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最新ニュース
2015/06/30(火)
☆初代王者(FE)
○2014年から2015年にかけて行われたフォーミュラE選手権(FE)が,イギリスのロンドンにあるバッターシー・パークで最終戦の決勝レースが行われました。今回の最終戦はダブルヘッダーで行われ,前日に行われた決勝レースの結果,ランクトップにネクストEV TCRのN/ピケJrが立ち,それをe.ダムス・ルノーのS.ブエミが追うという,元F1ドライバー同士の対決となりました。6月28日(日)に行われた最終レースでは,ベンチュリのS.サラザンとヴァージンのS.バードとのバトルとなりました。その2人のバトルは,サラザンが先にチェッカーを受けました。ところが,FEならではのレギュレーションでエネルギー残量に関する規定があり,今回のサラザンは,最終ラップ途中でエネルギー残量がゼロになったためレースタイムに49秒加算というペナルティが科されました。その結果,最終戦の勝利者はバードとなりました。2位,3位には,それぞれドラゴンのJ.ダンブロシオ,そのチームメイトで日本でもお馴染みのドライバーであるL.デュバルが入っています。気になるチャンピオン争いですが,ブエミは,こちらも元F1ドライバーで,『音速の貴公子』の愛称で親しまれた故A.セナの甥であるB.セナとテールトゥーノーズのバトルを展開していきましたが,最後まで抜くことができずに5位で最終戦を終えました。ランクトップに立っていたピケJrは7位となったため,わずか1ポイント差でピケJrがFE初代王者に輝きました。惜しくも初代王者の称号を受けることができなかったブエミですが,最初のピットストップ後に冷えたタイヤでスピンを喫してしまったためにセナの後ろにつけることになり,これが最後まで響くことになりました。わずか1ポイント差でチャンピオンを逃したブエミにとって,まさに痛恨のスピンということになります。初代王者に輝いたピケJrは,2008年シンガポールGPで起こった"クラッシュゲート事件"でF1キャリアに影を落とした経歴があります。今回の称号は,彼のドライバー人生にいい意味での影響を与えたといえるでしょう。
2015/06/29(月)
☆独走(JRR)
○第4戦の決勝レースが,雨が降ったり止んだりという不安定な天気の中スポーツランドSUGOで行われました。120mileのセミ耐久で行われたJSB1000クラスは,ドライコンディションでスタートを切りました。ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,序盤からトップの座を守っていきました。それを高橋巧や山口辰也,柳川明,津田拓也といったいつもの顔ぶれが追うという状況となりました。しかし,5周目になった頃から雨が降り始め,中須賀は何ヒヤリとさせる場面はあったものの,無事走行を続けることができましたが,それを追う高橋などは足元をすくわれたり,転倒に巻き込まれたりして脱落してしまいました。途中荒れたコンディションに強い秋吉耕祐がトップに立ったりする場面がありましたが,コンディションが回復してくると再び中須賀がトップに立つと,後は独走状態となり,今シーズン4連覇を狙う中須賀が,独走で3連勝を飾りました。中須賀の走りは,5位以下をラップするという圧倒的なもので,この勝利によりランキング争いで2位に30ポイント差をつけ,この点でも独走状態となりました。2位には,チームメイトの高橋巧の転倒で奮起したのか,MuSASHi RTハルクプロの浦本修充が2位表彰台を獲得しました。浦本の表彰台は,最高峰クラスで自身初となります。終盤追い上げを見せたYAMALUBE RACING TEAMの野左根航汰&藤田拓哉組が3位表彰台を獲得しています。
J-GP2クラスは,開幕から連勝を飾っている昨年のチャンピオンであるMORIWAKI RACINGの高橋裕紀がポールからスタートし,オープニングラップから後続との差をどんどん広げていきました。後ろでは転倒があったりして順位の変動がありましたが,高橋の速さに誰もついていくことができず,最終的に2位に9秒以上の差をつける独走で3連勝を飾りました。高橋の独走は許したものの,2位にはこちらも3戦連続となるエスパルスドリームレーシングの生方秀之が入りました。高橋のチームメイトである日浦大治朗が3位表彰台を獲得し,MORIWAKI RACINGにとって好結果のレースとなりました。
ST600クラスは,路面が濡れているため,ほとんどのライダーがウェットタイヤを選択していました。レース途中では,ウェットタイヤを履いた横江竜司とD.クライサルトのYamaha Thailand Racing Teamのワンツー体勢となりました。とkろが,路面が乾いてくると,ドライタイヤを選択していたリリカ AMENA with OutRunの中本郡が21番グリッドからのスタートながらペースアップを果たし,何と12周目にトップに立ちました。途中雨が降ったりしましたが,それほど路面を濡らすまではいたらず,中本が2位に17秒以上の大差をつける独走でトップチェッカーを受けました。2位に横江,3位にはクライサルトのチームメイト同士が入っています。ヤマハYZF-R6が速さを見せている今年のこのクラスですが,トップ4はこのYZF-R6が占めています。
J-GP3クラスは,Team RSCの真崎一輝とMuSASHi RTハルクプロの水野涼によるトップ争いという展開となりました。後半に入って周回遅れが出始めると真崎一輝が抜け出し,最終的に水野に4秒以上の差をつける独走で今季2勝目を飾りました。3位には,MuSASHi RT Jr.の栗原佳祐が入っています。
2015/06/28(日)
☆一発勝負(MotoGP)
◯第8戦オランダGPの決勝レースが,ドライコンディションのアッセン・サーキットで行われました。例年土曜日に決勝レースを行っているオランダGPですが,来年からは通常の大会と同じように決勝日が日曜日になりますので,これまでの同GPでのやり方は,今回が最後となります。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシと,3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスとの間でトップ争いを展開していきました。ファイナルラップに突入したときには,ロッシが前で,少し後ろにマルケスがいるという状態でした。今シーズンいい流れにないマルケスは,このファイナルラップに逆転を狙ってペースアップを行い,最終コーナーで一発逆転を狙ってロッシの横にマシンを並べていきました。かなり無理して入っていったことから両者は接触。ロッシははじき出されるように少しコースオフしましたが,無事コースに復帰。はじき出されたことからこれが逆にショートカットするような状態になり,マルケスにやや差をつける形でコースに復帰し,見事トップでチェッカーを受けました。この勝利は,今季3勝目,最高峰クラス85勝目,通算111勝目となります。3位には,この大会前までランクトップのロッシに1ポイント差まで接近したチームメイトのJ.ロレンゾが入り,彼にとって5戦連続表彰台獲得となります。
Moto2クラスは,スタート直後の1コーナーで接触によりマシンが転倒し,その際オイルが出たため赤旗中断となりました。当然オイル処理には時間が必要ですから,レースは24周から16周へと変更されました。再スタートとなったレースは,残り3周となったところでランクトップをいくアジョ・モータースポーツのJ.ザルコがトップに立つと,後続との差を広げてトップでチェッカーを受けました。2位には,昨年のチャンピオンであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが入り,5戦連続表彰台を獲得しました。3番グリッドからスタートしたスピードアップ・レーシングのS.ロースが,トップから差をつけられたものの3位でチェッカーを受け,今季3度目の表彰台獲得となりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,ポイント圏内争いのバトルとなり,13位でチェッカーを受けてポイント獲得となりました。
Moto3クラスは,このクラスらしく最後まで激しいトップ争いが7台のマシンによって展開されていきました。その接戦を制してトップでチェッカーを受けたのは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。1000分の66秒差で惜しくも優勝を逃したのが,エストレラ・ガルシア0,0のF.クアルタラロでした。レオパード・レーシングのD.ケントが3位に入り,3戦連続表彰台を獲得しています。チームメイトの尾野弘樹は,8位争いを展開し,14位でチェッカーを受けています。CIPの鈴木竜生は,レース開始早々にリタイアに終わっています。

☆ウェットコンディション(JRR)
◯第4戦の予選が,宮城県にあるスポーツランドSUGOで行われました。昨年のこの大会は,大雨に見舞われてウェットコンディションの中での決勝レースとなりましたが,今回の予選も,その事を思い出すかのように時折ヘビーウェットとなるあいにくの天候の中で行われました。今回は120mileのセミ耐久で行われるJSB1000クラスは,路面状態が悪くなればなるほど宇宙人状態になるau&テルル・Kohara RTの秋吉耕祐がトップタイムをマークしていました。しかし,終盤に入ってここまでランクトップをいくYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がペースアップを果たし,見事逆転でポールを獲得しました。今回のポール獲得により,第2戦から3戦連続してポールシッターとなりました。惜しくもポールは逃したものの,2番グリッドは秋吉耕祐&渡辺一馬組となりました。3番手タイムをマークしたのは,こちらも最終盤にペースアップを果たしたMuSASHi RTハルクプロの高橋巧でした。
