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最新ニュース

2015/04/30(木)
☆期間短縮(F1)
○例年,そして来年も開幕戦となることが決まっているオーストラリアGPの主催者が,来シーズンの同GPの決勝開催日を4月3日となることを発表しました。近年ずっと3月に開催されてきた開幕戦ですので,4月開催となると1988年以来最も遅い時期の開催となります。ただし,報道によるとシーズン終了時期はこれまで通り11月となるようで,つまりシーズン全体の期間が短縮されることになります。新たに開催を希望する地域が増えていて,開催数の増加が毎年話題となっています。期間短縮,開催数の増加ということは,大会と大会との間を詰めていかないといけないことになります。間が詰まるということは,十分休養が取れないことにはなります。しかし,期間が空いた場合,1つのレースが終わると一旦本拠地であるヨーロッパに戻り,そして次の開催地へ移動することになりますが,詰まった場合,すぐに次の開催地へ移動することになりますから,移動費がかからないことになりますから,参戦に要する資金を節約することができます。近年,資金難に苦しむチームが増えていますから,こうしたことに対応するための動きだということのようです。また,F1人気の衰退が進んできていると言われていますが,レースとレースの間が詰まることで,興味が持続しやすくなるという面もあるようです。
2015/04/29(水)
☆二人とも(MotoGP)
○開幕戦カタールGP後,腕上がりの症状改善のために手術を行ったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,第2戦アメリカズGPと第3戦アルゼンチンGPを欠場し,その間リハビリに取り組んでいました。当初は,母国GPとなる第4戦スペインGPからの復帰を目指していました。しかし,一昨日にスーパーモタードを走らせて腕の状況を確認しましたが,思うような結果が出なかったようで,医師団と相談した結果,3戦連続欠場を決断。この度チームから発表があり,ペドロサの欠場と代役として第2,3戦と同じくHRCのテストライダーを務めている青山博一が出場することになりました。第3戦における青山は,スタートこそ順位を下げたものの,徐々に順位を回復していたときに追突されて転倒リタイアに終わっていました。今度こそトップ10フィニッシュを果たしてもらいたいものです。なお,今回の代役参戦により,自身が持つ日本人ライダー最多出場記録をさらに伸ばすことになります。ところで,ペドロサのチームメイトであるM.マルケスですが,彼はいつもダートトラックでトレーニングをしていますが,4月25日(土)に行ったトレーニングで転倒を喫して左手を強打。大学病院で精密検査を受けた結果,左手小指の骨折が確認されました。プレートで固定する手術を受け,無事終了。現段階では,スペインGPへの出場は問題ないようです。昨シーズンは全てのタイトルを獲得したレプソル・ホンダ・チームですが,今シーズンは二人とも手術を受けるという思わぬ事態に発展していますね。
2015/04/28(火)
☆前進?(F1)
○ゴルフやポロなど世界的に人気のある車を製造しているのが,ドイツを代表するカーメーカーであるフォルクスワーゲン(VW)です。そのVWは,傘下に多くのメーカーを収めていて,アウディやポルシェをはじめ,ベントレー,ブガッティ,ランボルギーニ,セアト,シュコダなどがあります。そのVWグループとモータースポーツとは深い関連があり,VWはWRCやF3などに,アウディとポルシェはWECに,ベントレーやランボルギーニはGTにと参戦しています。そして,かねてからF1への参戦も度々噂されてきました。さらに,その噂に拍車をかける動きが昨年あって,フェラーリでF1のチーム代表を務めていたS.ドメニカリ,BARやウィリアムズ,BMWなどでエンジニアを務めたJ.ザンダー,さらに,フェラーリにおいてシミュレータを担当したG.デリコッリを採用しました。しかし,いまだに噂で終わっていたのが,VWグループで会長を務めてきたF.ピエヒとF1界のボスであるB.エクレストンとの確執にありました。ところが,ここに来て大きな動きがありました。それは,4月25日(土)にVWから発表があり,ピエヒ氏が会長職を辞任したことです。これは,社内における権力闘争に敗れた結果のようです。彼の後を継ぐと見られているのがCEOを務めているM.ビンターコーン氏で,彼はアウディの会長を務めているときにスポーツカーやDTMのレーシングプロジェクトを強力に推進した経歴があり,モータースポーツに造詣が深いようです。そうした人物が,最高峰であるF1にゴーサインを出しても何ら不思議はありません。奇しくも,一応手打ちは行われているとはいえ,相互不信がくすぶっているのではないかと思われているレッドブルとルノーとの関係があり,そのレッドブルがVWに乗り換える可能性が十分考えられます。また,VWにとっても,F1におけるトップチームと提携できることは十分プラスになります。2017年シーズンまでは参戦できないでしょうが,今後それ以降を目指して何らかの動きが始まっていくかもしれません。今後要注目のメーカーとなりそうです。なお,もし参戦となったとき,VWでいくのか,ポルシェなのか,それともアウディなのか,どのブランドでいくのかも楽しみですね。
2015/04/27(月)
☆今季初(JRR)
○2週連続開催となるJRRですが,先週は2&4でJSB1000クラスのみの開催でしたから,全クラス同日開催となると今回が今季初となります。その今季初となる第2戦の決勝レースが,好天に恵まれ,絶好のレース日和となった我が大分県にあるオートポリスで行われました。2週連続開催となるJSB1000クラスは,序盤トップが入れ替わる激しいものとなりました。予選2番手からトップに立ったのが,TeamGREENの渡辺一樹でした。その後,YAMALUBE RACING TEAMの野左根航汰がトップに立つなど,僅差でのレースとなりました。しばらくトップに立っていた野左根でしたが,6週目に野左根と渡辺が接触して野左根が転倒し,惜しくもリタイアに終わりました。16周目に昨年のチャンピオンで,4連覇を目指すYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,渡辺を交わしてトップに浮上すると,他のライダーはそのペースについて行けず,今シーズンの初勝利を地元九州においてポールトゥーフィニッシュで獲得しました。今シーズンフルモデルチェンジとなったYZF-R1ですが,その新型にとっても初勝利となります。中須賀にトップの座を譲りはしましたが,カワサキのホームコースで渡辺が2位表彰台を獲得しました。3位には,単独走行でMuSASHi RTハルクプロの高橋巧が入っています。
J-GP2クラスは,ポールからスタートしたMORIWAKI RACINGの高橋裕紀がオープニングラップを制すると,序盤から徐々に後続との差を広げていき,2位に5秒以上の大差をつけて独走でポールトゥーフィニッシュを達成しました。エスパルスドリームレーシングの生方秀之とNTST.ProProject岩田悟による2位争いは最後まで続き,最終的に生形がこのバトルを制しました。
