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2011/7/29(金)
☆残留(F1)
○ザウバーから発表があり,同チームのエースドライバーを務める小林可夢偉と2012年までの契約延長が成立しました。同時に,チームメイトのS.ペレスも同様に契約延長となり,来シーズンも可夢偉&ペレスの組み合わせとなります。今シーズンのザウバーは,レギュレーション違反のため,開幕戦が両者共に失格になってしまうというスタートとなってしまいました。しかし,その後はドライバーの頑張りやピットイン回数などの作戦面がうまくいったこともあって,セカンドグループのチームの中ではトップ10フィニッシュをしばしば達成しています。可夢偉やペレスに関しては,いくつかの移籍話の噂は出たりしていたものの,上位チームのシートがなかなか空かない状態は依然として続いています。そうした状況の中では,ザウバーという選択はある意味正解ともいえます。なお,テスト&リザーブドライバーについても,今シーズンと同様にE.グティエレスの残留が決定しています。
☆3強(8耐)
○真夏の祭典『鈴鹿8時間耐久ロードレース』が開幕し,昨日はフリー走行が行われました。とはいえ,この日の鈴鹿は豪雨に見舞われてしまい,フリー走行1は中止となってしまいました。その後,ようやく天候が回復し,午後3時40分からフリー走行2が始まりました。当初は1時間という走行時間でしたが,フリー走行1がキャンセルとなってしまったため,1時間50分の走行に拡大され,ウェットパッチが所々に残る中で各ライダーが走行していきました。そこでトップタイムをマークしたのは,スズキGSX−1000Rを駆るヨシムラの加賀山就臣&J.ウォーターズ&青木宣篤組でした。2番手タイムをホンダCBR1000RRを駆る秋吉耕祐&伊藤真一&清成龍一組のTSRでした。そして,3番手タイムを昨年の優勝チーム(ライダーには違いがあります)で,同じくCBRを駆る高橋巧&玉田誠&岡田忠之組のハルクプロでした。トップ3のタイムをマークした3チームは,まさに今年の8耐で優勝を争うであろうチームで,3強が順調にタイムを重ねているといえます。16年ぶりの復活となるチームシンスケは,22番手タイムで初日を終えています。
なお,管理人である私は,予選のある土曜日から8耐を観戦することになっています。後日,今年の8耐の様子をお伝えする予定にしています。伊勢地方の週末は,あまり安定した天気ではないようですので,天候がもってくれるといいのですが…。
2011/7/28(木)
☆移籍か(MotoGP)
○サマーブレイクに入り,来シーズンのシート獲得に向けてMotoGPも様々な活動がはじまり,それと同時に噂もどんどん出始める時期となりましたが,今シーズンからプラマック・レーシングに移籍し,昨シーズンまでのホンダからドゥカティのマシンを駆っているR.ド.プニエについて噂が出てきているようです。今シーズンのド.プニエは,完走さえままならない状態が続いていて,先週末行われたアメリカGPは,予選で転倒を喫して決勝レースを欠場しています。LCRに所属していた時も,転倒が多いライダーでしたが,昨シーズンは安定感が増してそれまでの悪い流れが止まっていた印象でした。しかし,今季ドゥカティのマシンを駆ると再び転倒が多くなり,一昨年までの悪い流れが復活した感じです。今回出てきた噂というのは,来シーズンからMotoGPを出て,SBKに転向するのではないかというものです。今シーズンのSBKは,ランクトップをいくC.チェカを始め,昨シーズンのSBKチャンピオンであるM.ビアッジ,今シーズンからSBKに転向して既に勝利を収めているM.メランドリというように,SBKへの転向がプラス方向に向いているライダーが出ています。ド.プニエについては,カワサキのマシンを駆ってSBKにフル参戦するのではないかという話が出ているのです。2006年シーズンにカワサキのマシンを駆ってMotoGPクラスにフル参戦した経歴のある彼ですから,こうした話が出ても何ら不思議はありません。今季のSBKにおけるカワサキは,元GPライダーのC.バーミューレンを要していますが,昨シーズン長期離脱を余儀なくなるほどの大怪我を負ってしまったため,実績が残せないままになっています。今後の動きが注目ですね。
2011/7/27(水)
☆増員(F1)
○世界的な経済不況により,どのチームもいろいろな面で経費削減策を講じていますが,その中の一つが人件費でしょう。ところが,この部分をあまりに削っていくとマシン開発に支障が出てくるのも事実で,かなりのリザルトを残そうと思えば,もちろん人材の内容にもよりますが,かなりのマンパワーが必要となります。ドイツ国内のマスコミの報道によると,メルセデスGPが100名の増員を図ろうとしているとのことです。今はメルセデスのワークスチーム的立場にある同チームですが,元々はホンダの撤退を受けて,R.ブラウンが何とかそのホンダのチームを引き継いだという経緯がありますので,少ない資金で運営するため人材をカットしていました。現在450名ほどで運営されているメルセデスGPですが,レッドブルは525名で,フェラーリやマクラーレンは550名で運営されているというように,有力チームのほとんどはメルセデスGPよりはるかに多い規模になっています。そのドイツでの報道によれば,現在メルセデスGPが募集しているのは39もの職種で,そのう数種によっては,人員が2〜3倍になるとのことです。
2011/7/26(火)
☆契約(F1)
○先週末にドイツGPが行われましたが,それに先だってヴァージン・レーシングから発表があり,T.グロックとの契約を2014年まで延長することになりました。トヨタからフル参戦していたグロックですが,2009年限りでトヨタがF1から撤退したことを受けて,昨シーズンから新規参入チームであるヴァージンと契約を結んでいました。今回の契約延長により,5年間同チームに在籍することになります。このように,シーズン折り返しの時期に入ってきて,これからますます契約に関する話が出てくるものと思われますが,シート獲得の反面で,噂も含めシート喪失の話も当然出てくることになります。現在その噂で中心になっている一人が,ルノーのN.ハイドフェルドでしょう。今シーズン開幕前にラリーに参戦して重傷を負ったR.クビサの代役として参戦している彼ですが,期待していたほどのリザルトを残していないのも事実です。こうしたことを受けて,同チームの代表であるE.ブーリエがインタビューに答えて,「パフォーマンスについてはよりV.ペトロフを当てにしていて,ニックはマシン開発に適している」という趣旨の発言を行ったようです。さらに,今週末に行われるハンガリーGPにおいて,同チームでリザーブドライバーを務めるB.セナを,金曜日に行われるフリー走行1回目にハイドフェルドに代わって走行することが発表されました。『音速の貴公子』A.セナの甥であるブルーノですが,昨シーズンようやくHRTからF1にフル参戦したものの,今シーズンは同チームのシートに座ることを選択せず,あえて有力チームの一つであるルノーにおけるリザーブドライバーの座を選んでいました。しかし,今季ここまでレース期間中に走行することは一度もありませんでした。今回のこの決定は,ハイドフェルドに対するチーム側からの最後通告の一環かもしれません。それほどまでハイドフェルドのシート獲得は徐々に厳しくなってきているものと思われます。
2011/7/25(月)
☆終盤に(MotoGP)
