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最新ニュース
2012/08/31(金)
☆新カテゴリー(FE)
〇先日FIAから新しいカテゴリーのシリーズについて発表がありました。その新しいシリーズというのは,電気自動車のフォーミュラカーで争われる『フォーミュラE』(FE)というものです。そして,このシリーズを運営することになったのが,フォーミュラEホールディングス(FEH)で,そのCEOを務めることになったのが,GP2に参戦するチームの一つアダックスのオーナーでもあるA.アガグ氏です。このシリーズのレギュレーションについては,今後具体的に決定されていくのでしょうが,動力はハイブリッドとかいうものではなく,電力エネルギーのみで動くマシンが使用されます。バッテリーの最大重量が300kgとされているものの,その他の細かい縛りはないといわれています。FIAからFEとして認められたマシンは出場可能で,参戦を希望するチームには,『フォーミュレックEF 01プロトタイプ』をベースにしたFEカーが提供されることになっています。電気自動車の普及を目指して行われるもので,当然環境問題への対応が大きなコンセプトになっています。そのため,開催場所は環境問題を重要視している大都市としていて,その開催地の一つとして,次のオリンピックの開催地であるブラジルのリオデジャネイロがその候補として名前が挙がっています。その他の候補地としては,環境汚染が問題視されている中国をはじめ,メキシコやモナコなどの名前も挙がっています。このFEが他のシリーズと大きく違う点の一つですが,通常のシリーズは,ピットインをしてガソリンなどのエネルギーを補給し,再びコースインするパターンで行われます。それに対して,FEはエネルギー補給ではなく,マシンを乗り換えるという形を採るようです。ガソリンなどの液体エネルギーと違い,現在の技術では,チャージに数時間を要しますので,この方式しか採りようがないというのが現実でしょう。なお,今回の発表によると,開催時期は2014年からとなっています。
2012/08/30(木)
☆搭載(F1)
〇現在のF1では,スピードアップの方法としてリアウィングに搭載して一時的に空気抵抗を抜くすデバイスであるDRSと,ブレーキをかけた際に生じる摩擦エネルギーを電気エネルギーに変え,それを一時的にパワーを上げることに使うシステムであるKERSの2つは,搭載して当たり前になっています。ところが,そのKERSに関しては,下位チームであるマルシャとHRTは搭載していません。やはり,資金的・人員的に考えて,開発を進めていくのが厳しいものと思われます。ところが,マルシャでテクニカル・コンサルタントを務めるP.シモンズが明らかにしたところによると,来シーズンはKERSを搭載する予定になっているとのことです。ただし,チームオリジナルでシステムを開発するのではなく,ウィリアムズと提携して同チームのKERSシステムを導入することになるようです。また,エンジンについても明らかにしていて,F1に新規進出して以来今年で3年が経過しようとしていますが,4年目となる来シーズンも,これまでと同様にコスワース製のV8エンジンを使用することになります。コスワースエンジンといえば,来季からKERSシステムで提携するウィリアムズも,以前はコスワースエンジンユーザーの一つでした。上位チームでコスワースエンジン+KERSを経験しているのはウィリアムズだけですから,このことが同チーム製KERSを搭載することに繋がっているのかもしれませんね。
2012/08/29(水)
☆暫定(FN)
〇国内のフォーミュラ-カーの最高峰シリーズである『フォーミュラ・ニッポン』は,来シーズンから『スーパー・フォーミュラ』(SF)という名称に変更になります。そして,2014年シーズンからは,来季まで使用予定のFN09に替わって,ブランニューのマシンを使用することも決まっています。新たなスタートを切るFNの,来季のレースカレンダーが先日JAFから発表されていますので,遅ればせながらお伝えします。なお,今回のものは暫定ですので,今後変更が加わる可能性があります。
2014 SFレースカレンダー(暫定)
決勝日 サーキット
第1戦   4月14日  鈴鹿サーキット
第2戦   5月12日  ツインリンクもてぎ
第3戦   5月26日  オートポリス
第4戦   7月14日  富士スピードウェイ
第5戦   8月 4日  ツインリンクもてぎ
第6戦   9月22日  スポーツランドSUGO
第7戦  11月10日  鈴鹿サーキット
特別戦  11月17日  富士スピードウェイ
2012/08/28(火)
☆オフィシャルテスト(MotoGP)
○第12戦チェコGPは,チャンピオン争いをしているJ.ロレンゾとD.ペドロサによる手に汗握るバトルが最終ラップの最終コーナーまで展開するというものとなりました。そのチェコGPが終わり,MotoGPクラスに参戦している多くのチームは,そのままブルノに残り,27日にオフィシャルテストに臨みました。今回のテストは,シーズン中としては4回目で,これが最後のテストとなります。参加したのは,レプソル・ホンダ,ヤマハ・ファクトリー・レーシング,モンスター・ヤマハ・テック3,LCRホンダ,サンカルロ・ホンダ・グレシーニ,NGMモバイル・フォワード・レーシング,アビンティア・ブルセンスの7チームです。また,怪我で欠場しているC.ストーナーの代役として次からの2戦に参戦することになる予定のJ.レイと,引退後その長い経験を活かしてMotoGPのセーフティーアドバイザーを務めているL.カピロッシも将来のテクニカルレギュレーションやタイヤ開発を目的にして参加しました。ちなみに,そのカピロッシは,ホンダのRC213VといくつかのCRTクラスに参加しているマシンを駆りました。なお,ドゥカティのマシンを駆るチームは,ワークスとサテライトチームの両方とも今回のテストには参加しませんでした。ただし,ワークスライダーであるV.ロッシは,今日からの2日間,次戦の舞台となるミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリ(既にご存知の方も多いと思いますが,昨年レース中に若くしてお亡くなりになったM.シモンチェリさんを記念して,ミサノ・サーキットはその名前の一部に彼の名前を冠するようになりました。)においてプライベートテストを実施する予定になっています。今回のテストでトップタイムをマークしたのは,チェコGPで3位表彰台を獲得したC.クラッチローでした。2番手タイムをA.ドビツィオーゾがマークし,モンスター・ヤマハ・テック3によるワンツーとなっています。チェコGPにおいて惜しくも2位に終わったヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,まず今季型のM1で走行し,午後からは来季型シャーシに今季型エンジンを搭載したマシンを駆るという内容のテストを行い,3番手タイムをマークしています。チェコGPを制したレプソル・ホンダのD.ペドロサは,既に来季型マシンをレースに投入していますので,そのマシンの熟成を行い,4番手タイムをマークしています。ストーナーの代役を務める予定のレイは,7番手タイムでテストを終えています。なお,NGMモバイル・フォワード・レーシングのC.エドワーズですが,シューター製のシャーシにBMWのエンジンを搭載したマシンを駆ってレースに参加しています。プレシーズンテストやシーズン当初は,BMWエンジンを使用するということで注目を浴びると共に,CRT勢のトップタイムをしばしばマークしていました。ところが,他のCRTチームの熟成が進む内にどんどん遅れが目立つようになり,現在は下位に低迷するようになりました。同チームは,Moto2クラスにも参戦していて,当初はシューター製のマシンを使用していたものの,高橋裕紀が特にそうであったように,中位争いに加わることさえ難しい状況が続いたため,シーズン途中でFTR製のシャーシに変更したという経緯があります。CRTクラスに関しても,Moto2と同じようにマシンの変更を検討していて,エドワーズは今回のテストでM.パッシーニが使用しているART(アプリリアのエンジンを搭載)のマシンを使用しました。チームとしては,次戦からこのマシンを使用できるよう交渉中のようです。