ST600クラスは,2番グリッドからスタートしたYamaha Thailand Racing Teamの横江竜司がオープニングラップを制しました。しかし,ポールからスタートした伊藤レーシングGMDスズカの大崎誠之が2周目にトップに浮上すると,徐々に後続との差を広げていき,最終的には2位の横江に11秒以上の大差をつけて見事こちらも地元九州でポールトゥーフィニッシュを達成しています。横江のチームメイトであるD.クライサルトが,AKENOSPEED・MICの稲垣誠とのバトルを制して3位表彰台を獲得しています。なお,今シーズン国際A級に昇格し,スポットで参戦した高校1年生のライダーである豊後なしかレーシング倶楽部の清末尚樹は,12位でチェッカーを受け,見事ポイントを獲得しています。我が大分県にあるSPA直入を中心にレース活動を続けてきた大分県の高校生ライダー清末ですが,見事地元で国内最高峰シリーズにおいて結果を残しました。
J-GP3クラスは,ポールからスタートしたTeam RSC真崎一輝が,ファイナルラップの最終コーナーでP.MU 7C HARCの國峰啄磨からトップの座を奪い,デビューとなった全日本で初優勝を飾り,デビューウィンを達成しています。4台によるバトルとなった3位争いは,最終的にMuSASHi RT Jr.の栗原佳祐が制し,こちらも見事全日本初表彰台を獲得しています。
2015/04/24(金)
☆開幕(JRR)
○2週連続開催となるJRRですが,その2週目となる第2戦が,我が大分県にあるオートポリスで開幕します。1週目である鈴鹿サーキットで行われた開幕戦は,SFとの併催である2&4で行われました。そのため,開催クラスは最高峰のJSB1000クラスのみでした。ですから,実質的には全クラスでの開催となる今回の第2戦が本格的な開幕戦となります。第2戦の開幕は予選が行われる明日となりますが,走行は今日から始まり,今日は「合同練習走行」となります。開幕戦はヨシムラの津田拓哉が優勝しましたが,地元九州出身の中須賀克行が2位表彰台に立っています。4年連続チャンピオンを狙う中須賀が,地元でどのような走りを展開するのか。そしてライバルがどのように戦うのか注目です。J-GP2クラスは,元GPライダーで,昨年のチャンピオンであるモリワキの高橋裕紀がGP復帰を狙ってV2を達成する走りを見せるのか。J-GP3クラスでは,若手の中で誰が台頭するのか。ST600クラスは,ワンメークタイヤであるBSタイヤを誰が先に自分のものとするのか。各クラスともいろいろな見所があります。オートポリスでの開催は,レースばかりでなくイベントも注目です。大分,熊本を中心とするご当地グルメが味わえ,各メーカーがブースを出したり,サーキットクイーンコンテストがあります。さらに,カワサキのホームコースであるオートポリスならではですが,今年カワサキが市販を開始するモンスターマシン「Ninja H2」のサーキット専用マシンで,300馬力オーバーを誇る「Ninja H2R」のデモランもあります。ご家族連れでも楽しめる今大会へ,ぜひ皆さんお越しください。
2015/04/23(木)
☆開催消滅?(F1)
○F1にしてもMotoGPにしても,どちらもヨーロッパを中心に栄え,そして開催してきました。しかし,特にF1は,近年新たな開催地が増えてきて,例えば来シーズンからはアゼルバイジャン共和国の首都であるバクーの公道サーキットにおけるヨーロッパGPとしての開催が決まっています。シーズンを通しての開催数には実質的に限界がありますから,新たな開催地ができるということは,その分どこかの開催地がなくなるということになります。最近では,韓国やトルコといった開催地の消滅がありましたが,例えば近年開催されなくなっているフランスGPなど,ヨーロッパでの開催地も減少傾向にあります。フランス,イタリア,ドイツ,イギリス,スペインなどは,これまでの歴史やモータースポーツの認知性等を考慮に入れると,開催されて当たり前という国になります。しかし,先ほど挙げたようにフランスGPが消え,そして今シーズンはドイツGPでさえもカレンダーから外れました。昨年圧倒的な速さを見せてチャンピオンを獲得し,今シーズンもランキングトップをいくメルセデスの母国である国での開催が今シーズンなくなったというのは,かなり衝撃的な事実です。そして,今度はもう1つ信じられない事実が浮上してきているようです。今シーズンは復調を見せ,メルセデスとバトルをしているフェラーリの母国であるイタリアGPが,2017年シーズンは開催できないのではないかという噂です。1950年からF1が世界選手権として開催されて以来,欠かさずに開催されてきたのがイギリスGPと今回話題に上っているイタリアGPです。そのイタリアGPを開催してきたのが,1980年(この時はイモラ・サーキット)を除いてずっとフェラーリのお膝元であるモンツァです。そのモンツァとの開催に関する契約は,2016年シーズンまでとなっています。通常であれば,契約延長の交渉なり発表なりがあってしかるべきですが,F1界のボスであるB.エクレストンによると,「まだ契約を結んでなく,ドイツGPと似たような状況にある」といった趣旨のコメントが出ています。ティフォシたちがひしめくイタリアGPの開催がもしかしてなくなれば,F1人気の陰りが見えている中だけに,さらにその流れが加速するような感じになりそうですね。
2015/04/22(水)
☆アップグレード(F1)
○昨年はメルセデス製のPUを搭載したメルセデスAMGやウィリアムズ,フォース・インディアなどが活躍したシーズンでしたが,メルセデスAMGの好調さには変わりないものの,ポイント獲得がやっとというような感じだったフェラーリが,今シーズンは優勝を含めて表彰台の常連になっています。PU的にはまだメルセデスに追いつけていないフェラーリですが,どうやらその点も解消できる状況となってきているようです。というのも,カナダGPからではないかと思われていたアップグレード版のPUを,3週間後に行われるスペインGPから前倒しで投入するのではないかという予想がドイツの報道機関で出されたからです。これまでは,メルセデスより20馬力以上のビハインドがあるのではないかといわれていました。今回投入されるものは,それを補うほどのパワーアップが図られているのではないかということで,もしそれが本当であれば,ストレートでも勝負できることになります。S.ベッテルが表彰台に立ってきた今シーズンですが,第4戦ではついにK.ライコネンも2位表彰台を獲得しました。2チームの戦いは,さらに激しいものになり,ワンサイドゲームだった昨シーズンのような状況にはなりそうもありません。
もう1つスペインからアップグレードを施すチームがあります。それは,今シーズンからついにF1に帰ってきたマクラーレン・ホンダです。第3戦までの同チームは,徐々に結果は上がってきたものの,予想通り厳しい戦いが続いていました。しかし,第4戦バーレーンGPでは,予選において復活後初めてQ1を突破。さらにそのQ1を突破したF.アロンソが,決勝レースではポイント獲得まであとわずかとなった11位でフィニッシュしました。順位だけでなく,10位に入ったウィリアムズのF.マッサとは4秒弱の差しかなく,タイム的にも向上しました。スペインGPから投入されるアップグレード版でパワーアップが図られ,例えばバーレーンGPの予選ではトップスピードをマークしたマッサよりおよそ時速15qほど遅かったのですが,そうした部分もある程度解消できるようです。もちろん不安要素がないわけではなく,バーレーンでは,電気系のトラブルによりJ.バトンが決勝レースをキャンセルせざるを得ない状況となりました。こうした信頼性の部分でも解消が図られているでしょうが,実戦で実際に走らせてみないと分からない部分もあります。アロンソにとって母国GP。そしてその次はパワーの影響を受けにくいモナコGP。表彰台争いという部分はまだ遠い先ではありますが,マクラーレン・ホンダのポイント獲得がこの2戦でなるか注目ですね。
