることができず,何とQ2で敗退というまさかの事態となりました。マクラーレン・ホンダ勢ですが,珍しく初日は2台揃ってトラブルフリーでの走行でした。そして,予選でも明るい兆しが見られて,今季初めて2台揃ってQ2を突破しました。ただ,予選Q2でハミルトンの前でスピンしたのがS.バンドーンで,その時にクラッシュしたためにマシン修復がならず,Q3ではノータイムで10番グリッドが自動的に決まりました。F.アロンソの代役として参戦しているJ.バトンは,Q3ではさすがにさらなる上位進出はならず,9番手タイムでQ3を終えています。2台揃ってのQ3進出という明るい兆しは見られましたが,実はこの日最初の走行となるフリー走行3を前にしてバトンのマシンにトラクションコントロールとMGU-Hに不具合が見つかっていて交換となり,15グリッド降格のペナルティが科されることが決まっていました。そのため,せっかく9番手タイムをマークしていたものの,決勝レースは最後尾からの走行となる可能性が高まっています。また,バンドーンの方は,前戦で接触事故を起こしていることから3技リッド降格が科されているため,ややグリッドを下げての決勝スタートが決まっています。
2017/05/27(土)
☆好調(インディカー)
○今週末は,世界三大レースの内のF1「モナコGP」とインディカーシリーズの「インディ500」の2つが開催されています。モナコGPに関しては,今日予選が行なわれますが,インディ500は既に予選が終わっていて,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるアンドレッティ・オートスポーツの佐藤琢磨は,自身過去最高となる4番グリッドを獲得しています。さらに,F1フル参戦ドライバーながら,それを欠場(代役がJ.バトン)してインディ500へ啄磨のチームメイトとしてスポット参戦したF.アロンソは,初めての参戦ながら5番手とさすがの走りを見せています。そうした中,昨日は決勝前の最後のプラクティス走行が1時間のみ行なわれ,予選では19番手に終わっていたチーム・ペンスキーのE.カストロネベスがトップとなりました。もちろん予選順位は重要ですが,500マイルと長丁場に渡って走行していきますし,優勝経験者でもある彼ですから,優勝への期待が出てくる走りを見せています。そして,予選で好位置を獲得してただでさえ期待が持てる啄磨ですが,この走行で2番手となる走りを見せて好調さを維持していて,さらに日本人初のインディ制覇に期待がかかります。アロンソも啄磨と同様に好調さを維持していて,この日は5番手と上位に食い込む走りを見せました。なお,インディ500の決勝レースは,現地の28日12時過ぎ,日本時間では29日の午前1時過ぎにスタートされる予定になっています。
2017/05/26(金)
☆ノートラブルで(F1)
○世界三大レースの1つである伝統の第6戦モナコGPが,時折日差しが差し込むドライコンディションのモンテカルロ市街地コースで始まりました。通常のレースは金曜日に開幕しますが,モナコGPは木曜日に開幕し,金曜日は走行がなく,土日は通常のレースと同じスケジュールとなっています。2回のフリー走行が行なわれた初日は,マシントラブルやガードレールの餌食となるアクシデントが発生しました。そのような中,多くのドライバーがウルトラソフトタイヤでアタックを敢行し,ここまでランクトップを行くフェラーリのS.ベッテルが,どのドライバーもタイムを更新した2回目のフリー走行で初日の総合トップタイムをマークしました。レッドブルのD.リカルドが,トップからおよそコンマ4秒離されて2番手タイムをマークしました。3番手タイムをK.ライコネンがマークし,初日はフェラーリ勢が好結果を収めています。当然優勝候補に挙げられるメルセデスAMG勢ですが,L.ハミルトン,V.ボッタス共に決勝を見据えた走行をしていったようで,フリー走行1ではハミルトンがトップタイムでしたが,2回目は,それぞれ8,10番手タイムでした。F.アロンソが伝統のインディ500に挑戦することになったため,フル参戦をとりやめているJ.バトンが代役参戦しているマクラーレン・ホンダですが,毎レースどちらかにトラブルが発生していますが,モナコの初日は両者共にノートラブルで走行することができ,S.バンドーンが11番手,これが今季初走行となるバトンが12番手タイムをマークしています。
2017/05/25(木)
☆相乗り(MotoGP)
○ドゥカティは,プライベートテストを実施するために第7戦カタルニアGPの会場であるバルセロナにあるカタルニア・サーキットを月曜から水曜まで借上げていたのですが,そのテストにホンダとアプリリアが相乗りする形で参加しました。今シーズン同サーキットはコースが改修され,最終シケインがこれまでとは違うことになります。その分当然これまでのデータに違いが生じることになるわけで,他のメーカーが相乗りしてきたこともうなずけます。さらに,第6戦イタリアGPからミシュランが新しいハードタイヤを導入することになっていて,今回のテストにそれが供給されていますので,他チームがこれに慣れるいい機会ともなっているようです。昨日のテストには,ドゥカティ系のチームに所属しているライダーに加え,テストライダーのM.ピロも走行しました。それに加え,ホンダ勢ではワークスであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとD.ペドロサ,サテライトであるLCRホンダのC.クラッチロー,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,アプリリアはワークスライダーであるA.エスパルガロとS.ロウズが参加しての走行となりました。今シーズンからドゥカティのテストライダーを務めている元チャンピオンのC.ストーナーは,初日にテストを行なっています。13台の走行となった水曜日では,マルケスが午後の走行タイムでこの日の総合トップタイムをマークし,今季ドゥカティに移籍して以来徐々に調子を上げてきているJ.ロレンソが午前中にマークしたタイムで総合2番手となっています。総合3番手は,午前中にマークしたタイムでドゥカティのサテライトチームであるプル&ベアー・アスパー・チームのA.バウティスタがつけました。
2017/05/24(水)
☆ようやく(8耐)
○世界耐久選手権(EWC)の中の1戦となっている『鈴鹿8時間耐久レース』ですが,今シーズンは初開催から40周年を迎えることもあって,シリーズ最終戦として開催されます。そうしたこともあって例年以上に参戦するチームが増えることが予想されていることから,今シーズンはエントリーに制限が設定され,EWCにフル参戦しているチームと昨年の8耐で実績を収めたチーム,そして主催者推薦のチームはストレートに参戦することができますが,他のチームは指定された3つのレースの中でトライアウトを受け,その結果で参戦可能ということになっていました。そのトライアウトを受けるチームの中で注目を集めていたのが,今年久々に8耐に帰ってくるモリワキです。これまで数々の実績を挙げてきた同チームですが,しばらく8耐への参戦を休止していたため,トライアウトを受ける枠に入らざるを得ませんでした。とはいえ,今季のモリワキは,昨シーズンまでの高橋裕紀に加え,8耐での優勝経験があり,BSBにおける元チャンピオンでもある清成龍一が所属することになりましたから,実力的にもすんなりトライアウトに合格するものと思われていました。ところが,トライアウトの第1戦に当たる『鈴鹿2&4』で清成が転倒を喫してリタイアとなり,ここでの獲得とはなりませんでした。そして,トライアウト2戦目となる『SUGOスーパーバイク120mile耐久レース』でも,あろうことか再び清成が転倒してリタイアとなってしまい,8耐参戦の機会は,最後のトライアウト対象レースである『鈴鹿サンデーロードレース』のみとなってしまい,まさに背水の陣で臨まざるを得ない状況になっていました。この大会は,全日本等にステップアップするライダーの登竜門にもなっている大会ですから,エントラントにとっては世界で活躍したライダー2人と競うことができるわけで,否が応でもも気分が盛り上がったものと思われます。しかし,モリワキの2人にとっては,同じ失敗は繰返されませんから,レベル的に普通に走れば優勝争いに絡めるとはいえ,プレッシャーは大きかったものと思われます。そして,実際のレースでは,予選でワンツーを獲得したモリワキの2人による争いが展開されていき,3周目に清成が高橋をパスしてトップに立つと,そのままの2人の順位でチェッカーを受け,決勝レースでもモリワキのワンツーとなりました。この結果,最後のチャンスでようやくモリワキが8耐への参戦権を得ることができました。
