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2011/5/31(火)
☆大逆転(WRC)
○久々にWRCの話題を。既に第6戦を迎えているWRCですが,その第6戦ラリー・アルゼンチンの最終日の走行が行われました。前日まで首位に立っていたのが,シトロエンDS3 WRCを駆るS.オジェでした。そのオジェは,2位につけているフォード・フィエスタRS WRCのM.ヒルボネンには約44秒差,3位につけているシトロエンDS3 WRCのS.ローブに約48秒差をつけていて,通常でいくとほぼ勝利は彼の手中にあると言える状態でした。ところが,ステージ後半になってトップのオジエにまさかの事態が発生してしまいます。コーナーをインカットした際マシンがあおられて転倒し,フロントセクションを中心に大きなダメージを負ってしまったのです。オジェはそのままの状態で走行を続け,ステージが進む毎に大差をつけていたものが徐々に削られていきます。それに対して王者であるローブはその実力を発揮し,オジェに続く2位に浮上していました。最終レグの前には,そのローブとオジェとの差はわずか3秒に縮小。そして,その最終レグをローブは堅実な走りを見せて3位で終了。それに対してオジェは9位で最終レグを終えてしまい,ローブが大逆転でこの大会を制し,今季3勝目を挙げました。2位には,ヒルボネンが入り,ランキング争いでは,ランクトップをいくローブとランク2位のヒルボネンとの差が,今大会前の7から,13へと拡大しました。トップで最終日を迎えていてオジェは,無念の3位でこの大会を終えています。
2011/5/30(月)
☆自己最高位(F1)
○第6戦モナコGPの決勝レースが,モンテカルロ市街地コースでドライコンディションの中行われました。ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,順調なスタートを切ってトップの座を守りました。ところが,1回目,そしてベッテル1ストップ作戦のベッテルとしては最後のピットストップの際,レッドブルとしては珍しく作業にミスがあってストップ時間は7秒近くかかるというタイムロスとなったため,その時点で2位を走行していたマクラーレンのJ.バトンにトップの座を譲りました。しかし,ベッテルと争うバトンやフェラーリのF.アロンソがピットインの回数が多い作戦を採っていたため再びトップの座を奪い返すことができました。そのような中,バトンが33周目に2回目のピットストップを迎えた直後,6コーナーのヘアピンでマクラーレンのL.ハミルトンとフェラーリのF.マッサが絡み,マッサがトンネル内でガードレールにヒットしてその先のシケインでストップするというアクシデントが発生しました。さらに,それとほぼ同じくして今度はメルセデスGPのM.シューマッハーがピットエントリー手前のコース中央に止まってしまい,今季初のセーフティカー(SC)が導入される事態となりました。さらに,レース終盤となる69周目に,A.スーティル,ハミルトン,H.アルグエルスアリ,V.ペトロフが絡む多重クラッシュが発生したため,2回目のSC導入となりました。ペトロフの救出のためしばらくの間レース再開が難しい状況が続いたため,レースコントロールは72周目に赤旗を出してレースを一時中断しました。SC先導によるリスタート後は,赤旗中断の間にタイヤを新品に変えたベッテルが再び勢いを取り戻し,残り5周の間アロンソとバトンを抑えきって激闘の,そして大荒れのレースを制し,6戦目にして早くも5勝目をポールトゥーフィニッシュで達成しました。ピットイン回数が1回少なかったアロンソが2位,多かったバトン3位に入っています。リスタート時に4位につけていたのは,11番グリッド(チームメイトで10番グリッドを獲得していたS.ペレスが欠場したため以後のグリッドが一つ繰り上げ)からスタートしたザウバーの小林可夢偉でした。彼もトップのベッテルと同様,1回ピットストップ作戦を採っていたのです。その可夢偉の後ろにつけるのが,レッドブルのM.ウェーバーでした。残り2周というところまで4位の座を何とか守っていった可夢偉ですが,マシン差には何とも抗しようがなく,トンネル出口のシケインでオーバーテイクを許してしまい5番手に落ちてしまいました。しかし,6番手をいくハミルトン(彼はドライブスルーペナルティーを受けたため順位を下げていました)の追撃は押さえきり,自己最高位となる5位でチェッカーを受けました。この順位というのは,モナコGPにおける日本人ドライバーの最高位となります。
