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2011/6/30(木)
☆欠場(MotoGP)
○明日からV.ロッシにとっての母国GPとなるイタリアGPが開幕しますが,彼のチーフクルーであるJ.バージェスがそのイタリアGPを欠場することになりました。GP界を代表するメカニックの1人であるであるバージェスは,2000年にロッシがホンダからMotoGPクラスにデビューした時に彼を担当することになりました。それ以来2人の絆は深まっていき,ロッシがヤマハ,ドゥカティと移籍する度に彼と共にバージェス及び彼のチームクルーは移籍していきました。まさにロッシにとってなくてはならない存在になっています。今回欠場することになったのは,バージェスのプライベートに関わることです。バージェスの妻が病気にかかっていて,この度緊急の手術をする必要が生じたことが欠場の原因です。バージェスの欠場に伴い,彼の代役としてドゥカティ勢の一員であるプラマック・レーシングからF.ステラッチーニが派遣されることになったようです。いつもはL.カピロッシを担当している彼ですが,そのカピロッシがイタリアGPを負傷欠場することになったため,今回の措置を講じることになったようです。ロッシと組んで7回,M.ドゥーハンとは5回,W.ガードナーとは1回と,合計13回もワールドチャンピオンを生み出した名伯楽は,ザクセンリンクで行われるドイツGPから復帰する予定になっています。
2011/6/29(水)
☆加入(F1)
○今シーズンのウィリアムズは,ポイント獲得さえもままならない極度の不振に陥っています。そのため,チームの改革に取り組んでいて,チーフエンジニアとしてM.コフランを迎えるとともに,現在テクニカルディレクターを務めているS.マイケルとチーフエアロダイナミシストを務めているJ.トムリンソンが,今シーズン限りで退任することが決まっています。そして,この度ウィリアムズから発表があり,空力部門責任者としてJ.サマービル,チーフオペレーションズエンジニアとしてM.ギランがチームに加入することになりました。今回加わることになったサマービルは,以前にウィリアムズで働いた経験がありますので,再加入という表現を使った方が正確かもしれません。1999年から2003の5年間ウィリアムズに所属し,その間FW23〜FW25のマシンの開発に携わりました。その後トヨタに移籍して空力部門の副責任者を務め,2009年トヨタのF1撤退後は,ルノーで空力部門のプロジェクトリーダーとしてR31の開発にも携わってきました。ギランは,1998年にマクラーレンでF1のキャリアをスタートしました。その後レッドブルの前身であるジャガーで車両性能とレース兼テストエンジニアを務め,2005年にトヨタに移籍してからは,空力部門責任者を務めていました。今回加入した2人は,退任予定のコフランと共に今季型マシン及び2012年型マシンであるFW34の開発を実施することになります。
2011/6/28(火)
☆白旗?(F1)
○今シーズンのチャンピオン争いでは,昨年のチャンピオンであるレッドブルのS.ベッテルがランクトップを走っています。しかも,8戦中1位が6回,2位が2回とここまでの全戦で2位以上に入ると共に,勝率が7割を超えるという圧倒的な強さを見せています。ランク2位(マクラーレン・メルセデスのJ.バトン)と3位(レッドブルのM.ウェーバー)は同点で並んでいて,ベッテルから77ポイント差と,まだシーズンは半分以上残っているとはいえ,かなり厳しい状況に置かれてきています。そして,この度ランク4位をいくマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンとランク5位をいくフェラーリのF.アロンソが,ベッテルからチャンピオンを奪い獲る可能性がほぼ無くなったと認め,早くもチャンピオン争いで白旗を出した感じとなりました。ハミルトンとベッテルとの差は,現在89ポイント差で,アロンソに至っては,99ポイント差まで広げられています。予選から決勝までの間にセッティングを変更してはいけないというレギュレーションに変わり,レッドブルが影響を受けるのではないかと思われていましたが,ベッテルはポールトゥーウィンを達成してそうした噂を一蹴しました。まさに死角のない状況といえますので,2人のチャンピオン経験者が白旗を揚げても何ら不思議はないといえるのかもしれません。ただ,ハミルトンに関しては,発言した翌日に自身のツイッターで,一転して自分たちは決して諦めないとつぶやいたようです。
2011/6/27(月)
☆終始(F1)
○第8戦ヨーロッパGPの決勝レースが,スペインのバレンシア市街地コースで行われました。ポールからスタートしたのは,ここまでランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルでした。そのベッテルは,好スタートを切ってトップの座を守ってオープニングラップを終えました。その後も順調な走りを終始見せてトップの座を守っていき,今季6勝目をポールトゥーフィニッシュで獲得しました。今季6勝の中で,ポールトゥーウィンは5回目となり,今回のレースだけでなくここまでのシーズンとしても終始安定した成績を収めています。2番手争いは,今回が母国GPとなるフェラーリのF.アロンソと2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.ウェーバーとの間で繰り広げられました。レース中盤にアロンソが2位に立つことがありましたが,すぐにウェーバーが巻き返し,多くの周回でレッドブル勢によるワンツー状態が続きました。しかし,3回目のピットインの頃にウェーバーが周回遅れに手こずり,その間にアロンソがペースアップを果たして,両者が3回目のピットをすませた時にはアロンソが前に出ていました。結局両者の位置はその後入れ替えることがなく,2位にアロンソ,3位にウェーバーが入りました。ここまで全戦でポイント圏内でチェッカーを受けてきた(開幕戦はレース後に車両違反から失格の裁定でノーポイント)ザウバーの小林可夢偉は,14番グリッドからのスタートを切りました。ここまでのレースでは,ピットインの回数を減らして徐々にポジションアップを果たしてきましたが,ピットの回数はこれまでと同様に少なかったものの,なかなかポジションアップを果たすことができませんでした。最後までその傾向は変わらず,ポイント圏内から遙かに遠い16位でのチェッカーとなってしまいました。
2011/6/26(日)
☆初優勝(MotoGP)
○第7戦オランダGPの決勝レースが,同地らしくクラスによってウェットコンディションやドライコンディションと変化する中行われました。MotoGPクラスは,濡れていた路面が乾いていき,ドライコンディションの中でレースが始まりました。今シーズン2度目となるポールからスタートしたサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリでしたが,オープニングラップでヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾを巻き込む転倒を喫してしまい,復帰はできたものの,早々に優勝争いから脱落しました。その混乱を抜けてオープニングラップからトップに立ったのは,ロレンゾのチームメイトであるB.スピースでした。1周目終了時で2位に差をつけたスピースは,その後も順調な走りを展開して独走状態に持ち込み,うれしい自身初優勝を参戦28戦目にして手に入れました。2,3位には,それぞれC.ストーナーとA.ドビツィオーゾが入り,表彰台の2つをレプソル・ホンダ勢が占めました。オープニングラップで転倒に巻き込まれたロレンゾでしたが,復帰してから速いペースを刻んでいき,最終的に6位まで順位を回復し,転倒に巻き込んだシモンチェリは,9位でチェッカーを受けています。負傷欠場のD.ペドロサの代役としてワークスチームから参戦した青山博一は,12番グリッドからスタートして8位でチェッカーを受け,今季5度目となるシングルフィニッシュを達成しています。その青山の代役としてサンカルロ・ホンダ・グレシーニから参戦した秋吉耕祐は,17番グリッドからスタートして13位フィニッシュでした。
Moto2クラスは,レインコンディションの中で行われました。ポールからスタートしたのがランクトップをいくカレックスのマシンを駆るS.ブラドルでしたが,7番手走行中の残り4周目に転倒を喫し,ノーポイントに終わっています。ランク争いで独走状態に入ろうとしていたブラドルがノーポイントに終わっていますので,差を詰める絶好の機会となりました。そのような中,トップでチェッカーを受けたのは,2番グリッドからスタートしたシューターのマシンを駆るM.マルケスでした。このサーキットは,125ccクラスチャンピオンに輝いた昨シーズンにポール・トゥ・フィニッシュを決めた験のいい場所で,第4戦フランスGP以来今季2勝目を飾りました。自己最高位となる7番グリッドからスタートしたシューターのマシンを駆るK.ソフォーグルは,マルケスに差はつけられたものの,自己最高位となる2位でチェッカーを受けています。10番グリッドからスタートしたテック3のB.スミスは3位でチェッカーを受け,2戦連続の表彰台を獲得しています。5番グリッドからスタートしたモリワキの高橋裕紀は,2番手走行中のラスト5ラップに転倒を喫し,ノーポイントに終わってしまいました。
