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最新ニュース
2015/10/30(金)
☆およそ20年ぶり(SF)
○現在東京モーターショーが開催されていますが,そこで行われた記者会見で横浜ゴムから発表があり,来シーズンからスーパー・フォーミュラ(SF)にタイヤ供給を開始することになりました。1997年からワンメークタイヤとなっているSFですが,それ以来ずっとブリヂストンがタイヤ供給を行ってきました。しかし,今シーズン限りでBSが撤退することになり,新たな供給先をさがす必要が生じていました。そのような中,今シーズン中に行われたトヨタとホンダのエンジンテストにおいて,YOKOHAMAのタイヤを装着したマシンが走行を行い,同社が新たな供給先となることが確実視されていました。そのような中での今回の発表となります。現在は世界ツーリングカー選手権(WTCC)やマカオグランプリ,SGT,全日本F3選手権などにタイヤ供給を行っているYOKOHAMAですが,かつては1980年の全日本F2,1987年からは現在のSFの前身である全日本F3000,1996年からはF3000から発展したフォーミュラ・ニッポン(FN)に供給していました。しかし,ワンメークとなってからは国内4輪最高峰から撤退していて,今回が約20年ぶりの復活となります。今回の発表によると,供給するタイヤの銘柄としては,同社の高性能タイヤのブランドである「ADVAN(アドバン)」となります。なお,SF運営するJRPからも発表があり,SFの正式名称が『全日本スーパーフォーミュラ選手権』に変更されることになりました。
2015/10/29(木)
☆新エンジン(F1)
○レッドブルとトロ・ロッソが来季使用するエンジンが不透明なため,両チームがF1から撤退する可能性が出てきています。また,昨シーズンから導入された現行のエンジンでは,メルセデスエンジンが圧倒的な速さを見せてシーズンの盛り上がりという点で懸念されています。また,そのエンジンのコストが高いため,資金不足に悩むチームにとってかなりの負担になっていることも確かです。こうした状況を受け,FIAはその対策として,2017年から現行とは別の仕様のスタンダードエンジンを導入するというプランを明らかにしています。FIAによると,今より安い価格でチームに供給されるカスタマーエンジンの導入について関係者と協議し,入札を実施する考えをもっているようです。各チームにかかる現行の1.6リッターターボエンジンのコストは,年間1,500万ポンド(約27億6,000万円)から2,000万ポンド(約36億8000万円)かかっているということです。一昨年まで使用していたV8エンジンが,700万ポンド(約12億9000万円程度)といわれていますから,コストがかなり上がったと考えられます。新たに導入しようと考えられているスタンダードエンジンに関する具体的なことはまだ明らかになっていませんが,一部報道によると,2.2リッターV6ツインターボユニットなのではないかということです。これは,現在インディ・カーシリーズが使用しているものと同仕様になります。噂によると,このスタンダードエンジンに関しては,一昨年まで供給していたコスワースをはじめ,インディ・カーに供給しているシボレーが名乗りを上げるのではないかということです。
2015/10/28(水)
☆搭載見送りか?(F1)
○マクラーレン・ホンダは,ロシアGPのフリー走行1においてホンダの“フェーズ4”と呼ばれる改良版パワーユニット(PU)をF.アロンソのマシンに搭載してテストを行い,次のアメリカGPにおいてアロンソのマシンにのみ搭載してレースに臨みました。しかし,レース終盤ポイント圏内を走行している際にパワーロスのトラブルが発生してしまってペースダウンを余儀なくされ,最終的に11位でチェッカーとなって惜しくもポイント獲得となりませんでした。古い方のPUで走行したJ.バトンが6位フィニッシュを果たしていましたから,(レースにタラレバはありませんが)このトラブルが生じなかったら間違いなくダブル入賞を果たしていたことでしょう。マクラーレン・ホンダの計画としては,今週末に行われるメキシコGPから,バトンのマシンにもその改良版PUを搭載する予定でした。しかし,アメリカGPにおけるトラブルの原因を調査中の段階ですから,当然まだ対策がとられておらず,そうした段階のPUを両方のマシンに搭載するわけにはいきませんから,現段階で正式発表はないものの,バトンのマシンに搭載されるのは,その2週間後に行われる予定の第19戦ブラジルGPからとなりそうです。
2015/10/27(火)
☆コラボ(JRR)
○今週末は,JRR最終戦となるMFJ-GPが鈴鹿サーキットで開催されます。それを前にして,世界的工具ブランドである「Snap-on」からが鶴田竜二監督率いる2輪レーシングチーム「TRICK STAR Racing」とタッグを組んで,「Snap-on TRICK STAR Racing」として参戦することが先週発表がありました。今年C95周年を迎える同社は,アメリカのウィスコンシン州にある世界的工具メーカーです。ソケットレンチを発明したことが有名で,自動車やバイクなどの整備に従事している方々をはじめ,モータースポーツにおけるメカニック等にも絶大な信頼感があります。また,タッグを組むことになったTRICK STAR Racingは,これまでもコラボを経験していますが,何といってもエヴァンゲリオンとのコラボが最も印象的でしょう。今回の発表によると,マシンは当然カワサキ系の同チームですからZX10-Rとなります。ライダーは出口修で,ゼッケンは18です。エヴァンゲリオンカラーで走らせてきている同チームですが,今回は「Snap-on TRICK STAR Racing」仕様にカスタマイズされます。また,今回の活動の企画運営をはじめ,チームグッズの制作販売は,「ラナ エンタテインメント株式会社」が行います。同社といえば,かつて「ウルトラマン・レーシング」などの企画運営を行った経験を持ちますから,2輪レースに興味をもっている私たちにも馴染みのある会社ではないでしょうか。
2015/10/26(月)
☆完勝(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの決勝レースが、ドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが,ホールショットを決めてトップに立つと,後は一度もトップの座を譲ることなく,今季2勝目を飾りました。ランク2位につけて逆転タイトルを狙っているモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾは,単独での走行となって2位フィニッシュを果たしました。そのロレンゾとタイトル争いをしているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは3位でのチェッカーとなり,追ってくるロレンゾとのポイント差が縮まりました。なお,そのロッシですが,3位争いをレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスと展開していました。抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開していった2人ですが,7周目の14コーナーで両者は接触し,ロッシはそのまま走行ができたものの,マルケスは転倒を喫してリタイアに終わるという事態に発展しました。この接触に関してレース後に審議が行われ,ロッシに非があったということでペナルティが科されました。この裁定によりペナルティポイントが加算となり,ロッシは最終戦で予選の結果にかかわらず最後尾からのスタートということになりました。タイトル争いでわずか7ポイントしかリードしておらず,ロッシにとってタイトル獲得に黄色信号が灯る痛いレースとなってしまいました。ロッシとマルケスとは,特に今シーズン度々接触もしくはそれに近い状態が起きていて,かなり因縁の関係となってしまっています。今回の接触は,こうしたことが要因になっていることは間違いないでしょう。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたデレンディンガー・レーシング・インターウェッテンのT.ルティと,2番グリッドからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコとのバトルとなりました。