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2011/10/31(月)
☆初&連覇(JRR)
◯最終戦となるMFJグランプリが,鈴鹿サーキットで行われました。この大会でのJSB1000クラスは,午前・午後にそれぞれ1回ずつ決勝レースが行われました。午前に行われたレース1では,スタートを前にして雨が降り始めたためスタートがディレイとなり,タイヤを履き替えた後に特別にフリー走行が設けられ,その後決勝レースがスタートとなりました。チャンピオンに王手をかけているホンダの秋吉耕祐は,ポールからスタートしたものの,そのスタートで2位に順位を下げました。しかし,オープニングラップの中でトップに立ち,その後は後続との差を広げていきました。終盤にやや差を縮められることはありましたが,最後までトップの座を守り続けてチェッカーを受けました。タイトル争いのライバルである同じくホンダの高橋巧が5位でチェッカーとなったため,このレース1で秋吉は今シーズンのチャンピオンを決め,昨シーズンに続く連覇を果たしました。カワサキの柳川明とヤマハの中須賀克行という九州出身ライダー同士による2位争いが展開されましたが,このバトルは中須賀が制しています。午後から行われたレース2は,レース1と同じく秋吉がオープニングラップの中でトップに立ち,ウェットコンディションの中後続との差をどんどん広げていきました。そして,最後までトップの座を守った秋吉が,王者らしい走りを展開してこの日のレースを全て制しました。ポールからスタートしたスズキの加賀山就臣は,秋吉にはトップの座を譲ったものの,単独走行で2位の座を守り抜きました。ホンダの高橋巧とカワサキの柳川明との間で3位争いが展開され,11周目に柳川が転倒を喫してこのバトルに終止符が打たれ,高橋3位表彰台を獲得しました。転倒を喫した柳川は,幸いにも再スタートを切ることができ,6位でのチェッカーとなっています。
J-GP2クラスは,来シーズン以降のGP復帰を目指す中上貴晶が独走でシーズンを送っていましたが,ワイルドカードで日本GPに参戦した際,転倒により肩甲骨を骨折し,前戦を欠場した関係でランクトップの座を関口太郎に譲っていました。まだ怪我の癒えない中上ですが,予選ではポールを獲得しました。決勝レースでは,山口辰也との間で終盤までトップ争いが展開されたものの,中上がトップの座を守り抜いて今季5勝目を挙げました。ランクトップをいく関口太郎は,5位走行中に転倒リタイアを喫していたため,中上がこのクラス初のチャンピオンに輝きました。なお,3位には野田弘樹が入っています。
ST600クラスは,昨年のチャンピオンでランクトップに立っている山口辰也と,ランク2位につけている中冨伸一との間で最終ラップまでトップ争いが展開されていきました。そして最終ラップの130Rで山口がトップに立つとその座を守りきり,2年連続チャンピオンを決めました。3位には,亀谷長純が入っています。
J-GP3クラスは,今シーズンで最後となる2サイクルマシンを駆る山本剛大が,徐々にペースを上げてトップを走行する藤井謙汰を追いました。そして,8周目にその藤井を交わしてトップに立つと最後までその座を守り抜き,今季初優勝を飾りました。来シーズンはMotoGPで新たに始まるMoto3クラスにフル参戦することが決まっている藤井は,怪我の影響(初日の走行で転倒を喫し,右足の甲を骨折しています。)があってペースを上げることができませんでしたが,2位の座を守ってチェッカーを受け,昨シーズンのGP-MONOに引き続いて,今季はこのJ-GP3クラスでチャンピオンを獲得し,ホンダが来シーズンGPに新たに投入することになっているNSF250Rに初の栄冠をもたらしました。なお,3位には,超ベテランライダーの菊池寛幸が入っています。
前日に決勝レースが行われたGP-MONOクラスは,ランクトップをいく長島哲太が2位に入って今シーズンのチャンピオンを獲得しています。なお,レースは,怪我を負っている昨年のチャンピオンである藤井謙汰が制しています。
☆今回も(F1)
◯今回が初開催となる第17戦インドGPの決勝レースが,新規に建設されたブッダ・インターナショナル・サーキットで行われました。今季13回目となるポールを獲得した今シーズンのチャンピオンであるレッドブルのS.ベッテルは,オープニングラップからトップに立つと,後続との差をどんどん広げていき,いつものように独走態勢に持ち込みました。終盤に入ってやや差を縮められたものの,最後まで危なげない走りを展開し,今回もポールトゥーフィニッシュを達成して今季11勝目を挙げました。2位には,ランク2位につけているマクラーレン・メルセデスJ.バトンが入っています。フェラーリのF.アロンソとレッドブルのM.ウェーバーとの間で展開された3位争いは,アロンソが制しています。ザウバーの小林可夢偉は,オープニングラップで他のマシンのアクシデントに巻き込まれてマシンにダメージを負い,1周目でのリタイアに終わっています。なお,今シーズン何度も接触事故になって「犬猿の仲」となっているフェラーリのF.マッサとマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンですが,今回も接触事故となってしまって,さらに溝を深めています。
2011/10/29(土)
☆グリッド降格(F1)
◯今シーズンから初の開催となるインドGPが,新たに建設されたブッダ・インターナショナル・サーキットで開幕しました。初日は,午前・午後にそれぞれフリー走行が行われ,フェラーリのF.マッサが初日総合でトップタイムをマークしました。2,3番手タイムは,それぞれレッドブルのS.ベッテルとフェラーリのF.アロンソとなっています。そのような中,FIAから発表があり,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとザウバーのS.ペレスに対して決勝における3グリッド降格処分が下されました。これは,1回目のフリー走行の終盤に,ウィリアムズのP.マルドナルドがターン16でトラブルにより停止していた時のことが原因となっています。コースマーシャルが停止したマシンを撤去している時には,通常のイエローフラッグだけでなく,2本目のイエローフラッグが提示されます。これは,当然マーシャルの危険を回避するためのものです。その際には,当然マシンはスピードダウンしなければなりません。しかし,走行終了後にデータを確認すると,ハミルトンとペレスの二人が,そのイエローフラッグが出ている時間帯に自身の最速タイムをマークしていたことが分かりました。これは,当然そのイエローフラッグ区間でスピードダウンしていなかったことを示します。これにより,3グリッド降格処分が下されることになったわけです。
2011/10/28(金)
☆サーキット建設(F1)
◯昨日は新たな開催地としてアメリカのニュージャージーが決定したことをお伝えしましたが,今日からは今シーズンから新規開催地であるインドGPが始まります。このように,続々と新たな開催地がレースカレンダーの中に入ってきているのですが,その中の一つがアメリカと対極をなすロシアです。ロシアGPについては,既に2014年から開催されることが決定していて,2020年までの7年間の開催契約が成立しています。そのロシアGPは,初開催となる2014年に同国で冬季五輪が開催されますが,その開催地であるソチがF1でもその会場となります。現段階では,F1が開かれるサーキットは同地になく,今後新規に建設されることになります。その点に関して,同サーキットが建設される予定のクラスノダール地域の副知事であるA.イワノフがインタビューに答え,ロシア連邦政府は,サーキット建設のために58億4,600万ルーブル(約148億5,000万円)を割り当てたと述べました。さらに,建設自体には,全部で152億円のコストがかかるとのことです。今日から始まるインドもそうですが,世界的な不況の中,経済的に恵まれている国は何とも贅沢(?)な投資が行えるものですね。
2011/10/27(木)
☆2レース(F1)
◯アメリカのニュージャージー州知事であるC.クリスティから発表があり,同州が2013年からF1を開催することになりました。他の報道では,契約期間は10年間となっているようです。今回の発表によると,ニューヨークの対岸に位置するウィーホーケンとウエストニューヨークのポートインペリアルからパリセーズの既存の道路を利用した3.2マイル(5.14km)のストリートサーキットで開催されるとのことです。コースのレイアウトについては,近年造られているサーキットの多くに携わっているH.ティルケ氏が担当していて,時計回りでの走行となるようです。アメリカでのF1開催については,来シーズンからオースティンで開催されることがすでに決定していますので,今回のニュージャージーを含めると2013年にはアメリカで2つのグランプリが行われることになります。1国1開催が原則のF1ですから,当然のことながら大会名は別のネーミングをされることになります。まだ正式な発表はありませんが,一部の報道によると, 今回発表されたニュージャージーでのレースは“アメリカGP”,オースティンでのものが“US GP”となるようです。