この日最初のレースとして行われた125ccクラスは,ドライコンディションでスタートしましたが,15周目に雨のため赤旗中断となり,14周目の順位でリザルトは決定しました。その時にトップを走行していたのが,ポールからスタートしたアプリリアのM.ビニャーレスで,第4戦フランスGP以来となる2勝目を挙げました。ビニャーレスにとって,ポールトゥーフィニッシュは自身初となります。自己最高の5番グリッドからスタートしたアプリリアのL.サロムは,キャリアベストとなる2位表彰台をを獲得しました。2年前にここを制しているアプリリアのS.ガデアは,開幕戦カタールGP以来となる3位表彰台を獲得しています。なお,ランクトップを走るアプリリアのN.テロルは,前日に行われた予選で,時速200キロメートルを超えるスピードで走行中に転倒を喫し,その時に負った怪我の手術のため決勝レースをキャンセルしています。
☆独占(F1)
○第8戦ヨーロッパGPの予選が,バレンシア市街地コースで行われました。この大会から予選と決勝でエンジンマップを変更することが禁止されるようになり,もしかしたらレッドブルに不利に働くのではないかとみられていました。ところが,そうした見方を否定するかのように別格の速さを見せたのが,ランクトップを走るレッドブルのS.ベッテルでした。彼だけが唯一1分36秒台を記録しています。さらに,チームメイトのM.ウェーバーが2番手タイムをマークし,フロントローをレッドブルが独占しました。3番グリッドを獲得したのは,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンでした。ザウバーの小林可夢偉は,Q1は突破したものの,Q2で脱落してしまい,14番手で予選を終了しています。
☆日本人初(インディーカー)
○第8戦アイオワの予選が行われました。このシリーズは,くじ引きで予選のアタック順が決まりますが,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるKV Racing Technology-Lotusの佐藤琢磨は,21番手でのスタートとなりました。今シーズンからチームメイトにこのシリーズで数々の実績を残しているT.カナーンが加わり,互いに情報交換をしながらチーム力を高めてきていますが,今回のアタック順はそのカナーンが2番目のアタッカーとして登場しました。そのカナーンは走行を終えるとすぐさま佐藤琢磨のピットに向かい,路面コンディションなどをアドバイスしました。佐藤琢磨はアウトラップからウオームアップラップへとスピードを乗せていき,計測1周目から180マイル台をマーク。さらに,2周目にスピードを伸ばして平均時速180.375マイルという記録をマークしてトップに躍り出ました。そして,その後誰もこの記録を上回ることができず,琢磨が参戦2年目にして初ポールを獲得しました。日本人ドライバーとしては,1990年にヒロ松下が初めてCARTインディカー・ワールド・シリーズに出場して以来,今年で22年目を迎えます。ここまで予選での日本人ドライバーのベストリザルトは,中野信治と松浦孝亮がマークした2番手でした。そして,元F1ドライバーである佐藤琢磨が,ついにアメリカン・トップ・オープン・ホイールでポールポジション獲得という快挙を成し遂げました。
2011/6/25(土)
☆ダッチウェザー(MotoGP)
○第7戦オランダGPの予選が,アッセン・サーキットで行われました。「ダッチ・ウェザー」と言われるほど天候が変わりやすいオランダですが,この予選でもそうした点が見られました。3クラスの中で唯一ドライコンディションで行われたのが,最高峰のMotoGPクラスでした。ここで最速タイムを刻んだのは,今シーズン予選で速さをしばしば見せているサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリで,第5戦カタルニアGP以来となる今季2度目のポールシッターとなりました。2番グリッドを獲得したのはヤマハ・ファクトリーレーシングのB.スピースで,シモンチェリからわずか1000分の9秒差でした。この2番グリッドをというのは,彼にとって今季自己最高位です。3番グリッドは,ここまでランクトップをいくレプソル・ホンダのC.ストーナーでした。欠場のD.ペドロサに代わってレプソル・ホンダから参戦している青山博一は,12番グリッドを獲得し,その青山の代役としてサンカルロ・ホンダ・グレシーニから参戦の秋吉耕祐は,17番グリッド獲得で予選を終了しています。
この日最後に予選が行われたMoto2クラスは,予選残り25分というところで雨が降り始めるという状況で行われました。雨が降り始める前にタイムアップを果たしたランクトップをいくカレックスのS.ブラドルが,今季6回目となるポールを獲得しました。前戦のイギリスGPでポールシッターだったシューターのマシンを駆るM.マルケスが2番手タイムをマークし,今季3度目となる1列目からのスタートとなりました。FTRのマシンを駆るS.コルシは3番手タイムをマークし,自身今季初となるフロントローを獲得しました。モリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,トップからおよそ0.6秒差で5番グリッドを獲得しています。
この日最初に予選が行われた125ccクラスは,開始5分後に雨が降り,その後に上がってウェットからドライへとコンディションが変化するという難しい状況の中で行われました。そこでポールを獲得したのは,前戦において史上3番目の最年少記録でポールポジションを獲得したアプリリアのM.ビニャーレスでした。2戦連続のポールポジションの獲得という点では,今回のビニャーレスが史上最年少記録となります。そのビニャーレスからコンマ188秒差で2番手タイムをマークしたのは,デルビのマシンを駆るJ.ザルコでした。この2番グリッド獲得は,自身最高位となります。前の週に章典外でドイツ選手権に参戦し,トップでチェッカーを受けているアプリリアのS.コルテセが,3番グリッドを獲得しています。
2011/6/24(金)
☆キャンセル(MotoGP)
○第7戦オランダGPが,アッセン・サーキットで始まりました。通常のスケジュールは,金曜日に開幕し,日曜日に決勝レースが行われるのですが,"ダッチTT"とも言われる伝統あるオランダGPに関しては,日曜日が「安息日」ということでレースが行われないため,木曜日に開幕し,土曜日が決勝というスケジュールになっています。ということで昨日から始まったオランダGPは,午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われる予定でした。午前中に行われた1回目のフリー走行についてはウェットコンディションながら行われたのですが,午後のフリー走行については,走行がキャンセルとなってしまいました。Moto2クラスの1回目のフリー走行がにおいて,A.バルドリーニが転倒を喫しました。その後コースに復帰したバルドリーニでしたが,彼のマシンからオイル漏れが発生していて,およそ1キロにわたってコース上にまき散らしてしまったのです。そして,そのオイルに乗って転倒が相次いだため,走行は赤旗中断となってしまいました。これだけの距離でオイル処理を行うのはそう簡単ではなく,かなりの時間を必要とします。それに追い打ちをかけるように天候が悪化したこともあって,午後に予定されていた各クラスのフリー走行2及びレッドブル・ルーキーズカップの走行がキャンセルとなりました。今大会において,負傷欠場が続いているレプソル・ホンダのD.ペドロサの代役として,自身初となるワークスチームからの走行となった青山博一にとっては,少しでも長く走行を続けたいところでしたが,残念ながら初日に関してはそれができなくなってしまいました。ただ,今日の走行については,初日のキャンセルを受けてエクストラ走行が行われることになりましたので,そこで取り返してほしいところです。なお,初日の結果ですが,MotoGPクラスは,M.シモンチェリ,V.ロッシ,A.ドビツィオーゾの順でトップタイムでした。Moto2クラスの1〜3番手タイムは,それぞれS.ブラドル,K.ソフォーグル,S.コルシ,125ccクラスの1〜3番手タイムが,それぞれJ.フォルガー,S.コルテセ,M.ビニャーレスでした。MotoGPクラスの青山博一は12番手,その青山の代役としてサンカルロ・ホンダ・グレシーニから参戦する秋吉耕祐が16番手,Moto2クラスの高橋裕紀は4番手でした。
2011/6/23(木)
☆来季に向け(MotoGP)
