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2011/4/30(土)
☆参戦(ル・マン24)
○世界3大レースの一つである『ル・マン24時間耐久レース』は,今シーズン当初,残念ながら日本人ドライバーが誰も参戦予定がありませんでした。ところが,元F1ドライバーで,現在は現役ドライバーを続ける一方,2009年から務めている岐阜県加茂郡坂祝町にある中日本自動車短期大学の准教授の中野信治が参戦することになりました。日本人としては初めて『F1モナコGP』,『インディ500』,そして『ル・マン24』という世界3大レースへの参戦を果たした中野が,再びル・マンに帰ってくることになったわけです。彼が参戦するのは,昨年LMP2クラスで2位に入ったフランスのOAKレーシングからで,ジャッド・エンジンを搭載したペスカローロLMP2を駆ることになります。決勝日が,ちょうど東日本大震災から3ヶ月目という節目となります。中野によると,彼の参戦によりもう一度世界の目を日本に向けるきっかけになればと願うと共に,日本に向けたチャリティ活動を行うことを計画しているとのことです。
2011/4/29(金)
☆節電(8耐)
○「QTEL FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦」として鈴鹿サーキットで開催される2輪の真夏の祭典「"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第34回大会」の開催概要が既に発表され,連休明けからはチケットの販売も始まります。その8耐に関して,鈴鹿サーキットを経営する株式会社モビリティランドから新たな発表がありました。鈴鹿8耐といえば,例年午前11時30分にスタートし,午後7時半にチェッカーとなるのが恒例でした。しかし,東日本大震災をきっかけにして,今全国では節電の取り組みが様々な箇所で行われていて,8耐もその流れを取り入れることになりました。そこで今回の決定によれば,スタート及びゴールの時刻を1時間早め,10時半にスタートし,6時半にゴールするということになりました。ということは,例年の時間帯ですとヘッドライトを点灯したナイトセッションがありますが,今シーズンはその必要性がほぼないということになります。そのため,開催期間を通じて夜間走行が実施されないことも決定しています。なお,今年の鈴鹿8耐は,7月28日(木)に開幕し,31日(日)に決勝レースが行われる予定になっています。
2011/4/28(木)
☆対策(F1)
○このところずっと噂されていた通り,チーム・ロータス・エンタープライゼスは,イギリスのスポーツカーメーカーであるケータハム・カーズを買収したことを正式に発表しました。そのケータハムは,ロータスのスポーツカーとしてお馴染みの『セブン』の製造権を1973年に取得しています。また,今回の発表に合わせて,アンゴラの国営石油会社である『ソナンゴル』とタイトルスポンサー契約を結んだことも発表しました。現在チーム・ロータスは,ルノーと提携して今シーズンから参戦を開始したグループ・ロータスとの間で名称使用権に関して訴訟問題が生じていて,来月その判決が下されることになっています。その判決が,どちらが勝訴することになるのかは不透明ですが,チーム・ロータス側がやや不利な情勢にあるのではないかという観測もあります。もし判決がその観測通りだとしたら,当然「ロータス」という名称は使用できないことになります。その場合,今回の買収により,「ケータハム」というブランドを手に入れたわけですから,たとえ「ロータス」という名称が使えなくなっても,新たに「ケータハム」ブランドを使用できるわけですから,今回の買収劇は,名称使用権訴訟への対策という側面があると言えるでしょう。
2011/4/27(水)
☆出場(MotoGP)
○リズラ・スズキから発表があり,今週末に行われるポルトガルGPにA.バウティスタが出場することになりました。開幕戦カタールGPの練習走行で転倒を喫してしまい,大腿骨骨折という重傷を負って第1戦,第2戦と欠場したバウティスタでしたが,懸命のリハビリを続けて医師からの出場許可がおりました。大腿骨骨折となると治るまでかなりの日数が必要な大怪我ですが,わずか42日での復帰となります。ただ,医師からの許可が出たとはいえ,かなりのパワーを有した最高峰マシンを操作しないといけませんから,フィジカル面でかなり負担となることは事実です。実際にマシンにまたがってみると,十分な競争力を発揮できない状況が確認できる場合があります。そのため,スズキのテストライダーである青木宣篤もポルトガルGPの開催地であるエストリル入りをして万全を期すようです。
次に,Moto2クラスに唯一フル参戦する高橋裕紀に関してです。既にご存知の方も多いと思いますが,彼の実弟であるレーシングライダーの高橋江紀さんが,交通事故のため24日(日)にお亡くなりになりました。昨シーズンまでホンダ陣営のチームに所属し,2005年から250ccクラスに,2007年からはST600クラスに,そして2010年にはその年から始まったJ−GP2クラスにフル参戦をしてきました。そして,今シーズンからは心機一転カワサキ系のチームであるRS-ITOに移籍し,ST600クラスにフル参戦することになっていました。東日本大地震により開幕が延びてしまったため,一度もレースにおいてカワサキZX-6Rを駆ることなく23歳という若さでこの世を去りました。兄弟共に同じレーシングライダーという道を歩いてきた兄の高橋裕紀だけに,今回の出来事における心の痛みは想像を絶するものがあると思います。しかし,その悲しみを乗り越えてポルトガルGPに出場することになりました。
