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2011/3/31(木)
☆掛け持ち(WRC)
○フィンランドの『Turun Sanomat』紙によると,2007年のF1ワールドチャンピオンで,現在はWRCにフル参戦しているK.ライコネンが,アメリカで最も人気のある4輪レースシリーズであるNASCARに参戦することが明らかとなりました。同紙によると,自身のチームである『Ice1』からエントリーして,キャンピング・ワールド・トラック・シリーズを皮切りに,ネイションワイドとスプリントカップに参戦するとのことです。チームの主要パートナーには,昨年リチャード・ペティ・モータースポーツで働いていたF.ジレットがライコネンに協力していくとのことで,このフォスター家は,NHLのモントリオール・カナディアンズを保有していて,リバブールの元共同オーナーでもあったそうです。このNASCARには,F1ドライバーであったJ−P.モントーヤがF1引退後ずっと参戦していますが,モントーヤといえば,F1時代マクラーレンでライコネンとチームメイトでしたから,奇しくもチームメイト同士でF1とは全く違うフィールドで戦うことになりそうです。なお,現在参戦中のWRCについては,今後も活動を継続するとのことですから,ライコネンはWRCとNASCARの掛け持ちということになります。
2011/3/30(水)
☆控訴せず(F1)
○開幕戦オーストラリアGPにおいて,ルーキードライバーのS.ペレスが1ピット作戦が功を奏して7位に,小林可夢偉は順位の上げ下げはあったものの,最終的に8位でゴールしたザウバーの僚友でしたが,レース後の車検でマシンのリアウイングに車両規定違反があったとして両者共に失格となってしまいました。その違反となったザウバーC30のリアウイングの湾曲は,わずか3〜5mmの規定違反でした。当初,これはマシンに何ら優位な点をもたらしていない部分であるとして控訴する予定にしていたザウバーでしたが,昨日スチュワードの決定を受け入れて失格という決定に対して控訴を進めないことを決断しました。やはり仮にパフォーマンス的には何ら利益をもたらしていなくても,規定から逸脱していたのは事実ですから,苦渋の決断だと思われます。
ところで,規定違反が見つかったザウバーの今季型マシンであるC30ですが,スペインGPにむけてレッドブルなどが採用している今季のトレンドであるエキゾースト・ブラウン・ディフューザーを準備していることが明らかとなりました。ただし,機能的に満足することが確認できてからの導入となりそうです。
2011/3/29(火)
☆自己最高(インディーカー)
○3月27日にIZODインディカー・シリーズの開幕戦セント・ピーターズバーグの決勝レースが行われました。スタート直後のターン1で多重クラッシュが発生するという波乱が起きたこのレースでは,予選2番手からスタートした昨年のチャンピオンであるチップ・ガナッシのD.フランキッティが,イエローコーション開けのリスタートでポールシッターであるペンスキーのW.パワーが他車と接触してポジションを7番手までダウンしたこともあってトップに浮上しました。その後のフランキッティは順調な走りを見せ,トップを快走しました。順位を落としたパワーでしたが,2位までポジションをアップし,その座を盤石なものにしていきました。1位,2位が安定したのに対して,バトルを見せるようになったのが3位争いです。元チャンピオンでベテランドライバーであるKVレーシング-ロータスのT.カナーンと,女性ドライバーの1人であるHVMレーシングのS.デ.シルベストロとの間で展開された3位争いは,結局元チャンピオンが3位の座を守りきりました。残念ながら表彰台を獲得できなかったデ.シルベストロでしたが,彼女の自己最高がルーキーイヤーだった昨年にミドオハイオでマークした8位でしたから,この自身の記録を更新しました。今シーズン唯一のフル参戦日本人ドライバーとなってしまったKVレーシング-ロータスの佐藤琢磨は,11番グリッドからスタートしてポジションをアップ。しかし,タイヤに苦しんで順位を下げるという展開となりました。ところが,タイヤ交換をしてから再び勢いを取り戻し,徐々にポジションをアップしていき,最終的には5位でチェッカーを受けました。これまでの自己最高位がルーキーイヤーだった昨年の9位でしたから,これを更新しました。
2011/3/28(月)
☆完勝&暗転(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの決勝レースが,夕方5時からスタートという「トワイライト・レース」で行われました。コースレコードをマークしてポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,順調なスタートを決めると共に,序盤からファステストラップを刻んでいって後続との差を広げていきました。その後も,タイヤ交換のタイミングで一時的にトップの座を譲ることはありましたが,再びトップの座に戻り,終盤にはクルージングモードに入る余裕を見せ,独走のポールトゥーフィニッシュで開幕戦を飾りました。2番グリッドからスタートしたマクラーレンのL.ハミルトンも,ベッテルと同様,自分のポジションを維持してスタートを切ると共に,タイヤ交換時にポジション変動はありましたが,最終的にはベッテルの独走は許したものの,予選の時と同じ2位でチェッカーを受けました。予選6番手からスタートしたルノーのV.ペトロフは,絶妙なスタートを切ってポジションをアップしました。3位を走行していった彼は,終盤に入るとフェラーリのF.アロンソの猛追を受けたものの,それをはね除けて見事開幕戦で自身初となる表彰台を獲得しました。予選9番手からスタートしたザウバーの小林可夢偉は,途中順位の上げ下げはあったものの,最終的には8位でチェッカーを受けました。さらに,その小林のチームメイトであるS.ペレスは,順調な走りを展開すると共に,ワンストップ作戦が功を奏して,小林より順位が一つ上の7位に入りました。ダブル入賞という好結果を得たかに見えたザウバーでしたが,レース後の車検でレギュレーション違反が見つかり,両者共に失格の裁定が下ってしまいました。その失格内容ですが,ザウバーのリアウィングは車両技術規則にある第3条10項の1及び2において定められた「エレメント凹面の曲率半径は100mm以下であってはならない」という部分に觝触していたとのことです。今シーズンから追加されたこの条項は,昨シーズン大流行し,今シーズンは使用が禁止されたFダクトシステムの利用を防ぐ目的で設けられたものです。チーム側は当然この裁定を不服としていて,上告手続きに入るようです。今回の失格裁定により,とりあえず9位以降の順位が2つずつ繰り上がることになります。
2011/3/27(日)
☆完全(F1)