○第10戦アメリカGPの決勝レースが,マツダ・スピードウェイ・ラグナセカで行われました。今回のレースはMotoGPクラスのみの開催で,Moto2と125ccクラスは既にサマーブレイクに入っています。レースは,ポールからスタートしたヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾを先頭に,その後ろをC.ストーナーとD.ペドロサのレプソル・ホンダ勢がつけるという展開となりました。序盤はペドロサが2位につけていたのですが,中盤からはストーナーが2位に浮上し,ロレンゾの後をぴったり追うという走りを見せました。そして,終盤に入ってストーナーがロレンゾをパスすると,後は差を広げていってほぼ独走状態となり,4戦ぶりに勝利を収め,今季5勝目を飾りました。終盤までトップを守っていたロレンゾでしたが,前日に激しく転倒したこともあってストーナーに差をつけられ,チャンピオンシップで若干ストーナーに差をつけられた形となりました。3位に入ったペドロサは,鎖骨骨折から復帰して3戦目ですので,やはり体力的にも厳しい面があったのかもしれません。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,背骨の骨折にもかかわらず粘り強く走ったことと,前を行くライダーが転倒していったこともあってトップ10を争う位置で走りを展開し,ラストラップで10位に浮上してトップ10フィニッシュを達成することができました。このため,ランキング争いで1つ順位を上げてランク9位になっています。
☆今季初(F1)
○第10戦ドイツGPの決勝レースが,天候がやや不安定な中,ニュルブルクリンクで行われました。小雨が降ってコースの所々が濡れている中できられた決勝レースは,ポールからスタートしたレッドブルのM.ウェーバー,2番手でスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトン,4番手でスタートしたフェラーリのF.アロンソによる,三つ巴のレースが展開されていきました。スタート時ではポールシッターのウェーバーを交わしてハミルトンがトップに立ちましたが,1回目のピットインの時にはウェーバーが逆転。さらに接近戦が展開されていく中,2回目のピットインのタイミングの時には,アロンソが一時的にトップに立ったかと思うと,今度はハミルトンがトップに浮上というように僅差のレースが展開していきました。しかし,3回目のピットインでは,トップのハミルトンがその座を守りきり,最終的に2位のアロンソに4秒弱の差をつけてハミルトンが今季2勝目を挙げました。ウェーバーが3位に入って表彰台を獲得したものの,今季ここまで常に表彰台を獲得してきたチームメイトのS.ベッテルは4位に終わり,今季初めて表彰台を逃すレースとなりました。トロロッソのS.ブエミが予選失格により最後尾スタートとなったため,ポジションを一つあげて17番グリッドからスタートしたザウバーの小林可夢偉は,好スタートを切って12番手までポジションアップ。そして,2ストップ作戦を採って着実に順位を上げていき,周回遅れにはなったものの,9位でフィニッシュしてカナダGP以来3戦ぶり今季7回目となるポイント獲得を果たしています。
2011/7/24(日)
☆2年連続(MotoGP)
○第10戦アメリカGPの予選が,コークスクリューで有名なラグナセカで行われました。昨シーズンのこの大会でポールトゥーウィンを達成したヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾは,午前中に行われたフリー走行で転倒を喫するというアクシデントに見舞われました。しかし,痛みをこらえながらの予選では,安定して1分21秒台を連発していき,見事2年連続となるポールを獲得しました。思うようにペースを上げられず首を振るシーンの見られたレプソル・ホンダのC.ストーナーでしたが,最後のアタックで2番手タイムをマークしました。前戦で怪我からの復帰後2戦目ながら,見事な勝利を収めたレプソル・ホンダのD.ペドロサが3番グリッドを獲得しています。背中の骨折に苦しむサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,やはり思うようにペースを上げることができず,14番グリッド獲得にとどまっています。
☆2戦連続(F1)
○第10戦ドイツGPの予選が,ニュルブルクリンクで行われました。ちなみに,ドイツGPはホッケンハイムと隔年で開催されていて,今年がニュルでの開催年となります。フリー走行では,レッドブルとフェラーリ勢が好調な走りを見せていましたが,予選セッションでは,レッドブル勢が好調な走りを堅持していました。そして,前戦でポールを獲得していたM.ウェーバーが今回も好調な走りを展開していき,2戦連続してポールを獲得しました。そのウェーバーですが,ニュルで前回開催された2年前もポールでしたから,2回連続ポールシッターでもあります。フリー走行ではトップグループには入れていなかったマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでしたが,予選ではペースアップすることができ,2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,ここまで圧倒的な速さを見せてランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルでした。ザウバーの小林可夢偉は,Q1の段階でペースを上げることができず,ここで敗退となって18番グリッド獲得にとどまりました。なお,予選終了後に燃料を調べた結果,事前に提出していた燃料サンプルと実際に予選で使用された燃料とに違いがあったため,燃料規定違反と判定されてトロロッソのS.ブエミに対して失格処分が下されています。ただ,予選タイムが削除されるだけですから,レース自体には,最後尾から出走することができます。
2011/7/23(土)
☆2台体制(MotoGP)
○世界的な不況の影響から,今シーズンはA.バウティスタの1台体制で臨んでいるスズキから発表があり,サマーブレイク明けに行われるチェコGPにおいて,かつて同チームからフル参戦していたJ.ホプキンスをワイルドカードで起用し,2台体制で臨むことになりました。2002年から7シーズンにわたってMotoGPにフル参戦したホプキンスは,今季イギリス国内で行われているBSBにサムソン・クレセント・レーシング・チームからスズキGSX‐R1000を駆ってフル参戦していて,ランク2位につけるという好調さを見せています。また,今シーズンのMotoGPにおいては,開幕戦で大腿骨骨折という重傷を負ったバルベラに代役として第2戦スペインGPに参戦し,10位でフィニッシュしてポイントを獲得しています。今回ワイルドカード参戦するブルノ・サーキットで行われるチェコGPに関しては,2007年に自己最高位となる2位を獲得していて,験のいいサーキットとなっています。1台体制では,やはりデータ収集に限りが出てしまいますので,スズキにとっては当然プラスになるでしょうし,ホプキンスにとってもGP復帰に向けて重要なものになるでしょうね。
2011/7/22(金)
☆大変革(F1)
○2014年からのF1は,現行の2.4リッターV8エンジンから1.6リッターV6ターボエンジンに変更となります。それに連動するかのように,新たな改革案がFIAから提案されました。それによると,現在"KERS"と呼ばれているエネルギー回生システムは,"ERS"と呼ばれるようになり,現在使用されている技術に加え,排気熱からエネルギーを回生するようになります。そして,ピットレーンでは,そこから得られたエネルギーのみを使うことが義務づけられることになります。つまり,ピットレーンでは燃料を使っての走行が不可能になるということです。ERSに関しては,その他に現行の60kWから120kWに増やされ,オーバーテイクの際により大きなパワーブーストを利用できることになります。また,ギアボックスに関しても変更となり,現行の7速から新たに8速へと1速増加され,各チームはシーズンを通して使用するギアレシオを申告しなければならなくなります。そして,年間を通して変更は1度しか認められず,現在のようにサーキットごとにギアレシオを変更することはできなくなります。他の大きな変化としては,現在のように外部のエンジンスターターではなく,ドライバーがコックピット内からエンジンを始動できることが義務付けられます。つまり,エンジンストールをした場合,現在は自力ではエンジンをかけることができませんので,自動的にリタイアとなっていますが,14年以降はドライバーがエンジンをかけることになりますから,そうした不安点が解消されることになります。ボディワークに関しても変更となり,フロントウイングの幅が現在のものより150mm狭くなり,それより後ろの部分についても外見をタイトに見せるいくつかの変更点があります。