2011/4/26(火)
☆連続表彰台(BSB)
○開幕戦の決勝レースが,ブランズハッチで行われました。SBKと同様に,BSBも決勝日は2レースが行われます。レース1では,ポールからスタートしたホンダのマシンを駆るS.バーンが,2位に1秒以上の差をつけてポールトゥーフィニッシュを飾りました。バーンの勝利は,2008年に今回と同じブランズハッチで行われた最終戦で勝利を収めて以来となります。2位には,4番グリッドからスタートしたヤマハのT.ヒルが入りました。3位には,予選8番手からスタートして追い上げを見せたホンダのT.ブライドウェルが入っています。このシリーズ唯一のフル参戦日本人ライダーであり,昨年のチャンピオンでもあるホンダの清成龍一は,7周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。
レース2は,3台によるバトルが展開されました。その混戦を制したのが,レース1でも表彰台を獲得したヤマハのT.ヒルでした。コンマ142秒差で惜しくも2位となったのが,レース1を転倒リタイアで終わっているホンダの清成龍一でした。レース1で3年ぶりの勝利を収めたホンダのS.バーンが,トップからおよそコンマ6秒差で3位表彰台を獲得しています。
2011/4/25(月)
☆ワンツー(BSB)
○イギリス国内で行われている英国スーパーバイク選手権(BSB)ですが,今シーズンは清成龍一が唯一のフル参戦日本人ライダーとして出場しています。今シーズンのカレンダーは,ブランズハッチで開幕戦と最終戦が行われるようになっていて,全12戦が組まれています。その開幕戦の予選が行われ,このシリーズにおけるホンダのエースチームであるHMプラント・ホンダのS.バーンが,今シーズン最初のポールシッターとなりました。バーンのポール獲得は,2008年以来久々のものとなります。そして,2番グリッドを獲得したのは,バーンのチームメイトである清成でした。昨シーズンこのシリーズで通算3回目となるチャンピオンを獲得し,連覇を目指している清成ですが,幸先のよいスタートを切ることができています。ホンダ勢がワンツーを収めたのに呼応するかのように,予選3,4番手を獲得したのは,それぞれM.ラバティ,T.ヒルのスワン・ヤマハ勢でした。先日行われたMotoGPのスペインGPにおいて,開幕戦で負傷したスズキのA.バウティスタの代役として出場し,転倒者が相次ぐ中堅実な走りを展開して見事ポイントを獲得したJ.ホプキンスは,MotoGPにおけるリザーブライダーを務めてはいるものの,本来はこのBSBにおけるスズキ(サムスン・クレセント・レーシング)のライダーです。そのホプキンスは,予選を11番手で終えています。
2011/4/24(日)
☆使用禁止か?(F1)
○今シーズンの目玉の一つとなっているのが,リアウィングを開けることで空気抵抗を減らし,一時的に直線スピードを上げてオーバーテイクしやくすなるという機能であるDRS(ドラック抑制システム)です。この機能は,そのサーキットで決められた区間に達した時,前の車と1秒以内に入っていれば使用できます。その結果,もう一つの目玉であるKERS(エネルギー回生システム)のおかげもあって,今シーズンあちらこちらでオーバーテイクシーンを見ることができています。ただし,空気抵抗を減らして直線スピードを伸ばすのと引き替えに,当然路面にマシンを押しつける力であるダウンフォースが減ることになります。ここで問題視されているのが,公道を使用して行われるモナコGPにおけるDRSの扱いです。クローズドサーキットを使って行われるレースと違い,ガードレールに囲まれた一般道で行われるモナコでは,かなりのダウンフォースが必要となります。これは,当然DRSと相反することになりますし,実際問題モナコにはそれほど長い直線区間がありません。もし使用するとした場合,唯一考えられる区間は,トンネル内での右高速コーナーだけです。ただ,トンネル内ですから万が一のことがあるととても危険ですし,トンネルを抜けてすぐにシケインが存在していますから,こうした点でもかなり危険が伴います。これらのことから,どうやらモナコにおいてはDRSが使用禁止となる可能性がかなり高いようです。
2011/4/23(土)
☆ラスト開催?(F1)
○2005年からF1開催国になったトルコですが,そのトルコGPが今シーズン限りで終了することになるかもしれないとトルコ国内で報道されています。現在は開催権料として年間1,300万ドル(約10億6,500万円)支払っているトルコ側ですが,F1商業権所有者であるB.エクレストンから,その開催権料を来シーズンから今の倍増となる2,600万ドル(約21億3,000万円)とする通知があったようなのです。今シーズンでF1開催契約が切れるトルコGPですので,契約延長に向けて交渉する必要が生じていました。その交渉の段階で金額の提示があったようです。初開催以来ずっと観客動員に課題があったトルコでしたが,それでもトルコ側は開催を継続していました。しかし,さすがに倍増となるとトルコの財務省も資金を出すことを断念することになりそうです。トルコ側としては,世界的に注目を集めるF1が開催できなくなるのは残念なのでしょうが,実はF1側はそれほど痛手はないようです。というのも,新規開催国は年々増えていて,今シーズンは久々に20戦を数えています。来シーズンからはオースティンで開かれる新たなアメリカGPが加わることになっていますので,年間の開催数を20戦以下に抑えるためには,どこかのレースを切り捨てる必要が生じているからです。開催権料が安く,観客数の増加が見込めそうもないトルコGPがなくなるのも,ある意味自然なことなのかもしれません。