○開幕戦オーストラリアGPの予選が,曇り空のアルバート・パーク・サーキットで行われました。今シーズンも,予選セッションをQ1〜Q3までの3つに分け,それぞれのセッションで下位のドライバーが予選終了となるノックダウン方式が採用されています。ただし,昨シーズンとの違いは,トップタイムに対して107%までのタイムに届かないドライバーは予選落ちとなる,いわゆる107%ルールが復活しています。さて,予選の方ですが,昨年のチャンピオンであるレッドブルのS.ベッテルは,Q1,Q2の両セッションでトップタイムをマークしました。トップ10のグリッドを決めるQ3に入っても,ベッテルの勢いは衰えず,このセッションでもトップタイムをマークし,全ての予選セッションを制するという完璧な走りでシーズン最初のポールシッターとなりました。一時期までは2番手にベッテルのチームメイトであるM.ウェーバーがつけていましたが,ここにマクラーレンのL.ハミルトンが飛び込み,レッドブルのワンツーを阻止して2番グリッドを獲得しました。プレシーズンテストから好調を維持してきたフェラーリのF.アロンソは,4番グリッドを獲得したマクラーレンのJ.バトンに次ぐ5番グリッド獲得にとどまりました。唯一のフル参戦日本人ドライバーである小林可夢偉は,見事トップ10内となる9番グリッドを獲得しています。なお,プレシーズンテストに一度も今季型マシンを投入することができず,ようやく開幕戦の初日の走行でシェイクダウンを果たしたヒスパニア・レーシング勢は,冒頭にお伝えした107%ルールに引っかかってしまい,N.カーティケヤンとV.リウッツィの2人とも予選落ちとなってしまいました。
2011/3/26(土)
☆開幕(F1)
○政情不安により,開幕戦に予定されていたバーレーンGPが開催中止になったのに伴って開幕戦となったオーストラリアGPが,アルバート・パーク・サーキットで始まりました。今シーズンのF1は,ピレリがワンメークタイヤになったこと,可変ウィングやKERS(エネルギー回生システム)の導入などの新要素が注目されています。初日の走行は,午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われました。その2回のフリー走行の結果,総合でトップタイムをマークしたのは,マクラーレン・メルセデスのバトンでした。そして,2番手タイムを出したのが,バトンのチームメイトであるL.ハミルトンでした。今シーズンに入って行われた合同テストでは,なかなかタイムが伸びずに今季型マシンであるMP4−26のできが不安視されていた同チームですが,その後に行われた小改良に改善が見られたのか,いきなりのワンツースタートでした。総合3番手タイムをマークしたのは,事前テストから好タイムをマークしてきたフェラーリのF.アロンソでした。午前中のフリー走行ではワンツーのタイムをマークした昨年のチャンピオンチームであるレッドブルは,S.ベッテルが4番手,母国GPとなるM.ウェーバーが5番手という総合タイムでした。ザウバーの小林可夢偉は,トップからおよそ2.2秒遅れの15番手タイムで初日を終えています。
2011/3/25(金)
☆変更(SGT)
○シリーズを運営するGTAから,東北地方太平洋沖地震の影響で延期が決定していた第1戦岡山の代替日程について発表がありました。開幕戦となる岡山大会は,当初4月2日〜3日の予定で岡山国際サーキットで開催されるはずでした。今回の発表によると,5月21日〜22日に開催されることになりました。当初のカレンダーでは,この日には被災地での開催となってしまうスーパー耐久のSUGO大会が予定されていました。しかし,同シリーズを運営するスーパー耐久機構が,この日程を1週間後に移動させることを決定したため,ここにSGTの岡山大会が収まる形となりました。とりあえず開幕戦の日程は決まりましたが,4月30日〜5月1日に開催されることになっている第2戦富士大会以降の年間の大会スケジュールについては,今後の状況をみて4月中旬に関係者で協議の上決定していくことになっています。
また,SGTのエントリーリストについても変更が加わりました。3月3日付のこのページでお伝えしたエントリーリストでは,GT500クラスに関して,近藤真彦が率いるKONDOH RACINGのマシン名が未定のままでした。今回明らかになったことによると,同チームがずっと使い続けているヨコハマタイヤの支援を受けた形となる『ADVAN KONDO GT-R』に決定しました。ドライバーについては,先日の発表通り安田裕信&B.ビルドハイムのペアとなります。GT300クラスについてもいろいろなチームについて明らかになっていますが,昨年のチャンピオンチームであるHASEMI MOTOR SPORTSについては,いまだにマシン名にしても,ドライバーにしても未定のままです。
☆メキシコ(F1)
○小林可夢偉がエースドライバーを務めるザウバーのマシンには,このところの走行においてNECのロゴが見られるようになっていました。そうしたことから,NECがスポンサーの一つとなったのではないかと思われていたのですが,その点についてはずっと発表がないままでした。そして,この度同チームからNECとのスポンサー契約成立が正式に発表となりました。ただし,NECとはいっても,契約自体はNECメキシコとの契約となっています。今回の契約成立により,NECのロゴが,開幕戦オーストラリアGPから同チームの今季型マシンであるC30のモノコック脇に掲載されることになります。今シーズンのザウバーは,セカンドドライバーとなるS.ペレスとの契約を受けて,メキシコ企業とのスポンサー契約が中心となっています。今回のNECもそのメキシコですから,さらにその色合いが強まったことになります。
2011/3/24(木)
☆延期(FN)
○大震災の影響によりモータースポーツも様々な影響を受けていますが,一昨日お伝えしたSGTに続き,今回はFNの開幕戦について同シリーズを運営するJRPから発表がありました。それによると,東北地方太平洋沖地震の影響を鑑み,4月16日(土),17日(日)に鈴鹿サーキットで開催を予定していた 第1戦 鈴鹿大会を,第2戦 ツインリンクもてぎ大会を開催する予定だった5月14日(土),15日(日)に鈴鹿サーキットで開催することを決定しました。この決定により,第2戦も自動的に延期となりますが,そうなると新たな開催日を設定する必要が生じてきます。その場合,FNだけで開催日を決めるわけにはいきませんので,SGTを運営するGTAや,4輪レースを統括するJAFなど様々な団体との協議を経ながら,状況も考慮に入れて決定していくことになります。また,延期となった開幕戦は,伝統的に行われているJRRとの併催となる「鈴鹿2&4」(この大会はJSB1000クラスのみの開催)です。そのため,JRR側はどのようにするのか,今後新たな発表が行われることになります。
☆リザーブ契約(F1)
○ヴァージン・レーシングから発表があり,今シーズンの序盤3戦のリザーブドライバーとして山本左近と契約したことを発表しました。これにより,山本左近は,今週末に行われる開幕戦オーストラリアGPと来月の第2戦マレーシアGP,第3戦中国GPにおいて同チームのレギュラードライバーであるT.グロックとJ.ダンブロシオのバックアップを務めることになります。2006年からSUPER AGURI F1やスパイカーで21戦の出走経験がある左近ですが,昨シーズンはヒスパニア・レーシングから終盤10戦のうち7戦に出走しました。モータースポーツがマイナーな存在である日本では,資金的に苦しむ日本人ドライバーが多いのですが,左近の場合は日本人に珍しくその面では潤沢なところがありますので,今回の契約にはその面が好影響を与えたのかもしれません。
