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最新ニュース
2015/09/30(水)
☆正式発表(F1)
○来シーズンから新規参入チームとしてF1に参加するハースF1チームが,チームの本拠地であるアメリカのノースカロライナ州にあるカナポリスで行われました。この会に参加したのは,チームオーナーであるG.ハースと代表を務めるG.シュタイナーです。この場に登場した人物はもう一人いて,それが来季同チームからエースドライバーとして加わることになったR.グロージャンです。ロータスでキャリアを積んできたグロージャンですが,最近になってルノーからの離脱とハースへの移籍が噂されてきましたが,今回の発表により,その噂が本物であったことが証明されました。そのグロージャンのチームメイトが誰になるかについては,今回の発表では明らかになりませんでした。今回正式発表会を開いたハースは,フェラーリからの強力なバックアップがあって,エンジンはもちろん,サスペンション関連のパーツやブレーキ,ペダルボックス,ステアリングラック,燃料電池など多くのパーツが供給されることになっています。また,マシン開発に必要な風洞設備についても,フェラーリのものを使用しています。グロージャンのチームメイトとなるドライバーについても同様で,現在候補として名前が噂されているフェラーリのリザーブドライバーを務めるE.グティエレスが有力で,同じくフェラーリの開発ドライバーであるJ-E.ベルニュも候補として噂されています。今回の発表会にはオーナーとチーム代表が参加しましたが,チーフデザイナーについても明らかになっていて,レッドブルでデザインチームのボスを務めたR.テイラー就任します。30年ぶりにアメリカを拠点としたチームとして登場しますが,NASCARシリーズ等で活躍してきた歴史を持つスチュワート−ハース・レーシングのファクトリーの隣にF1チームのデザインおよび空力部門を置くだけでなく,旧マルシャのファクトリーを改築して使用し,アメリカとヨーロッパのふたつの拠点をベースに活動することになります。
2015/09/29(火)
☆復帰(F1)
○フランスの大手自動車メーカーであるルノーから発表があり,来シーズンから再びワークス参戦することになりました。ルノーの復帰については,既に噂が出ていて,最近とみに信憑性が高まっていました。そのような中,ロータスの現オーナーであるJ.ロペス率いる『ジェニー・キャピタル』の関連会社『グラビティ・モータースポーツ』と株式買収について話し合いがもたれ,ロータスF1チームの経営支配権をルノーが買収する可能性に関する基本合意書に調印しました。ロータスについては,英国歳入税関庁(HMRC)への税金未払いなど多数の負債を抱えていて,一昨日まで行われていた日本GPにおいては,ホスピタリティから追い出され,F1界のボスであるB.エクレストンがチームスタッフの食事を準備するというような事態になっていましたが,これはロータスのその財政難を象徴する出来事の1つです。ルノーは,エンジンサプライヤーとして活動することはないとしていて,これもかねてから噂されているように,ルノーのワークス的立場にあるレッドブルとの提携が契約を1年残して解消されるのは間違いないことになります。ドライバーについては,これも既に発表があったように,ベネズエラ人ドライバーであるP.マルドナドとの契約延長が決まっています。それにより,彼がチームに持ち込む5000万ドル(約60億円)とも言われているベネズエラの国営石油企業PDVSAからのスポンサーマネーがもたらされることになります。もう一人のドライバーであるR.グロージャンについては,来季からの新規参入チームであるハースに加入することが確実視されていて,マルドナドのチームメイトが誰になるのかは不明です。なお,新たなスタートを切るルノーF1には,スーパーバイザーとして元F1王者であるA.プロストが就任することになるようです。
2015/09/28(月)
☆圧勝(F1)
○第14戦日本GPの決勝レースが,前日に引き続いてドライコンディションの鈴鹿サーキットで行われました。2番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,チームメイトでポールスタートのN.ロズベルグとのつばぜり合いを制してオープニングラップでトップに立ちました。ランキング争いで独走状態にあるハミルトンは,このレースでも他を寄せ付けない走りを展開していって2位以下との差をどんどん広げていき,一度もトップの座を譲ることなく圧勝で今季8勝目を挙げました。この勝利で通算41勝となり,故A.セナに並ぶ歴代4位タイの通算勝利数となりました。ポールスタートのロズベルグは,オープニングラップにおけるハミルトンとのバトルの中でやや走行ラインとは違うところを走行せざるを得ない状況になり,後続の2台に抜かれてポジションダウンとなりました。ハミルトンに何としてでも追いつきたいロズベルグは,徐々に前との距離を縮めていき,中盤になってようやく2位にまで順位を回復。ハミルトンの独走は許したものの2位でチェッカーを受け,いつものようにメルセデスAMGによるワンツーフィニッシュに持ち込みました。3位には,前戦の勝者であるフェラーリのS.ベッテルが入っています。母国GPとなったマクラーレン・ホンダですが,ライバルとのスピード差が露呈する結果となりました。メルセデス製のPUはもちろん,フェラーリ製でもルノー製でも,せっかく苦労して抜いてもどのPU勢にストレート等で簡単に抜かれる状況となりました。そのような状況に苛立ちを覚えたF.アロンソは,国際映像での無線の中で「GP2!」と連呼するところが流れました。もちろん下位カテゴリーのGP2かと思われるくらいマシンが遅いということを意味していて,それだけマシンの戦闘力がないという状況をチームに鼓舞する意味で伝えたものでしょう。そうした状況ですからポイント獲得には至らず,アロンソは11位,J.バトンは16位でレースを終えています。

☆縮小(MotoGP)
○第14戦アラゴンGPの決勝レースが,前日に続いてドライコンディションとなったモーターランド・アラゴンで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,ホールショットを決めると後は独走状態に持ち込み,最終的に2位に2秒以上の差をつける独走で今季6勝目を挙げました。レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサとモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシとの間で繰り広げられた2位争いは,互いに順位を入れ替えながらの激しいバトルをしていき,最終的にペドロサがそのバトルを制しました。ランク争いを展開しているロレンゾとロッシとの間にペドロサが入るというレース結果になったことにより,ランクトップのロッシとの差が縮まることになりました。ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,2位走行中の2周目に転倒リタイアに終わっています。