2011/7/21(木)
☆アメリカでは(MotoGP)
○明日からラグナセカでアメリカGPが開幕しますが,そのアメリカGPに関していくつか情報をお伝えします。
まず,T.エリアスの1台体制で臨んでいるLCRホンダについてです。同チームから発表があり,エリアスに加えてワイルドカードでB.ボストロムを起用することになりました。そのボストロムですが,今シーズンは全米スーパーバイク選手権にフル参戦しています。その彼が所属しているチームが,NBAのスーパースターであったM.ジョーダンのチームであるマイケル・ジョーダン・モータースポーツで,スズキGSX−R1000を駆っています。ホンダ系のチームとスズキ系のチームという風にメーカーが違いますが,LCRのオーナーであるL.チェッキネロとM.ジョーダンとの個人的つながりから今回のワイルドカードが決定したようです。
次に,J.ロレンゾとB.スピースが所属するヤマハのワークスチームであるヤマハ・ファクトリーレーシングについてです。今シーズンでGP参戦50周年となるヤマハですが,先日行われたオランダGPでは,その50周年を記念するスペシャルカラーで出場しましたが,今回のアメリカGPでも,赤と白のストロボカラーのマシンを駆ることになりました。オランダGPでは,スピースが独走で自身初優勝を飾っているだけに,ヤマハにとって験のいいカラーでの出場となりそうです。
最後にドゥカティについてです。来シーズンから新開発の1000ccマシンで争われることになるMotoGPクラスですが,ドゥカティはそれを見越して,今季型マシンのGP11ではなく,来季型の先行開発シャーシであるGP11.1をV.ロッシは前戦に使用していました。そのマシンでの走行ですが,ロッシにとって今季ワーストの予選16番手と低迷しただけに,GP11.1の使用に関しては慎重にならざるを得ないのも事実です。今回のアメリカGPでは,GP11も持ち込んで,チームメイトであるN.ヘイデンも2つのマシンを乗り比べながらの走行となります。限られた時間の中での乗り比べですから,なかり大変な作業となるのではないかと思われます。
    2011/7/20(水)
☆2社目(MotoGP)
○来シーズンからこれまでの125ccクラスに替わって始まるのが,4サイクル250ccマシンによるレースとなるMoto3クラスです。このクラスについては,他のクラスと同様ワンメークタイヤになりますが,既にMoto2クラスと同様ダンロップが供給することが決まっています。そして,先週末に行われたドイツGPの会場において,新たな発表がありました。DORNA,IRTAと共にその会場に現れたのは,イタリアにおける半国有の石油・ガス会社であるエニ社です。同社は既にMoto2クラスにおけるオフィシャルサプライヤーですが,Moto3クラスにおいてもオフィシャルサプライヤーとして燃料と潤滑オイルを供給することになりました。今回結ばれた契約期間は,2012年から2014年までの3年間です。また,同時にMoto2クラスの契約延長も結ばれていて,その期間は2013年からの2年間です。来シーズンから当分の間中・軽量級クラスのマシンに『eni』のロゴが見られることになります。ちなみに,日本では,イタリアの石油関連ブランドとしては『Agip』が有名ですが,そのAgipの親会社が今回の主人公であるeniです。
   
  2011/7/19(火)
☆告訴(F1)
○NASCARシリーズのチームの一つであるマイケル・ウォルトリップ・レーシングは,以前同チームに所属していたものの,現在はウィリアムズに移籍したM.コフランと,その移籍先であるウィリアムズを契約違反と妨害で告訴しました。コフランがマクラーレンのチーフデザイナーだった時,フェラーリの機密情報を得たといういわゆる「スパイゲート事件」に関与したということから,F1での座を失っていました。そして,3年経った今シーズン,不振を極めるウィリアムズのチーム改革の一環としてチーフデザイナーとして再びF1の世界に復帰しました。そのコフランは,今季マイケル・ウォルトリップ・レーシングに車両設計部長として加わっていたのですが,ウィリアムズでの職を確保したため早期に契約を解除していました。ところが,コフランが去ったマイケル・ウォルトリップ・レーシングからすれば,突然重要ポストの人間が去ることになったわけですから,その影響は少なくはありません。さらに,彼に替わる新たな人物をリクルートしなければならないわけですから,その手間やリスクは少なくはありません。そうしたことから,今回の告訴に至ったようです。
   
2011/7/18(月)
☆復帰後初(MotoGP)
○第9戦ドイツGPの決勝レースが,ドライコンディションのザクセンリンクで行われました。MotoGPクラスは,怪我から復帰して2戦目となるレプソル・ホンダのD.ペドロサと,そのチームメイトでランクトップをいくC.ストーナー,そしてランク2位につけるJ.ロレンゾとの3人によるトップ争いが展開されていきました。その中から,残り9周目となったところでペドロサがトップに立つとその座を最後まで守り続け,怪我から復帰して2戦目で勝利を収め,昨年に引き続いてこの大会を制しました。ロレンゾとストーナーとの2位争いは最後まで続き,ロレンゾが最終コーナーでストーナーを交わして2位でチェッカーを受けました。ロレンゾがストーナーの前でチェッカーを受けたため,ランキング争いでトップのストーナーと2位のロレンゾとの差が15に縮みました。背中の怪我を抱えているサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,今季自己ワーストとなる15番手からスタートし,序盤11位争いを展開したものの,その後は順位を下げ,ポイント圏内ぎりぎりである15位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,ここまで2連勝しているシューターのマシンを駆るM.マルケスと,ランクトップをいくカレックスのS.ブラドルとのトップ争いとなりました。最後まで続いたバトルは,最終的にマルケスがコンマ8秒ほどの差をつけて史上最年少となる2戦連続ポールトゥーフィニッシュ&3連勝を飾りました。3位には,トップ争いからやや遅れてモトビのA.デ.アンジェリスが入っています。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,24周目にトラブルが発生してしまい,今季4回目となるリタイアを喫してしまいました。
125ccクラスは,アプリリアのマシンを駆るH.ファウベル,M.ビニャーレス,そしてデルビのマシンを駆るJ.ザルコの3台によるトップ争いが展開されていきました。そして,最終的にザルコとファウベルとがデッドヒートを展開し,何と同着でフィニッシュをしました。同着の場合,レース中のファステストラップが適用され,今シーズン再び125ccに復帰したファウベルが復帰後初となる勝利を収めました。ファウベルの優勝は,2007年11月に行われた最終戦バレンシアGP以来で,通算8勝目となります。ビニャーレスは,トップからコンマ3秒弱の遅れで3位となっています。