2011/3/23(水)
☆やり直し(F1)
○4強の中の一つであるマクラーレン・メルセデスは,今季型マシンであるMP4−26についてシーズン開幕まであまり日がない中で見直し作業に入るようです。フロア部分や排気部分に独特なものを投入しているMP4−26ですが,シーズン前の合同テストにおいては,相次いでトラブルが発生し,タイムについても4強の中の一つとは言えない状態が続いていました。特に,ルノーと同じく前方排気を取り入れた排気システムについては,複雑な構造のものを取り入れたものの,その割りには耐久性に関する点でトラブルが相次いで発生し,タイムアップにほとんど貢献できていないという状況にあります。そうした現状を考えた時,あえてそうした複雑なものを投入する必要性が全くないことになります。チーム代表であるM.ウィットマーシュによれば,開幕戦となるオーストラリアGPに向けてMP4−26の革新的な排気システムを棚上げすることを決断したとのことで,シーズン開幕直前にそのような大幅変更をすることは大きなリスクとなるものの,彼が求めているパフォーマンス向上を考れば価値はあったと感じているようです。また,オーストラリアで改善版を投入することで,タイムとしては1秒アップが期待されているとの見通しも立てているようです。
2011/3/22(火)
☆延期(SGT)
○東北地方を中心に大きな被害をもたらした地震により,スポーツ界も大きな影響を受けています。開幕を間近いに控えたプロ野球は,セパ共に開催が延期となりましたし,サッカーのJリーグも3月中の開催が中止となっています。モータースポーツ界では,4月に行われる予定だったMotoGPにおける日本GPの開催が秋に延期となりましたし,JRRの開幕戦は中止となりました。そして,この度SGTを統括するGTAから発表があり,4月3日に決勝レースが予定されていた第1戦岡山の開催を延期することが決定しました。この決定は,「中止」ではなく「延期」ですので,代替開催が行われることになります。ただし,今回の発表では,その点については具体的な日にち等が明らかにされてなく,現段階では「検討中」とのことです。5月1日に決勝レースを迎える第2戦富士については,現在開催に向け準備を進めているものの,地震の被害を受けている東日本地域での開催ということもあって,大会スケジュールは,今後の状況を見て判断するとのことです。
また,今後SGTができる支援活動として,震災で被災された地域及び被災者の方々に向け,今シーズンの大会を『東日本大震災復興支援大会』として開催することも明らかにしています。
2011/3/21(月)
☆絶好調(MotoGP)
○開幕戦となるカタールGPの決勝レースが,ドライコンディションの中ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,移籍1戦目にして早くもポールを獲得したレプソル・ホンダのC.ストーナーが,チームメイトで2番グリッドからスタートしたD.ペドロサと序盤からバトルを展開。12周目にトップに立つとその差をどんどん広げていき,最終的には独走でシーズン最初のウィナーとなりました。プレシーズンテストからしばしばトップタイムをマークしてきた好調さは,決勝レースでも衰えを見せませんでした。昨年のチャンピオンであるヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾは,彼らしく徐々に順位を上げていき,終盤はペドロサとの2位争いに持ち込み,これに勝利して2位表彰台を獲得しました。午前中に行われたウォームアップ走行でトップタイムだったペドロサは,最終的に3位でのチェッカーとなりました。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,昨年のこの大会と同じく10位でチェッカーとなっています。
Moto2クラスは,この大会に入ってから好調な走りを見せてポールを獲得したカレックスのマシンを駆るN.テロルが,オープニングラップから主導権を握ると後続との差をどんどん広げていき,最後は2位に4秒以上の差をつける独走で勝利を収めました。2位には,最後まで続いた4台によるバトルを制したシューターのA.イアンノーネが入りました。4台の夜バトルに加わった残りの3台については,3位にシューターのT.マルティが,4位にモトビのA.デ.アンジェリスが入り,惜しくも4台の中で最後尾となって5位に入ったのが,モリワキのマシンを駆る高橋裕紀でした。
今シーズンが最後となる125ccクラスは,プレシーズンテストからずっとトップタイムをマークしてきたアプリリアのN.テロルが,ポールからスタートしてすぐに独走態勢に持ち込み,圧倒的な速さを見せて2位に7秒以上の差をつけて勝利を収め,こちらも絶好調ぶりを堅持しました。このクラスも4台による2位争いが展開されていき,2番グリッドからスタートしたアプリリアのS.コルテセが2位に,残り1つの表彰台となる3位を獲得したのは,デルビのマシンを駆るS.ガデアでした。非力なKTMのマシンを駆ってフル参戦している尾野弘樹は,18番グリッドからスタートして順位を上げたものの,13位走行中の8周目に転倒リタイアに終わってしまい,フル参戦デビューレースはリタイアという結果に終わってしまいました。
2011/3/20(日)
☆ワンツー(MotoGP)
○開幕戦となるカタールGPの予選が,やや強い風が吹き付けるロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。最高峰のMotoGPクラスは,プレシーズンテストから速さを見せていたレプソル・ホンダ勢が予選でもその好調さを維持できるか注目されていました。今シーズンドゥカティからレプソル・ホンダに移籍したC.ストーナーは,開幕日となる木曜日からトップタイムをマークしてきましたが,予選でもその速さに衰えは見られず,移籍していきなりポールポジションを獲得しました。そのストーナーからコンマ2秒遅れで,チームメイトであるD.ペドロサが2番グリッドを獲得し,予選は好調のレプソル勢のワンツーとなりました。3番グリッドを獲得したのは,昨年のチャンピオンであるヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾでした。今シーズンからドゥカティに移籍したV.ロッシは,プレシーズンテストからなかなか上位に顔を出すことができていませんが,予選では9番手となりました。ドゥカティ勢の中では,サテライトチームであるアスパーからフル参戦しているH.バルベラがの6番手が最上位でした。唯一のフル参戦日本人ライダーであるサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,12番グリッドとやや後方からのスタートを切ることになりました。なお,今シーズンのスズキは1台のみの参戦となっていますが,その唯一のライダーであるA.バウティスタがフリー走行で転倒し,大腿骨骨折という重傷を負ってしまったため,予選を走行することができませんでした。これまでの例ですと,スズキの開発ライダーを務める青木宣篤が代役として走行することが多かったのですが,日本を襲った大地震の影響により現地に行くことができず,代役を立てることができませんでした。次戦に関しては,一昨年まで同チームに所属してフル参戦し,今季はリザーブライダーとして契約しているJ.ホプキンスが代役参戦することになりました。ただし,バウティスタの離脱は大腿骨骨折ということでやや長期にわたるでしょうが,BSBにフル参戦しているホプキンスは次戦スペインGPへの参戦だけしか決まっておらず,その次のポルトガルGP以降については,誰が代役参戦するか現段階では決まっていません。