J-GP2クラスは,ヘビーウェットコンディションの中で行われました。あまりの激しさにより,セッションは残り10分となったところで赤旗終了となっています。そこで強さを見せたのが,ここまでランクトップをいく昨年のチャンピオンであるMORIWAKI RACINGの高橋裕紀でした。開幕以来2戦連続してポールトゥーウィンを飾っている高橋ですが,今回はその記録を3まで伸ばす可能性を示すかのように,見事ポールを獲得しています。高橋からコンマ18秒差で2番グリッドを獲得したのは,SYNCEDGE 4413 Racingの星野知也でした。3番グリッドは,WILL-RAISERACINGRS-ITOHの井筒仁康が獲得しています。
ST600クラスは,セッション終盤に入ってタイム更新合戦となりました。それを制してポールを獲得したのは,Team高武 RSCの岩戸亮介でした。最終盤で逆転されて2番手となったのが,AKENOSPEED・MICの稲垣誠でした。3番グリッドは,Yamaha Thailand Racing Teamの横江竜司が獲得しています。
J-GP3クラスですが,難しいコンディションになると強さを見せるのがベテランですが,今回の予選はそういう形となりました。若手がタイムを出していく中,見事トップタイムをマークしたのは,超ベテランライダーで元GPライダーでもある41Planning.GlobalCommunicationの宇井陽一でした。超ベテランライダーの逆転は許したものの,2番グリッドを獲得したのは,Team RSCの真崎一輝でした。3番グリッドは,MuSASHi RT Jr.の栗原佳祐が獲得しています。
2015/06/27(土)
☆今季初(MotoGP)
◯第8戦オランダGPの予選が,ドライコンディションのアッセン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,わずか1ポイント差ながらここまでランクトップをいくモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが,サーキットベストを更新する走りを見せて今季初ポールを獲得しました。ロッシのポールは,昨シーズンの最終戦バレンシアGP以来で,最高峰クラスでは51回目,通算61回目となります。2番グリッドを獲得したのは,前戦のポールシッターだったチーム・スズキ・エクスターのA.エスパルガロでした。今回のエスパルガロは,Q1から走行していて,Q1でトップタイムを刻んでQ2に進出し,そこで2番手タイムをマークしています。3番手タイムをマークしたのは,今シーズンなかなかいい流れに乗れていないレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。今回のQ2はとても僅差となっていて,全部で12台が走行しましたが,その全てがトップからコンマ609秒差以内でした。
Moto2クラスは,エストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,これまでのサーキットベストを大幅に更新する1分36秒台にいち早く突入し,このままポールを獲得するかの思えました。しかし,そのタイムを上回ってこれまでのサーキットベストを1秒以上更新する速さを見せてポールを獲得したのが,ここまでランクトップをいくアジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。ラバトが2番グリッドを獲得し,3番グリッドは,カレックスシャーシ勢の上位独占を阻止するかのように,スピードアップのS.ロースが獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,10番グリッドから決勝を迎えることになりました。
Moto3クラスは,前戦で自身初のポールを獲得したグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニが,サーキットベストを更新する速さを見せて2戦連続ポールシッターとなりました。エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロが,自身最高位タイとなる2番グリッドを獲得しています。レッドブルKTMアジョのK.ハニカが,自己最高位となる3番グリッドを獲得しています。レオパード・レーシングの尾野弘樹は22番手,CIPの鈴木竜生は29番手で予選を終えています。
2015/06/26(金)
☆今季初(MotoGP)
◯第8戦オランダGPが開幕し,初日はドライコンディションの中で2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスで総合トップタイムをマークしたのは,前戦で今季初表彰台を獲得したレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサでした。ペドロサが初日総合トップに立ったのは,昨年10月に行われた第17戦マレーシアGP以来となります。チームメイトのM.マルケスが,およそコンマ14秒差で総合2番手でした。昨シーズンは,レプソル・ホンダ・チームのワンツーというのは珍しくありませんでしたが,今シーズンはどちらも不調な状況が続いていましたから,何とも新鮮に感じるワンツーでした。総合3番手タイムをマークしたのは,急激な追い上げを見せているチームメイトのJ.ロレンゾからかろうじてランクトップの座を守っているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシでした。
Moto2クラスは,ここまでランクトップをいくアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,今季3度目となる初日総合トップタイムをマークしました。トップからおよそコンマ2秒差で総合2番手だったのが,フォワード・レーシングのS.コルシでした。総合3番手タイムをマークしたのは,午前中に行われたフリー走行1でトップタイムだったスピードアップ・レーシングのS.ロースでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,総合15番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,ここまでランクトップをいくレオパード・レーシングのD.ケントが,2回のフリー走行ともトップタイムをマークし,サーキットベストを刻んでの総合トップタイムをマークしました。ケントが初日総合トップタイムをマークしたのは,今季4度目となります。およそコンマ28秒差で総合2番手タイムだったのは,今シーズンもV.ロッシのチームであるスカイ・レーシング・チームVR46からフル参戦しているR.フェナティでした。トップからおよそコンマ43秒で総合3番手タイムだったのは,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロでした。レオパード・レーシングの尾野弘樹は総合13番手,CIPの鈴木竜生は総合32番手で初日を終えています。
2015/06/25(木)
☆テストでも(F1)
◯今シーズン2回目となるインシーズンテスト2日目の走行が,オーストリアGPの会場となったレッドブル・リンクで行われました。初日は雨に見舞われたため,テストメニューを思うようにこなせませんでした。しかし,2日目は好天に恵まれ,ほとんどのチームが100周を越える走行をし,テストメニューを消化することができていったようです。この日最速タイムをマークしたのは,オーストリアGPの勝者だったメルセデスAMGのN.ロズベルグで,レースだけでなくテストでもトップとなりました。2番手タイムをマークしたのは,フェラーリのテストドライバーを務めているE.グティエレスでした。3番手タイムをマークしたのは,ウィリアムズのV.ボッタスでした。午前中までは,このボッタスがトップタイムだったのですが,午後の走行でスーパーソフトタイヤを履いたロズベルグがトップの座を奪っています。3番手タイムだったボッタスですが,走行周回数では,唯一100周を越えることができず,79周走行でテストを終了しています。マクラーレン・ホンダは,オーストリアGPで1周もできずにレースを終えたF.アロンソがこの日のテストを担当しました。アロンソが駆ったのは,そのオーストリアGPから投入したショートノーズのマシンです。1周もできずに終わったため,この新しいシャーシのマシンのレースデータが得られませんでした。しかし,この日のテストは,午後からは大変順調に進み,午前は17周しか走行できなかったものの,順調に走行できた午後で116周まで周回数を伸ばし,シャーシをはじめその他の新しいパーツに貴重なデータをもたらすことができたようです。
2015/06/24(水)
☆テストでも(F1)
◯N.ロズベルグの優勝,L.ハミルトンが2位と,いつものようにメルセデスAMG勢によるワンツーフィニッシュという結果に終わった第8戦オーストリアGPでしたが,マノー・マルシャを除いて各チームはそのまま同地にとどまり,2日間にわたる今季2回目のインシーズンテストに臨みました。資金難に苦しむマノーについては,前回のインシーズンテストと同様,コストの問題でテストに参加していません。さて,テスト初日に結果ですが,初日は多くのチームがテストドライバーにテストを託しています。午前中は雨の影響によりテストメニューをこなすことができませんでしたが,路面コンディションが改善した午後では,各チームともテストスケジュールをこなしていきました。そのような中トップタイムをマークしたのは,ワンツーフィニッシュを達成したメルセデスAMGのマシンを駆ったP.ウェーレインでした。ウェーレインは,当初フォース・インディアのマシンを駆る予定だったのですが,メルセデスのリザーブドライバーを務めていることから,同チームの要請を受けて急遽ステアリングを握ることになっています。レースと同様,テストでもメルセデスAMGのマシンW06は速さを見せています。2番手タイムをマークしたのは,こちらもメルセデス製PUを搭載しているフォース・インディアのマシンVJM08を駆ったE.オコンでした。決勝レースではトップ争いに絡むような走りを展開できなかったルノー勢でしたが,トロ・ロッソSTR10を駆ったレギュラードライバーのM.フェルスタッペンが3番手タイムをマークしています。新型シャーシをはじめ,多くの改良パーツを投入しながらレース早々にダブルリタイアに終わったマクラーレン・ホンダは,S.ファンドーネにステアリングを託し,トップからおよそ1.5秒遅れの9台中8番手タイムで初日を終えています。