☆2チームで(FN)
○第3戦の決勝レースが,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。序盤は,ポールからスタートしたTEAM IMPULのJ−P.オリベイラと,PETRONAS TOM'SのA.ロッテラーとの間でトップ争いが展開されていきました。そして,その後方に,オリベイラのチームメイトである平手晃平とロッテラーのチームメイトであるランクトップの中嶋一貴が続きました。今回の大会は2回ピットインの義務があるのですが,その1回目のピットインの際,2位を走行していたオリベイラが,タイヤ交換でジャッキダウンする前にタイヤが空転してしまい,ピット作業が18秒もかかってしまって順位を4位に落としてしまいました。トップに立っているロッテラーは順調に走行を続け,それを平手が僅差で追うという状態が終盤まで続きました。しかし,レースが終了に近づくにつれて少しずつ差がついていき,ロッテラーが今季2勝目を挙げました。中嶋とオリベイラとの間で3位争いが展開されていきましたが,元F1ドライバーの中嶋が逃げ切り,ランクトップの座を守っています。
2011/7/17(日)
☆連続ポール(MotoGP)
○第9戦ドイツGPの予選が,ザクセンリンクで行われました。MotoGPクラスは,フリー走行では4番手タイムをマークしていたレプソル・ホンダのC.ストーナーが,予選でトップタイムをマークし,2戦連続ポールを獲得しました。ストーナーのポールは,今シーズン6度目,通算28回目となります。鎖骨骨折により欠場が続いていたD.ペドロサが,久々の復帰ながら速さを見せて2番グリッドを獲得し,レプソル・ホンダ勢のワンツーという予選結果となりました。3番手タイムをマークしたのは,前戦イタリアGPを制しているヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾで,ホンダ勢のフロントロー独占を阻止しています。背中を痛めているサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,フリー走行から思うようにペースを上げることができず,今季自己ワーストとなる15番手で予選を終えています。その青山よりもさらに悪かったのが,ドゥカティのエースライダーであるV.ロッシで,彼も今季自己ワーストグリッドとなる16番手でした。
Moto2クラスは,こちらも前戦の勝者であるシューターのM.マルケスがサーキットベストでトップタイムをマークし,2戦連続してポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,ここまでランクトップをいくカレックスのS.ブラドルでした。3番手タイムをマークしたのは,このクラスに兄弟参戦となっているエスパルガロ兄弟の長兄の方であるA.エスパルガロでした。フリー走行でトップタイムをマークし,今季初のポール獲得が期待されたモリワキの高橋裕紀でしたが,予選序盤で転倒を喫しまってわずか7周しか走行できず,その中の4周目のタイムで13番グリッド獲得にとどまりました。ただし,13番手とはいえ,トップからわずかコンマ7秒しか遅れてなく,決勝でその鬱憤を晴らしてほしいものです。
125ccクラスは,3年前にスポットでこの大会に参戦した経験を持つルーキーでアプリリアのマシンを駆るM.ビニャーレスがトップタイムをマークし,3回目のポールを獲得しました。同じくアプリリアのマシンを駆るH.ファウベルが2番手タイムをマークし,今季3回目となる2番グリッドからのスタートとなりました。アプリリアのマシンを駆るL.サロムが3番手タイムをマークし,2戦連続してフロントローからのスタートとなりました。
2011/7/16(土)
☆交代(MotoGP)
○第9戦ドイツGPが,旧東ドイツにあるザクセンリンクで開幕しました。初日は,午前・午後にフリー走行が行われ,MotoGPクラスはサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリがトップタイムをマークしました。さて,このドイツGPでは,第77戦オランダGPの公式予選で転倒し,第9と第10肋骨の骨折,右肩捻挫の重傷を負い,自身の母国GPであるイタリアGPを欠場せざるを得なかったプラマック・レーシングのL.カピロッシが復帰しました。まだ怪我が癒えていないカピロッシでしたが,午前中に行われフリー走行1では,最下位となる17番手タイムながら久々の走行を行うことができました。ところが,肋骨の骨折の回復が十分でないため,腕に力は入らず,コーナーでの走りがかなり苦しい状態だったようです。そのため,今回のレースでこれ以上走ることが難しいと判断し,午後に行われたフリー走行2からの走行を断念しました。チーム側はこうなることを想定していて,カピロッシの代役を事前にスタンバイさせておきました。そのタンバイしていたライダーは,元GPライダーのS.ギントーリで,フリー走行2からは彼が今大会を走行することになります。
2011/7/15(金)
☆技術提供(F1)
○マレーシアを拠点とするチーム・ロータスは,今季レッドブルから油圧システムやギアボックスの提供を受けて技術パートナーという関係になっています。そして,この度その関係がさらに深まるかのように新たな提携が結ばれました。その提携というのは,来シーズンにレッドブルから新たにKERSシステムの提供を受けるというものです。今シーズンの状況を考えると,この提携は少々不思議ではあります。マニエッティ・マレリ製のシステムであるレッドブルのKERSですが,今シーズンはトラブルが発生していて,レース中に使えないという状況がしばしばあるからです。このKERSシステムについては,レッドブルのチーフ・テクニカル・オフィサーであるA.ニューウェイ自身も「不得意分野である」ということを認めているようです。もしかしたら,トラブル覚悟でも,圧倒的強さを見せるレッドブルとのさらなる提携強化が狙いなのかもしれませんね。
2011/7/14(木)
☆テスト(F1)
○フェラーリから発表があり,ザウバーのS.ペレスが今シーズン後半にフェラーリのF1マシンをテストすることになりました。今シーズンF1ルーキーとなるペレスは,その開幕戦でいきなりポイント圏内でゴールするというデビューを飾りました。残念ながらチームのミスによりレギュレーション違反ということで失格となってしまいましたが,彼の能力の高さをいきなり証明した形となりました。その後はノーポイントが続いたものの,第5戦スペインGPと,先日行われた第9戦イギリスGPにおいてポイントを獲得しています。そのペレスは,昨年の10月からフェラーリの若手育成プログラムである『フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)』に所属していて,今シーズンの開幕前にはフェラーリのシミュレーターでテストなども行っています。今回のテスト参加は,そのプログラムの一環と言っていいでしょう。現在フェラーリはF.マッサと来シーズンまでの契約を結んでいますが,昨年のマッサはチャンピオン争いを演じたフェラーリチームで不遇のシーズンを過ごしていて,彼が契約通り来季までのシートを維持するには,かなりのパフォーマンスを示さなければならないと示唆されているようです。もう一人のフェラーリドライバーはF.アロンソですが,彼については引退までフェラーリに所属することが確実視されている状況ですから,マッサのシートだけ不安定な状況にあります。誰しもフェラーリのシートを狙っていますし,ルーキードライバーであるペレスであっても来シーズン以降のシートを虎視眈々と狙っているものと思われます。今回のテストですが,ペレスと共に同じくFDAのメンバーであるGP2ドライバーのJ.ビアンキも参加し,今年9月にムジェロかフェラーリのテストコースであるフィオラノで09年型のマシンである「F60」を走らせることになるようです。ここでのパフォーマンス次第では,若手のフェラーリ候補として名乗りを上げることになるでしょうね。
