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最新ニュース
2012/10/31(水)
☆契約延長(F1)
○29日(月)にロータスから発表があり,今シーズンから同チームでフル参戦しているK.ライコネンと契約を延長することが決定しました。今回発表された期間は,2013年シーズンの1年間です。F1から一度引退した元ワールドチャンピオンのライコネンでしたが,WRCでの活動を経て,今シーズン2年ぶりにF1に戻ってきました。2年間のブランクがあり,その間にKERSやDRSといった新たなデバイスが投入されていたものの,そうした不利な点をものともせず,現段階で表彰台獲得回数が6回を数え,ドライバーズタイトルについては3位につけています。今回の発表の中で,来シーズンの大きな目標の一つが,予選でのグリッドポジションの向上ということです。F1での目標を見失ったことが引退へと繋がったライコネンでしたが,こうしたことを発表するということは,彼なりにモチベーションが保たれていることですから,再び引退ということはしばらくなさそうな感じですね。なお,ライコネンのチームメイトについてですが,R.グロージャンとの契約延長はまだ決定していないため,現段階では未定という状態です。
2012/10/30(火)
☆チャンピオン決定 PARTV(SGT)
○第8戦の決勝レースが,ウェットコンディションの中ツインリンクもてぎで行われました。既にチャンピオンが決定しているGT500クラスは,オープニングラップからトップに立っていた立川祐路&平手晃平組のZENT CERUMO SC430と,レース序盤に徐々にポジションをアップしてきた今シーズンのチャンピオンである柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road REITO MOLA GT-Rとが,タイヤ無交換作戦が功を奏したこともあって,2台による優勝争いが展開されていきました。終盤に入ってさらに雨脚が強くなるという悪条件になってきたものの,立川祐路が何とか追撃を振り切ってシリーズ戦としての最終戦を制し,今季2勝目を挙げました。ちなみに,同チームの2勝は,開幕戦と最終戦での優勝となっています。トップ争いと同じように,3位も2台のよるバトルとなりました。道上龍&中山友貴組のEPSON HSV-010と脇阪寿一&石浦宏明組のDENSO KOBELCO SC430との間で繰り広げられた3位争いは,最終的にEPSONが制しました。
チャンピオン決定が最終戦まで持ち込まれたGT300クラスは,今大会を迎えるまで影山正美&藤井誠暢組のHANKOOK PORSCHEがポールからスタートし,チャンピオン獲得に一歩近付いたかに思われていました。ところが,それまでのセッションで好調な走りを見せていたものの,肝心の決勝レースではなかなかペースが上がらず,トップ争いから離れた位置での走行となってしまい,最終的には7位でのチェッカーとなってしまいました。それに対して,峰尾恭輔&横溝直輝組のエンドレス TAISAN 911は序盤からトップに立つと,ピットインを遅らせると共に,タイヤ無交換作戦を採ったことが功を奏したこともあって,トップの位置を守り続けました。終盤に入って雨脚が強くなると,エンドレスのペースが上がらなくなり,それに対して2番手を走行していた山西康司&山内英輝組のJLOC ランボルギーニ GT3が徐々に差を詰めてきました。しかし,何とかトップの座を守りきり,今季初優勝を飾りました。優勝はこの1回ながら,年間を通してコンスタントにポイントを獲得してきたこと,そしてランクトップのHANKOOK PORSCHEが7位に終わったこともあって,この大会前までランク3位だったエンドレス TAISAN 911がランクトップに浮上し,大逆転でのチャンピオン獲得となりました。2位に入ったJLOC ランボルギーニ GT3は,今季初表彰台獲得となりました。織戸学&青木孝行組のマネパ ランボルギーニ GT3と,谷口信輝&片岡龍也組のGSR 初音ミク BMWとの間で繰り広げられた3位争いは,マネパ ランボルギーニ GT3が制しています。
☆3連勝(F1)
○第17戦インドGPの決勝レースが,ドライコンディションのブッダ・インターナショナル・サーキットで行われました。予選を含め全てのセッションでトップタイムをマークしてきたレッドブルのS.ベッテルと,そのチームメイトであるM.ウェーバーがフロントローからスタートしたこの決勝レースは,ベッテルが独走状態に持ち込み,それをウェーバーが追うという形で進行していきました。そのような中,徐々にペースアップを果たしてきたのが,ランキングでベッテルと争っていて,今回5番グリッドからスタートしたフェラーリのF.アロンソでした。中盤までには3位までポジションをアップしていたアロンソは,残り20周を切ったところでKERSにトラブルが発生してペースを上げることができなくなったウェーバーをついにパス。トップのベッテルを追うことになりました。しかし,圧倒的な速さを見せるベッテルに追いつくことはできず,ベッテルが全体を通じて今季初となる3連勝で今季5勝目を挙げました。前戦でランクトップに立ったベッテルは,今回の優勝でさらにアロンソとの差を広げています。来シーズンのシート獲得に黄色信号がともっているザウバーの小林可夢偉は,今大会どのセッションでもなかなか上位に顔を出すことができていませんでした。決勝レースでもその流れは変わらず,17番グリッドからスタートし,14位でのチェッカーとなりました。
2012/10/29(月)
☆チャンピオン決定 PARTT(MotoGP)
○既に前戦マレーシアGPにおいて,Moto3クラスはチャンピオンが決定していますが,第17戦オーストラリアGPの決勝レースがフィリップアイランド・サーキットで行われ,残りの2つのクラスもチャンピオンが決定しました。まずMotoGPクラスですが,今シーズン限りで引退を発表しているレプソル・ホンダのC.ストーナーが,3回のフリー走行,そして予選と全てのセッションを制してポールから決勝レースはスタートしました。ここまで5年間にわたってこの大会を制しているストーナーは,スタートこそ出遅れて3位に後退したものの,2周目にトップに立つとそれからは後続との差を広げていき,最後は2位に3秒以上の差をつけて独走で母国GPを制しました。この優勝により,母国GPを6年連続制しています。逆転でチャンピオンになるには残りのレースで優勝するしかない状況になっていたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,3番グリッドからスタートし,トップに立ちました。しかし,そのトップ走行中に転倒を喫し,リタイアに終わってしまいました。チャンピオン獲得に王手をかけているヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,堅実な走りを展開して2位に入り,最終戦を待たずして2年ぶり2回目のチャンピオンを決定しました。モンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローが,単独走行で3位に入り,自身今季2回目となる表彰台を獲得しています。
Moto2クラスは,ランキング2位につけてかなり苦しい状況ながらも逆転チャンピオンを狙うカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロがポールからスタートしました。スタートではトップの座を譲ったものの,3周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,最後は2位に16秒以上の大差をつける独走となり,今季4回目の勝利を収めました。母国GPに燃えるスピードアップのマシンを駆るA.ウェストが,得意のウェットコンディションではなくドライコンディションながら2位争いを制し,今季初の表彰台獲得となった前戦に引き続いて表彰台に立ちました。チャンピオンに王手をかけているシューターのマシンを駆るM.マルケスは,前戦で転倒ノーポイントになっているためもあってか,堅実な走りを終始展開していって今季13回目となる表彰台獲得となる3位に入り,見事3代目となるMoto2チャンピオンを決めています。来季レプソル・ホンダと契約しているマルケスは,Moto2チャンピオンの肩書きを身につけて最高峰クラスにステップアップすることになりました。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,5番グリッドからスタートしたものの,決勝レースはポジションを下げて10でのチェッカーとなりました。FTRのマシンを駆る高橋裕紀は,今季初ポイント獲得を目指しているものの,今回もそのポイント獲得まで後一歩となる16位でのチェッカーとなりました。シューターのマシンを駆る小山知良は,22位でレースを終えています。