2011/10/26(水)
☆日程変更(FN&SGT)
◯JAFから来シーズンの各カテゴリーのレースカレンダーが発表され,それにあわせてSGTを主催するGTAからもその点に関して発表がなされています。それによると,まずFNについてですが,以前発表された暫定カレンダーと比べると,第3戦に組まれているオートポリスでのレースが,1週間早められて5月27日に決勝レースが行われることになっています。また,SGTに関しては,セパンでの第3戦が前回よりも一週間早まったのに対して,オートポリスでの第7戦ともてぎでの第8戦が一週間後ろにずれています。なお,具体的なレースカレンダーは以下のようになっています。
2012 FNレースカレンダー(暫定)
  決勝日 サーキット
第1戦  4月15日 鈴鹿サーキット
第2戦  5月13日 ツインリンクもてぎ
第3戦  5月27日 オートポリス
第4戦  7月15日 富士スピードウェイ
第5戦  8月 5日 ツインリンクもてぎ
第6戦  9月23日 スポーツランドSUGO
第7戦 11月 4日 鈴鹿サーキット
JAF GP 11月11日 富士スピードウェイ
   
2012 SGTレースカレンダー(暫定)
  決勝日 サーキット
第1戦  4月 1日 岡山国際サーキット
第2戦  5月 4日 富士スピードウェイ
第3戦  6月10日 セパン・インターナショナル・サーキット
第4戦  7月29日 スポーツランドSUGO
第5戦  8月19日 鈴鹿サーキット
第6戦  9月16日 富士スピードウェイ
第7戦 10月14日 オートポリス
第8戦 10月28日 スポーツランドSUGO
JAF GP 11月11日 富士スピードウェイ
2011/10/25(火)
☆交代は(F1)
◯今週末は,今季からの初開催となるインドGPです。その開催については,いくつかの懸念材料があって,物議を醸している曰く付きの大会となりそうです。さて,その大会には,インド人初のF1ドライバーであるN.カティケヤンがHRTから参戦することになっています。今シーズン始めには同チームのレギュラードライバーだったカーティケヤンでしたが,シーズン途中でD.リチャルドにその座を譲り,そのかわりインドGPに限って出場することにはなっていました。当初は,当然リチャルドとの交代で出場するだろうとみられていたのですが,この度HRTから発表があり,リチャルドとの交代ではなく,もう一人のレギュラードライバーであるV.リウッツィとの交代であることが明らかにされました。インドGP限定ではあるものの,カーティケヤンが出場できるのは,やはりスポンサーの関係からです。近年,先進国が経済的に苦しい状況になっている中,劇的な発展を遂げてきている国の一つがインドです。そのインドを代表する自動車関連メーカーである『Tata(タタ)』がカーティケヤンのバックについていて,ここがもたらすスポンサーマネーの影響力が,わずか1戦ではあるものの,交代劇に繋がっています。
2011/10/24(月)
☆合掌(MotoGP)
◯第17戦マレーシアGPの決勝レースが,灼熱のセパン・サーキットで行われました。最初に行われた125ccクラスは,5台によるトップ争いが最終ラップまで続く激しいレースとなりました。その中でトップチェッカーを受けたのは,ルーキーライダーであるアプリリアのM.ビニャーレスでした。彼の優勝は,第7戦オランダGP以来3回目となります。2位には,2番グリッドからスタートしたアプリリアのS.コルテセが入り,2戦連続して表彰台に上りました。3位には,ランキング2位につけてまだチャンピオンの可能性のあるデルビのJ.ザルコが入っています。そのザルコとチャンピオン争いを展開しているランクトップをいくアプリリアのN.テロルは,最終ラップまでトップ争いに加わっていて,このままいけば今シーズンのチャンピオン決定という段階までいっていましたが,最終ラップにあわや転倒かという激しいハイサイドに見舞われてトップ集団の最後になり,5位でのチェッカーとなりました。この結果,トップのテロルと2位のザルコとのポイント差は20で,テロルの優位には変わりありませんが,最終戦でのチャンピオン争いに持ち込まれています。
次に行われたMoto2クラスは,ポールからスタートしたシューターのT.ルティと,2番グリッドからスタートしたランクトップをいくカレックスのS.ブラドルとのトップ争いになりました。終盤までブラドルが前を走っていましたが,残り3周となったところでルティがトップに浮上。そして,残り2周となったところでカレックスのマシンを駆るA.ポンスの転倒で赤旗が提示され,その前の周にトップに立っていたルティの優勝となりました。250cc,Moto2クラスと中量級クラスに参戦してきたルティですが,今回の優勝は,彼にとって中量級初優勝となります。彼の優勝となると,125ccクラスに参戦していた2006年の第5戦フランスGP以来5年ぶりとなります。2位には,ブラドルが入りました。チャンピオン争いをしているシューターのM.マルケスが怪我により欠場してノーポイントに終わり,2人のポイント差は23に広がっています。3位には,5番グリッドからスタートしたP.エスパルガロが入っています。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,2周目にコースアウトを喫するものの復帰を果たしましたが,5周目に転倒を喫してしまい,転倒リタイアに終わっていて,シーズン中盤から終盤にかけてなかなかいい流れがつかめない状況が続いています。
この日の最後のしめくくりには,いつものようにMotoGPクラスの決勝レースが行われましたが,ここでとんでもないアクシデントが発生しました。2周目に入ったところで,4位につけていたサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリがスリップダウンを喫してしまいました。コース上を滑っていくシモンチェリのマシンと体は,不幸なことにレコードラインに来てしまいました。後ろを走っていたテック3のC.エドワーズとドゥカティのV.ロッシは,突然レコードラインに滑って来たシモンチェリを避けることができず,3台はまともに衝突するという事態になりました。ヘルメットが脱げるほど激しい衝撃を頭部等に受けたシモンチェリは,直ちにメディカルセンターに搬送されましたが,みんなの願いが届くことがなく,24歳という若さでこの世を去ってしまいました。昨シーズンは,今回と同様レース中にMoto2クラスにフル参戦していた富沢翔也選手が若い命を散らすという不幸なことが起きましたが,今年も同様のことが起きてしまいました。シモンチェリ選手のご冥福を,心からお祈り申し上げます。なお,この事故により,レースはキャンセルとなっています。
2011/10/23(日)
☆独占(MotoGP)
◯第17戦マレーシアGPの予選が,ドライコンディションのセパン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,3回のフリー走行全てのセッションでトップタイムだったレプソル・ホンダのD.ペドロサが,予選でもトップタイムをマークして今季2度目のポールシッターとなりました。そのペドロサからおよそ100分の3秒差で,既にチャンピオンを決めているレプソル・ホンダのC.ストーナーが2番手タイムをマークしました。3番手タイムをA.ドビツィオーゾがマークし,レプソル・ホンダ勢がトップ3を独占しました。レプソル・ホンダがフロントローを独占するのは,MotoGPになってからは初めてとなります。それ以前といえば,まだ2スト500ccマシンで争われていた1997年シーズンの最終戦オーストラリアGPにおいて,M.ドゥーハンがポールポジション,A.クリビーレが2番手,青木拓磨が3番手,岡田忠之が4番グリッドを獲得し,4台のレプソ・ホンダが1列目を独占して以来となります。また,ホンダ勢によるフロントロー独占は,フランスGP以来今季2度目となります。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,予選におけるこれまでの自己最高位だった9番手よりも2つ上の,7番手タイムをマークして予選自己最高位を獲得しています。このところ転倒者による負傷者が続出している感のあるMotoGPですが,このクラスもその例外に漏れず,ヤマハのワークスチームであるヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾは,前戦での負傷により今回は始めから欠場していて,代役としてヤマハの開発ライダーも務めている中須賀克行が出場しています。その中須賀の予選結果は,17番手タイムでした。さらに,ロレンゾのチームメイトであるB.スピースは,午前中に行われたフリー走行3で転倒を喫し,予選は出場したものの,脳震盪と肋骨周辺の軟部組織の断裂という負傷を負っていて,それが悪化することを回避するため,前戦と同じく負傷により決勝レースを欠場することになりました。また,スズキの2台目のマシンを駆ってリズラ・スズキから出場していたJ.ホプキンスも,初日の走行で転倒を喫した際,前回出場した時に負った傷を悪化させてしまったため,2日目から欠場を決めていました。