Moto2クラスは,2周目に2台が絡んで転倒するという状況となり,赤旗が提示されてスタートのやり直しとなりました。周回数が7周減算で再スタートとなったレースは,ポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトと,2番グリッドからスタートしたパギナス・アマリラスHP40のA.リンスとの間でトップ争いが展開されていきました。ゴール直前まで展開されていった2人のバトルは,1000分の96秒差でラバトが制しました。惜しくも2位となったリンスでしたが,これにより今シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを決定しています。トップから5秒以上遅れた3位には,こちらもルーキーライダーであるスピードアップ・レーシングのS.ロースが入っています。復調傾向にあるイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,8位でチェッカーとなってトップ10フィニッシュとなっています。
Moto3クラスは,一時は10台によるトップ争いとなりました。その中でレッドブルKTMアジョのM.オリベイラがバトルを制して6戦ぶりに勝利しました。2位,3位には,それぞれエストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロとスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティが入っています。日本人ライダー勢ですが,レオパード・レーシングの尾野弘樹が9位でチェッカーを受けたものの,黄旗区間の中で順位を上げたことから1つ順位が降格となり,リザルトとしては10位となりました。CIPの鈴木竜生は16位で惜しくもポイント獲得とはならず,エストレラ・ガルシア0,0から代役参戦となった山田誓己は18位でレースを終えています。
2015/09/27(日)
☆2年連続(F1)
○第14戦日本GPの予選が,鈴鹿サーキットで行われました。前日は終日ウェットコンディションでの走行でしたが,この日は天候が回復し,ドライコンディションでの走行となりました。前戦シンガポールGPでは,これまでの速さが見られなかったメルセデスAMG勢でしたが,今回も同様の状態になるのか,それとも再びメルセデスが速さを見せるのかが注目されました。果たしてその結果ですが,やはりいつものようにメルセデスAMG勢が速さを見せた予選となりました。ただ,ほとんどの場合,L.ハミルトンがポールを獲得することが多いのですが,今回ポールシッターとなったのは,今季2回目,そして日本GP2年連続となるN.ロズベルグでした。ただ,ロズベルグのポール獲得は,もしかしたら運に恵まれたものなのかもしれません。というのも,ハミルトンとロズベルグとで早めにアタックを開始したのはロズベルグで,ハミルトンは最終アタックでポールを目指していました。その時,レッドブルのD.クビアトが激しいクラッシュに見舞われてしまい,セッションは赤旗中断となってしまいました。そして,残りのタイムがわずかだったことからそこでセッションは終了となり,ハミルトンをはじめ数人のドライバーは最後のアタックをすることができませんでした。そうしたことがあって,赤旗前にアタックを終了していたロズベルグがポールとなったわけです。とはいえ,二人での順番はいつもの反対となっていますが,メルセデスのワンツーという点ではいつものこととなった予選でした。3番グリッドを獲得したのは,メルセデス製のPUを搭載したウィリアムズのマシンを駆るV.ボッタスでした。マクラーレン・ホンダ勢は,F.アロンソはQ1を突破したものの,Q2では敗退となり,14番グリッド獲得で終了しました。それに対して,J.バトンは,チームのミスがあってQ1突破ならず,16番手で予選を終えています。ホンダにとってはホームグランプリではありますが,やはり戦闘力不足という点では変化がなく,今日行われる決勝レースでも,残念ながら苦戦することが予想されます。

☆3年連続(MotoGP)
○第14戦アラゴンGPの予選が,ドライコンディションの中モーターランド・アラゴンで行われました。MotoGPクラスは,このサーキットは,どちらかというとホンダが良い結果を残してきていて,今回もそうなるか注目されていましたが,やはりその傾向に変化はなく,ポールを獲得したのは,ランク3位につけているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスで,しかも,これまでのサーキットベストをコンマ5秒以上上回る圧倒的なものでした。これにより,マルケスのポールは3年連続となります。初日総合トップタイムをマークしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,マルケスから遅れはとったものの,2番グリッドを獲得しています。ドゥカティ・チームのA.イアンノーネが3番手タイムをマークし,8戦ぶりにフロントローを獲得しています。
Moto2クラスは,初日総合トップタイムをマークしているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,予選でもその速さを見せ,これまでのサーキットベストをコンマ8秒以上更新する走りで今季2度目となるポールを獲得しました。ルーキーシーズンながら速さを見せているパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,ラバトからわずか1000分の35秒差で2番グリッドを獲得しています。ランクトップを行くアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが3番手タイムをマークし,4戦連続となるフロントローを獲得しています。前日に総合2番手タイムをマークし,予選での走りが注目されたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,残念ながらフロントローにつけることはできませんでしたが,5番手タイムをマークして2列目を獲得しています。
Moto3クラスは,前戦の勝者であるグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニが,こちらもサーキットベストを更新する速さを見せて,2戦連続となるポールを獲得しています。コンマ2秒差で2番グリッドを獲得したのは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。3番グリッドは,ここまでランクトップを行くレオパード・レーシングのD.ケントでした。日本人ライダー勢ですが,レオパード・レーシングの尾野弘樹が21番手,代役参戦となっているエストレラ・ガルシア0,0の山田誓己が23番手,CIPの鈴木竜生は28番手で予選を終えています。
2015/09/26(土)
☆ウェット(F1)
○ついに第14戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の鈴鹿は,あいにくの天候となり,終日ウェットコンディションでの走行となってしまいました。午後に行われた2回目のフリー走行では,小降りになったり激しく降ったりといった不安定な天候となりましたが,この日の最速タイムは,この2回目の走行でマークされました。その最速タイムをマークしたのは,メルセデスAMGでもなくフェラーリでもなく,レッドブルのD.クビアトでした。総合2番手タイムをマークしたのはL.ハミルトン,総合3番手タイムがN.ロズベルグと,大本命と思われているメルセデスAMG勢がつけています。前戦で勝利を収めているフェラーリのS.ベッテルは5番手,チームメイトのK.ライコネンが6番手となりましたが,この2台は走行した周回数のワンツーとなっています。ついに母国GPとなったマクラーレン・ホンダですが,予想されたとおり厳しい走行となりました。その中で,今季限りでの引退が噂されているJ.バトンは12番手タイムだったものの,F.アロンソは,PUにトラブルが発生してしまって載せ換えることになったりして,17番手で初日を終えています。