2015/06/23(火)
☆デビュー?(MotoGP)
◯昨シーズンのWSSチャンピオンであるオランダ人ライダーのM.ファン.デル.マークは,ステップアップを果たして今シーズンSBKにホンダのワークス的立場にあるPATAホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームからフル参戦しています。第8戦終了段階で,ランキング8位につけています。7月末に行われる鈴鹿8耐には,3連覇を狙うMuSASHi RT HARC-PROから高橋巧,そしてC.ストーナーと組んで参戦することが決まっています。そのファン.デル.マークについて,オランダでの報道によると,母国GPとなるオランダGPにおいてMotoGPデビューを果たすことになるのではないかということです。その報道によると,彼が参戦を果たすのは,K.アブラハムが所属する,というかアブラハムのためにあるといっていいABモトレーシングからです。同チームは,オープンオプションクラスにフル参戦していて,同クラス用のホンダの市販マシンであるRC213V-RSを駆っています。そのマシンには,MotoGPで唯一となるショーワのサスペンションとニッシンのブレーキ(この使用は,昨シーズンまでホンダ・グレシーニが担っていましたが,今シーズンから同チームがアプリリアのワークスチームになりましたので,ABモトレーシングがその役を担うようになりました。)が搭載されていて,まさに日本製のマシンともいえます。そのマシンを駆っているアブラハムは,前戦カタルニアGPで右足骨折の負傷を負ってしまっていて,今週27日(土)に決勝レースが行われる予定のオランダGPに参戦不可能となっています。今回報道されているMotoGPデビューは,負傷欠場のアブラハムの代役となるのではないかということです。
2015/06/22(月)
☆圧勝(F1)
◯第8戦オーストリアGPの決勝レースが,レッドブル・リンクで行われました。ポールを獲得したのは,ここまでランクトップをいくメルセデスAMGのL.ハミルトン,2番グリッドを獲得したのは,チームメイトのN.ロズベルグでした。予選前までのフリー走行では,ロズベルグの方がいい結果を残していたのですが,肝心の予選で自らのミスによりスタート位置はハミルトンの後塵を拝する結果となっていました。それだけに,決勝,特にスタート時にかけるロズベルグの思いは強いものがあったでしょう。そして,その思いは結果として出て,見事ホールショットを奪ってトップに立ちました。そのオープニングラップでは,フェラーリのK.ライコネンとマクラーレン・ホンダのF.アロンソとが1コーナーで絡んで激しいクラッシュとなりました。幸いなことに両ドライバーとも無事脱出できましたが,コースはセーフティーカー先導となりました。先導が終わると,今度はJ.バトンにトラブルが発生してリタイアとなり,今回はある程度覚悟はできていましたが,マクラーレン・ホンダ勢はダブルリタイアとなってしまいました。先導が開けると,ロズベルグはハミルトンとの差を広げていき,独走態勢に持ち込みました。その後,ロズベルグを追うハミルトンが,タイヤ交換後コースインする際にホワイトラインをカットしたため,5秒加算のペナルティーが科されました。さらに余裕の出たロズベルグはそのまま逃げ切り,圧勝で今季3勝目,通算11回目のトップチェッカーを受けました。本来はメルセデス勢を追う立場にある3番手スタートだったフェラーリのS.ベッテルですが,2台のペースについていくことができず,4位を走行しているウィリアムズNOF.マッサとの3位争いとなりました。何とかマッサの攻撃をかわしてきたベッテルでしたが,ピットインしてタイヤ交換するのに手間取ってしまい,ここで10秒近いタイムをロス。そのため,表彰台最後の一角をマッサに譲る形となってしまいました。

☆3年ぶり&2年連続(SGT)
◯第3戦の決勝レースが,タイのチャン・インターナショナル・サーキットにおいて日本の真夏のような気温の中で行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO RC Fと,3番グリッドからスタートした本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-Rの2台による抜きつ抜かれつのバトルが展開されていきました。しかし,レース後半に入ってこの時2位を走行していたZENT CERUMO RC Fにブレーキトラブルが発生してしまい,緊急ピットインするとそのままリタイアとなりました。強力なライバルがいなくなったS Road MOLA GT-Rは,そのまま逃げ切って今季初優勝を飾りました。今回の優勝は,チームと柳田にとっては2012年以来3年ぶり,本山にとっては2011年以来4年ぶりの優勝となります。4番グリッドからスタートした大嶋和也&国本雄資組のENEOS SUSTINA RC Fが,トップに差はつけられたものの2位でチェッカーを受けました。3位には,11番グリッドから驚異の追い上げを見せた塚越広大&武藤英紀組のKEIHIN NSX CONCEPT-GTが入っています。
GT300クラスは,予選2番手からスタートした星野一樹&高星明誠組のB-MAX NDDP GT-Rが,ポールからスタートした土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCをオープニングラップでパスをすると,後は後続との差を広げていって,今季初優勝を飾りました。今回の優勝は,2年連続タイラウンドを制したことになります。2位,3位には,それぞれA.クート&富田竜一郎組のGAINER TANAX GT-R,J.ミューラー&荒聖治組のStudie BMW Z4が入っています。
2015/06/21(日)
☆ミス(F1)
◯第8戦オーストリアGPの予選が,レッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで行われました。Q1,Q2でトップタイムだったのはメルセデスAMGのN.ロズベルグで,3戦ぶりのポール獲得の可能性が出ていました。最後のトップ10を決めるQ3では,序盤そのロズベルグがトップタイムをマーク。さらにその可能性を感じさせました。途中でチームメイトのL.ハミルトンがトップタイムをマークしましたが,まだ最終アタックが残っていますので,ロズベルグの可能性は十分残っていました。その最終アタックに先に臨んだのがハミルトンでした。そのハミルトンは,ミスをして1コーナーでスピンを喫してタイムアップを果たすことができませんでした。俄然ロズベルグのポール獲得の可能性が高まったのですが,何と最終コーナーでコースオフを喫し,自らのミスでポールとなりませんでした。この結果,ハミルトンが今季6回目のポールを獲得すると共に,現在フェラーリのS.ベッテルが持つ現役最多45回のポール記録に並びました。その記録保持者であるベッテルですが,今シーズンよくあるパターンの3番手タイムで予選を終えています。マクラーレン・ホンダ勢は,初日の段階でF.アロンソが複数のエンジンコンポーネント交換とギアボックス交換によって,J.バトンが複数のエンジンコンポーネントの交換によって,両者共に25グリッド降格のペナルティが科されることが決定していました。そのような中でのタイムアタックでしたが,バトンはQ1で敗退し18番手,アロンソはQ1は突破したものの,Q2で脱落となって17番手で予選を終えています。もちろん,決勝レースはグリッドが降格となります。

☆記録更新(SGT)
◯第3戦の予選が,昨年から開催されることになったタイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われました。GT500クラスは,立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO RC Fが2周目のタイムアタックを最速タイムを刻み,これを破るマシンが最後まで現れず今季初のポールを獲得しました。今回のポール獲得により,立川はこのクラスで通算20回目となり,自身の持つ記録を更新しました。1000分の8秒差で惜しくもポールを逃して2番手タイムだったのは,前戦で3位表彰台を獲得している伊藤大輔&J.ロシター組のPETRONAS TOM'S RC Fで,これによりRC Fがフロントローを独占しました。3番グリッドを獲得したのは,ニッサン勢で唯一Q2に進出を果たした本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-Rでした。ホンダ勢の最高位は,中嶋大祐&B.バゲット組のEpson NSX CONCEPT-GTでした。
GT300クラスは,Q2のセッション終了間際にタイムアップを果たした土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCが今季初のポールを獲得しました。逆転で見事ポールシッターとなった土屋武士ですが,土屋がポールを獲得したのは,GT300クラスでは1999年のザナビィARTAシルビア以来16年ぶり,GT500クラスまで入れると,2004年に鈴鹿サーキットで行われた第7戦以来11年ぶりとなります。セッション終了間際に逆転されて惜しくも2番手となったのは,星野一樹&高星明誠組のB-MAX NDDP GT-Rでした。これにより,タイヤで見るとヨコハマタイヤユーザーがフロントロー独占となっています。予選3番手は,A.クート&富田竜一郎組のGAINER TANAX GT-Rが獲得しています。
2015/06/20(土)
☆トップながら(F1)