2012/08/27(月)
☆初優勝(JRR)
○第6戦の決勝レースが,ドライコンディションで蒸し暑いスポーツランドSUGOにおいて行われました。JSB1000クラスは,スタートを示すシグナルにトラブルが発生し,スタートをやり直すという珍しい事態が起きました。シグナルがつかないため,スタートの合図として耐久レースで行われるように日の丸を振ってスタートとする形が採られてレースは始まり,ホールショットは2番グリッドから好スタートを切ったスズキの加賀山就臣が奪いました。しかし,序盤はタイヤを温存する作戦を採っていたこともあって,その後ポジションを3番手まで下げました。それに対して,オープニングラップを制したのが,今回の大会が自身にとってJRRの初戦となったホンダの秋吉耕祐でした。その秋吉を,ここまでランクトップをいくヤマハの中須賀克行が追うという形で序盤は進んでいきました。中盤になると秋吉,中須賀,加賀山の三つ巴のバトルとなりましたが,そうした中,16周目にトップをいく秋吉が馬の背コーナーでコースオフを喫して順位を下げ,2人によるトップ争いとなりました。そこで抜け出したのが,序盤はタイヤを温存していた加賀山でした。18周目にトップに立つと中須賀との差をじりじりと広げ,最後は独走状態となりました。結局そのまま加賀山が逃げ切り,JRRに復帰し,自身のチームを立ち上げてからうれしい初優勝となりました。3位には,カワサキの柳川明が単独走行で入っています。
J-GP2クラスは,レース中盤まで5台による激しいトップ争いが展開していきました。その後は徐々にばらつきが出るようになり,最終的には,ヤマハのマシンを駆って終盤にファステストラップをマークしていったポールシッターの野左根航汰がトップでチェッカーを受けました。野左根にとっては,これがうれしい初優勝となります。2位には,ホンダのマシンを駆る浦本修充が入りました。3位にヤマハのマシンを駆る生形秀之が入り,彼にとってはこれが初表彰台となりました。
ST600クラスは,ポールからスタートしたカワサキのマシンを駆る岩崎哲朗がトップに立ってレースを引っ張っていきました。終盤に入ると,その岩崎をオートポリスを制しているD.クライサートと中冨伸一のヤマハ勢が追っていきました。そして,最終ラップに入って,何とシケインでトップの岩崎が転倒。再スタートを切ったものの,トップ争いからは脱落となりました。代わってトップに立ったのがクライサーで,見事3連勝を飾りました。3位には,徐々に順位を上げてきたカワサキのマシンを駆る井筒仁康が入っています。
J-GP3クラスは,スタートしてしばらくの間は,ポールからスタートした長島哲太を往来ダーがいたものの,5周目を過ぎてからは誰も追うことができなくなり,最終的には2位に10秒以上の差をつけて独走で今季2勝目を挙げました。それに対して2位争いは激しくなり,山田誓己と仲城英幸という若手と超ベテランライダーという組み合わせでのバトルとなりました。その争いは,最終的に山田が制しています。
☆連勝(MotoGP)
○第12戦チェコGPの決勝レースが,ブルノ・サーキットで行われました。ドライコンディションで行われたMotoGPクラスは,ポールからスタートしたヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾと,3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサとの間で時にマシン同士が軽く接触するという激しいトップ争いが展開されていきました。そのバトルは最終ラップの最終コーナーまで続き,最後は前戦を制しているペドロサがトップでチェッカーを受けました。3番グリッドからスタートしたモンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローは,レース序盤から3位での単独走行となり,参戦28戦目でうれしい初の表彰台獲得となりました。なお,3強の一角であるレプソル・ホンダのC.ストーナーは,前線で負った怪我の手術のため,今大会は欠場しています。全治6ヶ月という報道もありますので,復帰時期については不明です。もし長期離脱となれば代役を立てなければなりませんが,現段階では,8耐を制すると共に,ホンダのマシンを駆ってSBKで活躍しているJ.レイがその役を務めるのではないかという噂が浮上してきています。日本人ファンとしては,昨シーズンまでMotoGPにフル参戦していた青山博一にその役を果たしてもらいたいのですが,今年のリザルトでは残念ながらまず無理と言えるでしょう。
Moto2クラスは,4台によるトップ争いが終盤まで続きました。残り3周になったところでシューターのマシンを駆るM.マルケスがその争いから抜け出し,最後は2位に1000分の61秒の差をつけて逃げ切り,2戦連続6勝目を挙げました。2位に同じくシューターのマシンを駆るT.ルティが入り,今季6回目の表彰台を獲得しています。優勝したマルケスとランキングトップ争いを展開しているカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロは,3位表彰台を獲得しています。日本人ライダー勢ですが,カレックスのマシンを駆る中上貴晶が17位,FRTのマシンを駆る高橋裕紀が18位で入り,残念ながらノーポイントに終わっています。
Moto3クラスは,唯一ウェットコンディションでのスタートとなりました。徐々にドライへと変わっていく難しいコンディションだったため,ドライ用かウェット用かタイヤ選択が分かれていました。そのような中,カレックスKTMのマシンを駆るJ.フォルガーが,マシン自体はウェットセッティングながら,タイヤはスリックを選択するというある意味ギャンブル的な形でスタートしました。4周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,最後は独走で今季初優勝を飾りました。今シーズンの彼は,シーズン途中でチームを移籍していて,その移籍2戦目で優勝を飾っています。彼にとってもチームにとっても,この移籍劇は正解だったと言えるでしょう。ゴールラインまで続いた5台による2位争いは,カレックスKTMのマシンを駆るL.サロムが制し,2戦連続表彰台獲得となりました。3位には,ここまでランクトップをいくKTMのマシンを駆るS.コルテセが入り,7戦連続10回目の表彰台を獲得しています。