☆5戦連続(MotoGP)
○第14戦アラゴンGPがモーターランド・アラゴンで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスで初日の総合トップタイムをマークしたのは,前戦でリタイアに終わってランキングトップのV.ロッシとの差が広がったモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。このトップタイムは,第10戦インディアナポリスGPから5戦連続6度目の初日総合1番手となります。ランクトップを行くロッシが総合2番手タイムをマークし,初日はモビスター・ヤマハMotoGP勢のワンツーで終えています。総合3番手タイムをマークしたのは,8耐の優勝以来好調な走りを見せているモンスター・ヤマハ・テック3のB.スミスでした。
Moto2クラスは,母国GPに燃えるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,サーキットベストを更新する走りを見せ,前戦に続いて初日の総合トップタイムマークしました。その前戦で久々の表彰台を獲得したイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶が,ラバトからコンマ135秒差で総合2番手タイムをマークしました。総合3番手タイムをマークしたのは,このクラスでルーキーシーズンながら好調な走りを見せているパギナス・アマリラスHP40のA.リンスでした。
Moto3クラスは,ここまでランク2位につけているグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニが,サーキットベストを更新する走りを展開して総合トップタイムをマークしました。バスティアニーニの初日総合トップは,第6戦イタリアGP以来今季2度目となります。そのバスティアニーニから1000分の18秒差で総合2番手タイムとなったのは,レッドブルKTMアジョのM.オリベイラでした。そのオリベイラから1000分の1秒遅れで総合3番手タイムだったのは,エストレラ・ガルシア0,0のJ.ナバーロでした。日本人ライダー勢ですが,代役参戦となっているエストレラ・ガルシア0,0の山田誓己は,総合21番手で日本人ライダー勢ではトップでした。レギュラーライダー勢は,CIPの鈴木竜生が総合23番手,接触による転倒を喫したレオパード・レーシングの尾野弘樹は29番手でした。
2015/09/25(金)
☆残留(F1)
○今日からいよいよ鈴鹿サーキットでの日本GPが開幕となりますが,シーズンの終盤に入り,来季に向けた動きが活発になってきていて,徐々に来季のシートが埋まってきています。そのような中,フォース・インディアから発表があり,S.ペレスとの契約を1年延長することが決まりました。2014年シーズンから同チームに所属していますので,来季で3年目となります。チームメイトであるN.ヒュルケンベルグとの契約も成立していますから,来季のフォース・インディアは,今シーズンと同じ顔ぶれとなります。来季のペレスについては,ルノーからの買収が話題となっているロータスに移籍するのではないかという噂が出ていました。今回の契約延長発表は,その噂を一蹴するものとなりました。メキシコ人ドライバーであるペレスには,そのメキシコの通信関連企業であるテルメックス(Telmex)をはじめ,テルセル(Telcel)などのスポンサーがついていて,今回の残留決定によりスポンサーもそのままとどまることになりますから,資金難が噂されている同チームにとってありがたい存在とも言えます。
2015/09/24(木)
☆5年ぶり(SBK)
○ヤマハのヨーロッパ現地法人であるヤマハ・モーター・ヨーロッパから発表があり,来シーズンから5年ぶりにSBKに復帰することが決まりました。使用するのは,もちろん今シーズンから投入され,デビューイヤーにもかかわらず鈴鹿8耐で圧倒的な速さを見せて優勝を飾った新型YZF-R1です。ライダーとして採用することになったのは,元GPライダーで,昨シーズンSBKチャンピオンとなり,今シーズンは,テン・ケイトが運営し,ホンダのワークス的立場にあるPATAホンダ・ワールド・スーパーバイク・チームに移籍したS.ギュントーリです。チャンピオンとしてホンダに移籍したわけですが,わずか1年で袂を分かつことになりました。やはり,チャンピオンとして移籍したのにもかかわらず,戦闘力の落ちるホンダのマシンで苦労したいたことが原因となっていたのかもしれません。実際,昨年まで長年ホンダのエースとしてSBKにフル参戦していたJ.レイが,カワサキに移籍したとたん勝利を重ねていき,見事今シーズンのチャンピオンを獲得したこともその証明と言えるでしょう。もう一人のライダーは,イギリスで行われているBSBにおいて,一昨年史上最年少としてチャンピオンを獲得したアレックス・.ローズです。今シーズンは,MotoGPでのシート獲得ができなかったことから,SBKに戦いの場を移し,ボルトコム・クレセント・スズキからフル参戦していました。ちなみに,彼の双子の弟であるサム・ローズは,Moto2にフル参戦し,ルーキーイヤーながら活躍しています。来シーズンはMoto2クラスへの参戦を継続し,2017年シーズンからアプリリアのワークスライダーになることも決まっています。ヤマハのワークスチームとして手を握ったのが,ローズの所属するクレセントで,今年もそうであるように長年スズキと手を組んでSBKに参戦してきた有力チームの1つです。タイトルスポンサーとなるのは,何と今シーズンはホンダのタイトルスポンサーになっているイタリアのスナックメーカーである『PATA』です。ということは,ギュントーリと共にタイトルスポンサーもホンダからヤマハに移籍したことになります。8耐はもちろん,JRRでも中須賀克行の手によって圧倒的な速さを見せている新型YZF-R1だけに,復活イヤーとなる来シーズンから活躍することも十分考えられますね。
2015/09/23(水)
☆契約(MotoGP)
○アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニから発表があり,今シーズン途中でチームに加わったS.ブラドルとの契約を延長することになりました。また,今シーズンからMoto2クラスにフル参戦して活躍しているS.ローストの契約も成立し,来シーズンは同チームからMoto2クラスに継続参戦してチャンピオンを目指すと共に,テストライダーとしてMotoGPマシンの開発に携わり,2017年シーズンからMotoGPクラスにステップアップする契約も成立しています。今シーズンのアプリリアは,本来2016年シーズンから最高峰クラスに参戦する予定でしたが,1年前倒しで参戦することになり,長年ホンダのサテライトチームとして活躍してきたチーム・グレシーニと手を組んでワークスチームとして参戦していました。当初は,以前から同チームに所属しているA.バウティスタと,元GPライダーで,SBKでも活躍していたM.メランドリのコンビでスタートをしていました。しかし,シーズン途中でメランドリとの契約が解除される状況になり,テストライダーを務めているM.ラバティを起用していました。そのような中,昨年までホンダのサテライトチームの1つであるLCRホンダに所属し,今シーズンからフォワード・レーシングに所属していたS.ブラドルが,チームの存続危機に直面してシーズン途中で契約を解除する状況となりました。こうした偶然ともいえる状況が重なり,アプリリアがブラドルに目をつけて,第9戦インディアナポリスGPからブラドルを起用していました。バウティスタとは,昨シーズンに2年契約が結ばれていますので,来季の同チームは,バウティスタ&ブラドルというレギュラーライダーの体制が維持されることになりました。
2015/09/22(火)
☆残留&離脱(F1)
○ロータスからは発表があり,P.マルドナドを来季も起用することが決まりました。2014年から同チームに所属しているマルドナドですが,その段階で複数年契約が結ばれていて,来季に関してもその中に含まれていたようで,その条項が残留に繋がったという報道もあります。ただ,ロータスの状況を考えると,単にそれだけではないでしょう。というのも,資金難に苦しむチームがいくつもあるF1ですが,ロータスもその中の一つです。現在ルノーが買収するのではないかという報道(交渉はほぼまとまっていて,日本GPの頃に発表されるのではないかというものも。)がありますが,その要因の一つがこの資金難。チーム存在そのものが危機にあることが,この買収話に繋がっています。今回契約延長の発表があったマルドナドは,来月で30歳になるベネズエラ人ドライバーで,その彼にはベネズエラの国営石油企業であるPDVSAがついています。今回の契約延長に伴い,当然PDVSAとの契約も延長となり,ロータスは同社から5000万ドル(約60億円)の財政支援を受けることになります。これだけの資金があれば,同チームが抱えている英国歳入税関庁への6,7月の税金未払い分である180万ポンド(約3億4000万円)をはじめ,その他の負債90万ポンド(約1億7000万円)も清算できるという報道もあります。今回の発表で新たに注目となったのは,もちろんルノーによる買収が一番ですが,誰がチームメイトになるのかということです。今季チームメイトとなっているのはR.グロージャンですが,彼がロータスから離脱することは確実となっています。そのグロージャンの来季ですが,新規参入チームであるハースに所属することになるようです。フランス企業であるルノーが買収すれば,まずフランス人ドライバーであるグロージャンが確保されそうですが,世界的企業となっているルノーは,フランスということに固執していないようで,それがグロージャンの離脱へと繋がったようです。
2015/09/21(月)
☆セナ越え(F1)
○第13戦シンガポールGPの決勝レースが,市街地コースとなるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで行われました。今シーズンも圧倒的な速さと強さを見せてきたメルセデスAMG勢でしたが,今回の大会は,初日から思うような走りができず,予選でも2台が3列目に並ぶという状況になってしまいました。それに対して速さを見せたのがフェラーリ勢で,その中でもS.ベッテルがコンクリートウォールぎりぎりの走りを見せて見事ポールを獲得しました。そのポールからスタートしたベッテルは,オープニングラップからトップに立ちました。途中でセーフティーカー導入があったりし,一時は2位に差を縮められたものの,中盤に入ってタイムアップを果たすと誰もついていくことができず,独走で今季3勝目を挙げました。この勝利で通算42勝目となり,『音速の貴公子』故A.セナを越えて歴代3位の記録となりました。ベッテルの独走は許したものの,2位にはレッドブルのD.リカルドが入りました。前戦でスタートミスをして2番グリッドのメリットを活かせなかったフェラーリのK.ライコネンでしたが,今回はグリッド順のとおりとなる3位でチェッカーを受けています。3列目のスタートとなったメルセデスAMG勢は,決勝レースでも今シーズンの速さを見せることができず,N.ロズベルグが4位でチェッカーとなり,ランクトップを行くL.ハミルトンは,マシントラブルによりリタイアに終わっています。予選Q1を揃って突破したマクラーレン・ホンダ勢は,ポイント獲得圏内を走行していたものの,残念ながら両者共にギアボックストラブルでリタイアに終わってしまいました。

☆初優勝(SGT)
○第6戦の決勝レースが,秋らしい好天に恵まれたスポーツランドSUGOで行われました。GT500クラスは,フロントローからスタートした本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-Rと,2番グリッドからスタートした山本尚貴&伊沢拓也組のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTとの間でトップ争いが展開されていきました。序盤はGT-Rが差をつけていましたが,セーフティーカーが導入されて差がリセット。それでもトップを守ったGT-Rでしたが,徐々にNSXが差を縮めていき,37周目にGT-Rをパスしてトップに立ちました。その後は徐々に差を広げていき,RAYBRIG NSXが今季初勝利を挙げると共に,ホンダ勢としても今季初優勝となりました。3位争いは,トップ争いから遅れたところで展開されていきました。KeePer RC FやENEOS RC F,MOTUL AUTECH GT-Rが3位争いにつけることがありましたが,ペナルティによって3位争いから脱落していきました。それらを尻目に順位を上げていったのが,今季既に1勝を挙げている佐々木大樹&M.クルム組のD'station ADVAN GT-Rでした。78周目にENEOS SUSTINA RC Fを交わして3位に浮上すると,最後までその位置をキープして3位表彰台を獲得しました。
GT300クラスは,7周目にトップに立った土屋武士&松井孝允組のVivaC 86 MCが,途中セーフティーカー導入がありましたが,それでも後続との差をどんどん広げていき,最後は20秒以上の大差をつける独走で初優勝を飾りました。この優勝は,今シーズンから導入されたマザーシャーシにとっても初優勝となります。トップには差をつけられたものの,こちらも独走で2位となったのが,嵯峨宏紀&中山雄一組のTOYOTA PRIUS apr GTでした。3位には,平中克幸&B.ビルドハイム組のGAINER TANAX SLSが入っています。
2015/09/18(金)
☆ライダー交替(MotoGP)