2011/4/22(金)
☆参戦(IRC)
○WRCとは別のシリーズとして2007年から正式に発足したインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)は,以前WRCにおける伝統的レースの一つであったサファリ・ラリーをはじめ,モンテカルロ等でのレースが組み込まれています。以前は,ラリー・ジャパンもこのシリーズの1戦として開催されたことがあります。そのIRCシリーズに関して,スバル・テクニカ・インターナショナルと横浜ゴムから発表があり,日本人ラリーストとして有名な新井敏弘と奴田原文雄のふたりをサポートすることになりました。新井敏弘は長年スバルとの関係が続いていて,WRCと併催のPWRCにスバルのインプレッサを駆ってフル参戦し,チャンピオンを獲得した経歴を持っています。それに対して,奴田原文雄の方は,長年三菱との関係が深く,ランサーエボリューション(ランエボ)を駆って全日本ラリーでチャンピオンを獲得したり,PWRCにスポット参戦したりといった活動をしていました。新井と奴田原は,ラリーにおいては長年ライバル関係にありますが,個人的な部分では親交が深く,長年三菱系のドライバーとして活躍した奴田原がスバルの支援を受けて参戦することになったのは,もしかしたらこのことと関係しているのかもしれません。なお,今回の2人の参戦ですが,もちろんマシンはスバル・インプレッサWRX STIで,R4使用を駆ります。また,新井は『Team ARAI』から第3戦ツール・ド・コルスからの計5戦に参戦する予定で,奴田原は『ADVAN Team Nutahara』として第6戦ラリー・アソーレスからの3戦に出場する予定になっています。そのラリー・アソーレスと第11戦ラリー・オブ・スコットランドに関しては,2人とも参戦する予定です。
2011/4/21(木)
☆風洞(F1)
○今シーズン不振を極めているのが,F1の中で伝統チームであるフェラーリとウィリアムズの両チームです。この不振を脱却するため,両チームともメンバーを入れ替えるなどのデザイン部門の再編成が噂されています。また,フェラーリについては,チーム代表のS.ドメリカリによると,風洞でのデータと実際のトラック上とのデータに大きな差異があることが原因であることを明らかにしています。そして,その大きな際が現れる原因が,フェラーリの所有する風洞実験設備の測定機器に問題があるからで,イタリアの150周年を祝って命名されている今季型マシンである『150イタリア』に空力的遅れが生じているとのことです。こうした問題を解決するためには,その風洞実験室を改築又は新築する必要があるわけですが,資金的にそう簡単にはいきませんし,シーズン中でも様々な実験をしながら日々改良を加えていかなければならないだけに,風洞実験を止めるわけにはいきません。フェラーリは,一昨年限りでF1から撤退したトヨタがその当時まで使用し,現在は貸し出しを行っている風洞を補助的に使用していますが,ごく近い将来,ドイツのケルンにあるこの設備をより重点的に使用することになるのではないかとの噂浮上してきています。
2011/4/20(水)
☆復帰(JRR)
○昨シーズン限りで惜しまれつつJRRのJSB1000クラスから卒業したのが,元GPライダーでもある伊藤真一です。ラストイヤーである昨シーズンも勝利を収め,40歳を超える年齢を重ねていてもまだまだ充分に戦える力を持っていることを示した中での卒業でしたから,卒業をとりやめてほしいという声があちらこちらに起こっていました。ただし,あくまでも“引退”ではなく“卒業”ですので,JRRでのフル参戦はしないものの,例えば8耐などの特別なイベントに関しては出場の可能性を残していました。とはいえ,現在のような経済状況ですので,伊藤とはいえ現実的には厳しいのではないかとみられていたのも事実です。そして,この度日本を代表するコンストラクターの一つであるTSRから発表があり,5月14日に決勝レースを迎えるJRR第1戦『鈴鹿2&4』に急遽参戦することが決定しました。同チームからは,昨年のチャンピオンである秋吉耕祐が継続してフル参戦することになっていますので,2&4に関しては2台体制となります。伊藤のゼッケンは5,マシンは当然F.C.C.TSR HondaのCBR1000RR,タイヤは慣れ親しんだブリヂストンです。今回の復帰は,伊藤の意志を受けてのものです。ご存知の方も多いと思いますが,伊藤は現役時代から宮城県在住のライダーです。3月11日に起こった東日本大震災により同県の名取市で被災者となった伊藤は,これまで自身の立ち直りに追われていました。そのような中,伊藤自身のコメントによると,「昨シーズンで全日本JSB1000からは卒業しましたが,3月の震災で僕自身も被災者になり,その僕がレースを走ることによって,被災者のみなさんを少しでも勇気づけることができればと思い,今回の鈴鹿2&4レースに出場することになりました。(中略)正直なところ,被災地をまわって,いろいろと考えさせられることがたくさんありました。そしてモータースポーツに目を向けてみると,他のスポーツでもそうですが,少し元気がなくなってきている 気がします。僕が育ったと言うか,僕を育ててくれたモータースポーツを少しでも元気にしたい。そんな気持ちもあって今回の参戦に踏み切りました。(後略)」ということで復帰の意志をTSRに示し,それを尊重したTSRが復帰を発表しました。伊藤自身のコメントの中にもあったのですが,震災への対応に追われていた伊藤だけに,フィジカル面を含めて昨年までのようなレースへの事前準備ができていないのが現実です。厳しい状況の中であるものの,精一杯の走りを見せてくれることは間違いないでしょう。頑張れ伊藤選手!!