既にチャンピオンが決定していたMoto3クラスは,そのチャンピオンに輝いているKTMのマシンを駆るS.コルテセがポールからスタートしました。シューター・ホンダのマシンを駆るM.オリベイラとの間でトップ争いが展開していきましたが,残り2周となったところで差を広げていき,2戦連続今季5勝目を挙げてチャンピオンの貫禄を示しました。惜しくも2位に終わったオリベイラでしたが,これは自己最高位となります。6台による3位争いは,KTMのマシンを駆るA.シシスが制して自身初となる表彰台を獲得しています。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,22位完走でレースを終えています。
☆チャンピオン決定 PARTU(JRR)
○最終戦の決勝レースが,ヘビーウェットという生憎のコンディションに見舞われた鈴鹿サーキットで行われ,各クラスのチャンピオンか決定しました。今回2レース制で行われたJSB1000クラスですが,その2レース共にホンダの秋吉耕祐がポールからスタートしました。その秋吉は,両レース共に独走でトップを走行し,開幕戦で大腿骨骨折という重傷を負ったことからここまで優勝を飾ることができませんでしたが,最終戦で一挙に2勝を挙げました。ランクトップに立って,確実にポイントを獲得すればよかったヤマハの中須賀克行でしたが,レース1で2位を走行している時,激しい雨にハイドロプレーニング現象により足下をすくわれ,転倒ノーポイントに終わりました。その中須賀は,優勝してチャンピオンを決めるかのようにレース2でトップをいく秋吉を追いかける走りを一時見せたものの,最終的には3位でチェッカーとなりました。それでも,3年ぶりに栄冠を取り戻し,このクラス史上唯一となる通算3回目のチャンピオンを獲得しました。逆転でチャンピオンを狙うカワサキの柳川明は,レース1を4位で,レース2を2位で終え,惜しくもトップと5ポイント差のランク2位で今シーズンを終えています。レース1で2位,3位に入ったのは,それぞれホンダの高橋巧と同じくホンダのマシンを駆る山口辰也でした。
J-GP2クラスは,ヤマハのマシンを駆る野左根航汰が3周目にトップに立つと,それからは後続との差を広げていき,独走で今季2勝目を挙げました。2位には,スズキのマシンを駆る生形秀之が入っています。生形との2位争いを展開したホンダのマシンを駆る岩田悟は,コンマ877秒差で3位に入っています。このレースまでポイントリーダーにつけていたカワサキの渡辺一樹は,4位でチェッカーとなり,見事自身初となるチャンピオンを決めています。ランク2位の生形とは,わずか2ポイント差でした。
ST600クラスは,カワサキの井筒仁康がトップに立つと完全なる独走状態に持ち込みました。ところが,残り5周を切ったところで激しい雨の影響を受けたのか,電気系にトラブルが発生してしまいスローダウンを強いられる状況になってしまいました。そして,残り2周となったところで井筒を追っていたヤマハの大崎誠之がトップに立ち,そのまま優勝を飾りました。その大崎の後につけていたヤマハの稲垣誠が井筒を交わし,2位でチェッカーを受けています。スロー走行となっていた井筒は,何とか3位に入って表彰台に上っています。ここまでランクトップにつけていたヤマハのD.クライサルトは,5周目に転倒を喫し,マシン修復のためピットに入ったものの,損傷が激しくそのままリタイアとなってしまいました。そのクライサルトを唯一逆転する可能性があった存在であるヤマハの中冨伸一は,3周目に他のライダーの転倒に巻き込まれる形でコースオフを喫してしまい,最下位まで順位を下げました。クライサルトのノーポイントを受けて何とか逆転タイトルを狙ったものの,19位まで挽回するのが精一杯でした。これにより,クライサルトがタイ人ライダーとしては初となる全日本チャンピオンに輝いています。
J-GP3クラスは,グリッドにマシンが整列したものの,雨脚がさらに強まってスタートディレイドとなりました。その後も雨脚は弱まることがなく,結局中止という事態となりました。レギュレーションにより,予選の順位で半分のポイントが与えられることとなり,この結果チャンピオンには超ベテランライダーで元GPライダーでもある徳留真紀が輝きました。意外なことに,徳留にとっては自身初となる全日本チャンピオン獲得でした。
2012/10/26(金)
☆新名称(MotoGP)
○カナダGPが行われているジル・ビルヌーブ・サーキットなど,実績を残したドライバーを讃えてその名前をサーキット自体の名称に使ったり,サーキットの名称自体ではないものの,コース内にある一部のコーナーにドライバーやライダーの名前をつけるということがあります。日本国内では,鈴鹿サーキットの8コーナーである『デグナーカーブ』がそれにあたります。ちなみに,そのデグナーカーブのもととなったのは,GPで初めてスズキにタイトルをもたらしたE.デグナーに由来しています。1962年にスズキと契約したデグナーは,その時に始まった50ccクラス(!)でチャンピオンを獲得し,それがスズキの初タイトルになったわけです。そのデグナーが,同年に完成したばかりの鈴鹿サーキットで行われた全日本選手権に参戦し,トップを走行しながらも転倒を喫してしまいました。それが,デグナーカーブという名称に繋がったわけです。さて,今日から第17戦オーストラリアGPが開幕しますが,その開幕を前に,会場であるフィリップアイランド・サーキット所有するリンフォックス・プロパティ・グループから発表があり,最高峰クラスで2回チャンピオンに輝き,今季限りで引退することになっているオーストラリア人ライダーのC.ストーナーのキャリアを讃えて,高速コーナーの一つである第3コーナーを『ストーナー・コーナー』という名称をつけることになりました。まだ十分な体調に戻ったとはいえないものの,先週末に行われた大怪我から復帰して2戦目となるマレーシアGPで3位表彰台を獲得したストーナーですが,自身にとって最後の母国GPであり,自身の名前がコーナーについたわけですから,復帰3戦目で優勝ということが起こるかもしれませんね。ただし,もしそうなると,その優勝はチャンピオン争いをしているチームメイトのD.ペドロサにとっては,大きな痛手になり,そのライバルでヤマハのエースであるJ.ロレンゾにとっては良い援護射撃になるという皮肉なものとなってしまいますが・・・。
2012/10/25(木)
☆撤回(MotoGP)
○Moto」3クラスに参戦しているライダーの中で,今後の活躍が十分期待できるライダーの一人が,ブルセンス・アビンティアのM.ビニャーレスです。そのビニャーレスは,前戦マレーシアGPの開幕前に突然チームからの離脱を発表しました。これは,チームとの合意の上ではなく,チームに対する不信を理由にビニャーレスが一方的に行ったものです。両者は来シーズンまでの契約延長を先日発表していますので,まさに青天の霹靂といったものでした。これにより,それまでランク2位につけていましたが,マレーシアGPに出場しなかったため,ランキング3位まで順位を下げています。一方的な離脱だったため,チーム,マシン供給に関連しているFTR及びホンダ,スポンサーと様々な立場の人々に多大な迷惑をかけたことも事実です。ところが,23日になってビニャーレスから再び突然の発表があり,セパン前に行ったチーム離脱を撤回し,明日開幕するオーストラリアGPから再びチームに合流することになりました。自分自身が行った行為が,いかに多大な迷惑をかけたのかが分かったからでしょうし,その行為が今後の自分自身の活動に以下に制限が加わることになるのかも分かった結果であろうと思われます。今シーズンの彼は,チャンピオン争いに絡んではいたものの,シーズンが進むにつれて徐々に今季のチャンピオンを決定しているS.コルテセとのマシン差がつくようになり,しばしばこの点について彼が不満を口にするようになってきていました。こうした点が彼の頭の中で一段と拡大するとともに,彼自身の強烈な負けず嫌いが間違った形に発展してしまい,今回の「若気の至り」へと繋がったのでしょう。なお,今回の発表では,既に結ばれている来シーズンの契約がどうなるのかについては明らかになっていません。
2012/10/24(水)
☆既に決定?(F1)