Moto2クラスは,MotoGPクラスと同様にここまでの3つのセッションを全て制してきたシューターのマシンを駆るT.ルティが,予選でもトップタイムをマークし,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。ルティがポールからスタートするのは,彼がまだ125ccクラスにフル参戦していた2005年シーズンのオーストラリアGP以来,何と6年ぶりとなります。前戦で再びランクトップに返り咲いたカレックスのS.ブラドルが,フリー走行から好調な走りを見せ,予選2番手タイムをマークしました。モリワキのマシンを駆るM.ピッロが,これまでの自己最高位となる3番手タイムをマークしています。そのピッロのチームメイトである高橋裕紀が,ピッロに続く4番手タイムで予選を終えています。ブラドルとランキングトップ争いを展開しているシューターのM.マルケスは,予選初日の転倒で負傷していて,2日目は午前のフリー走行をキャンセル。予選も,予選タイムを出すためだけに出走し,わずか3周だけ走行して36番グリッド獲得にとどまっています。
125ccクラスは,ランクトップをいくアプリリアのN.テロルが,最終ラップに最速タイムをマークして今季7度目となるポールを獲得しました。そのテロルのチームメイトであるH.ファウベルが2番手タイムをマークし,今季8回目となるフロントローからのスタートとなりました。同じくアプリリアのマシンを駆るS.コルテセが,3番手タイムをマークしています。
2011/10/22(土)
☆移籍(BSB)
◯BSBにおけるスズキ陣営の代表的チームであるクレセント・スズキから発表があり,来シーズンは戦いの場をSBKに移すことになりました。ご存知の方も多いと思いますが,"クレセント"というのは,スズキ車の販売・供給している会社で,1996年からBSBに参戦を開始し,2004年にはJ.レイノルズによってチャンピオンを獲得しています。今シーズンは,元GPライダーで,今季は同チームに所属してBSBにフル参戦しているJ.ホプキンスを擁し,ワイルドカードでシルバーストーンで行われたSBKのイギリスラウンドに参戦し,見事ポールを獲得していました。今回のSBK参戦は,イギリス国内外でクレセントの商業価値を高めるためのものであることは間違いないでしょう。今回の発表では,具体的なライダー名は出されませんでした。普通に考えれば,同チームに所属して好結果を出しているホプキンスの名前が挙がるところなのでしょうが,ホプキンスの希望はMotoGPへの復帰です。そのホプキンスは,現在行われているマレーシアGPに,スズキの2台目のマシンを駆ってワイルドカード参戦しています。そこで好結果を出すことで,MotoGP復帰をアピールすることを目指しているでしょう。ただ,MotoGPでスズキが2台体制に戻るかどうかはいまだに不明ですので,その分ホプキンスの復帰も微妙です。こうした状況もあるためか,ホプキンスは継続して同チームに所属することも選択肢の一つとしているようです。
2011/10/21(金)
☆暗雲(F1)
◯韓国の霊岩(ヨンアム)で行われた第16戦韓国GPは,既に今シーズンのチャンピオンを決めていたレッドブルのS.ベッテルが勝利して終わりました。昨シーズンから始まった韓国GPは,2016年まで同地での開催契約が成立しています。しかし,ここに来て,その開催そのものに暗雲が立ちこめてきているようです。地元での報道によると,今年韓国GPの開催にかかった費用はおよそ63億で,そのうち約42億円が開催及びテレビ放映の料金だとのことです。さらに2016年までの契約の中で,開催権料は毎年10パーセントずつ上がるということです。それに対して,主要な収入源の一つである入場料収入はおよそ19億円とのことで,単純計算では,今回の韓国GPの開催は40億円を超える赤字が生じたことになります。もちろん,F1の開催は,イベントそのものが黒字にならなくても,地域から世界への情報発信や地域への経済効果といった側面がありますので,ちょっとした赤字の範囲であれば充分開催する意義が損なわれることにはなりません。開催地である霊岩は,農業従事者が多い地域で,貧しい人々が多いそうです。それだけに,同地では不人気イベントといえるF1に対して多額の費用を投入し続けることに抵抗があることも事実のようです。来シーズン以降急激に観客が増加することは期待ができませんから,開催コストを下げるためには開催権料の減額が必須となります。F1開催を望む国や地域は他にもありますので,果たしてそうしたことが可能なのか,推移を見守る必要がありそうです。
2011/10/20(木)
☆代役(MotoGP)
◯ヤマハ・ファクトリーレーシングから発表があり,明日から開幕する第17戦マレーシアGPに,怪我で欠場するJ.ロレンゾの代役としてヤマハのテストライダーも務めている中須賀克行を起用することになりました。オーストラリアGPのフリー走行において激しい転倒を喫したロレンゾは,その際に左手薬指を負傷しました。決勝レースを欠場したロレンゾは,メルボルン市内の病院において損傷した薬指の靱帯と神経を修復する手術を行いました。現在は,怪我の回復に専念している状態で,今回のマレーシアGPを欠場すると共に,最終戦のバレンシアGPについては,その回復具合で出場の有無を判断するようです。ただ,既に今シーズンのチャンピオンがレプソル・ホンダのC.ストーナーに決まっていますので,中途半端な回復具合では,出場を見合わせる可能性が高いのではないかと思われます。今回代役参戦することが決まった中須賀は,現在JSB1000クラスでランキング3位につけています。2週間ほど前に岡山国際サーキットで行われた第7戦においては,今シーズン初の勝利を収めています。GPに関しては,彼がまだJRRで250ccクラスに参戦していた頃,ワイルドカードライダーとして日本GPに2002年からの3年間出場した経験を持っていますが,最高峰クラスについては今回が初出場となります。ただし,テストライダーを務めている関係から,今シーズンの開幕前に今回の大会の会場となるセパン・サーキットでYZR-M1を走らせています。
2011/10/19(水)
☆命名(インディカー)
◯インディカーシリーズは,来シーズンから新しいシャーシを導入することになっています。その新しいシャーシは,コスト削減はもちろん,特に安全性に配慮して開発されています。その点についてみると,『ホイール・インターロック・プリベンションシステム』というホイール同士が接触するのを防ぐシステムや,安全性を高めた『インディカー・セーフティセル』,そして他のマニュファクチャラーが装着できるようにされたエアロパーツ関連のシステムを備えているようです。その新しいシャーシの開発を担ったドライバーが,今季最終戦に発生した多重クラッシュにより,33歳という若さでこの世を去ったD.ウェルドンさんでした。2005年シーズンのチャンピオンであり,今季を含め2回インディ500を制したり,インディ・ジャパンの初代王者であったりする彼ですが,今シーズンはレギュラーシートを失ってスポット参戦という形での参戦となっていました。そうしたことから,ニューシャーシの開発ドライバーに指名され,その重責を担っていたわけです。そうしたウェルドンさんの功績をたたえ,そのニューシャーシの開発を手がけているイタリアのダラーラ社から発表があり,来季から使用するシャーシの名称を『DW001』と命名することになりました。もちろん"DW"は,彼の名前の頭文字を意味しています。ウェルドンさんのためにも,ぜひこのシャーシでは再び悲劇が起きないでほしいですね。
2011/10/18(火)
☆移籍(MotoGP)
◯週末にオーストラリアGPが開催され,MotoGPクラスのチャンピオンがC.ストーナーに決まりました。そのオーストラリアGPの開催中にサンカルロ・ホンダ・グレシーニから発表があり,今シーズン同チームに所属してフル参戦している青山博一が,今シーズン限りで同チームを離脱すると共に,MotoGPからも離れることが決まりました。まだ詳細は発表されていませんが,来季の青山は,戦いの場をSBKに移すことになります。来シーズンから1000ccマシンで争われることになって新たな展開を迎えるMotoGPクラスですが,現在の状況では日本人ライダーが一人もいない状況となりそうです。来季だけなら致し方ないものの,日本人ライダーの現状を見ると,当分の間最高峰クラスはこの状況が続く可能性が高く,何とも寂しい限りです。残念ながらGPでのシートを失うことになる青山は,JRR250ccクラスでチャンピオンを獲得した後,ホンダのスカラシップ1期生として2004年からMotoGPの250ccクラスにフル参戦を開始しました。当初はホンダのマシンを駆っていたものの,途中からはKTMのワークスライダーとして活躍。そのKTMが250ccクラスから撤退することになって再びホンダのマシンを駆り,2009年に250ccクラスチャンピオンに輝きました。この年は現在のMoto2クラスに切り替わる前年で,250ccクラス最後のチャンピオンが青山ということになったわけです。ぜひSBKで活躍を見せて,再びMotoGPに復帰してほしいものですね。