○MotoGPでオープンオプションクラスにフル参戦しているチームの中の一つが,ヤマハ車を使用しているフォワード・レーシングで,現在スズキのワークスライダーとして活躍しているA.エスパルガロが所属していた頃は,当時のCRTクラスでのチャンピオンチームにもなりました。今シーズンは,LCRホンダからS.ブラドルを迎え,再びクラスチャンピオンを目指して参戦していました。ところが,経営困難な状況がチームを襲い,ブラドルとの話し合いの結果,シーズン途中ながら契約を解除し,そのブラドルはアプリリアのワークスチームとなっているアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに移籍しています。そのブルドルが抜けたシートには,テストライダーのC.コルティを第10戦アメリカズGPから起用していましたが,この度チームから発表があり,Moto2クラスの初代チャンピオンであるT.エリアスを起用することになりました。今シーズンのエリアスは,シーズン前にSBKに参戦することになっていました。ところが,その話がキャンセルとなり,いわゆる浪人状態になっていました。そのような状況の中,私たち日本人レースファンが目にしたのは,何といっても8耐への参戦でしょう。Moto2でチャンピオンを獲得していたときに使用していたのが,日本を代表数るコンストラクターの1つであるモリワキです。JRRのJSB1000クラスや8耐においてモリワキのマシンを使用しているのがプレーイングマネージャーとして活躍している山口辰也のチームであるTOHOレーシングで,モリワキとの縁からそのTOHOレーシングから参戦しました。MotoGPでは,負傷欠場が続いたK.アブラハムの代役としてABモーターレーシングから第10戦に参戦しました。しかし,その後はこれといったシートを得ることができない状態になっていて,この度フォワード・レーシングから残りの5戦に参戦することになりました。
2015/09/1(火)
☆貫禄(JRR)
○第6戦の決勝レースが,スーパー・フォーミュラとの併催となる「2&4」で我が大分県にあるオートポリスにおいて開催されました。今回のJRRは,最高峰のJSB1000クラスのみの開催です。レース序盤は,MuSASHi RTハルクプロの高橋巧がトップに立ち,それを3台のマシンが追うという状況となりました。ポールからスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は,スタートで出遅れたこともあって序盤こそは2位,3位の位置につけていたものの,状況を見据えてからトップに立つと,後はファステストラップを刻んだりして後続との差を広げると,王者らしい貫禄のレースを展開し,圧勝で4連勝をマークしました。2位,3位には,それぞれヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也,TeamGREENの渡辺一樹が入っています。序盤レースを引っ張っていた高橋でしたが,8耐と同様マシン性能の差は埋めがたく,最終的に4位でチェッカーとなっています。日本GPでワイルドカード参戦となる中須賀と高橋ですが,明暗を分ける今回のレースとなりました。

☆好スタート(SF)
○第5戦の決勝レースが,秋らしい好天に恵まれたオートポリスで行われました。3番グリッドからスタートしたPETRONAS TEAM TOM’Sの中嶋一貴は,抜群のスタートを切ってホールショットを奪うと,2位に1秒ほどの差をつけてトップの座を守っていきました。その2位につけたのは,KYGNUS SUNOCO Team LeMansの小林可夢偉で,しばらくは元F1ドライバーによるワンツー走行となりました。その二人の後を,ポールからスタートしたランクトップをいくP.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明がつけました。トップ3の中でいち早くピットインしたのは可夢偉で,中嶋と石浦はレース後半までピットインを延ばす作戦を採りました。ピットアウトした小林の前に現われたのは,中嶋のチームメイトであるA.ロッテラーでした。スタートでジャンプスタートを切ってしまってドライブスルーペナルティーを科されたロッテラーは,その後も思うようにペースが上がらず,そのロッテラーを小林は交わせないままロッテラーがピットインするまで走行を続ける状態になり,結果的に中嶋の援護射撃となりました。トップを走行の中嶋は燃料補給のみのピットイン,2位の石浦は燃料とタイヤ2輪の交換のピットインを敢行し,そのこともあってピットインによる順位変更もなく,レースは進んでいきました。そして,石浦との差を見ながらの走行を展開した中嶋がトップでチェッカーを受け,今季初優勝を飾りました。2位に石浦が入り,ランクトップの座を守っています。いち早くピットンした小林は,3位でのチェッカーとなりました。

☆2年ぶり(MotoGP)
○第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースが,不安定な天候のミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリで行われました。MotoGPクラスは,スタート時はドライコンディションだったものの,その後雨が降り,そして雨が上がるという状況となりました。MotoGPクラスのみ天候に合わせてマシンの乗り換えができる「フラッグトゥーフラッグ」というシステムがありますが,今回は不安定な天候のためほとんどのライダーが2回マシンを乗り換える事態となりました。そのような中でトップに立ったのは,今シーズン思うような結果を残せていないレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。ポールからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが,今季初の転倒リタイアを喫するというスリッピーなコンディションだったため,後続との差を見ながら慎重に走行を続け,最終的に2位に7秒以上の差をつける独走で今季4勝目を挙げました。2位に入ったのは,ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のマシンを駆るB.スミスでした。8耐王者である彼にとって,これが最高峰クラスでの自身最高位となります。レース中に転倒を喫するという状況にもかかわらず,再スタートを切って見事に3位表彰台を獲得したのは,こちらはホンダのサテライトチームであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのマシンを駆るS.レディングでした。2,3位を異議リズ陣ライダーが占め,イギリス人ファンにとっては願ってもない形でのレースとなりました。ランクトップを行くモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは5位でチェッカーとなり,ランク2位のロレンゾがノーポイントでしたから,ポイント差をさらにつけることになりました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたランクトップを行くアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,一時3位にポジションを下げることはあったものの,トップに立つと後続との差を広げていき,2位に4秒弱の差をつけて3戦連続今季6勝目を飾りました。3番グリッドからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトは,オープニングラップで他車と接触してしまって8位に順位を下げましたが,徐々に順位を回復していき,最終的に2位に入って3戦連続今季8度目となる表彰台を獲得しました。私たち日本人レースファンにとって今回のレースで注目となったのは,何といってもイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶でした。ここ数年思うような結果を残せておらず,ファンはもちろん,何より本人が一番歯がゆい思いをしていたことでしょうが,この地でこの世を去った故富沢翔也選手の魂が宿るこのサーキットで,トップのザルコには差をつけられたものの,2位争いを展開しました。残念ながらラバトに交わされて3位にはなったものの,4位に1秒以上の差をつけて3位でチェッカーを受け,見事2年ぶりとなる表彰台を獲得しました。