2012/08/26(日)
☆コースレコード&初ポール(JRR)
○第6戦の予選が,ドライコンディションの中スポーツランドSUGOで行われました。このところ2戦にわたって部分的なクラスでのみの開催という大会が続いていましたが,今回は5月に行われた第3戦以来となる全クラスでの開催となります。まず,最高峰のJSB1000クラスは,鈴鹿8耐でポールを獲得したヤマハの中須賀克行が,コースレコードをマークしてポールを獲得しました。2番手タイムは,自身のチームでの参戦をし,その中でダンロップタイヤの開発を担っているスズキの加賀山就臣でした。昨年のチャンピオンで,シーズン前の事前テストで大腿骨骨折の重傷を負い,今回の大会がJRRとしては復帰戦(実際の復帰戦は,ご存知のように2連覇を飾った鈴鹿8耐です。)となるホンダの秋吉耕祐でした。ランキング争いでトップの中須賀を追うホンダの高橋巧は,4番グリッドを獲得しています。
J-GP2クラスは,ヤマハのマシンを駆る野左根航汰が最速タイムをマークし,自身初となるポールを獲得しました。予選におけるこれまでの最高位が4番手でしたから,ポールはもちろん,フロントローを獲得することも初となります。彼を見いだしたのが,元GPライダーで,惜しくも交通事故でこの世を去った故阿部典史さんです。今回の結果を,ノリック自身も天国で祝っていることと思います。2、3番手タイムをマークしたのは,それぞれヤマハのマシンを駆る中本郡とホンダのマシンを駆る浦本修充でした。
ST600クラスは,しばらくの間タイ・ヤマハの2人のライダーがワン・ツーのタイムをマークしていましたが,その後カワサキのマシンを駆る岩崎哲朗が最速タイムをマークし,自身初となるポールを獲得しました。世界耐久レースのテストがあったため,予選前日に帰国し,ぶっつけ本番で予選に臨んだスズキのマシンを駆る津田拓也が2番グリッドを獲得しました。3番グリッドは,タイ・ヤマハのD.クライサーでした。
J-GP3クラスは,長島哲太が序盤からリーダーボードのトップに名を連ねていました。その速さは予選を通じて持続し,最後はこれまでのコースレコードを1秒以上上回るタイムをマークし,コースレコードでのポールとなりました。2,3番手タイムを,それぞれ山田誓己と森俊也がマークしています。
☆転倒後(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,今回はその2戦目となる第12戦チェコGPです。MotoGPクラスは,現在ランキングトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾが最速タイムをマークし,今季4度目となるポールを獲得しました。13周目に転倒を喫したモンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローでしたが,大事に至ることはなく予選には参加し続けることができ,見事2番手タイムをマークしました。前戦で今季2勝目を挙げたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,5周目で彼も転倒を喫しました。彼のツナギはその時の汚れや傷がついていながらもスペアマシンに乗り換えて走行を続け,最後のアタックで3番手タイムをマークし,6戦連続9回目となるフロントローを獲得しています。
Moto2クラスは,ここまでランク2位につけているカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロが最速タイムをマークし,3戦連続4回目となるポールを獲得しました。2,3番グリッドをそれぞれシューターのマシンを駆るT.ルティとカレックスのマシンを駆るS.レディングが獲得しています。現在ランキングトップにつけているシューターのマシンを駆るM.マルケスは4番手タイムでした。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は7番グリッドを獲得したものの,今シーズンここまでノーポイントレースが続いているFTRのマシンを駆る高橋裕紀は,ほぼいつもと同じポジションである22番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,ランキングトップ争いに加わっているものの,前戦は最終ラップに転倒リタイアという結果に終わっているFTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスが最速タイムをマークし,第9戦イタリアGP以来となる今季5回目のポールを獲得しました。ここまでランクトップに立っているKTMのマシンを駆るS.コルテセが,2番グリッドを獲得しました。同じくKTMのマシンを駆るマレーシア人ライダーのZ.カイルディンが3番手タイムをマークし,第5戦カタルニアGP以来今季2回目となるフロントローを獲得しています。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,トップからおよそ4秒弱遅れの30番グリッド獲得で予選を終えています。
2012/08/25(土)
☆契約延長(F1)
○超高速のブラインドコーナーであるオールージュで有名なサーキットのスパフランコルシャンは,ベルギーGPの開催地として有名です。そのベルギーGPですが,財政的に不安定なため安定的な開催が行えない状況が続いています。財政的な理由から開催ができていない大会としてフランスGPがありますが,このフランスGPとベルギーGPとが隔年で開催するという噂も今シーズン浮上したこともありました。そのベルギーGPに関して発表があり,2015年までの開催延長が決定しました。これは,スパがあるベルギーのワロン地域の政府が明らかにしたものです。同地域のJ-C.マーコート財政大臣によると,今回の契約延長ができた背景には,開催権料の減額が認められたことによるようです。具体的な額については明らかにされなかったようなので分かりませんが,ともかく3年間という比較的長期の契約が結べたことは,F1ファンはもちろん,とてもチャレンジングなサーキットだけに,ドライバーを含めたF1関係者にとっても朗報と言えるのではないでしょうか。
2012/08/24(金)
☆主導は(MotoGP)
○来シーズンからの2年間,ヤマハのファクトリーチームであるヤマハ・ファクトリー・レーシングはJ.ロレンゾとV.ロッシという2008年から2010年シーズンまで3年連続してチャンピオンを獲得したコンビで臨むことが決定しました。どちらも当然チャンピオンを獲得できる可能性の高いコンビですし,開発能力についても申し分ないものがあります。当然開発は2人が担っていくことになりますが,最終的にどちらの主導でいくのかが課題となります。その点に関してヤマハのマネージング・ディレクターを務めるL.ジャービスがプレスカンファレンスにおいて,ロレンゾが昨シーズンからと同様にその役割を担っていくことを認めました。以前はロッシ主導で行われていましたから,わずか2年間とはいえ,ロッシがドゥカティに移籍したことにより,ヤマハでの立場が逆転したことになります。なお,ロッシを担当するメカニックに関しては,はっきりとして決定には至ってないようですが,これまで通りJ.ジャービスを中心としたクルーになる可能性が高いようです。元々はホンダでM.ドゥーハンなどのメカニックを務めていた彼らですが,ホンダでロッシを担当して以後から互いに深い信頼感を持つようになり,ヤマハやドゥカティに移籍した際にチームクルーとしてロッシと行動を共にしていました。なお,今回のヤマハ復帰劇の裏側も明らかにしていて,ロッシ側からヤマハにアプローチがあったそうです。