2011/10/17(月)
☆チャンピオン決定(MotoGP)
◯第16戦オーストラリアGPの決勝レースが,時折雨に見舞われる中フィリップ・アイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,母国GPであり,チャンピオンに王手をかけているレプソル・ホンダのC.ストーナーに注目が集まっていました。ドライコンディションで始まったレースでしたが,途中での2回ほど雨に見舞われる不安定なコンディションの中での走りを強いられる状況となっていました。しかし,それでもオープニングラップからトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,独走で今季9勝目,母国GP5連勝を挙げました。ランキング2位につけているヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが,午前中に行われた3回目のフリー走行で転倒を喫しって左手薬指に負傷を負ったため,決勝レースを欠場してノーポイントに終わっていますので,ストーナーのチャンピオンが決定しました。ストーナーがチャンピオンに輝くのは,現在の800ccに代わった初年度の2007年以来2度目となります。来シーズンからは1000ccマシンに替わりますので,800cc初年度と最終年にストーナーがチャンピオンに輝くという何とも縁を感じさせる結果となっています。今シーズンでレプソル・ホンダを離れてテック3ヤマハに移ることが決定しているA.ドビツィオーゾと来季も今季と同じくワークスマシンを駆ってサンカルロ・ホンダ・グレシーニ残留することが決定しているM.シモンチェリとの間で繰り広げられた2位争いは,自己最高位を獲得したシモンチェリに軍配が上がっています。ホンダ勢による表彰台独占は,第11戦チェコGP以来今季2度目となります。さらに,レプソル・ホンダのD.ペドロサが4位に入っていて,2003年の第14戦マレーシアGP以来となるホンダ勢のトップ4独占となりました。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,テック3ヤマハのK.クラッチローとの間で8位争いを演じていましたが,残り5周となったところで接触転倒によりリタイアに終わっています。
チャンピオンが決定したMotoGPクラスに対して,残りの2クラスについては,混迷の度合いを深めています。Moto2クラスは,前戦でシューターのマシンを駆るM.マルケスがランクトップに浮上し,カレックスのマシンを駆るS.ブラドルがトップの座を譲るという結果となっていました。ところが,今大会でブラドルが2位,マルケスが3位となったため,ブラドルが再びランクトップに立っています。優勝は,そのブラドルと最後までトップ争いを展開し,ファイナルラップで接触するという激しいバトルを演じてモトビのマシンを駆るA.デ.アンジェリスが今季初優勝を獲得しました。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,2戦連続ノーポイントに終わっていましたが,今回は10位でゴールし,3戦ぶりにトップ10入りを果たしています。
125ccクラスは,レース直前に雨が降り始めたため,ウェットコンディションの中でのレースとなりました。ただし,それほどの雨量でなかったため,スリックタイヤでの走行を選択したライダーもいました。その中の一人がアプリリアのS.コルテセで,タイヤを履き替えたためピットレーンスタートとなりましたが,6周目にトップに立つとその勢いは最後まで衰えず,独走で第11戦チェコGP以来今季2勝目を飾りました。2位には,アプリリアのL.サロムが入っています。そして,ランク2位をいくデルビのJ.ザルコが3位表彰台を獲得したのに対して,ランクトップをいくアプリリアのN.テロルが6位に終わったため,ポイント差が縮まっています。
☆初年度で(SGT)
◯今シーズンの最終戦の決勝レースが,午後から天候が回復したツインリンクもてぎで行われました。GT500クラスは,ランクトップをいく柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road MOLA GT-Rと,ランク2位の本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rの2台にチャンピオン争いが絞られて最終戦を迎えていました。S Road MOLA GT-Rがポールからスタートしてその位置を守っていたものの,2位で本山にドライバーチェンジをしてから,オートポリスでの前戦を再演するかのようにMOTULが一気にペースが上がり,ついにトップに立ちました。ランクトップのMOLAは2位に落ちたものの,その座を守り抜けばランキングに変動は起きません。そして,最後までその位置に変動は起きず,今シーズンからGT500クラスにステップアップを果たしたMOLAが,その初年度に見事チャンピオンを獲得しました。3位には,石浦宏明&井口卓人組のDENSO SARD SC430が入り,最後の最後でリタイアに終わった前戦の雪辱を果たしています。
GT300クラスは,ランク2位につけていた谷口信輝&番場琢組の初音ミク グッドスマイル BMWがポールからスタートし,ランクトップに立っていた田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が2番グリッドからスタートしました。初音ミクは,途中で差を縮められたりしたものの,最後までその座を守りきり,トップでチェッカーを受けました。それに対して,JIMGAINERは影山正美&藤井誠暢組のHANKOOK PORSCHEと2位争いに敗れて3位に終わりました。この結果,初音ミクが逆転で今シーズンのチャンピオン獲得となりました。
☆2冠(F1)
◯2週連続開催となるF1は,先週鈴鹿で行われた日本GPに引き続いて,韓国国際サーキットでの第16戦韓国GPが開催されました。時折雨がぱらつく天候ではあったもの,最後までドライタイヤでの走行となりました。予選では,今季初めてポールの座を譲ったレッドブルでしたが,決勝レースでは,鈴鹿でチャンピオンを決めた2番グリッドスタートのS.ベッテルがオープニングラップでトップに立ちました。その後,ポールスタートのマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとレッドブルのM.ウェーバーとの3台によるトップ争いとなりましたが,ハミルトンとウェーバーが激しく争うことでベッテルが一歩抜け出しました。最後のピットインを済ませてからはレースコントロールをするくらい独走態勢に持ち込み,今季10勝目を挙げました。2位にはハミルトンが,3位にはウェーバーが入っています。この結果,コンストラクターズタイトルがレッドブルのものとなり,ドライバーズタイトルと共に2冠を達成しています。ザウバーの小林可夢偉は,14番手からスタートし,レース途中のリスタート後に他車との接触でフロントウイングを破損するというアクシデントに見舞われました。そして,パーツ交換のためのピットインが響いたため,15位でレースを終えています。
2011/10/15(土)
☆復帰(ル・マン)
◯フランスで行われるル・マン24時間耐久レースを中心にして,その他ヨーロッパ,アメリカ,アジアでそれぞれそのル・マン・シリーズ戦として行われてきましたが,来シーズンからは,それらを統一し,『FIA世界耐久選手権(WEC)』として開催することが決まっています。そして,この度トヨタから発表があり,来シーズンからのWECにTMGが主体となってLMP1クラスに参戦することになりました。トヨタとル・マンとの関わりといえば,最近では1998年と1999年まで遡ります。この時は,2位表彰台までは獲得できたものの,優勝ができないまま撤退しています。さらに遡って,グループCのマシンを使って開催されていた時代の中の1985年?1994年にも参戦していましたが,この時も表彰台の中央に立つことはありませんでした。現在のル・マンは,プジョーとアウディの2強による戦いとなっています。そして,先日新たにポルシェも復帰することを発表していますので,来シーズンからは4強による戦いへと発展していくことになります。そのトヨタが投入するマシンですが,まだイラストでの発表という段階ではあったものの,現在のトヨタが得意とするレーシングハイブリッドシステムを搭載したプロトタイプ車で参戦を予定しているとのことです。来シーズンに関しては,フル参戦という形ではなく,ル・マンはもちろん,シリーズの中の数戦に参戦するようで,チームやドライバーについては,今後決まり次第発表していくようです。F1といい,ル・マンといい,多額の投資を行ったにもかかわらず一度も優勝することができないまま撤退という道へと進んできたトヨタですから,今回こそ結果を出せるといいですね。