○今日から第7戦ダッチTTが開幕しますが,ドゥカティのV.ロッシは,新たなマシンを投入することになります。今大会から使用することになるニューマシンは,デスモセディチGP11.1と名付けられたものです。来シーズンからのMotoGPクラスは,1000ccエンジンを搭載した新たなマシンで争われることになります。その新型マシンの開発を既に各社が着手していて,ドゥカティやホンダについては,既にそのテスト走行の様子を伝えています。今回投入することになったGP11.1は,ドゥカティの来季型マシンであるGP12のシャーシに現在使用している800ccエンジンを搭載したものです。また,トランスミッションに関しては,2010年からデザインが始められている"DST"(ドゥカティ・シームレス・トランスミッション)という新型ギアボックスも搭載されています。今回から新型マシンを使用するのはロッシだけで,チームメイトのN.ヘイデンについては,レギュレーションで年間を等して使用制限があるエンジンのローテーションの関係から,彼にとって母国GPとなる第10戦アメリカGPからの投入が予定されているようです。今シーズンのドゥカティ勢は,実質的なライバルであるホンダやヤマハと比べるとチャンピオン争いから大きく後れをとっていて,現実的には今季のチャンピオン獲得は不可能ともいえる状態となっています。今季に関しては残念な状態ではあるものの,来季というものを視野に入れて考えれば,その状態がかえって新型マシン開発に力を入れやすくなっているのかもしれません。
2011/6/22(水)
☆規則変更(F1)
○FIAから各チームに通達があり,今週末に行われるヨーロッパGPから,予選と決勝の間にエンジンマッピングの変更を行うことを禁止することになりました。来月に行われるイギリスGPからオフスロットル時のブロウン・ディフューザーの使用が禁止されることになっていますが,今回の措置は,その実施に向けてのものという側面もあるようです。現在の予選では,予選専用の極端なエンジンマップを使用していることが予想されていて,このマッピングによって予選でエキゾーストブローを多くしているのではないかと見られています。現在圧倒的な速さと強さでコンストラクターランクのトップをいっているレッドブルが,予選では圧倒的な速さを見せるのに対して,決勝では他との差が縮まるという傾向にありますが,これは,予選で1周のパフォーマンスを上げるための極端なエンジンマップを使用しているからではないかという見方があるのも事実です。今後予選と決勝との間でマッピングを変更する機会がなくなると思われますが,全くその機会がないわけではありません。決勝レースでピットインした際,マシンとノートパソコンを接続して変更するということは十分に可能です。ただ,今年から燃料補給が禁止されていて,ピット作業はタイヤ交換だけのため,5秒程度で済んでいます。その短時間の中でマッピングの変更をするのは不可能ですから,技術的には変更が可能でも,現実的には変更のアドバンテージが得られません。ヨーロッパGPとイギリスGPで導入される今回のレギュレーション変更は,どのチームにも影響するものですが,中でもレッドブルにどのような影響を与えるのかが大きな注目点といえるでしょう。
2011/6/21(火)
☆代役(MotoGP)
○M.シモンチェリとの接触により転倒を喫し,右鎖骨骨折で戦線を離脱しているレプソル・ホンダのD.ペドロサに関して,ホンダから新たな発表がありました。できるだけ早期の復帰を目指しているペドロサは,その一環として16日に2度目の手術を受けました。その後もリハビリに励んでいますが,今週末に行われる第7戦アッセンTT(オランダGP)での復帰は,できるだけいい状態になってから復帰したいということもあって,かなり厳しい状況となっています。ペドロサが欠場しているここ2戦は,本来3台体制をとっているレプソル・ホンダながら,C.ストーナーとA.ドビツィオーゾの2台体制でレースに臨みました。しかし,今回に関しては3台体制に戻すということから,ペドロサが欠場した場合に代役を立てることになりました。そして,その代役に指名されたのが,サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一です。普段はサテライト仕様のRC212Vを駆っている青山(チームメイトのシモンチェリはワークス仕様のマシンを使用)にとって初となるワークスマシンとなります。青山がレプソル・ホンダでレースするため,サンカルロ・ホンダ・グレシーニで青山が駆っているマシンが空くことになりますが,HRCのテストライダーを務める秋吉耕祐がそのマシンを駆ることになります。青山の代役として秋吉が参戦するのは,昨シーズン脊椎骨折により青山が欠場した際,インターウェッテン・ホンダから出場して以来となります。なお,ペドロサの復帰時期は,来週モンツァで行われる第8戦イタリアGPからとなる可能性が高くなっています。
2011/6/20(月)
☆初優勝(SGT)
○第3戦の決勝レースが,気温34度,路面温度43度というかなり蒸し暑いコンディションの中,マレーシアのセパン・サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした木暮卓史&L.デュバル組のウィダー HSV-010がオープニングラップからトップに立ちました。2番手でスタートした柳田真孝&R.クインタレッリ組のS Road MOLA GT-Rもそれに続きましたが,木暮組は徐々にその差を広げていきました。ピットストップでの作業も木暮組が速く,最後は14秒以上の差をつけて同チームが今季初優勝を飾りました。3番グリッドからスタートした金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010もそのポジションを守り抜き,3位でチェッカーを受けて2戦連続表彰台を獲得しました。第1戦の勝者である松田次生&J−P.デ.オリベイラ組のカルソニック IMPUL GT-Rと,第2戦の勝者である本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rは,それぞれ15位と14位に終わり,ノーポイントとなってしまいました。
GT300クラスは,終盤に入ってポールからスタートした谷口信輝&番場琢組の初音ミク グッドスマイル BMWと,2番グリッドからスタートした田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458との間で激しいトップ争いが展開されていきました。田中組は必死に谷口組を追いかけましたが,「直線番長」であるBMW Z4を抜くまでには至らず,初音ミク側がトップでチェッカーを受けました。この勝利は,グッドスマイルレーシングにとって初の勝利となります。最後尾からスタートした高橋一穂&加藤寛規組のEVANGELION RT TEST-01 IM・JIHAN Shidenが,驚異的な追い上げを見せて3位につけていました。ところが,ドアが開いてしまうというトラブルが発生したために後退し,3番グリッドからスタートした山岸大&山内英輝組のPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリが3位表彰台を獲得しています。
2011/6/19(日)
☆ようやく(SGT)
○第3戦の予選が,マレーシアにあるセパン・サーキットで行われました。まずGT500クラスですが,昨年のチャンピオンである小暮卓史&L..デュバル組のウイダー HSV-010は,今シーズンなかなか波に乗れずにいい結果が残せないシーズンを送ってきていました。連覇するためには,そろそろ結果を残さなければならないところですが,そうしたいわゆる背水の陣が功を奏したのか,唯一1分55秒台となる他を寄せ付けない走りを展開し,見事今シーズン初となるポールを獲得し,3戦目にしてようやくチャンピオンチームらしいリザルトを残しました。2番手タイムをマークしたのは,今シーズンからこのクラスにステップアップしてきた柳田真孝&R.クインタレッリ組のS-Road MOLA GT-Rでした。彼らの使用するミシュランタイヤは,高温になると強さを発揮するだけに,灼熱の国であるマレーシアは結果が残せる場所でもあります。予選に入ってその下馬評通りのリザルトを出していたのですが,最終的にグリッドを決めるスーパーラップが行われたのが夕方に入ってからで,若干路面温度が下がっていました。ポールを獲得できなかったのは,もしかしたらこのことが影響していたのかもしれません。3番グリッドを獲得したのは,金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010でした。
GT300クラスは,「直線番長」と自認するほどストレート区間で速さを見せる谷口信輝&番場琢組の初音ミク グッドスマイル BMWが,スーパーラップでは全周にわたって速さを見せ,唯一の1分8秒台をマークして初ポールを獲得しました。スーパーラップ前に行われた予選でトップタイムだった井入宏之&関口雄飛組のJLOC ランボルギーニ RG-3は,最終的にグリッドを決めるスーパーラップでは2番手タイムで終了しています。山岸大&山内英輝組のPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリが,3番手タイムをマークしています。
2011/6/18(土)
☆技術提携(F1)