2011/7/13(水)
☆出場(MotoGP)
○負傷欠場のD.ペドロサの代役として,第7戦オランダGPにレプソル・ホンダから出場したサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一でしたが,フリー走行2において転倒を喫した際,背中を強打しました。昨シーズンのイギリスGPで転倒を喫し,脊椎骨折という重傷を負い,6戦欠場という不運を経験している青山だけに,この転倒がその悪夢の再現になる可能性があるだけにヒヤッとさせる場面でした。両脇を抱えられるようにして救助された青山でしたが,その後の走行は痛みを我慢しながらではありましたが,ワークスチームから走行することができました。オランダGP終了後も痛みは引きませんでしたが,第8戦イタリアGP,そしてその後に行われたオフィシャルテストにも参加しています。テスト終了後に活動拠点にしているバルセロナに戻り,そこで精密検査を受けたところ,昨シーズン骨折した部分は異常がなかったものの,その場所とは違う第9胸椎を骨折していることが判明しました。診断によれば全治6週間の安静が必要とされたのですが,転倒後既にレース2つ,テスト1つをこなしているだけに,今週末から始まる2つのレースについても出場を継続することになりました。現在は,少しでも体調を戻すため,休養と針治療などに専念しているようです。
2011/7/12(火)
☆規制撤廃(F1)
○今季マシンのトレンドとなっているのが,排気を前方に流して空力効果の助けにしようとするブロウン・ディフューザーシステムです。しかし,シーズンが進むにつれてこのシステムの採用を見直そうとする動きが出て,第一段階としてバレンシア市街地コースで行われたヨーロッパGPからは,予選と決勝との間でエンジンマッピングの変更が禁止とされました。そして,第二段階として先週行われたイギリスGPからは,そのシステム自体が禁止という措置となっていました。じかし,システムの使用禁止という規制に対して反対意見が出てきて,規制することを辞めようとする動きが主流となってきました。そこで,規制撤廃の条件として,全てのチームの賛同が得られることとなりました。これを受けて,全チームで審議した結果,フェラーリと,フェラーリエンジンユーザーであるザウバーが,エンジン・マッピングの設定をバレンシアの状態に戻すというFIAの提案に反対しました。ところが,イギリスGP終了後に再びこの問題が俎上に上がり,規制撤廃に反対していたフェラーリ陣営の態度が軟化。再び話し合いを持った結果,一転して規制撤廃が全会一致で可決され,ヨーロッパGPの時のように,予選と決勝でのエンジンマッピングの変更は禁止するという状態に戻りました。このレギュレーションは,次戦ドイツGPから適用されます。
2011/7/11(月)
☆初優勝(F1)
○第9戦イギリスGPの決勝レースが,シルバーストーン・サーキットで行われました。前日に行われた予選は雨に見舞われましたが,決勝が行われる時には雨が止んでいました。ただ,それまで降った雨の影響により路面はウェットだったため,スタート段階はどのマシンもウェット用タイヤでのスタートとなりました。そのスタートで飛び出したのは,2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルでした。ポールスタートのM.ウェーバーが2番手につけて,レッドブルによるワンツー体制が築かれました。一時は順位を下げたフェラーリのF.アロンソでしたが,1回目のピットストップでドライタイヤに履き替えてからはペースが上がり,レッドブル勢とのギャップを徐々に縮めていきました。さらに,2回目のピットストップでレッドブル勢にミスが出てしまったため,そのアロンソがトップに立ち,以後はその差を広げていきました。そして,最終的に2位におよそ20秒の大差をつけると,そのまま今季初のトップチェッカーを受け,昨年の韓国GP以来となる勝利をフェラーリにプレゼントしました。今回の勝利は,アロンソにとって通算27勝目となります。チームメイト同士による2位争いとなりましたが,ベッテルが何とかその座を守りきって2位でのチェッカーとなりました。チームオーダーでベッテルを抜かないように指示があったものの,それを無視してベッテルとのバトルに持ち込んだウェーバーでしたが,最後までベッテルを交わすことができませんでした。自己最高位となる8番グリッドからスタートしたザウバーの小林可夢偉でしたが,レース途中でメルセデスGPのM.シューマッハに追突されて順位を下げてしまいました。さらに,1回目のピットストップの際,チームクルーのミスで他のマシンとあわや接触しそうになり,それを避けようとして隣のフォース・インディアのピットのパーツと接触。これが危険な行為だとして10秒のストップ&ゴーのペナルティーを受けました。そして,24周目にはオイルリークのトラブルが発生したため,白煙を上げながらコース脇にマシンを止めざるを得ず,今季初のリタイアを喫しました。
2011/7/10(日)
☆不利?(F1)
○第9戦イギリスGPの予選が,改修されて新しくなったシルバーストーン・サーキットで行われました。この日も,イギリスらしく雨が降ったり止んだりといった天候でした。今回の予選からブロウン・ディフューザーへの規制が導入されたため,今季圧倒的速さを見せるレッドブルが不利な立場になるのではないかという予想もなされていました。そのような中行われた予選ですが,どの予選セッションでも雨の影響を受けました。最後のトップ10を決めるQ3でも,開始時は雨が止んでいるため,どのドライバーも再び雨が降り出す前にタイムアタックを開始し,そして予想通り後半で再び雨が降り始めました。そして,トップタイムをマークしたのは,レッドブルのM.ウェーバーでした。チームメイトのS.ベッテルが僅差で2番手タイムをマークし,規制で不利になるのではないかと予想されていたレッドブル勢がフロントローを独占しました。3,4番手タイムをそれぞれF.アロンソとF.マッサがマークし,フェラーリ勢がセカンドローを独占しています。ザウバーの小林可夢偉は,レースウィークに入る前から高速サーキットであるシルバーストーンではいい結果が残せるかもしれないというコメントを出していましたが,その言葉通り,予選自身最高位となる8番グリッドを獲得しました。今季ほとんどのレースでポイントを獲得している小林ですが,さらなる上積みができることを願いましょう。
2011/7/9(土)
☆チーム名(F1)
○フェラーリの正式なチーム名は,これまで『スクーデリア・フェラーリ・マールボロ』でした。その名が示すように,フィリップモリス社のたばこブランドであるマールボロの名称が含まれていました。世界的なたばこ広告禁止の動きから,まずマールボロのロゴが外れ,それ以後はマールボロをイメージするカラーリングを採用してきましたが,それさえも使えることができず,現在のようにフェラーリのカラーリングであるレッド一色となっています。そのようにたばこ広告禁止の影響を大きく受けながらも,先日フィリップモリス社との間で2015年までのスポンサー契約延長が成立していました。ところが,ただ単に名称だけとはいえ,たばこブランドが含まれていることが反タバコ団体からの批判を招いていたのが現実です。そして,正式発表がないままでしたが,現在行われているイギリスGPから,新しいFIA公式エントリーリストやピットガレージの看板は,これまでの『スクーデリア・フェラーリ・マールボロ』から『スクーデリア・フェラーリ』へと変更されています。果たして2015年まで延長された契約は,このまま維持されていくのでしょうか?