2人のバトルは最終ラップまで続き,2位走行のザルコがそのファイナルラップでルティを交わし,逆転で今季8勝目を挙げました。惜しくも2位となったルティでしたが,これで今季3回目の表彰台獲得となりました。4番グリッドからスタートしたAGRレーシングのJ.フォルガーは,単独走行とはなってしまいましたが,3位表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,表彰台争いからは離されたものの,表彰台まであと一歩の4位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,このクラスらしく7台でのトップ争いが展開されていきました。それを制したのは,ここまでランク2位につけているアジョ・モータースポーツのM.オリベイラでした。2位には,15番グリッドからスタートしたチームメイトのB.ビンダーがトップとわずか1000分の89秒遅れで入っています。エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが,トップからコンマ273秒遅れで3位表彰台を獲得しています。26番グリッドからスタートしたCIPの鈴木竜生は,21位での感想となりました。それに対して,レオパード・レーシングの尾野弘樹は,6周目に接触転倒を喫し,リタイアに終わっています。

☆2連覇達成(F1)
○第16戦アメリカGPの決勝レースが,テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。今大会は,ハリケーンが接近したためレーススケジュールが大幅に狂い,まともに走行できない状況となりました。土曜日に行われる予定だった予選も,この日はキャンセルとなり,決勝日の午前中に予選が行われる状況となりました。午後から行われた決勝レースですが,ウェットコンディションでのスタートとなりましたが,雨が止んでいたため次第にドライに変わるという難しいコンディションとなりました。そうしたことがあって,何度も(バーチャル・セーフティーカーも含めて)セーフティーカー導入となる荒れた展開となり,完走はわずか12台でした。そうした状況の中で行われた決勝レースは,何度も順位が入れ替わる展開となりました。最終的にはいつものようにメルセデスAMG勢による「トップ争いとなり,終盤に入ってN.ロズベルグのミスによりランクトップを行くL.ハミルトンがトップに立つとそのまま逃げ切ってトップでチェッカーを受け,3戦を残して見事今シーズンのチャンピオンを決めました。これでハミルトンは2年連続チャンピオンとなり,イギリス人ドライバーとしては初の記録となります。3位には,フェラーリのS.ベッテルが入っています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,J.バトンが7位でチェッカーを受けてポイントを獲得しています。前戦と同じくアップデートが施されたマシンで走行したF.アロンソは,ポイント圏内を走行していたものの,終盤に入ってマシントラブルが発生してしまって徐々にポジションを下げ,残念ながら11位でのチェッカーとなりました。
2015/10/25(日)
☆今季初(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPの予選が,ドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサがサーキットベストを更新する速さを見せて,今季初となるポールを獲得しました。ペドロサのポール獲得は,昨年の第7戦カタルニアGP以来となります。トップからおよそコンマ4秒差で2番手タイムだったのは,チームメイトのM.マルケスでした。この2番グリッド獲得は,10戦連続今季通算15度目のフロントローとなり,年間の予選最速ライダーが対象となるBMW・M・アワーズを3年連続して獲得することが決まりました。ランキング争いでトップに立っているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,トップからおよそコンマ67秒差で3番グリッドを獲得しています。
Moto2クラスは,デレンディンガー・レーシング・インターウェッテンのT.ルティがサーキットベストを更新する速さを見せ,2012年の開幕戦であるカタールGP以来久しぶりのポールを獲得しました。既に今シーズンのチャンピオンを決めているアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,トップからおよそコンマ13秒差で2番グリッド獲得となりました。3番グリッドを獲得したのは,このクラスでルーキーシーズンながら好成績を収めているパギナス・アマリラスHP40のA.リンスでした。調子が上向いているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,残念ながらトップ6には入らなかったものの,7番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリが,第11戦チェコGP以来今季2度目となるポールを獲得しました。トップから100分の47秒差で2番グリッドを獲得したのは,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロでした。レッドブルKTMアジョのM.オリベイラが3番グリッドを獲得し,4戦連続してフロントローを獲得しています。怪我により前戦を欠場していたレオパード・レーシングの尾野弘樹は11番手,CIOの鈴木竜生は27番手で予選を終えています。
2015/10/24(土)
☆2戦ぶり(MotoGP)
○第17戦マレーシアGPがドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスで総合トップタイムをマークしたのは,2戦ぶりの初日トップタイムとなるモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。この時のタイムは,これまでのサーキットベストを1秒弱上回るものでした。その速いタイムからわずか1000分の47秒差の総合2番手タイムだったのは,日本GPの覇者であるレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。総合3番手タイムをマークしたのは,前戦の勝者であるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。
Moto2クラスは,これまでのサーキットベストをおよそコンマ5秒上回る走りを見せて,デレンディンガー・レーシング・インターウェッテンのT.ルティが今季3度目となる総合トップタイムをマークしました。AGRチームのJ.フォルガーが,午前中に行われたフリー走行1でのタイムで総合2番手タイムとなっています。既に今シーズンのチャンピオンを決めているアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,トップからおよそコンマ29秒差で総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,総合6番手タイムで初日の走行を終えています。
Moto3クラスは,チャンピオンに王手をかけているレオパード・レーシングのD.ケントが,午後の走行で転倒を喫してタイムアップをすることができませんでしたが,午前中のタイムで初日総合トップタイムとなりました。そのケントからおよそコンマ2秒遅れで総合2番手タイムだったのは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。総合3番手タイムだったのは,スカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティでした。日本GPで左足第5中足骨にヒビが入ったため,前戦を欠場したレオパード・レーシングの尾野弘樹は,そうした状況にもかかわらず総合8番手タイムをマークしています。それに対してCIPの鈴木竜生は,思うようにタイムアップを果たすことができず,初日総合23番手で初日を終えています。

☆悪コンディション(F1)