Moto2クラスは,時にはトップから1秒以内に10台以上が入るという混戦状態になりますが,今回はトップ3が1秒以内という結果となりました。トップ3台がやや抜け出るという予選でしたが,その最上位につけたのがカレックスのマシンを駆るS.ブラドルでした。昨年の125ccクラスチャンピオンで今シーズンMoto2クラスにステップアップしてきたM.マルケスが,その最初のレースの予選でいきなり速さを見せて,シューターのマシンを駆って2番グリッドを獲得し,非凡な才能を見せています。3番グリッドを獲得したのは,スイス製マシンであるシューターのマシンを駆るスイス人ライダーのT.ルティでした。日本製マシンであるモリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,惜しくもトップ3に入ることができず,4番グリッドからのスタートを切ることになりました。なお,今シーズンからMoto2クラスと125ccクラスは,MotoGPクラスと同じく1列に3台並ぶことになりました(昨シーズンまでは4台)ので,高橋は2列目からのスタートとなります。
125ccクラスは,プレシーズンテストから常にトップタイムをマークし続けてきたアプリリアのN.テロルが,予選でも速さを見せるか注目されました。順調にトップタイムをマークしていたテロルでしたが,残り2周となったところで同じくアプリリアのマシンを駆るS.コルテセが,わずか1000分の1秒上回ってトップタイムをマークしました。そのコルテセは,最終周の1コーナーでブレーキングミスをしてラストアタックができませんでした。それに対して,テロルは残り1分少々となったところでラストアタックに入り,100分の9秒上回って見事逆転でポールを獲得しました。3番グリッドを獲得したのは,昨年のチャンピオンチームに所属してデルビのマシンを駆るE.バスケスでした。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーである尾野弘樹は,アプリリアと比べてかなりマシン差のあるKTMを駆っていますが,フル参戦としてはデビューレースということもあってか,18番グリッド獲得にとどまっています。
2011/3/19(土)
☆6色(F1)
○昨シーズンまでワンメークでタイヤを供給していたブリヂストンは,それぞれのドライバーがどの種類のタイヤを使用しているのか観ている人に分かるよう,白と緑のラインをタイヤのサイドウォールに入れて区別していました。そして,今シーズンから20年ぶりにF1参入を果たしてワンメークタイヤを供給することになったピレリが,今シーズンの色分けについて発表しました。今季のピレリは,4種類のドライタイヤと2種類のウェットタイヤを供給することになっています。そして,全部で6種類のタイヤの識別するために,サイドウォールに印される「Pirelli」と「Pzero」のロゴががそれぞれ別のカラーで塗り分けられます。その具体的な色分けは以下の表のようになっています。なお,序盤の3レースではハートとスーパーソフトのコンパウンドを持ち込むことになっていますので,実質上の開幕戦となるオーストラリアGPでは,シルバーとイエローに色分けされたタイヤが見られることになります。
タイヤの種類と色分け
種類
ドライ用 スーパーソフト レッド
ソフト イエロー
ミディアム ホワイト
ハード シルバー
ウェット用 ウェット オレンジ
インターミディエイト ライトブルー
2011/3/18(金)
☆存続に向け(F1)
○F1を開催する地域が,年を追う毎に増えてきて,今シーズンは20戦の開催数(政情不安により開幕戦のバーレーンGPは中止)となりました。ただ,F1を開催するためには多額の資金が必要となりますので,新しい開催地域が増えているのに対して,これまで開催されてきた地域の中には,その継続が難しくなってきているのも事実です。その中の一つが,ブラインドコーナーなのに超高速コーナーのオールージュで有名なスパ・フランコルシャンで開催されるベルギーGPです。ここ数年は,毎年開催中止になるのではないかと噂が出るほどで,実際に開催されなかった年もありました。安定して開催するためには,大会自体の資金を提供するタイトルスポンサーの登場が不可欠です。その点に関して,貝のマークでお馴染みの石油関連会社であるシェルが,ベルギーGPのタイトルスポンサーとなることが決定しました。契約期間については,具体的な数字は明らかになっていないものの,複数年契約になっているようです。シェルといえば,長年フェラーリのスポンサーを務めていますが,その点についても契約延長が決まり,契約期間は2015年までとなっています。
2011/3/17(木)
☆ロゴ(インディーカー)
○インディーカー・シリーズの合同テストがバーバー・モータスポーツパークで始まっていて,2日目の走行が終わっています。初日にはペンスキーのW.パワーがトップタイムを,2,3番手タイムをそれぞれチップ・ガナッシのS.ディクソンとドレイヤー&レインボールドのJ.ウィルソンがマークしました。そして,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるロータス/KVレーシングの佐藤琢磨は,13番手タイムで初日を終えました。
2日目になってもペンスキー勢の速さは衰えず,H.カストロネベスがトップタイムをマークし,チームメイトで初日にトップタイムだったパワーが2番手となっています。インディーカー・シリーズの2強の一つであるチップ・ガナッシ勢も黙っては折らず,S.ディクソンが3番手タイムでした。そして,元F1ドライバーでもある佐藤琢磨は,前日よりもポジションをアップし,トップ10フィニッシュである6番手で2日目を終えています。その琢磨ですが,彼のマシンにあるメッセージが大きく書かれて(ヘルメットにも)います。そのメッセージというのは,「Pray for JAPAN」で,当然東北地方を中心に襲った大地震に対する琢磨とチームからのメッセージです。なお,琢磨のマシンには,Panasonicのロゴと,ホンダ系ドライバーである琢磨らしくフォーミュラ・ドリームを表すFDのロゴが飾られています。
2011/3/16(水)
☆影響(MotoGP&JRR)