2012/08/23(木)
☆決定(MotoGP)
○先日ドゥカティのV.ロッシがヤマハのワークスチームに復帰することが発表されましたが,その空いたシートに誰が座るのかが注目されていました。そして,その最有力候補として,ヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾの名前が挙がっていました。昨年ロッシがヤマハからドゥカティに移籍した際,「イタリア人ライダーによるイタリアンメーカーでのチャンピオン獲得」ということが言われましたが,結局それは実現することができませんでした。そして,そのことを実現することが可能なライダーは,現段階ではドビツィオーゾしか考えられない状況にあります。そのような中,その噂通りドビツィオーゾがロッシの後釜としてドゥカティに移籍することが正式に決定しました。今回結ばれた契約期間は,ロッシがヤマハと結んだのと同じ2014年までの2年間です。125ccクラスでチャンピオンを獲得,250ccクラスでチャンピオン争いを展開して,MotoGPクラスにステップアップしました。そして,そのポテンシャルの高さによって2009年シーズンからついにホンダのワークスライダーに昇格しました。ホンダのワークスライダーとして昨シーズンまで活躍しましたが,ワークスチームのライダーは2名までという規定ができたため,C.ストーナー,D.ペドロサという強力なメンバーが揃ったホンダワークスに所属していくことが不可能になり,やむなく今シーズン現在のチームに所属しました。彼自身はホンダへの復帰という考えがあったと思いますが,ストーナーの引退を受けて,彼の後釜としてこれまた高い将来性を秘めているM.マルケスが座ることになり,ホンダワークスに復帰することができなくなりました。そうこうしている間に,ヤマハのワークスライダーであるB.スピースが今シーズン限りで離脱することを発表し,そのシートに誰が座るのかも注目を浴びました。一時期は,そこにドビツィオーゾの名前が挙がりましたが,結局ロッシの復帰が決まり,ヤマハワークスの道も閉ざされてしまいました。そして,今回の決定に至っています。ヤマハ1年目にもかかわらず,優勝はないものの,現段階まで既に5回表彰台に上っています。そうしたポテンシャルの高いライダーだけに,ようやく本来の立つべき位置であるワークスライダーという座に就きました。今回の決定により,MotoGPクラスにおけるワークスライダーが全て決定(ホンダ・・・ペドロサ&マルケス,ヤマハ・・・J.ロレンゾ&ロッシ,ドゥカティ・・・N.ヘイデン&ドビツィオーゾ)しました。今後は,サテライトチームのライダーが順次決定していくことになります。
2012/08/22(水)
☆欠場(MotoGP)
○サマーブレイク明けのレースとなる第11戦は,世界3大レースの一つである『インディ500』の舞台として有名なインディアナポリスを舞台に行われました。しかし,このサーキットは普段あまり使われることがないため,路面状況はかなり悪く,各クラス共にレースウィークを通じて転倒者が相次ぎました。特に,アベレージスピードが当然のごとく一番高いMotoGPクラスは,その分転倒したときの衝撃はかなり高いものになります。予選においては,ホンダはC.ストーナー,ヤマハはB.スピース,ドゥカティはN.ヘイデンと,MotoGPクラスにおいてワークス活動をしている各メーカーのワークスライダーが1人ずつ転倒を喫するという事態となりました。また,初日の走行においては,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングのH.バルベラも転倒を喫しています。スピースは決勝レースに出場しましたし,ストーナーは骨折や靱帯損傷を乗り越えてこちらも決勝レースに出ています。しかし,予選での転倒により脳震盪と右手の第2と第3中手骨を骨折したヘイデンは,決勝レースを欠場しました。また,バルベラに関しては,胸椎を骨折したため直後の走行からT.エリアスを代役に立てるという事態となっていました。そのMotoGPは,アメリカに引き続いてチェコGPも行われ,2週連続開催となります。そのチェコGPに関して発表があり,ヘイデンとバルベラは,第13戦となるサンマリノ&デラ・リビエラ・ディ・リミニGPでの復帰を目指してチェコGPを欠場することになりました。バルベラはエリアスを代役として立てますが,ヘイデンについては代役を立てず,V.ロッシ1人での参戦となります。それにしてもインディアナポリスでのレースは,転倒者があまりに多く,その転倒の仕方もかなり激しいものが目立ちました。ヘイデンは転倒した瞬間に既に気を失っていて,滑っている最中は流れに身を任せるままという状態でした。幸い命に別状はなかったものの,本当に危ない転倒でした。バイクメーカーにとってアメリカは重要な市場ですから,GP開催はどうしても必要なことは分かります。どうしても開催を続けるのであるならば,何らかの対策を講じてもらいたいものですね。
2012/08/21(火)
☆移籍(MotoGP)
○先週を中心にしておよそ10日間にわたって更新をお休みしていましたが,その間にお伝えしておいた方がいいニュースがいくつか発表されていました。その中で最も大きなできごとが,既に皆さんがご存知のV.ロッシに関する発表でしょう。その発表が行われたのが8月10日(金)で,ヤマハ発動機からの発表でした。その内容というのが,来シーズンからの2年間の契約を締結したというものです。既に先日J.ロレンゾとの間で2年間の契約は締結されていましたから,来シーズンからの2年間,ヤマハにとってのワークスチームであるヤマハ・ファクトリー・レーシングは,ロレンゾ&ロッシという2009年までと同じ体制で臨むことが決定したことになります。2010年シーズンから現在のドゥカティに移籍したロッシは,イタリアンメーカーのチームにイタリア人ライダーのトップが入ったということで大きな期待が持たれました。ところが,マシン開発に定評があるロッシをもってしても,彼が思うようなマシンに仕上げることができず,勝利はもちろん,表彰台獲得さえも厳しい戦いを強いられてきました。特に,今シーズンにいたっては,トップ5に入ることさえ厳しい状況となっていました。ドゥカティ側も,ロッシの要望に応えようと大幅なマシン変更をしたりしてシーズンを戦ってきました。しかし,それでも状況は好転せず,今シーズンはロッシとドゥカティとの契約が切れる年ということもあって,来シーズンのロッシの動向が注目されてきました。その中で噂として浮上してきたのが,ヤマハもしくはホンダとの契約というものでした。最高峰クラスに進出したときに所属したのがホンダでしたから,当然ホンダとのつながりもあります。