2011/4/19(火)
☆新システムトラブル(F1)
○今シーズンの目玉には,新しいシステムであるKERSとDRSがあります。KERSについては,2009年シーズンに導入されていますから,正確には復活といった方がいいのかもしれません。新しいシステムにはトラブルがつきものですが,週末に行われた中国GPでもその点が見られました。まずKERSについてですが,上位チームの中でその点に苦しんでいるのが,昨年のチャンピオンチームであるレッドブルでしょう。ポールからスタートしたS.ベッテルでしたが,スタートして1コーナーまでに2台のマクラーレン勢に交わされてしまいました。そのスタート時に大きな役割を果たすのがKERSですが,どうやらベッテルの場合これが充分機能しなかったため,順位を下げる結果につながってしまったようです。その後もトラブルが出たり出なかったりという状況が続いたようで,それが原因の一つとなって3連勝を逃したという状況だったようです。それでも,ベッテルの場合はKERSが部分的にせよ使えていたからよかったものの,チームメイトのM.ウェーバーに関しては,トラブルにより今シーズン一度も使えていないようです。空力マシンであるレッドブルのRB7ですが,KERSにとってはそれが仇となっていて,空力の関係からバッテリーシステムをタイトに収めざるを得ず,そのことにより冷却に問題をかかえているようです。チーム代表のC.ホーナーによると,次戦トルコGPにアップデートキットを導入するとのことです。
事前に決められた直線区間にさしかかった際,前方のマシンと1秒以内になると作動することになっているのが,今シーズンから初めて取り入れられたDRSです。これは,ストレート区間でリアウィングが自動的に開くことで空気抵抗が少なくなり,パッシングするのに有利になるというものです。このDRSに関して中国GPでトラブルが出ていたのが,フェラーリのF.アロンソでした。最初にも書いたように,このシステムは決められた区間でしか作動しないことになっています。ところが,アロンソの場合,メルセデスGPのM.シューマッハとのバトルの際,ヘアピンと最終コーナーの間で作動している様子が国際映像で映し出されていました。レース後に分かったことは,アロンソのDRSはストレートエンドの300m手前ではじめて使用できる状態になり,その分ヘアピン後も利用できたとのことです。通常ですとレギュレーション違反に問われるのですが,このシステムはFIAが操作するシステムによって電子的に起動されるもののため,チームやアロンソに責任があるわけではありませんから,何らのペナルティーも科されませんでした。
2011/4/18(月)
☆初優勝(F1)
○第3戦中国GPの決勝レースが,好天に恵まれた上海国際サーキットで行われました。今季3戦連続(昨シーズンの最終戦と合わせると4戦連続)ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルでしたが,好スタートを切ったマクラーレン勢2台にパスされ,3位でオープニングラップを終えました。トップに立ったのは,前戦で表彰台を獲得しているJ.バトンでした。しばらくの間トップの座を守っていたバトンですが,タイヤ交換のためピットインした際,止まる位置を間違えてしまい,トップ争いからは一歩後退してしまいました。その後,メルセデスGPのN.ロズベルグがトップに立ったりしましたが,燃費が厳しかったようで,徐々に順位を下げていきました。そのような中,徐々にポジションアップを果たしていったのが,マクラーレンのL.ハミルトンでした。52周目にトップを走るS.ベッテルを交わすと,最後までその座を守りきり,今季初優勝を飾りました。ハミルトンは3ストップ,ベッテルが2ストップ作戦を採りましたが,これも優勝争いの大きな要素になったようです。3位表彰台を獲得したのは,前日に行われた予選で,何とQ1で敗退し,18番グリッドからスタートしたM.ウェーバーでした。ザウバーの小林可夢偉は,13番グリッドからスタートし,いつものようにタイヤ交換を少なくした作戦で粘り強く走行を続けて10位完走を果たし,2戦連続ポイント獲得(レース後失格となった開幕戦を入れると3戦連続入賞圏内)となりました。
2011/4/15(金)
☆改善策(F1)
○レースでは様々なオフィシャルがそれぞれの役割を担って活動し,スムーズな運営がなされています。その中で,各コーナー等にあるポストの中でマシンに対してイエローフラッグ等を振って様々な情報を与えているのがコースオフィシャルの仕事です。そのコースオフィシャルの仕事の中の一つが,路面の清掃です。実際にレースを見に行ったことのある方は,レーストレースの合間に竹箒等をもって掃いている様子をご覧になったことがあるのではないかと思います。その清掃作業の中で一番多いのは,走行する中で徐々にタイヤが削れていったために路面上に散りばめられてしまうマーブル(タイヤかす)の処理です。そのマーブルに関してですが,先週末に行われたマレーシアGPをテレビ等でご覧になった方はお気づきになったと思いますが,ライン上以外にこれまでとは比べものにならないほどの量のマーブルが散らばっていました。決勝レース中にルノーのV.ペトロフが大きくジャンプするほどのコースオフを喫してリタイアに追い込まれてしまいましたが,このアクシデントの原因となったのが,このマーブルによるスリップだったようです。今シーズンからワンメークタイヤを供給することになったピレリは,レースをよりエキサイティングに,そして予測しにくくするためにピットストップ回数を増やすという任務を背負っています。ブリヂストンタイヤの頃は,1〜2回ほどのピットストップでしたが,今シーズンは3〜4回というのが珍しくなくなっています。その結果,これまでにないほどの量及び大きさのマーブルが広範囲に散らばってしまうという状態になっているのです。ある程度の量であればそれほど大きな問題とならないのですが,あれほどの量になるとペトロフのようにスリップしやすくなります。また,高速で回転するタイヤがある程度の大きさのマーブルを飛ばしてしまうわけですから,その直撃による衝撃はかなりのものがあります。この点に関して,ピレリのモータースポーツディレクターを務めるP.ヘンベリーは,レースへのアプローチを変えずに,堆積を減らす方法を検討しているというコメントを出しています。
