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最新ニュース
2012/07/26(木)
☆新型エンジン(MotoGP)
○基本的にサマーブレイクに入っているMotoGPですが,最高峰のMotoGPクラスだけは明日からアメリカGPが開幕し,それが終わってからサマーブレイクに入ることになっています。そのアメリカGPでは,ホンダとドゥカティのワークスチームが,揃って新型のエンジンを投入するようです。ムジェロ・サーキットで行われたイタリアGP終了後,同地にそのままとどまって各チームはオフィシャルテストに臨みました。今回投入されることになったエンジンが,その時にテストされたものです。ここまで3基のエンジンを使用してきたレプソル・ホンダのD.ペドロサとドゥカティのV.ロッシ&N.ヘイデンは,今回使用するエンジンがシーズン4基目で,レプソル・ホンダのC.ストーナーは,今回のものでシーズン3基目となります。レプソル勢については,ライダーによってシャーシに違いがあるようで,オフィシャルテストで好感触を得ているペドロサは,その新しいシャーシに新しいエンジンを搭載してアメリカGPに臨むようですが,ストーナーに関しては,これまで使ってきたシャーシに新型エンジンを搭載してレースに臨むようです。4人共にアメリカGPの開催地であるマツダ・レースウェイ・ラグナセカを得意としていますので,レースにおいて新型のエンジン及びシャーシの評価ができることになります。
2012/07/25(水)
☆離脱(MotoGP)
○昨日は,シアトル・マリナーズで長年活躍してきたイチロー選手が突然ニューヨーク・ヤンキースに移籍してびっくりしましたが,MotoGPでも驚きのニュースが出ました。それは,ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB.スピースが,今シーズン限りでチームを離脱することが決定しました。ただし,これは現段階でヤマハから正式に発表があったものではなく,スピース本人が発表したものです。ワイルドカードでスズキからMotoGPに参戦した経歴のあるスピースは,うまく環境が整わなかった関係で2009年シーズンにMotoGPではなくSBKにフル参戦しました。そして,その初年度に見事チャンピオンを獲得し,そのポテンシャルの高さを見せつけました。その翌年に念願のMotoGPへと戦いの場を替え,「ルーキーは最高峰クラス1年目はワークスチームに所属できない」とするいわゆる「ルーキールール」(これは今シーズン限りで廃止となりました。そのため,M.マルケスが来シーズンいきなりレプソル・ホンダに所属することが決定しています。)により,まずはヤマハのサテライトチームであるテック3に所属しました。そして,V.ロッシがドゥカティに移籍することを受けて,その後釜として2011年シーズンからついにヤマハのワークスライダーとなりました。その初年度は1つの優勝を含むランク5位でシーズンを終え,今シーズンの活躍が期待されていました。ところが,シーズン序盤は,他のヤマハ車を駆るライダーが活躍を見せる中,スピースだけが上位争いに顔を出せない状況が続いていました。ここ数戦からようやくその力を見せるようになってきていて,今週末から母国GPであるラグナセカで開催されるアメリカGPを迎えていました。よく母国GPを前にして重要発表が行われますが,今回の発表はまさにそれに当てはまります。ただし,今回の発表は現段階でシーズン終了をもって離脱するということだけで,来シーズンの所属チーム等具体的なものは全く明らかになっていません。その来シーズンですが,ホンダ勢はレプソルは決定していますし,サテライトのLCRホンダのS.ブラドルは高い確率で残留するでしょうから,比較的安定していると言えます。ところが,ヤマハ勢がかなり異動がありそうで,ロレンゾ以外は不確定要素が高くなっています。スピースが抜けるということは,ヤマハのファクトリーの地位が空くということで,ここに誰が座るかが大きな注目点となります。そして,そこに座るライダーとして噂されるのが,ドゥカティに移籍していたV;.ロッシです。もしそうなると,ドゥカティのシート争いにも影響が出てくることになります。ヤマハのサテライトチームであるモンスター・テック3ヤマハは,今季A.ドビツィオーゾとC.クラッチローのコンビでかなりいい成績を収めています。普通に考えれば来季もこのままいけば良いということになりますが,既に同チームからMoto2クラスにフル参戦しているB.スミスが,2013年シーズンからMotoGPクラスにステップアップするという契約を一昨年シーズン終了後に結んでいますので,このシートについても動きがあることになりそう(ちなみに,ロッシがヤマハワークスに移籍した場合,クラッチローがそこに座るのではないかという噂が浮上しています。)です。活動休止を続けているスズキの動きも気になりますし,今シーズン末のストーブリーグは,ホンダ勢を除いて大きな動きがありそうですね。
2012/07/24(火)
☆途中参戦(MotoGP)
○元250ccクラスチャンピオンのE.アルサモラがチームマネージャーを務めるモンラウ・コンペティションから発表があり,A.マルケスがアンブロージョ・ネクス・レーシングに所属して第11戦インディアナポリスGPからMoto3クラスにフル参戦することになりました。今回シーズン途中からフル参戦することになったA.マルケスは,現在Moto2クラスでランクトップで,来シーズンはレプソル・ホンダからMotoGPクラスにフル参戦することが決まっているM.マルケスの実弟です。今シーズンのアレックスは,スペイン選手権のMoto3クラスにフル参戦していて,ここまで4戦を終えてランキングトップに立っています。さらに,そのスペイン選手権だけではなく,MotoGPのMoto3クラスにワイルドカードという形で参戦していて,第2戦スペインGPでは12位,第3戦ポルトガルGPでは15位,第5戦カタルニアGPでは6位に入り,いずれのレースでもポイントを獲得しています。スペイン選手権におけるアレックスは,第2戦からシューター・ホンダのマシンに乗り換えをしていて,今回所属することになったアンブロージョ・ネクス・レーシングも同様のマシンを使用していますから,スペイン選手権とMotoGPの両立は比較的やりやすいのではないかと思われます。今回のMotoGP参戦は,より多くの経験を積むことでスペイン選手権でのチャンピオン獲得にいい影響を与えるということが中心となるでしょうが,当然来シーズンからのMotoGPフル参戦も視野に入れていることは間違いないでしょうね。
2012/07/23(月)
☆自己最高位(F1)