○東北地方太平洋沖地震による死者・行方不明者の数が1万人を超えるとともに,幸いにも命を救われた方々は,避難所等で厳しい生活を強いられています。ここであらためて被災地で生活されている方々へのお見舞いと,お亡くなりになった方々へのお悔やみを申し上げます。さらに,原子力発電所の事故が,これ以上悪化しないことを願います。さて,今回の地震により,スポーツ界にも様々な影響が出ています。その影響はMotoGPにも及び,統括するFIMから発表があり,4月24日に決勝レースを迎える予定だったツインリンクもてぎでの日本GPを,10月2日に延期することが決定しました。この決定により,日本GPが第15戦として9月30日から開幕し,10月2日決勝レースを迎えるということになります。昨シーズンの日本GPは,アイスランドでの火山爆発の影響により延期していますので,2年連続自然災害により開催延期という珍しい事態となりました。
国内レースにも色々影響が出ていますが,JRRの開幕戦で,決勝レースが4月3日となる予定だった筑波大会が開催中止となりました。これは,地震の影響によりいまだに余震が続き,また,電力事情により一部の時間帯で停電する可能性やガソリン供給不足などがあるため,レース運営への影響および来場者の安全確保等を考慮して開催中止となったものです。なお,この大会の代替開催については,現段階で未定となっています。
2011/3/15(火)
☆連続(MotoGP)
○シーズン最後のオフィシャルテスト2日目,そして最終日の走行が行われました。昨日はレプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムでしたが,今シーズンから同チームに所属し,これまでのオフィシャルテストで幾度もトップタイムをマークしてきたC.ストーナーが,最終日にトップタイムでした。前日トップだったペドロサは,1000分の64秒差の2番手タイムでした。3番手タイムをマークしたのは,前日4番手タイムだったヤマハ・ファクトリー・レーシングのB.スピースでした。サテライトチームながらワークスマシンが与えられているサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリが4番手タイムでした。彼のチームメイトで,前日に3番手タイムをマークした青山博一は,その初日にマークしたタイムを更新することができなかったものの,この日周回したライダーの中で最多周回数をこなして10番手タイムでした。
冒頭にも書いたように,これでシーズン前のテストは全て終了しました。ライダーたちは,2日間休息した後,開幕戦となるカタールGPの初日を通常より1日早い木曜日となる17日に迎え,通常通り日曜日となる20日に決勝レースを行うことになります。
☆契約延長(F1)
○昨シーズン史上最年少で世界チャンピオンに輝いたレッドブルのS.ベッテルの現行契約は,翌年のオプション条項があったものの,今シーズン末で満了することになっています。来シーズン以降どのチームに所属するのか,まだ今シーズンが開幕する前にもかかわらず既に憶測が出てきていました。その中では,やはりマクラーレンとフェラーリいった強力チームの名前が取りざたされていました。ベッテル自身も,その2チームへの興味を語っていますから,その噂にさらに拍車をかけていたのも事実です。しかし,この度レッドブルから発表があり,ベッテルとの契約延長が決定しました。今回結ばれた契約は,来シーズン以降3年間の延長というものでしたから,2014年までベッテルは同チームにとどまることになります。今回の契約に合わせるかのように,稀代のマシンデザイナーであるA.ニューエイなど有力スタッフとの契約も延長されているようで,このことがベッテルとの延長に大きな影響を与えているのかもしれません。
2011/3/14(月)
☆またも(MotoGP)
○シーズン前最後のオフィシャルテストが,開幕戦カタールGPの地であるロサイル・インターナショナル・サーキットで始まりました。今回のテストは,今日までの2日間行われる予定で,開幕戦と同じくナイトセッションとなっています。今シーズンに入って行われてきたテストにおいては,ほとんどのセッションでレプソル・ホンダ勢がトップタイムをマークしてきましたが,この日もその勢いは衰えず,D.ペドロサが初日のトップタイムをマークしました。この日のペドロサは,オーリンズ製の新しいサスペンションを中心にテストを行っています。2番手タイムをマークしたのは,前回のオフィシャルテストで3日間ともトップタイムをマークしたC.ストーナーでした。そして,3番手タイムをマークしたのは,サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一でした。レプソル・ホンダと青山のチームメイトであるM.シモンチェリはワークスマシンを駆りますが,青山はサテライトチーム用のRC212Vを駆っていますので,当然プライベート勢ではトップタイムとなります。トップ3をホンダ勢が占めましたが,4,5番手タイムをヤマハワークス勢が占め,それぞれB.スピースと昨年の王者J.ロレンゾとなっていて,6番手がヤマハのサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3のC.エドワーズです。
2011/3/13(日)
☆一転(インディーカー)
○8日のこのページでお伝えしたように,インディーカー・シリーズに唯一タイヤを供給しているファイアストンは,今シーズン限りで撤退することを4日に発表しました。しかし,同シリーズは2012年から新レギュレーションが導入されることになっていて,それににともない変化が多くなります。そのため,インディカー・シリーズはもちろん,参戦チーム側はファイアストンに対して「必要な事柄は協力する」と翻意を要求していました。こうした要望の強さを受けて,ファイアストンは撤退という意志決定から一転して,2013年までタイヤ供給を続けるという決断に至り,この度その発表が行われました。ファイアストンの親会社であるブリヂストンが,昨シーズン限りでF1から撤退。そして,アメリカン・フォーミュラの最高峰からも撤退かと思われただけに,日本人レースファンとしても,ほっとした気分ではないでしょうか。
☆一新(JRR)
○JRRに参戦する2人のベテランライダーが,今シーズンはこれまでと違った形で参戦することになっています。まず1人目ですが,長年桜井ホンダからJSB1000クラスにフル参戦してきた亀谷長純が,チームと参戦クラスが変更となりました。先日発表されたエントリーリストでは,桜井ホンダからの参戦となっていたのですが,レースを取り巻く現在の状況の影響から,桜井ホンダ側はフル参戦することが難しい状況となってしまっていました。それに対して亀谷はフル参戦できる体制を望んだため,両者の話し合いの結果チームを離れることになっていました。新たなチームを模索していた亀谷は,この度バーニングブラッドRTとの交渉がまとまり,同チームからST600クラスにフル参戦することになりました。昨シーズンは徳留和樹を要して同クラスにも参戦したバーニングブラッドですが,その徳留は鈴鹿レーシングに移籍してJSB1000クラスにフル参戦することになっています。亀谷は,結果的に見ればその空いたシートに座るということになったわけです。