◯第8戦オーストリアGPが,レッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで開幕しました。午前中に行われたフリー走行1でトラブルから思うように走ることができなかったフェラーリのS.ベッテルでしたが,午後に行われたフリー走行2では,早い段階でもトップタイムをマークしました。ところが,ロングランを始めたところでベッテルを再びトラブルが襲ってピットに入ってしまい,それ以後は復帰することができませんでした。しかし,ベッテルのタイムを最後まで誰も破ることができず,初日総合トップタイムとなりました。フリー走行1でトップタイムだったメルセデスAMGのN.ロズベルグは,午後にマークしたベッテルの最速タイムを更新することができませんでしたが,安定したタイムを刻んで初日総合2番手タイムでした。ベッテルより速いタイムを刻むことはできませんでしたが,チームメイトのK.ライコネンは,スーパーソフトタイヤを履いてロングラン走行に取り組み,こちらは安定したタイムを刻んでいって総合3番手タイムで初日を終えました。この大会からF.アロンソにショートノーズのシャーシを投入したマクラーレン・ホンダは,覚悟の上とはいえ思うような結果が残せず,今回のレースを「テスト走行としてとらえる」というコメントがドライバーから出るくらいでした。結局両ドライバー共に17周目にトラブルからピットインして走行終了となり,アロンソが16番手,J.バトンが18番手で初日を終えています。
2015/06/19(金)
☆ペナルティ回避(F1)
◯今週末は,レッドブルが所有しているサーキットであるレッドブル・リンクで行われるオーストリアGPが開催されます。パワーサーキットの1つとなるところだけに,メルセデスにとっては,さらに有利になる場所と考えられますし,パワーで劣るホンダやルノーにとっては,相当苦戦することが予想されています。それに対して,それ以後のイギリスGPとハンガリーGPはその点が緩和されますから,2つのメーカーのユーザーにとっては,ここである程度の結果を残す可能性が出てきます。そこで,マクラーレン・ホンダとルノーのワークス的立場にあるレッドブルは,オーストリアGPで新たなマシンを投入し,あえてペナルティーを受けることにしたようです。まずマクラーレンですが,新たなシャーシを投入することになりそうです。ここまでは少数派であるロングノーズのシャーシを使ってきましたが,他チームと同様ショートノーズのシャーシを新たに開発し,今月に入ってようやくFIAのクラッシュテストに合格。晴れて新型シャーシを投入できる状態になりました。ただ,まだ1台分しか準備できていないようで,同チームはダブルエースドライバー制を敷いていて,前回アップグレードが投入された4月の中国GPでJ.バトンが優先権を持っていたため,今回はF.アロンソが新型シャーシを使用することになるようです。レッドブルは,現在4基目のパワーユニット(PU)を使用しています。現在のレギュレーションでは,年間4基しか使用できないことになっていて,それ以上使用する場合はペナルティの対象となります。D.リカルドにしても,D.クビアトにしても,どちらも5基目となるPUを投入することになるようです。どうせあまり結果が期待できないところでのレースですから,あえてここでペナルティーの対象であるシャーシやPUの変更を行い,ここよりは期待できる次戦以降で結果を残す戦略を両陣営はとることに決断したということのようです。なお,バトンについては,オーストリアGPでPUの変更が検討されているという噂も出ています。
2015/06/18(木)
☆正式表明(F1)
◯ブリヂストンタイヤがワンメークタイヤ供給から撤退し,2011年からその役割を担ってきたのが,イタリアンメーカーであるピレリです。一度契約延長を果たして現在にいたっていますが,その契約も来シーズンまでで,2017年シーズンからの供給をどこが行うようになるのかが注目点となっていました。その応募期間は6月17日(水)までになっていて,ピレリは早い段階で供給延長に向けて応募していました。前回の募集時は,ピレリだけだったのですが,その時話題に上っていたのが,フランスのタイヤメーカーであるミシュランの動向でした。しかし,この時は単なる噂で終わり,ピレリの単独応募で終了していました。今回も,前回同様にミシュランの動向が注目されていましたが,この度ついにそのミシュランが正式に参入を表明しました。今回の応募に際し,ミシュランは,現在の13インチタイヤではなく,18インチタイヤの採用を提案しているとのことです。また,現在のタイヤは急激に性能が落ちる状況であるデグラデーションが大きいタイヤが時に問題視されています。今回の表明の中で,その点についても言及しています。今後は,今回提出された提案書が技術面および安全面で条件を満たしているかどうか審議され,それにパスしたメーカーは最終選考に残ることになります。FIAの方針によると,今後もワンメークタイヤという形を採るようですから,ピレリとミシュランとのガチンコ勝負となりそうです。ただ,F1界の商業面でのボスであるB.エクレストンは,ピレリを支持する立場をとっているようで,ミシュランにとってはやや高い壁が存在しているといえるのかもしれません。
2015/06/17(水)
☆交互開催?(F1)
◯シャーシ,エンジン(PU)共にブランニューとなった昨シーズンから圧倒的速さを見せているのが,ドイツを代表するメーカーであるメルセデスです。ところが,そのドイツでのF1開催が,今シーズンはカレンダーから消えてしまいました。今季そのメルセデスに次ぐ成績を収めてきているのが,イタリアンを代表するメーカーであるフェラーリです。しかし,今年は開催されたものの,来シーズンはカレンダーから消えてしまうのではないかといわれています。というのも,開催には高額の開催権料を支払わなければならず,現在イタリアGPを開催しているモンツァは,その金額の支払に難色を示しているのです。もし開催に関する交渉が不調に終わった場合,何とF1にとってなくてはならない開催地であるイタリアがなくなってしまうという事態に陥ってしまいます。しかし,ここに来て新たな展開が出てきているようです。1950年にF1の開催がスタートしてずっと開催されてきたイタリアGPですが,それを担当してきたのが,今回話題になっているモンツァです。ただ,唯一1980年にモンツァでイタリアGPが開催されず,代わって開催したのが,長年サンマリノGPの開催を担っていた歴史を持つイモラ・サーキットです。ただ,2006年を最後に,現在はF1の開催が行われていません。今回のイタリアGP開催危機に際して,イモラが来季のイタリアGP開催地として名乗りを上げたようです。ただ,来季の開催に関する話し合いを行ったようで,ずっと開催するというところまでいっていないようです。ここ数年,ドイツGPが交互開催という形を採っていましたが,イタリアに関しても,これまでのモンツァ,そして今回話題のイモラ,さらにフェラーリの所有サーキットであるムジェロの3箇所で交互開催するのではないかという噂が急浮上しているようです。
2015/06/16(火)
☆完勝&完敗(WEC)
◯6月13日(土)〜14日(日)にわたって行われたWECシリーズの第3戦に当たる『第83回ル・マン24時間耐久レース』の決勝が,終了しました。戦前の予想通り予選でトップ3を独占したポルシェが,果たして決勝レースでも速さを見せるのか,それに対して予選ではポルシェの後塵を拝する4〜6番手となったアウディが,2010年からずっと続けてきた勝利を6連勝に伸ばすのか,さらに,昨シーズンのWECにおいてシリーズチャンピオンを獲得したトヨタが,悲願のル・マン制覇を果たすことができるのか注目となりました。さて,その決勝レースですが,ポルシェはアウディと同様に,WECでは2台体制ですが,ル・マンは3台体制で臨みました。レギュラーの2台は,ウサギとカメで例えるとウサギで,ル・マン限定の1台はカメの立場で走行を続けていきました。大きなトラブルに見舞われることなく走行を続けていったポルシェですが,中でも堅実な走りをしていってトップに立ったのが,カメさん的立場にあったN.ヒュルケンベルグ&E.バンバー&N.タンディ組のポルシェ919ハイブリッド19号車でした。24時間走行を続けるとマイナートラブルを含めていろいろ出てくるものですが,19号車に関しては,セーフティカー導入中にカウルを一度だけ開けた程度で走行を続けることができ,トップの座を守り続けていくことができました。結局,予選の時に必要な一発の速さだけでなく,信頼性も持ち合わせることができたポルシェ919ハイブリッドが,19号車のトップ,T.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー組の17号車が2位を守り続け,それぞれ後続に1ラップずつ差をつける速さを見せ,見事ワンツーフィニッシュを達成してポルシェの完勝に終わりました。ポルシェの優勝は,1998年にポルシェ911 GT1で勝利を収めて以来となります。残念ながら6連覇を阻まれたアウディですが,M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ組のアウディR18 e-トロン・クワトロ7号車が3位に入って表彰台の一角を占めました。それに対して,トヨタは終始ポルシェとアウディのドイツ勢の後塵を拝しし続け,一度もトップ争いに絡むことなくレースを終了しました。結局,A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ組のトヨタTS040ハイブリッド2号車が,トップから8周遅れの6位,A.デイビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴組のトヨタTS040ハイブリッド1号車が,トップから9周遅れの7位でチェッカーとなりました。さらに悲惨だったのは,ル・マンからWECに参戦を開始したニッサン勢でした。ドイツ勢と同じく3台体制で臨んだニッサンですが,戦前から予想されたとおりマシンを走らせることだけでもやっとといった状態でした。最初に松田次生&M.シュルジッツスキー&L.オルドネス組のニッサンGT-R LMニスモ21号車がリタイアを喫すると,しばしばピットに入りながらも何とか走行を続けていた22号車と23号車がですが,残り1時間といったところで23号車がギアボックストラブルでリタイア。結局H.ティンクネル&M.クルム&A.バンコム組の22号車がチェッカーを受けました。しかし,走行した周回数がトップから150周以上遅れたため,完走扱いとはなりませんでした。残念ながら今年の日本勢は,まさに完敗とう表現が当てはまるレース結果になってしまいました。ぜひ来年は巻き返しを図ってもらいたいものですね。