○第10戦ドイツGPの決勝レースが,ホッケンハイムリンクで行われました。予選はウェットコンディションの中での走行でしたが,決勝レースはドライコンディションとなりました。レース序盤は,ポールからスタートしたフェラーリのF.アロンソと,2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルとの間でトップ争いが展開されてきました。その争いは,1回目のストップが行われる頃にやや差が開き,3秒差となっていました。しかし,その時にアロンソが履いたタイヤが堅い方だったのため序盤のペースより落ちてしまい,ベッテルだけでなく,その段階で3番手を走行していたマクラーレンのJ.バトンとのさも縮まってきました。そこに絡んできたのが,バトンのチームメイトであるL.ハミルトンでした。パンクにより周回遅れとなっていたハミルトンでしたが,それさえなければかなりのハイペースで走れる速さを持っています。そのハミルトンが,何とベッテルをパスし,ベッテルを塞ぐ形となりました。ペースを上げるバトン,前を塞がれるベッテル。この差が響いて,2回目のピットストップが終わったときにはバトンが2位に浮上していました。3者のバトルは最後まで続きましたが,アロンソはタイヤをうまくコントロールしてトップの座を守りきり,今季3勝目を挙げると共に,ランクトップの座を守りました。バトンとベッテルとの間で2位争いが展開されていきましたが,残り2周となったところでベッテルがかなり強引にバトンをパスし,ベッテルが2位,バトンが3位でチェッカーとなりました。しかし,レース後にベッテルのパスのやり方が審議の対象となりました。そして,ベッテルはコース外に出てバトンをパスしていて,それからコースに復帰したということで,コース外でアドバンテージを得たことからドライブスルーペナルティーに相当するレース結果に20秒加算というペナルティーが科されました。その結果,ベッテルは5位に降格。当然,3〜5位まででチェッカーを受けたドライバーは,順位が1つ繰り上がりました。その中の一人が,5位でチェッカーを受けたザウバーの小林可夢偉でした。後半にペースアップを果たして5位でチェッカーを受けた可夢偉は,ベッテルの降格により,自己最高位となる4位というレースリザルトとなりました。今シーズンなかなかいい流れが出ていなかった可夢偉でしたから,今回の結果で流れが良い方に変わっていくといいですね。
2012/07/20(金)
☆危機(F1)
○ドイツを代表するサーキットの一つであるニュルブルクリンク(以下ニュル)は,現在ホッケンハイムと交互でドイツGPを開催しています。そのニュルがあるラインラント・プファルツの州知事が,記者会見において同サーキットが破産の危機に直面していることを明らかにしたとguardian.co.ukが報道しています。その報道によると,同サーキットを運営するニュルブルクリンクGmbHは,同州の銀行に対し2009年に行った再開発に伴って約289億円にものぼる巨額の返済義務があるとのことです。その返済金が巨額ですから,その分の金利を返済するだけでも大変です。その金利返済のため,EU委員会に対しておよそ12億3,000万円の緊急融資を申請しました。しかし,これは承認されない可能性が高いとのこと。ニュルの州知事によれば,もしそうなった場合,今月末には破産する可能性が高いというのです。F1を開催するためには,巨額の資金が必要になります。現在のような経済状況では,毎年開催するのが厳しいところが増えてきていて,とりわけ経済状況が逼迫しているユーロ圏内でその傾向が強まっています。もしニュルが破産してしまった場合,ホッケンハイムが単独で毎年開催できるかがドイツGP存続に大きな影響があります。そのホッケンハイムのマネージングディレクターによると「毎年開催は可能」とのことですが,そのにも条件があって,「コスト面,契約,指針,その他もろもろのことが整えられた場合」に限るようです。順番では,来シーズンはニュルでの開催となるドイツGP。果たしてどうなるのか気になるところです。
2012/07/19(木)
☆復活?(MotoGP)
○サマーブレイクに入っているMotoGPですが,水面下では来シーズン以降に向けての体制づくりにも着手していることは間違いありません。ホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダは,既にD.ペドロサとM.マルケスというスペイン人ライダーの組み合わせで2014年までの体制が決定しています。また,その決定よりも早く,ヤマハのワークスであるヤマハ・ファクトリー・レーシングに関しては,こちらもJ.ロレンゾの残留が決定していました。スズキが一時的に撤退していることから,後残っているシートは,ヤマハの一つとドゥカティの2つのシートということになります。そのシートに関して,ある噂が浮上してきています。それは,ドゥカティのV.ロッシについてです。ご存知のように,昨シーズンからドゥカティに移籍して以来,ロッシはいまだに勝利を挙げることができていません。表彰台に立つことさえままならない状態が続いています。こうした状況を打破するため,ロッシはドゥカティに対して様々なリクエストをしてきています。そのような中,ドゥカティがドイツの4輪メーカーであるアウディの傘下に入りました。今後は,当然そのアウディの意向がドゥカティのMotoGPへの取り組み方に大きな影響を与えることになります。現段階では,一応これまで通りの支援を約束してはいるものの,不透明であることが確かです。そのような状況の中で浮上してきた噂というのが,ロッシのヤマハへの復帰です。つまり,ロレンゾ&ロッシという2010年までの体制に戻ると言うことです。その際,ロッシだけがヤマハに復帰するのではなく,何と現在ドゥカティのスポンサーを務めているフィリップモリス社のたばこブランドであるマールボロと共に復帰するというのです。世界的なたばこ広告禁止により,現在はMotoGPにおいてもかつて隆盛を極めたたばこ広告はされていません。マールボロについても,表だった広告はできていませんが,ドゥカティワークスのカラーリングが赤白になっているのは,マールボロをイメージさせるためです。現在マールボロとロッシは強いつながりがあって,ロッシの10億円をはるかに超える契約金は,マールボロ側が支払っているのではないかという話もあります。さらに,ヤマハとマールボロというのもつながりが深く,ヤマハのワークスマシンのカラーリングが赤白なのは,かつてでは定番になっていました。現段階で勝てるマシンは,ホンダのRC213VとヤマハのYZF-M1の2つという現状です。勝利に飢えるロッシとマールボロ,そして,MotoGPの運営側としても圧倒的人気を誇るロッシの復活を願っているということは間違いありませんから,現段階では噂に過ぎないものの,単に噂として片付ける訳にはいかない話と言えるでしょうね。
2012/07/18(水)
☆離脱(MotoGP)
○マプフレ・アスパル・チームから発表があり,今シーズンMoto2クラスに同チームから参戦してきたT.エリアスが,チームから離脱することになりました。それまでの250ccクラスからMoto2クラスになった初年度である2010年にチャンピオンを獲得したエリアスは,その翌年からMotoGPクラスにステップアップしたものの,今シーズンから再び戦いの場をMoto2クラスに戻していました。そして彼が選択したのが,かつて250ccクラス時代に所属したこのチームでした。チームとしても,エリアスにしても,当然チャンピオン獲得を視野に入れてシーズンを迎えたことでしょう。ところが,エリアスはプレシーズンテストの段階からリアのトラクション不足を訴え,シーズンに入ってからも,たまに上位に顔を出すものの,思うような成績を挙げられない状況が続いていました。エリアスとしては,マシンをチェンジすることを要求してきましたが,Moto2になって以来ずっとシューター製のマシンを使用してきたチームとしては,そう簡単にマシンチェンジというわけにはいきませんでした。さらに,同じシューター製のマシンを使用するM.マルケスやT.ルティはチャンピオン争いを展開していますから,そういった意味からもエリアスの要求が容認されると言うことはありませんでした。こうした状況から両者の話し合いがもたれ,サマーブレイクを機に契約を解消することが円満に決まりました。エリアスの後任は現段階では決まっておらず,サマーブレイクの間にスペイン人ライダーを中心にしてライダーを探すことになるようです。また,エリアス自身もMoto2クラスに継続して参戦することを希望していて,新たなチームと話し合いをする計画のようです。シューター製のマシンと言えば,高橋裕紀が所属するフォワード・レーシングも,当初は同シャーシを使用していましたが,成績不振によりシーズン途中でFTR製のマシンにスイッチ。その後は,徐々に良い結果を残せるようになってきています。もしかしたら,今季型のマシンはかなりセッティングの幅に余裕がなく,マッチするライダーとそうでないライダーが極端に分かれるものなのかもしれませんね。