もう一人は,このところヨシムラから参戦してきた酒井大作についてです。ご存知のようにヨシムラは2009年シーズンを最後にJRRから撤退しています。8耐以外での走行が実質的になくなった酒井は,今シーズンCLUB PLUS ONEからスズキGSX-R600を駆ってST600クラスにフル参戦することになりました。そして,この度新たな発表があり,JRRだけでなく,世界耐久選手権にもフル参戦することになりました。彼が所属することになったのは,同シリーズで昨年のチャンピオンチームとなったSERT(スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム)で,レースファンの方は覚えていらっしゃると思いますが,スズキのワークスライダーとしてJRRで活躍した経歴を持つ北川圭一選手が所属してチャンピオンを獲得したチームです。同じスズキのマシンとはいえ,排気量も,チームも,レース形態も違う中での参戦ですが,両方での活躍を期待しましょう。
2011/3/12(土)
☆アップグレード(F1)
○シーズン前最後となるプレシーズンテスト4日目の走行が行われ,メルセデスGPのM.シューマッハが,この日の最速タイムを刻みました。彼のマークしたタイムは,予選シミュレーションを行う中でのもので,4日間を通じての最速タイムでもあります。この日のメルセデスGPのマシンは,開幕戦仕様となる新エキゾーストやフロア,フロントウイングをはじめとする空力パーツを盛り込んだアップグレードパッケージが投入されていて,その状態での最速タイムですから,ここまでどちらかというと新型車のパフォーマンス不足が指摘されいましたが,それを払拭する走りを見せた形となりました。午後からレースシミュレーションを行ったフェラーリのF.アロンソは,午前中に自身の最速ラップを刻み,この日の2番手タイムをマークしています。3番手タイムをマークしたのは,シューマッハのチームメイトであるN.ロズベルグでした。当初の予定では,次の日にロズベルグが走行する予定だったのですが,天気予報で雨が予想されたため,午後のセッションから予定を変更してロズベルグも走行しました。メルセデスGP以上に今季型マシンのパフォーマンス不足が指摘されているのがマクラーレン・メルセデスですが,この日走行したJ.バトンは,走行した14台中13番手のタイムしか刻むことができず,そうしたネガティブな指摘を払拭することができませんでした。ザウバーの小林可夢偉は,午前中に予選シミュレーション,午後にはレースシミュレーションを行いましたが,ドライブシャフトトラブルに見舞われて赤旗の原因となってしまいました。タイムはトップから1秒ちょっとの遅れで,この日の6番手タイムでした。
なお,この日に今季型マシンであるF111を披露したヒスパニア・レーシングでしたが,午後から走行する予定だったものの,結局そのマシンを走らせることがこの日はありませんでした。
2011/3/11(金)
☆新人が(F1)
○最後のプレシーズンテスト3日目の走行が行われました。この日は,マクラーレンとヒスパニア・レーシングを除いた10チームがテストを実施しました。この日のトップタイムをマークしたのは,今シーズンからF1にフル参戦するルーキードライバーであるザウバーのS.ペレスでした。彼のマークしたタイムは午前中の走行で出したもので,新品タイヤを装着し,1周のみのアタックラップに挑んでマークしています。ただし,順調だった午前に対して,午後の走行では,今シーズンから再び導入されることになったKERS(運動エネルギー回生システム)に不具合が生じたため,長時間ガレージに待機するというアクシデントも発生しています。フェラーリのF.マッサは,昼食前に実施した1周だけのアタックラップで刻んだタイムにより,この日の2番手につけました。3番手タイムをマークしたのは,2日目まで連続してトップタイムをマークしていたレッドブル勢のM.ウェーバーでした。この日のレッドブルは,タイム出しをすることより燃料搭載量におけるマシンとタイヤの特性を確認するレースシミュレーションを行っていたようで,一発出しをする予定はなかったのかもしれません。
2011/3/10(木)
☆連続&シート獲得(F1)
○今シーズン最後となるプレシーズンテスト2日目の走行が行われました。この日は,ヒスパニア・レーシング(HRT)を除いた11チームが走行しています。トップタイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンであるレッドブルのS.ベッテルで,唯一となる1分21秒台をたたき出しています。初日のトップがM.ウェーバーでしたから,2日続けてレッドブルがトップタイムをマークしたことになります。2番手タイムをマークしたのは,レッドブルのBチーム的立場にあるトロ・ロッソのステアリングを握るS.ブエミでした。ベストタイムをマークした数周後にアクシデントが発生して赤旗の原因となり,マシン修復に30分ほどかかるという事態に見舞われたものの,それでもブエミはこの日の最多ラップである120周を走破しています。3番手タイムは,ロータス・ルノーGPのV.ペトロフがマークしています。今回のテストでは初登場となるザウバーの小林可夢偉は,107周を走り込んでトップから2.571秒遅れの7番手でした。このタイムは,前日に走行したS.ペレスよりコンマ3秒遅れでした。
ところで,唯一決まっていなかったHRTの残り1つのシートですが,この度同チームから発表があり,イタリア人ドライバーのV.リウッツィとの契約が成立しました。既にフォース・インディアとの契約が成立していたリウッツィでしたが,そのフォース・インディアがP.ディ.レスタとの契約を別に成立してしまったため,今シーズンのレースシートを失う結果となっていました。唯一残ったHRTのシートを,F1復帰を狙うC.クリエンと争うこととなり,最終的にリウッツィがその争いに勝利した形となりました。
2011/3/9(水)
☆計測用(F1)
○シーズン開幕前最後のプレシーズンテストが,スペインのカタルニア・サーキットで始まりました。今回のテストは,政情不安により中止となったバーレーンでのテストの代替として開催されるものです。このテストは8日(火)〜12日(土)までの5日間開催される予定になっていて,どのチームもその内のいずれか4日間を走行します。連続4日走るチームがあれば,途中に走行しない日を設けて,2セッションに分けるような形で臨むチームもあるようです。初日は,フェラーリ,メルセデスGP,ウィリアムズ,ヒスパニア・レーシングを除いた8チームが走行しています。初日にトップタイムをマークしたのは,昨シーズンチャンピオン争いを展開したレッドブルのM.ウェーバーでした。この日は時折雨が降るあいにくの天気だったのですが,ウェーバーはちょうど雨が降っていない時間帯にマークしたものです。2番手タイムは,上空を雲が覆い始めた午後のセッションに入ってからポジションを上げたマクラーレン・メルセデスのJ.バトンでした。彼の駆るMP4-26は,今回ノーズ部分に半円状のパーツをつけて走行しました。新しい空力デバイスかと思われたのですが,チームによるとこのシステムは単なる測定用の装置であることを明らかにしています。3番手タイムは,午前中はN.ハイドフェルドが担当したものの,彼が体調不良になったため午後からステアリングを託されたロータス・ルノーGPのV.ペトロフでした。