2015/04/21(火)
☆接触(MotoGP)
○第3戦アルゼンチンGPの決勝レースが,4月19日(日)にアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがトップに浮上すると,2周目には早くもコースレコードを更新する走りを見せて後続との差を広げていきました。10周目には2位に4秒以上の差をつけて独走状態に持ち込む勢いでした。ところが,開幕戦のウィナーであるモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,8番グリッドからスタートし,ラップを重ねる毎にポジションアップを果たし,20周目にサーキットベストを更新する走りを展開。トップをいくマルケスとの差をどんどん削っていきました。そして,残り2周となったところでロッシが逆転。この時,バトルの中でマルケスのマシンがロッシのマシンと接触し,マルケスは転倒してリタイアに終わりました。マルケスとのバトルを制したロッシは,開幕戦以来となるトップチェッカーを受け,クラス84勝,キャリア通算110勝目を挙げました。マルケスの転倒により,2位に浮上したのが,6番グリッドからスタートしたドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでした。今季最高位となる4番グリッドからスタートしたCWM LCRホンダのC.クラッチローは,最終ラップにドゥカティ・チームのA.イアンノーネとの3位争いを制して今季初の表彰台を獲得しました。D.ペドロサの代役として前戦に続いてレプソル・ホンダ・チームから出場したHRCの開発ライダーを務める青山博一は,11位争いを展開している中,ファイナルラップで惜しくも転倒を喫し,リタイアに終わっています。昨シーズンは3冠を達成したレプソル・ホンダ・チームですが,今回は共にリタイアとなってノーポイントレースになってしまいました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,スタートで出遅れて順位を下げましたが,3周目にトップに立つと最速タイムを更新しながら後続との差を広げていき,最後は2秒以上の差をつけて独走でクラス初優勝を飾りました。ザルコのGPにおける優勝は,125ccクラスに参戦していた2011年10月に行われた日本GP以来となります。5番グリッドからスタートしたパギナス・アマリラスHP40のA.リンスが,ザルコに差はつけられてしまいましたが2位でチェッカーを受け,前戦の3位に次ぐ2位でチェッカーを受けました。3位にはスピードアップ・レーシングのS.ロースが入り,こちらも2戦連続表彰台獲得となっています。15番グリッドからスタートしたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,6台による16位争いを展開し,20位で完走しましたが,ポイント獲得には至りませんでした。
Moto3クラスは,前戦のウィナーであるレオパード・レーシングのD.ケントが,この大会でも異次元の走りを展開していて,決勝レースでも後続との差をみるみる広げていき,最後は2位に10.334秒差をつける圧勝で今季2連勝を飾りました。軽量級におけるイギリス人ライダーの2連勝は,何と1971年に行われた第7戦スウェーデンGP&第8戦フィンランドGPを連覇したB.シーン以来45年ぶりとなります。軽量級クラスならではの14人による2位争いとなりましたが,そのバトルを制してケントのチームメイトであるE.バスケスが2位に,ハスクバーナ・ファクトリー・ラグリッセのI.ビニャーレスが3位に入りました。前戦で転倒リタイアに終わっているレオパードレーシングの尾野弘樹は,今季初完走を果たして13位に入り,この日唯一日本人ライダーとしてポイントを獲得しています。CIPの鈴木竜生は,27位で完走となっています。

☆独走&逆転(F1)
○第4戦バーレーンGPの決勝レースが,19日(日)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。前日に行われた予選では,メルセデスAMGのL.ハミルトンが予選トップ,フェラーリのS.ベッテルが予選2番手となり,今回も「メルセデスVSフェラーリ」のバトルが注目されました。しかし,今回のレースウィークでも好調な走りを見せてきたハミルトンは,ホールショットを奪うとトップの座を守り続けていきました。それに対して,2番グリッドからスタートしたベッテルは,スタート後しばらくは2位を走行していきましたが,3番手からスタートしたものの順位を一旦下げたメルセデスAMGのN.ロズベルグの追い上げを受け,8周目に2位の座を奪われてしまいました。その後に行った2回目のピットストップのアウトラップでコースオフを喫し,フロントウィングを損傷して緊急ピットインとなり,トップ争いから脱落してしまいました。しばらくは独走状態のハミルトンとそれを追うロズベルグという形でメルセデス勢のワンツー体勢となりましたが,ここで浮上してきたのが,もう一人のフェラーリドライバーであるK.ライコネンでした。ベッテルとは違ったタイヤ戦略をとったライコネンは,メルセデス勢より遅くピットインして最終スティントでソフトタイヤを選択。メルセデスより1周当り1秒速いタイムを連発しながらトップ2を追いかけました。そして,残り2周目の1コーナーでブレーキトラブルが発生したロズベルグがコースオフを喫してしまい,ライコネンが難なく2位に浮上しました。ファイナルラップには,トップをいくハミルトンにもトラブルが発生して大逆転優勝の可能性が出てきましたが,何とかハミルトンは逃げ切り,今季3勝目を挙げました。2位にライコネンが入り,フェラーリ移籍後,そして今シーズン初の表彰台獲得となりました。3位には,ロズベルグが入っています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,予選でマシントラブルが発生したJ.バトンは,パワーユニットを交換するなどの作業を施しましたが,残念ながら決勝レースをキャンセルしました。マクラーレン・ホンダとしては今シーズン初となるQ1突破を果たしたF.アロンソは,周回遅れにはなったものの,10位まで3秒差に迫りましたが,11位での完走となり,惜しくもポイント獲得には至りませんでした。
2015/04/20(月)
☆逃げ切り(JRR)
○今季開幕戦の決勝レースが,ウェットからドライに変わるコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。今大会はSF.との併催である2&4で行われ,JSB1000クラスのみの開催となりました。ポールからスタートしたのは,ヨシムラの津田拓哉でした。レース開始直後は,その津田と2番グリッドからスタートしたTeamGREENの渡辺一樹とのトップ争いとなりました。徐々に後続が追いついてきて,一時は5台による争いに発展。しかし,徐々に遅れ始めるライダーが出てきて,中盤に入ると津田がペースアップして後続との差を広げようとしました。それを見た今季4連覇を狙うYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が,渡辺をパスして追撃を開始。しかし,津田の勢いは衰えることなく中須賀との差を広げていき,最後は中須賀に2秒以上の大差をつけて開幕戦を制しました。津田と中須賀に差をつけられた渡辺は,単独走行で3位表彰台を獲得しています。