2012/07/17(火)
☆3回目(MotoGP)
○イタリアGPが終了し,MotoGPはサマーブレイクに入りました。ただ,MotoGPクラスに関しては,その前に今季3回目となるオフィシャルテストをイタリアGPの開催地であるムジェロ・サーキットで16日に行い,今日から長期の夏休みに入ります。
そのオフィシャルテストですが,トップタイムをマークしたのは,イタリアGPを制したヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾでした。今回のテストは主に新しいエンジンの開発に時間をかけたようで,午前中の走行でこの日の最速タイムをマークしています。なお,チームメイトのB.スピースは,体調不良によりこの日のテストをキャンセルしています。2番手タイムをマークしたのは,イタリアGPで2位に入ったレプソル・ホンダのD.ペドロサで,チームメイトのC.ストーナーが3番手タイムでした。同チームは,今回のテストに開発ライダーを務める秋吉耕祐も参加しています。そして,今季型マシンとニューエンジンを搭載した来季型のプロトタイプマシンの両方を投入して比較テストを実施し,今季悩まされているチャタリングの改善とイギリスGPから正式に投入されているブリヂストンの新しいタイプのタイヤへの対応を行ったようです。ドゥカティ勢は,レギュラーライダーの2人に加え,開発ライダーを務めるF.バッタイーニも参加し,ニューエンジンの開発を行ったようです。ちなみに,ドゥカティの地元であるイタリアでのテストですので,ドゥカティはそのまま同地に滞在して,今日から3日間のプライベートテストも実施することにしていますので,4日間連続というテストとなります。
2012/07/16(月)
☆独走(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つめとなる第9戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションのムジェロ・サーキットで行われました。2番グリッドからスタートしたヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,オープニングラップでトップに立つと,後続との差をどんどん広げていき,2位に5秒以上の大差をつける独走で今季5勝目を挙げました。ポールからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,ホールショットを奪ったものの,その後順位を下げていきました。しかし,5周目に再び2位に浮上すると後続との差を広げていき,こちらも独走で2位に入り,5戦連続,今季通算8度目となる表彰台を獲得しました。最後は5台での争いとなった3位争いは,母国GPに燃えるモンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾが3位に入り,3戦連続表彰台を獲得しています。昨年のMoto2クラスチャンピオンで,今シーズンから最高峰クラスにステップアップしているLCRホンダのS.ブラドルは,ドビツィオーゾとの3位争いに惜しくも敗れはしたものの,自己最高位となる4位でチェッカーを受けました。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロが,残り8周目にトップに立つと,徐々に後続との差を広げていきました。しかし,母国GPに燃えるスピードアップのマシンを駆るA.イアンノーネが,2位争いを制するとトップのエスパルガロにどんどん迫っていきました。そして,最終ラップの1コーナーでついにトップに立ってそのまま逃げ切り,今季2勝目を挙げました。2位に入ったエスパルガロは,今季通算5度目の表彰台獲得となります。シューターのマシンを駆るT.ルティが3位に入り,4戦ぶりに表彰台を獲得しています。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,一時トップを走る快走を見せました。しかし,3位走行中にトップ争いの2台が接触するというアクシデントがあり,それを避けるためにアクセルを戻さざるを得ず,順位を下げてしまいました。最後は7位でのチェッカーとなりはしましたが,表彰台が近い位置にあることを証明できたレースとなりました。FTRのマシンを駆る高橋裕紀は,レース途中でコースオフを喫してしまい,最後尾まで順位を下げてしまいました。しかし,どんどん順位を挽回していき,ポイント圏外ではあるものの,今季自己最高位となる17位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,3台によるトップ争いが展開されていきました。最後まで続いたそのバトルを制したのは,ポールからスタートしたFTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスで,今季5勝目となります。惜しくも100分の2秒差で2位に貼ったのは,同じくFTRホンダのマシンを駆るR.フェナティでした。ランクトップをいくKTMのS.コルテセが3位に入り,ランクトップの座を守っています。最後尾からスタートとなったTSRホンダの藤井謙汰は,25位でフィニッシュしています。
今回のイタリアGPが終了し,MotoGPは1ヶ月以上に及ぶサマーブレイクに入りました。
☆逆転(FN)
○第4戦の決勝レースが,富士スピードウェイで行われました。この日の富士は,雨が降ったり止んだり。しかも,場所によって濡れ方が違うというとても難しいコンディションの中での走行となりました。2番グリッドからスタートしたTeam LeMansの大嶋和也は,抜群のスタートを切ってトップに立ちました。ポールからスタートしたPETRONAS TOM'Sの中嶋一貴が,それに次ぐ2位を走行していきました。そして,40周目に入る前にまず中嶋がピットインし,当然給油はしたものの,タイヤは無交換でピットアウト。次の周にトップの大嶋がピットに入り,こちらもタイヤ無交換でピットアウト。コースインしたときには中嶋がその前を走行し,ここでトップが入れ替わりました。しかし,レースはここで終わりません。中嶋のチームメイトで昨年のチャンピオンであるA.ロッテラーが,レース途中ではコースオフを喫することがありましたが,難しいコンディションを得意としていますので徐々に順位を回復。素早いピット作業もあって2位の大嶋に迫っていき,ついに50周目に大嶋を交わして2位に浮上しました。ロッテラーの勢いはそれで終わらず,トップをいく中嶋にどんどん迫っていきました。そして残り3周目で中嶋をとらえてトップに浮上し,そのまま逃げ切りました。結局PETRONAS TOM'S勢がワンツーフィニッシュし,大嶋が3位表彰台を獲得してレースは終了しています。なお,惜しくも2位に終わった中嶋でしたが,DOCOMO DANDELIONの塚越広大が9位でのチェッカーとなってノーポイントに終わったため,ランキング争いでトップに立ちました。トップチェッカーのロッテラーも,ランキング2位に浮上しています。
2012/07/15(日)
☆最後に(MotoGP)