2015/06/15(月)
☆4連勝(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPの決勝レースが,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットでドライコンディションの下で行われました。MotoGPクラスは,3連勝して今大会を迎えたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,自身初となる4連勝できるかどうかが大きな注目点となっていました。そのロレンゾは,3番グリッドからスタートしてホールショットを奪うと,自身の勝ちパターンである先行逃げ切りに持ち込んでいきました。一時は大きく差を開けていましたが,チームメイトでランクトップをいくV.ロッシとの差が徐々に縮まっていき,最終的には1秒以内の差になりましたが,ロレンゾが4連勝を飾ると共に,ランキング争いでトップのロッシに1ポイント差まで迫ってきました。腕上がりの手術から徐々に回復してきているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,ヤマハの二人に大きく差を開けられましたが3番手の位置を単独走行で守り切ってチェッカーを受け,自身今季初表彰台を獲得しました。予選で22年ぶりとなるワンツーフィニッシュを果たしたスズキ勢でしたが,ポールからスタートしたA.エスパルガロは転倒リタイアにおわってしまいました。2番グリッドからスタートしたM.ビニャーレスは,オープニングラップで14位にまで後退してしまいましたが,徐々に順位を回復していき,最終的に自身今季最高位となる6位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,3台によるトップ争いの展開となっていきましたが,ここまでランクトップをいくアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが徐々にポジションアップを果たしていき,ついに最終ラップにトップに逆転でトップに立ち,今季2勝目を挙げました。腕上がりの手術を10日前に受けたばかりのパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,ザルコにトップの座を譲ったものの2位の位置を守って,今季3回目の表彰台を獲得しています。ホールショットを奪って終始トップをリードしていったのがエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトでしたが,ザルコとリンスに逆転を許し,3位でのチェッカーとなりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,予選で思うようにペースを上げることができずに25番手にとどまっていましたが,決勝レースでもその傾向に変化はなく,上位争いに顔を出さないまま20番手でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,軽量級クラスらしく6台によるトップ争いが繰り広げられていきました。その中で抜け出して見事勝利を収めたのは,ここまでランクトップをいくレオパード・レーシングのD.ケントでした。この今季4回目の勝利により,イギリス人ライダーとしては,イギリスを代表するレジェンドライダーの一人であるB.シーンが,最高峰クラスで年間6勝を挙げた1977年以来38年ぶりとなる年間4勝目の記録に並びました。自身初のポールからスタートしたグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニは,ケントにわずか1000分の35秒差で逃げ切られたものの,自己最高位タイとなる2位でチェッカーを受けました。6番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングのE.バスケスは,トップからコンマ6秒差の3位でゴールし,今季3回目の表彰台を獲得しています。10番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングの尾野弘樹は,トップグループを走行中の7周目に転倒を喫し,今季7度目の転倒リタイアに終わりました。以前にも書きましたが,今シーズンの尾野は転倒リタイアを避けながら,その時の可能な範囲で上位内での戦いをしていかなければならない立場にあることを,本当に理解して欲しいと思っています。もう一人のフル参戦日本人ライダーであるCIPの鈴木竜生は,28番グリッドからスタートして20位争いを展開し,今季自己最高位である22位でチェッカーを受けています。
2015/06/14(日)
☆22年ぶり(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPの予選が,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前日午後に行われたフリー走行2でトップタイムを刻んだチーム・スズキ・エクスターのA.エスパルガロが,サーキットベストを刻む速さを見せて自身にとってウェットコンディションで昨年6月に行われた第8戦オランダGP以来2度目となるポールを獲得しました。この時のポールは,彼が昨年まで所属していたチームにおけるもので,スズキにとっては,2007年6月に行われた第9戦オランダGP以来18年ぶりとなります。フリー走行3でトップタイムをマークしたM.ビニャーレスが,チームメイトにはわずかに及ばなかったものの,1000分の83秒差で2番手タイムをマークし,今年から復帰したスズキにワンツーをもたらしました。スズキにとって予選でトップ2を独占したのは,1993年5月に行われた第4戦スペインGPにおいて,K.シュワンツとA.バロスがマークして以来22年ぶりとなります。3番グリッドを獲得したのは,今大会までに3連勝を飾ってきていて,自身初となる4連勝を狙っているモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。
Moto2クラスは,ランクトップで今大会を迎えたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコがトップタイムをマークし,今季自身2度目となるポールを獲得しました。AGRチームのJ.フォルガーが2番手タイムをマークし,今季2度目となるフロントローを獲得しました。ディフェンディングチャンピオンとして今シーズンを迎えているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが3番手タイムをマークし,今季6度目のフロントローゲットとなっています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,前日の午後からなかなかペースアップを果たすことができていませんでしたが,予選でもこの傾向に変化はなく,何とトップからおよそ1.7秒遅れの予選25番手で終了しています。
Moto3クラスは,午前中に行われたフリー走行3でトップタイムをマークしたグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニが,予選でもトップタイムをマークして自身初となるポールを獲得しました。ポイントリーダーで今大会を迎えたレオパード・レーシングのD.ケントが,2番手タイムをマークして今季5度目のフロントロー獲得となっています。エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロがおよそトップからコンマ7秒差で3番手タイムをマークし,今季2回目となる1列目を確保しています。レオパード・レーシングの尾野弘樹は,トップから1秒以上遅れてはいるものの,10番手タイムで予選を終えています。CIPの鈴木竜生は,トップからおよそ2.5秒遅れの28番手でした。
2015/06/13(土)
☆母国GP(MotoGP)
◯第7戦カタルニアGPが,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで開幕しました。初日は2回のフリー走行が行われ,チーム・スズキ・エクスターのA.エスパルガロが,サーキットベストをマークする走りを展開し,今シーズン2度目となる初日総合トップタイムをマークしました。今シーズン今ひとつ流れに乗れていないディフェンディングチャンピオンのM.マルケスは,最終的にはエスパルガロに総合トップの座を譲ったものの,午前中に行われたフリー走行1ではトップタイムをマークする走りを見せ,初日の総合2番手となりました。腕上がり減少解消のために行った手術から回復傾向を見せているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが総合3番手タイムをマークし,トップ3を今大会を母国GPとするライダーがトップ3を独占しています。
Moto2クラスは,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,フリー走行1でトップタイムをマークし,これが初日の総合トップタイムとなりました。ザルコが初日の総合トップタイムをマークしたのは,第3戦アルゼンチンGP以来今季2度目となります。午後に行われたフリー走行2でトップタイムをマークしたのがダイナボルト・インタクトGPのS.コルテセで,これが初日総合2番手タイムとなりました。今シーズン好調な走りを見せているスピードアップ・レーシングのS.ロースが,午前中の2番手タイムをマークし,これが総合3番手タイムでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,フリー走行2では下位に沈んだものの,フリー走行1のタイムで総合11番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,ここまでランクトップに立っているレオパード・レーシングのD.ケントが,フリー走行2でトップタイムをマークし,これが総合1番手タイムとなりました。ケントが初日総合トップに立つのは,今季3度目となります。トップから1000分の11秒差で総合2番手タイムだったのが,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリでした。アウトックス・リセット・ドリンク・チームのA.トヌッチが総合3番手タイムをマークし,これは今季自己最高位となります。レオパード・レーシングの尾野弘樹はトップ10内となる総合9番手で,CIPの鈴木竜生は総合30番手で初日を終えています。