○上位チームのシートが埋まり,これからは中・下位クラスのシートが徐々に決まっていきます。その中で注目を浴びているのが,中位クラスのチームで今季4回表彰台を獲得しているザウバーです。そのザウバーに関しては,これまで何度もお伝えしてきているようにS.ペレスがマクラーレン・メルセデスに移籍することが決定していて,その分のシートが空くことが確実。チームメイトの小林可夢偉については,今年で契約期間が終了するため,シート維持が保障されているわけではありません。となると,2つともシートが空くことになるかもしれないわけですから,可夢偉も含め,いろいろなドライバーがそのシートを狙っています。そのような中,既にお伝えしたようにテルメックスがザウバーのスポンサーとしてとどまることになっているため,リザーブドラバーであるメキシコ人ドライバーのE.グティエレスのレギュラードライバーへの昇格が確実視されています。後は,可夢偉の座るシートを狙うことになるわけで,その可夢偉をはじめ,フォース・インディアのN.ヒュルケンベルグ,F1へのステップアップを狙う今季GP2でランク2位だったL.ラジア,元トロ・ロッソのS.ブエミなどの名前が挙がっています。ところが,ここに来てラジアとブエミが揃って「ザウバーのシートは閉じられた」という主旨のコメントをインタビューを行ったブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・デ・サンパウロ)』紙に出したようです。つまり,まだ正式な発表はなされていないものの,水面下では2つともシートが決定していることになるわけです。その報道によると,可夢偉はシートを喪失し,大方の予想通りヒュルケンベルグがそこに座ることになったとのことです。ますます可夢偉が窮地に立たされる報道ばかりがなされていて,日本人としてはさらに気になる状況になってきていますね。
2012/10/23(火)
☆ライセンス停止(F1)
○中位クラスにおける代表的チームになってきているフォース・インディアは,その名が示すように経済的な繁栄を示してきているインドマネーが重要な資金源になっています。そして,そのチームの代表を務めるのが,インド人実業家で富豪ともいわれているV.マリヤです。その彼が創業した会社が,フォース・インディアのマシンにもそのロゴが見られるインド国内における航空会社である『Kingfisher airline(キングフィッシャー航空)』です。2005年に創業された同社ですが,創業以来いまだに黒字になったことがなく,現在14億ドル(約1,110億円)の負債を抱えているといわれています。そうした経営状況により,従業員に対する賃金が未払いとなっていて,これを不服とする従業員たちはストライキを起こしています。そのため,同社は今月に入って全ての運行がキャンセルになっていて,好転するのがかなり厳しい状況となっています。そのような中,この度インドの民間航空管理局(DGCA)がキングフィッシャー航空のライセンスを停止するという措置を執りました。この措置は,いまだにはっきりとしたものになっていない経営の運営プランが提出されるまで効力を発揮するとのことです。小林可夢偉をはじめ,たくさんのドライバーの移籍候補として大人気となっている同チームですが,全てがバラ色というわけにはいかないようです。
2012/10/22(月)
☆初代チャンピオン(MotoGP)
○第16戦マレーシアGPの決勝レースが,セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日最初に行われたのは,いつものようにMoto3クラスからでした。そして,このMoto3クラスが,この日唯一のドライコンディションでのレースとなりました,.チャンピオン獲得に王手をかけているKTMのS.コルテセは,3番グリッドからスタートを切り,3台によるトップ争いを展開していきました。そのトップ争いはファイナルラップまで続き,母国GPに燃えるKTMのマシンを駆るZ.カイルディンをファイナルラップの最終コーナーで交わし,今季4回目のトップチェッカーを受けました。母国GP制覇を惜しいところで逃して2位になったカイルディンでしたが,マレーシア人ライダーとして最初の表彰台獲得となりました。2番グリッドからスタートしたカレックスKTMのマシンを駆るJ.フォルガーが3位に入りました。ランキング2位につけていたM.ビニャーレスが,自らチームを離脱してシートを喪失。ランク2位争いをしていたカレックスKTMのL.サロムが4位でチェッカーを受けたことでランク2位に浮上。ただし,コルテセとの差が73ポイントとなり,残り2戦となったところでコルテセのチャンピオンが決定しました。125ccクラスに替わって今シーズンから始まったMoto3クラスですが,初代チャンピオンにコルテセが輝きました。TSRホンダの藤井謙汰は,ブービーとなる27位でチェッカーを受けています。
この日2つめのレースとなるMotoGPクラスは,Moto3クラスの終了直後に降った熱帯地方らしい突然の豪雨のため,開始時刻が遅れるという事態となりました。さらに,一旦始まったレースでしたが,雨脚が強まったため,14周目に赤旗が提示され,13周目がリザルトとして残ることになりました。その13周目にトップに立っていたのが,ランク2位につけているレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。この勝利により,3連勝を上げると共に,今季6回目の優勝となりました。2位にランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが入り,ポイント差が23に縮まりました。とはいえ,残り2戦となっていますので,チャンピオン争いはロレンゾが圧倒的に有利という点に変わりありません。3位には,前戦日本GPから復帰したレプソル・ホンダのC.ストーナーが入っています。
この日最後のレースとなったMoto2クラスは,雨によりランクトップをいくシューターのマシンを駆るM.マルケスが転倒リタイアに終わったり,そのマルケスを追うカレックスのP.エスパルガロがペースをなかなか上げられなかったりして,いつもとは様相が違う波乱のレースとなりました。それに追い打ちをかけるように雨脚が途中で強まったため,MotoGPクラスと同様レース途中で赤旗が提示され,15周目のリザルトがレース結果となりました。そこで優勝を飾ったのが,難しい状況の中ベテランらしい走りを展開していったFTRのマシンを駆るA.デ.アンジェリスでした。2位には,ウェットコンディションではこの人といえるスピードアップのマシンを駆るA.ウェストが入っています。3位にシューターのマシンを駆るG.レイが入り,いつもとは顔ぶれの違う新鮮なメンバーによる表彰台となりました。ポイント獲得を目指すFTRの高橋裕紀は,今回も前戦日本GPと同じく,ポイント獲得まであと一つとなる16位でのチェッカーとなりました。その高橋に次ぐ17位でチェッカーを受けたのが,シューターのマシンを駆る小山知良でした。4番グリッドと好位置からスタートしたカレックスの中上貴晶でしたが,ホールショットを決めた瞬間に転倒。幸いにも再スタートを切ることはできましたが,最後尾にドロップダウン。それから追い上げを図ったものの,3周目に他のライダーと接触転倒を喫し,リタイアに終わりました。
2012/10/19(金)
☆現段階(F1)
○今シーズンは残り4戦となり,これから来季に向けた動きが本格化し始めようとしています。ドライバーラインナップに関しては,上位チームのシートが埋まり,これから中位及び下位チームのシートが少しずつ埋まってくることとなります。まだ数はかなり少ないものの,とりあえず現段階で決まっているシートについてまとめておきたいと思います。
2013 F1ドライバーラインナップ
チーム ドライバー
レッドブル S.ベッテル
M.ウェーバー
フェラーリ F.アロンソ
F.マッサ
マクラーレン・メルセデス J.バトン
S.ペレス
メルセデスAMG L.ハミルトン
N.ロズベルグ
マルシャ T.グロック
HRT P.デ.ラ.ロサ
2012/10/18(木)
☆追加(MotoGP)
○先月の21日に来シーズンのFIMから暫定レースカレンダーが発表されましたが,今度は16日にいくつかの変更が加えられて新たな暫定のレースカレンダーが発表されました。それによると,前回は未定とされていた第3戦に,アメリカのオースティンでの開催が加えられました。また,前回と比べてドイツGPの開催が1週間早まっています。なお,具体的なカレンダーは,以下の表のようになっています。また,今回の発表は暫定ですので,いくつか変更が加わることになります。
2013 MotoGPレースカレンダー(暫定)
決勝日 大会名 開催地
第1戦 3月31日 カタールGP ロサイル
第2戦 4月14日 未定 未定
第3戦 4月21日 アメリカGP オースティン
第4戦 5月 5日 スペインGP ヘレス
第5戦 5月19日 フランスGP ルマン
第6戦 6月 2日 イタリアGP ムジェロ
第7戦 6月16日 カタルニアGP カタルニア
第8戦 6月29日 オランダGP アッセン
第9戦 7月 7日 ドイツGP ザクセンリンク
第10戦 7月21日 アメリカGP ラグナセカ(MotoGPクラスのみ)