2017/05/23(火)
☆ご冥福を(SBK)
○イタリアで自転車を使ってのトレーニングをしている最中に事故に見舞われ,脳に深刻なダメージを負って入院していた2006年のMotoGPチャンピオンであるN.ヘイデンさんが,世界中の人々の願いもむなしく,5月22日(月)の夜に息を引き取りました。ダートトラックレースでチャンピオンを獲得したりした後,2001年からAMAスーパーバイクに参戦を開始したヘイデンは,2002年に史上最年少でチャンピオンを獲得しました。そして2003年からホンダのワークスライダー,そして当時は同じ立場だったV.ロッシのチームメイトとしてMotoGPの最高峰クラスにフル参戦を開始し,ランク5位になってルーキーオブザイヤーを獲得しました。2005年にランク2位となり,2006年にはヤマハのワークスライダーになっていたロッシと最後までタイトル争いを繰り広げ,最終戦において逆転でタイトルを獲得しました。この時は990ccマシンで争われていた最終年で,この時のホンダのワークスマシンで,数々の勝利を収めていたRC211Vでタイトルを獲得した最後のライダーとなりました。2009年からホンダと袂を分かってドゥカティに移籍し,2011年にはロッシがドゥカティに移籍してきて再びチームメイトになりました。2014年にはホンダと再び関係を持ち,当時はホンダのサテライトチームであったアスパー・チームに移籍し,こちらもホンダの支援を受けている青山博一をチームメイトに迎え,当時ホンダが最高峰クラス用に開発していたレース専用市販車であるRCV1000Rの開発を兼ねながら参戦しました。翌年はオープンクラス用に変更となったRC213V-RSを駆り,同チームに留まって参戦しました。2016年からは闘いの場をSBKに移し,同シリーズにおけるホンダのエースライダーの一人としてフル参戦を開始し,今シーズンは,今シーズンからホンダが満を持して投入を開始した市販車マシンであるCBR1000RR SP2を駆って参戦していました。
チャンピオンを獲得するほどのライダーは,やはり独特な個性があってなかなか人と馴染まない,馴染めないところがあり,逆にそうしたことがあるからこそチャンピオンを獲得できるといえるのかもしれませんが,チャンピオン経験者の1人であるヘイデンに関しては,誰からも好かれるまさに『ナイス・ガイ』という言葉が合う貴重なライダーでした。ここであらためてヘイデンさんのご冥福をお祈りいたします。
2017/05/22(月)
☆闘い(SGT)
○2年ぶりの九州での開催となる第3戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行なわれました。オートポリスは日田市上津江にありますが,予選が行なわれた前日は,日本で一番気温が高かったのが日田市で,山の中にあるオートポリスでさえ気温30度を越える暑い中での走行となりました。決勝日も暑くなることが予想されましたが,雲がかかる時間が多く,終始風が吹いていたため,前日よりはかなり条件のいい中でのレースとなりました。気温は上がらなかったものの,レースはかなり熱いものとなり,随所で抜きつ抜かれつのバトルや接触等が起きていきました。その先駆けとなったのが5周目に最終コーナーで起こった多重クラッシュでした。GT500クラスは,ポールからスタートした山本尚貴&伊沢拓也組のRAYBRIG NSX-GTが,後続との差を徐々に広げていく中で起こったアクシデントによりセーフティーカー先導となったため,レースはリセットとなってしまいました。その後は一旦RAYBRIG NSX-GTが差をつけていったものの,徐々にペースが上がらないようになり,その後は6台による激しい上位争いへと持ち込まれていきました。そのバトルはマシンに損傷が出るほどの接触があるというようなまさに「闘い」というような状況となりましたが,その中で抜け出したのが,中嶋一貴&J.ロシター組のau TOM'S LC500でした。終盤には昨年のチャンピオンチームであるH.コバライネン&平手晃平組のDENSO KOBELCO SARD LC500と接触するバトルとなってフロントセクションが破損するというアクシデントも起きましたが,そこを乗り切って今季初勝利を収めました。2位には,こちらもレース途中で接触するアクシデントに見舞われた塚越広大&小暮卓史組のKEIHIN NSX-GTが入り,ポールからスタートして序盤はレースをリードしたものの,ペースダウンにより順位を下げ,それでも表彰台まで順位を維持していった山本尚貴&伊沢拓也組のRAYBRIG NSX-GTが入っています。これまでのNSX-GTは,ミッドシップのために思いウェイトハンディが科されていましたが,今回からそれがやや軽減され,マシン開発の成果もあって表彰台の2つを占める好成績を収めています。
GT300クラスは,ポールからスタートした松井孝允&山下健太組のVivaC 86 MCと,九州出身で地元の大声援を受ける井口卓人と,その相棒である山内英輝がステアリングを握るSUBARU BRZ R&D SPORTとが最後の最後までトップ争いを展開していきました。ゴールラインまで続いた2台のバトルでしたが,わずか1000分の91秒差で昨年のチャンピオンであるVivaC 86 MCが逃げ切りました。3位には,タイヤ2本交換だったため,最後は思うようにペースアップすることができなかった高木真一&S.ウォーキンショー組のARTA BMW M6 GT3が入っています。

☆入れ替わり(MotoGP)
○第5戦フランスGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったブガッティ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスと,チームメイトのV.ロッシとによるトップ争いが終盤に展開されました。そして,ファイナルラップでロッシが転倒してリタイアとなり,ビニャーレスが今季3勝目をポールトゥーフィニッシュで達成しました。地元の声援を受けるモンスター・ヤマハ・テック3のJ.ザルコが,チームとの契約延長を自ら祝うかのように2位でチェッカーとなり,最高峰クラスステップアップ5戦目にして早くも表彰台を獲得しています。ロッシの転倒リタイアによりトップから7秒以上離されていたものの,前戦の勝者であるレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが3位表彰台を獲得しています。チームメイトであるM.マルケスは,4位走行中の18周目に転倒し,リタイアに終わっています。ロッシとマルケスとのリタイアにより,優勝したビニャーレスが再びランクトップに立ち,2戦連続表彰台獲得のペドロサがランク2位に浮上するというランキング争いで入れ替わりが起こっています。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたランクトップを行くエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのF.モルビデリが,サーキットベストを更新していく速さを見せて今季4勝目を挙げました。モルにデリには追いつくことができなかったものの,終始そのモルビデリを追い続けたスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが2位でチェッカーを受け,2戦連続して表彰台を獲得しています。3位には,ポールからスタートしたカーエキスパート・インターウェッテンのT.ルティが入っています。予選で奮わず18位スタートとなったイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,決勝レースはペースアップすることができて7位入賞を果たしています。テルルSAGチームの長島哲太は,ポイント獲得はならなかったものの,21位完走を果たしています。