2011/10/14(金)
☆共同で(F1)
◯ザウバーなど共に中位グループの中の一つであるフォース・インディアに関して,最近チームを売却するのではないかという噂が再浮上してきていました。同チームは,チームプリンシパル及びマネージングディレクターのV.マルヤとモル家が共同で所有しています。そのフォース・インディアから12日(火)に発表があり,インドのビジネス複合企業「サハラ・グループ(Sahara Group)」に株式の42.5%を売却すると共に,新たに『サハラ・フォース・インディア』として生まれ変わることになりました。今回の発表によると,マルヤとサハラがそれぞれ株式を42.5%ずつ保有し,株式の50%を保持していたモル家の持分は15%に減少します。今回の株式売却により,新たな株主となったサハラグループのサハラスリ・スブラタ・ロイ・サハラ氏が,チームの会長となります。インドにおいて不動産やメディア,観光業で利益を上げているサハラ・グループですが,今回のF1チームだけでなく,インドで人気を博しているスポーツの一つであるクリケットのチームも所有しているようです。
2011/10/13(木)
☆決定の条件(MotoGP)
◯4輪の最高峰であるF1は,先週末に行われた日本GPにおいてレッドブルのS.ベッテルがタイトルを決めました。2輪の最高峰であるMotoGPは,明日からオーストラリアGPが開幕しますが,その大会を母国GPとするレプソル・ホンダのC.ストーナーが,チャンピオンに王手をかけています。母国GPということもあって,この大会を得意とするストーナーだけに,ここでチャンピオンを決める可能性が高まっています。現段階でストーナーに待ったをかけることのできるライダーは,ランク2位につけているヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾだけです。その彼でも,ストーナーとのポイント差が40ポイントになっていて,オーストラリアGP以後は2戦しか残っていないため,そのオーストラリアで10ポイント差を広げられる事態となればその時点でストーナーのチャンピオンが決定することになります。
ここでストーナーのチャンピオンの可能性を整理しておきます。
ストーナーが優勝した場合,ロレンゾは3位以内に入らなければなりません。ストーナーが2位の場合は5位以上に,ストーナーが3位の場合はシングルフィニッシュを,ストーナーが4位の場合は12位以上に,ストーナーが5位の場合は14位以上でロレンゾはフィニッシュしなければなりません。もしロレンゾがノーポイントに終わった場合,ストーナーは6位以内に入ればチャンピオン獲得となります。
2011/10/12(水)
☆離脱(BSB)
◯昨年度のBSBチャンピオンで,今シーズンその防衛に臨んだ清成龍一でしたが,シーズンを通してなかなかマシンとのマッチングがうまくいかず,残念ながらランク6位でシーズンを終えています。その彼が一貫して所属してきたBSBにおけるホンダのワークスチーム的な役割を果たしているHMプラント・ホンダのチームマネージャーのH.ベルトランから発表があり,来シーズン清成が同チームと契約しないことが明らかとなりました。2004年から同チームに所属してBSBにフル参戦を開始した清成は,2006年と2007年に連続してチャンピオンを獲得しました。2008年からは戦いの場をSBKに移し,同シリーズでホンダのワークスチーム的な役割を果たしているテン・ケイト・レーシングに所属して2年間フル参戦をしました。しかし,思うような成績を残すことができず,2年間を通して3勝するにとどまり,昨シーズンから再びBSBに復帰し,その初年度でチャンピオンに返り咲きました。同チームに所属して6シーズンを過ごしたことになる清成は,その間に3度のチャンピオンと43回の勝利を挙げています。ベルトランが発表の中で述べたように,この成績は「BSBで最も成功したライダー」という表現がぴったりといえます。なお,来シーズンの清成の動向は,現段階では明らかになっていません。BSBだけでなく,MotoGPやSBKを含め,現段階で2012年シーズンにフル参戦が決定しているのは,125ccクラスに替わってスタートするMoto3クラスの藤井謙汰のみで,年々強まっている日本人ライダーへの逆風が,なかなか止みそうにない感じです。
2011/10/11(火)
☆移籍(MotoGP)
◯今シーズン久々に3台体制を組んでいるホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダですが,ホンダの方針により,来シーズンは通常の2台体制になることが既に明らかにされています。ということは,3人の内の誰かがチームを離れることになり,それがA.ドビツィオーゾであることは明らかであり,既に彼の去就が注目されていました。そして,この度ヤマハのサテライトチームであるテック3から発表があり,そのドビツィオーゾとの間で契約が成立しました。2002年に125ccクラスからGPで活躍してきたドビツィオーゾは,250ccクラス,MotoGPクラスとステップアップしてきた間,一貫してホンダ車を駆ってきましたが,ついに他メーカー製のマシンを駆ることになりました。契約期間は,来シーズンの1年間となっています。来シーズンのMotoGPクラスは,全くのブランニューマシンである1000ccマシンへと切り替わりますが,その新たな場面でのテック3の体制がドビツィオーゾとK.クラッチローの二人に決まりました。ただし,ここで新たな問題が再浮上してきます。というのも,テック3については,来シーズンも同チームからMoto2クラスにB.スミスが参戦することが決まっていますが,そのスミスとの契約は,2013年シーズンからMotoGPクラスにステップアップすることも織り込まれています。つまり,テック3との契約が1年となっているドビツィオーゾと,今シーズンと来シーズンの2年契約になっているクラッチローの二人とも,再来年シーズンはスミスにシートを譲る対象になり得るということです。今回1年契約を結んだドビツィオーゾですが,わずか1年というものになったのは,ドビツィオーゾ側とチーム側のどちらにも2013年シーズンに向けて何らかの思惑があったような気がしてきます。
2011/10/10(月)
☆チャンピオン決定(F1)
◯第15戦日本GPの決勝レースが,レースウィークを通して好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。チャンピオン獲得に王手をかけたレッドブルのS.ベッテルの今回での決定に待ったをかけることができる唯一のドライバーであるマクラーレン・メルセデスJ.バトンは,予選2番手からスタートをしました。ただし,待ったをかける唯一の条件は,優勝することしかありません。そのバトンは,スタートでやや出遅れたため,3番手スタートをしたチームメイトのL.ハミルトンに交わされて1つ順位を下げてしまいました。しかし,レースが進むにつれてハミルトンのペースが下がり始め,8周目にバトンが2位に浮上しました。そして,2回目のタイヤ交換の時,ベッテルが先にピットインをしたのに乗じてバトンはペースを上げ,自身がピットアウトした時には見事ベッテルをパスしてトップに浮上していました。その後,ピットインのタイミングで順位を落とすことはありましたが,落ち着いた頃には再びトップに浮上。終盤の52周目にはファステストラップを刻む走りを展開し,見事今シーズンの3勝目を挙げ,チャンピオン獲得阻止の唯一の条件である優勝を獲得しました。バトンが鈴鹿で優勝したのは,今回が初めてです。日本を第2の故郷として,震災発生以来ずっと日本に対してエールを出し続けたバトンに対して,日本の勝利の女神がほほえんだのかもしれません。2位には,フェラーリのF.アロンソが入っています。チャンピオンに王手をかけていたベッテルは,バトンの順位にかかわらず,入賞さえすれば自力でチャンピオンを獲得することができます。そのベッテルは,ポールからスタートしてずっとトップの座を守っていました。しかし,2回目のピットストップの段階で,ペースアップを果たしたバトンにパスされて2位に落ちました。さらに,3回目のピットインのタイミングでアロンソに交わされて3番手に順位を下げました。その後は,順調に3番手を守りきり,目標としていた優勝でのとはなりませんでしたが,2年連続チャンピオンを決定しました。もちろん,連覇としても史上最年少記録です。母国GPに燃えるザウバーの小林可夢偉は,10番手からのスタートとなりました。ところが,大切なスタートを失敗してしまい,12番手まで順位を下げてしまいました。その後は,昨年のように時折見事なオーバーテイクシーンを展開しながら,いつものようにピットストップの回数を減らす作戦を敢行し,一時は10位を走行する場面がありました。しかし,終盤に入ってタイヤが厳しくなってしまい,順位を下げざるを得ない状況となりました。結局,13位でチェッカーを受け,残念ながら目標としていたポイント獲得はなりませんでした。