2011/3/8(火)
☆撤退(インディーカー)
○現在インディーカー・シリーズに独占的にタイヤを供給しているファイアストンは,現在日本のタイヤメーカーであるブリヂストンの子会社となっています。先週親会社であるブリヂストンから発表があり,今シーズン限りでインディーカー・シリーズから撤退することになりました。同シリーズは2012年から新しい規約を導入することになっていて,ファイアストンに対して供給継続の要請があったようですが,残念ながら今シーズン末をもって撤退することになりました。ファイアストンは、1995年にアメリカン・シングルシーターシリーズに復帰し,当時タイヤ供給を行っていたライバル会社であるグッドイヤーとのタイヤバトルとなりました。そして,そのバトルはファイアストンに軍配が上がり,1999年にグッドイヤーが撤退するに至りました。チャンプカーとインディカーに分裂後は,両シリーズにタイヤを単独供給し,再びシリーズが一本化した現在まで続いていました。今回の決定により,ブリヂストンは,昨シーズン末にF1撤退,そして,今シーズン末でインディーカー・シリーズからの撤退ということになります。
2011/3/7(月)
☆連続&初(MotoGP)
○3日間にわたって行われたヘレス・サーキットでのオフィシャルテスト最終日の走行が,ドライコンディションの中行われました。Moto2クラスは,前日にトップタイムをマークしたS.ブラドルが,午後からのセッションでこの日の1番時計を記録し,2日連続トップタイムをマークしました。2番手タイムをマークしたのは,昨年125ccクラスを制し,今シーズンからMoto2クラスにステップアップしたM.マルケスでした。マルケスのタイムは,ブラドルからコンマ3秒弱の遅れでした。そして,3番手タイムをマークしたのは,今回のテストで連日好タイムをマークしてきた高橋裕紀で,3日間連続3番手タイムでした。
125ccクラスは,今シーズン絶好調のN.テロルがトップタイムをマークし続けてきましたが,この日は2番手タイムで終わっています。テロルに代わってトップタイムをマークしたのは,昨シーズンはMoto2クラスにフル参戦したものの,今シーズン再び125ccクラスにフル参戦することになったH.ファウベルでした。3番手タイムは,S.コルテセがマークしています。このクラス唯一の日本人ライダーである尾野弘樹は,トップから2.337秒差の17番手でテストを終えています。
今シーズンに入って3回行われたオフィシャルテストですが,両クラス共に今回が最後となり,次の走行は,いよいよ3月17日からの走行となる開幕戦カタールGPです。
2011/3/6(日)
☆毎回(MotoGP)
○中・軽量級クラスのオフィシャルテストが,スペインのヘレス・サーキットで3日間にわたって行われています。初日の走行は,雨により走行を見合わせたチームがありましたが,好天に恵まれた2日目はどのマシンも走行しました。まず,Moto2クラスですが,シューターからカレックスに乗り換えて2日目のテストに臨んだキーファー・レーシングのS.ブラドルが,この日のトップタイムをマークしました。2番手タイムは,前日にトップタイムをマークしていたインターウェッテンのT.ルティでした。そして,このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるグレシーニ・レーシングの高橋裕紀が,前日の雨天時はわずか4周しただけで3番手タイムをマークしましたが,2日目は他のライダーと比べてやや少なめの33周して同じ3番手でした。
今シーズンが最後となる125ccクラスは,今シーズンに入って走行したすべてのテストでトップタイムをマークしているアスパー・チームのN.テロルが,この日もトップタイムでした。前日の走行では,雨が降る前にマークしたタイムで初日のトップタイムをマークしていました。インタクト・レーシングのS.コルテセが,1分48秒台を最多の6回記録し,テロルからわずか0.072秒差の2番タイムでした。パリス・ヒルトンとの提携で話題のチームからフル参戦するM.ビニャーレスが,この日の3番手タイムをマークしています。このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーである尾野弘樹は,12周目に転倒を喫するというアクシデントがありましたが,幸い大事に至らず,20番手タイムで2日目を終えています。
2011/3/5(土)
☆名称変更(F1)
〇フェラーリの今季型マシンの名称は,今シーズンがイタリア統一150周年に当たることから,当初「F150」というものでした。ところが,フォードが販売しているピックアップトラックの中に「F−150」という名称のものがあるため,顧客の混同を招くとしてフォードがフェラーリを告訴するという事態に発展しました。これを受けて,フェラーリは名称を「F150thイタリア」に変更していました。そして,この度両者の間で和解が成立し,フォードは4日(金)に告訴を取り下げるためデトロイトの米国地方裁判所に通知書を提出しました。一旦は新しい名称を発表していたフェラーリでしたが,この和解成立を受けて,さらに新しい名称に変更しました。その名称とは,「Ferrari 150° Italia」という表記をするもので,「フェラーリ 150イタリア」と読みます。この表記は,英語の“th”に等しいイタリアのシンボルに入れ替えたもので,メモリアルイヤーとなる今季型マシンの名称が完全にイタリア化された形となっています。
2011/3/4(金)
☆ラストイヤー(SGT)
〇元F1ドライバーの鈴木亜久里がオーナー兼監督を務めるARTAが,3月1日にSGTにおける今シーズンの参戦体制を発表しました。まず,GT500クラスですが,昨日お伝えしたエントリーリストでもおわかりのように,これまでのドライバー体制を一新し,昨シーズンまでIRLシリーズにフル参戦し,今シーズンから再び国内でのレースに復帰してきた武藤英紀が加入しました。また,昨シーズンの第6戦鈴鹿にスポット参戦し,初めてのマシンながらいきなりポールを獲得するという快挙を成し遂げた小林崇志がフル参戦ドライバーとして加入しました。マシンは,当然ホンダのHSV-010GTとなります。
次にGT300クラスですが,ドライバーに関しては,まず長年同チームに所属してきている高木真一が続投することになりました。そして,その相棒には,武藤と同じくIRLシリーズにフル参戦した経歴を持ち,2008年から再び国内レースに参戦してきた松浦孝亮を起用することになりました。ドライバーだけでなく,タイヤについても変更となっています。今季のARTAは,鈴木亜久里と長年関係を持つブリヂストンをこのクラスでも採用することになったのです。ブリヂストンがGT300クラスにタイヤを供給するのは1997年以来で,SGTになってからは初めてとなります。マシンについては,これまで通りGaraiyaを使用します。一時期を除いて2003年シーズンから投入してきているこのマシンは,ずっとチャンピオン争いに絡んできたものの,未だにその頂上に立ったことがありません。レギュレーションの関係から,Garaiyaの投入は恐らく今シーズンがラストイヤーになるだろうといわれているだけに,何が何でもタイトルを獲得するよう臨むのではないかと思われます。