Moto3クラスは,オープニングラップで転倒したマシンがオイルを撒いたため,2周目におよそ20台のマシンが転倒するというアクシデントが発生したため,赤旗中断になるという事態となりました。24周から16周に周回数が変更されてレースは再スタートとなり,レオパード・レーシングのJ.ミルが8周目にトップに立つと,後続との差を広げていって独走態勢に持ち込み,今季3勝目を挙げました。そのミルの後ろでは,9台による2位争いが展開されていき,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトが2位に,デル・コンカ・グレシーニMoto3のF.ディ.ジアントニオが3位に入っています。日本人ライダー勢は,予選から奮わず,SICレーシング・チームの佐々木歩夢はノーポイントながら19位で完走を果たしたものの,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生とホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,共に残り2周となったところで転倒を喫し,リタイアに終わっています。
2017/05/19(金)
☆契約延長(MotoGP)
○F1でもMotoGPでも,母国GPのウィークに入ると契約について発表があるというのはよくあるパターンですが,まだシーズンが始まったばかりですから,さすがに来季の契約を結ぶにはまだ早い段階です。ところが,今日から第5戦フランスGPが始まりますが,それを前にフランスを本拠地にしてMotoGPフル参戦しているヤマハで唯一のサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3から発表があり,今シーズンから同チームに所属しているフランス人ライダーのJ.ザルコと2018年まで契約延長することが正式発表されました。昨年,一昨年と2年連続してMoto2クラスでチャンピオンを獲得したザルコは,今シーズンから最高峰クラスにステップアップを果たしました。ルーキーシーズンはなかなか成績が残せない傾向がありますが,ザルコはとてもサテライトチームのマシンを駆ったルーキーとは思えないような活躍を見せていて,開幕戦は上位争いを展開する中でリタイアに終わってしまったものの,第2戦からは常にトップ6内でチェッカーを受けていて,前戦スペインGPでは,表彰台まであとわずかという結果を残しました。予選等でも,時にはワークスチームであるモビスター・ヤマハMotoGPのライダーを上回る速さを見せていて,チームからとても高い評価を受けています。こうしたことから,まだシーズンが始まったばかりのこの時期であるにもかかわらず,チームにとって,そしてライダーにとっての母国で契約延長の発表がなされています。

☆頑張れ!!(SBK)
○昨日お伝えしたホンダのエースライダーとしてSBKにフル参戦している2006年のMotoGPチャンピオンであるN.ヘイデンの経過についてですが,これを入力している段階では,あまり明るいニュースが出ていません。現在はより高い治療が受けられるイタリアのチェゼーナにあるブッファリーニ病院に入院しているヘイデンですが,同地での発表によると,脳に深刻な損傷を受けて危険な状態が続いていて,今後の経過も不明だということです。とにもかくにも,こうした状況が一歩でも明るい状況に進んで行ってほしいものです。頑張れニッキー!!
2017/05/18(木)
☆回復を!!(SBK)
○とても心配なニュースが流れています。2003年からホンダのワークスライダーとしてMotoGPフル参戦を開始し,2006年にチャンピオンを獲得したN.ヘイデンが,自転車でトレーニング中に車と衝突し心配な状況にあるようです。現在はMotoGPからSBKへと戦いの場を移しているヘイデンは,ホンダとのつながりを継続していて,SBKにおけるホンダのエースライダーとしてレッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームから新型のCBR1000RRを駆って参戦しています。今年発売となった同バイクに関しては,イメージライダーとしてカタログやサイト,広告などでその姿を見ることもできます。まだできたばかりのマシンということで,今シーズンここまでは優勝争いに絡むという状況にはありませんが,今後の熟成になくてはならないライダーです。週末に第5戦イタリア大会が開かれ,ヘイデンはそのままイタリアにとどまって自転車を使ってトレーニング中に事故に見舞われ,報道では「クルマのボンネットに乗り上げ,フロントガラスに突っ込んだ」という状況だったようです。正式な現在の状況についてはこれを入力している段階で発表がなされていませんが,脳と内臓に大きな損傷を受け,「重体」という報道もあります。とても心配な状況ですが,何とか無事この難局を乗り切ってほしいものですね。
2017/05/17(水)
☆変更&6人(WEC)
○WEC(世界耐久選手権)シリーズで最も権威のあるレースである『ル・マン24時間耐久レース』に関して2つの発表がありました。まず1つ目は開幕以来連勝しているTOYOTA GAZOO Racingからで,ル・マンでは既に発表されていたドライバー編成に変更が加わることになりました。この大会では3台体制で臨むトヨタですが,8号車に関してはこれまで通りS.ブエミ&A.デビッドソン&中嶋一貴の組み合わせで臨みます。昨年チェッカーまであとわずかというところでマシントラブルが発生してトップの座から滑り落ちるという大変惜しい事態に見舞われてしまったこの組み合わせですから,今年の大会でその雪辱を期したいところでしょう。変更となったのは残りの2台に関してです。元々はフル参戦しているもう1台である7号車は,当初M.コンウェイ&小林可夢偉&J-M.ロペスの組み合わせで臨むことになっていました。ところが,ロペスが開幕戦でクラッシュした際に脊椎を痛めるケガを負ってしまったため,離脱せざるを得ない状況となりました。ル・マンでは走行可能となってしますが,今シーズンからWECシリーズに参戦を開始したロペスだけに,負傷してしばらく走行できませんでしたから,優勝を狙うフル参戦トリオの1つに加わることはやはり厳しいところがあります。こうした点からル・マンにスポット参戦する9号車に加わることになり,彼に代わってS.サラザンが7号車のステアリングを握ることになりました。このことにより,7号車がM.コンウェイ&小林可夢偉&S.サラザン,9号車がN.ラピエール&国本雄資&J-M.ロペスという編成に変更されました。
2つ目は,大会の運営母体であるフランス西部自動車クラブが,大会のエントリーリストを発表しました。それによりチーム及びドライバーラインナップが明らかとなったわけですが,今年は6名の日本人ドライバーが参戦することになりました。まず,最高峰のLMP1クラスに,上記しているようにTOYOTA GAZOO Racingから小林可夢偉,中嶋一貴,国本雄資の3名が参戦します。その下のクラスであるLMP2では,Gドライブ・レーシングからGドライブ・レーシングを駆って平川亮が参戦します。LM-GTEプロ/アマでは,LM-GTE Amクラスでクリアウォーター・レーシングの60号車から加藤寛規が,61号車から澤圭太がフェラーリ488 GTEを駆って参戦します。
2017/05/16(火)
☆懐かしい(MotoGP)
○先日5月11日(木)にMoto2クラスに参戦しているキーファー・レーシングから発表があり,第3戦アメリカズGPをもってチームを去ったD.ケントに替わり,今週末に行われるフランスGPからT.マッケンジーを起用することになりました。2015年にMoto3クラスでレオパード・レーシングに所属してチャンピオンを獲得したケントは,そのレオパード・レーシングの母体であるキーファー・レーシングからMoto2クラスにステップアップして昨シーズンからフル参戦していました。しかし,ステップアップ後は成績が振るわない状況が続いていました。そして,背中をケガしたことがきっかけとなったのか,アメリカズGPをもってチームを離脱していました。そのケントに替わって今シーズンいっぱい参戦することになったタラン・マッケンジーですが,『マッケンジー』というとオールドファンに懐かしい名前ですが,まさにかつて250cc及び500ccクラスで活躍した経歴を持つニール・マッケンジーの次男です。レースとは全く関係ない話ですが,彼が活躍していた当時には,『ニール・マッケンジー』という名前によって,かつて日本で『嫁に来ないか』などのヒット曲を出した歌手『新沼謙治』と名前が似ていることで国内で話題にもなっていました。その息子であるタランは,イギリス国内で行なわれているブリティッシュ・スーパースポーツにおいて,開幕戦から6連勝してランクトップに立っているライダーです。ちなみに長男であるテイラー・マッケンジーは,現在BSBにベネッツ・スズキからフル参戦しています。なお,離脱したケントについては,現段階で今後どのようになるのか正式発表の情報を得ていません。