第11戦 8月18日 インディアナポリスGP インディアナポリス
第12戦 8月25日 チェコGP ブルノ
第13戦 9月 1日 イギリスGP シルバー・ストーン
第14戦 9月15日 サンマリノ・リビエラ・リミニGP ミサノ
第15戦 9月29日 アラゴンGP モーターランド・アラゴン
第16戦 10月13日 マレーシアGP セパン
第17戦 10月20日 オーストラリアGP フィリップアイランド
第18戦 10月27日 日本GP ツインリンクもてぎ
第19戦 11月10日 バレンシアGP リカルド・トルモ・バレンシア
2012/10/17(水)
☆残留(F1)
○スクーデリア・フェラーリから発表があり,今シーズン末で契約の切れるF.マッサとの間で,1年間の契約延長が決定しました。今シーズンのマッサは,シーズン序盤ポイント獲得さえままならないという状況が続いていました。それに対して,チームメイトのF.アロンソがランキング争いでトップに出たりしていたことから,より一層マッサの不振が際立つ状況となっていました。そのため,シーズン途中で解雇されるのではないかという噂さえ浮上していました。しかし,シーズンが進むにつれて徐々に結果を残すようになり,ポイント獲得はもちろん,表彰台に上るようにもなり,最近の報道では,シート獲得はほぼ間違いないのではないかといわれていました。そして,その噂通り,今回の契約延長に至りました。1年間の契約延長により,マッサは通算8年間フェラーリに在籍することになります。また,既に長期契約が成立しているアロンソとのペアは,来シーズンで通算4年目となります。
今回の契約延長は,ザウバーの小林可夢偉にも影響を与えます。もしマッサが抜けた時,その空いたシートに座る候補の中の一人として名前が挙がっていたのが,フォース・インディアのN.ヒュルケンベルグでした。今回の契約延長によりその噂は消えることになりますが,そのかわりヒュルケンベルグの移籍先として濃厚になるのが,可夢偉の所属するザウバーです。メキシコの通信関連会社であるTelmexとのスポンサー契約延長により,メキシコ人ドライバーで,ザウバーのリザーブドライバーであるE.グティエレスのレギュラードライバーへの昇格が濃厚となっています。そして,フェラーリへの移籍がなくなったヒュルケンベルグがザウバーのシートを獲得する状況になれば,必然的に可夢偉が押し出されることになります。可夢偉が「スポンサーがあれば」ということを明らかにしていましたが,モータースポーツが盛んとはいえない日本のドライバーには不可能な話。来シーズンF1に日本人ドライバーが一人でもいるのかという最悪の状況が,現実のものとなる嫌な状況になってきています。
2012/10/16(火)
☆トレンド(FN)
○FNは2014年シーズンから大幅な改革が行われ,まず名称が『全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ』(略称:SF)となり,イタリアのダラーラ製のシャシーである『SF14』が新たなシャーシとして用いられることになります。エンジンに関しても新しいものが導入されることになっていましたが,具体的なものは未発表のままでした。そして,14日(日)にFNを運営する日本レースプロモーション(JRP)から,新エンジンについて発表がなされました。現在は自然吸気(NA)の3.4リッターV8エンジンを使用していますが,新たに導入されるエンジンは2リッター直列4気筒エンジンとなります。今回のJRPの発表によると,このエンジンは,「ターボチャージャーを装着し,燃料噴射を燃焼室内に直接行うこと(ダイレクト・インジェクション)により環境を考慮しつつも,ハイパフォーマンスを得ることを狙いとしている」とのことです。レースの世界では,WTCCやWRCで,そして市販車の世界においても,排気量を落とすと共にターボチャージャーを装着したエンジンを使用する「ダウンサイジング」がトレンドになっています。これは,環境対策を主目的としています。最高峰であるF1も,FNと同様に2014年シーズンから新エンジンが導入されることになっていて,これも1.6リッターV6ターボに変更されます。具体的な発表は現段階ではありませんが,国内で最も人気のあるシリーズであるSGTも,2014年シーズンからダウンサイジング&ターボ装着の新エンジンが導入されることになっていて,環境対策を図ると共に,技術的に共有できますから,各メーカーが色々なカテゴリーへ参加しやすい状況に変わってきている感じがしますね。
2012/10/15(月)
☆連勝(MotoGP)
○第15戦日本GPの決勝レースが,週末を通じてドライコンディションに恵まれたツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,予選2番手からスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが,しばらくはスタートグリッド通りの2番手を走行していました。そして,12周目にトップに浮上してからは後続との差を広げていき,独走で2戦連続今季4勝目を挙げました。今回の勝利は,ホンダのホームグラウンドであるツインリンクもてぎで2年連続制覇ということになります。ここまでランクトップにつけているヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,ペドロサにトップの座を12周目に譲ったものの,ポイント差と残りのレース数を考えるとそれほど慌てる必要もなく,順調に走行を重ね,8戦連続今季14回目となるトップ2フィニッシュを果たしました。3位には,チームとの契約更新を発表したばかりであるサンカルロ・ホンダ・グレシーニのA.バウティスタが入りました。今回が負傷欠場からの復帰戦となるレプソル・ホンダのC.ストーナーは,5位でレースを終えています。ワイルドカードで参戦したヤマハYSPレーシングチームの中須賀克行は,トップ10内となる9位でゴールしました。
Moto2クラスは,ランクトップをいくシューターのマシンを駆るM.マルケスが,2番グリッドからスタートしたものの,そのスタートで出遅れるという事態となりました。しかし,順調にポジションを回復していき,10周目にトップに浮上。それからは,追撃を振り切って今季8勝目を挙げました。ランキング争いでマルケスを追うカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロは,ポールからスタートしたものの,10周目にマルケスから交わされてしまい,追撃態勢に入りましたが,最後までマルケスを交わすことができず,コンマ4秒差の2位でチェッカーを受けました。これにより,マルケスはエスパルガロに53ポイント差となりました。3位には,エスパルガロのチームメイトで,今週末好調な走りを見せていたE.ラバトが入り,今季自己最高位を獲得すると同時に,スペイン人ライダーによる表彰台独占となりました。日本人ライダー勢ですが,11番グリッドからスタートしたカレックスのマシンを駆る中上貴晶は,今季4回目のトップ10フィニッシュとなる7位でチェッカーを受けました。14番グリッドからスタートし,今季初のポイント獲得が期待されたFTRのマシンを駆る高橋裕紀でしたが,ポイント圏内を争う位置で走りを展開したものの,惜しくも16位でのフィニッシュとなって今回もポイントを獲得することができませんでした。レース終盤の6戦に参戦することになっているシューターのマシンを駆る小山知良は,27番グリッドからのスタートして23位でのチェッカーとなりました。今回代役参戦を果たしたFTRのマシンを駆る野左根航汰は,転倒から復帰して走行したものの,黒旗が提示されて失格となりました。
Moto3クラスは,4台によるトップ争いがファイナルラップまで展開されていき,自身初のポールからスタートしたKTMのD.ケントがこれを制し,参戦37戦目でうれしい初優勝を飾りました。2位には,前戦で1周も走行できないままリタイアに終わり,ランキング3位に順位を落としていたFTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスが入りました。これにより,ランキング2位に再び彼が立つことになりました。3位には,ファイナルラップでランキングトップをいくKTMのS.コルテセと接触してしまったものの,何とか転倒を逃れたFTRホンダのマシンを駆るA.トヌッチが入りました。そのトヌッチと接触したコルテセは,転倒を喫したものの,幸いにも再スタートを切ることができ,6位でチェッカーを受けています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるTSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,29番グリッドからスタートして18位でのチェッカーとなりました。ワイルドカードで参戦した渡辺日向とレース途中で転倒を喫して再スタートを切った亀井雄大は,それぞれ16位と27位でレースを終えています。