○第16戦アメリカGPは,テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日はフリー走行が行われました。雨が予想された同サーキットですが,午前中に行われたフリー走行1では,それほど路面が濡れておらず,インターミディエイトのタイヤでの走行が可能でした。そのような中でトップタイムだったのは,メルセデスAMGのN.ロズベルグでした。来季使用するエンジンが未定のため,参戦自体が不透明な状況にあるレッドブル勢が午前中は速さを見せ,D.クビアトとD.リカルドが,それぞれ総合2,3番手タイムをマークしています。走行の途中で雨が止んだフリー走行1に対して,午後から行われる予定だったフリー走行2は,激しい雨に見舞われて走行が無期限のディレイという状況になりました。事前に予想されたとおり悪コンディションは時間が経っても一向に改善することがなく,結局安全確保のため午後の走行はキャンセルとなりました。なお,メキシコ湾に史上最強クラスのハリケーンといわれている「パトリシア」が近付いていて,今日以降の天候についても懸念されています。
2015/10/23(金)
☆復帰(MotoGP)
○KTMから発表があり,今シーズンはイタル・トランスからMoto2クラスにフル参戦しているフィンランド人ライダーのM.カリオを,来季テストライダー契約が成立しました。2017年シーズンからMotoGPクラスに参戦することが決まっているKTMですが,来季はそれに向けてマシン開発を本格化させていきます。そこで,全てのクラスにフル参戦したことがあるカリオの経験を買っての契約であることは間違いないでしょう。カリオにとっては,KTMに復帰することになります。というのも,2003年から2008年の6年間,125ccと250ccクラスにKTMからフル参戦した経歴があるからです。この6年間で12勝を挙げていて,カリオのキャリアの中でも輝かしい1ページを刻んだものとなっています。KTMは,既にA.ホフマンとも契約が成立していますから,この2人のベテランライダーの手によって最高峰クラス参戦に向けてマシン開発を行っていくことになります。KTMによると,7月にエンジンのベンチテストが始まるということです。
2015/10/22(木)
☆対策?(F1)
○時期的に来季への動きが本格化してきているF1の世界ですが,例年にくらべるとかなり不透明な状況になっています。その大きな原因となっているのが,レッドブル&トロ・ロッソ,そしてロータスです。まず,レッドブルとトロ・ロッソですが,両チーム共に来季使用するエンジンが未だに決まっておらず,このままいくとF1からの撤退をにおわせています。一気に2チーム4台がいなくなる可能性があるわけですから,その影響はかなり大きなものとなります。また,既にルノーへの売却が決まっているロータスですが,売却については発表があったものの,その後の動きが全くと言っていいほど表面化していません。こうした不安定な状況を受け,それに対する対策のようなことがコメントされています。まず1つ目は,F1界のボスであるB.エクレストンの発言です。昨シーズンから1.6リッターV6ターボ・ハイブリッドパワーユニットが導入されていますが,それまではKERSシステムを備えた3.5リッターV8エンジンが使用されていました。エクレストンの発言は,現行のエンジンと以前のV8エンジンのどちらも走ることができるようにするというものです。このV8については,ルノーかコスワースによって提供されるものに限るということです。これが実現すれば,ルノーV8で数々の栄冠を手にしたレッドブルを引き留めることができます。もう一つが,メルセデス・モータースポーツのボスであるT.ウォルフの発言です。彼によると,メルセデスやフェラーリといった有力なチームが3台体制を敷くことを認めるというものです。こうすれば,例えチーム数が減っても,ドライバーの座るシートの数がある程度確保されるわけで,不安定な状況に置かれているドライバーを救済することができます。また,若手ドライバーの登用ということも考えられるわけで,F1の活性化も図られることになります。ただ,今回の2人の発言はあくまでも個人的な見解ですから,実現の可能性はかなり怪しいのも確かです。恐らく,この1ヶ月以内にはこの不透明な状況がはっきりとしてくるでしょうから,どのようなものになるのか注目ですね。
2015/10/21(水)
☆2冠&新記録(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その中で今季絶好調のヤマハがタイトルを決めたり,ライダーが新記録を達成したりします。まずタイトルについてですが,先週末に行われたオーストラリアGPにおいて,モビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが2位に入り,既に第14戦アラゴンGPで決めていたチームタイトルに加え,コンストラクタータイトルも決定し,これで2冠達成ということになりました。ヤマハが同タイトルを獲得したのは,チームタイトルを含め,2010年シーズン以来5年ぶりとなります。ちなみに,ヤマハにとってチームタイトルは通算5度目,コンストラクタータイトルは通算14度目となります。後残るのはライダーとしてのタイトルですが,現在V.ロッシとロレンゾの2人でタイトル争いが展開されていますから,3冠達成が確実となっています。さて,そのチャンピオン争いを展開しているロッシですが,3連戦最後のレースとなる第17戦マレーシアGPにおいて,新たな記録を手にすることになります。それは,最多参戦記録です。同記録は,これまで同じイタリアンライダーであるL.カピロッシがマークしていました。3連戦の中の2つ目であるオーストラリアGPにおいて,ロッシはその記録である通算328戦に並んでいました。これからロッシに何事も起こらなければ,無事マレーシアGPに参戦できるでしょうから,同GPにおいて新記録を達成することになります。8耐の優勝,JRRのJSB1000クラスにおいて中須賀克行がタイトル争いで独走状態,そしてMotoGPにおける数々のタイトル獲得とまさに「ヤマハイヤー」となっている今シーズンですが,その中での新記録達成となります。
2015/10/20(火)
☆移動(MotoGP)
○ヤマハのマシンを駆ってMotoGPクラスの中のオープンクラスに参戦しているフォワード・レーシングから発表があり,今シーズン限りでMotoGPクラスから撤退し,来季からSBKに戦いの場を移すことになりました。昨シーズンまでは,今季スズキワークスのエースライダーとして活躍しているA.エスパルガロが所属して同クラスのチャンピオンを獲得してきたりしていましたが,今シーズンはチームに危機が生じて本来のエースライダーだったS.ブラドルがチームを移籍するような事態が起きていました。その後は何とか参戦を継続してきていて,今回の発表に至っています。MotoGPクラスでは,実質上ヤマハの型落ちYZR-M1を駆っていますが,今回の発表によると,MVアグスタのマシンを駆ることになります。また,参戦するのは,最高峰のSBKだけでなく,MotoGPでいえばMoto2に当たるWSSにも、同様に参戦することになります。ライダーについては,今回の発表ではテストライダーのみの発表でした。そのテストライダーに就任するのは,MotoGPやSBKで活躍したイタリアンライダーのM.メランドリです。今シーズンのメランドリですが,ホンダのサテライトチームからアプリリアのワークスチームへと立場を変えたグレシーニ・レーシングから参戦をしていました。しかし,シーズン途中でチームを離脱し,そこにフォワードを抜けたブラドルが座るという形で落ち着きました。そして,今季ブラドルが所属したフォワードにメランドリが移籍するという結果的にトレードしたかのような状態で落ち着いています。なお,同チームは,MotoGPにおいてMoto2クラスにも参戦していますが,この点については参戦を継続し,既に発表があったようにL.バルダッサーリがカレックスのマシンを駆ることになります。
2015/10/16(金)
☆移籍(MotoGP)