2011/7/8(金)
☆来季に向け(F1)
○シーズンはまだ多くのレースを残していますが,来シーズンのシートを獲得するため,既に水面下ではいろいろな動きが出てきていることでしょう。カナダGPでは,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンがレッドブルのモーターホームを訪問したことが報道されていて,当然これは来シーズンを見通しての動きであることが間違いないでしょう。実際,今シーズンのハミルトンは,マシンの戦闘力に対して疑問を呈する場面があったり,思うように走らないマシンにイライラを募らせて,他のマシンとの接触をしばしば起こし,ある意味「問題児」扱いされることも見られています。そうしたハミルトンが,圧倒的な速さを見せているレッドブルに対して魅力を感じるのはある意味当然なのかもしれません。しかし,ハミルトンの願いは叶いそうもないのが現状のようです。レッドブルのチーム代表であるC.ホーナーが,既にレッドブル残留が決定しているS.ベッテルとハミルトンをチーム内で競わせることはチームの調和にとってリスクであると述べていて,噂されているハミルトンのレッドブル移籍を否定したからです。一方マクラーレンのチーム代表であるM.ウィットマーシュは,ハミルトンがレッドブルのモーターホームを訪問したのは判断ミスだったと述べていますので,ハミルトンはマクラーレン残留の線が強いようです。次に,超ベテランドライバーの1人であるウィリアムズのR.バリチェロが,来シーズンについて自ら語ったようです。今シーズンのウィリアムズはポイント獲得さえままならない状況が続いていて,通常ですと移籍を視野に入れるところです。しかし,そうしたウィリアムズにも動きが出ていて,来シーズンからチャンピオンエンジンであるルノーエンジンを搭載することになり,久々に数々の栄光を重ねた「ウィリアムズ・ルノー」が復活します。また,チーフエンジナとしてM.コフランが加入していて,技術的に大きな変化を遂げようとしているのです。こうした状況により,まだまだ現役続行を希望するバリチェロは,来季以降もウィリアムズ残留を第一に考えているようです。
2011/7/7(木)
☆性能調整(SGT)
○SGTでは,各マシンの性能ができるだけ同じになっておもしろいレースが展開できるようにするため,性能調整というものが必要に応じて行われます。GT300クラスは,大きく分けて国産マシンを中心としたJAF-GT規定の車両とフェラーリやBMWといった外国産マシンを中心としたFIA-GT車両との2つの勢力に分けられますが,昨シーズンまでと様相が変わってきて,今シーズンはFIA-GT勢が予選,決勝共に上位を占めるような状況となっています。こうした状況を受け,SGTを運営するGTアソシエーションから発表があり,スポーツランドSUGOで行われる第4戦から,全体的にはJAF-GT規定車両のリストリクターが拡大される性能調整が行われることになりました。前回の発表では,車高についての性能調整が行われていますので,今回のエンジン関連の性能調整と合わせて2つの勢力の均等化が期待されます。JAF-GT勢を中心にリストリクターが拡大されるようになるのに対して,FIA-GT勢の中で開幕から3戦連続で2位を得ているJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458と,第3戦セパンで優勝を飾った初音ミク グッドスマイル BMWについては,今回の発表においてリストリクター径を絞られることになりました。
2011/7/6(水)
☆契約延長(F1)
○ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスから発表があり,テスト&開発ドライバーとして来シーズンもG.パフェットと契約を延長しました。2003年からDTMに参戦し,2005年に同シリーズでタイトルを獲得したパフェットは,その2005年から同チームに所属してテストドライバーを務めるようになりました。そして,その翌年にはDTMへの参戦を辞め,フルタイムのテストドライバーとなりました。2007年には再びDTMに参戦を開始したものの,テストドライバーの役割は継続し,以降その2つの立場を継続してきています。今回結ばれた契約条項の中には,これまで通りDTMへの参戦が可能となるものがあるようですので,来シーズンも二足のわらじを履くことができそうです。ちなみに,彼のマネジメントを務めるのは,元F1ドライバーで,マクラーレンにも所属したことのあるM.ブランドル氏です。
2011/7/5(火)
☆復活(F1)
○『ウィリアムズ・ルノー』といえば,1989年から1997年にかけてウイリアムズとルノーがパートナーシップを結び,4度のドライバーズチャンピオン,5度のコンストラクターズチャンピオンを獲得するなど,当時圧倒的な強さと速さを見せました。現在のウィリアムズは,コスワースエンジンユーザーの中の一つで,ルノーやそれ以前のホンダとパートナーシップを結んでいた頃に比べると,「見る影もない」と言っていいほど低迷しています。そうした状況の中,3日にウイリアムズF1チームとルノーから発表があり,来シーズンからウイリアムズF1がルノーエンジンを使用すると明らかにしました。今回結ばれた契約は,2012年と2013年の2年間で,V6エンジンを使用するという新しいエンジン規定が導入される2014年はオプションとされているようです。現在黄金時代を築いているといえるレッドブルもルノーエンジンユーザーで,ここも当面ルノーを使用することになりそうです。一時代を築いた『ウィリアムズ・ルノー』の復活ですが,果たしてレッドブルとのトップ争いを展開できるようになるのか,早くも来シーズンが楽しみになりますね。
2011/7/4(月)
☆逆転(MotoGP)
○第8戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションのムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レプソル・ホンダのC.ストーナーとA.ドビツィオーゾのチームメイト間でトップ争いが,ヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾとサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリとの間で3位争いが展開されていました。中盤を過ぎた頃,3位争いを抜け出したロレンゾは,猛然と前を行く2人を追い上げていき,一時は2秒以上あった差を詰めていき,残り6周となったところで一挙にトップに立ちました。トップに立ってからは,その2台との差をやや広げ,結局今季2勝目を大逆転で獲得しました。ロレンゾに抜かれたストーナーとドビツィオーゾは,最終ラップまで2位争いを展開していき,そのラストラップで2位に浮上したドビツィオーゾが,チームメイト同士によるその2位争いを制しました。