○今シーズンのレギュレーションの目玉が,復活したKERSと新たに導入されたDRSです。ブレーキをかけた際に生じるエネルギーを電気エネルギーに変え,それを蓄えておいて,加速時等に一時的にパワーアップができるというのがKERSです。そのKERSについては,全てのチームが今シーズン搭載できているわけではなく,いくつかのチームは非搭載となっています。その中の一つが,久々の名称復活と,その名称を巡って争いが生じたことが話題となったチーム・ロータスです。そのチーム・ロータスから発表があり,電気を始め,航空機エンジン,プラスチック,金融などかなりの分野を手がけている世界的大企業の一つであるGE(General Electric)とスポンサー契約が先日成立しました。そして,イギリスGPから同チームの今季型マシンであるT128にこのGEのロゴがつくことになります。今回の契約には,スポンサー契約だけでなく,技術契約も含まれています。この技術契約は,同チームにとって大きなものとなりそうです。チーム代表であるT.フェルナンデスがインタビューに答えたところによると,GE社の進んだ技術を導入して,来シーズンから同チームの懸念材料であるKERSを搭載することになるとのことです。
2011/6/17(金)
☆エントリーリスト(MotoGP)
○現在は800ccエンジンを使用しているMotoGPクラスですが,そのマシンは今シーズン限りで,来シーズンから1000ccの新型マシンでのレースとなります。こうした変革の目的の一つが,参戦チーム数の増加で,既に来シーズンからの新規参入チームの受付を行っていました。そのエントリーへの応募は参戦可能枠を超えていたようで,FIM(国際モーターサイクリズム連盟)とIRTA(国際レーシングチーム連盟)とで審査を行い,現在Moto2クラスに参戦している6チームのエントリーを発表しました。その6チームとは,以下のチームです。
◇バイ・ケオロセノ・レーシングBy Queroseno Racing (BQR)
◇フォワード・レーシング Forward Racing
◇キーファー・レーシング Kiefer Racing
◇マーク・VDS・レーシング Marc VDS Racing
◇パドックGP・レーシング Paddock GP Racing (Interwetten)
◇スピード・マスター Speed Master
なお,いずれのチームもライダー1人のみエントリーが可能となっていて,最終的な計画書の提出が要求されます。そして,さらなる審査の後,参戦が許可されるかどうか最終的な判断がなされることになります。
2011/6/16(木)
☆契約延長(F1)
○フェラーリから,フィリップモリス・インターナショナルとの契約を2015年末まで延長したことを,14日に発表がありました。フィリップモリス社は,“マールボロ”のブランドでフェラーリのタイトルスポンサーを務めていて,2005年に結ばれた現在の契約は,今年で期限が切れることになっていました。フェラーリとマールボロの関係は1984年から続いてきていますが,世界的なたばこ広告禁止の動きを受け,6年前にF1でタバコ会社のスポンサーが禁止されていました。それ以降,フェラーリはマールボロのロゴを貼ることができなくなっていました。昨年途中まではマールボロをイメージさせるようなバーコードを使用していましたが,それがサブリミナル広告であるとの指摘を受けたため,それさえもできない状況となっていました。とはいえ,同チームの正式名称は,『スクーデリア・フェラーリ・マールボロ』です。また,特定の領域ではマールボロの広告を見ることができているようですし,フェラーリのF1マシンの画像やそれに関連するタバコのパッケージングもあるようですので,たばこメーカーがスポンサーを続ける価値は,今でも存在しているようです。
2011/6/15(水)
☆移籍話(F1)
○カナダGP開催中の土曜日に,マクラーレンのL.ハミルトンがレッドブルのオフィスを訪れ,15分間にわたってチーム代表であるC.ホーナーと会談がもたれたという報道がなされています。ジュニアの時代からマクラーレンの支援を受け,F1にデビューしてからもずっと同チームに所属してきたハミルトンですが,現段階では来シーズンでその契約が切れます。2008年にそのハミルトンがチャンピオンを獲得して以来,4強の中の一つであることには変わりはないものの,それ以来チャンピオンシップ獲得から遠ざかっています。今シーズンに関しては,カナダGPでノーポイントに終わったことから,現段階のポイントリーダーであるレッドブルのS.ベッテルと76ポイント差まで拡大してしまっています。今シーズンは何人かのドライバーと接触事故を起こしたりしているハミルトンですが,これは単に彼がアグレッシブなドライバーだからというだけでなく,レッドブルと比べてマシンのポテンシャルが不足していることから,それを補うためにかなり無理をしていることがあるのではないかという見方もあります。このような状況ですから,ハミルトンがマクラーレンの今の競争力に不満をつのらせていても何ら不思議はありません。レッドブル側の発表によれば,今回のことは単に挨拶程度のものとしていますが,それもまたまるごと信頼できる話ではありません。マクラーレンとの契約を継続しない場合,移籍先としてはフェラーリかレッドブルしか考えられません。フェラーリについては,既にF.アロンソとの間で長期契約が成立しています。そのアロンソとハミルトンは,かつてマクラーレンで同僚となりましたが,両者の関係は全くうまくいかず,チームとの対立もあってわずか1年でアロンソは離脱するということがありましたので,ハミルトンのフェラーリ移籍は,現実問題としてまずあり得ないと言えます。そうなると選択肢はレッドブルしかなく,ベッテルとの契約はあっても,M.ウェーバーがずっとレッドブルに残留する可能性はかなり低いとみられていますので,2013年シーズンから所属するようになる流れが生まれる可能性は高いと言えます。果たしてどのような進展を遂げるのか,1年以上目が離せませんね。
2011/6/14(火)
☆お馴染みの(ルマン24)
○世界3大レースの一つである『ルマン24時間耐久レース』の決勝が,11日から12日にかけて行われました。今年のレースも,当然のようにトラブルやアクシデントが発生したり,レース途中で雨が降ったりといった波乱の展開となりました。そのような中,24時間戦いながらも同一周回での争いが展開されていったのは,ここ数年当たり前のようになっているアウディとプジョーによるものでした。残り30分というところでも,何と差は6秒という接近戦が展開されていったのです。そのような僅差の争いの中,トップを堅守して走行を続けたのが,日本国内で行われているFNやSGTでも活躍をしてお馴染みのドライバーがいるアウディでした。最後のスティントでステアリングを託されたのが,FNの開幕戦を制しているA.ロッテラーでした。6秒まで縮まった差を最終盤に入って徐々に広げ始め,10秒を優に超える差まで広げていきました。そして,ロッテラーは最後までトップの座を守りきり,M.ファスラー,そしてお馴染みのロッテラー&B.トレルイエの3人が駆ったアウディR18 TDIの2号車が今年のルマンを制しました。2位にはS.ブルデー&S.ペジナウ&P.ラミー組のプジョーの9号車が,3位にはS.サラザン&F.モンタニー&N.ミナシアンのプジョー7号車が入りました。4位にもプジョーが入っていて,優勝はアウディに譲ったものの,プジョーは2〜4位を独占しています。
LMP2でクラス優勝を果たしたのが,K.オジェ&T.キンバー-スミス&O.ロンバード組のザイテック・ニッサンでした。このマシンには,SGTでニッサンが使用しているVK45DEエンジンが搭載されていて,そのエンジンがデビュー戦で見事に勝利を収めました。日本人ドライバーとして唯一参戦した元F1ドライバーの中野信治は,J.シュローズ&N.デ.クレムと組んでペスカローロ・ジャッドBMWをドライブし,ファイナルラップにリヤサスペンションが折れるというトラブルに見舞われながらも,LMP2クラス5位,総合14位で見事完走を果たしています。
2011/6/13(月)
☆完勝(MotoGP)
○第6戦イギリスGPの決勝レースが,ウェットコンディションのシルバーストーン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,フリー走行から予選までの全てのセッションでトップタイムをマークしてきたレプソル・ホンダのC.ストーナーが,決勝レースでも他のライダーを寄せ付けず,2周目にトップに立つと独走態勢を築いていき,全セッションを制するという完勝で3連勝を達成しました。2位には,チームメイトのA.ドビツィオーゾが入り,第4戦フランスGP以来となる表彰台を獲得しました。この時の勝者が今回と同じくストーナーで,この時以来のレプソル・ホンダ勢によるワンツーフィニッシュとなります。そして,3位表彰台を獲得したのは,先週行われた前戦で転倒を喫し,鎖骨骨折という重傷を負いながら今大会に参戦してきたモンスター・テック3のC.エドワーズでした。骨折からわずか9日間しか経ってなく,かなりの痛みがあるのではないかと思われる中での3位表彰台獲得なのではないかと思われます。エドワーズの表彰台獲得は,2009年6月に行われた第10戦イギリスGP以来2年ぶりとなります。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,昨シーズンのこのレースで転倒を喫し,脊椎骨折という重傷を負って長期離脱を余儀なくされたという因縁のあるこの大会でしたが,11番グリッドからスタートして9位でチェッカーを受け,今季4回目となるシングルフィニッシュを達成しています。なお,今大会に入るまでランクトップに立っていたヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが,2位争いを展開する中の9周目に転倒リタイアに終わったため,優勝したストーナーが開幕戦以来となるランクトップに立っています。