○今日から第16戦オーストラリアGPが開幕しますが,それを前にしてエストレラ・ガルシア0,0マークVDSから発表があり,今季ホンダのサテライトチームの一つであるLCRホンダから最高峰クラスにフル参戦しているJ.ミラーが,来季エストレラ・ガルシア0,0マークVDSに移籍することになりました。今シーズンから最高峰クラスにフル参戦しているミラーは,昨シーズンまでMoto3クラスにフル参戦していました。KTMのマシンを駆るミラーと,ホンダのマシンを駆るA.マルケスとのチャンピオン争いとなった昨年のMoto3クラスでしたが,最終的にマルケスがチャンピオンに輝き,ミラーは惜しくもチャンピオンを逃しました。しかし,その才能を買われた彼は,通常Moto3からMoto2へとステップアップするものですが,実際マルケスはその通りの道をたどったのに対して,ミラーは一足飛びに最高峰クラスへとステップアップを果たしました。その初年度となる今シーズンは,LCRホンダに所属しています。これまでのLCRホンダは,ずっと1台体制で最高峰クラスに参戦してきましたが,今季は有力なタイトルスポンサーを手に入れて2台体制となり,C.クラッチローがエースライダーに,ミラーがセカンドライダーとしてホンダのオープンクラス用に開発したRC213V-RSを駆って,現段階でこのクラスでは3位,ホンダのマシンを駆るライダーとしてはトップの成績を収めています。そのような中,そのタイトルスポンサーが急遽撤退する事態が発生してしまい,今季終了までは2台体制で臨むLCRホンダですが,来季は再び1台体制に戻ることになってしまいました。その1台を駆るのがエースライダーであるクラッチローということが既に決定していて,ミラーがどうなるのかが注目されていました。そのような中,昨年までホンダのサテライトチームの一つだったグレシーニ・チームが,今季からアプリリアのワークスチームとなったことに伴い,最高峰クラスへもチームとしてステップアップを果たしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSが,来季は2台体制を組むことになり,そこにミラーが入ることになったわけです。ミラーのチームメイトは,既に発表があったように,昨年のMoto2クラスチャンピオンで,ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今シーズンは,タイトル防衛はならなかったものの,現在ランク2位につけているT.ラバトです。
2015/10/15(木)
☆使用禁止(F1)
○FIAから発表があり,来シーズンから1年落ちのパワーユニットを使用することが禁じられることになりました。今シーズンのマノーは,フェラーリの1年落ちを使用して参戦していますが,こうした形式が来季は禁止されることになります。今回発表されたスポーティングレギュレーションは,今年のシーズン中のアップデートを可能にしたレギュレーションの抜け穴をふさぐことを目的としていたようです。この規定によると,メルセデスやフェラーリ,ルノー,ホンダのエンジンマニュファクチャラーは,アップデートを施した2016年のパワーユニットを2月28日(日)までにホモロゲーションを受け,それ以降は,信頼性の改善や安全性の向上,コスト削減のいずれかの目的がある場合を除き, 年末までパフォーマンスアップデートが許されないことになります。これが実行されると,メルセデスAMGやスクーデリア・フェラーリといったワークス2チームが,ソフトウェアや燃料,オイルのグレードの違いを除き,供給先のチームと違う仕様のエンジンを使用することができないことになります。ただ,来季のエンジンが未だに決まっておらず,撤退すら俎上に上っているレッドブルとトロ・ロッソに関しては,来季はとりあえずフェラーリの型落ちを使用して参戦を継続するのではないかという噂が浮上していますが,これができないことになります。そうなると,両チームがF1から撤退するという選択肢に繋がる可能性があります。また,今シーズンのマノーのように,資金難から最新のものを手にすることができず,コスト削減で型落ちを選ぶということもできなくなります。さらに,現在のエンジンになってからメルセデスが圧倒的な速さと強さを見せている現状がありますが,新たな開発ができるのがシーズン開幕前の2月までで,それ以降の変更禁止となると,メルセデスに有利に働く可能性が高まります。こうした危惧から,ホンダをはじめ,フェラーリやルノーは,来年もシーズン中のアップデートを続けたいという立場を明確に打ち出しています。全チームが満場一致でレギュレーションの変更に同意すれば,この規約の変更が可能ですから,これから先,今回発表されたレギュレーション廃止に向けて綱引きが行われることになるのかもしれません。
2015/10/14(水)
☆参戦発表(WTCC)
○スウェーデンの自動車メーカーであるボルボから発表があり,かねてから噂されていたように,2016年から世界ツーリングカー選手権(WTCC)にワークス参戦することになりました。今シーズンのWTCCは,ホンダをはじめ,シボレーやシトロエン,ラーダの4メーカーが参戦していますので,来季は5メーカーによるバトルとなります。その新規参入となるボルボは,かつて“フライング・ブリック(空飛ぶレンガ)”の愛称で知られた「ボルボ240ターボ」でヨーロッパのツーリングカーレースを席巻した歴史を持ちます。参戦体制についてですが,長年にわたってボルボのパフォーマンスブランドとしてモータースポーツ活動を担当してきた「ポールスター・レーシング」として参戦します。使用するマシンはS60で,2台体制となります。ドライバーについては,今回の発表では明らかにされていませんが,T.ビョークやR.ダールグレン,F.エクブロムが開発ドライバーとして活動していますので,彼らの中から選ばれる可能性が当然あります。ボルボの方針としては,来季は学習の年とし,2017年シーズンから本格的にタイトル争いに絡んでいくというもののようです。
2015/10/13(火)
☆契約延長(F1)
○イタリアのタイヤメーカーであるピレリから発表があり,2017年以降のF1活動に関する商業契約を更新しました。ブリヂストンがF1を撤退したのを受けて,F1にワンメークタイヤを供給してきたピレリですが,現在結ばれている契約は,来シーズンまでとなっています。2017年シーズンから供給するメーカーを新たに募集していて,それに対してピレリの他にはフランスのタイヤメーカーであり,かつてF1にタイヤ供給していた経験を持つミシュランが立候補していました。その2社の中でどちらを選ぶか審議されていましたが,最終的にピレリとの契約延長となったわけです。ピレリについては,これまでに耐久性やグリップ力などいくつもの問題点が指摘されてきたという経緯があります。それだけに,ミシュラン待望の声があったのも事実です。しかし,F1界のボスであるB.エクレストンは,ピレリがショー的要素への貢献が高いとして早くから指示をしていて,今回の決定に至っています。なお,今回発表された契約期間は,2017年から2019年までの3年間となっています。
2015/10/12(月)
☆50勝(MotoGP)
○第15戦日本GPの決勝レースが,雨が降ったり止んだりといった不安定な天候のツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,レース途中までは独走態勢に持ち込んでいました。それに対して,午前中に行われたフリー走行でトップタイムをマークしていたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが,徐々にペースを上げていくことに成功。16周目には2位に,そして18周目にはトップに浮上しました。その後もペドロサのペースは他のライダーよりも速く,最終的には2位に8秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受けました。ペドロサの勝利は,昨年8月に行われた第11戦チェコGP以来19戦ぶりとなり,もちろん今季初優勝,通算50勝というメモリアルレースとなりました。2位には,こちらも途中までロレンゾの独走を許していましたが,ペドロサには交わされたものの,終盤にはロレンゾを交わして独走態勢に持ち込んだモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが入りました。3位にロレンゾが入って,ランキング争いでランクトップのロッシが差を広げることに成功しています。ワイルドカード参戦の二人は,不安定なコンディションで地元勢の利点を活かし,ヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行が8位でチェッカーを受け,トップ10フィニッシュを達成しました。もう一人のチームHRC withニッシンの高橋巧は,トップから1分以上差をつけられたものの,12位でチェッカーを受けて初のMotoGPクラス参戦ながら見事ポイントを獲得しています。