2017/05/15(月)
☆2連勝(JRR)
○第3戦の決勝レースが,大雨に見舞われた前日とは違うものの,小雨が降り続くスポーツランドSUGOで行われました。昨日お伝えしたように,前日の荒天によりJ-GP3を除いた残りのクラスの予選は,この日の午前中に持ち越されていました。そして,迎えた決勝レースですが,JSB1000クラスは120mileの耐久レースで行なわれました。前戦に引き続いて,この大会も鈴鹿8耐参戦に向けたトライアウトを兼ねています。午前中に行なわれた予選でポールを獲得したMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの高橋巧は,オープニングラップから他を寄せ付けない走りを見せ,勝利した前戦と同じく独走態勢に持ち込んでいきました。ウェット路面により転倒者がどのクラスも続出したこの日のレースですが,このクラスも同様の状態になりました。レース途中で転倒したマシンがコース上にとどまってしまったため,セーフティーカーが導入されて高橋が築いた差が縮まるという事態に見舞われましたが,先導が明けると再び他を圧倒する速さを見せて独走態勢に持ち込みました。耐久レースでピットインの義務がありましたが,高橋は給油のみでピットアウトしてタイムロスがほとんどなく,独走態勢に変わりがありませんでした。そして,最終的に2位に入ったYAMAHA FACTORY RACING TEAMの野左根航汰に1分以上の大差をつける独走で,2戦連続勝利を収めました。今シーズンから投入された新型のCBR1000RRですが,こちらも投入してから2連勝したことになります。Kawasaki Team GREENの渡辺一馬と,今シーズンJRR初登場ながら,最高峰クラスにヨシムラからフル参戦するという「シンデレラ・ボーイ」的立場にある濱原颯道による3位争いとなりましたが,先輩格の渡辺が濱原を振り切って3位表彰台を獲得しています。6連覇を狙うYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,開幕戦と同じく足元をすくわれて転倒し,2戦連続リタイアに終わっています。なお,8耐のトライアウトですが,今シーズン8耐を目標に結成されたTEAM SuP Dream Hondaから参戦している超ベテランライダーで,元GPライダーであり元JRR最高峰クラスチャンピオンでもある伊藤真一が,何と7位に入る健闘を見せて見事8耐参戦の資格を得ています。また,前戦においてオープニングラップで転倒リタイアに終わったため,この大会でもトライアウトを受ける立場にあるMORIWAKI MOTUL RACINGの高橋裕紀&清成龍一組ですが,今回も前戦と同じく清成が転倒し,再スタートは切ったものの,周回数不足のため完走扱いとならず,8耐参戦の資格が得られないままになってしまっています。
J-GP2クラスは,MuSASHi RT HARC-PRO.の水野涼,SOX Team TARO PLUSONEの関口太郎,エスパルスドリームレーシングの生形秀之の3台によるトップ争いが展開されていきました。最後まで続いた3人によるバトルでしたが,終始トップを走った水野がトップでチェッカーを受け,生形と関口による2位争いは,関口が前を行く生形を交わして2位に浮上し,そのままチェッカーを受けました。最終的に,生形は3秒の差をつけられて3位でチェッカーとなりました。
ST600クラスは,好スタートを切った51ガレージ チームイワキの岡本裕生が,終始速さを見せて独走状態に持ち込み,最後は2位に入った伊藤RACING・GMDスズカの伊藤恵助に16秒以上の大差をつけて独走で自身初勝利を収めました。3位には,開幕戦を制したTEAM PLUSONEの星野知也が入っています。
J-GP3クラスは,最終的に2台によるバトルがファイナルラップまで持ち込まれました。ファイナルラップに入って順位を入れ替えるバトルとなりましたが,最終的にポールからスタートしたTeam P.MU 7Cの小室旭がトップでチェッカーを受け,このクラスで自身初勝利を収めました。2位には,およそコンマ6秒差でBATTLE FACTORYの伊達悠太が入り,3位は,元GPライダーで,JRRチャンピオンも経験している41Planningの宇井陽一が入っています。

☆接戦(F1)
○第5戦スペインGPの決勝レースが,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。この日のカタルニアは,強い日差しがコースを照らしたため,タイヤへの負担が大きくなることも予想され,チームやドライバーによっては複数回ピットストップする作戦を採る可能性が考えられました。ポールからスタートしたのはメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,好スタートを切った2番グリッドのフェラーリのS.ベッテルがホールショットを決め,見事ハミルトンをパスしてトップに立ちました。途中ピットストップのタイミングで順位の入れ替えはありましたが,トップを行くベッテルと2位のハミルトンとのバトルは終盤まで続きました。そして,ソフトタイヤを選択したハミルトンが,ミディアムタイヤで走行していたベッテルを44周目にパスしてトップに浮上しました。抜いてからはペースアップしてベッテルとの差を広げていきましたが,タイヤがオーバーヒートする傾向が見られて一時差が縮まりました。しかし,その後その問題は回復して再び差が広がっていき,最終的におよそ3.5秒の差をつけて今季2回目のトップチェッカーを受けました。トップからは離されたものの,レッドブルのD.リカルドが単独走行で3位表彰台を獲得しています。マクラーレンホンダ勢ですが,今季自己最高となる7番グリッドからスタートしたF.アロンソでしたが,オープニングラップで前を走行していたフェラーリのK.ライコネンとレッドブルのM.フェルスタッペンとの接触事故が発生し,その次のコーナーでウィリアムズのF.マッサを抜こうとしましたが,両者はここでホイールが接触して順位を下げてしまいました。以後はポイントをもう少しで獲得する圏内で走行をしていきましたが,残念ながらポイント圏内まで順位を回復することはできず,12位でレースを終えています。チームメイトのS.バンドーンですが,スタート前にセンサートラブルが判明してパワーユニットを交換したことにより10グリッド降格となり,最後尾からスタートしました。その後34周目に印に飛び込んできたウィリアムズのF.マッサに気づかなかったことから接触してしまい,残念ながらリタイアに終わっています。
2017/05/14(日)
☆予選延期(JRR)
○第3戦が5月11日(木)に開幕し,昨日は予選が行なわれる予定になっていました。ここまでの2戦は,開幕戦がJSB1000クラスを除くクラスで行なわれ,第2戦がJSB1000クラスのみで行なわれるという変則的な開催になっていて,今回が今季初の全クラス同時開催となります。5月12日(金)は,私が住んでいる大分もそうでしたが,九州地方などが午後から大雨警報が出るほどの天候に見舞われましたが,昨日はその雨雲が東日本に移動し,会場になっている宮城県のスポーツランドSUGOも強風と大雨,さらに濃霧に見舞われる天候になってしまいました。そのため,J-GP3クラスは予選が行われたものの,他のクラスは予選セッションを行なうことができませんでした。こうした事態を受け,今日の午前10時までに残りのクラスの予選を行い,午前10時過ぎから決勝レースを順次行なうというタイムスケジュールに変更となりました。なお,唯一行なわれたJ-GP3の予選結果ですが,開幕戦で2位表彰台を獲得したTeam P.MU 7C の小室旭がポールを獲得しました。そして,TEAM PLUSONEの福嶋佑斗が2番グリッドを獲得し,開幕戦を制しているBATTLE FACTORYの伊達悠太が3番グリッドとなっています。