☆ワンツー(SF)
○開幕戦の決勝レースが,JRRとの併催で行われました。ポールから獲得したのは,TEAM 無限の山本尚貴でした。しかし,スタートで出遅れてしまって順位を下げ,それに替わって3番グリッドから好スタートを決めたPETRONAS TEAM TOM’SのA.ロッテラーが1周目に早くもトップに立ちました。それに呼応するかのように,昨年のチャンピオンで,ロッテラーのチームメイトである中嶋一貴が5番グリッドから好スタートを切り,こちらも1周目に2番手まで順位を上げました。2周目にファステストラップを刻みながら逃げ切りを図るロッテラーは,順調に後続との差を広げていきました。ピットストップのタイミングの違いでトップの座は変わりましたが,ピットストップが全て完了した頃にはロッテラーが独走状態になりました。それに対して,中嶋と山本との間で激しい2位争いがファイナルラップまで続いていきました。ところが,そのファイナルラップで何と山本のマシンから白煙が上がるトラブルが発生してマシンをストップせざるを得ない状況となり,中嶋が2位でチェッカーを受けてPETRONAS TEAM TOM’Sのワンツーフィニッシュとなりました。山本の脱落により,その時点で4位を走行していた今シーズンLenovo TEAM IMPULからDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに移籍したN.カーティケヤンが3位に浮上し,移籍初戦で3位表彰台を獲得しました。F1でのシートを失い,今シーズンSFにフル参戦することになったKYGNUS SUNOCO Team LeMansの小林可夢偉は,10番グリッドからスタートしました。一番最初にピットインすることで,前方がクリーンな状況で最後まで走り切る作戦をとった可夢偉でしたが,徐々にタイヤの劣化に苦しみ,11番手まで順位を下げてしまいました。しかし,ファイナルラップで2台がストップするという状況に助けられ,9位でチェッカーを受けています。
2015/04/17(金)
☆スペシャルタイヤ(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目となるのが,今日から始まる第3戦アルゼンチンGPです。昨年から再びGPに復活した同大会ですが,その開催地は,2008年に新しく開設されたアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドです。このサーキットは,右コーナーが9,左コーナーが4の時計回りのレイアウトになっています。そして,昨年の走行データを分析すると,コースレイアウトの特徴から,左高速コーナーである6コーナーと11コーナーでかなり発熱することが予想されるようです。そのため,オフィシャルタイヤを供給するブリヂストンは,リアタイヤにエキストラハードのタイヤを投入することにしたようです。このスペックタイヤは,この大会のみで使用されることにもなるようです。今回投入されるエキストラハードのタイヤは,黄色のカラーリングが施されるということで,ファクトリーオプションはその黄色と赤が施されたハード,オープンオプションはその赤と黒のカラーリングが施されたミディアムの組み合わせとなるようです。MotoGPをテレビやネットでご覧になる方は,それを頭に入れてご覧になるのも楽しみ方の1つかなと思います。
2015/04/16(木)
☆残留?(F1)
○今シーズンのF1で躍進を見せているのが,昨年は1勝もできなかったばかりか,表彰台さえもままならないという大不振の年を過ごしたフェラーリです。そのフェラーリのマシンを駆るのが,チャンピオン経験者のS.ベッテルとK.ライコネンです。昨年のライコネンといえば,マシンとのマッチングに苦しみ,リザルト的にチームメイトだったF.アロンソに大きな遅れをとっていただけでなく,F1に参戦すること自体にあまり意味を見いだせていないかのように雰囲気を出していました。特に,ライコネンの場合,2009年限りでF1から引退し,2年間にわたってWRCにフル参戦するという経歴を持っているだけに,引退する事へのハードルが低くなっているとの印象がありますから,今シーズンも不振が続くと,再び引退するのではないかという噂がまことしやかに囁かれていました。ところが,今シーズンはマシンとのマッチングがうまくいっていて,いくつかの不運からまだ表彰台争いに加わるという状況にはなっていませんが,昨年とは雲泥の差が見られています。こうした状況もあってか,今シーズン限りでF1を去るであろうという噂が大半を占めていた状況から,来シーズンも残留するのではないかという噂が浮上してきています。2010年にWRCからロータスに所属してF1に復帰したライコネンは,昨シーズンからフェラーリとの間で2年契約を結んでいます。ということで,今シーズンがその契約の最終年となります。これもまたライコネンの引退の噂に拍車をかけていたわけですが,来シーズンに関しては,オプション契約があり,チーム側が望めば,契約延長に至ることになります。『アイスマン』の異名をとり,人間関係に気難しさが見られるライコネンですが,ベッテルに関しては,かねてから良好な関係があり,チームメイトになってからも,現段階ではその関係に変化は見られません。こうした状況は,チームにとっても望ましいものに映っているでしょう。もちろん今後の成績しだいではありますが,チームそしてライコネン側も契約延長に向けてシフトしていく可能性が高いのかもしれません。
2015/04/15(水)
☆投入(F1)
○今シーズンから再びマクラーレンとタッグを組んでF1にフル参戦を開始したホンダですが,予選においてはここまでQ1突破ができておらず,決勝レースでも下位争いに終始していて,シーズン前の予想通り厳しい戦いが続いています。それでも,徐々に他チームとのギャップが縮まっているのも確かです。ホンダとしてはまだ信頼性を重視していて,本来はもっとパワーがあるPUなのですが,意図的にパワーを絞ってレースに参加しています。信頼性向上と共に徐々にパワーを上げていて,週末に行われた中国GPでは,さらにパワーを上げたのに2台共に完走を果たして,開幕戦から考えると信頼性がアップしていることを証明しました。こうした状況の中,チームのレーシングディレクターであるE.ブーリエが,5月10日(日)に決勝レースを迎える第5戦スペインGPから,新スペックのPUを投入することを明らかにしました。それを前に,今週末に行われるカタールGPでは,さらにパワーアップを図ってレースに臨むことになるようです。また,新スペックのPUが投入されるスペインGPでは,空力に関しても新しいパッケージが投入されることにもなるようです。
2015/04/14(火)
☆連続トップ(JRR)