ABモトレーシングから代役参戦となった秋吉耕祐は,ポイント圏内での走行はかなわなかったものの,トップと同一周回の19位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,ランク2位のT.ラバトの欠場により既にチャンピオンが決定していますが,そのチャンピオンに輝いているアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,ポールからスタートして序盤は順位を下げたものの,5周目にトップに立つと後は独走態勢に持ち込み,見事チャンピオン決定を自分自身で祝うかのようにトップでチェッカーを受けました。2位には,ザルコから4秒遅れで3番グリッドからスタートしたAGRチームのJ.フォルガーが入りました。9番グリッドからスタートしたダイナボルト・インタクトGPのS.コルテセが3位に入り,昨年の第11戦チェコGP以来となる自身このクラス通算2回目となる表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,3位走行中に残念ながら転倒を喫してしまい,再スタートはきれたものの22位でのチェッカーとなってしまいました。ワイルドカード勢は,こちらもウェットコンディションという不安定なコンディションで地元の利を活かし,NTS Tプロ・プロジェクトの小山知良が13位,モリワキ・レーシングの高橋裕紀が14位でチェッカーを受け,見事ポイントを獲得しています。
Moto3クラスは,2番グリッドからスタートしたオンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリが,スタートから飛び出すと後続との差を広げて単独走行に持ち込み,第11戦チェコGP以来自身通算2回目となる優勝を飾りました。この優勝により,ホンダが2001年以来となるコンストラクタータイトルを獲得することになりました。2,3位には,それぞれレッドブルKTMアジョのM.オリベイラ,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが入っています。レオパード・レーシングの尾野弘樹は,2位を走行していた3周目に転倒を喫してしまい,残念ながらリタイアに終わっています。ワイルドカード参戦となるムサシRTハルク・プロの栗原佳祐と水野涼の二人ですが,栗原は25位で完走を果たしたものの,水野は転倒リタイアとなっています。

☆コンストラクタータイトル決定(F1)
○第15戦ロシアGPの決勝レースが,ドライコンディションのソチ・オートドローモで行われました。ポールからスタートしたのは,メルセデスAMGのN.ロズベルグでした。同じくポールからスタートした前戦日本GPでは,スタートで交わされてポジションを下げましたが,今回はそのポジションを守ってトップを走行しました。ところが,その後トラブルが発生してペースダウンとなり,7周目にトップの座を譲るとどんどんポジションを下げ,ピットに入ってそのままリタイアに終わってしまいました。ロズベルグを交わしてトップに立ったメルセデスAMGのL.ハミルトンは,その後は危なげないレースを展開していって今シーズン9回目となる優勝を独走で飾りました。2位には,こちらも独走でフェラーリのS.ベッテルが入っています。ファイナルラップに持ち込まれたウィリアムズのV.ボッタスとフェラーリのK.ライコネンの争いですが,ターン4で両者が接触してしまってボッタスがリタイア,ライコネンは5位でチェッカーを受けました。この接触は審議の対象となり,レース後30秒加算のペナルティがライコネンに科され,リザルトとしては8位となりました。この結果,コンストラクタータイトルをメルセデスAMGが獲得することが決定し,2年連続のタイトルとなります。3位には,ライコネンとボッタスの接触の間隙を突いたフォース・インディアのS.ペレスが入っています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,J.バトンが9位,F.アロンソが10位でのチェッカーとなり,ダブル入賞を果たした形になりました。ところが,アロンソのコーナーカットが審議の対象となり,レース後に5秒加算のペナルティが科されてしまい,惜しくも11位に降格となってダブル入賞を果たすことができませんでした。
2015/10/11(日)
☆60回目(MotoGP)
○第15戦日本GPの予選が,曇り空のツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,Q1直前に行われた4回目のフリー走行において,E-モーション・イオダレーシング・チームのA.デ.アンジェリスが転倒を喫し,赤旗中断となる事態が発生しました。意識を失っていたため非常に心配される状況でしたが,ヘリコプターで病院に運ばれる前には意識を取り戻していて,その点ではよかったのですが,精密検査の結果,肺挫傷,第7,8,9胸椎の骨折,第4腰椎の骨折,第2,4,8胸椎横突起の骨折という重傷であることが判明しています。デ.アンジェリスの転倒以後は大きなアクシデントが発生することはなく,無事予選が行われました。そこでポールを獲得したのは,前日に総合トップタイムだったモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。このポール獲得により,ロレンゾにとって通算60回目のポールとなります。トップからわずか1000分の81秒差で2番グリッドを獲得したのは,ランク1位につけているV.ロッシで,これによりモビスター・ヤマハMotoGP勢のワンツーとなりました。トップからコンマ4秒と差をつけられての3番グリッドは,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが獲得しています。ワイルドカード勢の二人は,ヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行が15番手,チームHRC withニッシンの高橋巧が15番手でした。また,ABモトレーシングから代役参戦の秋吉耕祐は,最下位となる26番手でした。
Moto2クラスは,T.ラバトの欠場により今シーズンのチャンピオンが決定しているアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,サーキットベストを更新する速さを見せて今季7度目となるポールを獲得しました。デレンディンガー・レーシング・インターウェッテンのT.ルティが2番手タイムをマークし,第3戦アルゼンチンGP以来となるフロントローを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,AGRチームのJ.フォルガーでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップから1秒以上離されて7番グリッドを獲得しています。ワイルドカード勢は,モリワキ・レーシングの高橋裕紀が25番手,NTS T.プロ プロジェクトの小山知良がブービーの29番手でした。
Moto3クラスは,スカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティがトップタイムをマークし,意外なことにキャリア通算67戦目にして初めてポールを獲得しました。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれレッドブルKTMアジョのM.オリベイラ,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロでした。レオパード・レーシングの尾野弘樹は12番グリッド,CIPの鈴木竜生は21番グリッドを獲得しています。ワイルドカード参戦となるムサシRTハルク・プロの水野涼と栗原佳祐は,それぞれ35,36番グリッド獲得で予選を終えています。

☆2戦連続(F1)