○第9戦イタリアGPの予選が,ドライコンディションのムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者レプソル・ホンダのD.ペドロサが,終盤に入って最速タイムをマークしました。その前まで最速タイムを刻んでいたヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,これを受けて今度は彼がタイムアタック。ペドロサのタイムを上回る速さを見せて最終セクションに突入。ところが,最後になってマシントラブルが発生したようで,最終コーナーを回らずにそのままピットロードの方に向かうという事態が発生しました。その後,さらにペドロサが最速タイムを刻んで,今季2回目となるポールを獲得しました。最後にトラブルが発生してしまったロレンゾが,惜しくも2番グリッドにとどまりました。3番手タイムをマークしたのが,ドゥカティのサテライトチームであるプラマックのH.バルベラでした。彼にとって,これが最高峰クラスで自身初となるフロントローからのスタートです。
Moto2クラスは,前日のフリー走行を2回とも制したカレックスのマシンをかるP.エスパルガロが最速タイムを刻み,第6戦イギリスGP以来となる今季2回目のポールを獲得しました。午前中に行われた3回目のフリー走行で,他車との接触から転倒を喫し,左足首を強打した状態でのポール獲得となります。2番グリッドを獲得したのが,ここまでランクトップに立っているシューターのマシンを駆るM.マルケスでした。3番手タイムをマークしたのが,モトビのマシンを駆るJ.ザルコでした。しかし,午前中に起こした接触の責任を問われ,決勝レースは15グリッド降格となります。日本人ライダー勢ですが,カレックスのマシンを駆る中上貴晶は10番グリッド,FTRのマシンを駆る高橋裕紀は14番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,予選までの3回のフリー走行を制したFTRホンダのM.ビニャーレスが,予選でも最速タイムを刻み,今シーズン4回目となるポールを獲得しました。ここまでランキングトップをいくKTMのマシンを駆るS.コルテセが,コンマ4秒遅れで2番グリッド獲得となりました。そして,シューター・ホンダのマシンを駆るA.リンスが3番手タイムをマークし,第2戦スペインGP以来となるフロントローにマシンを進めました。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,食あたりで前日の走行をキャンセルしましたが,この日は無事走行しました。しかし,残念ながら最下位となる35番手にとどまっています。
☆真っ先に(FN)
○第4戦の予選が,富士スピードウェイで行われました。Q1,Q2と何とかドライ用タイヤでの走行が行われたものの,最後のトップ10を決めるQ3でついに大粒の雨が降り始めました。ここで真っ先にコースインしたのが,PETRONAS TOM'Sの中嶋一貴でした。セクター3はほぼウェットコンディションになっていたものの,元F1ドライバーとしてのスキルを見せて何とか乗り切り,予選での最速タイムを刻みました。FN2年目となる一貴ですが,これが彼自身にとって初となるポール獲得です。いち早くウェット用タイヤに交換したTeam LeMansの大嶋和也が,2番手タイムをマークしています。3番手タイムをマークしたのが,オートポリスで行われた前戦でポールトゥーフィニッシュを飾ったDOCOMO DANDELIONの塚越広大でした。
2012/07/14(土)
☆連続(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つめのレースとなるイタリアGPが,ドライコンディションのムジェロ・サーキットで開幕しました。初日は午前・午後にフリー走行が行われ,MotoGPクラスは,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが総合トップタイムをマークしました。そのロレンゾの走りは,2回のフリー走行を共にトップタイムをマークするもので,今シーズンの好調さをあらためて示した形となりました。ロレンゾが初日に総合トップタイムをマークするのは,昨年の第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ.・リビニGP以来となります。総合2番手タイムをマークしたのは,ザクセンリンクで行われた前戦ドイツGPを制するとともに,今週に入って2年の契約延長を発表したレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。ペドロサとロレンゾとのタイム差は,わずか1000分の31秒でした。総合3番手タイムをマークしたのはドゥカティのN.ヘイデンで,ロレンゾとの差が1000分の81秒と,こちらも僅差でした。ちなみに,10番手タイムをマークしたLCRホンダのS.ブラドルまでが,トップから1秒以内というタイム差でした。
Moto2クラスは,カレックスのマシンを駆るP.エスパルガロが,ロレンゾと同じように午前・午後の両セッションでトップタイムをマークし,総合トップに立ちました。初日の両セッションを制するのは,エスパルガロにとって4戦連続となります。テック3のマシンを駆るB.スミスが,トップからコンマ2秒差で総合2番手タイムをマークしました。シューターのマシンを駆るT.ルティが,総合3番手タイムでした。日本人ライダー勢は,カレックスのマシンを駆る中上貴晶が10番手,マシンをFTRにスイッチして復調の兆しを見せ始めている高橋裕紀が15番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,FTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスが,3戦連続となる初日総合トップタイムをマークしています。総合2番手タイムをR.フェナティがマークし,FTRホンダ車を駆る2人がワンツー発進をしています。総合3番手タイムは,KTMのマシンを駆るD.ケントでした。なお,TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,食あたりによる腹痛でドクターストップがかかり,初日の走行をキャンセルしています。
2012/07/13(金)
☆2年契約(MotoGP)
○ホンダ・レーシング(HRC)から発表があり,今シーズンで契約の切れるD.ペドロサとの間で契約延長が決まりました。また,C.ストーナーが今シーズン限りで引退することから,その空くことになるシートに,現在Moto2クラスでランキングトップに立っているM.マルケスが座ることも決定しました。両者共に契約期間は2014年までの2年間です。先日ヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが契約延長を発表していますので,ワークスのシートが3つ埋まったことになります。後残っているワークスのシートは,ヤマハ1,ドゥカティ2となります。今回契約延長が成立したペドロサですが,GPにデビューした2001年から,一貫してホンダ車を走らせてきました。2003年シーズンに125ccクラスの王者につくと,翌年から250ccクラスにステップアップ。そこで2年連続チャンピオンを獲得して2006年シーズンから最高峰クラスにステップアップすると共に,以来ずっとホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダに所属してきました。