○今週末からいよいよJRRが鈴鹿サーキットで開幕し,しかも,再来週は我が大分県にあるオートポリスで第2戦が開かれるという連戦となります。その第2戦の会場であるオートポリスで,先週3日間にわたって事前テストが行われました。遅ればせながら,その結果についてお伝えします。まず初日となった4月8日(水)ですが,トップタイムをマークしたのは,このサーキットを得意とするヨシムラの津田拓哉でした。2,3番手をマークしたのは,それぞれMuSASHiRTハルク・プロの高橋巧とTeam GREENの渡辺一樹でした。2日目となる9日(木)は,初日3番手タイムだったTeam GREENの渡辺一樹がトップタイムをマークし,この時のタイムが今回のテストにおける総合トップタイムとなりました。今回のテスト以前に鈴鹿で行われた事前テストにおいても,渡辺一樹が総合トップタイムでしたから,事前テストで連続トップということになります。2番手タイムをマークしたのは,今シーズンからヤマハのワークスサポートを受けることになっているYAMALUBE RACING TEAMの野左根航汰でした。3番手は,初日2番手の高橋巧でした。3日目となる10日(金)ですが,この日はタイヤメーカー枠になっていて,初日に4メーカー合同枠を走ったライダーは参加できませんでした。しかも,ウェットコンディションであり,ある意味オートポリス名物でもある霧に見舞われてしまいました。そのような中でトップタイムだったのは,今年チームを移籍してau & テルル・Kohara RTからフル参戦することになっている『宇宙人』の異名をとる秋吉耕祐でした。これは,荒れたコンディションでも異常な速さを見せる『宇宙人』秋吉らしい結果といえます。さて,連戦となるJRRですが,どのような結果になるかとても楽しみですね。ただ,開幕戦は2&4ですから,レースはJSB1000クラスのみの開催で,全クラスが走行するのは第2戦オートポリス大会となります。
2015/04/13(月)
☆3年連続ウィン(MotoGP)
○第2戦アメリカズGPの決勝レースが,ドライコンディションのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。MotoGPクラスは,このサーキットを得意とするポールスタートのレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,一旦は順位を落としたものの,4周目にトップに立つと後続との差を広げていき,今季初優勝を飾りました。2013年からMotoGPが開催されているこのサーキットですが,最高峰クラスは開催から3年連続してマルケスが勝利していることになります。トップから2秒以上遅れたものの,2位表彰台を獲得したのは,開幕戦でも2位に入っているドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾでした。その開幕戦で勝利したモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが3位に入り,ランキングトップの座を守っています。腕上がりの症状改善のための手術により欠場しているD.ペドロサの代役としてレプソル・ホンダ・チームから参戦した青山博一は,11位完走を果たしています。
Moto2クラスは,2番グリッドからスタートしたスピードアップ・レーシングのS.ロースが,14周目にトップに立つと後続との差を広げていき,2いにおよそ2秒の差をつけて自身初優勝を飾りました。4番グリッドからスタートしたアジョ・モータースポーツのJ.ザルコが,このクラスで自身最高位となる2位でチェッカーを受けました。3位には,パギナス・アマリラスHP40のA.リンスが入っています。予選で6番グリッドを獲得して決勝レースに期待が持たれたイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は10位に入り,昨年9月に行われた第13戦以来となるトップ10フィニッシュを達成しています。
Moto3クラスは,ポールからスタートしたレオパード・レーシングのD.ケントが,トップに立つと後続との差をどんどん広げていき,最後は2位に8秒以上の大差をつける圧倒的な走りを見せてトップでチェッカーを受けました。ケントの優勝は,2012年の最終戦以来となりますし,ポールトゥーフィニッシュとなると,その年の日本GP以来となります。5台によって争われた2位争いを制したのは,エストレラ・ガルシア0,0のF.クアルタラロで,3位にはレオパード・レーシングのE.バスケスが入っています。なお,昨シーズンからこのクラスに力を入れているホンダですが,今回のレース結果により,ランクトップ6は全てホンダ勢となっています。なお,フル参戦している日本人勢ですが,残念ながら尾野弘樹も鈴木竜生もどちらもリタイアに終わっています。

☆確執再燃?(F1)
○第3戦中国GPの決勝レースが,ドライコンディションの上海・インターナショナル・サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,オープニングラップからトップの座を守っていきました。第2戦の時のようにタイヤ交換でどうなるか注目されていましたが,何事もなく推移していき,レース途中ではタイヤを温存することもあってペースを落とす余裕も見られました。ハミルトンのトップは最後まで揺るがず,見事今季2回目となるポールトゥーウィンを飾りました。2番グリッドからスタートしたチームメイトのN.ロズベルグも,スタートからその座を守って走行し,後続との差を広げていきました。しかし,ハミルトンが行った意図的なペースダウンの影響を受けてしまい,3位を走行していた第2戦のウィナーであるフェラーリのS.ベッテルとの差がどんどん縮まっていってしまいました。無線でペースアップするようチームに要求したりして一時ピンチに陥りましたが,最後までその座を守りきって開幕戦以来となる2位表彰台を獲得しました。見事にワンツーフィニッシュを飾ったメルセデスAMG勢でしたが,レース終了後のインタビューでハミルトンのペースダウンに関して両者がコメントを発し,昨シーズン明確になってとりあえずは話し合いで収まっていた二人の確執が,再び再燃するきっかけになりそうな雰囲気を出す結果となってしまいました。ただ,予選で上位につけたものが有利になるのは当然ですから,ロズベルグ自身もそのことは十分に分かっているはずなのも確かでしょう。3位には,ベッテルが入っています。マクラーレン・ホンダ勢ですが,ポイント獲得には至らなかったものの,今回は両者共に完走を果たし,F.アロンソが12位,J.バトンが13位でチェッカーを受けました。しかし,49周目に起こったバトンとロータスのP.マルドナルドの接触に関してレース後に審議が行われ,バトンに非があったということで5秒加算のペナルティーが科され,バトンのリザルトが1つ落ちて14位となりました。
2015/04/12(日)
☆3年連続(MotoGP)
○第2戦アメリカズGPの予選が,ドライコンディションのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。MotoGPクラスは,このサーキットで2年連続ポールを獲得しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,Q2が始まって4周目にマシンをコースサイドに止めるという緊急事態が発生しました。急いでピットに戻ってMotoGP心を乗り換えると,ラストアタックでこれまでのサーキットベストを大幅に更新する速さを見せ,見事3年連続ポールを獲得しました。開幕戦で2位表彰台に立ったドゥカティ・チームのA.ドビツィオーゾが2番手タイムをマークし,2戦連続してフロントローを獲得しています。その開幕戦においてヘルメットの内装が外れるというアクシデントにより,それまでのトップ争いから脱落するという事態に陥ってしまったモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが3番手タイムをマークし,今季初のフロントローとなりました。D.ペドロサの代役としてレプソル・ホンダ・チームから参戦している青山博一は,普段開発に携わっているとはいえ,ペドロサが使っているRC213Vで,しかもサーキット自体もRCで走っていないですから,マシンの乗り換えに苦労して18番グリッド獲得にとどまっています。