☆初優勝(JRR)
◯第7戦の決勝レースが,好天に恵まれた岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,3番グリッドからカワサキの柳川明が好スタートを決め,トップでオープニングラップを制しました。しかし,2周目に今季初めてポールからスタートしたヤマハの中須賀克行が柳川を交わし,トップに躍り出ました。そして,その後2番手にホンダの秋吉耕祐が浮上し,中須賀と秋吉によるバトルがしばらく続きました。しかし,中盤に入って中須賀のペースに秋吉がついていくことができなくなり,それ以後は中須賀が独走態勢に持ち込みました。結局2位の秋吉に8秒以上の大差をつけて今季初優勝をポールトゥーフィニッシュで飾りました。中須賀の優勝は,2009年の最終戦以来2年振りとなります。3位を走行する柳川にスズキの加賀山就臣とホンダの高橋巧が追いつき,3台によるバトルとなりました。その3位争いは,柳川が制しています。
J-GP2クラスは,開幕以来圧倒的な速さで連勝を続けていた中上貴晶が負傷欠場しているため,誰が勝つか分からない状況となっていました。その状況の中で,TSRのマシンを駆る小山知良と,モリワキのマシンを駆る山口辰也の二人によるトップ争いが展開されていきました。二人のバトルは終盤まで展開していき,残り2周目に小山がトップに浮上すると山口の追撃を振り切り,今季初優勝を飾りました。3位には,バトルを制してTSRのマシンを駆る関口太郎が入っています。連勝を続けていた中上が負傷欠場したことでノーポイントだったのに対して,関口が3位に入ったことにより,その関口がランクトップに立っています。今回は3位に終わってしまったものの,それまではずっと2位に入っていたことが,今回のランクトップ浮上に好影響を与えています。
ST600クラスは,ポールからスタートしたホンダの山口辰也と,2番手からスタートしたヤマハのD.クライサルトの2台によるバトルが終盤まで続きました。ところが,トップを走行していたクライサルトが12周目に突然スローダウンしてリタイアを喫してしまいました。自動的にトップに立った山口はそのままトップでチェッカーを受け,今季3勝目を挙げました。クライサルトのチームメイトであるC.ポライマイが2位に入り,3位には,同じくヤマハの中冨伸一が入っています。
J-GP3クラスは,ポールのNSF250Rを駆る仲城英幸が,スタートで出遅れて3位に順位を下げました。しかし,オープニングラップ中に再びトップに浮上すると,後は後続との差を広げていき,独走態勢に持ち込みました。終盤に入ってペースをコントロールしてタイム差が縮んだものの,独走で勝利を収め,オートポリスで開かれた前戦に続く2連勝を飾りました。RS125Rを駆る徳留真紀とNSFを駆る藤井謙汰との間で繰り広げられた2位争いは終盤まで続き,最終的に徳留が逃げ切っています。
2011/10/09(日)
☆大本命が(F1)
◯第15戦日本GPの予選が,前日に引き続いて好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。今大会の最大の見物は,何と言ってもレッドブルのS.ベッテルのチャンピオン獲得なるかどうかです。ベッテルが10位内に入賞するか,ランク2位につけているマクラーレン・メルセデスJ.バトンが優勝を逃すかすれば,今大会でチャンピオンが決定することになります。今シリーズのここまでの流れから考えると,そのいずれかが成立する可能性は極めて高いといえます。抜き所が少ない鈴鹿だけに,決勝レースをどのグリッドからスタートするか重要ですから,当然予選結果も重要となります。その予選の結果ですが,チャンピオンに王手をかけているベッテルが,日本GPで3年連続となるポールを獲得しました。今季ここまでレッドブル勢がずっとポールを獲得し続けていますが,その記録を15にまで伸ばしました。予選までに3回のフリー走行が行われましたが,そのいずれもトップタイムだったバトンは,ベッテルからわずか1000分の9秒届かずに2番手タイムとなっています。3番グリッドを獲得したのは,バトンのチームメイトであるL.ハミルトンでした。母国での大声援を受けているザウバーの小林可夢偉は,見事Q3に進出を果たしました。そのQ3では,開始早々にコースインをしたものの,コントロールラインを走行することなくピットインをしました。結局最後までQ3におけるタイム計測は行わず,10番グリッド獲得にとどまりました。それでも,目標であるポイント獲得のためには,好位置につけたといえます。
☆久々に(JRR)
◯第7戦の予選が,岡山国際サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ノックアウト方式で予選が行われ,ヤマハの中須賀克行が2009年の最終戦以来となるポールを獲得しました。オートポリスで行われた前戦で,見事逆転で今季初勝利を上げたホンダの高橋巧が2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,長年カワサキのエースライダーを務める柳川明でした。今季ここまでポールを獲得してきたホンダの秋吉耕祐は,何とQ3での3周目に1コーナーで転倒を喫してしまいました。すぐにマシンを起こしてピットに戻ったものの,最後まで出走することができず,5番グリッド獲得にとどまりました。
J-GP2クラスは,今季ここまでずっとポールトゥーウィンを果たしてきた中上貴晶が,先週行われたMotoGPの日本GPにおいて左肩甲骨を骨折してしまったため,今回は欠場しています。ちなみに,彼のマシンは,昨シーズン限りで引退し,チームのアドバイザーを務めている小西良輝が代理で駆っています。大本命が欠場する中でポールを獲得したのは,モリワキのMoto2マシンを駆る山口辰也でした。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれ小山知良,関口太郎のTSR6を駆る元GPライダーコンビでした。
ST600クラスは,ホンダのマシンを駆る山口辰也が,このクラスもポールを獲得していて,J-GP2クラスと共にダブルポールトゥーウィンを達成できるか注目です。2番グリッドを獲得したのは,スポーツランドSUGOで行われた第5戦で3番グリッドを獲得したヤマハのD.クランサルトでした。3番手タイムは,ホンダのマシンを駆る小林龍太がマークしました。
J-GP3クラスは,ホンダのブランニューマシンであるNSF250Rを駆って前戦で勝利を収めたベテランライダーの仲城英幸が,今季初めてポールを獲得しました。彼のポール獲得は,およそ4年ぶりとなります。同じくNSFを駆る渡辺陽向が,第5戦以来となる2番グリッドを獲得しました。昨年のチャンピオンで,もてぎでの日本GPにおいて日本勢最高位を獲得したホンダの大久保光が,3番グリッドを獲得しています。
唯一決勝レースが行われたGP-MONOクラスは,コースレコードをマークしてポールを獲得した長島哲太が,オープニングラップから後続を引き離していき,およそ8秒の大差をつけてポールトゥーウィンを果たしました。予選2番手の藤井謙汰と,予選3番手の小室旭との間で繰り広げられた2位争いは,昨年のチャンピオンである藤井が勝利しています。
2011/10/08(土)
☆2回とも(F1)
◯秋らしい好天に恵まれた鈴鹿サーキットにおいて,ついに第15戦日本GPが開幕しました。初日は,平日にもかかわらず3万人を超える観客に見守られながら,午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われました。その両セッションとも制したのが,ホンダとの長いつながりから,日本を第2の故郷としてくれているマクラーレン・メルセデスのJ.バトンでした。東日本大地震が発生して以降,常に日本に対するエールを送ってきていたバトンですが,さらに走りでエールを送っている気にさせてくれました。2番手タイムをマークしたのは,フェラーリのF.アロンソでした。午前中のセッションにおいて,終了間際にクラッシュを喫してしまったレッドブルのS.ベッテルが,午後のセッションで総合3番手タイムをマークしています。唯一の日本人F1ドライバーである小林可夢偉は,あわやクラッシュかという危ない場面がありましたが,何とか無傷で乗り切り,初日を16番手タイムで終えています。残念ながら上位タイムを刻むことはできませんでしたが,今日行われる予選セッションでは,ぜひQ3進出を果たしてもらいたいものですね。
2011/10/07(金)
☆代役(MotoGP)