Moto3クラスは,ポールからスタートしてホールショットを奪ったグレシーニ・レーシング・チームMoto3のE.バスティアニーニが,5台による僅差でのレースを展開していき,キャリア31戦目にして初の優勝を飾りました。6番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのM.オリベイラは,惜しくもトップから1000分の37秒差で2位となりました。3位には,オンゲッタ・リバコールドのN.アントネッリが入っています。レオパード・レーシングの尾野弘樹は16位でチェッカーを受けましたが,CIPの鈴木竜生は16周目に転倒リタイアに終わっています。
2015/09/11(金)
☆1年落ち(F1)
○F1が抱える課題について議論するF1ストラテジーグループ(メルセデスAMG,レッドブル,ウィリアムズ,フェラーリ,マクラーレン,フォース・インディアで構成)が,来季に向けて1年落ちのエンジン使用を認めるということについて話し合いを行うことになったようです。通常は,その年のエンジンを使用するのですが,昨シーズン資金難からシーズン途中でF1から撤退したものの,新たな体制を組んで再び復帰したマノー・マルシャは,フェラーリの2014年型エンジン使用を特別に許可されて参戦しています。以前のV8の頃は,エンジン使用に関わる費用が700万ポンドだったのが,現在のエンジンでは,その倍以上の1500万〜2000万ポンドへと高騰しているといわれています。F1の中に少なからずいる資金難に苦しむチームにとって,今回もたれる話し合いはまたとないものとなります。また,エンジンを供給するメーカーにとっても,資金面や供給先の選択肢という面で好影響がありますから,歓迎する動きといえます。
2015/09/10(木)
☆ワイルドカード(MotoGP)
○10月11日(日)に決勝レースを迎える第15戦日本GPに関して,ホンダから同社のマシンを使用してワイルドカードで参戦するライダーとチーム体制について発表がありました。ぞれによると,まず最高峰のMotoGPクラスには,HRCのテストライダーで,JRRのJSB1000クラスにフル参戦している高橋巧が参戦します。JRRではMuSASHi RTハルクプロから参戦していますが,日本GPでは,HRCが主体となった「Team HRC with NISSIN」から参戦することになりました。マシンのカラーリングについても発表があり,HRCにしてもNISSINにしても,どちらもホンダ系のメーカーらしくトリコロールがコーポレートカラーですから,高橋のマシンも白を基調に赤と青のラインなどが入ったものになっています。使用するマシンはRC213V,ゼッケンは72です。Moto2クラスは,元GPライダーで,JRRのJ-GP2クラスにMORIWAKI RACINGからフル参戦し,昨年はチャンピオンを獲得している高橋裕紀と,こちらも元GPライダーで,今年はアジアロードレース選手権にT.Pro Yuzy HONDA NTSからフル参戦している小山知良が参戦します。もちろん高橋はMORIWAKI製の,小山はNTS製のマシンを駆ります。Moto3クラスには,今シーズンJRRのJ-GP3クラスにMuSASHi RTハルクプロからフル参戦している水野涼と栗原佳祐の高校生ライダーコンビが参戦します。もちろん両者が駆るマシンは,NSR250Rです。なお,ヤマハからは,MotoGPクラスに中須賀克行がヤマハ60周年を記念したカラーリングを施したマシンを駆って参戦することが決まっています。
2015/09/09(水)
☆供給か?(F1)
○ルノー製エンジンのワークス的立場にあるのは,現段階でレッドブルです。エンジン,車体共にブランニューとなる前までは,S.ベッテルが4年連続チャンピオンを獲得したりして,両者の関係はまさに蜜月ともいえる状況でした。しかし,現在のエンジン,車体になってからは,ルノー製エンジンのパワー不足,信頼性不足により成績が振るわず,それに比例するかのように両者の関係は冷え切った状況になっています。さらに,まだ噂段階ではあるものの,ルノーがロータスを買収し,そこをワークスチームにするという計画がほぼ成立間際になっているという状況になっていて,2016年までの契約はあるものの,両者の決別は時間の問題といわれています。当然レッドブルは新たな供給元を見つけなければならないわけですが,当初その新たな供給元はメルセデスではないかといわれていました。しかし,メルセデスAMGをワークスチームに据えているメルセデスにとって,有力チームであるレッドブルに供給することは,現在一人勝ち状態にあるメルセデスAMGの成績が下がる可能性を秘めているわけで,レッドブルが供給を受けることは絶望的だと見られるようになりました。後はホンダという選択肢がありますが,現在の成績,何よりマクラーレンを最優先していることからこの選択肢もあり得ません。残るはフェラーリとなりますが,メルセデス的に考えれば,当然ワークスチームであるスクーデリア・フェラーリの立場を危うくする可能性があるわけで,供給が難しそうなのですが,何とフェラーリは供給に前向きな姿勢を見せているようです。フェラーリの考えとしては,確かに強力なライバルを陣営に迎えることになるわけですが,「より強い相手がいれば競争はおもしろくなる」というもののようなのです。まさに,これまでずっとF1を支えてきたメーカーならではの考え方なのかもしれませんね。
2015/09/08(火)
☆Moto2でも(MotoGP)
○シーズンの後半に入ってきて,それぞれのレースカテゴリーでは来季に向けての動きが出てきています。MotoGPでも,最高峰のMotoGPクラスで徐々に来季のシートが埋まってきています。それはMotoGPクラスに限らず,他のクラスでも今後更に動きが出てきます。その表れとして,MotoGPクラス直前のクラスであるMoto2クラスでも,来季の契約について発表がなされています。まず,今シーズン一番気になるライダーについても,発表がありました。そのライダーとは,今シーズンここまでランクトップをいくアジョ・モータースポーツのJ.ザルコです。先日行われた第12戦イギリスGPで今季5度目となるトップチェッカーを受け,11戦連続表彰台を獲得。ランク2位に85ポイント差をつけて独走状態に入っているザルコですが,来季については,最高峰クラスにステップアップするのではないかという噂が出ていました。実際,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングをはじめ,ホンダの市販車を使って最高峰クラスにも参戦しているチーム・アスパーなどがザルコ獲得に向けて動いていました。しかし,ザルコが選んだのは,来季の現在と同じ体制でMoto2クラスに参戦するということでした。昨シーズンのチャンピオンであるT.