○第15戦ロシアGPの予選が,ソチ・オートドローモで行われました。予選は午後から行われましたが,午前中に行われた3回目のフリー走行において,トロ・ロッソのC.サインツJrがターン13で激しいクラッシュを喫し,マシンはバリアに深く突っ込むというアクシデントが発生しました。ヘリコプターで病院に搬送されたサインツでしたが,幸いなことに大きなケガはなく,今日行われる決勝レースで走行できるかどうかについては,今日ドクターの診察を受けて決定されることになります。午後に行われた予選では大きなアクシデントが発生せず,そのような中でポールを獲得したのは,前戦のポールシッターであるメルセデスAMGのN.ロズベルグでした。チームメイトのL.ハミルトンは,ラストアタックでミスを犯してアタックをとりやめ,2番グリッド獲得で予選を終えています。3番グリッドを獲得したのは,ウィリアムズのV.ボッタスでした。マクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソは,残りのトークンを全て使ったアップデート版のパワーユニットを搭載していましたが,2回目のセッションで一部コンポーネントを交換した旧バージョンに戻しての走行となっていました。一旦下ろされた新PUは,今後のレースのために温存されることになるようです。予選の方ですが,Q1を突破したJ.バトンが13番手,突破なかったアロンソが16番手タイムでした。ただ,アロンソは載せ替えによるペナルティが科されるため,決勝レースは最後方のグリッドからのスタートとなります。
2015/10/10(土)
☆チャンピオン決定(MotoGP)
○ツインリンクもてぎにおいて第15戦日本GPが開幕し,初日はフリー走行が行われました。MotoGPクラスで初日トップタイムをマークしたのは,ここまでランク2位につけているモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。これにより,第10戦インディアナポリスGPから6戦連続して初日トップタイムをマークしたことになります。総合2番手タイムをマークしたのは,トップからおよそコンマ3秒遅れでレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。総合3番手タイムは,ドゥカティ・チームのA.イアンノーネでした。ワイルドカード参戦日本人ライダー勢ですが,チームHRC withニッシンの高橋巧は18番手で初日を終え,ヤマハ・ファクトリー・レーシングの中須賀克行は,転倒を喫して23番手でした。負傷欠場のk.アブラハムの代役としてABモトレーシングから参戦している秋吉耕祐は,最下位の27番手タイムでした。
Moto2クラスは,ここまでランクトップを行くアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,今季6回目となる初日総合トップタイムをマークしました。さて,そのザルコですが,今大会でチャンピオン獲得に王手をかけていました。対象となるのは,ここまでランク2位につけているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトだったのですが,19月7日付のこのページでお伝えしたようにプライベートでの走行で転倒を喫して左手橈骨の骨折を喫し,出場が微妙な状況になっていました。出場に向け日本に来ていたのですが,手術はしていたものの,やはり出場するには至らず,この結果走らずしてザルコのタイトル獲得が確定しました。1000分の39秒差で総合2番手タイムをマークしたのは,このクラスにおけるルーキーライダーながら活躍しているパギナス・アマリラスHP40のA.リンスでした。午前中に行われたフリー走行1でトップタイムをマークしたデレンディンガー・レーシング・インターウェッテンのT.ルティは,結局総合3番手タイムで初日を終えています。調子を上げて母国GPを迎えているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,転倒は喫したものの,総合6番手タイムで初日を終えています。ワイルドカード参戦となる日本人ライダー勢ですが,モリワキ・レーシングの高橋裕紀は総合24番手,NTS Tプロ・プロジェクトの小山知良はブービーの30番手でした。
Moto3クラスは,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリが,自身今季2回目となる初日総合トップタイムをマークしました。100分の2秒差で総合2番手タイムだったのは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。トップからおよそコンマ2秒差で総合3番手タイムだったのは,グレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニでした。母国GPとなるレオパード・レーシングの尾野弘樹は総合14番手,CIPの鈴木竜生は総合29番手タイムで初日を終えています。ワイルドカード参戦勢ですが,ムサシRTハルク・プロの水野涼と栗原佳祐は,それぞれ総合34番手,最下位の36番手と予想通り厳しいスタートとなりました。

☆悪コンディション(F1)
○第15戦ロシアGPが,ソチ・オートドロームで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。ところが,1回目のフリー走行はオイルリークにより清掃活動が入り,走行時間が短縮されると共に,清掃箇所はウェット路面となってしまいました。さらに,2回目のフリー走行は,開始前から雨に見舞われてしまってウェットコンディションとなり,2回の走行共に生憎のコンディションの中での走行となりました。この日のベストタイムは,どのドライバーも1回目の走行でマークしていて,その中で総合トップタイムをマークしたのは,フォース・インディアのN.ヒュルケンベルグでした。トップからおよそ100分の5秒遅れで総合2番手タイムだったのは,メルセデスAMGのN.ロズベルグでした。総合3番手タイムは,フェラーリのS.ベッテルがマークしています。残りのトークンを使用してアップグレード版のパワーユニットを投入したマクラーレン・ホンダ勢ですが,そのPUを搭載したF.アロンソは総合14番手,今回は搭載とならなかったJ.バトンは総合11番手でした。なお,今回の新PU搭載により,アロンソは35グリッド降格が決まっていて,決勝レースは最後尾からのスタートとなります。
2015/10/09(金)
☆新天地へ(MotoGP)
○今日からいよいよツインリンクもてぎで第15戦日本GPが開幕しますが,それを前に行われたプレスカンファレンスにおいて,アスパーMotoGPチームのN.ヘイデンが,MotoGPを離れ,来シーズンからスーパーバイク世界選手権(SBK)へ戦いの場を移すことを明らかにしました。長年ホンダのライダーとして活躍してきたヘイデンですが,ホンダのワークスライダーとしてレプソル・ホンダ・チームに在籍していた2006年には,見事最高峰クラスでチャンピオンを獲得しました。その後,一時期ホンダを離れてドゥカティのワークスライダーとして走ったこともありましたが,戦闘力不足のドゥカティを離れると,今度はワークスマシンではなく,CRT,そして現在のオープンクラスに投入されたホンダのマシンを走らせています。ただ,そういう状況だけに,表彰台争いからは遠い位置での走りにならざるを得ず,恐らくモチベーションの維持が難しかったものと思われます。現在所属しているアスパーMotoGPチームとの契約が今年で切れることになっていて,その去就が注目されていました。噂としては2つあり,MotoGPを離れてSBKに移ることと,最高峰クラスに進出することになっているKTMに移籍するのではないかというものです。そして,ヘイデンが決断したのは,今回のSBK移籍でした。ヘイデンが来季から所属することになるのは,SBKにおけるホンダのワークスチーム的立場にあるT.ケイトが率いる「パタ・ホンダ・ワールドスーパーバイク・チーム」です。今シーズンの同チームは,昨年のSBKチャンピオンであるS.ギントーリを迎えていました。しかし,戦闘力の落ちるマシンでチャンピオン争いができるほど甘いカテゴリーではなく,チャンピオン争いはおろか,優勝することさえもできない状況が続き,ギントーリは1年限りでチームを離れることになりました。ちなみに,長年同チームに所属していたJ.レイが,今シーズンからカワサキに移籍したとたん連戦連勝を飾ってチャンピオンを獲得していますから,現在のSBKにおけるホンダがいかに厳しい状況にあるかが分かります。元ワールドチャンピオンが移籍したからといって勝てるほど甘くはないと思われますが,あえてヘイデンはそこにモチベーションを求めたのかもしれません。ただ,ホンダが使用しているマシンについては,2017年に新型が投入されるのではないかという噂もありますので,1年我慢(?)すれば,新たな展開があるのかもしれません。