☆今季初(F1)
○第5戦スペインGPの予選が,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。トップ10のグリッドを決めるQ3では,前日に好調な走りを見せたメルセデスAMG勢と,今季好調なフェラーリ勢とのポール争いが展開されていきました。その中でトップタイムをマークしたのは,前日も総合トップタイムだったメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。ここまでランクトップを行くフェラーリのS.ベッテルは,ハミルトンに迫る速さを見せてアタックをしていきましたが,わずか1000分の51秒及ばず2番手タイムとなりました。前戦の勝者であるメルセデスAMGのV.ボッタスが3番グリッド,フェラーリのK.ライコネンが4番グリッドとなっています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,昨日お伝えしたように,F.アロンソはフリー走行1でコースインしたその周にトラブルが発生してマシンがストップしてしまい,いきなりこの大会での先行きに不安を感じさせる事態に見舞われました。ところが,予選では今シーズン抱えている速さと信頼性不足を払拭するかのような走りを展開していき,今季初めてQ2を突破し,Q3進出となりました。もちろん上位チームとの差はいかんともしがたかったものの,7番グリッドを獲得して予選を終了しました。チームメイトのS.バンドーンは,Q1突破がならず,ブービーとなる19番手タイムで予選を終えています。
2017/05/13(土)
☆ワンツー(F1)
○カタルニア・サーキットにおいて第5戦スペインGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。この日のカタルニアは,ドライコンディションながら強風に見舞われ,その影響から足元を取られてアクシデントが発生するということがありました。そのような中,昨シーズンまでの絶対的な強さと速さは見られないものの,それでもチャンピオン争いの筆頭になっているメルセデスAMG勢が速さを見せました。ここまでフェラーリの後塵を拝してランク2位につけているL.ハミルトンは,1回目,2回目共にトップタイムをマークし,この日の総合トップタイムとなりました。ハミルトンのタイムには及ばなかったものの,チームメイトで前戦において自身初勝利を収めたV.ボッタスが,ハミルトンからわずか100分の9秒差で総合2番手となり,メルセデスAMGのワンツーとなりました。今シーズン好調な走りを見せているフェラーリですが,この日はランクトップを行くS.ベッテルではなくチームメイトもK.ライコネンが総合3番手タイムとなりました。信頼性と速さにかけるマクラーレン・ホンダですが,この日も心配な事態が発生しました。母国GPということで大きな声援を受けて走行を始めたF.アロンソでしたが,1回目のフリー走行でコースインしたものの,1周もできないところでマシントラブルが発生して走行ができない状態となりました。午後のフリー走行にはそうこうすることができました。とはいえ,タイムアップを図ることができず,ハミルトンから3秒以上遅れた最下位でフリー走行を終えています。これまでは,どちらかというとアロンソよりもトラブルが集中していたS.バンドーンですが,この日はトラブルフリーで走行をすることができ,トップからおよそ2秒遅れの13番手タイムで初日を終えています。
2017/05/12(金)
☆減量(SGT)
○来週末は,いよいよ2年ぶりとなるSGTのオートポリスラウンドが開催されます。それを前にして,そのSGTをプロモートするGTAから参加条件の発表がありました。SGTでは,マシンによる性能差を調整するため,最低重量やエアリストリクター等の条件が設定されます。ただ,GT500クラスについては,成績に応じた重量加算のハンディは設定されますが,ドイツで行なわれているDTMと統一化された条件があるため,それに則ってさえいれば特に最低重量等の条件は設定されません。ただ,トヨタのLC500とニッサンのGT-RはFRという統一基準に則っているものの,ホンダは市販車と同じ仕様とすべくミッドシップ(MR)のNSX-GTを採用しているため,条件が設定されています。というのも,FRとMRとでは,MRの方がレースカーとしては有利だからです。そのため,NSX-GTには,これまで1049sという最低重量が科されていました。しかし,現行のマシンとなった昨シーズンからここまでのホンダは,優勝及び上位争いに絡むことがなかなかできない状況が続いています。もちろん重量だけが原因ではないでしょうが,やはり重量の規制が必要以上に効いていることは間違いないのかもしれません。今回の発表によると,NSX-GTに対する最低重量が15s緩和されて1034sとなりました。この15sというのがどの程度成績アップに繋がるのか分かりませんが,他メーカーが成績アップに伴う重量加算のペナルティーが科されてきているだけに,ある程度効果が出てくるのかもしれません。今シーズンはトヨタの一人勝ち状態が続いていますが,オートポリスを得意とするニッサン,そして減量されたホンダがどこまで巻き返しできるのか,面白いレースが展開される期待が持たれる大会となりそうですね。
2017/05/11(木)
☆2台体制&日本人ライダー?(MotoGP)
○F1では現在マクラーレンのみにパワーユニットを供給しているホンダですが,先日来季からザウバーにも供給することが発表されました。その提携の中には,日本人ドライバーの採用も可能性があることが含まれていることは間違いないようです。小林可夢偉がF1でのシートを喪失して以来日本人ドライバー不在の状況が続いていて,それに呼応するかのように国内でのF1人気が低迷しています。そうした状況を打破するためにも,今回の提携とステップアップカテゴリーにフル参戦している日本人ドライバーの活躍に期待が持たれるところです。そうした日本人不在の状況は2輪でも続いていて,2輪レースの最高峰であるMotoGPクラスにおいても,現在HRCで開発ライダーを務めている青山博一がシートを失って以来,フル参戦日本人ライダー不在の状況が続いています。しかし,もしかしたら来シーズンからその状況に変化が出るかもしれないことが,ここ最近噂に上っています。その噂の中心にあるチームは,ホンダのサテライトチームの1つであるLCRホンダです。同チームは,C.ストーナーと共に最高峰クラスへステップアップ以来ほとんど1台体制で臨んでいます。最高峰クラスはグリッドに並ぶ総枠に制限がありますが,現在1台分エントリー枠が空いた状況が続いていて,そこはLCRホンダの分ではないかといわれています。そのLCRホンダが,来季再び2台体制になるのではないかという噂が浮上してきています。そして,その2台目のシートには,現在Moto2クラスで活躍しているライダーが座ることになりそうだということです。そこで考えられるのが,現在ランクトップを行くF.モルビデリと,日本人ライダーの中で最も最高峰クラスへステップアップする可能性が高い中上貴晶の2人です。通常で考えれば,現段階でチャンピオン獲得の可能性が最も高いモルビデリですがシートに座ることですが,彼は現在エストレラ・ガルシア0,0マークVDSからMoto2クラスにフル参戦していて,同チームは最高峰クラスにもフル参戦しています。ということで,来季同じチームからそのままステップアップすることが自然な状況にあるわけで,もしそうであれば可能性が高くなるのは中上ということになります。ただ,現段階の中上は,第4戦スペインGPをノーポイントレースで終わってしまったため,ランキング争いで6位に順位を下げてしまいました。報道では,ステップアップの条件でランク3位以内が大きな目標となっているということですから,巻き返していくようさらに期待していきたいですね。
2017/05/10(水)
☆テストでは(MotoGP)
○レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサのポールトゥーウィンで終わった第4戦スペインGPでしたが,MotoGPクラスのほとんどのライダー及びチームはそのままヘレス・サーキットにとどまり,決勝翌日の5月15日(月)にオフィシャルテストが行なわれました。このテストには,ドゥカティのサテライトチームに所属するA.バウティスタとK.アブラハムが欠席しましたが,スズキのテストライダーで,ケガをしているA.リンスの代役としてスペインGPに参戦した津田拓也と,次戦フランスGPに代役参戦するS.ギュントーリも参加しました。さらに,KTMのテストライダーであるM.カリオも参加し,各チーム,メーカーが新しいパーツやセッティングに取り組みながらテスト走行を続けていきました。そのような中,トップタイムをマークしたのは,昨シーズン後に行われたテストで毎回トップタイムをマークしていたモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスでした。今回ヤマハが用意したニューシャーシをテストしたヤマハワークスですが,このシャーシに好感触を得たビニャーレスがテストにおける通算5度目のトップタイムをマークしました。それに対して,チームメイトであるV.ロッシはこのシャーシに手応えを感じず,トップからおよそ1.8秒遅れの21番手に終わっています。決勝レースで2位表彰台となったレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,その決勝レースでLCRホンダのC.クラッチローが使用した新しいエキゾーストをテストし,トップからわずか1000分の2秒差で総合2番手でした。決勝レースで勝利を収めたペドロサは,電子制御などをテストしてトップから1000分の81秒差で総合3番手タイムをマークして好調さを維持しています。
2017/05/09(火)
☆ハンディ(SGT)
○今月20日(土),21日(日)に我が大分県にあるオートポリスにおいて,SGTの第3戦が行なわれます。昨シーズンは,熊本大震災によりオートポリスも大きな被害を受けたりしたため開催ができませんでしたから,2年ぶりの開催となります。その第3戦に関して,SGTを統括するGTAからエントリーリストが発表されました。
今シーズンのGT500クラスは,レクサス勢が圧倒的な速さを見せていて,今季から投入されているLC500が上位を独占しています。SGTの特徴として,上位に食い込んだマシンに対してハンディが加わるというものがありますが,オートポリスラウンドでは当然このLC500にハンディが科されることになります。今回の発表によると,LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S,LEXUS TEAM KeePer TOM’S,LEXUS TEAM ZENT CERUMOの3チームに対してハンディが加わるわけですが,今回のさらなるハンディによりウェイトハンディが合計50sを超えることになりました。今シーズンのレギュレーションによると,50sを超える場合は,ウェイトは減算されるものの,燃料リストリクターが絞られますから,燃料の流量が制限されることになりパワーダウンが強いられます。オートポリスは高地に位置し,さらに高低差がありますから,マシンのハンドリングだけでなく,エンジンパワーが重要な鍵となります。それだけに,年間を通したチャンピオンシップを考える場合,これらのレクサス勢がどのような戦略で臨むのか,この点も注目点となります。なお,WECとの関係から中嶋一貴と国本雄資が前戦を欠場していますが,今回は両者共に参戦します。特に,中嶋一貴については,先日行なわれたSFの開幕戦を制していますし,WECでは週末にベルギーのスパ・フランコルシャンで行われた第2戦も含め2戦連続して優勝を飾り,シーズン序盤で今最も乗れているドライバーと言えますから,どのような活躍を見せるのかとても楽しみとなります。
2017/05/08(月)
☆完勝(MotoGP)
○第4戦スペインGPの決勝レースが,たっぷりに日差しが降り注ぐヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,初日,2日目とトップタイムを刻んでポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが,得意のロケットスタートを決めてオープニングラップから主導権を握りました。後半に入ってチームメイトで2番グリッドからスタートしたM.マルケスとの差が1秒前後に縮まることはありましたが,最後は再び引き離して独走で今季初優勝を飾りました。ペドロサの優勝は,昨年9月に行なわれた第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となります。また,ポールトゥーフィニッシュとなると,2015年10月に行なわれた第17戦マレーシアGP以来となります。壺に入ったときは無類の強さを発揮するペドロサですが,今回のレースはまさにその状態になったといえるでしょう。今季ドゥカティに移籍してなかなか速さを見せてこれなかったJ.ロレンゾが,復活を果たしたかのように3位でチェッカーを受けています。この結果,スペイン人ライダー勢が表彰台を独占しています。ヤマハのワークスライダー勢はタイヤ選択を含めてセッティングがなかなか決まらず,前戦でランクトップに立ったモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが10位,転倒リタイアに終わってしまったためロッシにランクトップの座を譲ったM.ビニャーレスが6位でチェッカーとなり,ランク3位のマルケスに差をかなり詰められています。A.リンスの代役としてチーム・スズキ・エクスターから参戦した津田拓也は,最下位ながら全部で6台が転倒リタイアになるという難しいレースで17位完走を果たしています。
Moto2クラスは,初日・予選とトップタイムをマークしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,スタートを決めてトップに立ちました。それをチームメイトで,今季ここまで全勝しているF.モルビデリが負うという状態となりました。今季好調な走りを展開しているモルビデリは,8周目にトップに立ちましたが,その翌周に転倒してリタイアとなりました。再びトップに立ったマルケスは,独走状態を保って最後まで走りきり,自身中量級クラス初となる勝利をポールトゥーフィニッシュで飾りました。マルケスの優勝は,Moto3クラスにフル参戦当時の2014年第15戦日本GP以来となります。2位には,今シーズンからこのクラスにステップアップを果たしているスカイ・レーシング・チームVR46のF.バグナイアが,マルケスの独走は許したものの,このクラス参戦4戦目にして初表彰台を獲得しています。3位には,今シーズンからこのクラスに参戦を開始したKTMのマシンを駆るレッドブルKTMアジョのM.オリベイラが入っています。日本人ライダー勢ですが,テルルSAGチームの長島哲太は,24番グリッドからポジションを発布していき,15位でチェッカーを受けて見事ポイントを獲得しています。それに対して,8番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,他のライダーの転倒に巻き込まれる形で転倒を喫してしまいました。再スタートはきれたものの,21位でチェッカーとなってノーポイントに終わってしまいました。
Moto3クラスは,4台によるバトルが最終ラップの最終コーナーまで持ち込まれるという大接戦が展開されました。そして,エストレラ・ガルシア0,0のA.カネトがうまくマシンをイン側にねじ込んでトップに浮上し,自身初となる勝利を収めました。前戦の勝者であるマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティは,最後の最後で逆転を許し,わずか1000分の31秒差で2位になりました。3位には,トップからコンマ155秒差でレオパード・レーシングのJ.ミルが入っています。日本人ライダー勢ですが,15番グリッドからスタートしたSICレーシング・チームの佐々木歩夢はそのポジションを守って完走を果たし,見事ポイントを獲得しています。28番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,ノーポイントながら17位で完走しています。自己最高位となる7番グリッドからスタートしたSIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生は,他のライダーと接触転倒を喫して転倒リタイアに終わっています。