☆独占(WEC)
◯WECシリーズの第3戦となる,第83回ル・マン24時間耐久レースの予選が,2日間合計3回にわたって行われました。各セッションともに赤旗が提示される波乱の展開となった予選でしたが,結局1回目の予選でトップタイムをマークしたR.デュマ&N.ジャニ&N.リーブ組のポルシェ919ハイブリッド18号車がポールを獲得しました。戦前から予選はポルシェが有利を見られていましたが,このポールがそうだったように予想されたとおりポルシェが速さを見せ,2番グリッドをT.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー組の17号車が,3番グリッドをN.ヒュルケンベルグ&E.バンバー&N.タンディ組の19号車が獲得し,ポルシェ919ハイブリッドがトップ3を独占しました。ポルシェに次ぐのはアウディではないかといわれていましたが,こちらについても予想通りとなり,4番手をアウディR18 e-トロン・クワトロの8号車,5番手を7号車,6番手を9号車がマークしています。悲願のルマン制覇に燃えるトヨタですが,こちらも予想されたとおりポルシェとアウディの後塵を拝し,A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ組のトヨタTS040ハイブリッド2号車が7番グリッド,昨年自らの手で日本人初となるポールを獲得した中嶋一貴はをはじめ,A.デイビッドソン&S.ブエミ組の1号車は8番グリッドにとどまっています。ル・マンからWECに参戦を開始しているニッサン勢は,トップから110%という基準を満たすことができなかったため降格処分が下され,LMP2クラスの後ろとなる30〜32番グリッドとなりました。
2015/06/12(金)
☆ご購入を!?(MotoGP)
◯6月9日(火)付けのこのページで,ホンダのMotoGPマシンであるRC213VのストリートバージョンであるRC213V-Sのデモ走行の噂についてお伝えしました。今日からカタルニアGPが開幕しますが,それに先だって6月11日(木)に同地においてそのRC213V-Sの発表会が,ワークスライダーであるD.ペドロサとM.マルケスが参加して行われました。今回の発表によって具体的な仕様が明らかとなりましたが,一般公道走行用とは別に,クローズドコースのみで使用可能な「スポーツ・キット」の設定を実現しています。RC213Vでは,クラッチ操作が不要なシームレストランスミッションを採用していますが,Sはコンベンショナル方式を採用しています。他にもMotoGP用マシンとは違いがあって,当然バックミラーやスピードメーター,ライセンスホルダー,ホーン,サイドスタンドウィンカー等々の市販車が当然備えていなければならないものがいくつも搭載されています。また,ハンドル切れ角が広げられていますし,ブレーキに関しては,カーボンディスクではなく,ステンレスのユタカ技研社製ディスクが採用されています。購入申し込みは,専用サイト(www.rc213v-s.com)の商談エントリー・フォームにおいて,明日から商談申込の受付を開始することになっています。最も気になるお値段ですが,メーカー希望小売価格は,ヨーロッパが税込188,000ユーロ,日本が税込21,900,000円,オーストラリアが税込244,000オーストラリアドル,アメリカが184,000USドルに設定されています。皆さんも,ぜひ購入を検討されてはいかがでしょうか!?まあ,こういうバイクが市販されるのも夢があっていいのでしょうが,そんなことよりもっと力を入れて欲しい市販車があると思います。例えば,SBKやJRR等のレースにも採用されているCBR1000RRについては,他メーカーがここ数年以内でベースマシンをフルモデルチェンジしたのに対して,かなり長い期間マイナーチェンジのみで推移しています。JRRでは思うように勝利ができていませんし,SBKにおいては,メーカーの力の入れ方が違うとはいえ,全く勝てない状況になっています。昨年までSBKにおけるホンダのエースライダーを長年務めてきたのがJ.レイでしたが,結局勝利するのがやっとで,チャンピオンになれないまま昨シーズン限りでカワサキに移籍することになりました。そうすると,今シーズンはいきなり勝利を重ねていって,現在2位に100ポイント以上差をつけてぶっちぎりでランクトップに立っています。何かホンダはユーザーの思いとずれた動きをしていると感じているのは私だけでしょうか?
2015/06/11(木)
☆独占(WEC)
◯今週末にいよいよ決勝レースを迎えるのが,世界3大レースの1つである『第83回ル・マン24時間耐久レース』です。その決勝レースに向けてテストデー,車検を経て,いよいよ6月10日(水)に4時間のプラクティス,そして2時間の予選が行われます。このページの入力時ではフリープラクティスしか終わっていませんので,その点の結果についてお伝えします。この日のル・マンは,時折雨に見舞われるあいにくの天気で,ウェットコンディションでの走行となりました。そうしたコンディションのためアクシデントが発生して赤旗が提示される場面もありました。ずっと雨が降る状況ではなかったため,路面が比較的乾いた時間帯もあり,そこでタイムアップを果たしていきました。そのような中でトップタイムを刻んだのは,当初予想されていたようにポルシェのマシンで,T.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー組のポルシェ919ハイブリッド17号車でした。2番手タイムは,L.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス組のアウディR18 e-トロン・クワトロ8号車がマークしています。3,4番手タイムをそれぞれR.デュマ&N.ジャニ&N.リーブ組のポルシェ919ハイブリッド18号車,N.ヒュルケンベルグ&E.バンバー&N.タンディ組のポルシェ919ハイブリッド19号車がマークし,5,6番手をアウディR18 e-トロン・クワトロがマークしていて,ポルシェとアウディとがトップ6を独占しました。悲願の初優勝を狙うトヨタは,1号車が7番手,2号車が8番手につけています。今年から再びル・マンに復帰を果たしたニッサンですが,こちらも当初予想されていたように上位進出とはならず,1クラス下のLMP2クラストップのオレカ05・ニッサンに次いで松田次生&M.シュルジッツスキー&L.オルドネス組のニッサンGT-R LMニスモ21号車の21番手を最高に,23号車が22番手,22号車が23番手でフリープラクティスを終えています。
2015/06/10(水)
☆体制決定(8耐)
◯来月の最終週末に行われる予定になっている鈴鹿8時間耐久レースですが,メーカーが強力な支援体制を敷いているホンダ,ヤマハは,既に今大会のチーム体制が明らかにされていました。それに対してカワサキは,JRRのJSB1000クラスにフル参戦しているカワサキのワークスチーム的立場にあるTEAM GREENのライダーである柳川明と渡辺一樹の2人の参戦は明らかになっていましたが,もう一人のライダーについては未定でした。その点に関してカワサキから発表があり,インドネシア人ライダーのハジ・アハマッドユディスティラを起用することになりました。今回発表されたハジは,今シーズンもAPRC(アジアロードレース選手権)にマニュアル・テック・KYT・カワサキからフル参戦し,現段階でランキング4位につけています。母国で行われたAPRCの第2戦では,見事優勝を飾っています。昨年は柳川と渡辺と藤原克行の3人体制で臨んだTEAM GREENですが,藤原は昨シーズン限りで第一線から退き,今シーズンについては藤原が8耐のみ復活するのか,それとも新たなライダーが起用されるのか注目されていました。そのような状況の中,ここ数年日本メーカーが力を入れているアジア圏内からのライダー起用となりました。APRCでは600ccマシンを駆っているハジですが,果たして1000ccマシンをどう乗りこなすのか,そして8耐という大舞台で自分の力をどこまで出せるのか注目となります。
2015/06/09(火)
☆デモ走行(MotoGP)
◯今年に入って行われているモーターショーでは,それぞれのメーカーから投入された新型バイクが展示されています。その中での注目点には,JRRで今季から投入され,早くも中須賀克行の手によって勝利を収めているYZF-R1などが含まれています。しかし,最もインパクトがあるのが,ホンダが今後市販する予定になっているバイクでしょう。そのバイクとは,MotoGPにおけるホンダのワークスマシンRC213Vのストリートバージョンである"RC213V-S"です。もちろんまだ正式発表は行われていませんので予想でしかないのですが,その金額は3000万円前後ではないかといわれています。その新型マシンについて新たな報道があり,どうやら今週末に行われるカタルニアGPに登場しそうです。とは言っても,もちろんレースに出場するわけではありません。レースでは,いろいろなイベントが開かれていますが,今回はデモンストレーションとしてこのRC213V-Sが走行するのだそうです。しかも,誰がそのマシンを駆るかというと,ドゥカティ,そしてレプソル・ホンダでチャンピオンを獲得したC.ストーナーだそうです。現在のストーナーは,HRCと契約してマシン開発のため年間複数回のテストライドを行っています。さらに,今年の目玉の1つとなっているのですが,今年3連覇を狙っているMuSASHi RT HARC-PROから鈴鹿8耐へ参戦することにもなっています。先日オートポリスで行われたJRR第2戦では,カワサキのホームコースならではのイベントとして,藤原克行が各モーターショーのカワサキブースで目玉となっているスーパーチャージャーを搭載したマシンであるNinja H2Rを使ってデモ走行を行いました。残念ながら生で目にすることはできませんが,RC213V-Sがどのような走りをするのか,どのようなサウンドを出すのか,とても楽しみですね。