最高峰クラスではチャンピオンを獲得できていないものの,ここまでの6年間でランク2位,3位にそれぞれ2回ずつなっています。そして,冒頭に記したように,7年目となる今シーズンは,第8戦終了段階においてチャンピオン獲得が十分可能なポイント差で,ランキング2位につけています。今回2年間延長が決まりましたので,レプソル・ホンダのライダーとしては通算9年間所属することになります。来季から最高峰クラスにステップアップすると共に,ホンダのワークスライダーとなることが決まったマルケスは,2008年シーズンからGPに参戦しています。そして,2010年に125ccクラスでチャンピオンを獲得し,翌年からMoto2クラスに参戦してきています。その初年度になる昨シーズンは,終盤までチャンピオン争いに絡み,最終的にランク2位を獲得。そして,今シーズンは,ここまでランクトップに立っています。彼に関しては,早くからごく近い将来のワールドチャンピオン候補として注目されてきました。そして,まさかのストーナーの引退表明。さらに,2008年シーズンから導入されてきたルーキーライダーは最高峰クラス1年目にワークスチームに所属できないという,いわゆる「アンチルーキールール」が今シーズン限りで廃止されることが決定。こうした巡り合わせを引き寄せて,今回の契約成立となっています。
2012/07/12(木)
☆シーズン途中で(MotoGP)
○今シーズンから始まったMoto3クラスにオリジナルマシンを投入してフル参戦しているインドのマインドラ・レーシングが,シーズン途中ながらライダーを交代することを発表しました。エースライダーであるD.ウェッブとそのチームメイトであるM.シュレッターの2人体制でスタートした同チームは,新たに開発したMoto3クラス用マシンであるMGP-30を投入しています。ホンダやKTMに比べるとまだ十分な戦闘力があるとは言えず,第8戦終了時点でウェッブがノーポイント,シュレッターが4ポイント獲得するにとどまっています。通常ですと,ポイントを獲得しているシュレッターが残留し,ウェッブが交代となるでしょうが,今回シーズン途中でシートを失うことになったのは,ポイントを獲得しているシュレッターの方でした。彼の交代は,彼にとって母国GPである第8戦ドイツGPの段階で決まっていて,その母国GPが最後のレースとして位置づけられていたようです。ただ,これは急な交代劇ではなく,シュレッター自身そのことに同意していたとのことです。シュレッターの後任には,イタリア選手権でインド人ライダーであるS.クマーと共にマヒンドラの125ccマシンを駆っているR.モレッティが就任することになりました。そのモレッティは,イタリア選手権の125ccクラスで現在3勝を挙げてランク2位につけています。GPに関しても既にワイルドカードで参戦した経験があり,合計7戦走っています。また,イタリア選手権に参戦しているだけでなく,MGP-30の開発ライダーも務めています。
2012/07/11(水)
☆契約延長(F1)
○レッドブル・レーシングから発表があり,M.ウェーバーとの間で契約を延長することが決定しました。契約期間は,来シーズンまでの1年間です。今シーズン末でウェーバーとの契約は切れることになっていますが,来シーズンに関しては,F.マッサの後釜としてフェラーリに移籍するのではないかという噂が出ていました。今回ウェーバー自身から明らかにされたことによれば,フェラーリへの移籍は単なる噂ではなく,実際にフェラーリとの話し合いはもたれたようです。しかし,チーム残留を主軸にしていたウェーバーとしては,2007年から所属し,週末に行われたイギリスGPでの勝利を含め9勝を挙げている同チームとの関係継続を選択したのです。イギリスでの勝利により,今シーズンのチャンピオンシップ争いでトップに立つフェラーリのF.アロンソとのポイント差が13のランク2位につけているウェーバー。契約が決まったことで,安心してチャンピオン争いに臨むことができるようになるでしょうね。ところで,フェラーリとの交渉があったということは,噂通りマッサが今シーズン限りでフェラーリのシートを失う可能性が高まっていることを示していますね。マッサとしては,残りのシーズンでどのような成績を出すか,かなり重要な局面に立っていると言えるでしょう。
2012/07/10(火)
☆復帰(SGT)
○今月20日と21日にSGTの公式合同テストが予定されています。そのテストへの公式エントリーリストは既に発表されていましたが,その後2人のドライバーが追加されました。追加されたチームは,GREEN TEC & LEON SLSとZENT Audi R8 LMSの2チームです。当初のエントリーリストでは,両チームともに第3ドライバーはTBNとなっていました。今回追加されたのは,GREEN TEC & LEON SLSが中谷明彦,ZENT Audi R8 LMSがR.ライアンとなっています。中谷と言えば,主に1990年代に活躍したドライバーで,フォーミュラのトップカテゴリーであった全日本F3000にフル参戦した経歴を持っています。SGTに関しては,その前身であるJGTCの時にフル参戦を経験し,GT300クラスではFTOを,GT500クラスではマクラーレンF1 GTRを駆っていました。2008年のスーパー耐久に参戦して以後は第一線から退いていて,主に自動車ジャーナリストとして活動しています。もう一方のライアンに関しては,2004年にFNとSGTのGT500クラスでダブルチャンピオンを獲得したドライバーです。その後もSGTには参戦の経歴がありました。現在はレギュラードライバーとしてのシートは失っているものの,今シーズンはルマンの関係で欠場となったL.デュバルの代役として富士スピードウェイでの第2戦においてPETRONAS TOM'S SC430を駆り,4位でチェッカーを受けてポイントを獲得し,わずか1戦の参加ながらドライバーランキングで10位につけています。経験と実績のあるドライバーが加わったことにより,両チームにとっては心強い助っ人を得た気持ちになるところでしょうね。
2012/07/09(月)
☆3年連続(MotoGP)
○3週連続開催のMotoGPですが,その2戦目となる第8戦ドイツGPの決勝レースが,ザクセンリンクで行われました。ドライコンディションの中で行われたMotoGPクラスは,3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサと,そのチームメイトで,ポールからスタートしたC.ストーナーとの間でオープニングラップからトップ争いが展開されていきました。このサーキットを得意とするペドロサが19周目にトップに立つと,最終ラップまでその順位を守っていきました。そして,最終ラップに入ってペースを上げたペドロサを激しく追走していたストーナーが転倒を喫し,今シーズン初となる転倒リタイアに終わってしまいました。ペドロサはこのサーキットで3年連続となるトップチェッカーを受け,昨年の第12戦日本GP以来となる勝利を収めました。ストーナーのリタイアにより,3番手を走行していたヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが2位に入りました。今回のレースが始まる前は,ロレンゾとストーナーがランキング争いで同ポイントに並び,勝利数でロレンゾがかろうじてランクトップに立っていましたが,ストーナーがノーポイントに終わったため,ロレンゾが単独トップ。そして,ペドロサがランク2位に浮上しています。モンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾとヤマハ・ファクトリー・レーシングのB.スピースとの間で最後の最後まで繰り広げられた3位争いは,ドビツィオーゾが1000分の71秒差でドビツィオーゾが逃げ切り,2戦連続3度目の表彰台を獲得しています。