ラバトが,このクラスで初めてチャンピオンを獲得しても翌年も残留したのと同じ動きです。どうやら,有力なシートの獲得が難しいため,Moto2クラスになって未だに誰も達成していない2年連続チャンピオンを獲得し,さらに価値を高めて2017年シーズンにさらによいシートを獲得することが狙いなのかもしれません。そのザルコの発表よりも先に体制発表があったのが,ドイツに拠点を置くダイナボルト・インタクトGPです。同チームは,2012年にMoto3クラスでチャンピオンを獲得したS.コルテセが,その翌年にMoto2クラスにステップアップした際に結成されました。参戦3年目となっている同チームですが,これまではコルテセの1台体制でシーズンに臨んできていました。しかし,ステップアップして以来,これまで表彰台獲得は1度のみで,期待された成績は残せていません。そうした状況を打破するためか,来季は2台体制で臨むことになり,その2人目のライダーが9月3日(木)に発表されました。新たに発表されたライダーは,今シーズンAGRチームからフル参戦しているJ.フォルガーです。ドイツ人ライダーであるフォルガーの採用により,来季のダイナボルト・インタクトGPは,オールドイツという体制となります。こうした体制となるのは,1996年のHBホンダ(オールドファンには懐かしい響きですね。現在MotoGPクラスにフル参戦しているS.ブラドルの父H.ブラドルが,ドイツのタバコブランドHBのカラーであるイエローのマシンを駆ってこのチームから250ccクラスに参戦していたことが思い出されます。)が,ドイツ人ライダーであるR.ワルドマン&J.フークスの体制で臨んで以来となります。
2015/09/07(月)
☆圧勝(F1)
○第12戦イタリアGPの決勝レースが,超高速サーキットの1つであるモンツァ・サーキットで行われました。いつものようにポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,順調にスタートを決めると,これまたいつものように後続との差をどんどん広げていきました。それに対して,予選2番手を獲得したフェラーリのK.ライコネンは,本人のミスなのかマシントラブルなのかは不明ですが,スタートでアンチストール機能が作動してしまい,何と最下位まで順位を下げていきなりトップ争いから脱落しました。3番グリッドからスタートしたフェラーリのS.ベッテルは,順調にスタートを切ったものの,ハミルトンのペースについて行けず,2番手の位置は守りつつも,トップとの差は広がっていきました。4番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのN.ロズベルグは,前のグリッドに位置しているライコネンの影響を受けてしまって2つポジションを下げてしまいました。すぐに1つ順位を戻しましたが,その前を行くのが,同じメルセデスエンジンユーザーであるウィリアムズのV.ボッタスでした。ロズベルグがトラブルにより中古のエンジンを搭載していることも影響してか,なかなかボッタスを交わすことができず,上位2台との差が広がっていきました。ピット戦略でウィリアムズを交わしたロズベルグは,その後ペースアップを果たして2位のベッテルとの差を縮めていきましたが,最終盤に入って中古エンジンが耐えきれなかったのか出火してしまってリタイアとなってしまい,3位には,チームメイトとのバトルを制してウィリアムズのF.マッサが立ちました。結局トップ3はそのままの順位でチェッカーとなり,ハミルトンが独走で今季7勝目を飾りました。ランク2位につけているロズベルグがリタイアしたことにより,チャンピオン争いは完全にハミルトンの独走状態となりました。超高速サーキットに苦しむマクラーレン・ホンダ勢は,決勝でも明るい兆しは全く見られず,J.バトンは1周遅れの14位でチェッカーとなりました。F.アロンソは,最終盤に入ってパワーを失ってストップしてしまい,リザルト的には完走扱いの18位で終了となりました。
2015/09/06(日)
☆独占阻止(F1)
○第12戦イタリアGPが,パワーサーキットとして知られるモンツァ・サーキットで行われました。予選セッションまでの全セッションでトップタイムをマークしてきたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,予選でもその速さを遺憾なく発揮し,見事7戦連続となるポールを獲得しました。これまでのレースでは,予選2番手にチームメイトのN.ロズベルグがつけるのが恒例になってきましたが,今回は違っていました。「ティフォシ」として知られる熱狂的なファンの声援に後押しをされ,フェラーリがメルセデスのフロントロー独占を阻止したのです。前後に2台連なって走ることにより,トップスピードを上げるという作戦をとったフェラーリは,これが功を奏し,ハミルトンのタイムは上回れなかったものの,ロズベルグのタイムを上回り,K.ライコネンが2番手,S.ベッテルが3番手タイムをマークしました。フェラーリ勢にタイムを上回れたロズベルグですが,実は今回新スペックのパワーユニットを投入しているのですが,直前のフリー走行でこの新ユニットに不具合が見つかり,急遽前戦ベルギーGPで使用したエンジンに載せ替えるという不運見舞われていたのです。これが要因となったのか,フェラーリのベッテルにわずかコンマ1秒おくれをとっての4番手となっていました。パワーサーキットのモンツァだけに,苦戦が予想されているマクラーレン・ホンダ勢ですが,その予想に違わず予選でも苦労し,J.バトン,F.アロンソ共にQ1で敗退となり,バトンが16番手,アロンソが17番手で予選を終えています。
2015/09/05(土)
☆いつものように(F1)
○第12戦イタリアGPがモンツァ・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。いつものようにメルセデスAMGによるワンツーで1回目のフリー走行が終了し,午後からは2回目のフリー走行が行われました。セッション中盤に入って各チームはソフトタイヤを投入してタイムアタックが始まりました。ここでトップタイムをマークしたのは,1回目のフリー走行でトップタイムをマークしたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。それに次いで2番手タイムをN.ロズベルグがマークしました。二人のタイム差は,わずか1000分の21秒差でした。セッション後半に入ると,各チームは決勝を見据えてロングランを開始したためタイム更新はなく,今回もメルセデスAMG勢によるワンツーで初日を終えています。総合3番手タイムをマークしたのは,メルセデスAMG勢に更新されるまではトップタイムだったフェラーリのS.ベッテルでした。1回目のフリー走行でも,ベッテルが3番手タイムでした。マクラーレン・ホンダ勢ですが,今回は第8戦オーストリアGPから投入していたショートノーズのフロントウィングではなく,低ドラッグの空力パッケージが求められるイタリアでは,それまで使っていたロングノーズを再度使用しています。ただし,ロングノーズの使用は今回が特別となっていて,次戦からはショートノーズが再登場することになっています。ただ,ロングノーズを投入するだけで成績が好転するはずはなく,F.アロンソは初日総合16番手でした。J.バトンに至っては,2回目のフリー走行はわずか3周の走行にとどまり,総合19番手で初日を終えています。