2011/4/14(木)
☆方向性(F1)
○シーズン前のプレシーズンテストでは,安定したタイムを刻んでいつもトップ3圏内に入っていたフェラーリ勢でしたが,シーズンに入って2戦経過したものの,予選・決勝共に5位が最高位という結果に終わっています。しかも,ぎりぎりの攻防の中での結果というものではなく,表彰台圏内から遠く離れた位置でのフィニッシュとなっています。マレーシアGP,中国GPとアジア2連戦となるF1ですから,通常はそのままアジアにとどまって連戦に備えるところですが,S.ドメニカリ,A.コスタ,P.フライといったフェラーリの首脳陣がアジア圏にとどまることなくフェラーリの本拠地であるマラネロに戻りました。こうした状況を受け,イタリアの報道機関の2社が,今後のことについて報道をしています。それによると,今週末行われる中国GPにおいて,フェラーリは新しいコンポーネントを取り入れることになっているようです。そして,もしそれでも状況が好転しなかった場合,今季型マシンの開発において現在の方針を維持するか,新しいエアロパッケージを取り入れた“プランB”に移行するかの決定を行うことになるのではないかということです。
2011/4/13(水)
☆2輪も(MotoGP)
○2010年の5月に発表があり,現在テキサス州の州都であるオースティンで建設中のサーキット・オブ・ザ・アメリカズという新しいサーキットにおいて,来シーズンから10年間にわたってF1が開催されることになっています。そして,この度MotoGPを運営するDORNAをはじめ,元500ccクラスチャンピオンであるK.シュワンツがマネージャーを務める3・フォー・テキサス・MGP&LLC,オースティンでプロモーターと務めるフルスロットル・プロダクションから発表があり,2013年からその新しいサーキットにおいてMotoGPを開催することが決定しました。今回結ばれた開催期間は,F1と同じく10年間となっています。アメリカで開かれる場合,MotoGPクラスのみの開催というパターンがこのところ当たり前になっていますが,今回の契約によると,Moto2及び来シーズンから125ccクラスに替わるクラスとなるMoto3の3クラス全ての開催ということになっています。ペプシカラーのスズキRGV−Γを駆って1993年にチャンピオンとなったシュワンツですが,1995年に引退してから後,折に触れ自身の出身地であるテキサスでの2輪最高峰レース開催実現に向け活動していました。今回の発表により,彼の夢がようやく実現したことになります。
2011/4/12(火)
☆参戦休止(SGT)
○昨シーズンGT300クラスでチャンピオンを獲得したハセミ・モータースポーツが,9日に発表を行い,今シーズンの参戦を休止することになりました。参戦できないというとき,スポンサーが集まらないからというのがその理由となる場合が多いのですが,同チームの場合,長年ミニカーのメーカーとして有名な『トミー』(現在は,おもちゃメーカーの『タカラ』と合併して『タカラトミー』という社名になっています。)がスポンサーとしてついていますが,どうやら今シーズンもそのサポートは延長が決まっていたようです。しかも,元ドライバーの長谷見昌弘が代表を務めるチームで,SGTの前身である全日本GT選手権がスタートした1994年から日産のマシンで参戦。今シーズンは,チーム設立30周年というメモリアルイヤーとなっているのです。今回の発表だけでは,参戦休止となった決め手が今一歩はっきりしないのですが,こればっかりは推測するしか方法がないと言えます。なお,チームからの発表によると,今後は来シーズン以降の参戦に向けて復帰の可能性を模索していくとのことです。
2011/4/11(月)
☆連続(F1)
○第2戦マレーシアGPの決勝レースが,曇り空のセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。途中雨が降るという天候にはなったものの,それほどの雨量ではなかったため,各車ドライ用タイヤのままで走行することができました。全線に引き続いてポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,スタートからそのポジションを守ることができました。ピットインのタイミングの違いからトップの座を譲ることがあったり,今シーズンから再び導入されているKERSにトラブルが発生したりしたものの,終始安定した走りを展開していき,見事2戦連続してポールトゥーフィニッシュを飾ることができました。予選4番手からスタートしたマクラーレン・メルセデスのJ.バトンも,終始危なげない走りを展開していき,終盤に入る頃のピットストップで,チームメイトのL.ハミルトンがタイヤ交換で手間取ったため2位に浮上し,最後までその座を守ってチェッカーを受けました。6番グリッドからスタートしたルノーのN.ハイドフェルドは,好スタートを見せて上位に進出。ライバル勢にアクシデントが発生したりしたためにさらに順位を上げ,最終的には3位表彰台を獲得し,前戦のV.ペトロフに引き続いてルノーに表彰台をもたらしました。予選10番手からスタートしたザウバーの小林可夢偉は,トラブルを抱えて苦しむレッドブルのM.ウェーバーやフェラーリのF.アロンソとのバトルを繰り返しながらポジションを上げ,8位でチェッカーを受けました。
レースの途中でハミルトンとアロンソが接触するアクシデントが発生しましたが,レース終了後にアロンソに非があるということで20秒加算のペナルティーが科されました。ただし,そのペナルティーが科されても順位に変動はなく,6位というリザルトとなっています。また,一方のハミルトンは,アロンソからポジションを守る際に複数回の進路変更を行ったため同様のペナルティーが科せられました。こちらは順位に関係が出てきて,8位でチェッカーを受けた小林可夢偉が7位に順位を上げ,それと入れ替わってハミルトンが8位となりました。開幕戦では8位でチェッカーを受けたものの,マシンにレギュレーション違反があったため失格となる不運があった可夢偉でしたが,今回はその不運を取り払うかのような結果となっています。
2011/4/10(日)
☆連続(F1)