☆逆転(F1)
○第16戦韓国GPの決勝レースが,韓国南部の海に近いところにある韓国インターナショナルサーキットで行われました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,好スタートを切ってチームメイトでポールスタートのM.ウェーバーを交わしてトップに立ちました。それ以後は,順調に後続との差を広げていき,独走態勢へと持ち込みました。一時コースオフするという場面があったものの,順調にトップの座を守りきり,シンガポールGPからの3連勝を飾りました。2位には,ウェーバーが入っていて,2人の順番は違うものの,予選に続いてレッドブル勢によるワンツーとなりました。この大会前までは,わずか4ポイント差でランクトップにフェラーリのF.アロンソが立っていましたが,そのアロンソが3位でフィニッシュしたことから,6ポイント差をつけてベッテルが逆転でランクトップに立ちました。前戦で3位表彰台を獲得したザウバーの小林可夢偉は,オープニングラップの3コーナーでマクラーレン・メルセデスのJ.バトンとメルセデスAMGのN.ロズベルグに挟まれる形となって両方のマシンと接触するというアクシデントを起こしてしまいました。可夢偉は何とか復帰できたものの,事故の原因が可夢偉にあるとされてペナルティーストップのペナルティーが科されました。そればかりではなく,接触の際に走行を続行するには危険が伴うトラブルを抱えてしまったため,ピットインの際にそのままリタイアとなりました。レース後の可夢偉のコメントによると,後ろから誰かに押されたためマシンをうまくコントロールすることができず,バトンたちに接触したとのことです。もしこれが事実だとすると,可夢偉へのペナルティーが果たして妥当なものだったのかやや疑問が残ることになります。
2012/10/14(日)
☆唯一(MotoGP)
○第15戦日本GPの予選が,ドライコンディションの中ツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが,ファイナルアタックで驚異的な速さを見せ,唯一1分44秒台のタイムを刻み,2戦連続6回目となるポールを獲得しました。最後の最後でロレンゾに逆転され,予選2番手となったのが,ここまでほとんどのセッションを制していたレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。チームとしては,44秒台に入るかもという予想を立てていたようですが,フロントのバイブレーションに悩まされて思うようにタイムが伸びず,逆にヤマハのロレンゾが44秒台に入るという皮肉な結果となりました。3番手タイムをマークしたのが,契約更新決定以来ずっと好成績を収めているモンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローで,4戦連続7回目となるフロントローを獲得しました。ワイルドカードで参戦し,唯一の日本人となるヤマハYSPレーシングチームの中須賀克行は,開発ライダーとして様々な新しいパーツが搭載されたマシンを駆り,11番グリッドを獲得しています。また,大怪我により欠場していて,今回の日本GPから復帰となったレプソル・ホンダのC.ストーナーは,7番手タイムで予選を終えています。
Moto2クラスは,フリー走行の総合タイムでトップに立っていたカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロが,予選でも速さを見せて今季通算6回目となるポールを獲得しました。ここまでランクトップに立っているシューターのマシンを駆るM.マルケスは,エスパルガロからコンマ137秒差で2番手タイムをマークし,今季11回目となるフロントローを獲得しています。ポールのエスパルガロとチームメイトのE.ラバトが,今回の予選で目覚ましい速さを見せ,このクラスで予選自己最高位となる3番グリッドを獲得しました。日本人ライダー勢ですが,カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,トップから1秒152遅れの11番グリッドを獲得しました。ここまでノーポイントレースが続いていて,自己最悪のシーズンを送っているFTRのマシンを駆る高橋裕紀は,中上からコンマ06秒差の14番グリッドを獲得し,母国GPで今季初ポイント獲得を目指すことのできるポジションからのスタートとなりました。シューターのマシンを駆る小山知良は27番手,今回SAGチームから代役参戦している野左根航汰は29番手グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,KTMのマシンを駆るD.ケントが最速タイムをマークし,通算36戦目で自身初となるポールを獲得しました。マシントラブルにより,前戦はサイティングラップでマシントラブルが発生し,決勝レースを1周もできないままリタイアとなってしまったFTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスが2番手タイムをマークし,3戦ぶりにフロントローからのスタートとなりました。ケントのチームメイトで,ここまでランクトップをいくS.コルテセが3番グリッドを獲得しています。日本人ライダー勢ですが,唯一のフル参戦ライダーであるTSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,思うようにマシンの車速が伸びないという症状に悩まされ,ワイルドカードで出場している日本人ライダーよりも遅い29番グリッド獲得にとどまりました。そのワイルドカードで出場している渡辺日向と亀井雄大は,それぞれ21番,27番グリッドからのスタートとなりました。
☆独占(F1)
○第16戦韓国GPの予選が,ドライコンディションの韓国・インターナショナル・サーキットで行われました。ポール争いは,後半に入って他チームのマシンよりも速さを見せ始めたレッドブルの2人によって展開されました。最終的にポールを獲得したのはM.ウェーバーで,最終アタックでの最速タイム更新でした。ランキング争いでトップに急接近しているランク2位のS.ベッテルが2番グリッドを獲得し,レッドブルがフロントローを独占しました。3番グリッドを獲得したのが,今シーズン限りでチームを去ることが決定しているマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。前戦の日本GPで3位表彰台を獲得したザウバーの小林可夢偉は,Q2のセッション途中まではQ3進出することができる位置につけていましたが,好タイムをマークしながら走行していたラストアタック中に最終セクションで黄旗区間ができてしまってスピードを落とさざるを得ず,残念ながらQ2で敗退となり,13番グリッド獲得にとどまりました。
2012/10/13(土)
☆黄色信号(F1)
○2週連続開催となるF1ですが,昨日からその2戦目となる第15戦韓国GPが始まっています。そのF1ですが,このところザウバーの小林可夢偉の来シーズンについていろいろな報道がなされています。そして,そのほとんどがザウバーにおけるシートの確保に黄色信号がともっているということです。一部報道では,ザウバーの元CEOであるP.ザウバーが,来シーズンのラインナップの候補に具体的な名前を挙げたということが出ています。それによると,マクラーレン・メルセデスに来シーズン移籍することが決まっているS.ペレスのシートには,フォース・インディアのN.ヒュルケンベルグが,そして,可夢偉のシートには,現在同チームのリザーブドライバーを務めているE.グティエレスが候補に挙がっているということです。そのグティエレスは,ペレスと同じメキシコ人ドライバーです。メキシコといえば,6日のこのページでお伝えしたように,メキシコの通信関連企業であるTelmexが,ペレスの抜けた後でもザウバーへのスポンサードを継続するということが決定しています。しかし,メキシコ企業である以上,メキシコ人ドライバーへのこだわりは当然あるでしょうし,そうなるとグティエレスのレギュラーシート獲得に大きな影響を与える可能性があります。やはり,可夢偉自身が最近語ったように,可夢偉を支援するスポンサーの存在が重要になってきます。ところが,ただでさえモータースポーツがマイナースポーツになのに,ホンダやトヨタ,そしてブリヂストンとこれまでF1と大きく関わってきた大手企業が撤退している状況においては,スポンサー確保は不可能といえます。可夢偉としては,残りのレースで速さを見せるしかシート獲得の方法はないといえるのでしょうね。頑張れ可夢偉!!