◯週末にツインリンクもてぎで行われた日本GPの決勝レースにおいて,オープニングラップで転倒を喫し,今季初めてリタイアを喫したのが,ドゥカティのV.ロッシでした。その転倒の際,左手を強打したのですが,レース後に母国イタリアへ戻って検査を受けた結果,以前痛めたことがあるのと同じ場所である左手小指の第一と第二関節に亀裂骨折が見つかりました。幸いなことに,来週末行われるオーストラリアGPには出場できる見込みです。ただし,ドゥカティは5,6日にスペインのヘレスにおいて来季型プロトタイプマシンであるデスモセディチGP12のテストを行いましたが,当初それにはロッシが参加する予定だったものの,この怪我のため代役としてチームメイトであるN.ヘイデンが参加して開発作業を行いました。なお,1000ccとなる来季型マシンのテストは,合計で8日間が認められているのですが,これまで合計6日間テストしてきたドゥカティにとっては,今回行われた2日間のテストが最後となります。シーズン内である程度の仕様を決め,それをもとにシーズンオフに開発作業を進めていくのでしょうから,エースライダーの欠場はやや痛かったのかもしれませんね。
2011/10/06(木)
☆契約延長(F1)
◯今週末は,いよいよ鈴鹿サーキットで日本GPが行われます。その日本GPでは,ランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルが,かなりの確率でタイトルを獲得する可能性が高くなっています。日本GPを入れて残り5レースとなっていますので,チャンピオン争いから徐々に来シーズンのシートがどうなるのかというストーブリーグへと話題が移っていきます。そのような中,マクラーレン・メルセデスからその来シーズンのシートに関して発表がありました。同チームのL.ハミルトンについては,複数年契約を結んでいて、既に来季も残留することが決定しています。それに対して,もう一人のドライバーで,現在ランキング2位につけているJ.バトンについては,今シーズンで契約が切れます。ただし,既にチームも本人も認めていたように,来シーズンも残留する方向で話し合いが続けられていましたので,興味は来シーズン以降も残留するのかというところに移っていました。時には,2013年にはフェラーリ入りを果たすのではないかという噂もありました。今回の発表は,そのバトンの契約に関するもので,それによるとバトンとの間で複数年契約が結ばれました。昨シーズンから同チームに所属しているバトンですが,チームとバトンとの信頼関係はかなり深いものになってきています。それだけに,今回の複数年契約成立は,ごく自然なものといえます。なお,今回の発表では,「複数年」という発表ではあったものの,それが「何年間なのか」については明らかにされませんでした。
2011/10/05(水)
☆母国GPを前に(F1)
◯今シーズンのHRTは,イタリア人ドライバーのV.リウッツィとインド人ドライバーのN.カーティケヤンの2人でスタートを切りました。しかし,シーズン途中でD.リカルドがカーティケヤンに替わってレギュラーシートを獲得していました。ただ,今シーズンから新たな開催地としてデビューを果たすインドGPに関しては,再びカーティケヤンがリカルドに代わってステアリングを握ることになっています。そのカーティケヤンについて,今回新たな決定がありました。およそ3ヶ月にわたってF1マシンから離れている彼ですから,いきなりインドGPでステアリングを握ることについてはやはり大きな不安要素となります。その点を解消するためか,先週行われたシンガポールGPでは,リウッツィに代わって金曜日のフリー走行に登場しました。今回の発表では,さらに今週末に行われる日本GPにおいても,シンガポールの時と同様リウッツィに代わって金曜日に走行することになりました。さらに,その次の韓国GPについても,カーティケヤンが金曜日登場することになります。つまり,インドGPの前の3戦でF1に慣れる機会がカーティケヤンに与えられたことになります。うがった見方をしたとすれば,同チームにインド系スポンサーが就いているおかげなのかもしれません。
2011/10/04(火)
☆移籍(SBK)
◯今シーズンMotoGPからSBKへと転身を図ったM.メランドリは,全く新しい環境ながらここまで3勝(イギリスのドニントン・パーク,チェコのブルノ,スペインのモーターランド・アラゴン)を挙げるという彼のポテンシャルの高さを1年目から見せています。その彼が今季所属するのが,SBKにおけるヤマハのワークスチーム的立場であるヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームです。ところが,今季限りでヤマハがファクトリーとしての活動を休止することを発表したため,来シーズンに向けてメランドリは新たなシートを探す必要性が生じました。彼の行く先としては,このままヤマハ陣営にとどまってプライベートチームに所属するか,ホンダかカワサキへと移籍するのではないかと噂が出ていました。しかし,この度BMWから発表があり,そのメランドリとの契約が成立しました。同チームは,既にL.ハスラムとの契約更新が決まっていますので,来季のBMWは,メランドリ&ハスラムの2台体制となることが決定しました。ここまでなかなか思うような結果が残せていないBMWですが,元GPライダー2人を擁してチャンピオン争いのトップに絡むことができるようになるのか注目ですね。
2011/10/03(月)
☆ランクトップが(MotoGP)
◯第15戦日本GPの決勝レースが,やや肌寒くなったツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,4番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが,6周目にトップに立つと,後続との差を広げていき,独走で今季3回目となるトップチェッカーを受けました。2位には,ペドロサから7秒以上遅れてヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが入っています。ここまでランクトップをいくレプソル・ホンダのC.ストーナーは,ポールからスタートしてトップに立ったものの,6周目にコースアウトを喫して順位を下げてしまいました。しかし,徐々にポジションを回復していき,最終的に3位表彰台を獲得しています。ランク2位のロレンゾがストーナーより前でチェッカーを受けていますので,ランク争いにおけるポイント差が4ポイント縮んで,40へとなっています。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,11番グリッドからスタートして9位でチェッカーを受け,今季8度目のシングルフィニッシュを果たしています。ワイルドカードで参戦した秋吉耕祐と伊藤真一は,それぞれ12位と13位でチェッカーを受け,見事完走を果たすと共に,ポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたシューターのマシンを駆るA.イアンノーネが,抜きつ抜かれつの展開をしながら,5周目にトップに立つと,そのままトップの座を守り続け,今季3勝目を挙げました。ポールからスタートしたシューターのM.マルケスは,トップからおよそ2秒遅れて2位でチェッカーを受けました。4人による3位争いを制して,同じくシューターのマシンを駆るT.ルティが入っています。ここまでずっとランクトップに立っていたカレックスのマシンを駆るS.ブラドルは,4位でチェッカーを受けました。ランク2位だったマルケスが2位に入ったことにより,ランキング争いでわずか1ポイントながらマルケスがトップに立ちました。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,6周目に転倒を喫し,再スタートは切れたものの,最後尾まで順位を下げてしまいました。それでも最後まで走りきり,30位でチェッカーを受けています。ワイルドカードで参戦している小山知良は,33番グリッドからスタートして28位でのチェッカーとなっています。なお,代役参戦となった中上貴晶ですが,午前中に行われたフリー走行で転倒を喫してしまい,左肩甲骨を骨折したため決勝レースを欠場しています。
125ccクラスは,今季3回目となるポールからスタートしたデルビのJ.ザルコが,ランキング争いを展開しているランクトップのN.テロルとのバトルを制し,自身初となる勝利を収めました。テロルが2位に入ったことにより,ランク2位のザルコとの差が31ポイント差に縮んでいます。3位には,2番手からスタートしたアプリリアのH.ファウベルが単独走行で入っています。日本人ライダーで最高位だったのは予選までと同じく大久保光で,17位でのチェッカーでした。
☆大逆転(SGT)