ですから,移籍の候補として挙がるのはある意味当然と言えます。ただ,ホンダとロッシとが良好な関係が続いていたかというところでは疑問符がつくところがありますから,ホンダへの移籍の可能性は低いのではないかというところもありました。それに対して,ヤマハとの関係はとても良好でしたし,何と言っても2004年から7年間ヤマハに所属し,その間の2004年,2005年,2008年,2009年にチャンピオンをヤマハにもたらしています。こうしたことから,移籍するとすればやはりヤマハが最有力候補でした。現在ヤマハはロレンゾを擁してランキングトップに立っています。ヤマハのマシンがランクトップ争いを演じているのは,今年だけではなく,毎年のことです。つまり,ロッシとしては常に戦闘力の高いマシンを駆ることになるわけですから,そこでチャンピオン争いに加われないという状況になった場合,マシンではなくロッシ自身に問題があるということになります。当然ロッシ自身もそのことは十分認識していて,ヤマハに復帰していい成績を収めることができなかった場合,引退するということを明らかにしています。まさに,MotoGPの顔であるロッシにとって,今回のヤマハ復帰は引退をかけた背水の陣と言えます。
2012/08/20(月)
☆逆転(SGT)
○第5戦の決勝レースが,真夏の日差しがある厳しい天候の鈴鹿サーキットで行われました。今回の大会は,久々に伝統の1000qという長丁場のレースとなりました。GT500クラスでポールからスタートしたのは,昨年のチャンピオンである柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road REITO MOLA GT-Rでした。スタートドライバーになったクインタレッリは,トップの位置を守って次の柳田にバトンタッチをしました。順調に見えたMOLAでしたが,40周目にデグナーでGSR ProjectMirai BMWをラップしようとした際に接触。これでホイールを破損してしまい,緊急ピットインを強いられることになってしまいました。しかし,速さに勝るMOLAはどんどん順位を回復していき,中盤過ぎには何と再びトップに返り咲きました。他のマシンに色々なアクシデントやトラブルが発生する中,トップに帰ってからは順調に走行を続けていき,見事逆転で今季初優勝を飾りました。今回は1000qの大会ということで,優勝&ボーナスポイントで最大25ポイントを獲得することができるのですが,見事ポールトゥーフィニッシュでこのフルポイントを獲得し,同チームは一気にランキング2位まで浮上しました。終盤に入ってアクシデントによりセーフティカーが導入されたのをうまく利用して国本雄資&A.カルダレッリ組のKeePer Kraft SC430がどんどん順位を上げていき,最後は2位でチェッカーを受けました。今季からGT500クラスに参戦を開始した国本にとっては,自身初の表彰台獲得となります。3位には,カルソニックとのバトルを制した安田裕信&B.ビルドハイム組のD'station ADVAN GT-Rが入っています。
GT300クラスは,序盤はハイブリッド車として初めてポールを獲得した無限CR-Z GTがトップにつけました。しかし,ペナルティーなどもあって徐々に順位を下げていきました。予選まで圧倒的な速さを見せてポールを獲得したかに見えた吉本大樹&星野一樹&吉田広樹組のtriple a Vantage GT3は,予選後の車検で燃料タンクにレギュレーション違反が見つかり,最後尾からのスタートとなっていました。しかし,決勝になってもそれまでの速さに変わりはなく,スタートからその速さでどんどん順位を上げていきました。そして,早くも15周目には全車を交わしてトップに躍り出るという離れ業を演じていきました。ピット作業には長い時間を要する同チームですが,圧倒的な速さで走行を続けていき,ピットインの関係で一時は2位をラップ遅れにするという場面も見られました。終盤に入ってエンジンから異音が発生するというトラブルが見られ,2位に追い上げられるという事態となりましたが,,最後までトップの座を守り抜き,逆転でイギリスを代表する車であるアストンマーチンに初勝利をもたらしました。2位には,関口雄飛&千代勝正&佐々木大樹組のS Road NDDP GT-Rが,3位には,織戸学&青木孝行&澤圭太組のマネパ ランボルギーニ GT3が入っています。
☆独走(MotoGP)
○サマーブレイク明けとなる第11戦インディアナポリスGPの決勝レースが,ドライコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが,オープニングラップでは順位を下げていたものの,3周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,2010年9月に行われた第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP以来となるポール・トゥ・フィニッシュを独走で達成しました。ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,こちらも単独での走行となり,ガッツポーズで2位のチェッカーを受けています。昨年のチャンピオンで,ランク3位につけているレプソル・ホンダのC.ストーナーは,予選で転倒を喫し,その際右足首の骨折や靱帯断裂という重傷を負ってしまっていました。しかし,その怪我をおして決勝レースのグリッドにつきました。そうした厳しい状況にもかかわらず表彰台争いを展開していきました。そのドビツィオーゾと表彰台争いを展開したのが,モンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾでした。昨年のチームメイト同士の争いはドビツィオーゾが制し,今季5回目の表彰台獲得となりました。手負いだったストーナーでしたが,惜しくも表彰台は逃したものの,4位でのチェッカーという快挙とも言える結果を残しています。
Moto2クラスは,シューターのマシンを駆るM.マルケスが,4周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,こちらも独走でチェッカーを受けて今季5勝目を挙げています。フリー走行と予選で圧倒的な速さを見せてきたカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロでしたが,決勝レースではその圧倒的な速さを見せることができず,最終的にマルケスに5秒以上の差をつけられて2位でチェッカーとなりました。4番グリッドからスタートしたシューターのマシンを駆るJ.シモンは,マルケスやエスパルガロには差をつけられたものの,単独走行で3位チェッカーを受け,昨年5月に行われた第3戦ポルトガルGP以来1年以上ぶりに表彰台を獲得しています。カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,4周目に7位に浮上したものの,その後は順位を下げ,17位でチェッカーとなりました。FTRのマシンを駆る高橋裕紀は,トラブルで思うようにペースが上がらず,15周目にピットインをする事態となりました。その後レースに復帰し,3周遅れながらチェッカーを受けて28位でのチェッカーとなっています。