なお,ヘイデンの移籍により,現段階では,来季のMotoGPクラスにアメリカ人ライダー不在の状況となります。日本人ライダーについては,今シーズンから同様の状況です。MotoGPにおいて,両国が再び光を浴びるようになるのはいつになるのでしょう・・・。
2015/10/08(木)
☆売却(F1)
○F1における商業面でのボスであるB.エクレストンは,現在F1株式の5.3%,さらに家族信託により8.5%保有しています。さらsに,エクレストンの他には,CVCキャピタル・パートナーズがF1株式の最大35.5%を保有しています。今年の6月には,RSEベンチャーズ(NFLマイアミ・ドルフィンズのオーナーでもあるS.ロスが経営)とカタール・スポーツ・インベストメンツが,CVCキャピタル・パートナーズが所有する株式を買い上げるプランを検討しているという噂が浮上していました。また, 昨年は,世界最大の富豪のひとりであるJ.マローンが率いているリバティ・グローバルとディスカバリー・コミュニケーションズがF1の株式に関心を持っているのではないかという報道もなされていました。こうした点に関して,そのエクレストン自身が発言し,F1株式売却を認めました。さらに,具体名は明かされませんでしたが,それに3社が名乗りをあげていると言うことも認めました。その売却がいつ行われるのかという問いかけに対しては,「今年」という返答があったということで,かなり現実味を帯びたものになっています。ただ,売却は行われますが,6月にエクレストンが行った発言によると,F1にとどまるよう求められていて,現在の役割を今後も果たしていくことになりそうだと明かしていましたから,恒例のエクレストンではありますが,また影響力を有していくようです。
2015/10/07(水)
☆可能性拡大(MotoGP)
○今週末は,いよいよツインリンクもてぎでの日本GPが開催されます。残り4戦となってタイトル争いの行方がより一層気になってきますが,MotoGPクラスについては,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシとJ.ロレンゾが,チームメイト同士で僅差のタイトル争いをしていて,最終戦まで決着しない可能性が高まっています。また,Moto3クラスも,日本GPにおける結果次第では,ランクトップを行くレオパード・レーシングのD.ケントが初のタイトル獲得となる可能性がありますが,優勝するか2位になるかでも,ランク2位を行くグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニがノーポイントもしくはそれに近い状態でないとタイトル獲得とはなりません。ですから,日本GPでの決着は,それなりに壁があるのは確かです。その2つのクラスに対して,一番可能性が高いのがMoto2クラスです。現在アジョ・モータースポーツのJ.ザルコがランクトップを行き,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが2位につけていますが,二人の間にある差が78ポイント。日本GPを消化した段階で75ポイント差をつければいいわけで,単純に考えれば,ザルコがラバトの前でゴールをすればタイトルは決まります。そうならなかった場合でも,ザルコが上位でゴールすればするほど,その分ラバトは更に上位入賞を果たさないといけなくなります。そのような中,ただでさえ苦しいラバトなのに,さらにハンディを負う事態が発生しました。普段彼がトレーニングで使っているスペインにあるアルメニア・サーキットで走行中,原因不明のテクニカルトラブルが発生してしまい,ラバトは激しく路面にたたきつけられ,その際に左前腕の橈骨を骨折してしまいました。直ちに病院に運ばれて手術を行い,無事成功に終わっています。日本GP参加に向けてスペインを飛び立ったラバトですが,無事参戦できるかどうかは,明日行われるメディカルチェック次第となります。とはいえ,たとえそこで合格したとしても,大きなハンディを負ったラバトが,今シーズンかなり速さを見せているザルコより前でゴールするのはかなり厳しいと考えられますから,ザルコのタイトル獲得の可能性が,かなり高まった状況と言えます。
2015/10/06(火)
☆参戦見送り(WEC)
○10月1日(木)にニッサンから発表があり,WECにおける残りのレースへの参戦を見送り,2016年にGT-R LM NISMOで復帰することになりました。今回発表をしたニッサンは,2014年シーズンはスポットで,今シーズンからフル参戦という形で世界耐久に復帰していました。しかし,レースカーには珍しいFFレイアウトを採用したりしたかなり革新的なマシンで参戦したものの,今シーズンは一番重視していたルマンでマシントラブルが発生し,結局エンジンとしてはパワー面で一番肝となるERS(エネルギー回生システム)がうまく作動せず,エンジンの力のみでの走行となってしまいました。その後は,マシンの改良を図るため参戦を休止。当初は富士スピードウェイで行われる日本ラウンドまでの欠場ではないかと思われていました。ところが,今回の発表により,今シーズン内での復帰は見送られることになりました。ニッサンは,マシン開発だけでなくチーム組織の見直しにも着手していて,チームプリンシパルとして日産メキシコからM.カルカモを迎えました。それまでチーム運営の中心的役割を果たしていたB.ボウルビーは,彼本来の役割であるテクニカルディレクターに専念します。残念な結果ではありますが,「GT-R」というニッサンの顔とも言える名前を冠しているプロジェクトだけに,来シーズンこそはぜひ全戦参戦となるようじっくりとマシンの改良に取り組んで欲しいでですね。
2015/10/05(月)
☆代役(MotoGP)
○今週末は,いよいよツインリンクもてぎで日本GPが開催されます。この大会には,MotoGPクラスにワイルドカードで現在JSB1000クラスでランクトップをいき,4年連続チャンピオンに大きく近付いてきている中須賀克行が,「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からヤマハ創立60周年を記念した特別カラーの「YZR-M1」でワイルドカード参戦することになっています。また、HRCのテストライダーも兼ねている高橋巧が,「Team HRC with NISSIN」から出場することになっています。当初は,この二人が最高峰クラスへの出場が予定されていたのですが, もう一人参戦することが10月3日(土)に発表されました。そのライダーとは,今シーズン「au&テルル・kohara RT」からJSB1000クラスにフル参戦している秋吉耕祐です。秋吉といえば,スズキとホンダで長年にわたって開発を務めてきたライダーです。最近では,HRCのテストライダーを務めていた2011年に「LCRホンダ」から代役として日本GPに参戦しています。今回の秋吉は,その2011年と同じく代役での参戦となります。彼が所属するのは,K.アブラハムのためにあると言える「AB Motoracing」です。そのアブラハムが,肩の負傷により欠場が続いていて,日本GPでは秋吉が代役を務めることになりました。
2015/10/04(日)
☆最強ユニット(F1)
○10月1日(木)にマノー・マルシャF1から発表があり,来シーズンから現在最強であるメルセデス製PUの供給を受ける契約が成立しました。今回結ばれた契約は,具体的な年数は明らかにされていませんが,複数年契約ということです。資金難から昨シーズン途中で参戦を見送った同チームでしたが,新たな体制を組織して今シーズン再びF1のグリッドに立つようになりました。そこで使用しているのは,1年遅れであるフェラーリ製PUでした。そのような中,先日お伝えしたようにルノーがロータスを買収してワークス参戦を来季から開始することになりました。そのロータスが使用しているのがメルセデス製のPUですから,来季の供給先に1つ余裕ができたことになります。また,型遅れではあるものの,マノーが使用しているフェラーリ製PUに関しては,来シーズンから新規参入チームとしてF1に加わることになっているハースに供給する(こちらは,型遅れではなく,他チームに供給しているのと同じ最新型PUです。)ことになりました。今回の契約成立には,こうした状況が絡んでいることも要因としてあります。マルシャへの供給についてはまだ決定事項があり,現在メルセデス製PUユーザーの1つであるウィリアムズから,トランスミッションとサスペンション・コンポーネントの供給を受けるとともに,各グランプリで専属のエンジニアがマノーに帯同することにもなりました。前身のマルシャ時代には,2013年シーズン以前にKERSの供給を受けていましたから,両者の提携は「再開」ということになります。今季型マシンの開発を見送り,来季型マシンの開発に専念している同チーム。チームの改革には体制も含まれていて,,以前メルセデスのテクニカルディレクターを務めた経歴を持つB.ベルが技術コンサルタントとして既に加わっていますが,エンジニアリング部門には,元ケータハムのJ.ピサネロがチーフエンジニアとして,デザイン部門の責任者には,トロロッソのチーフデザイナーであるL.フルバットが就くなどの強化が図られています。現在は最下位が指定席となっているものの,チーム体制の強化,最強のパワーユニットと信頼性と性能に優れたギヤ及びサスペンション関連コンポーネントの受給ということから,その立ち位置に変化が現われる可能性が高まっているといえそうですね。