◯第7戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。終日雲がかかり,時折薄日だけが差すという肌寒いコンディションではあったものの,最後までドライコンディションのまま,大勢の観客を集めての決勝レースでした。GT500クラスは,12番グリッドからスタートした本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rが,素晴らしい走りを展開してオープニングラップから次々に前をいくマシンをパスしていきました。そして,11周目には3位までポジションアップを果たしました。さらにペースを上げるMOTUL AUTECH GT-Rは,ついに26周目にはトップに立ちました。その後,ピットインにより順位を下げる場面はあったものの,本山からトレルイエにバトンタッチしてからもペースが上がり,再びトップに立つと最後までその順位を守り,開幕戦以来となる優勝を飾りました。2位には,ここまでランクトップをいく柳田真孝&R.クインタレッリ組のS-Road MOLA GT-Rが,60sを超えるウェイトハンディにも関わらず入っています。そして,3位を走行していたポールスタートの石浦宏明&井口卓人組のDENSO SARD SC430が,何とファイナルラップに入ったところでマシントラブルによりストップ。これにより,3位には立川祐路&平手晃平組のZENT CERUMO SC430が入りました。SGTは,後残りが1戦となりました。今回の結果,今季のチャンピオン獲得の可能性があるのは,ランクトップのS-Roadと,今回ランク2位に浮上したMOTULの2台にしぼられました。
GT300クラスは,ポールからスタートした山野哲也&佐々木孝太組のR&D SPORT LEGACY B4が,オープニングラップからトップに立つと,他を寄せ付けない圧倒的な速さを見せて独走態勢に持ち込み,今季2勝目を挙げました。終盤2位争いを展開していたのが,高橋一穂&加藤寛規組のエヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電と折目遼&A.インペラトーリ組のSG CHANGI IS350でした。テールトゥーノーズのレース展開となる中,両車が軽く接触するアクシデントが発生し,その間隙を縫って田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が2位に浮上しました。結局JIMGAINERが2位,SG CHANGIが3位に入っています。
GT500クラスの表彰式       GT300クラスの表彰式
GT500クラスの表彰式 GT300クラスの表彰式
2011/10/02(日)
☆連続(MotoGP)
◯第15戦日本GPの予選が,ドライコンディションの中ツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,ここまでランクトップをいくレプソル・ホンダのC.ストーナーがトップタイムをマークし,今日行われる決勝レースでポールからスタートすることになりました。ストーナーのポール獲得は,4戦連続となります。2番手タイムをマークしたのは,前日のフリー走行でホンダ勢以外でトップとなる5番手タイムをマークしていたヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾでした。この日のロレンゾは,安定した速いタイムを刻んでいましたので,ポールからのスタートではないものの,レースとなると速さを見せてきそうな雰囲気を出していましたので,ホンダ勢としてはやはり脅威となりそうです。3番手タイムをマークしたのは,前日に3番手タイムをマークしていたレプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾでした。彼がフロントローからスタートするのは,今季2回目となります。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,最終ラップに自身の最速タイムを刻み,11番グリッドを獲得しています。ワイルドカード参戦の秋吉耕祐と伊藤真一は,それぞれ17番手と19番手でした。
Moto2クラスは,シューターのマシンを駆ってランク2位につけているM.マルケスがトップタイムをマークし,2戦連続してポールを獲得しました。昨シーズンは125ccクラスでこの大会をポールトゥーフィニッシュで終えていますが,クラスこそ違え2年連続ポールトゥーウィンを飾ることができるでしょうか。前日のフリー走行でトップタイムだったシューターのT.ルティは,2番グリッドを獲得しています。同じくシューターのマシンを駆るA.イアンノーネが3番手タイムをマークし,自身今季2回目となるフロントローを獲得しています。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,5番グリッドを獲得しています。ワイルドカード参戦となる小山知良は,前日に続いてなかなかタイムアップを果たすことができず,33番手タイムで予選を終えています。それに対して,代役での参戦となっている中上貴晶は,前日の21番手からポジションアップを果たし,18番グリッドを獲得しています。
125ccクラスは,前日に2番手タイムだったデルビのJ.ザルコがトップタイムをマークし,今季3度目となるポールを獲得しています。アプリリアのH.ファウベルが2番手タイムをマークし,3戦連続7度目のフロントローを獲得しています。3番手タイムは,ここまでランクトップをいくアプリリアのN.テロルがマークしています。日本人勢で最速タイムだったのは,前日に続いてホンダのマシンを駆る大久保光で,25番手タイムでした。
☆僅差(SGT)
◯第7戦の予選が,予選日ながら大勢の観客を集めたオートポリスで行われました。GT500クラスは,トップ10を決めるスーパーラップで8番手に登場した金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010が,この時点でのトップマークしたタイムをマークしました。そして,9番目に登場した前戦のポールシッターである石浦宏明&井口卓人組のDENSO SARD SC430が,コンマ5秒上回って暫定のトップに躍り出ました。ラストアタッカーとなったのが,ここまでランクトップをいく柳田真孝&R.クインタレッリ組のS-Road MOLA GT-Rでした。1コーナーに向けてのブレーキングでかなりタイヤスモークを上げるという激しいタイムアタックを行いましたが,わずか1000分の1秒おくれをとってしまい,僅差での2番グリッド獲得にとどまりました。
GT300クラスは,スーパーラップで4番目に登場した山野哲也&佐々木孝太組のR&D SPORT LEGACY B4が,速いけれどもとても安定した鋭い走りを展開し,今季初となるポールを圧倒的な速さで獲得しました。トップからおよそコンマ8秒遅れで2番手タイムだったのは,坂本祐也&青木孝行組のJLOC ランボルギーニ RG-3でした。予選でトップタイムだった都筑晶裕&土屋武士組のZENT Porsche RSRが,3番グリッドを獲得しています。
2011/10/01(土)
☆開幕(MotoGP)
◯ついに,ツインリンクもてぎにおいて日本GPが開幕しました。東日本大震災により開催が春から秋へと移動した今回の日本ラウンドですが,当初は福島第一原子力発電所事故の影響から,青山博一以外のライダーが来日へ難色を示すという動きもありました。しかし,FIMが独自に実施した放射能調査により安全性が確認され,無事開催へと繋がりました。初日は,いつものように午前・午後にそれぞれ1回ずつのフリー走行が行われました。MotoGPクラスでは,初日の総合でレプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムをマークしました。2,3番手をそれぞれC.ストーナーとA.ドビツィオーゾがマークし,レプソル・ホンダ勢が1〜3番手を独占しました。4番手タイムをサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリがマークし,ホンダのお膝元の一つであるツインリンクもてぎにおいて,初日はトップ4を独占しました。ヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが,4番手タイムをマークしています。母国GPとなるサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,7番手タイムをマークして好スタートを切っています。ワイルドカードで参戦しているLCRの秋吉耕祐とチームHRCの伊藤真一は,それぞれ17番手,18番手でした。
Moto2クラスでトップタイムだったのは,シューターのマシンを駆るT.ルティでした。こちらも母国GPとなるモリワキの高橋裕紀は,3番手タイムをマークし,青山と同様こちらも好スタートを切っています。なお,今回の高橋は,チームクルーのおよそ半数が来日できていないため,モリワキからメカニックが助っ人として参加しています。代役参戦している中上貴晶は,初めてづくしながら13番手と好スタートを切りましたが,ワイルドカードで参戦している小山知良は,今季3回目のGPながら34番手と出遅れました。
125ccクラスは,前戦で既に今シーズンの新人王タイトルを決めているアプリリアのM.ビニャーレスが初日を制しました。日本人勢では,昨年のJRR125ccクラスチャンピオンである大久保光が17番手でトップでした。
     
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