○第2戦マレーシアGPの予選が,ドライコンディションのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。トップ10のマシンで争われるQ3では,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが,セッションが始まってずっとトップタイムをマークしていました。ハミルトンの今季初のポール獲得かと思われたのですが,ここで待ったをかけたのが,昨年の王者で,今シーズンは開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾っているレッドブルのS.ベッテルでした。予選セッションの最終ラップで王者の走りを展開したベッテルは,見事トップタイムを更新して2戦連続ポールシッターとなりました。惜しくも逆転を許したハミルトンはセカンドグリッドを獲得。3番グリッドを獲得したのは,ベッテルのチームメイトであるM.ウェーバーでした。ちなみに,予選上位5台までは,開幕戦と同じ結果でした。その開幕戦で見事8位でゴールしたものの,レース後の車検でマシンにレギュレーション違反が見つかり,残念ながら失格となってしまったザウバーの小林可夢偉は,Q3まで進出する速さを見せたものの,残念ながらそのQ3でタイムアップを果たすことができず,決勝レースは10番グリッドからスタートすることになりました。
2011/4/9(土)
☆初ライド(MotoGP)
○現在使用している800ccエンジンに代わって,来シーズンからは1000ccのマシンでMotoGPクラスは争われることになっています。恐らく表には出てきてはいないものの,それぞれのメーカーは,現マシンの開発と並行して来季型マシンの開発も水面下で行われているものと思われます。そのような中,ドゥカティについては,スペインGPが行われたヘレス・サーキットにおいてプライベート・テストを7日から3日間にわたって実施しています。初日には,元テストライダーで現在はチームマネージャーを務めるV.グアレスキと現在テストライダーを務めているF.バッタイーニの2人が,プロトタイプマシンのシェイクダウンを担当しました。そして,2日目には,今シーズンからドゥカティに加わっているV.ロッシがテストを担当して,来季型マシンであるデスモセディチGP12を初ライドしました。この日はロッシが終日テストを担当し,全部で50周の走行をこなしたようです。ドゥカティの発表によると,来季型マシンは「ビッグバン」と言われている同爆システムのエンジンを採用しているとのことです。3日目に当たる今日のテストは,もう一人のワークスライダーで,スペインGPにおいて3位表彰台を獲得しているN.ヘイデンがテストを担当することになっています。
2011/4/8(金)
☆追加(F1)
○今日から第2戦マレーシアGPが開幕しますが,この大会でワンメークタイヤを供給するピレリが,新たな対策をとることを発表しました。今シーズンから再びタイヤを供給することになったピレリは,マシンがどの種類のタイヤを履いているか見ている人から一目で分かるよう,6種のタイヤにそれぞれ異なるカラーでサイドウォールに「Pirelli」と「PZero」の文字をプリントすることにしていました。ところが,開幕戦のオーストラリアGPでは,ソフトタイヤを示すイエローとハードタイヤを示すシルバーとが使用されたのですが,イエローについては識別可能だったものの,シルバーについては高速で回転するタイヤの場合,見ている人には何色がペイントされているのか識別ができないという指摘がなされていました。それを受けて,その解決策として今回新たな発表が行われたわけです。その内容というのは,ソフト側のタイヤに金のストライプを加えるというものです。ただし,今回の措置は一時的なもので,シーズンの本格的な開幕となるヨーロッパラウンドにおいては,より明確な変更を実施するつもりだとピレリのモータースポーツディレクターを務めるP.ヘンベリーはコメントを出しています。
2011/4/7(木)
☆参戦申請(MotoGP)
○現在は800ccマシンで争われているMotoGPクラスですが,この規定によるレースは今シーズンが最後となり,来シーズンからは1000ccマシンでの新しい規定に則ったレースとなります。この新たな規定は,現在活況を呈しているMoto2クラスのように,一つでも多くのメーカーやチーム,ライダーの参戦を視野に入れたものです。実際,この競技規定変更により,来シーズン以降の参戦を希望するチームの存在も噂されています。そうした状況を受け,FIM,DORNA,IRTAの3者は,2012年のチーム選出に関する申請の手続きについて公開しました。それによると,4月末に行われるポルトガルGPと,その2週間後に行われるフランスGPの期間中に申請手続きを行われければなりません。そして,全ての申請はフランスGPの会場であるルマンで申請書の検証を行い,チームに対して承認,却下,保留といった通告がなされ,その後,参戦チームの暫定リストが公表されることになるようです。現在はホンダ,ヤマハ,スズキの国内3メーカーと,イタリアのドゥカティの合計4メーカーの参戦となっています。それがどのように増えていくのか,とても楽しみになりますね。
2011/4/6(水)
☆スポットで(インディーカー)
○インディーカー・シリーズの元チャンピオンで人気のあるドライバーの1人である超ベテランのP.トレイシーは,今シーズンのインディ500にドレイヤー&レインボールドから参戦することになっています。ただし,レギュラードライバーでない彼ですから,それ以外のレースについては,出走の予定がありませんでした。そのトレイシーが,スポットではありますが参戦することが明らかとなりました。トレイシーが参戦することになったのは,ドレイヤー&レインボールドからではなく,ドラゴン・レーシング・チームからで,ロングビーチを含んだ5戦にスポット参戦することになりそうです。彼が所属することになったドラゴン・レーシング・チームですが,チーム・ペンスキーのオーナーであるR.ペンスキーの息子J.ペンスキーたちが創ったチームです。昨年まではJ.ド.フェランとパートナーを組んでド.フェラン.ドラゴン.レーシングとしてインディカーに参戦していたものの,スポンサーとの契約が成立しなかったため開幕直前に参戦を断念するとともに,チームも解散していました。ド.フェランと分かれたペンスキーは,ドラゴン・レーシング・チームを継続させ,今回のトレーシー起用となりました。現段階では5戦の参戦となっていますが,今後の展開によってはその数が増えるかもしれないようです。