13番グリッドからスタートしたサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,11位でこの大会を終えています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたシューターのM.マルケスが,4台によるトップ争いを展開していきました。そして,昨年の125ccクラスチャンピオンで,前戦を制しているマルケスが0.071秒差でこのトップ争いを制し,中量級最年少記録となる2連勝を飾りました。2位には,ランクトップをいくカレックスのS.ブラドルが,3位には,このところ好調な走りを見せているテック3のB.スミスが入っています。15番グリッドからスタートしたモリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,オープニングラップでアクシデントに巻き込まれて27番手に後退したものの,その後13人を抜いて14位でチェッカーを受けています。
125ccクラスは,ポールからスタートしたデルビのJ.ザルコと,5番グリッドからスタートしたランクトップをいくアプリリアのN.テロルとの間でトップ争いが展開していきました。オープニングラップを制したテロルがトップを走行していたものの,残り10周となったところでザルコがトップに浮上。そのままの順でラストラップを迎えましたが,テロルは2位に落ちてからもどこか余裕のある走りを見せていました。そして,その余裕は本物だったようで,ゴールライン直前でザルコを抜き去り,今季5勝目を逆転で制しました。惜しくも2位となったザルコですが,これは自己最高位となります。3位には,アプリリアのマシンを駆るM.ビニャーレスが入っています。
☆圧勝(JRR)
○第3戦の決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。今大会のJSB1000クラスは2レース制で,午前と午後に1回ずつ決勝レースが行われました。午前に行われたレース1では,ポールからスタートしたホンダの秋吉耕祐と2番グリッドからスタートしたスズキの加賀山就臣との間でトップ争いが展開しました。序盤は加賀山がトップに立ったものの,秋吉がトップに立つと,その後に加賀山が転倒した(転倒後復帰)こともあって独走態勢に持ち込み,2位に6秒以上の差をつけて開幕から2連勝となりました。2位には,ホンダの高橋巧が入り,3位にヤマハの中須賀克行が入っています。午後に行われたレース2は,レース1と同じように秋吉と加賀山とのバトルとなりました。序盤は,レース1と同じく加賀山がトップに立ったものの,秋吉がこれを交わしてからは再び独走体勢に持ち込み,2位に5秒近い大差をつけてこの日の両レースとも制しました。これで,秋吉か開幕戦以来全勝となっています。2位に下がった加賀山は,その後高橋との2位争いとなり,一度順位を入れ替えられることがありましたがすぐに抜き返して2位争いを制しました。
JRRで最も激しい争いが展開されるST600クラスは,地元出身の渡辺一馬がポールからスタートしましたが,昨年のチャンピオンである山口辰也とのホンダ勢によるバトルとなり,最終的に山口が今季2勝目を挙げています。ヤマハの中冨伸一が,10番グリッドからスタートして3位表彰台を獲得しています。
J-GP2クラスは,来シーズンGP復帰を目指すホンダの中上貴晶が,ポールからスタートしました。その中上は他のライダーを全く寄せ付けず,完全なる独走態勢に持ち込みました。彼にとっては,目の前のマシンではなく,MotoGPにおけるMoto2クラスのマシンが戦う相手なのかもしれません。結局2位に10秒以上の大差をつけて独走でポールトゥーウィンを決めました。2位には,TSRのマシンを駆る関口太郎が,3位には,中上と同じく来シーズンGPへの復帰を目指していて,今季スペイン選手権に戦いの場を移している小山知良が入りました。奇しくも,表彰台を獲得したライダーは,3人とも元GPライダーでした。
J-GP3クラスは,ポールスタートの徳留真紀,昨年のチャンピオン大久保光,そして元GPライダーの仲城英幸の3人によるトップ争いとなりました。特に,仲城に関しては,ホンダが来シーズンからMotoGPで始まるMoto3クラスに向けて販売を開始するNSF250Rを駆っていますので注目のライダーとなっていました。三つどもえのバトルは,終盤に入って徳留がやや抜け出し,JRRにおいては2009年の第2戦以来となる久々の勝利を収めました。2位には大久保が入り,NSFを駆る仲城は3位となりました。惜しくも優勝はできなかった仲城でしたが,実戦においてこの新型マシンを表彰台に乗せた世界で最初のライダーということになります。
2011/7/3(日)
☆早めに(MotoGP)
○第8戦イタリアGPの予選が,雨が降ったり止んだりといった不安定な天候の中,ムジェロサーキットで行われました。MotoGPクラスの予選が始まった頃は,ドライコンディションでした。しかし,いつ再び雨が降り始めるかどうか分からない状態だったため,どのライダーも予選が始まって早々にタイムアタックを開始しました。実際に残り30分を切ったところで小雨が降り始めたため,予選の前半でマークしたタイムがグリッドを決めるものとなりました。その前半で最速タイムを刻んだのが,ここまでランクトップをいくレプソル・ホンダのC.ストーナーでした。ストーナーのポール獲得は,今シーズン5度目となります。雨の中行われた前戦オランダGPを制したヤマハ・ファクトリーレーシングのB.スピースが,2戦連続2番グリッドを獲得しています。今シーズン予選で速さを見せているサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリが3番グリッドを獲得し,今季初の表彰台獲得を目指します。シモンチェリのチームメイトである青山博一は,13番グリッドを獲得しています。なお,右鎖骨骨折から復帰したレプソル・ホンダのD.ペドロサは,トップから1.364秒差の8番手で予選を終えています。
Moto2クラスは,3クラスの中で唯一予選セッション全体がウェットコンディションの中で行われました。そこで最速タイムを刻んだのが,初日から最速タイムをマークしてきているシューターのマシンを駆るM.マルケスでした。彼がポールを獲得するのは,今季2度目となります。モトビのマシンを駆るA.デ.アンジェリスが2番手タイムをマークし,今日行われる決勝レースでは,今季自己最高位からのスタートとなります。テック3のB.スミスは,このところ結果を残してきていますが,その勢いを象徴するかのように3番手タイムをマークし,自身初となるフロントローからのスタートとなりました。前戦で転倒リタイアを喫したモリワキの麻疹を駆る高橋裕紀は,フリー走行から上位に顔を出すことができず,15番グリッド獲得で予選を終えています。