2015/06/08(月)
☆初表彰台(F1)
◯第7戦カナダGPの決勝レースが,ドライコンディションの中ジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。ポールからスタートしたのは,前戦でトップを走っていながら,チームの判断ミスによりピットインしたためトップの座を譲るばかりか,3位にまで落ちるという不運に見舞われたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。そのハミルトンは,そうした悪い流れを断ち切るかのようにスタートからトップの座を守り,後続との差を徐々に広げていきました。一時的に2位との差が1秒ほどになる場面はありましたが,これもレースコントロールの範囲内。結局最後までレースを支配下に置いたハミルトンがトップの座を守り続け,今季4勝目を挙げました。2位には,チームメイトのN.ロズベルグが入っています。今季自己最高位となる3番グリッドからスタートしたフェラーリのK.ライコネンは,メルセデスAMGの2人からは差をつけられましたが,ウィリアムズのV.ボッタスとの差を少しつけて3位の座を守って走行していました。しかし,1日目のピットインを済ませ,28周目にヘアピンで痛恨のスピンを喫してしまいました。これを見たウィリアムズは,直ちにボッタスへピットインを指示し,見事3位の座を奪いました。結局2人の順位はそのままで,ボッタス,そしてチームとしても今季初の表彰台を獲得しています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,F.アロンソはパフォーマンス不足とトラブルにより思うような走行ができない状態で走行していました。そして,47周目についにパワーが落ちてきてピットインし,そのままリタイアとなりました。トラブルのため予選に出場できずに終わり,最後尾スタートが決まっていたJ.バトンは,決勝レースに向けてエンジン交換を行いました。通常ですと交換した場合はグリッド降格となるのですが,最後尾からのスタートのため降格というわけにはいかず,決勝レースでドライブスルーペナルティーを科されました。バトンも粘り強く走行を続けていましたが,アロンソと同じく最後まで走りきることができず,ダブルリタイアに終わってしまいました。
2015/06/07(日)
☆いつものように(F1)
◯第7戦カナダGPの予選が,ドライコンディションのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。初日総合トップタイムをマークしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,この日も好調な走りを展開し,2位にコンマ3秒の差をつけて今季5回目,通算44回目となるポールを獲得しました。2番手タイムをN.ロズベルグがマークし,いつものことながらメルセデスAMG勢によるフロントロー独占となりました。前戦モナコGPでは,チームのミスによりロズベルグがラッキーな勝利を挙げましたが,今回の予選は,ロズベルグ自身「酷い予選」と表現したように,チーム間のコミュニケーションミスでタイヤのセッティングを失敗したための2番手タイムだったようです。3番グリッドを獲得したのは,フェラーリのK.ライコネンで,これは今季自己最高位となります。いつもだと3番グリッドにはチームメイトのS.ベッテルがついているのですが,今回はMGU-Hにトラブルが発生したため,Q1での敗退となっています。今大会では,トークンを使用してパワーユニットにパフォーマンス開発を実施しているマクラーレン・ホンダですが,午前中の走行でJ.バトンにERSのトラブルが発生してしまいました。予選に向けてエンジン交換作業を行ったものの,時間に間に合わなかったため予選を欠場する羽目に陥ってしまいました。チームメイトのF.アロンソには,午前中の走行前のチェックでエンジン関連のトラブルが判明し,同じくエンジン交換作業に取り組みました。こちらは予選開始に間に合って無事走行を開始し,Q1は突破したもののQ2での敗退となり,14番グリッドから決勝レースを迎えることになりました。もちろん,予選に出場できなかったバトンは,最下位からのスタートとなります。
2015/06/06(土)
☆トップタイムを出すも(F1)
◯第7戦カナダGPが,カナダを代表するレジェンドドライバーの名前を冠したジル・ビルヌーブ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日のジル・ビルヌーブ・サーキットは,朝から黒い雲に覆われ,午後の走行では雨が降ることが予想されました。ダスティーな路面コンディションだったフリー走行では,メルセデスAMGのL.ハミルトンがトップタイムをマークしました。午後の走行では,どのドライバーも早い段階からスーパーソフトタイヤを投入し,雨が降り始める前にタイム出しを行い,1回目の走行時よりタイムアップを果たしています。その中でトップタイムを刻んだのが,午前中の走行でもトップだったハミルトンで,2回目のタイムがこの日の総合トップタイムとなりました。ただ,雨が降り始めて以後も走行を行ったハミルトンでしたが,ターン10においてアクアプレーニング現象に見舞われてしまい,クラッシュして赤旗の原因となってしまいました。総合2番手タイムを刻んだのは,午前中の走行では5番手タイムだったフェラーリのS.ベッテルでした。午前中の走行で2番手タイムだったメルセデスAMGのN.ロズベルグが,総合3番手タイムとなっています。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソが総合15番手,J.バトンが総合18番手で初日を終えています。
2015/06/05(金)
☆参戦決定(WEC)
◯WECシリーズのLMP1クラスにフル参戦しているトヨタは,6月13日〜14日に決勝レースが行われるル・マン24時間耐久レースにおいて,中嶋一貴をTS040ハイブリッド1号車のドライバーとして起用することを発表しました。スパで行われた第2戦のフリー走行はウェットコンディションとなっていて,前方の車両が巻き上げるウォータースクリーンによって視界が遮られる状況だったため,一貴が駆るトヨタTS040ハイブリッド1号車が,アウディR18 e-トロン・クワトロ8号車に追突する形でクラッシュしてしまいました。突然の状況だったためにブレーキと体の体制が間に合わず激しいクラッシュとなりました。脊椎の一部を骨折するという重傷を負った一貴は,ル・マン参戦のために手術を選択。これが功を奏して,6月2日(火)付けのこのページでお伝えしたように,メディカルチェックで合格して5月31日(日)に行われたテストデーにおいて走行し,路面コンディションのタイミングがよかったこともあってトヨタ勢の中では最速タイムを刻みました。この走行から充分レースに耐えうる体調であることが確認され,自身4度目となるル・マン24時間レースに出走することが決まった。昨年のル・マンにおいては,自身の走りで日本人初となるポールポジションを獲得しました。昨シーズンWECシリーズでチャンピオンを獲得したトヨタですが,ル・マンにおいてはこれまで2位はあったものの,未勝利のままとなっています。というか,日本メーカーとしては,これまでマツダしかル・マンでは勝利を収めていません。日本人が駆る日本車がル・マンを制覇できるか,今シーズン苦戦を強いられているトヨタTS040ハイブリッドですが,今回の決定は夢が膨らむものとなっています。
2015/06/04(木)
☆空力も(F1)
◯伝統のモナコGPにおいて,今シーズン『マクラーレン・ホンダ』として再スタートを切ってから初となるポイントをJ.バトンが獲得しました。ただ,これはドライバビリティが重要となるモナコだから可能だったともいえ,カナダGPをはじめ,これから続くレースは,高速域での性能が重要となってきますし,これが現在のマクラーレン・ホンダMP4-30にとって弱点です。こうした状況を打破するため,昨日お伝えしたように2トークンを使ってPUに改良を加えたようです。その改良はPUだけにとどまらず,空力にもいたるようです。ここにきての報道によると,現在のMP4-30は,フロント部分はロングノーズを採用しています。ロングストレートでの苦戦が続いている同マシンに対しての改良が,今回話題になっているショートノーズの採用です。ロングからショートへの変更となるとシャーシ自体を変えることになりますから,義務的なFIAのクラッシュテストに合格する必要があります。今回の報道によると,1戦後に行われるオーストリアGPからの採用を目指して,FIAのクラッシュテスト施設にこの改良版シャーシが送られたとのことです。これから続く高速サーキットでの戦いがどのようになるか,今後を占う部分でも楽しみになりますね。
2015/06/03(水)
☆改良(F1)
◯現在のF1では,コスト削減のため無制限の改良を認めておらず,『トークン』という点数制度を使用しています。改良する内容に応じてトークンの数が決められていて,全くのブランニューとなった昨年から継続参戦しているメルセデス,フェラーリ,ルノーに関しては,今シーズン全部で32トークンを使用することができます。その3メーカーは,シーズン開幕前の段階でPU開発のため既に多くのトークンを使っていました。今季から参入するホンダに関しては,当然開幕前であればいくらでも開発はできました。しかし,開幕してからは無制限には開発できなくなり,開幕時に他の3メーカーが残していた平均値である9が今シーズンのホンダに割り当てられています。そのトークンに関して,フェラーリとホンダがPU改良のため,2トークン使用したことが明らかとなりました。トークンを使用した場合,各チームにその旨を知らせなければならないことになっていますので,今回の改良が明らかになったようです。改良が施されたPUがいつから投入されるのかについてですが,今週末に行われるカナダGPなのか,その次のオーストリアGPになるのかは,現段階では不明です。メルセデスとルノーに関しては,まだ残されたトークンを使用していないようです。このことにより,各メーカーが今季中に使用できる残りのトークン数は,メルセデスが7,ルノーが12,フェラーリが7,ホンダが7ということになります。