2011/5/29(日)
☆全戦で(F1)
○世界3大レースの一つであるF1モナコGPの予選が,好天に恵まれたモンテカルロ市街地コースで行われました。トップ10のグリッドを決めるQ3では,ここまでランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルが,早めにタイムアタックを敢行してトップタイムをマーク。残りおよそ2分30秒という時点になって,ザウバーのS.ペレスがトンネル出口でマシンコントロールを失い,激しくウォールに激突するという大きなアクシデントが発生してしまい,予選は赤旗中断となりました。ペレスの救出作業が終わってから再び予選セッションが再開されましたが,40分間という長い中断の影響からタイヤを充分に暖めることができなかったこともあって,誰もベッテルのタイムを上回ることができず,ベッテルが今季5度目,そして自身モナコで初となるポールを獲得しました。今回で6戦目となりますが,ここまでのところレッドブル勢が全戦でポールを獲得したことになります。2番グリッドを獲得したのは,今大会で日本に向けてのスペシャルカラーを施されたヘルメットを使用しているマクラーレンのJ.バトンが獲得しました。ホンダとの長い関係が縁で日本とのつながりが深いバトンですが,今季常に日本に向けてのメッセージを出し続けてくれているバトンには本当に感謝です。3番グリッドは,ベッテルのチームメイトで,前戦のポールシッターであるM.ウェーバーが獲得しています。予選終了直後は7番グリッドを獲得していたマクラーレンのL.ハミルトンでしたが,そのタイムを出した時にシケインをショートカットしていたためにタイム抹消となり,Q3はノータイムとなりました。ただし,ペレスがクラッシュによりQ3で1周もできなかったことから,ハミルトンは9番グリッドとなりました。その激しいクラッシュに見舞われたペレスですが,幸いなことに大きな怪我を負うということはなく,脳しんとうと太腿の捻挫で済んだようです。ただし,脳しんとうを起こしているため念のために入院措置がとられました。このことを受けてチームから発表があり,せっかく自身初めてQ3まで進出したものの,決勝レースは欠場ということになりました。初めてポイントを獲得した時は,マシンにレギュレーション違反が見つかって失格。そして,今回は自身のミスとはいえ初のQ3で事故と何やらついていないことが起きています。そのペレスのチームメイトである小林可夢偉ですが,Q3に進出することができず,決勝レースを12番グリッドから迎えることになりました。
2011/5/28(土)
☆存続(F1)
○ロータスの市販車を販売するグループ・ロータスとT.フェルナンデス率いるチーム・ロータスは,「ロータス」の名称を巡ってロンドンの法廷で争ってきました。この点について,ロンドンの高等裁判所から判決が下され,グループ・ロータスならびにチーム・ロータスの双方がF1でロータスの名称を継続して使用できることになりました。この判決により,今季のグリッドには黒と金のカラーリングを纏うグループ・ロータス側の「ロータス・ルノーGP」と,緑と黄色の「チーム・ロータス」の2つのロータス・チームが存在するという現状がありますが,引き続きそれぞれがロータスの名称を使用することになります。また,グループ・ロータスがフェルナンデスのチームに対して「ロータス・レーシング」の5年の名称使用権の契約を早期に解消した問題については,グループ・ロータスには使用許諾を終わらせる権利があるとの判決が下されています。つまり,分かりにくい点があるものの,実質的に双方の勝利ということになる判決が出たと言えます。この判決に対しては,両者共に一定程度の満足と不満が当然のように起こっています。特に,グループ・ロータス側は,ロータスの名称が異なる2チームによって使用され続けることを承認する判決が出たことに不満を示していて,即時上告の意向があることを明かしています。そのため,この争いが終焉を迎えたことにはなりそうもありません。
2011/5/27(金)