ドライコンディションの中で行われたMoto2クラスは,ポールからスタートしたシューターのマシンを駆るM.マルケスが,オープニングラップからトップに立ちました。一時トップの座を譲ることはありましたが,再びトップに立つとその順位を守り切り,今季2戦連続4勝目,このサーキットでは3年連続となる優勝を飾りました。カレックスのマシンを駆るM.カリオとFTRのマシンを駆るA.デ.アンジェリスとの間で繰り広げられた2位争いは,最後の最後まで続き,最終的にカリオが制しました。カリオにとっては,今季自己最高位で,昨年11月に行われた最終戦バレンシアGP以来となるこのクラスでのベストリザルトとなりました。アンジェリスにとっては,今季のベストリザルトで,奇しくも2年連続このサーキットでシーズン初の表彰台獲得となっています。そのアンジェリスのチームメイトで,今季自己ベストとなる11番グリッドからスタートした高橋裕紀は,スタートで出遅れて16位まで順位を下げたものの,ポイント圏内まで順位を戻しました。今季初となるポイント獲得が期待されましたが,不運に見舞われている今季を象徴するかのようにマシントラブルが発生し,残念ながらリタイアに終わり,ポイント獲得はかないませんでした。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,20位でレースを終えています。
この日最後に行われたMoto3クラスは,レース前に雨に見舞われてしまい,スタートが25分遅れとなりました。ポールからスタートしたKTMのS.コルテセは,オープニングラップで8位まで後退してしまいました。一時はトップから9秒以上遅れたものの,コースコンディションが回復していくと一気にペースアップを果たしていきました。そして,15周目にトップ争い加わると,さらにペースアップし,第3戦ポルトガルGP以来となる今季2勝目を母国GPで挙げました。また,ここまでランクトップに立っていたM.ビニャーレスがポイント圏外でレースを終えたため,コルテセがランクトップに立ちました。10番グリッドからスタートしたホンダのマシンを駆るA.マスボーが2位に入り,自身通算103戦目で初の表彰台獲得となりました。3位には,カレックスKTMのマシンを駆るL.サロムが入り,サロムが入り,今季4回目となる表彰台を獲得しています。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,周回遅れになりながら23位完走を果たしています。
☆逆転(F1)
○決勝レース前日までは雨に見舞われたシルバーストーン・サーキットで開催されている第9戦イギリスGPでしたが,決勝レースはドライコンディションで行われました。ポールからスタートしたフェラーリのF.アロンソが,レースの大半をトップで走行していきました。ところが,最終スティントでソフトタイヤを履いたのが裏目に出てしまい,2位を走行していたレッドブルのM.ウェーバーの追撃を受けるという事態となりました。そして,残り5周目となったところでウェーバーがトップに浮上すると最後までそのポジションを守り,モナコGP以来となる今季2勝目を挙げました。ここまでランク2位につけていたウェーバーに勝利は譲ったものの,アロンソは2位に入り,ランクトップの座を守っています。3位にレッドブルのS.ベッテルが入り,優勝したバーレーンGP以来となる表彰台を獲得しています。ザウバーの小林可夢偉は,ポイント圏内を走行していたものの,2回目のピットストップの際,ブレーキを踏むのが遅れるというミスを犯してしまいました。そのため,ピットクルーをひいてしまうという事態となり,順位を下げたため,最終的にポイント獲得まで後一歩となる11位でチェッカーを受けています。なお,ピットで事故を起こした可夢偉に対しては,罰金として25万ユーロ(約250万円)が科されました。
2012/07/08(日)
☆連続(MotoGP)
◯第8戦ドイツGPの予選が,ウェットコンディションの中ザクセンリンクで行われました。MotoGPクラスは,前日のフリー走行で総合2番手タイムをマークしていたC.ストーナーが,9周目にマシントラブルが発生してストップしてしまうというアクシデンに見舞われました。しかし,Tカーに乗り換えてからも速さを見せ,セッション終了間際にトップタイムをマークして,2戦連続となるポールを獲得しました。シーズンはじめの頃の不振からようやく脱却したヤマハ・ファクトリー・レーシングのB.スピースが,第6戦イギリスGP以来となる2番グリッドを獲得しています。前日のフリー走行を制していたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,3番手タイムでした。
Moto2クラスは,こちらもフリー走行で総合2番手タイムだったシューターのマシンを駆るM.マルケスがトップタイムをマークし,2戦連続となるポールを獲得しています。昨シーズンまでの好調さが影を潜めているシューターのマシンを駆るJ.シモンが,ようやくマシンとのマッチングに活路を見いだしたのかタイムを上げてきて,今季自己最高位となる2番グリッドを獲得しました。カレックスのマシンを駆るM.カリオが3番手タイムをマークしましたが,これはこのクラスで自己ベストタイとなります。日本人ライダー勢ですが,今シーズン不運に見舞われていた高橋裕紀が,FTRにマシンをスイッチして2戦目となる今回ようやく復調の兆しが見え始め,今季自己最高位となる11番手に進出しました。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,トップから2秒弱遅れの21番手で予選を終えています。
Moto3クラスは,ドイツ人ライダーのS.コルテセが,セッション早々にマシントラブルでストップしてしまうというアクシデントを乗り越え,2戦連続となるポールを獲得しました。チームメイトのD.ケントが2番手タイムをマークし,KTMのワンツーで予選が終了しました。フリー走行で総合18番手だったFTRホンダのA.マルティンが3番グリッドを獲得し,自身初となるフロントローからのスタートとなりました。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,フリー走行では最下位だったものの,トップから4秒以上遅れた32番手タイムで予選を終えています。
☆久々(F1)
○第9戦イギリスGPの予選が,シルバーストーン・サーキットで行われました。雨が多いイギリスですが,この日も雨に見舞われる天候となりました。Q2の途中では,雨脚が強まって赤旗が提示され,およそ1時間半後に再開となりました。そのような中でポールを獲得したのは,前戦を制しているフェラーリのF.アロンソでした。彼のポール獲得は今シーズン初めてで,2010年のシンガポールGP以来となります。1000分の47秒という僅差での2番グリッド獲得となったのは,レッドブルのM.ウェーバーでした。前戦で復帰以来初となる表彰台を獲得しているメルセデスAMGのM.シューマッハが,3番グリッドを獲得しています。ザウバーの小林可夢偉は,初日に好走を見せていましたから,上位進出の可能性を見せていました。ところが,Q2の走行でチームがタイヤ選択をミスしてしまって思うようにタイムが伸びずにここで脱落となり,12番手で予選を終えています。なお,その可夢偉は,前戦の接触事故が原因で5グリッド降格のペナルティーが科せられています。