Moto2クラスは,ランクトップをいくカレックスのS.ブラドルが,3番グリッドからスタートしてトップに立つと,安定した走りを展開して後続との差を広げていき,2位に7秒以上の大差をつけて独走で連勝を達成し,今季4勝目を挙げました。2位には,今大会が母国GPとなるテック3のB.スミスが,何と28番グリッドからスタートしてどんどんポジションアップを果たしていき,最終的に2位でチェッカーを受けてこのクラス初表彰台を獲得しました。6番グリッドからスタートしたモリワキのM.ピロが3位に入り,こちらも自身初となる表彰台を獲得しています。12番グリッドからスタートしたモリワキの高橋裕紀は,オープニングラップで一旦19位にポジションダウンをしましたが,徐々にポジションを回復していき,最終的に7位でチェッカーを受けています。A.イアンノーネやJ.シモン(こちらは怪我により今回欠場)がノーポイントに終わっているため,高橋がランク3位に浮上しています。
125ccクラスは,8番グリッドからスタートしたアプリリアのJ.フォルガーが,オープニングラップを制してトップに立つと,安定したラップを刻みながら後続との差を広げていき,通算43戦目にして自身初となる勝利を収めました。予選で3番手タイムをマークし,自身初となるフロントローからスタートしたデルビのJ.ザルコは2位でチェッカーを受け,自身最高位を獲得しています。今季久々に軽量級クラスに復帰してきたアプリリアのH.ファウベルは,ここまでなかなか表彰台を獲得するところまでいきませんでしたが,今回3位でチェッカーを受けて復帰後初となる表彰台を獲得しています。
☆逆転(F1)
○第7戦カナダGPの決勝レースが,ジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。この日のモントリオール地方は雨が降ったり止んだりといった天候で,これがレースに大きな影響を与えました。レース開始時は雨が止んでいたものの,ウェットタイヤでの走行で始まりました。徐々にコースコンディションが回復していき,インターミディエイトタイヤに交換するドライバーが出るようになりました。ところが,中盤に入る頃雨が激しくなり,セーフティーカー導入状態から赤旗中断へと発展しました。2時間を超える中断の後に再開となり,以後は徐々にコースコンディションも回復していきました。天候の変化やアクシデントによるセーフティーカー導入,そして中断など大荒れのレース展開となる中,ファイナルラップ前までトップに立っていたのは,ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルでした。しかし,レース中ペナルティーなどを受けながら徐々にポジションアップを果たしていったマクラーレンのJ.バトンが背後に迫ってきました。そして,ファイナルラップのターン7でベッテルがハーフスピンを喫し,バトンがトップに浮上して,昨シーズンの中国GP以来となる勝利を収めました。2,3位には,それぞれベッテルとM.ウェーバーが入り,レッドブル勢が表彰台の2つを占めました。ザウバーの小林可夢偉は,いつものようにピットインの回数を少なくするという作戦を採り,一時2位を走行するということもありました。しかし,徐々にポジションを下げていき,ファイナルラップの最終シケインまではフェラーリのF.マッサを押さえていたものの,最後のストレートでDRSを使われてしまい,ほんのわずかな差で順位を下げて7位でチェッカーを受けています。
2011/6/12(日)
☆連続(MotoGP)
○2週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目となる第6戦イギリスGPの予選が,シルバーストーン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,前戦の勝者であるレプソル・ホンダのC.ストーナーが,その好調な走りをここでも発揮し,予選までに行われた3度のフリー走行でトップタイムをマークしました。そして,予選でもその走りは継続し,2戦ぶり今季4度目のポールを獲得しました。3度のフリー走行で2番手タイムだった前戦のポールシッターであるサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリは,予選でも2番手タイムをマークし,4戦連続してフロントローを獲得しています。ヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが3番手タイムをマークし,2戦連続5度目となる1列目を確保しています。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,トップからおよそ2秒9遅れの11番手タイムをマークしました。
Moto2クラスは,昨年の125ccクラスチャンピオンで,今シーズンからMoto2クラスにステップアップしているシューターのM.マルケスが,このクラス自身初となるポールを獲得しました。昨シーズンこのサーキットでポールトゥーフィニッシュを達成しているだけに,相性のいいサーキットなのかもしれません。今大会が母国GPとなるシューターのマシンを駆るS.レディングが2番手タイムをマークし,今日行われる決勝では今シーズン自己最高位からのスタートを切ることになりました。今季ここまでずっとポールを獲得し続けてきたカレックスのS.ブラドルは,6戦連続ポールを獲得するところまでには至らず,3番手タイムで予選を終えています。前戦で前を走るマシンの転倒に巻き込まれてしまいノーポイントレースに終わっているモリワキの高橋裕紀は,今回はフリー走行から上位に顔を出すことができず,予選を12番手で終えています。これは,今季自身ワーストグリッドとなります。
125ccクラスは,ルマンで史上3番目の最年少優勝,前戦のカタルニアで史上3番目の連続表彰台を獲得したアプリリアのM.ビニャーレスが,6戦目にして初のポールを獲得しました。ここまで圧倒的な速さを見せてランクトップをいくアプリリアのN.テロルは,トップから1000分の36秒遅れで2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,デルビのマシンを駆るJ.ザルコが獲得し,自身初となるフロントローからのスタートとなります。
☆今回も(F1)
○第7戦カナダGPの予選が,モントリオールにあるジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。このサーキットは日頃公園の周遊路として使用されていて,路面の汚れとコース脇に迫るウオールが特徴となっています。そのこともあって,初日にはザウバーの小林可夢偉がクラッシュして赤旗を出すという事態も起きています。その予選で速さを見せたのは,ここまでランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルでした。6戦中5回のポールを獲得してきているベッテルは,今回も定位置ともいえるポールの座を獲得し,ポールからのスタートとなりました。また,レッドブル勢による今シーズンの連続ポール獲得は,今回も継続したことになります。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれF.アロンソとF.マッサのフェラーリ勢でした。冒頭でも記したように初日にクラッシュを喫している小林可夢偉は,Q2で敗退となり,13番グリッドからのスタートとなります。
2011/6/11(土)
☆開催断念(F1)
○当初は今シーズンの開幕戦に予定されていたものの,国内の政情不安から開催が延期となったバーレーンGPに関して,最終決定がなされました。開催が中止となっていたバーレーンGPでしたが,先日FIAから発表があり,政情が安定したという判断を受けてインドGPの開催が予定されていた10月30日に開催することになっていました。それに伴って,インドGPは12月に最終戦として開催されることになっていました。FIA側は開催を決定したものの,チーム側やドライバー側からは強い開催反対の動きがありました。ドライバーからは,政情が安定したという判断は間違っているのではないかということ,チームからは,最終戦が12月になると来季に向けての活動に支障が出てくることなどがその大きな理由でした。バーレーンGPの主催団体はこうした声を受けて,今シーズンのF1を主催する計画を断念しました。これにより,最終戦に回されることになっていたインドGPは,当初の予定通り10月末に開催されることになりました。また,来シーズンのレースカレンダーに開幕戦として組み込まれている同GPですが,これについても今後見直しがされることも予想されます。