2012/10/12(金)
☆契約更新(MotoGP)
○今シーズンも終盤に入り,来季の向けての体制が次々に決定しています。これはどのクラスについてもいえることで,最高峰のMotoGP及びCRTクラスをはじめ,Moto2,Moto3クラスも日を追う毎に着々と体制発表がなされています。先日は,テック3がMoto2クラスの体制が発表され,今シーズンはB.スミスとX.シメオンで臨んだ同チームですが,来季はスミスはMotoGPクラスにステップアップして同チームにとどまるものの,Moto2クラスとしてはメンバーが刷新され,L.ロッシとD.ケントのコンビで臨むことが決定しました。使用するマシンは,これまで通りチーム独自のマシンとなります。そして,イタルトランス・レーシングが,新たに来季の体制を発表しました。それによると,私たち日本人ファンにとってはうれしい知らせとして,同チームからフル参戦している中上貴晶が,同チームとの契約を更新しました。以前125ccクラスにフル参戦していましたが,シートを失ってJRRに復帰するという事態となったものの,そこで中量級クラスでチャンピオンを獲得し,日本人としては初となるGP復帰を果たしていました。その初年度となる今シーズンは,現段階で表彰台に上ることはできていませんが,ランク15位につけています。その中上のチームメイトとして,新たにJ.シモンとの契約が成立しました。125ccクラスでチャンピオンを獲得し,Moto2クラスにステップアップしていたシモンですが,昨年の第5戦カタルニアGPで左脚を骨折するという重傷を負ってしまい,それからはなかなか125ccクラスの時のような速さを見せることができていない状況が続いていました。今シーズンはブルセンスに所属してランク14位につけていますが,来シーズンはイタルトランスに移籍することになりました。実績のあるチームメイトが入ることになったわけですから,中上にとってはいい刺激になりそうですね。
2012/10/11(木)
☆レギュレーション次第(F1)
○ホンダの山本芳春社長がAutocar のインタビューに答え,将来F1復帰の可能性があることを明らかにしたということです。世界的な経済不況の影響を受け,2008年にF1から撤退せざるを得なくなったホンダですが,それ以後は,待望論も含め,F1に復帰するのではないかという噂が何度も浮上していました。今回は,個人的な思いとはいえ,社長が語ったわけですから"それなり"にインパクトがある話ともいえます。ホンダのF1復帰の可能性がやや高まっているのは,レギュレーションの変更が大きく影響しています。現在は自然吸気エンジンを使用しているF1ですが,2014年から1.6リッターV6ターボに移行する予定になっています。以前のイメージでは,ターボ車というとパワーがあるものの燃費に劣るということがありました。しかし,技術の向上により,フォルクスワーゲンのゴルフに搭載されているTSIエンジンに代表されるように,少ない排気量でそれよりも大きい排気量の車と同じ走りをすることができるということで,環境にエコカーとしての地位を世界的に築いてきています。かつてターボエンジンを開発してウィリアムズやマクラーレンでF1における黄金時代を築いた歴史を持つホンダにとって,世界的なダウンサイジングの動きと合わせて,2014年シーズンからの新レギュレーションは,大きな魅力を持つものとなっています。今回の社長によるコメントによる復帰話は,レギュレーションがどう変化するかによって変わってくるようです。とりあえず,ホンダとしては,来シーズンから同社を代表する市販車であるシビックを投入してフル参戦するWTCCへ力を注ぎ,そこである程度の成果を収めるようになってから他のカテゴリーにも目を向けるということですから,しばらくは情勢の動向を見極めていく必要がありそうです。
2012/10/10(水)
☆赤字でも(F1)
○アジアラウンドに入っているF1は,日本GPから2週連続開催となっていて,その2戦目にあたるのが今週末に行われる韓国GPです。新規開催国として一昨年から始まったこの韓国GPですが,工期の遅れから開催自体が危ぶまれるという状態で初年度を迎えました。さらに,まだF1文化が根付いていないこともあって,集客にも課題があり,無料で入場券を配って観客を集めたという情報も流れたりしていました。昨シーズンも期待するほどは観客が集まらず,韓国での開催継続が危ぶまれているということがあります。今年の開催についても,メインスポンサー2社が手を引き,高額な開催権料を払う必要があるため,300ウォン(約21億円)の赤字が生じる見込みであると報じられています。2016年までの開催が決まっている韓国GPの開催について,主催者側が明らかにしたところによると,赤字が続いても開催を継続していくということです。GPの開催自体は赤字であっても,その他の経済効果や自動車産業への影響を考えると開催継続は必要だというのです。また,F1界のボスであるB.エクレストンとの契約では,通常行われている開催権料の増額(10%?)が免除されているという報道もなされています。
2012/10/09(火)
☆契約更新(MotoGP)
○3クラス全てのクラスにフル参戦しているチームの一つであるアスパル・チームが,来季の2つのクラスについて先週発表を行いました。まず,MotoGPクラスと混走で行われているCRTクラスについてですが,今シーズンはR.ド.ピュニエ&A.エスパルガロという体制で臨んでいました。アプリリアのエンジンを使用したARTを駆った2人は,現在CRTクラストップの成績を収めていて,ド.ピュニエがランク12位,そしてエスパルガロがわずか2ポイント差のランク13位につけています。こうした好成績を収めている2人ですから,契約継続は当然といえるでしょう。次にMoto3クラスについてですが,今シーズンはA.モンカヨ&H.ファウベルという体制でスタートしました。しかし,2サイクル125ccマシンで行われてきた昨シーズンまではチャンピオン争いに絡んできた同チームですが,Moto3クラス初年度の今シーズンはそれとは遠い位置でのレースを展開していました。こうした点を打開するため,シーズン途中ながらまずモンカヨを解雇してJ.フォルガーを起用し,次にファウベルを解雇してL.アマトを前戦アラゴンGPから起用し,シーズン当初の2人がどちらも解雇されるという非常に珍しい事態となっていました。今回発表されたのは,モンカヨと入れ替わって参戦しているフォルガーを来シーズンも起用するということです。サマーブレイク開けのインディアナポリスGPから登場したフォルガーは,チームやマシンとの相性が合うのか,いきなり3位表彰台を獲得しました。さらに,次の第12戦チェコGPでは何と独走での優勝を飾るという見事なリザルトを残したのです。さらに第13戦では6位とやや成績を下げたものの,先日行われたアラゴンGPでは3位に入って再び表彰台に上りました。彼自身は来シーズンMoto2クラスにステップアップしたいという希望があったようですが,チームの説得により,契約を継続してMoto3クラスでチャンピオンを狙うという目標に変えたようです。
2012/10/08(月)
☆初表彰台(F1)
○第15戦日本GPの決勝レースが,秋晴れの鈴鹿サーキットで行われました。レースは,スタート直後の1コーナーで,ランクトップをいくフェラーリのF.アロンソがロータスのK.ライコネンと絡んでいきなりリタイアとなりました。また,2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.ウェーバーとロータスのR.グロージャンとが絡む事故も発生し,いきなりセーフティーカーが導入されるという事態となりました。セーフティーカーが去ってからは,鈴鹿を得意とするポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルが後続との差を広げていき,早くも独走態勢を築いていきました。2回ぴと作戦を採ったベッテルは,最終的に2位に20秒近い大差をつけて今季3勝目を挙げました。アロンソがノーポイントに終わったため,ランク2位を行くベッテルとの差が,わずか4ポイントに縮まり,3年連続チャンピオン獲得に向けてさらに勢いがついてきました。2位にフェラーリのF.マッサが入り,自身2年ぶりの表彰台獲得となりました。今大会の主人公は,何と言ってもザウバーの小林可夢偉でしょう。マクラーレン・メルセデスのJ.バトンの5グリッド降格により3番グリッドからスタートとなった可夢偉は,スタート直後の混乱の影響を受けることがなく,2位でオープニングラップを終えました。その後,マッサに抜かれて3位に落ちたものの,初表彰台獲得に向けてハイペースの走行を続けていきました。しかし,4位を行くバトンがレースが進むにつれて可夢偉との差をどんどん縮めていき,手に汗握る展開となりました。コンマ数秒ずつ差が縮まっていく中,母国GPでの大歓声の後押しを受け,見事にバトンの追撃を逃げ切り,自身初表彰台を母国GPで獲得しました。日本人ドライバーの表彰台獲得は,日本GPでの鈴木亜久里,アメリカGPでの佐藤琢磨に次いで3人目となります。ちなみに鈴木亜久里が鈴鹿で表彰台を獲得したのが1990年ですから,22年ぶりの獲得ということになります。
☆独走(JRR)
○第8戦の決勝レースが,好天に恵まれた岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ポールからスタートしたヤマハの中須賀克行と,2番グリッドからスタートしたホンダの秋吉耕祐とのバトルが序盤に展開されていきました。しかし,徐々に中須賀が秋吉との差を広げていき,独走態勢へと持ち込んでいきました。終盤に入ってギアがニュートラルに入るという場面があってヒヤリとしましたが,最終的に秋吉に8秒以上の差をつけて今季4勝目を挙げました。3位には,ランキング2位を行くカワサキの柳川明が入りました。この結果,中須賀と柳川とのポイント差が28に広がりました。残りは最終戦だけですが,このレースは2レース制のため,まだチャンピオン獲得とはいえないものの,チャンピオン獲得にかなり有利な立場で最終戦を迎えることになります。