2015/10/03(土)
☆修正(F1)
○先月末,FIAから来シーズンのレースカレンダーの修正版が発表されました。7月に発表された前回のカレンダーとくらべると,全21戦という部分では変更がありませんでしたが,他の部分では,何カ所も変更が加わっています。まず,開幕戦については,前回のカレンダーでは4月に入ってからになっていました。例年にくらべるとレース数が1戦増えた中で開幕戦が遅くなったため,カレンダーがだいぶタイトになっていました。しかし,今回の発表では,例年どおり3月開催となり,そのため,サマーブレイクもチームの要求どおり3週間になっています。この開幕戦のように,開催日の変更は全部で8戦に及んでいます。2週連続開催が多いということが指摘されていた前回のカレンダーでしたが,修正版では6回になっていて,前回より1回少なくなっています。今回発表された具体的なカレンダーは,以下の表のようになっています。なお,今回も暫定版ですから,今後修正される可能性があります。
2016年 F1レースカレンダー(暫定)
決勝開催日 大会 開催地
第1戦 3月20日 オーストラリア メルボルン
第2戦 4月 3日 バーレーン バーレーン
第3戦 4月17日 中国 上海
第4戦 5月 1日 ロシア ソチ
第5戦 5月15日 スペイン バルセロナ
第6戦 5月29日 モナコ モンテカルロ
第7戦 6月12日 カナダ モントリオール
第8戦 6月19日 アゼルバイジャン バクー
第9戦 7月 3日 オーストリア シュピールベルク
第10戦 7月10日 イギリス シルバーストーン
第11戦 7月24日 ハンガリー ブダペスト
第12戦 7月31日 ドイツ ホッケンハイム
第13戦 8月28日 ベルギー スパ・フランコルシャン
第14戦 9月 4日 イタリア モンツァ
第15戦 9月18日 シンガポール シンガポール
第16戦 10月 2日 マレーシア セパン
第17戦 10月 9日 日本 鈴鹿
第18戦 10月23日 アメリカ オースティン
第19戦 11月 6日 メキシコ メキシコシティ
第20戦 11月13日 ブラジル サンパウロ
第21戦 11月27日 アブダビ アラブ首長国連邦
2015/10/02(金)
☆残留(F1)
○マクラーレン・ホンダから正式発表があり,J.バトンとの契約を延長することが決定しました。今シーズンからホンダと再びタッグを組んだマクラーレンでしたが,エンジン,シャーシ共に戦闘力が劣り,ポイント獲得がままならないという悲惨なシーズンを送っています。こうした状況に業を煮やしたバトンは,F1からの引退をほのめかすコメントを出し,一時は引退確実とまでいわれるようになりました。彼のチームメイトであるF.アロンソは,来季もバトンと組んで行きたいという趣旨のコメントを出して引退を撤回するよう促していました。もっとも,そのアロンソ自身もあまりの戦闘力のなさに憤慨し,日本GPでは「GP2のマシンか!」というような趣旨の発言をレース中の無線の中で言ったり,バトンと同様に引退をほのめかすようなコメントを出したりしていて,元チャンピオン二人を抱えながら混沌とした状況となっています。こうした中,チームのCEOを務めるR.デニスは,バトンを慰留するためにアプローチを開始し,今回発表された残留にまでこぎ着けました。昨シーズンに行われた契約交渉では,若手を起用することに重きを置いたデニスでしたので,バトンとの契約延長を渋っていて,ホンダをはじめとする周囲からの説得があってバトンと契約した経緯があっただけに,その1年後にはそのデニス自身が残留交渉を積極的に行ったというのは,何とも皮肉な話ではあります。今回の発表によると,バトンとの契約は元々2年間になっていて,その2年目となる来シーズンに関しては,チーム側がオプションを行使する権利を有していたようです。成績不振から,賞金収入が減ることになることがほぼ確実な同チームですから,ドライバーとの契約金が課題となります。もちろん正式発表はありませんが,一部の報道によると,今回の契約延長により,バトンは1800万ドル(約21億5400万円)を受け取ることになるようです。

☆ステップアップ(MotoGP)
○MotoGPクラスにおけるホンダのサテライトチームの1つであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSから発表があり,昨年のMoto2チャンピオンであるT.ラバトを起用することになりました。今シーズンの同チームは,S.レディングを起用して最高峰クラスを戦っていますが,そのレディングが来季ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングに移籍することが決まっています。この背景には,ラバトのステップアップがあるのではないかと噂されていたのですが,結果的にその通りになりました。今回ステップアップが発表されたラバトは,昨シーズンMoto2クラスでチャンピオンを獲得しました。これまでのMoto2クラスチャンピオンは,全員翌年にMotoGPクラスへステップアップしてきたのですが,ラバトは残留の道を選び,同クラス始まって以来初となるチャンピオンナンバーである「1」のマシンを駆ってレースをしました。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今シーズンは,J.ザルコが好調な走りを見せてランクトップを快走しています。とはいえ,ラバトはここまでランク2位を獲得していて,その力を見せています。アラゴンGP後に開催されたオフィシャルテストでは,来季駆ることになるミシュランタイヤを装着したホンダRC213Vに初めて乗り込み,ワークスマシンを駆る楽しさと難しさを実感したようです。
2015/10/01(木)
☆撤退(SF)
○SFを運営する日本レースプロモーション(JRP)及びブリヂストンから発表があり,今シーズン限りでタイヤ供給を終了することになりました。ブリヂストンと国内トップフォーミュラとの関係は,1973年にスタートした全日本F2000選手権の時代から既に始まっていて,78年からの全日本F2選手権,そして87年からの全日本F3000選手権を経て,96年のフォーミュラ・ニッポン(FN)にも供給を続け,97年にワンメークとなってから,そして昨シーズンからのスーパー・フォーミュラ(SF)へと名称が変更になってからもずっと続いてきました。ブリヂストンと最高峰カテゴリーとの関係と言えば,4輪の世界最高峰F1や2輪の世界最高峰MotoGPにもワンメークタイヤを供給してきました。しかし,F1は2010年限りで,MotoGPは今シーズン限りで供給から撤退しています。そして,今回の国内フォーミュラからも撤退することになり,モータースポーツとの関係性がどうなるのか疑問に思うくらいの状況となりました。ただ,こうした声があがるのを心配してか,今回のリリースの中で「モータースポーツ活動に情熱をもって参画していく」という内容も盛り込まれています。ブリヂストンが撤退するSFのタイヤ供給がどうなるのかも疑問として残りますが,今回のJRPからのリリースでこの点については触れられていません。しかし,先日行われたトヨタ及びホンダのエンジンメーカーテストにおいて,ヨコハマタイヤを使用しての走行が行われていることから,同社がワンメークタイヤを供給する可能性が一番高いものと思われます。
 

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