☆出場断念(F1)
○昨日からカナダGPが開幕しましたが,ザウバーから発表があり,セカンドドライバーのS.ペレスの代役としてP.デ.ラ.ロサを起用することになりました。前戦であるモナコGPの予選で激しいクラッシュを喫したペレスは,救出後すぐに病院に搬送され,脳しんとうと太腿の捻挫と診断され,その後2日間にわたって入院生活を送りました。退院してからはいくつかのメディカルチェックを受け,カナダGPへの出場が認められていました。初日は午前と午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われますが,午前中に行われた1回目のフリー走行には出走したペレスでしたが,セッション終了後に体調不良を訴える事態となってしまいました。これを受けて,チーム側は急遽昨シーズン同チームから参戦していたデ.ラ.ロサを代役として起用することを決定しました。昨シーズンは残り5戦というところでN.ハイドフェルドにシートを譲る形となったデ.ラ.ロサは,今シーズン以前に長く所属していたマクラーレンのテストドライバーのシートに再び座っています。ペレスのリタイアを受けてザウバーは,マクラーレン側にも依頼をして今回の代役参戦となりました。
2011/6/10(金)
☆欠場&出場(MotoGP)
○レプソル・ホンダのD.ペドロサは,フランスGPにおいてサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリとの接触により右の鎖骨を骨折し,先週末に行われた母国GPであるカタルニアGPを欠場しました。そのカタルニアGPでは,フリー走行の1回目にモンスター・テック3のC.エドワーズが転倒を喫し,ペドロサと同様に右の鎖骨を骨折する重傷を負ってしまいました。サマーブレイクを前にして,8週間で6戦が行われるというハードスケジュールとなる時期だけに,怪我を負ったライダーにとっては参戦という面でも厳しい状況となっています。2週連続開催ですので,今日からはイギリスGPが開幕します。そのイギリスGPに関して,同じような場所の怪我を負ったライダー2人の対応が違ったものになっています。先に骨折していたペドロサは,カタルニアGP終了後に発表を行い,まだ怪我の回復具合が走行には十分でないため,イギリスGPも欠場を決断しています。それに対して,骨折したばかりのエドワーズについては,怪我を負った翌日に1枚のプレートを7本のボルトで固定するという手術が行われ,現段階では出場する方向で調整が行われているようです。ただし,現実的にはペドロサと同じく走行には厳しい状況が充分に考えられますので,初日の走行次第では,途中で参加をとりやめるということもあり得るのではないでしょうか。
2011/6/9(木)
☆16年ぶり(8耐)
○東京・赤坂のTBSにおいて,島田紳助率いるチーム・シンスケの鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦発表会が行われました。チーム・シンスケといえば,かつて1986年から10年にわたって鈴鹿8耐に出場し,テレビなどで常に取り上げられていました。今年の大会へは,1995年以来16年ぶりの出場となります。今回の参戦は,現在TBSで放送されている『紳助社長のプロデュース大作戦』という人気番組の中で,今夏の取り組みの目玉としてのものです。島田紳助が8耐への参戦を辞める際,必ず復活することを宣言していました。しかし,その宣言が実現することなく16年という長い歳月が流れていました。そのことがずっと頭の中にあった紳助に復活を決断させたきっかけは,3月11日に起きた東日本大震災でした。今回のプロジェクトで第1ライダーを務めるのは,JRRにおいてGP−MONOクラスなどで活躍したライダーである中木亮輔です。2009年まではJRRに参戦し,2010年はアジアンカップに参戦した経歴があります。しかし,現在のような厳しい状況もあって,昨シーズンをもって引退をしていました。宮城県出身の彼は被災者の中の一人で,被災者に元気を届けたいと願っていた島田紳助に知人を介して紹介されたのが今回のプロジェクトのきっかけでした。紳助に会った際,中木はライダーとしての大きな夢である鈴鹿8耐への参戦を希望していることを伝え,それを受けた紳助がプロジェクトを進めていった経緯があるようです。今回のプロジェクトの内容ですが,使用するマシンは,ホンダのCBR1000RRで,ゼッケンは27になります。ライダーについては,第1ライダーの中木に加え,第2ライダーが津田一磨,第3ライダーが鈴木慎吾となります。チーム監督が紳助で,チーム代表には,かつてチーム・シンスケでずっとライダーを務めていた千石清一が就任しています。チームクルーには,番組の中で「社員」として出演している中から,陣内智則,はるな愛,山田親太朗,ヨンア,にしおかすみこ,波田陽区,そして新撰組リアンの関義哉と森公平,渡辺正行,サンドウィッチマンの伊達みきお,富澤たけしが参加します。サンドウィッチマンの伊達と富澤に関しては,宮城県出身ということもあって特に大きな仕事を任されていて,何とメカニックとして働くことになっています。もちろん彼らにとっては初めての経験ですから,2ヶ月という短期間の中でメカニックとして活動できるようになる必要があります。チームとしての目標は,15位以内という結構高いものとなっています。被災者の一人である伊藤真一がTSRから秋吉耕祐と組んで出場し,優勝争いがどうなるかという注目点が当然ありますが,今回のプロジェクトにより,それ以降の争いについても大きな目玉ができたことになりますね。なお,今年の鈴鹿8耐は,7月31日(日)に決勝レースが行われ,節電のため例年より1時間早い10時30分にスタートし,ゴールが6時30分となります。
2011/6/8(水)
☆復活(WRC)
○FIAは,3日に来シーズンのレースカレンダーを発表しました。それによると,2008年以来レースカレンダーから外れていたラリー・モンテカルロが,来シーズンは開幕戦として久々に登場することになりました。それに対して,今シーズンはカレンダーの中に含まれていたヨルダン・ラリーが外れることになっています。また,開催の噂があったアブダビについては,カレンダーの中に含まれませんでした。なお,具体的なカレンダーは,以下のようになっています。
2012年 WRCレースカレンダー(暫定)
開催日 開催国 大会名
第1戦  1月22日 モナコ ラリー・モンテカルロ
第2戦  2月12日 スウェーデン ラリー・スウェーデン
第3戦  3月11日 メキシコ ラリー・メキシコ
第4戦  4月 1日 ポルトガル ボーダフォン・ラリー・ポルトガル
第5戦  4月29日 アルゼンチン ラリー・アルゼンティーナ
第6戦  5月27日 ギリシャ アクロポリス・ラリー・オブ・グリース
第7戦  6月24日 ニュージーランド ラリー・ニュージーランド
第8戦  8月 5日 フィンランド ネステオイル・ラリー・フィンランド
第9戦  8月26日 ドイツ ADACラリー・ドイチェランド
第10戦  9月16日 イギリス ウェールズ・ラリーGB
第11戦 10月 7日 フランス ラリー・ド・フランス
第12戦 10月 ?日 イタリア ラリー・ド・イタリア
第13戦 11月 4日 スペイン RACCラリー・デ・エスパーニャ
2011/6/7(火)
☆許可(F1)
○今週末はカナダGPが開催されますが,その会場となるジル・ビルヌーブ・サーキットは,たばこ広告がかなり厳しいケベック州にあります。そのため,以前からたばこ関連メーカーがスポンサーについているチームのカラーリングは,カナダだけ違うものが使用されるというシーンが見られていました。現在のF1は,世界的にたばこ広告禁止の方向があるため,そのたばこ関連メーカーのスポンサーは姿を消してきています。ただ,ルノーに関しては,グループ・ロータスとタイトルスポンサー契約を結んでロータス・ルノーGPというチーム名で活動していますが,1970年〜80年代にロータスが使用していたタバコブランドのジョン・プレイヤー・スペシャルのカラーを連想させるブラック&ゴールドのカラーリング(オールドファンには"JPS"のロゴが懐かしいのではないでしょうか)を採用しています。ただ,あくまで以前のカラーリングを採用しているだけで,JPSとは全く関係していません。とはいえ,このカラーリングはタバコを連想させるとして,タバコ広告を厳しく禁止しているケベックで使用できるのかどうか懸念されていたのも事実です。この点に関して,チーム代表のE.ブーリエは,関係機関と話し合った結果,今年のレースでは使用を許可されたと発表しました。これは,やはりロータス・ルノーGPがJPSから直接的にも間接的にも資金提供を受けていないという事実を受け入れてくれたためのようです。ただし,この決定は今シーズンに関してのものですから,今後については不透明な部分が残されています。このため,ブーリエによると,来シーズンのカナダGPに関しては,カラーリングの変更が行われる可能性があることも表明しています。
2011/6/6(月)
☆初優勝 PARTT(JRR)