2011/3/3(木)
☆エントリーリスト(SGT)
○SGTを運営するGTAが,今シーズンのエントリーリストを発表しました。まずGT500クラスですが,先日同クラスにステップアップすることを発表したものの,ドライバーについてはその段階で1人しか決まっていなかったLEXUS TEAM WedsSport BANDOHについて,2人目のドライバーに荒聖治の名前が掲載されていました。また,同チーム同様,トヨタ勢はその全貌がはっきりとしていなかったのですが,今回のエントリーリストによりその点についても明らかとなっています。ただ,近藤真彦がオーナー兼監督を務めるKONDO RACINGは,マシンの名称がまだ決定を見てなく,同クラスでは唯一TBNとなっています。
GT300クラスについては,昨シーズンのチャンピオンチームであるHASEMI MOTOR SPORTSが,マシンの名称を始め,ドライバーについてもTBNとなっています。
なお,GT500クラスの具体的なエントリーリストをメーカー毎にまとめると以下のようになります。
2011 GT500クラス エントリーリスト
メーカー チーム マシン名 マシンタイプ ドライバー タイヤ
ホンダ 1 ウイダー ホンダ レーシング ウイダー HSV-010 ホンダHSV-010 GT 小暮卓史
L.デュバル
BS
8 AUTOBACS RACING TEAM AGURI ARTA HSV-010 ホンダHSV-010 GT 武藤英紀
小林崇志
BS
17 KEIHIN REAL RACING KEIHIN HSV-010 ホンダHSV-010 GT 金石年弘
塚越広大
BS
32 NAKAJIMA RACING EPSON HSV-010 ホンダHSV-010 GT 道上龍
中山友貴
DL
100 TEAM KUNIMITSU RAYBRIG HSV-010 ホンダHSV-010 GT 伊沢拓也
山本尚貴
BS
トヨタ 6 LEXUS TEAM LeMans ENEOS ENEOS SUSTINA SC430 レクサスSC430 伊藤大輔
大嶋和也
BS
19 LEXUS TEAM WedsSport BANDOH WedsSport ADVAN SC430 レクサスSC430 片岡龍也
荒聖治
YH
35 LEXUS TEAM KRAFT D'STATION KeePer SC430 レクサスSC430 脇阪寿一
A.クート
BS
36 LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S PETRONAS TOM'S SC430 レクサスSC430 A.ロッテラー
中嶋一貴
BS
38 LEXUS TEAM ZENT CERUMO ZENT CERUMO SC430 レクサスSC430 立川祐路
平手晃平
BS
39 LEXUS TEAM SARD DENSO SARD SC430 レクサスSC430 石浦宏明
井口卓人
MI
ニッサン 12 TEAM IMPUL カルソニック IMPUL GT-R ニッサンGT-R 松田次生
J-P.デ・オリベイラ
BS
23 NISMO MOTUL AUTECH GT-R ニッサンGT-R 本山哲
B.トレルイエ
BS
24 KONDO RACING TBN ニッサンGT-R 安田裕信
B.ビルドハイム
YH
46 MOLA S-Road MOLA GT-R ニッサンGT-R 柳田真孝
R.クインタレッリ
MI
2011/3/2(水)
☆名称変更なし(F1)
○昨日BBCの報道として,レッドブルの使用するルノーエンジンの名称を,ニッサンの高級車チャンネルであるインフィニティに変更するのではないかということをお伝えしていました。その点に関してレッドブルから正式発表があり,レッドブルとインフィニティとの間でスポンサー契約が成立しました。この契約成立により,今季型マシンであるRB7をはじめ,ドライバーのレーシングスーツやチームユニフォーム,器材等の目立つ位置にインフィニティのロゴが掲載されることになります。ただし,この契約はあくまでもスポンサーとしての契約ですので,レッドブルの発表によるとBBCが報道したようなエンジンの名称変更はないとのことです。なお,レッドブルがルノーエンジンを使用するのは,2012年までとなっていますので,今回のインフィニティとの契約期間については発表がないものの,来シーズンまではインフィニティのロゴが見られることになるのではないかと思われます。
2011/3/1(火)
☆日本メーカー(F1)
○ホンダやトヨタが一昨年度で撤退し,さらに,昨シーズン限りでワンメークタイヤを供給してきたブリヂストンも撤退してしまい,F1から日本メーカーがいなくなっている状況にあります。そのような中,公式発表はないものの,2つの日本メーカーがF1とのかかわりを持とうとしているようです。まず1社目についてですが,先日メキシコ・グアダラハラで行われたデモンストレーション走行では,地元出身のS.ペレスが参加してマシンをドライブしました。その際,彼の駆ったザウバーの今季型マシンであるC30のコックピットサイド、前輪後方部分にNECのスポンサーロゴが貼られていました。さらに,同チームの公式サイトの"プレミアムパートナーズ"の欄にNECの名前も登場しています。今シーズンのザウバーは,ペレスの加入により主要スポンサーには通信企業『Telmex』とモバイルネットワーク会社『Claro』といったメキシコ企業が登場しています。ザウバーのエースドライバーは唯一にフル参戦日本人ドライバーである小林可夢偉ですから,資金面で日本企業が登場することが彼を側面で支援することになります。そういった意味でも,今回のNECの登場は,いい傾向なのではないかと思います。2社目についてですが,昨年のチャンピオンチームであるレッドブルは,今シーズンもルノーエンジンユーザーです。ルノーといえば,みなさんご存知のように,1999年から日産と提携関係を持ち,ルノーが日産の44.3%の株式を,日産がルノーの15%の株式を所有しています。そして,当時ルノーのCEOであったC.ゴーンが日産の社長に就任し,現在に至っています。この度BBCでの報道によると,レッドブルが使用するエンジンの名称を『インフィニティ』に変更するとのことです。インフィニティという名称は,日産の高級車チャンネルのもので,トヨタが国内でも展開している『レクサス』,ホンダが海外で展開している『アキュラ』というようなものです。ただし,エンジン名が日産のものになっただけで,エンジン自体はロータス・ルノーGPと同じルノー製のものが使用されるとのことです。
     
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