2012/07/07(土)
☆得意の(MotoGP)
◯3週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目となる第8戦ドイツGPが開幕しました。初日は,午前・午後に1回ずつフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,フリー走行1がドライコンディションだったものの,午後に行われたフリー走行2がウェットコンディションだったため,フリー走行1の結果がそのまま初日の総合タイムとなりました。そこでトップタイムだったのが,このザクセンリンクで2年連続勝利を挙げているレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。彼が初日にトップタイムをマークしたのは,昨年の10月に行われた第17戦マレーシアGP以来となります。総合2番手タイムをマークしたのが,ペドロサのチームメイトで,勝利数でランク2位にはなっているものの,トップに同ポイントで並んでいるC.ストーナーでした。そして,総合3番手タイムをマークしたのが,かろうじてランクトップの座を守っているヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾでした。
Moto2クラスも,MotoGPクラスと同様に午後の走行がウェットになったため,午前中のタイムが総合の結果となりました。そこでトップタイムだったのが,ここまで2戦連続初日を制しているカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロでした。ここまでランクトップに立っているシューターのマシンを駆るM.マルケスが,エスパルガロから遅れることわずかコンマ048秒差で総合2番手につけました。総合3番手タイムは,チーム独自で開発しているマシンを駆るテック3のB.スミスがマークしています。前戦からマシンをFTRにスイッチした高橋裕紀は,優勝経験のあるこのサーキットで総合9番手タイムをマークしました。今シーズン不運に見舞われて,いつも20番手以降にいる彼でしたが,ようやくトップ10圏内に入って今季ベストリザルトを残しました。もう一人のフル参戦日本人ライダーであるカレックスの中上貴晶は,総合25番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,唯一午前・午後ともにドライコンディションの中で行われました。そこで総合トップタイムだったのは,2戦連続勝利を収め,ここまでランクトップに立っているホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスでした。同じくホンダのマシンを駆るJ.今フェールが総合2番手タイムをマークし,自己最高位を獲得しています。前戦で自身初となる表彰台を獲得したKTMのマシンを駆るD.ケントが,その勢いを保つように総合3番手タイムをマークしました。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,午前の走行に続いて午後も最下位となる35番手で初日を終えています。
2012/07/06(金)
☆7年ぶり(MotoGP)
◯3週連続開催となるMotoGPですが,その2つ目のレースとなるドイツGPが今日から開幕します。その大会を前にして,カルディオン・AB・モーターレーシングから発表がありました。このチームは,チェコ人ライダーであるK.アブラハムのためのもので,彼が最高峰クラスにステップアップするのに合わせてチーム自身もドゥカティのサテライトチームとして最高峰クラスに進出してきました。その一年目となる昨シーズンは,大方の見方と違ってルーキーオブザイヤーを争うような結果を残していきました。ところが,今シーズンはマシンとのマッチングに苦しみ,昨年のような結果が残せていません。それに追い打ちをかけるように,6月6日にモーラ-ランド・アラゴンで行われたオフィシャルテストで転倒を喫し,左手第三と第五中手骨を骨折するという重傷を負ってしまいました。そのため,イギリスGPとオランダGPの2戦をこれまで欠場してきています。冒頭にも記したように3週連続開催となるMotoGPですから,その2つ目となるドイツGPをパスし,次のイタリアGPからの復帰を目指すことになりました。今回の発表によると,アブラハムが欠場するドイツGPに,ドゥカティのテストライダーを務める40歳のイタリア人ライダーであるF.バッタイーニをアブラハムの代役として起用することになりました。今シーズン同チームだけでなく,ドゥカティのワークスチームも思うような結果を残せていませんので,実戦の中でマシン開発やデータ取りなどを進めるという狙いがあるのかもしれません。なお,バッタイーニ自身にとっては,2005年にバラタ・WCMから参戦して以来の最高峰クラス出場となります。
2012/07/05(木)
☆チーム体制(SGT)
◯今年のルマン24時間耐久レースは,史上初めてハイブリッドマシンが優勝しました。また,SGTにおいては,既にトヨタがプリウスを投入していて,これからのレース界の新たな方向性が出てきたシーズンと言えます。そのような中,これもシーズン前に既に明らかになっていたことですが,ホンダもSGTにハイブリッドマシンを投入することになっていたのですが,この度そのマシンのお披露目がありました。ホンダが投入するのは,既に市販されているホンダのスポーツカータイプのハイブリッド車であるCR-Zです。このCR-Zを『無限』ブランドでお馴染みのM-TECが,ホンダの栃木技術研究所やザイテックなどと協力しながらマシン開発を行うことになっています。今回発表されたチーム体制ですが,エントラントはTEAM無限で,車名は『MUGEN CR-Z GT』となっています。ドライバーについては,既にシーズン前から元インディカードライバーの武藤英紀については決定していましたが,そのチームメイトが中嶋大祐に決定しました。彼については既にお馴染みのドライバーでしょうが,日本人初のフルタイムF1ドライバーの中嶋悟の息子で,元F1ドライバーの中嶋一貴の弟です。現在FNにNAKAJIMA RACINGからフル参戦していますが,彼自身初となるハコ車でのレース参戦です。マシンに搭載されるエンジンですが,ベースとなるのはル・マンLMP2クラス用のホンダHR 28TT V6ツインターボエンジンです。そのエンジンに,以前NSXに搭載して開発していたものの延長線上にあたる“レーシングハイブリッド”を使用しています。この新たなマシンは,スポーツランドSUGOで行われる第4戦から参戦することになります。
2012/07/04(水)
☆廃止(MotoGP)