Moto2クラスは,開幕戦で2位表彰台を獲得したフェデラル・オイル・グレシーニMoto2のX.シメオンが,サーキットベストをおよそコンマ2秒更新する速さを見せ,今季初,自身通算2度目となるポールを獲得しました。今大会通算3度の転倒を喫しながらも,スピードアップ・レーシングのS.ロースがトップから1000分の54秒差で2番手タイムをマークし,2戦連続フロントローを獲得しました。開幕戦では,マシンをぶつけられて転倒リタイアに終わるという不運に見舞われたエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,3番手タイムをマークし,昨シーズン終盤から通算6戦連続となるフロントローを獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップからコンマ3秒遅れで6番手タイムをマークし,セカンドグリッドにつけて決勝レースに期待を持たせる結果となりました。
Moto3クラスは,レオパード・レーシングのD.ケントが,サーキットベストを大幅に更新する速さを見せ,昨年の日本GP以来となる自身通算3度目のポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのM.オリベイラが2番手タイムをマークし,一昨年の第8戦以来となるフロントロースタートを決めました。グレシーニ・レーシング・チームMoto3のA.ロカテリが3番手タイムをマークし,自身初のフロントローを獲得しています。ケントのチームメイトである尾野弘樹は17番手,CIPの鈴木竜生は29番手で予選を終えています。

☆3戦連続(F1)
○第3戦中国GPの予選が,ドライコンディションの上海・インターナショナル・サーキットで行われました。開幕戦はメルセデスAMGが制し,2戦はフェラーリが制するという結果になっていて,その2強の争いがどうなるか注目されました。しかし,今回の予選で力を発揮したのはメルセデス側でした。まず,ここまで2戦連続してポールを獲得しているメルセデスのL.ハミルトンが,1分35秒台の驚異的タイムを早い段階でマークし,見事3戦連続ポールを決めました。チームメイトのN.ロズベルグが,わずか100分の42秒届かずに2番手タイムとなり,メルセデス勢のみが1分35秒台を刻んでフロントローを独占しました。第2戦のウィナーであるフェラーリのS.ベッテルが,トップからおよそコンマ9秒という差をつけられて3番グリッド獲得となりました。チームメイトのK.ライコネンが6番手タイムに終わり,予選に関してはメルセデスの圧勝に終わっています。ただし,決勝レースにおけるタイヤ戦略も関係していますから,予選だけでは測ることができないのも難しいところではあります。なお,フリー走行の結果では,Q1突破の可能性があったマクラーレン・ホンダ勢ですが,結局Q1突破には至らず,J.バトンが16番手,F.アロンソが17番手で予選を終えています。
2015/04/11(土)
☆好発進(MotoGP)
○第2戦アメリカズGPが,ウェットコンディションからドライコンディションへと変化する中サーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕しました。MotoGPクラスは,このサーキットを得意とするレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが,フリー走行2でトップタイムをマークし,これが初日の総合1番手となりました。過去2年間ポールトゥーフィニッシュを決めているマルケスですが,3年連続に向けて好発進を切っています。総合2番手タイムをマークしたのは,今シーズンからCWM LCRホンダに所属しているC.クラッチローでした。総合3番手をマークしたのは,開幕戦カタールGPにおいて,最高峰クラス自身初となる表彰台を獲得したドゥカティ・チームのA.イアンノーネでした。腕上がりの症状改善のため手術をしたD.ペドロサの代役として参戦しているHRCテストライダーの青山博一は,トップからおよそ2秒半遅れの16番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,スピードアップ・レーシングのS.ロースが,この日2回行われたフリー走行のどちらでも転倒を喫しながらも,2戦連続となる初日総合トップタイムをマークしました。そのロースからわずか1000分の96秒差で総合2番手だったのが,アジョ・モータースポーツのJ.ザルコでした。このクラス初めてとなるゼッケン1のマシンを駆っている昨年のチャンピオンであるエストレラ・ガルシア0,0マークVDSのT.ラバトが,転倒を喫しながらも総合3番手タイムで初日を終えています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,トップからおよそ1.2秒遅れで総合12番手タイムでした。
Moto3クラスは,開幕戦カタールGPを制したサクソプリントRTGのA.マスボーが,その好調さを維持するかのようにトップタイムをマークし,総合1番手で初日を終えています。総合2番手タイムをマークしたのはA.ロカテリで,これは自身最高位となります。総合3番手タイムは,レオパード・レーシングのD.ケントでした。そのケントのチームメイトである尾野弘樹は,トップからおよそ1.8秒遅れで総合11番手,CIP.の鈴木竜生は,トップから5秒以上遅れの総合33番手で初日を終えています。

☆トップタイムながらも(F1)
○第3戦中国GPが,ドライコンディションの上海・インターナショナル・サーキットで開幕しました。開幕戦オーストラリアGPにおいてはダントツの速さを見せて優勝したものの,第2戦マレーシアGPにおいては,フェラーリのS.ベッテルの後塵を拝した昨年のチャンピオンであるメルセデスAMGのL.ハミルトンが,この日2回行われたフリー走行でどちらもトップタイムをマークしました。ただ,トップタイムではあったものの,昨シーズンからのように安定して速さを見せたわけではありませんでしたから,今日の予選でどのような走りを見せるか気になるところではあります。総合2番手タイムをマークしたのは,前戦マレーシアGPにおいて,スローパンクチャーに見舞われて最下位に落ちながらも,終始速いペースで走行し,4番手でチェッカーを受けたフェラーリのK.ライコネンでした。総合3番手タイムだったのが,レッドブルのD.クビアトでした。この大会でも苦戦が予想されているマクラーレン・ホンダ勢ですが,予想に反して中位陣に加わり,J.バトンが総合10番手,F.アロンソが総合12番手で初日を終えています。
2015/04/10(金)
☆変更(F1)