2011/4/5(火)
☆回数は?(F1)
○今シーズンからワンメークタイヤとして供給を始めたのが,イタリアのタイヤメーカーであるピレリです。久々にF1へタイヤを供給することもあって,シーズン前に行われたテストでは,いろいろなチームやドライバーからグリップ不足や耐久性の低さなどが指摘されていました。特にタイヤライフの短さが不安視されていて,場合によってはピット回数が2回では済まないのではないかと言われていました。ところが,開幕戦のオーストラリアGPでは,大方の予想に反してほとんどのドライバーが2回交換で済みましたし,ザウバーのS.ペレスに至っては1回交換だけで乗り切り,後で失格となったものの,レースにおいては7位でチェッカーを受けています。ただし,今週末に行われる第2戦は,灼熱の国であるマレーシアGPです。ピレリのモータースポーツディレクターを務めるP.ヘンベリーによれば,高温のセパンではタイヤの摩耗が激しくなるだろうと考えているようです。そのため,マレーシアでのピットイン回数は,3〜4回になるのではないかという見通しを立てています。それに対応して,ピレリは金曜フリー走行での追加のタイヤテストの機会を利用して,各ドライバーに改良版のハードコンパウンドを2セット余分に供給する体制をとるようです。
2011/4/4(月)
☆大荒れ(MotoGP)
○第2戦スペインGPの決勝レースが,雨に見舞われたヘレス・サーキットで行われました。初日及び2日目は,強風で転倒するライダーが相次ぎましたが,決勝レースは,雨により次々に転倒するという大波乱の展開となりました。MotoGPクラスは,ポールシッターのC.ストーナーが転倒リタイアを喫するという波乱が待っていました。そのような中,3番グリッドからスタートしたヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾは,12周目にトップに浮上すると,その後はスリッピーな路面で安定したラップを刻んでいき,2戦目にして今季初優勝を飾りました。2番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,一時期9番手まで順位を下げたものの,徐々に順位を挽回していき,この大会で2年連続して2位を獲得しました。11番グリッドからスタートしたドゥカティのN.ヘイデンは,ライバルたちの転倒を横目に走行を続けて3位でチェッカーを受け,昨シーズンのアラゴンGP以来となる表彰台を獲得しています。10番グリッドからスタートしたサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,前日に行われた予選で転倒した際,マシンの後輪が左膝を直撃するというアクシデントに見舞われていました。スリッピーで左膝を負傷するという悪条件の中,一時期は16番手まで位置を下げたものの,彼も徐々に順位を挽回していき,3位に入ったヘイデンとの差がコンマ5秒ほどまで接近したものの,惜しくも4位でのチェッカーとなりました。表彰台獲得はなりませんでしたが,最高峰クラスでの自己最高位を獲得しています。
Moto2クラスは,午前中に行われたウォームアップ走行でトップタイムをマークしたシューターのA.イアンノーネが,11番グリッドからスタートして徐々にポジションアップを果たしていき,14周目にトップに躍り出ました。その後も安定したラップを刻んでいき,2位に7秒以上の大差をつけて独走で今季初優勝,このクラス通算4勝目を飾りました。ポールシッターでシューターのマシンを駆るS.ブラドルが5番手に入ったこともあって,ランキング争いでイアンノーネがトップに立っています。2位を獲得したのは,一時期はトップを走行していた予選3番手からスタートしたシューターのT.ルティでした。3番手には,FTRのマシンを駆って18番グリッドからスタートしたS.コルシでした。予選2番手をゲットしていたモリワキの高橋裕紀は,ホールショットを奪うという走りを見せたものの,3番手走行中の10周目に転倒を喫し,残念ながらリタイアに終わっています。
125ccクラスは,2番グリッドからスタートしたアプリリアのN.テロルが,ホールショットを奪うとそのままトップの位置を守り続けました。途中チームメイトのH.ファウベルとのバトルとなりましたが,それを制し開幕戦に続いて勝利を収めました。2位を走行していたファイベルは,最終ラップで転倒を喫してしまい,再スタートは切ったものの11位でチェッカーを受けています。ファウベルの転倒により,7番グリッドからスタートしてポジションアップを果たしていたアプリリアのJ.フォルガーが2位を獲得しています。この順位は,彼にとって2009年の第4戦フランスGP以来となる自己ベストリザルトタイ記録です。5番グリッドからスタートしたJ.ザルコが3位に入り,自身初となる表彰台を獲得しています。ポテンシャルの落ちるKTMのマシンを駆って苦戦している尾野弘樹は,21番グリッドからスタートし,周りのドタバタを横目に安定したラップを刻んでいき,自身初の入賞となる8位でチェッカーを受けています。
2011/4/3(日)
☆連続(MotoGP)
○第2戦スペインGPの予選が,前日に続いてやや強めの風が吹いてライダーを苦しめる中ヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦のポールシッターであるレプソル・ホンダのC.ストーナーが,終了間際にコースオフを喫するというアクシデントがあったものの,2戦連続してポールを獲得しました。ストーナーにとってこれで通算24回目となる最高峰クラスでのポール獲得ですが,ヘレスでポールを獲得するのは今回が初めてとなります。午前中に行われたフリー走行3でトップタイムをマークしていたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,ストーナーからコンマ158秒遅れで2番グリッドを獲得しました。ペドロサも,前戦に引き続いて2番グリッド獲得となります。安定して1分39秒台をたたき出していた昨年の王者ヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが,これまた前戦に引き続いて3番グリッドを獲得しています。予選セッションが始まって7周目に転倒を喫し,マシンを乗り換えるというアクシデントに見舞われたサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,その後は順調に1分40秒台をマークし続ける走りを展開し,最終的に10番グリッドを獲得しています。