2015/06/02(火)
☆走行(WEC)
◯6月13日(土)〜6月14日(日)にWECシリーズ第3戦伝統のル・マン24時間耐久レースの決勝レースが行われる予定になっていますが,それに先駆けて,5月31日(日)にテストデーとして走行が行われました。今回の走行で注目点の1つとなっていたのが,トヨタからWECにフル参戦している中嶋一貴でした。スパ・フランコルシャンで行われた第2戦のフリー走行において,他車が巻き上げたウォータースクリーンで視界が遮られ,止まっていたアウディのマシンに激突。その際,脊椎の一部を骨折するという重傷を負っていました。自然治癒で治療していった場合,3ヶ月近い期間を有するため,ル・マンへの参戦は不可能ではないかといわれていました。しかし,一貴は骨折した部分にいわゆるセメントを注入する手術を選択。こうすることで,ル・マンへの参戦の可能性を高めていました。そして,テストデーに向けたメディカルチェックの結果,走行に支障がないということで走行の許可が下り,無事テストデーでの走行を終了しました。
今回行われたテストデーは,全部で8時間の走行があったのですが,多くの時間がウェットコンディションで,わずかにあったドライコンディションでのタイムが各マシンの最速タイムとなりました。その中で総合最速タイムを刻んだのは,ポルシェ・チームのポルシェ919ハイブリッド17号車を駆るT.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー&F.マコウィッキ組でした。総合2番手タイムを18号車のポルシェ919ハイブリッドがマークし,ポルシェのワンツーとなりました。総合3番手タイムをアウディスポーツ・チーム・ヨーストのアウディR18 e-トロン・クワトロを駆るF.アルバカーキ&M.ボナノミ&R.ラスト組でした。トヨタ勢では,走行可能となった一貴がマークしたのが最速タイムとなり,トヨタTS040ハイブリッドの1号車が走行7番手,2号車が総合8番手でテストデーを終えています。ル・マンからWECシリーズに参戦することになっているニッサンは,唯一のFF車であるニッサンGT-R LMニスモを駆り,投入した3台の内,23号車が総合18番手とタイム的にはLMP1クラスとしては奮わなかったものの,時速336km/hをマークして参加車中の最速スピードをマークしています。なお,今回の走行では,トヨタのリザーブドライバーを務める小林可夢偉がわずかな周ではあったものの走行を経験しています。また,ニッサンからGT-R LMニスモを駆って参戦することになっている松田次生は,ル・マンのルーキーに課される10周の走行をLMP3車両の75号車ジネッタ・ニッサンで行ってこれをクリアし,無事ニッサンGT-R LMニスモでの走行も終えています。
2015/06/1(月)
☆独走 PART(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの決勝レースが,好天に恵まれたムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,2連勝してきた勢いそのままにオープニングラップからトップに立つと,あとは後続との差を広げていって独走態勢に持ち込み,最終的に2位に5秒以上の差をつける独走で3連勝を飾りました。レース途中では,ポールからスタートしたドゥカティ・チームに13番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが追いつき,2番手争いとなりました。しかし,残り6周となったところで転倒を喫してリタイアとなり,イアンノーネが単独走行での2位でチェッカーを受けました。3位には,こちらも単独走行でモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが入り,ロレンゾに差を縮められましたが,ランクトップの座を守っています。前戦で腕上がりの症状改善の手術から復帰したレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが4位でチェッカーを受け,トップ3から差はつけられていますが,順調に回復していることを表わしました。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートした昨年のチャンピオンであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,1周目に7番手に後退したものの,徐々にポジションを回復していき,6周目にトップに立つと7周目にはサーキットベストを更新し,2位に差を縮められる場面がありましたが,それはコントロールしていたもので,最後まで安定したペースを刻んで,昨年9月に行われた第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来11戦ぶりの優勝を飾りました。終盤ラバトを追い上げていって2位に入ったのは,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。3位には,テクノマグ・レーシング・インターウェッテンのD.エガーターが入り,昨年8月に行われた第10戦インディアナポリスGP以来の表彰台獲得となります。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,17番グリッドからスタートし,上位争いに絡むことができなかったものの,ポイント圏内の走行を続け,13位でのチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,例年大集団でのトップ争いが展開される傾向にあるムジェロなのですが,今年も同様の動きとなり,15台を超えるマシンによるトップ争いが展開されていきました。最後まで大混戦が続きましたが,最終的にトップでチェッカーを受けたのは,11番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。トップから1000分の71秒差で惜しくも2位になったのは,ポールからスタートしたレオパード・レーシングのD.ケントでした。3番グリッドからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティが,トップからコンマ127秒差で3位表彰台を獲得しています。自己最高位となる2番グリッドからスタートしたレオパード・レーシングの尾野弘樹は,大集団に飲み込まれてなかなかトップ争いに絡むことができず,最終的に11位でのチェッカーとなりました。11とはいっても,トップとの差は5秒以内となっていて,いかに僅差でのバトルであったかが分かります。最後尾からスタートしたCIPの鈴木竜生は,15周目に転倒を喫し,2戦連続リタイアに終わっています。

☆独走 PARTU(JRR)
◯第3戦の決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。JSB1000クラスは,ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行がファステストラップを刻んで後続との差を広げていって2位に15秒以上の差をつける独走となり,2戦連続でポールトゥーフィニッシュを達成しました。中須賀の独走を許して2位に入ったのは,MuSASHi RTハルク・プロの高橋巧でした。3位には,今シーズンからヤマハのワークス支援を受けてYAMALUBE RACING TEAMからフル参戦している野左根航汰が入り,最高峰クラスにおける自身初めての表彰台に立ちました。
J-GP2クラスでポールを獲得したのは,前戦でポールトゥーフィニッシュを達成したMORIWAKI RACINGの高橋裕紀でした。決勝レースでは,2番グリッドからスタートしたNTST.ProProjectの岩田悟でしたが,2周目の1コーナーで高橋が岩田をパスすると,安定した速いペースを刻んでいき,岩田がその後転倒したこともあって独走態勢に持ち込み,最後は2位に17秒近い差をつけて2戦連続ポールトゥーフィニッシュを達成しました。終盤2台によるバトルとなった2位争いは,エスパルスドリームレーシングの生方秀之が制し2位に,3位には,WILL-RAISERACINGRS-ITOHの井筒仁康が入りました。
ST600クラスは,今回もヤマハYZF-R6を駆るライダーが上位を占め,トップ10の内7台がYZF-R6でした。その中でトップチェッカーを受けたのは,オートポリスで行われた前戦の勝者である伊藤レーシングGMDスズカの大崎誠之でした。序盤こそトップから遅れていたものの,7周目にトップに立つと後続との差を徐々に広げていき,4.5秒近い差をつけての優勝でした。2位に入ったのは,レース序盤トップに立っていたYamaha Thailand Racing Teamの横江竜司でした。ファイナルラップまで大久保光とD.クライサルトとの間で繰り広げられた3位争いは,両者が接触して転倒を喫し,その後ろを走っていた横江のチームメイトであるC.ポライマイが3位表彰台を獲得しています。
J-GP3クラスは,MuSASHi RTハルクプロの水野涼とP.MU 7C HARCの國峰啄磨との間で終盤までトップ争いが展開されていきました。しかし,國峰が残り2周目となったところで転倒を喫し,水野が今季初優勝を飾りました。國峰の脱落により5台による2位争いとなりましたが,それを制して2位に入ったのはMuSASHi RT Jrの栗原佳祐で,3位にはTeam RSCの真崎一輝が入りました。
 

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