J-GP2クラスは,3番グリッドからスタートしたヤマハの野左根航汰がホールショットを奪い,ポールからスタートしたカワサキの渡辺一樹がそれを追うという展開となりました。しかし,すぐに渡辺が野左根を交わしてトップに浮上し,独走態勢を築いていきました。しかし,一旦順位を下げていた野左根が徐々にペースアップを果たし,最終ラップにはテールトゥーノーズの状態となりました。トップをいく渡辺は1000分の86秒差で野左根を交わし,今季2勝目を挙げると共に,ランキングトップに立ちました。3位には,ホンダの浦本修充が入っています。
ST600クラスは,ポールからスタートしたヤマハのC.ポラマイがオープニングラップを制すると,後続との差を徐々に広げていって独走態勢を築いていきました。それに対して,2番グリッドからスタートしたランクトップのD.クライサルトは,オープニングラップでカワサキの井筒仁康と接触するというアクシデントがあって順位を4位まで下げました。ポラマイが順調に後続との差を広げていき,クライサルトの方も順位を2位にまで上げてこちらも独走態勢に持ち込んでいきました。そして,そのままタイ人ライダーのワンツー体制でチェッカーとなり,ポラマイが開幕戦以来となる今季2勝目を挙げ,クライサルトはランクキング争いでさらに有利に立ちました。3位には,井筒が入っています。
J-GP3クラスは,ポールからスタートした長島哲太がオープニングラップを制すると,後続との差を広げていきました。2位争いが激しくなってペースがそれほど上がらないこともあって,長島はさらに独走態勢を築いていき,最終的に2位に14秒ほどの差をつけて今季3勝目を挙げました。國峰啄磨が2位争いから抜け出る形になり,3位にコンマ6秒差をつけてチェッカーを受けました。バトルとなった3位争いは,山田誓己が制しています。
2012/10/07(日)
☆ワンツー(F1)
○第15戦日本GPの予選が,予選日としては大観衆ともいえる4万人に見守られながら鈴鹿サーキットで行われました。ここまで3年連続ポールを獲得し,鈴鹿を得意としているレッドブルのS.ベッテルは,唯一となる1分30秒台のタイムをマークし,見事4年連続ポールを獲得しました。2番手タイムをチームメイトのM.ウェーバーがマークし,レッドブルによるフロントロー独占となりました。3番手タイムは,マクラーレン・メルセデスのJ.バトンがマークしました。そして,4番手タイムをマークしたのが,マシン特性が鈴鹿に合っていて,活躍が期待されるザウバーの小林可夢偉でした。予選3番手のバトンは,ギアボックス交換のため5グリッド降格が事前に決まっていましたので,可夢偉は今日行われる決勝レースを3番グリッドからスタートすることになります。日本GPにおいて日本人ドライバーが3番グリッドからスタートするのは,過去最高位となります。ちなみに,これまでの最高位は,2004年における佐藤琢磨の4番グリッドでした。
☆4戦連続(JRR)
○第8戦の予選が,ドライコンディションの岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ここまでランキングトップをひた走るヤマハの中須賀克行が,事前テストからトップタイムをマークしてきましたが,予選でもその速さに変わりはなく,4戦連続となるポールを獲得しました。開幕戦の練習走行で転倒を喫し,大腿骨骨折の重傷を負ったため,シーズンの大半を棒に振り,これが復帰3戦目となるホンダの秋吉耕祐が2番手タイムをマークしました。秋吉と中須賀のタイム差は,わずか1000分の4秒でした。ここまでランク2位につけるカワサキの柳川明が,3番グリッドを獲得しています。
J-GP2クラスは,カワサキのマシンを駆る渡辺一樹が,自身今季初となるポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのが,ここまでランクトップをいくスズキのマシンを駆る生形秀之でした。3番グリッドを獲得したのが,前戦でポールを獲得したヤマハのマシンを駆る野左根航汰でした。
今季ヤマハのマシンを駆るタイ人ライダーが好成績を収めているST600クラスは,今回もその傾向に変わりはなく,C.ポラマイが今季2回目となるポールを獲得しました。チームメイトで,ここまでランクトップをいくD.クライサルトが2番手タイムをマークし,タイ人ライダーによるワンツーとなりました。3番手グリッドを獲得したのは,スズキのマシンを駆る津田拓也でした。
J-GP3クラスは,多くの時間タイミングボードのトップに立つ走りを見せた長島哲太がポールを獲得しました。2,3番手タイムをマークしたのが,それぞれ山本剛大,山田誓己でした。今季MotoGPのMoto3クラスにフル参戦している藤井謙汰が,今回もスポットで参戦していますが,10番グリッド獲得にとどまっています。
2012/10/06(土)
☆継続(F1)
○第15戦日本GPが開幕し,初日は午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われました。その中で総合トップタイムだったのが,レッドブルのM.ウェーバーでした。母国GPとなったザウバーの小林可夢偉は,総合13番手で初日を終えています。さて,その可夢偉が所属するザウバーについて,新たな発表がありました。いまだに来季のドライバーについては誰も決まっていない同チームですが,既にS.ペレスは来季L.ハミルトンの抜けるマクラーレン・メルセデスに移籍することが決まっています。その彼の移籍で懸念されているのが,スポンサーについてです。資金不足に苦しむザウバーにとっては,今季ペレスがチームに持ち込んだメキシコ関連のスポンサーマネーが重要な役割を果たしていました。そのペレスが抜けるわけですから,彼の移籍に伴ってスポンサーも彼と共にザウバーとの契約を解除する可能性が高くなっています。しかし,今回同チームのCEOであるM.カルテンボーンが明らかにしたところによると,メキシコを代表する大手通信業者であるTelmex(テルメックス)が,ペレスが抜けた後も今シーズン同様ザウバーのスポンサーとしてとどまることになりそうだということです。これまでペレスを支援してきた同社ですが,その方針としてさらにモータースポーツとの関わりを強めていきたいということのようで,その長期的なプログラムの一つがザウバーとの関係継続のようなのです。日本人ドライバーの宿命ともいえるスポンサー不足というハンディを抱える可夢偉ですから,ザウバーの資金不足は可夢偉のシート確保にとって逆風となります。それだけに,今回のことは可夢偉にとっては追い風の一つとなりそうです。とはいえ,やはり開幕した日本GPにおける可夢偉のパフォーマンスが,残留に向けて大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
2012/10/05(金)
☆引退(F1)
○今日からいよいよ鈴鹿サーキットにおいて第15戦日本GPが開幕しますが,それの先だってメルセデスAMGのM.シューマッハが会見を行い,今シーズン限りで再びF1から引退することを発表しました。育成段階からマクラーレンで育ち,F1にステップアップしてきてからもずっとマクラーレンのステアリングを握ってきたL.ハミルトンが,先日メルセデスAMGに移籍することが決定しました。既にN.ロズベルグの契約延長が決まっていましたから,自動的にシューマッハが今シーズン限りでシートを失うことが決定していました。マクラーレンの空いたシートにザウバーのS.ペレスが座ることになりましたので,そこにシューマッハが移籍するのではないかという噂も出ていました。実際,シューマッハ自身の発言によると,残留も含め現役続行にいくつかの選択肢があったようですが,彼は引退の道を選択したようです。2006年シーズン終了をもって,「バッテリーが空っぽになった」ことから一度はF1から引退。しかし,彼の母国ドイツのメーカーであるメルセデスからの誘いを受け,2010年シーズンからF1に復帰し,ここまで表彰台を1回獲得しています。シューマッハによると,一度目の引退理由になぞらえ,「レッドゾーンになった」として2度目の,そしてほぼ間違いなく生涯最後の引退を決断したようです。来シーズンからの去就については,今回は発表されませんでした。この点についてもいくつか選択肢があるようですが,現段階ではメルセデスに残ってアドバイザーなどの役割を果たす可能性が高いのではないかという噂もあります。
2012/10/04(木)
☆交替(MotoGP)
○今シーズンの特徴として,それぞれのクラスで時折シーズン途中ながらライダーを交替するということが見られますが,今回も新たに2人のライダーがレースに復帰することになりました。まず1人目ですが,今シーズンからMotoGPクラスと混走で争っているCRTクラスに参戦中のスピード・マスターから発表があり,新たにR.ロルフォを起用することになりました。今シーズンは,中量級クラスで時折速さを見せてきたM.パッシーニを起用してきた同チームですが,ここまで4戦でポイントを獲得したものの,クラスで最多となる14回もの転倒を喫していて,この度シーズン途中ながらパッシーニとの契約を解除しました。ロルフォについては,今シーズンはテクノマグCIPからMoto2クラスに参戦していました。しかし,第12戦チェコGPを最後に同チームで途中解雇となっていました。ロルフォが最高峰クラスに参戦するのは,2005年シーズンにドゥカティのサテライトチームであるダンティーン・プラマック・レーシングから参戦して以来となります。