Moto2クラスは,このクラスも前戦のポールシッターであるカレックスのS.ブラドルが好調な走りを展開し,2戦連続してポールを獲得しました。前日の走行で早々に転倒するアクシデントに見舞われたモリワキのマシンを駆る高橋裕紀でしたが,その後は順調に走行を続けていき,予選でも1分43秒台を安定して連発する走りを見せ,最終的に今季自己最高となる2番グリッドを獲得しました。シューターのマシンを駆るT.ルティも,安定して1分43秒台を出していき,3番グリッドを獲得して2戦連続してフロントローからのスタートを切ることになりました。
125ccクラスは,フリー走行で速さを見せていたアプリリアのS.コルテセが,終盤に最速ラップを刻み,昨年の第4戦イタリアGP以来自身通算3度目となるポールを獲得しました。前戦の勝者で,前日のフリー走行1で最速タイムだったアプリリアのN.テロルが,今回も快調な走りを見せて2番グリッドを獲得しました。プレシーズンテストにおいてこのヘレス・サーキットで最速タイムをマークしていたアプリリアのH.ファウベルが,3番グリッドを獲得してフロントローからのスタートとなり,自身通算150戦目を飾りました。KTMの尾野弘樹は,前日に多重クラッシュに見舞われるというアクシデントがあったものの,以後はトラブルに見舞われることがなく,最終的に21番グリッドを獲得しました。
2011/4/2(土)
☆今回も(MotoGP)
○第2戦スペインGPがヘレス・サーキットで開幕し,初日は強い風に苦しめられながら午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾ったレプソル・ホンダのC.ストーナーが,午前中にマークしたタイムでこの日の総合トップタイムをマークしました。午後の走行でトップタイムをマークしたレプソル・ホンダのD.ペドロサは,まだ左肩の具合はあまりよくありませんが,この日の総合で2番手タイムでした。開幕戦のフリー走行では,この2人が常にワンツーでしたが,初日に関しては,今回も同じような結果となっています。ペドロサと同じく手術の影響で満足のいく走行ができていないドゥカティのV.ロッシは,1回目のタイムで総合の3番手タイムをマークしています。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,午前の走行で13番手とやや出遅れた感じでしたが,午後の走行でタイムアップを果たし,総合で9番手とトップ10内でのフィニッシュとなっています。前戦で転倒により大腿骨骨折の重傷を負ったH.バルベラの代役として,リズラ・スズキは以前同チームからフル参戦した経歴を持つJ.ホプキンスは,午前が最下位となる17番手タイム,午後の走行では1つポジションをアップして16番手タイムをマークしています。
Moto2クラスは,午前の走行でサーキット・ベストをマークしたシューターのマシンを駆るT.ルティが,総合でもトップタイムでした。開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾ったカレックスのマシンを駆るS.ブラドルは,1回目の走行でマークしたタイムで総合の2番手でした。午前の走行では,5周目に転倒を喫してしまってわずか4周しか走行できなかったモリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,マシンを修復して走行した午後の走行でトップタイムをたたき出し,総合で3番手に浮上しています。
125ccクラスは,開幕戦を独走のポールトゥーウィンを達成したアプリリアのN.テロルが,午前の走行においてマークしたタイムで総合のトップタイムでした。午後の走行において,今季初めてトップタイムをマークしたアプリリアのS.コルテセが,総合で2番手タイムでした。総合の3番手タイムは,デルビのマシンを駆るE.バスケスがマークしています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるKTMの尾野弘樹は,午後でマークしたタイムで総合26番手となりました。
2011/4/1(金)
☆手術(MotoGP)
○開幕戦カタールGPでは,レース中盤までC.ストーナーとD.ペドロサのレプソル・ホンダ勢によるトップ争いが展開されていきました。そのトップ争いは,ストーナーがトップに立ってペドロサを突き放しにかかると,その作戦が成功してストーナーの独走となりました。2位となったペドロサでしたが,今度は追い上げてきた昨年のチャンピオンチームであるヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾとのバトルとなりました。途中まで2位の座を守っていたペドロサでしたが,終盤に入るとロレンゾの走りについて行くことができず,3位を単独走行することになってしまいました。いいペースでトップ争いをしていたペドロサが,結局3位でのチェッカーとなってしまったわけですが,こうしたペースダウンは,彼を襲った体の不調によるものだったようです。昨シーズン行われた日本GPのフリー走行で転倒を喫し,左鎖骨を2カ所骨折して手術を受けたペドロサの左肩には,現在もプレートが入ったままです。どうやらこうした手術の影響により,神経叢にストレスが発生してしまい,そのため左腕に痛みが走るようになり,開幕戦のようなペースダウンとなったわけです。今日から第2戦スペインGPが開幕しますが,東日本を襲った地震により,第3戦日本GPが10月に延期となったため,その次のポルトガルGPまでおよそ1ヶ月のインターバルができました。これを利用して,ペドロサは痛みの原因となるプレートの除去手術を受けることになりました。
     
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