Moto3クラスは,3台による優勝争いが最終ラップまで展開されていき,最後はカレックスKTMのマシンを駆るL.サロムがトップでチェッカーを受け,自身参戦53戦目でうれしい初優勝を飾っています。トップから1000分の53秒差で,ランクトップをいくKTMのS.コルテセが2位でチェッカーを受けています。そのコルテセとチャンピオン争いを展開しているM.ビニャーレスは,トップ争いを展開している中,最終ラップに転倒を喫してしまい,今季2回目の転倒リタイアに終わりました。ビニャーレスの転倒により,カレックスKTMのマシンを駆るJ.フォルガーが3位表彰台を獲得しています。TSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,ノーポイントながら自身最高位となる18位でチェッカーを受けています。
2012/08/19(日)
☆2戦目で(SGT)
○鈴鹿サーキットで開催される第5戦の予選が,ノックアウト方式で行われました。今回の大会は,以前のようにレースにおける走行距離が1000qという『インターナショナル・ポッカ1000q』という大会名で開催されています。GT500クラスは,トヨタのSC430勢とニッサンGT-R勢との間で激しいポール争いが展開されていきました。そのような中でポールを獲得したのが,昨シーズンのチャンピオンチームである柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road REITO MOLA GT-Rでした。2番グリッドを獲得したのが,脇阪寿一&石浦宏明組のDENSO KOBELCO SC430でした。ニッサンとトヨタというメーカー間の戦いのように思われた予選ですが,それだけではなく,フロントローを獲得した2台は,どちらもミシュランユーザーで,やはりタイヤによるバトルもそこには存在したようです。3番グリッドを獲得したのが,前戦において久々に勝利を収めた伊藤大輔&大嶋和也組のENEOS SUSTINA SC430でした。トヨタとニッサンに後塵を拝したホンダ勢ですが,そのホンダ車の中でのトップは,6番手タイムだった金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010でした。
GT300クラスは,今週末に好調な走りを見せている吉本大樹&星野一樹&吉田広樹組のtriple a Vantage GT3が最速タイムをマークし,一旦は今シーズン初となるポールを獲得しました。ところが,予選終了後に行われた車検で,燃料タンクの容量違反が見つかりました。そのため,予選結果抹消という裁定が下され,最後尾からの出走となってしまいました。その結果,ポールを獲得することになったのが,何と前回から新規に参戦を開始した武藤英紀&中嶋大祐組の無限CR-Z GTでした。わずかデビュー2戦目でポールを獲得という快挙を成し遂げただけでなく,ハイブリッド車として初のポール獲得という記念すべき結果となりました。今年は,ルマン24時間においてもアウディがハイブリッド車で初の勝利を収めていますから,まさにこれからの4輪レースを象徴するかのようなリザルトとなっています。2番グリッドを獲得したのが,関口雄飛&千代勝正&佐々木大樹組のS Road NDDP GT-Rで,奇しくもS Road GT-RがGT500,GT300の両クラスにおいてフロントローを獲得したことになります。3番グリッドを獲得したのが,谷口信輝&片岡龍也組のGSR 初音ミク BMWでした。
☆3度目(MotoGP)
○サマーブレイクが開け,およそ1ヶ月ぶりにMotoGPが再開しました。今回の大会は,2戦連続アメリカでの開催となる第11戦インディアナポリスGPです。その予選がドライコンディションの中で行われ,MotoGPクラスは,レプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムをマークして,今季3回目となるポールを獲得しました。コンマ1秒差で2番グリッドを獲得したのが,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾでした。今シーズンからヤマハに移籍しながらも,既に好調な走りを見せているモンスター・ヤマハ・テック3のA.ドビツィオーゾが3番グリッドを獲得しています。
Moto2クラスは,今大会3回行われたフリー走行全てでトップタイムだったカレックスのマシンを駆るP.エスパルガロが,予選でもその走りを維持し,こちらも今季3度目となるポールを獲得しました。コンマ2秒差で2番グリッドを獲得したのが,シューターのマシンを駆るM.マルケスでした。サマーブレイク前となるイタリアGPを制したスピードアップのマシンを駆るA.イアンノーネが,3番グリッドを獲得しています。日本人ライダー勢ですが,カレックスのマシンを駆る中上貴晶は,11番グリッドを獲得しました。そして,鈴鹿8耐で見事2位に入った高橋裕紀は,その勢いで後半戦での巻き返しが期待されましたが,21番グリッド獲得にとどまっています。
Moto3クラスは,フリー走行2と3でトップタイムをマークしたKTMのマシンを駆るS.コルテセがトップタイムをマークし,今季5回目となるポールを獲得しました。そのコルテセのチームメイトであるD.ケントが,2番グリッドを獲得しています。ランキング争いでトップのコルテセを追っているFTRホンダのマシンを駆るM.ビニャーレスが,3番手タイムをマークしました。唯一のフル参戦日本人ライダーであるTSRホンダのマシンを駆る藤井謙汰は,トップから4秒以上遅れて32番グリッド獲得にとどまっています。
2012/08/09(木)
☆撤退(NASCAR)
○クライスラー・グループのハイパフォーマンス&モータースポーツ部門であるストリート・アンド・レーシングテクノロジー(SRT)から発表があり,同社はアメリカンモータースポーツで最も人気を博しているNASCARシリーズの中での最高峰であるスプリントカップ・シリーズにダッジブランドで参戦していますが,今シーズン限りで撤退することになりました。アメリカの3台メーカーであるフォード,シボレー,ダッジの3メーカー争われてきたNASCARシリーズでしたが,2004年からトヨタが参戦を開始し,現在は4メーカーで争われています。今回撤退を発表したダッジは,既に1950年代から同シリーズに参戦してきました。1977年に一旦撤退をしたものの,2001年から再登場して現在に至っています。当初は,来季型マシンを発表したりして参戦継続に意欲を見せていました。ところが,ダッジの主力チームとして数々の勝利を収めてきたペンスキー・レーシングが,来季からフォードに移ることが決定し,マシン開発を担う有力チームを失うこととなってしまいました。今回の発表原因は明らかにされていませんが,経済的理由ではないことは明言しています。ということは,やはり勝利を狙えるチームを失ったことが大きく影響しているようです。
2012/08/08(水)
☆エンジンは?(F1)