2015/09/04(金)
☆残留(F1)
○ウィリアムズ・マルティニ・レーシングから発表があり,今シーズン同チームのレギュラードライバーを務めているF.マッサとV.ボッタスとの契約延長が成立しました。これにより,ウィリアムズのこのコンビは,来季で3年目となります。今シーズンで契約が切れる両者でしたが,どちらもチーム側がオプションを握っていて,今回の契約延長は,そのオプションを行使してのものだったようです。今年34歳になったマッサは,2013年シーズン限りでフェラーリのシートを失い,2014年からウィリアムズに所属してきました。その間,4度の表彰台を獲得しています。もう一人のボッタスについては,今後のF1でさらなる活躍を見せるであろうドライバーの中の一人として注目されている有力ドライバーです。実際,K.ライコネンがフェラーリでのシートを失うのではないかと噂されていたとき,その空いたシートに座る可能性が最も高いのが彼だといわれていました。その後フェラーリの状況に変化が見られるようになり,先日ライコネンの残留が発表されました。それに伴い,ボッタスのウィリアムズ残留も確実視されていました。そして,その予想通り,今回の契約延長となっています。今回の決定により,来季の残るF1シートは,およそ半分となっています。
2015/09/03(木)
☆支払保留(F1)
○現在ロータスは,資金不足に悩まされています。7月には,ロータスが多額の負債を抱えているため,債権者から法的手続きが取られたことが明らかになりました。また,ハンガリーGPでは,ピレリへの支払いが滞ったため,FP1スタート直前までタイヤを受け取ることできませんでした。さらに,昨年のリザーブドライバーであったS.ピックが,契約で決まっていた日数分ステアリングを握らせてもらえなかったとして法的措置を取り,そのことが原因となって,ベルギーGPにおけるロータスはマシンと機材をサーキット外に出すことを禁じられました。そうした資金不足の原因についての報道があり,それはレギュラードライバーの1人であるP.マルドナドがチームに持ち込んでいるベネズエラの石油関連会社PDVSAのスポンサーマネーが支払われていないからのようなのです。現在ロータスは,ルノーによる買収交渉が行われているのはほぼ間違いないようです。このことと連動して来季のドライバーが誰になるかは不透明になりますので,PDVSAとの契約事項にある来季もマルドナドを起用するという契約分5,000万ドル(約60億円)の請求をルノー側がストップしているということです。買収交渉をしているルノーや,F1界のボスであるB.エクレストンによる支援が裏側であるようで,ロータスは何とか今週末に行われるイタリアGPにも出場が可能になっているようです。ただ,来季のドライバーに関しては,買収成立後も現在のドライバーが継続して起用される可能性が高いようなので,もしそうなるとPDVSAの資金が無事支払われることになり,資金的な問題も解消していくのかもしれません。
2015/09/02(水)
☆契約延長(F1)
○フォース・インディアから発表があり,レギュラードライバーの1人であるN.ヒュルケンベルグとの間で,2年間の契約延長が成立しました。今回契約延長を結んだヒュルケンベルグは,2010年にウィリアムズからF1デビューを果たしました。しかし,この年でF1でのシートを失い,2011年シーズンはフォース・インディアのリザーブドライバーとしての契約を結び,何とかF1との関わりを継続しました。そして,2012年にフォースインディアでレギュラードライバーに昇格。その翌年には,ザウバーへ移籍しました。しかし,資金難に苦しむザウバーとは1年限りで契約が終了し,2014年から2年契約を結んで再び現在のフォース・インディアに所属しました。F1におけるヒュルケンベルグは,ここまで86戦に出場し,その内48戦が同チームからの出走になっていて,まさにチームとの関わりが深い状態になっています。そして,今回さらに2年間の契約延長が決まり,両者の関係の良好さがうかがえます。フォース・インディアに関しては,ルノーが当チームを買収してワークス参戦するのではないかといわれています。もしそうなると,ヒュルケンベルグはルノーのワークスドライバーということになるわけです。F1での今シーズンのヒュルケンベルグは,ここまでランク12位につけていて,さらにルマン24時間耐久レースにも参戦し,ポルシェの19号車を駆ってA.バンバー,N.タンディと組んで見事優勝を飾っています。現役F1ドライバーがル・マンを制するのは,1991年のJ.ハーバーと以来2人目となります。
2015/09/01(火)
☆移籍(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームであるオクト・プラマック・レーシングから発表があり,今季エストレラ・ガルシア0,0マークVDSからホンダのMotoGPクラス用ワークスマシンであるRC213Vを駆ってフル参戦しているS.レディングとの間で契約が成立しました。同チームは,既にD.ペトルッチとの間で2年間の契約が成立ししていますので,これで来季の体制が決定したことになります。今回契約が成立したレディングは,2013年にマークVDSに所属してMoto2クラスにおいてチャンピオン争いを展開しました。惜しくもチャンピオン獲得には至らなかったものの,その活躍が認められて昨シーズンからMotoGPクラスにステップアップ。所属したのは,同じくホンダのサテライトチームの1つであったGO&FUNホンダ・グレシーニで,この時はオープンオプションクラスへの参戦でした。そして,今シーズンからホンダのワークスマシンであるRC213Vを駆ることになっていたのですが,彼が所属していたグレシーニ・チームがアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニとしてアプリリアのワークスチームになったため,現在のエストレラ・ガルシア0,0マークVDSに復帰してフル参戦し,ロッシが優勝して再度ランクトップに立ったイギリスGPで自己最高位となる6位に入り,現在はランク13位につけています。ワークスマシンを手にしてわずか1年での移籍はびっくりしたのですが,来季から所属することになったプラマックは,昨シーズンもレディングに対してオファーを出していたようです。その時は,RC213Vを駆ることに予定になっていたレディングですから,ある意味当然そのオファーを断りました。しかし,来シーズンのレディングに関しては,まだ正式発表はないものの,昨年のMoto2クラスチャンピオンで,今シーズンはランクトップをいくJ.ザルコの優勝で終わったイギリスGP終了段階で3位につけているエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,来季からMotoGPクラスへのステップアップを果たすとなると,同じチームで,しかもシートは1つですからどちらかがチームを去ることになります。今回の移籍劇には,こうした事情があったと考えるのが普通でしょうね。ただ,今シーズンのプラマックの活躍を見ると,レディングにとっては移籍が正解になる可能性があります。もちろん,今回の契約で彼が来シーズン駆るのは,ドゥカティの最新型のデスモセディチGP15です。
 

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