○第2戦のレース2の決勝が,ウェットコンディションの中オートポリスで行われました。15番グリッドからスタートしたホンダの亀谷長純が,他のマシンとは全く違うペースで走行していき,2周目に早くも5番手に浮上。5周目にはトップグループに加わると,6周目にはトップに立ちました。その後も亀谷の速さに衰えはなく,独走でトップチェッカーを受けました。今シーズンは,当初いつものように桜井ホンダからJSB1000クラスにフル参戦する予定でしたが,現在の経済状況もあって桜井ホンダがフル参戦するのが難しい状況となってしまいました。亀谷はフル参戦できる状況を模索し,結局バーニングブラッドに移籍し,ST600クラスにフル参戦することになっていました。そして,参戦2戦目にして早くもこのクラスで初優勝を飾りました。2位には,昨年のチャンピオンで,前日に行われたレース1を独走で制しているホンダの山口辰也が入りました。そして,3位でチェッカーを受けたのは,ヤマハの横江竜司でした。なお,前日のレース1で14年ぶりにJRRで表彰台を獲得したカワサキの藤原克明ですが,2位争いを展開していたものの,残念ながらマシントラブルが発生してリタイアに終わっています。
☆初優勝 PARTU(FN)
○第2戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。この日のオートポリスは,朝から雨に見舞われて完全ウェットとなっていました。しかし,時折天候が回復していき,雨が降ったり止んだりという状況となりました。しかし,決勝レースが始まる頃に再び雨が降り,全車ウェットタイヤでのスタートとなりました。今回の大会は,タイヤ交換と燃料補給を同時にしてはならず,もし両方の作業をしようとすれば最低でも2回のピットインが必要(タイヤ交換義務はありますので,最低1回のピットインは必須となります。)となります。各ドライバーがどのような作戦で行くのか,それが勝敗に大きく影響するであろうことは容易に想像できました。こうした時に強さを見せるのが,元F1ドライバーでPETRONAS TOM'Sからフル参戦している中嶋一貴です。開幕戦では,後方からのスタートにもかかわらず,誰よりも早くタイヤ交換義務をすませ,後半になってほとんどのドライバーがタイヤの摩耗に苦しむ中,いち早くタイヤ交換をしたにもかかわらず,あまりペースを落とすことなく走行を続け,3位表彰台を獲得していました。F1では,速いペースを維持しながらも,タイヤや燃料の消耗をうまく調整していきながら走行を続ける能力が求められますから,そこで中嶋は鍛えられていました。今回のレースでも,中嶋は開幕戦と同様に予選はQ1で敗退していました。13番グリッドからスタートした中嶋は,開幕戦と同様に早い段階でピットインをすませ,タイヤ交換義務を果たしました。他のドライバーも4周までにはタイヤ交換をすませ,5周目にはほぼ落ち着いた状況となりました。この段階でトップに立っていたのは,Team LeMansの大嶋和也で,中嶋が2位につけていました。レース中盤になると,燃料補給をするドライバーと無給油でいくドライバーとに分かれる状況となりました。大嶋と中嶋は無給油作戦を採りましたので,トップ争いの座を守りました。大嶋よりも快調なペースで走行する中嶋は,ついに42周目の1コーナーで大嶋のインを突きトップに浮上。その後も安定した速さで走行を続け,何と参戦2戦目にして早くも初優勝を収めました。この勝利により,ランキングでもトップに立っています。2位には大嶋が,そして3位には,自身初めてポールからスタートしたDOCOMO DANDELIONの塚越広大が入っています。
☆連勝(MotoGP)
○第5戦カタルニアGPの決勝レースが,時折雨に見舞われる難しいコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは,予選ではサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリにトップの座を譲ったものの,フリー走行ではトップタイムをマークしていたレプソル・ホンダのC.ストーナーが,いち早くトップに立つと後続との差を広げていき,2位に2秒以上の差をつけてトップチェッカーを受け,2連勝を飾りました。2位と3位には,それぞれヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾとB.スピースが入りました。スピースの表彰台獲得は,昨年のインディアナポリスGPで2位表彰台獲得して以来となります。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,残念ながら4周目に転倒を喫し,今季初となるリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,全戦でポールを獲得しているカレックスのS.ブラドルが,安定した速さを見せて後続との差を広げていき,独走で今季3回目となるポールトゥーフィニッシュを達成しています。2位には,前戦の勝者であるシューターのM.マルケスが入りました。そして,3位には,昨シーズンMotoGPクラスにフル参戦し,今シーズンからMoto2クラスに戦いの場を移しているA.エスパルガロが入りました。予選3番手を獲得していたモリワキの高橋裕紀は,6周目に前を走るT.ルティがハイサイドから転倒を起こしそうになったため接触を回避しようとしたものの,後ろを走行していたテック3のB.スミスと激突したため,ルティと共に転倒リタイヤに終わっています。
125ccクラスは,サイティングラップ後に多くのライダーたちがスターティンググリッド上でレインタイヤからスリックタイヤに履き替え,路面コンディションがウェットからドライへ変わるというとても難しいコンディションの中で行われました。レース中盤になってポールスタートでアプリリアのマシンを駆るN.テロルと4番グリッドからスタートしたデルビのJ.ザルコとの争いとなりました。2人の争いは最終ラップまで続き,ザルコがゴールライン直前でテロルを交わし,一旦はトップでチェッカーを受けました。しかし,これはゴール直前にテロルを押し出してのものだったため,レース後に危険行為だとして20秒加算のペナルティーが科されたため6位扱いとなり,ザルコにとっての初勝利が幻に終わってしまいました。この裁定により,テロルは第3戦ポルトガルGP以来の勝利を収めました。2位には,序盤トップに立っていたアプリリアのM.ビニャーレスが入っています。そして,3位表彰台を獲得したのは,同じくアプリリアのマシンを駆るJ.フォルガーでした。なお,尾野弘樹がシートを喪失したため,この大会からこのクラスは日本人ライダーは誰も参戦していません。
2011/6/5(日)
☆独走(JRR)
○第2戦の予選及び1回目の決勝レースが,オートポリスで行われました。今回は,オートポリスとしては初めての開催となるJRRとFNとの併催となる『2&4』という形で行われています。今回の大会は,ST600クラスのみの開催で,決勝レースは土曜日にレース1が,日曜日にレース2が行われる予定になっています。さて,レース1の決勝レースですが,ホンダのマシンを駆る昨年のチャンピオンの山口辰也とアジアからの参戦者であるヤマハのデチャ・クライサルト,そして地元九州のチームからの参戦となる岡村光矩とが,スタート直後に接触するというアクシデントが発生する中で始まりました。この接触により,山口は4位に順位を下げたものの,4周目にトップに立つと誰も彼に追いすがることができず,独走態勢を築いていって2位に11秒以上の大差をつけて今季最初のレースを制しました。カワサキの藤原克明,ヤマハの中冨伸一,そしてオープニングラップで接触事故に見舞われた岡村との間で激しい2位争いが展開され,藤原が2位,中冨が3位でチェッカーとなりました。13年間にわたって世界で活躍してきた藤原は,今シーズンはアジア選手権にフル参戦しています,3週間前に急遽この大会への参戦が決定して,14年ぶりのJRR参戦となりますが,カワサキのホームコースとなるオートポリスで見事表彰台に上りました。
☆初ポール PARTT(FN)
○JRRとの併催で行われている第2戦の予選が,我が大分県にあるオートポリスで行われました。今回の予選はノックアウト方式で行われ,トップ8のグリッドを決めるQ3でトップタイムをマークしたのは,唯一1分30秒台に入れる走りを見せたDOCOMO DANDELIONの塚越広大でした。塚越のポール獲得は,FNでは自身初となります。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれTeam LeMansの大嶋和也とNAKAJIMA RACINGの木暮卓史でした。開幕戦で3位表彰台を獲得した元F1ドライバーの中嶋一貴は,その開幕戦と同様にQ1で敗退してしまいました。果たして開幕戦のようなポジションアップ劇を再演することができるでしょうか。また兄弟対決として今シーズンの目玉の一つとなっているNAKAJIMA RACINGの中嶋大祐は,Q2で敗退となっています。
☆初ポール PARTU(MotoGP)