○今シーズンのレッドブルは,ルノーのワークス的立場にありながら,兄弟チームであるトロ・ロッソの後塵を拝するという事態に陥っています。そのため,低迷の主要因はルノー製のPUにあるとしてルノーにさらなる努力を求めました。それに対して,ルノーはマシン側にも原因があるとして両者の関係は一時期険悪なものになっていました。しかし,昨日もお伝えしたように,話し合いを通して非難の応酬はとりあえず収まっています。確かにルノーのPUのパワー不足は明らかではあるものの,第2戦マレーシアGPにおいては,ブレーキにオーバーヒートが発生したため,D.リカルド,D.クビアトが9,10位に入ってポイント獲得がやっとという状況に陥り,空力を含めたマシン側の問題が露呈した形になりました。こうした状況を受け,レッドブルが明らかにしたところによると,その問題が発生したブレーキに関して,今日から上海・インターナショナル・サーキットで開幕する中国GPでは,ブレーキを2014年生に戻すことになりました。今シーズンはヒトコ製のブレーキを使用していますが,昨シーズンはブレンボ製のものを使っていました。中国では,その2014年型のブレンボを使用することになります。
2015/04/09(木)
☆買収先(F1)
○メルセデスとフェラーリは,どちらも自らのチームを中心に据えながらPUを複数のチームに供給しています。それに対して,ルノーは現在自らのチームを所有しておらず,一昨年までチャンピオンシップの中心にあったレッドブルにワークス的立場でPUを供給しています。しかし,昨年から徐々に両者の間がギクシャクし始め,今シーズンは非難の応酬がしばらくの間見られる状況になってしまいました。ただし,今は両者の話し合いにより,非難合戦は表向き収束状態にあります。とはいえ,水面下でそれぞれ動きがあるようです。ルノーとしては,仮に成績が向上したとしても,それはレッドブルの手柄のようなものになりますから,努力の割には報われないというものがあるかもしれません。そうした状況の中で浮上している噂が,ルノーがチームを買収し,メルセデスやフェラーリのようにワークス参戦するのではないかということです。その買収先として以前から名前が挙がっていたのが,レッドブルの兄弟チーム的立場にあるトロ・ロッソでした。しかし,ここにきてその流れに変化が生じてきているのではないかという噂が浮上しているようです。どうやらトロ・ロッソとしては,レッドブルとの関係性をこのまま保ちたいという意向が強いようなのです。もし同チームの買収が困難だとすると,あと噂として名前が挙がっているのが,資金難に苦しむザウバーとフォース・インディアです。しかし,フォース・インディアは,早い段階で噂を否定。また,ザウバーに関しては,買収額がルノーが準備できる買収金額を上回っているのではないかということです。そこで,現在最も有力視されてきているのがロータスなのではないかということです。今シーズンからメルセデス陣営に加わった同チームですが,それまではルノー陣営の一員でした。ですから,関係性を持つのはそれほど難しくないでしょう。とはいえ,2020年までの契約をメルセデスと結んだばかりですから,簡単に買収というわけにはいかないようです。今後の推移が気になるところですね。
2015/04/08(水)
☆前倒し(F1)
○昨シーズンは,圧倒的な速さと強さを見せてドライバーとコンストラクターでチャンピオンを獲得したメルセデスは,開幕戦オーストラリアGPにおいてもライバルを寄せ付けない走りを見せてワンツーフィニッシュを達成しました。今シーズンも,昨シーズンと同様にメルセデスの一人舞台になるのかと思わせられながら迎えた第2戦マレーシアGP。しかし,ここでは,ピットイン戦略の違いという要素はあったものの,タイヤに対する負荷,走りのペース等を考慮に入れると,優勝したフェラーリに完敗となったレースでした。そうした中,今週末は上海・インターナショナル・サーキットで第3戦中国GPが開催されます。灼熱のマレーシアGPでしたが,今回はそれよりはかなり涼しい中でのレースとなります。ワンメークタイヤを供給するピレリもコメントを出していましたが,このレースは,場合によってはタイヤにかなり負担がかかることも考えられるということです。となると,第2戦がそうだったように,メルセデスにとって苦戦することが予想されます。こうした状況を受け,同チームでエグゼクティブ・ディレクターを務めるB.ロウのコメントによると,予定より前倒しで様々な空力パーツを投入するということです。昨シーズンのように一人舞台が続くと,ただでさえ人気に大きな陰りが見えてきているF1ですが,さらにその流れを加速させてしまうおそれがありましたから,こうした切磋琢磨の状況は衰退の流れを止めるいい傾向なのではないでしょうか。もちろん,それだけで人気の復活というわけにはいかないのも確かですが・・・。
2015/04/07(火)
☆前哨戦(JRR)
○MotoGPは既に開幕していますが,国内最高峰であるJRRは,2週間後の4月18日(土)と19日(日)に鈴鹿サーキットにおいてSFとの併催である2&4という形でJSB1000クラスのみの開催となります。全クラスのレースが実施され,本格的な開幕となるのが,その翌週に我が大分県にあるオートポリスで開催される第2戦ということになります。さて,その第2戦に関連して,4月8日(水)から3日間にわたってそのオートポリスで第2戦参戦者全員が対象となる合同テストが実施されます。もちろんそのテストは,全クラスで行われます。そして,これは公開テストという形で行われ,入場料500円(駐車料金も含めて!)を払えば,パドックまで入場することができます。つまり,ライダーと直接話をすることができるチャンスがあるということです。ちなみに,中学生以下は保護者同伴であれば無料で観覧することができます。夕方まで実施されていますから,たとえ学校が始まっても,始業式の日であればお子さんも観覧可能ではないでしょうか。さらに今回のテスト観覧には他のチャンスがあって,1000円を払えば自身の愛車で同乗者と共にサーキットを走行することができる『体験走行』も実施されます。もちろん安全性のため追い越し禁止となっていますが,国際レーシングコースを愛車で走れるという普段ではできない経験をすることができますから,親子でいい思い出ができるのではないでしょうか。ぜひ第2戦の前哨戦ともなる今回のテストに,平日ですから気軽にとはいかないでしょうが,都合のつく方は観覧されてはいかがでしょうか。
2015/04/06(月)
☆路面状況(SGT)
○国内GTカーレースの最高峰であるSGTの開幕戦が,岡山国際サーキットにおいて行われました。昨シーズンからマシン,エンジン共に全くのブランニューマシンとなったGT500クラスは,不安定だったこの日の天候によりめまぐるしく展開が入れ替わっていきました。ウェットコンディションで始まったレース序盤は,ポールからスタートしたA.カルダレッリ&平川亮組のKeePer TOM'S RC Fがトップに立ちました。マシンの走行に伴い路面コンディションが徐々に乾いていきました。するとトップに立ったのが,昨年のチャンピオンである松田次生&L.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rでした。大本命がトップに立ってこのまま逃げ切るかと思われていましたが,マシンのリア部分から白煙が上がるトラブルが発生し,修復のため緊急ピットインとなってそのままリタイアに終わりました。再びトップに立ったKeePer TOM'S RC Fでしたが,再び雨が降り始めて路面状況がウェットに変わっていくと,NSX CONCEPT-GT勢がペースアップをしていきました。そして,その中で山本尚貴&伊沢拓也組のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTがトップに浮上しました。ところが,徐々に雨脚が強まって路面状況が更に悪くなってくると,再びKeePer TOM'S RC Fがペースアップを果たしてトップに返り咲きました。トップに立ってからは最後までその座を守りきり,見事開幕戦を制しました。平川亮にとっては,これがこのクラスにおける自身初優勝となります。2位がRAYBRIG NSX CONCEPT-GT,3位が立川祐路&石浦宏明組のZENT CERUMO RC Fでした。