125ccクラスは,MotoGPクラスと同様にドライコンディションではじまり,途中から雨が降り始めるという天候の中行われました。どのライダーも早めのアタックを行い,その中で最速タイムを刻んだのが,デルビのマシンを駆るJ.ザルコでした。ザルコのポール獲得は,キャリア41戦目にして初となります。トップから1.632秒差で2番手タイムをマークしたのは,アプリリアのマシンを駆るL.サロムで,彼も自己最高位を獲得しています。前日の午後行われたフリー走行でトップタイムだったアプリリアのS.ガデアが3番グリッドを獲得しています。
☆全クラス開催(JRR)
○ツインリンクもてぎにおいて第3戦の予選が行われました。地震により変則的なレースが続いてきた今シーズンのJRRですが,この大会で初めて全クラス開催となります。決勝レースが2レース行われるJSB1000クラスは,それに伴って予選も2つ行われました。第1レースのグリッドを決める予選第1セッションは,40分で行われました。ここでトップタイムをマークしたのが,昨年のチャンピオンであるホンダの秋吉耕佑でした。その秋吉は,先日行われたMotoGP第7戦オランダGPにワークスチームから参戦した青山博一の代役で出場したため,同じ時期の行われた事前テストに参加できなかったため,鈴鹿サーキットで行われた第1戦に続いて,今回もぶっつけ本番でのレースウイークとなっていました。スズキのマシンを駆って今シーズンからJRRに復帰している加賀山就臣が,秋吉に逆転を許したものの2番グリッドを獲得しています。ホンダの高橋巧が,3番グリッドを獲得しています。第2レースの予選も,トップ3の顔ぶれは変わりませんが,ポールが加賀山で,2番グリッドが秋吉となります。
JRRで最も激戦となっているST600クラスは,ホンダのマシンを駆る渡辺一馬が予選早々に最速タイムを刻み,このクラスで自身初となるポールを獲得しました。2,3番グリッドは,それぞれホンダの山口辰也とヤマハの横江竜司が獲得しています。
J−GP2クラスは,今シーズンからJRRに復帰し,ホンダのマシンを駆ってこのクラスに参戦している中上貴晶がコースレコードをマークしてポールを獲得しました。ST600クラスとのダブルエントリーとなる山口辰也が,ST600クラスと同様に2番グリッドを獲得しています。3番手タイムをマークしたのは,今シーズンJRRだけでなく,スペイン選手権にもフル参戦している小山知良でした。
J−GP3クラスでポールを獲得したのは,唯一2分2秒台のタイムをマークしたホンダのマシンを駆る徳留真紀でした。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれヤマハの安村武志とホンダの山本剛大でした。来シーズンからMotoGPで125ccクラスに替わって開催されることになっているのがMoto3クラスですが,ホンダがそのクラス向けに新たに発売を開始するNSF250Rがこの大会から投入されています。そのマシンの開発ライダーと噂されてきた仲城英幸が,NSFを駆って4番グリッドを獲得しています。
唯一土曜日に決勝レースが行われるGP-MONOクラスは,スターティンググリッドで数台のエンジンがストールしたため,スタートは仕切り直しとなり,1周減算の11周で争われました。予選で2番グリッドを獲得していた長島哲太が,オープニングラップからトップに立つと,後続と約1秒の差を保ちながら快走を続けていきました。ポールシッターの小室旭と3番手からスタートした藤井謙汰との間で2番手争いが繰り広げられ,レース終盤までその争いを続いていきました。1位と2,3位の間は終盤に詰まってきたものの,長島は最後までトップの座を守りきり,JRRで自身初となる優勝を飾りました。2位が小室,3位が昨年のチャンピオンである藤井の順で決勝レースを終えています。
2011/7/2(土)
☆3人目(F1)
○ヒスパニア・レーシングから発表があり,レッドブルとの提携により,D.リチャルドをチームの正ドライバーとして起用することになりました。昨日22歳の誕生日を迎えたオーストラリア人のリチャルドは,今季ルノー3.5シリーズに参戦するとともに,トロ・ロッソのテスト兼リザーブドライバーとして全グランプリの金曜フリー走行1回目に出走しています。今回の提携は,レッドブルからリチャルドをヒスパニア・レーシングにレンタルされる形になっていて,これによりレッドブルは彼のポテンシャルを実戦において評価することができます。今シーズンのトロ・ロッソは,S.ブエミとH.アルグエルスアリを正ドライバーとしていますが,そのどちらかのパフォーマンスがよくない場合には,リカルドが今シーズン中にもトロロッソからレースデビューを果たす可能性があると推測されていました。今回の契約成立により,その可能性はなくなったわけですが,来シーズンの契約に何らかの効果があるのかもしれません。リチャルドの加入により,通常ではヒスパニア・レーシングのレギュラードライバーであるN.カーティケヤンかV.リウッツィのどちらかがシートを失うはずなのですが,そのどちらとも契約は継続していて,3人体制で臨むことになります。現段階では,主にカーティケヤンに代わってステアリングを握ることになるようですが,唯一今シーズンから開催されることになっている,カーティケヤンにとっては母国GPとなるインドGPに関しては,リチャルドではなく,カーティケヤンが参戦することになるようです。
2011/7/1(金)
☆新エンジン(F1)
○FIAから,新たなエンジンに関する決定について発表がありました。現行のエンジンに代わる新しいエンジンに関しては,当初2013年から4気筒エンジンを投入することになっていました。しかし,この規定に対して,ルノーなどは賛成していたものの,フェラーリがマーケティング的な理由で,また,メルセデスとコスワースは開発コストについての懸念を表明したため,今一度見直しが図られることになっていました。そして,この度FIAモータースポーツ協議会がFAXによる投票を行い,2014年から1.6リッターのV6ターボエンジンを導入するという新しいエンジン規約を正式に承認しました。今回決定した新エンジンは,現行のV8と同程度のパワーを持っていて,不足分の補充に新たなエネルギー回収システム(ERS)とターボチャージャーを備えることになります。レブリミットの制限についてはまだ確定していませんが,レッドブルのA.ニューイがバレンシアで『BBC Sport』に語ったところによれば,"14000rpmから16000rpm程度"になるのではないかということです。また,2013年にエンジン規約と同時に導入される予定となっていた新しいシャシー規約が延期となったかどうかについては,まだ判明していません。
     
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