○週末に行われたオランダGPにおいてグランプリコミッションの会議がもたれ,レギュレーションについていくつかの決定がなされました。現在MotoGPクラスには「アンチルーキールール」があります。これは,2008年シーズンから適用されてきたもので,最高峰クラスに初参戦するライダーは,ワークスチームに所属してはいけないというものです。そのため,例えば昨年のMoto2クラスのチャンピオンで,今シーズンからMotoGPクラスにステップアップしたS.ブラドルは,今シーズンレプソルでなくLCRホンダに所属しています。将来を嘱望されていた故M.シモンチェリ選手も,同様にレプソルではなくサンカルロ・ホンダ・グレシーニに所属しました。しかし,今シーズンから最高峰クラスの中にCRTクラスが始まったこともあって,このルールの見直しが俎上に上がっていました。そして,今回の会議においてこのルールの廃止が決まり,来年の1月1日から適用されることになりました。今回の決定で大きな影響を受けるのが,現在Moto2クラスでチャンピオン争いを展開しているM.マルケスでしょう。彼こそまさに将来を嘱望されているライダーで,ほぼ間違いなくごく近い将来のチャンピオンと目されています。先日,今シーズン終了をもってレプソル・ホンダのC.ストーナーが引退することになっています。当然その空くシートに誰が座るかが注目となるわけですが,将来性,そしてタイトルスポンサーであるレプソルの支援を受けていることがあって,マルケスの名前がそこに挙がってきます。唯一障害になっていたのがルーキールールでしたから,今回の廃止決定により,ホンダそしてマルケスに追い風が吹いたと言えるでしょう。
その他の変更点としては,MotoGPクラスの台数制限に関して,ワークス,サテライト共にエントリー枠が2台ということになりました。つまり,昨年のレプソル・ホンダのように3台体制というのは組めなくなったことになります。Moto3クラスに関しても新たな決定がなされ,年間使用できるエンジンの使用台数に関して,MotoGPクラスと同様,年間8台に制限されることになりました。もしその台数を超えたときには,そのライダーは決勝レースがスタートして10秒後にピットレーンからスタートすることになります。
2012/07/03(火)
☆23年ぶり(ダカール・ラリー)
○ホンダから発表があり,来年1月に南米を縦断して行われるダカール・ラリーの2輪部門にワークスとして参戦することになりました。以前はパリを出発してアフリカ大陸を横断しながら争われ,「パリ・ダカ」としての名称で知られていた同ラリーレイドですが,その当時ホンダは2輪部門に1981年から89年までの9年間参戦し,5回の優勝を挙げていました。今回の復帰はそれ以来ですから,23年ぶりの参戦ということになります。チーム名はまさにワークスチームを表わす「Team HRC」で,使用するマシンは,市販の「CRF450X」をベースに,ホンダの技術研究所が開発及び製作するものです。また、市販のCRF450Xへの装着を前提としたキットパーツも同時に開発し,一部のチームへ提供する計画もあるようです。そのマシンを駆るライダーですが,今年初めに行われたダカール・ラリーで3位に入賞したポルトガル人ライダーのH.ロドリゲス,モトクロスやエンデューロレースの経験豊富なブラジル人ライダーのF.ザノル,イギリス人ライダーのS.サンダーランド,そしてアルゼンチンライダーのJ.ピゾリトの4名です。
2012/07/02(月)
☆撤回?(F1)
○小林可夢偉が所属するザウバーの創設者で,現在チームの代表でもあるP.ザウバーは,70歳を迎える前までにはF1の現場から引退することを数年前から発言してきました。そのため,彼が引退して以後のためのレールはいろいろ敷いていて,ザウバー引退後に代表を務めることにしているM.カルテンボーンには株式の3分の1を譲渡していますし,彼の息子であるアレックスをプロミネント・ディレクターとしてチームに迎えています。また,チームはBMWのワークス的役割を果たしていたのですが,そのBMWがF1から撤退し,一挙にチームは資金不足に陥っていたものの,今シーズンはメキシコ人ドライバーであるS.ペレスを起用することで,メキシコからのスポンサーマネーを持ち込むことに成功しています。ところが,ここに来てその意志に変化が見られるようになってきたようです。今年で69歳を迎えるザウバーですが,やはりまだ完全にF1から足を洗うことができないようで,インタビューに際して「テレビでしかレースを見られないことほど最悪なことはない」というような発言をするようになっています。その当たりの真偽のほどは分かりませんが,もしかしたら,財政的に安定できるまでは引退できないという気持ちがあるのかもしれません。ペレスの加入により資金的に助かっているとはいえ,まだ潤沢とは言えません。また,そのペレスに関しては,フェラーリを軸として移籍話が出ていますので,そう長くはチームにとどまる可能性が低く,もしそうなるとスポンサーマネーを失うリスクが高くなります。果たしてザウバーの決断はどうなるのか,可夢偉のチーム残留も含めて気になるところです。
2012/07/01(日)
☆1周目に(MotoGP)
◯第7戦オランダGPの決勝レースが,ドライコンディションの中アッセン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,スタート直後の1コーナーで,サンカルロ・ホンダ・グレシーニのA.バウティスタが転倒し,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾを巻き込んで両者リタイアに終わるという波乱で幕が開けました。最大のライバルがいなくなったレプソル・ホンダのC.ストーナーとD.ペドロサは,後続との差をどんどん広げていきながらトップ争いを展開していきました。ペドロサの走りを後ろから見ていたストーナーは,17周目にトップに立つとペドロサとの差を広げていき,第3戦ポルトガルGP以来となる今季3勝目を挙げました。レプソル・ホンダ勢によるワンツーフィニッシュは,今季初となります。ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾとヤマハのワークスチームであるヤマハ・ファクトリー・レーシングのB.スピースとの間で争われた3位争いは,ドビツィオーゾが制しています。今回のレース結果により,ランキング争いはロレンゾとストーナーが同ポイントで並んだものの,勝利数の違いによりロレンゾがランクトップの座を守っています。
Moto2クラスは,ランキング上位につけるカレックスのP.エスパルガロとシューターのT.ルティがオープニングラップで転倒リタイアを喫するという波乱の幕開けとなりました。4周目にトップに立ったスピードアップのA.イアンノーネは,徐々に後続との差を広げていき,14周目には2位に3秒以上の差をつけるという独走状態になりました。しかし,チャタリングに苦しむと共に,徐々にペースを上げてきたシューターのマシンを駆るM.マルケスの追い上げげられるという事態になりました。2人のバトルは最終ラップまで続き,最終週にトップに立ったマルケスがそのまま逃げ切り,今季3勝目を挙げました。イアンノーネは惜しくも2位に終わりましたが,ランキング2位に浮上しています。3台による3位争いを制して,カレックスのマシンを駆るS.レディングが3位に入りました。日本人勢は,カレックスのマシンを駆る中上貴晶が12位でポイントを獲得しました。今大会からFTRにマシンをスイッチした高橋裕紀は,22位でチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,最終ラップまで4台がトップ争いを展開するという大接戦となりました。コーナー毎にトップが変わるという展開の中,最後のシケインをトップで立ち上がったFTRホンダのM.ビニャーレスがそのまま逃げ切り,3戦連続の勝利を収めました,.残りの3台はフィニッシュラインまで差がつかず,ビデオ判定に持ち込まれました。その結果,2位にはKTMのS.コルテセが,3位にはそのコルテセのチームメイトであるD.ケントが入りました。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,27位でのチェッカーとなりました。
     
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