GT300クラスは,5番グリッドからスタートしたハイブリッドマシンである嵯峨宏紀&中山雄一組のTOYOTA PRIUS apr GTが,スタートから猛烈にペースを上げていって,3周目になってポールからスタートしてトップに立っていたA.クート&千代勝正組のGAINER TANAX GT-Rをパスしてトップに浮上しました。GT500クラスはめまぐるしく順位が変わりましたが,このクラスはトップに立ったTOYOTA PRIUS apr GTが後続との差を広げていき,最終的に2位に入ったこれまたハイブリッドマシンである高木真一&小林崇志組のARTA CR-Z GTに40秒以上の大差をつけて独走で開幕戦を制しました。3位には,R.ライアン&藤井誠暢組のAudi R8 LMS ultraが入っています。
2015/04/03(金)
☆記録更新(MotoGP)
○3月31日(火)付けのこのページでお伝えしたように,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,昨年腕上がりを改善するために手術をしたものの,思うような結果を得ることができず,開幕戦カタールGPも腕のしびれが原因で6位に終わってしまいました。そのため,レースよりも,まずはこの症状を回復させることを中心に据えるという方針を採ることを明言していました。そして,同チームから発表があり,今日マドリード市内の病院で受けることになりました。回復には,1ヶ月から1ヶ月半ほどかかるということで,現段階では,アメリカ大陸ラウンドとなる次戦アメリカズGPと第3戦アルゼンチンGPを欠場することになりました。4強の激突を期待していただけに残念なことではありますが,その代わり特に私たち日本人レースファンにとってはいいお知らせもあります。それは,ペドロサの代役として,今シーズンHRCのテストライダーを務めている青山博一がこの2戦に参戦することになりました。昨シーズンはドライブM7アスパーからオープンオプションクラスにフル参戦した青山でしたが,残念ながら思うようなシートを得ることができず,来季以降のフル参戦を期しながらHRCのテストライダーになっていました。昨シーズンの最終戦で歴代日本人記録である通算168戦参戦に並んでいました。あともう1戦あれば新記録ということだったのですが,シートを獲得することができなかったため,記録更新とはなっていませんでした。しかし,今回の代役参戦により,通算169戦という新記録をマークすることになります。ホンダライダーとしては最高の名誉であるレプソル・ホンダ・チームからの参戦で新記録を更新するわけですから,一時期KTMのワークスライダーとして参戦したこともありましたが,それ以外は一貫してホンダ系のライダーとして活躍してきた青山に対するご褒美と考えてもおかしくはないでしょうね。
2015/04/02(木)
☆休戦(F1)
○昨シーズンからの相変わらずの速さを見せているメルセデス。第2戦で勝利し,復活ののろしを上げたフェラーリ。それに対して,一昨年までは連覇を成し遂げてきたものの,現行のレギュレーションになってからは苦戦が続き,とりわけ今シーズンはメルセデスやフェラーリからかなり遅れをとっているルノー。こうした状況に苛立ちを感じているのが,ルノーのワークス的立場にあるレッドブルです。そのため,開幕戦オーストラリアGP後には,ルノーを激しい言葉(?)でレッドブルは非難してきました。それに対して,パワー不足は認めつつも,マシン自体にも問題があるのではないかということでレッドブルを非難しているルノー。S.ベッテルが4連覇を成し遂げたときには蜜月の時を過ごした両者ですが,いまや非難の応酬合戦の感がある現状にあります。こうしたことから,両者が袂を分かつことになるのではないかということや,レッドブルとの提携解消後は,そのレッドブルの兄弟チーム的立場にあるトロ・ロッソをルノーが買い取り,ワークスチームにしていくのではないかという観測も出てきています。こうした対立は,当然両者のためにプラスになるわけはなく,ただでさえ遅れをとっているのに,さらにそれを加速させてしまうことになります。そこで,どうやら両者は話し合いを持ったようで,その結果,対立を休戦し,現在の状況を抜け出すよう互いに働いていくことを確認したようです。
2015/04/1(水)
☆減量(MotoGP)
○開幕戦カタールGPは,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシの優勝で幕を閉じました。この大会で注目を浴びたのは,もちろん優勝したロッシではありますが,2位,3位に入ったドゥカティもその中の1つといえます。プレシーズンテストから好調な走りを見せていましたから,ドゥカティの今季型マシンであるデスモセディチGP15のポテンシャルの高さはある程度予想されてはいても,いきなりの表彰台の2つを占めたというのはチームにとってまさに開発の努力が報われたといえます。ちなみに,ドゥカティがダブル表彰台を獲得したのは,2010年9月に行われた第13戦アラゴンGP(この時は,C.ストーナーが優勝,N.ヘイデンが3位に入っています。)以来77戦ぶりとなります。ただ,「うれしい悲鳴」(?)ともいえる状況にあるのも事実です。というのも,この度レースディレクションからドゥカティに対して,サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われる次戦アメリカGPから,これまで24リットル搭載できていた燃料が,22リットルに減量されることを通達しました。これは,競技規則に則ったもので,ファクトリーオプションクラスで参戦しているチームは,過去の成績によって搭載燃料やエンジンの年間使用基数量が大幅に緩和されています。しかし,成績が向上してくるとその緩和が厳しくなっていく規定になっていて,昨年のアメリカGPでA.ドビツィオーゾが3位表彰台を獲得し,今回の開幕戦でドビツィオーゾとA.イアンノーネの2人が表彰台を獲得したことで,表彰台獲得回数が合計3回となり,今回の通達のように搭載燃料が22リットルに減量されることになったわけです。今回の決定は,ドゥカティのワークスはもちろん,サテライトチームとしてファクトリークラスに参戦しているプラマック・レーシングに対しても同じ規定が適用されます。ただ,ドゥカティがオープンオプションクラス用に供給しているマシンを使用しているアビンティア・レーシングに関しては,この適用は受けません。
 

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