○現在F1で使用されているエンジンは,来シーズンまでとなっていて,2014年シーズンからは,新規開発となる1.6リッターV6ターボエンジンが使用されることになっています。冒頭に記したように来シーズンまでは現在のエンジンが使用されますので,来季に関しては各チームともエンジンは現状のままいくことになるでしょう。しかし,2014年シーズンからは,どのチームがどのエンジンを使うことになるのか,メーカー直系のチーム以外はそれぞれ新たに交渉する必要があります。現段階でその新しいエンジンを供給することになると予想されているのは,フェラーリ,メルセデス,ルノーの3社です。メーカー系以外のエンジンとして,現在はコスワースがエンジンを供給していますが,そのコスワースのエンジン供給は,来シーズン限りとなる可能性が高くなっています。それに代わって,当初は元BARホンダで代表を務めた経歴のあるC.ポロック氏が率いるPURE社が新たにエンジン開発を行うことになっていました。しかし,全く何もない一からの開発となるために莫大な資金が必要で,現在は資金難から開発がストップしています。現在は小林可夢偉が所属しているザウバーに関しても,どのエンジンを使用することになるのか不透明な状況になっています。普通で考えれば現在のフェラーリエンジンを使うことになるのでしょうが,資金難にいつも直面している同チームにとって,そのフェラーリエンジンを使用するために必要な金額を安定して得ることができるのかがかなり心配となります。もし金額面で折り合わなかった場合,フェラーリ以外のメーカーとの交渉が必要となります。まさに中位以降のチームにとっては,今後頭を悩ます事態となることは明白です。ただ,ザウバーに関しては,フォルクスワーゲン(VW)と交渉を持っているのではないかという噂がかねてからありました。実際,チームオーナーであるP.ザウバーが,先月VW幹部と会ったことは間違いないようですが,そこで何が話し合われたのかは不明です。ホンダの復帰も噂されていたりもしましたので,しばらくこの点も色々な憶測が飛び交うことになりそうですね。
2012/08/07(火)
☆新名称(FN)
○かつては全日本F2,そして全日本F3000という名称で行われてきた国内最高峰のフォーミュラカーレースは,1996年シーズンから現在の全日本選手権フォーミュラ・ニッポンという名称で開催されています。そのFNは,さらなる発展を目指して新たな展開をしていくことを目指して,新名称を公募していました。その結果が,第5戦が行われているツインリンクもてぎにおいて,FNを運営する「日本レースプロモーション(JRP)」から決勝日当日に発表されました。それによると,新名称は『全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ』(略称『SF』)となりました。来シーズンからこの名称は使用されると共に,2014年シーズンからは,現在使用されているFN09に替わって,全く新しいシャーシのマシンが導入されることになっています。5日の発表段階では,まだ新名称によるロゴマーク等は決定してなく,新ロゴについては,11月に鈴鹿サーキットで開催される第7戦において発表される予定になっています。
2012/08/06(月)
☆11年ぶり(JRR)
○第5戦の決勝レースが,FNとの併催となる2&4で行われました。JPGP2クラスは,初日のスポーツ走行,2日目の予選とTSRのマシンを駆る関口太郎がコースレコードを更新しながらトップタイムをマークしていて,彼が中心となってレースが進んでいくものと思われていました。そして,その予想通り関口はオープニングラップからトップに出ると順調にそのポジションをキープし,見事ポールトゥーフィニッシュを達成しました。JRRで関口が勝利を収めるのは,2011年にスポーツランドSUGOで行われた第6戦以来11年ぶりでした。2位には,ヤマハのマシンを駆る野左根航汰が,3位にはTSRのマシンを駆る野田弘樹が単独走行で入っています。この結果,ランキング争いで関口がトップに立っています。
J-GP3クラスは,5台によるトップ争いが展開されていきました。激しく順位を入れ替えながら最終ラップまで続いたトップ争いは,ゴールラインの段階で超ベテランライダーの仲城英幸がトップでチェッカーを受けました。惜しくもコンマ2秒差で2位に入ったのが,こちらも超ベテランライダーの徳留真紀でした。3位には,國峰啄磨が入っています。このクラスは,ほぼホンダのNSF250Rのワンメーク状態ですが,今回はトップ12までがそのNSFとなっています。
☆初勝利(FN)
○第5戦の決勝レースが,酷暑のツインリンクもてぎで行われました。フロントローを独占していたTEAM IMPUL勢は,決勝でも速さを見せ,終始J-P.オリベイラが1位,松田次生が2位を走行し,トップ2を独占かと思われました。ところが,残り3周となったところでマツダのマシンから異音が発生し,一挙にペースを落としてしまいました。オリベイラは順調にトップを走行し,およそ1年ぶりの勝利となる今季初勝利を挙げました。無念の松田は,最終的に7位でのチェッカーとなってしまいました。DOCOMO DANDELIONの塚越広大とPETRONAS TOM'SのA.ロッテラーとの間で繰り広げられた2位争いでしたが,ピットストップのタイミングでロッテラーが塚越を交わして3位にポジションアップ。終盤に入ってからの松田の脱落により,ロッテラーが2位,塚越が3位でチェッカーを受けました。ここまでランクトップをいくPETRONAS TOM'Sの中嶋一貴は,終盤に入って塚越に迫ったものの,交わすことはできずに4位でチェッカーとなりました。ただ,ランクトップの座は守っています。
2012/08/05(日)
☆影響(JRR)
○第5戦の予選が,厳しい暑さのツインリンクもてぎで行われました。今回の大会は,FNとの併催となる2&4として行われ,昨年のJ-GP2クラスに加え,今年はJ-GP3クラスの2クラスのレースが行われています。FNとの併催で一番影響を受けるのが,路面状況の変化です。走行の度にラバーグリップが乗ってくるのが4輪のレースで,これが決勝レースにおいて高速走行が可能となってきます。ラバーグリップが乗っていくとタイヤへの影響が出てきますから,当然その分セッティングに変化が出てくることになります。ですから,今回の大会の場合,この影響をどれだけ受けるかが大きな課題となってきます。まずJ-GP2クラスですが,影響をそれほど受けなかったというTSRのマシンを駆る関口太郎が,コースレコードをマークしてポールを獲得しました。前日に行われたスポーツ走行でもトップタイムでしたから,2日連続トップということになります。その関口に対して,2番グリッドを獲得したヤマハのマシンを駆る中本郡は,影響を受けたというコメントを出しています。ここまでランクトップをいくカワサキのマシンを駆る渡辺一樹が,トップからおよそコンマ5秒遅れで3番グリッドを獲得しました。
もう一つのクラスであるJ-GP3クラスのライダーは,2&4で行われることがほぼありませんから,ほとんどのライダーが初めて4輪の影響を経験することになります。このような難しいコンディションの中,トップタイムをマークしたのは,もてぎをホームコースにしているNSF250Rを駆る山田誓己でした。難しいコンディションであるからこそ地元のライダーが有利だったのかもしれません。なお,山田のポール獲得は,昨年のオートポリス以来2度目となります。2,3番グリッドを獲得したのは,共にHARC製のNSFを駆る長島哲太と仲城英幸でした。