2人目ですが,Moto2クラスに参戦しているイタル・トランス・レーシングから発表があり,次戦日本GPから初代Moto2クラスチャンピオンであるT.エリアスを起用することになりました。同チームの今シーズンは,C.コルティを起用して参戦してきました。そのコルティは,第12戦以外で完走を果たし,第4戦フランスGPの2位を最高に,10戦でポイントを獲得してきました。それほど悪くない成績を収めてきたコルティでしたが,残り4戦となったところで途中解雇となり,この度シーズン途中でシートを失っていたエリアスを残りのレースに起用することになりました。
2012/10/03(水)
☆3人(F1)
○来シーズンのフェラーリは,既に現在ランキングトップをいくF.アロンソとの契約は成立しています。しかし,もう一つのシートについては,ここまで未定のままです。今シーズン限りで契約が切れるF.マッサは,シーズン当初から不振を極めていて,ポイント獲得さえままならないという状況が続いていました。そのため,今季限りでシートを失うということが確実だというような報道がずっとなされていました。しかし,シーズンが進むにつれ,ようやく改善の兆しが見え始め,ポイント圏内でのフィニッシュが当たり前になってきました。そのため,最近では,近々契約延長の発表があるという報道がなされるようになってきました。ただし,契約延長に関しては,フェラーリ側が否定する見解を表明していました。この残りのシートについて,イギリスでの報道によると,現段階で,フェラーリ側は3人の候補に絞っているとのことです。その3人ですが,当然その中の一人はマッサです。2人目は,フォース・インディアのN.ヒュルケンベルグで,既にフェラーリと契約しているのではないかというような報道が一部に出ています。3人目は,そのヒュルケンベルグのチームメイトであるP.ディ.レスタです。契約延長を望んでいるマッサにとっては,ここ1,2戦がまさに正念場といえそうですね。
2012/10/02(火)
☆カレンダー決定(F1)
○先月末,パリにおいて世界モータース-スポーツ評議会(WMSC)が開かれ,そこで来シーズンのレースカレンダーが承認され,FIAから正式に発表されました。それによると,前回出された暫定と比べると,日本GPと韓国GPの日程が入れ替わっています。また,ドイツGPとベルギーGPの開催日が,暫定の時より1週間早まっています。そして,ニュージャージーで開かれる予定になっているアメリカGPについては,承認待ちという形でレースカレンダーに残っています。なお,具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。
2013 F1レースカレンダー(決定)
決勝日 大会名 開催地
第1戦 3月17日 オーストラリアGP アルバートパーク・サーキット
第2戦 3月24日 マレーシアGP セパン・インターナショナル・サーキット
第3戦 4月14日 中国GP 上海国際サーキット
第4戦 4月21日 バーレーンGP バーレーン・インターナショナル・サーキット
第5戦 5月12日 スペインGP カタルニア・サーキット
第6戦 5月26日 モナコGP モンテカルロ市街地コース
第7戦 6月 9日 カナダGP サーキット・ジル・ビルヌーブ
第8戦 6月16日 アメリカGP ニュージャージー(サーキットの承認待ち)
第9戦 6月30日 イギリスGP シルバーストン・サーキット
第10戦 7月14日 ドイツGP ニュルブルクリンク
第11戦 7月28日 ハンガリーGP ハンガロリンク
第12戦 8月25日 ベルギーGP スパ・フランコルシャン・サーキット
第13戦 9月 8日 イタリアGP モンツァ・サーキット
第14戦 9月22日 シンガポールGP マリーナ・ベイ市街地コース
第15戦 10月 6日 韓国GP 韓国インターナショナル・サーキット
第16戦 10月13日 日本GP 鈴鹿サーキット
第17戦 10月27日 ドイツGP ブッダ・インターナショナル・サーキット
第18戦 11月 3日 アブダビGP ヤス・マリーナ・サーキット
第19戦 11月17日 US GP サーキット・オブ・ジ・アメリカ
第20戦 11月24日 ブラジルGP インテルラゴス・サーキット
2012/10/01(月)
☆チャンピオン決定(SGT)
◯第7戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。この日のオートポリスは,台風に接近で開催が心配されたものの,それほど大きな影響を受けることなく無事開催されました。午前中は,オートポリス特有ともいえる霧によりタイムスケジュールに変更が生じましたが,ピットウォークをする頃から霧が晴れはじめ,時折雨量が変化するという難しいコンディションとはなったものの,スタート時は小雨という天候の中スタートが切られました。GT500クラスは,レース序盤,ここを得意とする本山哲&M.クルム組のMOTUL AUTECH GT-Rがトップを走行していきました。しかし,中盤から勢いを見せたのが,ダンロップタイヤを履く道上龍&中山友貴組のEPSON HSV-010がタイヤ無交換作戦を採り,しかもコースコンディションにタイヤが合って,徐々に順位を上げていき,トップに浮上しました。ところが,それを上回るペースで順位を上げてきたマシンがありました。それが,昨年のチャンピオンで,現在ランクトップをいく柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road REITO MOLA GT-Rでした。EPSONはタイヤを交換していなかったため終盤になってペースが上がらず,S Roadとテールトゥーノーズ状態となりました。そして,最終ラップの第2ヘアピンでS Roadがトップに立ち,そのままの順位でチェッカーとなりました。この結果,S Roadがランク2位につけている立川祐路&平手晃平組のZENT CERUMO SC430に残り1戦になったところで25ポイントの差をつけ,2年連続チャンピオンを決めました。3位には,ポールからスタートした荒聖治&A.クート組のWedsSport ADVAN SC430が入っています。
GT300クラスは,ポールからスタートした関口雄飛&千代勝正組のS Road NDDP GT-Rを,2番グリッドスタートの吉本大樹&星野一樹組のtriple a Vantage GT3が後を追うという展開となりました。ところが,55周目になってS Road NDDP GT-Rの右リアタイヤが外れるというアクシデントが発生し,Vantage GT3が難なくトップに立ち,そのまま逃げ切りました。2位には,タイヤ無交換作戦を採った峰尾恭輔&横溝直輝組のエンドレス TAISAN 911が,3位には,影山正美&藤井誠暢組のHANKOOK PORSCHEが入っています。なお,このクラスのチャンピオン決定は,最終戦までもつれ込んでいます。
☆独走(MotoGP)
○第14戦アラゴンGPの決勝レースが,ドライコンディションの中モーターランド・アラゴンで行われました。MotoGPクラスは,2番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが7周目にトップに立つと,後続との差をどんどん広げていき,2位に6秒以上の大差をつけて今季4勝目を挙げました。2位には,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが入り,ペドロサとの差がわずか5ポイント縮まるにとどめました。A.ドビツィオーゾとC.クラッチローのモンスター・ヤマハ・テック3同士による3位争いは,来シーズンドゥカティのワークスライダーとなるドビツィオーゾに軍配が上がっています。
Moto2クラスは,2番グリッドからスタートしたカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロがトップに浮上。それを,ポールからスタートし,ここまでランクトップに立つシューターのマシンをかるM.マルケスが追う展開となりました。ランクトップ争いを展開する二人ですが,ポイント差を広げてトップに立っているマルケスは,無理をしてエスパルガロを追うことがなく,そのままの順位でチェッカーとなりました。エスパルガロの勝利は,第6戦イギリスGP以来で,今季3勝目となります。カレックスのマシンを駆るS.レディングが,最終ラップに3位に浮上してチェッカーを受けています。FTRのマシンを駆る高橋裕紀は,今季初のポイント獲得が期待されたものの,思うようにペースが上がらず,23位でのチェッカーとなりました。そして,その高橋の後ろとなる24位でチェッカーを受けたのが,前戦から残りのレースに参戦しているシューターのマシンを駆る小山知良が入っています。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,オープニングラップで他車を巻き込んでの転倒を喫したものの,レースには復帰して30位で完走しています。
Moto3クラスは,3人によるトップ争いとなりました。最後まで続いたバトルを制したのは,カレックスKTMのマシンを駆るL.サロムが制し,第11戦インディアナポリスGP以来となる今季2勝目を挙げました。2位には,ここまでランクトップをいくKTMのマシンを駆るS.コルテセが入っています。3位には,カレックスKTMのマシンを駆るJ.フォルガーが入り,今季2回目の表彰台を獲得しています。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,最下位争いを展開し,何とかブービーとなる26位でチェッカーを受けています。
     
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