2017/05/07(日)
☆2日連続(MotoGP)
○第4戦スペインGPの予選が,ドライコンディションのヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者であるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがタイミングモニターのトップにしばらく立つという状況が続いていきました。そのような中,チームメイトで初日総合トップタイムを刻んでいたD.ペドロサが最終盤になってタイムアタックを敢行していきました。彼にとってのファイナルアタックでマルケスのタイムを更新する速さを見せてトップに立ちました。目の前でペドロサのアタックを見ていたマルケスもそれに呼応するかのようにアタックをしていきましたが,リアが微妙にスライドしたりしてタイムアップがならず,2回のタイムアタックを敢行したもののペドロサのタイムを更新することができず,レプソル・ホンダ・チーム勢によるワンツーとなりました。ペドロサのポール獲得は,2015年の第17戦マレーシアGP以来となります。3番手タイムをLCRホンダのC.クラッチローがマークし,メンバーにやや違いはあるものの,ホンダ勢が前日に引き続いてトップ3を独占しました。開幕から2戦連続勝利したものの,前戦で転倒リタイアに終わっているモビスター・ヤマハMotoGPのM.ビニャーレスは,4番グリッドを獲得して決勝レースでの巻き返しに備えています。
Moto2クラスは,前日に総合トップタイムをマークしていたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが,午前中に行なわれたフリー走行3でもトップタイムをマークしました。そして,予選でもその速さに変わりはなく,中量級クラスでは自身初となるポールを獲得しました。マルケスのチームメイトで,開幕以来3連勝を飾っているF.モルビデリは,わずか1000分の46秒差で2番グリッドを獲得となりました。キーファー・レーシングのD.エガーターは,転倒を喫するというアクシデントに見舞われたものの,3番手タイムをマークして自身今季初のフロントローを獲得しています。日本人ライダー勢ですが,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,前日16番手終わっていましたが,予選ではややポジションを上げて8番手タイムとなりました。テルルSAGチームの長島哲太は,トップからおよそ1.6秒差の24番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,開幕戦でポールを獲得したデル・コンカ・グレシーニMoto3のJ.マルティンが,早い時間帯にタイムアタックを敢行したことが功を奏し,サーキットベストを更新する速さを見せて今季2回目のポール獲得となりました。前戦でポールを獲得したエストレラ・ガルシア0,0のA.カネトは,トップからおよそコンマ4秒以上離されましたが,2番手タイムをマークして前戦に引き続いてフロントローからのスタートとなりました。前戦で今季初勝利を収めたマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティは,カネトからわずか1000分の77秒差で3番手タイムとなり,2戦連続フロントローを獲得しています。日本人ライダー勢ですが,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が,自身最高位となる7番グリッドを獲得しました。SICレーシング・チームの佐々木歩夢とホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡は,それぞれ15番手,28番手タイムで予選を終えています。
2017/05/06(土)
☆どちらでも(MotoGP)
○ヨーロッパ域内を巡るコンチネンタルサーキットの初戦となる第4戦スペインGPがヘレス・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行なわれました。この日のヘレスは,午前の走行が生憎のウェットコンディションとなりましたが,ごごからは天気が回復してドライコンディションでの走行となり,もちろんこの日は2回目のフリー走行でのタイムが総合ベストとなりました。MotoGPクラスは,前戦で今季初めて表彰台に上ったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサがトップタイムをマークし,この日の総合トップタイムとなりました。この日のペドロサは,ウェットだった1回目でのトップタイムをマークしていますので,天候にかかわらずどちらでも一番速かったことになります。総合2番手タイムをマークしたのは,9人ものウィナーがいたのが昨シーズンでしたが,その中の一人であるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのJ.ミラーでした。総合3番手タイムをマークしたのは,こちらも昨シーズンのウィナーの一人であるLCRホンダのC.クラッチローでした。ウェットだった1回目におけるミラーが3番手,クラッチローが2番手タイムでしたから,ペドロサと同様にこの2人も晴雨にかかわらず速さを見せたことになります。さらに,トップ3をホンダRC213V勢が占めたことになります。今回ケガにより欠場しているA.リンスの代役として自身初めてGPに参戦しているチーム・スズキ・エクスターの津田拓也は,19番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのA.マルケスが総合トップタイムをマークし,前戦に引き続いて初日総合トップに立ちました。マルケスも午前中に行なわれた1回目のフリー走行でもトップタイムでしたから,ペドロサと同様にどのコンディションでも一番速かったことになります。総合2番手タイムをマークしたのは,ウェットでは17番手タイムと出遅れていたキーファー・レーシングのD.エガーターでした。総合3番手タイムは,テック3・レーシングのX.ビエルゲがマークしています。この日の日本人ライダー勢は奮わず,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶がトップから1秒以上遅れて総合16番手,テルルSAGチームの長島哲太は総合20番手タイムでした。
Moto3クラスは,2回目の走行はハーフウェットで始まり,徐々に路面状態が回復するという状態での走行となりました。そのような中で総合トップタイムをマークしたのは,現在ランクトップに立っているレオパード・レーシングのJ.ミルでした。前戦で今季初勝利を収めたマリネッリ・リバコールド・スニパーズのR.フェナティが,トップからおよそコンマ2秒遅れで総合2番手タイムでした。転倒は喫したものの,総合3番手タイムをマークして初日の走行を終えることができたのがブリティッシュ・タレント・チームのJ.マクフィーでした。日本人ライダー勢は,SIC58スクアドラ・コルセの鈴木竜生が総合14番手,SICレーシング・チームの佐々木歩夢が25番手,ホンダ・チーム・アジアの鳥羽海渡が30番手と,どのライダーも初めてのサーキットではないものの,出遅れてしまった初日となりました。
2017/05/04(木)
☆記録更新(SGT)
○通常は土曜日に予選,日曜日に決勝が行なわれる国内主要のレースの世界ですが,ゴールデンウィーク中に富士スピードウェイで行なわれるSGT第2戦に関しては,3日(水)に予選が,4日(木)に決勝レースが行なわれるという変則的なスケジュールになっています。