☆独占(FN)
○JRRとの併催となる第5戦の予選が,ノックアウト方式で行われました。最後のセッションとなるQ3は,Q2と同じくセッション残り5分となったところで各車が一斉に走行を始めていきました。そこでトップタイムをマークしたポールを獲得したのが,TEAM IMPULのJ-P.オリベイラでした。オリベイラのチームメイトで,今シーズン久々にFNに復帰した松田次生が2番グリッドを獲得し,TEAM IMPUL勢がフロントローを独占しました。3番グリッドを獲得したのが,ここまでランクトップをいくPETRONAS TOM'Sの中嶋一貴でした。その中嶋のチームメイトで,ランク2位をいくA.ロッテラーが4番手タイムをマークし,セカンドグリッドはPETRONAS TOM'S勢の独占となりました。
2012/08/04(土)
☆スポット参戦(JRR)
○JRRの第5戦が,FNとの併催となる「もてぎ2&4」として,ツインリンクもてぎで開幕しました。今回の大会は,J-GP2とJ-GP3の2クラスが行われます。初日は,JRRに参戦するチームで構成するA.R.Tが開くスポーツ走行が行われました。J-GP2クラスは,TSRのマシンを駆る関口太郎が,非公式ながらコースレコードを上回るタイムを午前中の走行でマークし,この日のトップタイムを刻みました。総合で2番手タイムをマークしたのが,ヤマハのマシンを駆る野左根航汰でした。総合3番手タイムを同じくヤマハのマシンを駆る中本郡がマークしています。
J-GP3クラスは,超ベテランライダーで,今シーズンからホンダが軽量級クラスに投入したNSF250Rの開発ライダーでもある仲城英幸がトップタイムをマークしています。マシンは,もちろんそのNSF250Rです。2,3番手タイムをそれぞれ山田誓己,長島哲太がマークしています。マシンは,両者共に仲城と同じNSF250Rです。なお,今回の大会には,MotoGPのMoto3クラスにおける唯一のフル参戦日本人ライダーである藤井謙汰がスポットで参戦しています。昨年の全日本チャンピオンである藤井は,開幕戦以来今季2回目のスポット参戦となります。チャンピオン&GPライダーとは言え,GPとは違うマシンでいきなりの走行でしたから,やはり思うようにタイムを伸ばすことができず,初日は20番手で終えています。
2012/08/03(金)
☆Moto3でも(MotoGP)
○先日,Moto2クラスにおいて元チャンピオンであるT.エリアスをシーズン途中ながら解雇したマプフレ・アスパー・チームですが,今度はMoto3クラスにおいてもシーズン途中でライダーを解雇しました。最後の125ccクラスとなった昨シーズンにチャンピオンを獲得した同チームは,Moto3クラスとしては初の,そして軽量級クラスとしては連覇を目指してH.ファウベルとJ.フォルガーの2人を起用していました。ちなみに,当初は「バンキア・アスパル・チーム」というチーム名で参戦していましたが,ご存知の方も多いと思いますが,そのタイトルスポンサーでスペインの金融関連企業である『バンキア』が,スペインの経済不振の影響をもろに受けて経営不振に陥っていて,チームとの話し合いでチーム名がMoto2クラスと同じマプフレ・アスパー・チームに変更となっています。今回解雇となったのは,モンカヨの方です。第2戦フランスGPでは,自己最高位となる2位でフィニッシュしたモンカヨでしたが,それ以外ではなかなかチームが期待するような結果を残すことができず,現段階ではランク15位にとどまっていました。ただし,もう一人のファウベルも時折上位争いに顔を出すぐらいで,こちらはランク12位にとどまっています。Moto2クラスのエリアスに替わるライダーについてはまだ発表がありませんが,モンカヨの替わりについては同時に発表されていて,今季イオダ・レーシング・プロジェクトから参戦しているJ.フォルガーを起用することになりました。フォルガーの抜けるイオダに関しては,昨年はイタリア選手権で開発ライダーとして起用し,今年はフォルガーが体調不良により欠場した際に代役として起用した20歳のイタリア人ライダーであるA.ポントネがそのシートに座ることになりました。
2012/08/02(木)
☆廃止(F1)
○コスト削減がF1にとっての重要な課題となっていますが,その取り組みの一つがテスト回数の削減です。以前は,シーズン前,シーズン中も含めて何度も行われていましたが,現在はかなり回数が減っています。昨シーズンは,シーズン途中でのテストを廃止していましたが,今シーズンはそれが復活していました。ところが,コストがかかる割にはそれほどの効果がなかったというコストパフォーマンスの面で問題があるということで,来シーズンから再びシーズン中のテストが廃止されることになりました。これにより,来季はシーズン前に行われる3回のテストのみ実施されることになります。まだ来季のカレンダーは決定していませんが,これまでの流れからいくと開幕戦は3月17日にオーストラリアで行われる可能性が高くなっています。もしそうなった場合,シーズン最初の合同テストは2月5日から8日にスペインのヘレス・サーキットで,2回目のテストは2月19日から22日,3回目のテストは2月28日から3月3日にそれぞれスペインのバルセロナで開催される見通しとなっているようです。もちろん,実際の開催日が違えば,その分テストの日にちも変わってきます。
2012/08/01(水)
☆継続(F1)
◯ロータスに関連して,2つの点で継続の方向性が示されたの手お伝えします。まず一つ目ですが,今シーズンドイツGPとF1ハンガリーGPでテストし,サマーブレイク開けのベルギーGPのレースで導入することを目指しているダブルDRです。メルセデスAMGが既に導入しているこのシステムですが,ロータスのものは,名前は同じでもシステムの内容はメルセデスのものと違うといわれています。もちろん,詳しい内容が発表されているわけではないので,具体的にどのような違いがあるのかは推測の域を出ません。しかし,開発がされていることは,既にチームが認めているので間違いありません。このダブルDRSですが,テクニカル・ワーキング・グループで議論され,大多数のチームが来シーズンからこのダブルDRSを設置できないよう規約を変更することに合意していて,今年の後半にはFIAの会議で正式に来季からの使用禁止が決まるものと思われます。ですから,今季限りのシステムになることは確実なのですが,それでもロータスとしては開発を継続していくとのことです。2つめは,来シーズンのドライバーについてです。今シーズンはK.ライコネンとR.グロージャンとのペアでシーズンに臨んでいる同チームですが,現在ドライバーランキングでライコネンが5位,グロージャンが8位につけています。ライコネンに関しては,フェラーリへの復帰が噂されてもいます。来シーズンのドライバーに関して,ロータスのチーム代表であるE.ブーリエがコメントを出し,「彼ら二人とも我々のもとを去らねばならない理由は見当たらない。」として,2人の残留という方向で話を進めていくことを示唆しています。
     
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