○第5戦カタルニアGPの予選が行われ,MotoGPクラスはサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリがポールを獲得しました。昨シーズンからこのクラスにステップアップを果たしたシモンチェリですが,最高峰クラス23戦目で自身初となるポール獲得です。また,彼が所属するのはホンダ系のサテライトチームで,ワークスチームであるレプソル・ホンダ以外のホンダ系ライダーがポールシッターとなるのは,2006年第2戦カタールGPで当時LCRホンダに所属していたC.ストーナーがポールを獲得して以来91戦ぶりとなります。ただし,サテライトチームとはいっても,彼はそのサテライトで唯一ワークスマシンが与えられています。1000分の16秒差で惜しくもポールを逃したのが,ここまでの3度のフリー走行を制していたレプソル・ホンダのストーナーでした。そして,3番グリッドを獲得したのは,昨年のチャンピオンであるヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾでした。ポールシッターであるシモンチェリのチームメイトである青山博一は,11番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。
Moto2クラスは,ここまでカレックスのマシンを駆るS.ブラドルが全戦でポールを獲得してきていますが,そのブラドルが今大会でもポールを獲得しました。この大会が母国GPとなるA.エスパルガロが,ブラドルと同じくカレックスのマシンを駆ってキャリアベストとなる2番グリッドを獲得しています。そして,3番グリッドを獲得したのは,モリワキのマシンを駆る高橋裕紀でした。ここ2戦自身初となる連続表彰台を獲得している高橋ですが,その自己記録をさらに伸ばすのに絶好の位置を獲得しました。
125ccクラスは,惜しくも前戦では勝利を逃したものの,ここまでランクトップをいくアプリリアのN.テロルが,3戦連続シーズン4度目のトップグリッドを獲得しています。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれH.ファウベルとM.ビニャーレスのアプリリア勢が獲得しています。なお,前戦までKTMのマシンを駆って今シーズン参戦してきた尾野弘樹ですが,残念ながら今大会を前にして解雇されるという事態に見舞われてしまいました。完全に型遅れのKTMのマシンに苦労しながらも,チームメイトよりはいい成績を収めてきた小野の方がシートを喪失するという事態となってしまいました。スポンサーの支援を得るのが難しい日本人ライダーの弊害が,ここでも出たような印象でとても残念です。
2011/6/4(土)
☆新クラス(MotoGP)
○来シーズンから,125ccクラスに替って4サイクル250ccエンジンを使用するMoto3クラスが始まります。そのことに関して,昨日から始まった第5戦カタルニアGPの会場で2つの発表がありました。まず一つ目ですが,これまでにも時折写真やウェブサイトなどで公開はされていましたが,来シーズンからデリバリーされる予定のホンダ製Moto3マシンであるNSF250Rの実車をHRCが初披露しました。トリコロールカラーに彩られたこのマシンは,今回のグランプリ中の3日と5日に,元125&500ccチャンピオンで,同国の英雄の一人であるA.クリビーレがでも走行を行う予定になっています。
2つめですが,現在MotoGPクラスはブリヂストン,Moto2クラスはダンロップのワンメークタイヤとなっています。そして,今回Moto3クラスのタイヤに関して発表があり,このクラスもダンロップのワンメークタイヤとなることが決定し,中・軽量級クラスはダンロップが独占することになりました。なお,今回成立した契約ですが,2012年から2014年までの3年間となっています。また,既にタイヤを供給しているMoto2クラスについても,2014年まで契約を延長することも新たに成立しています。
☆欠場(MotoGP)
○現在開催中のカタルニアGPでは,同国を母国とするライダーの一人であるレプソル・ホンダのD.ペドロサが,前戦においてM.シモンチェリとの接触事故により右鎖骨を骨折したことで欠場しています。そのような中,初日の午後に行われたフリー走行2において,モンスター・ヤマハ・テック3のC.エドワーズが転倒を喫し,右鎖骨を骨折する重傷を負ってしまいました。この日は,MotoGPクラスの走行前に行われた125ccクラスの走行の際に小雨がぱらつくということがありました。しかし,MotoGPクラスの走行の際にはほぼドライコンディションとなったため,エドワーズもスリックタイヤで走行していました。そのような中の11周目に5コーナーで転倒を喫してしまい,この度の重傷を負ったのです。MotoGPはこれからタイトなレーススケジュールとなっていくのですが,早期の復帰を目指して今日エドワーズはバルセロナ市内の病院で手術を受ける予定になっています。
☆開催決定(F1)
○今シーズンの開幕戦に予定されていたものの,国内の政情不安から開催が延期となっていたバーレーンGPに関して,新たな発表がありました。開催が今期中に実施されるのか,それともこのまま開催中止となるのか,同国の政情を見ながらの判断となっていました。当初は5月1日にその決定を行う予定になっていたのですが,バーレーン側の要請もあって,その判断を6月3日まで延期することになっていました。さすがにそれ以上延ばすことはできませんので,判断日となる昨日最終決定が行われ,バーレーンGPを今年の10月30日に開催することが決定しました。この日はインドGPの開催が予定されていましたので,自動的に初開催となるインドの開催日がずれることになります。今回の発表では,それがいつになるのかについてのものはありませんでした。予想としては,12月4日か11日に開催されるものとみられていて,もしそうなると1963年以来最も遅い時期に最終戦が行われることになります。ただ,この点については,先日もお伝えしたように,チーム関係者からは反対意見が出されていますので,今回発表できなかったのは,その点が影響しているものと思われます。
☆史上最多(F1)
○FIAから来シーズンのレースカレンダー(暫定)の発表がありました。それによると,来季はアメリカGPが加わったことで,今季より1戦多い,F1史上最多の21戦で開催されることになります。鈴鹿で行われる日本GPは,10月14日に第18戦として開催される予定となっています。来季からの開催が疑問視されているトルコGPですが,カレンダーに含まれてはいるものの,暫定扱いとなっています。 なお,今回発表されたカレンダーは,以下のようになっています。
2012年 F1レースカレンダー(暫定)
決勝日 大 会 名
第1戦  3月11日 バーレーンGP
第2戦  3月18日 オーストラリアGP
第3戦  4月 1日 マレーシアGP
第4戦  4月 8日 中国GP
第5戦  4月22日 韓国GP
第6戦  5月 6日 トルコGP
第7戦  5月20日 スペインGP
第8戦  5月27日 モナコGP
第9戦  6月10日 カナダGP
第10戦  6月17日 アメリカGP
第11戦  7月 1日 ヨーロッパGP(バレンシア)
第12戦  7月15日 イギリスGP
第13戦  7月29日 ドイツGP
第14戦  8月 5日 ハンガリーGP
第15戦  9月 2日 ベルギーGP
第16戦  9月 9日 イタリアGP
第17戦  9月30日 シンガポールGP
第18戦 10月14日 日本GP
第19戦 10月28日 インドGP
第20戦 11月11日 アブダビGP
第21戦 11月25日 ブラジルGP
2011/6/1(水)
☆技術面でも(F1)
○ここまでの6戦中,予選では全戦でトップ,決勝では5勝と圧倒的強さを見せているのが,昨シーズンのチャンピオンであるS.ベッテルが所属するレッドブルです。視覚がないようなチーム状況ではあるものの,唯一とも言える欠点が,今シーズンから再び導入されているKERSです。空力マシンなのがレッドブルの売りですが,その反面でKERSのシステムを搭載するのに十分なスペースがなく,そのことがトラブルにつきまとわれる結果となっています。そのシステム改善に向け,新たなプロジェクトがスタートするのではないかと新たな噂が出てきています。その噂とは,今シーズンからスポンサーとしてレッドブルに関わりを持っている日産が,KERSシステムに関与するのではないかというものです。日産とレッドブルとの関わりは,ニッサンの高級車チャンネルである『インフィニティ』が資金的なスポンサーとなっていて,同社のロゴがマシンの数カ所に見られます。その日産は,市販電気自動車の『リーフ』に見られるように,先進的な自動車における電気技術を持っています。レッドブルは,その日産の技術を活用してKERSの信頼性と出力の改善を図ろうとしているのではないかとみられているのです。これは,単なる噂ではなく,レッドブルはがイギリスのクランフィールドにある日産の技術センターで会議を開いているようですし,日産およびインフィニティのモータースポーツ責任者を務めるS.スプロールも提携を匂わすコメントを出しています。今後,レッドブルは日本の日産の研究開発センターにレースエンジニアを派遣するのではないかと見られています。
     
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