GT500クラスは,今シーズンからどのメーカーも新型のマシンを投入していますが,シーズン前に行なわれたテストでは,今シーズンからトヨタが投入しているLC500の性能が他メーカーのものよりも上回っていて,トヨタ中心に進んでいくことを予感させました。そして,実際に始まった第1戦では,上位をLC500が全て占めるという圧倒的な速さを見せました。富士スピードウェイで行なわれるレースでは,ここ数年はニッサンのGT-Rが速さを見せていましたが,昨日行なわれた第2戦の予選では,その流れが大きく変わる結果となりました。トップ8のグリッドを決めるQ2に進出できたのは,ニッサンとホンダが1台ずつで,あとの6台はトヨタが占めました。その中でポールを獲得したのは,立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO LC500でした。しかも,8台中唯一1分27秒台をマークするという圧倒的なものでした。このポール獲得により,SGTにおけるポール獲得回数の記録を持っている立川祐路が,自らの記録を更新して22へとのばしています。今回の予選で意外性があったのがGT-Rで,開幕戦では1台もQ1を突破できないという事態に陥っていました。しかし,昨年まで得意としていた富士で意地を見せ,ニッサン陣営のエースである松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rが2番グリッドを獲得しました。3番グリッドの大嶋和也&A.カルダレッリ組のWAKO'S 4CR LC500から7番グリッドまではトヨタ勢が占め,ホンダ勢で唯一Q2に進出した野尻智紀&小林崇志組のARTA NSX-GTが8番グリッド獲得となっています。
GT300クラスは,開幕戦を制した谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク AMGが早い段階から動きを見せてトップタイムをマークしていました。他のマシンがこれをターゲットタイムとしてアタックをしていきましたが,最後までタイムを更新するマシンは現われず,谷口自身としては2011年にツインリンクもてぎで行なわれた最終戦以来となるポールを獲得しています。2,3番グリッドをそれぞれJ.レスター&峰尾恭輔組のGULF NAC PORSCHE 911,藤井誠暢&S.ミューラー組のD'station Porscheが獲得し,ポルシェ勢が占めています。
2017/05/03(水)
☆回避&新型エンジン(MotoGP)
○5月3日(水)からフランスのル・マンにおいて,ミシュランのタイヤテストが始まりました。このテストには,当初スズキを除いたワークスチーム(ワークスマシン)が参加する予定になっていました。しかし,その初日がウェットコンディションになったことを理由に,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサとM.マルケスはこのテストをキャンセルすることになりました。この決定に至った要因は,年間に決められているシーズン中におけるプライベートテストの日数制限です。そのレギュレーションでは,年間に許されているプライベートテストは合計5日で,レプソル・ホンダ・チームについては2月に行なわれたヘレスでのテストで1日消化しています。今回ウェットコンディションになり,テストで十分な成果が収められないのにテスト回数がカウントされることを回避するためキャンセルするに至ったようです。
このテストでは,KTMが新たな取り組みをするようで,新型のエンジンが投入されるということです。今シーズンから最高峰クラスに本格参戦となったKTMですが,そのマシンであるRC16が使用しているV4エンジンは,4気筒それぞれが順番に爆発する「スクリーマー」と言われる形式のものです。ややアグレッシブと表現されているこのエンジンをより操作しやすいものとするため,今回のテストで4つの気筒の内2気筒ずつ同時に爆発する「ビッグバン」と呼ばれる形式に変えたものが投入されるということです。
2017/05/02(火)
☆供給決定(F1)
○4月30日(日)にホンダから発表があり,このところ噂されていたように,マクラーレンに加えて来シーズンからザウバーF1チームにカスタマーパワーユニットを供給することが正式に決定しました。ホンダ製PUの供給に関しては,マクラーレン側の強い要望(圧力?)により同チームに独占で供給されていました。しかし,レギュレーションの変更により,PUを獲得できないチームに関しては,最も供給先が少ないマニュファクチャラーが供給しなければならなくなり,マクラーレンの要望だけでは済まない状況となりました。ただ,そうしたレギュレーションの変更だけでなく,ホンダとしても供給先を欲していたことも事実でしょう。というのも,再びF1に帰ってきて以来ずっと速さや信頼性不足となっているホンダは,少しでもデータが欲しい状況が続いています。ところが,各種テストにおいては,それぞれのセッションで走行できるマシンの数が各チーム1台ずつとなっているのが現状で,つまり,マクラーレン1チームのみの供給では,マシン1台分のデータしか集まらないことになります。現在PUを供給しているマニュファクチャラーの中で最も遅く参戦したのがホンダですから,最も多くのデータを必要としているのがそのホンダとなります。そのためには,1チームでも多く供給するに越したことはなく,今回の決定はその流れの中で当然の帰結ともいえます。
今回の決定は,そうした開発面が中心となりますが,もう1つ大きな要因があります。F1に復帰したホンダですが,日本国内での盛り上がりが全くといっていいほどありません。かつてセナ&プロスト体制で大きな盛り上がりを見せたマクラーレン・ホンダの頃と比べると,目を覆うばかりの状況です。そうなっている大きな要因は,もちろん結果が出ていないということもありますが,日本初のフル参戦日本人ドライバーである中嶋悟や,現在インディカーシリーズにフル参戦している佐藤琢磨のF1における活躍といったような日本人ドライバーの不在という面も大きな影響を与えています。今回のザウバーとの提携には,同チームがかつて小林可夢偉を擁していたように,日本人ドライバーを採用するという内容が含まれています。現実的にはまだ日本人ドライバーでF1参戦に必要なスーパーライセンスを所有している若手ドライバーは一人もおらず,来季から即採用とまでは行かない状況にあります。とはいえ,現在F2(旧GP2)にフル参戦している松下信治,ヨーロッパF3にフル参戦している牧野任祐の2人がその可能性を最も多く持っていて,今回の提携が活きる可能性が十分あります。今回の提携が,十分成果が出るようになることを強く願っています。
2017/05/1(月)
☆初優勝(F1)
○第4戦ロシアGPの決勝レースが,レースウィークを通して好天に恵まれたソチ・オートドロームで行われました。レース直前に行なわれるフォーメーションラップがスタートしましたが,そこで今季常にホンダ製PUに不安を抱えるマクラーレン・ホンダのF.アロンソが,電気関連のシステムにトラブルが発生して最終コーナー手前でマシンがストップしてしまい,スタートディレイとなってしまいました。もちろんアロンソはそのままリタイアとなって,1周もできないままレースが終わってしまいました。こうした中で行なわれたスタートでは,ポールからスタートしたフェラーリのS.ベッテルは,何とかトップを守ってホールショットを奪ったものの,3番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのV.ボッタスが,好スタートを切ってターン2でトップの座を奪いました。2番グリッドからスタートしたフェラーリのK.ライコネンはスタートで出遅れて4番手に落ちたものの,3番手に浮上したメルセデスAMGのL.ハミルトンから3位の座を奪い返し,メルセデスとフェラーリ勢が交互に並ぶ状態でレースが進んでいきました。トップを行くボッタスは,途中セーフティーカーが導入されて差がなくなるということはありましたが,順調にベッテルとの差を広げていきました。しかし,終盤に入ってベッテルが徐々に差を縮めていって,最終盤はDRSが使える1秒以内まで差を縮めました。しかし,ボッタスは最後までトップの座を守りきり,自身初となる勝利を収めました。3位を走行したライコネンは単独走行となり,こちらは今季初の表彰台を獲得しています。チャンピオン候補ナンバーワンと思われているハミルトンは,単独走行で4位に入っています。5基目のPU投入となったことから,ペナルティにより最後尾からスタートしたマクラーレン・ホンダのS.バンドーンは,ザウバー勢はパスしたものの,周回遅れとなって14位完走でレースを終えています。
 

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