☆ベテランが(JRR)
○ベテランライダーの2人が,JRRに復活することになりました。まず1人目ですが,元JSB1000クラスチャンピオンで,カワサキやホンダのワークスライダーを務めたことのある井筒仁康が,ツインリンクもてぎで行われる第3戦からST600クラスに参戦することになりました。彼が所属することになったのはカワサキ系のチームであるRS-ITOHで,ゼッケンは“93”をつけます。今シーズン同チームでこのゼッケンをつけることになっていたのは,先日残念ながら事故により若くしてこの世を去った故高橋江紀さんでした。井筒は,もともと今シーズン同クラスに数戦スポット参戦する話を進めていました。そうした中RS-ITOHからの申し出があったと共に,高橋家の後押しもあって,今回の参戦決定となりました。これまで一貫して大排気量クラスで活躍してきた井筒が,初めて乗る中排気量マシン,そして初めて使用するピレリタイヤをどう乗りこなすか,ベテランの技を期待したいと思います。
2人目は,昨シーズンまでMotoGPの125ccクラスで活躍していた小山知良です。その小山ですが,GPが125ccクラスに年齢制限を設けていることを受けて,来シーズンからMoto2クラス参戦を視野に入れ,今シーズンは昨シーズン故富沢翔也さんがGPで所属していたCIPテクノマグに所属してスペイン選手権のMoto2クラスにフル参戦しています。GPと違ってスペインの国内選手権ですから,レースカレンダーに余裕(全7戦)がありますので,他のレースに参戦することが可能となります。7年ぶりのJRR復活となる小山ですが,彼が参戦することになったのはJ−GP2クラスで,チーム名は現段階では未定です。使用するマシンは,ICP製シャーシとなります。
2011/5/26(木)
☆使用禁止(F1)
○今シーズンのレギュレーションの中の目玉の一つが,リアウィングが一時的に開いて空気抵抗をなくし,オーバーテイクできやすくなるというシステムであるDRSです。決勝レースにおけるDRSについては,それぞれのサーキットのレイアウトに合わせてこのシステムを使う区間は限られていて,前の車との差が1秒以内になった時だけに使用できることになっています。ただし,この制限がかけられるのは決勝レースの時だけで,予選を含め他のセッションの時には自由に使うことができます。2週連続開催となるF1は,先週のスペインGPに続いて,今週末は伝統のモナコGPが開催されます。この大会は,ご存知のように市街地コースを使用していて,とても狭くてガードレールに囲まれています。それだけに,スピードが一時的にアップするDRSを使用することに関して,モナコにおいては制限を加えるべきではないかという声がドライバーを含めて関係者の多くから上がっていました。このことを受け,FIAから発表があり,モナコの目玉区間の一つであるトンネル内においては,全てのセッションにおいてDRSの使用を禁止することになりました。なお,決勝レースにおける使用許可範囲は,スタート及びフィニッシュラインがあるストレート区間の300メートル範囲内ということになっています。
2011/5/25(水)
☆断念(F1)
○ロータス・ルノーGPのエースドライバーであるR.クビサは,シーズン前にイタリアで行われたラリーに参加し,ガードレールにクラッシュするという事故に見舞われました。その際,ガードレールが車の中に突き刺さり,右腕の部分断絶を含む大怪我を負ってしまいました。現在は退院し,復帰に向けてリハビリに取り組んでいる段階です。そのクビサに関して,ルノーのチームオーナーであるJ.ロペスがコメントし,今シーズンの中でのレース復帰はないだろうという見通しを述べました。やはり,レーサー生命をも脅かしかねない大怪我を負ってしまっただけに,復帰への道のりは大変厳しいものがあるようです。クビサの担当医によると,彼のF1復帰についてある程度予測できるのは夏になるだろうと述べているとのことです。ただ,シーズン内で全くF1の場に登場できないかといえばそうではなく,ロペスによると,今年中に金曜プラクティスでテストを行う可能性はあるとのことです。
2011/5/24(火)
☆移動?(F1)
○S.ベッテルの優勝で終わったスペインGPですが,その会場にバーレーンの皇太子が訪れていました。表向きはマクラーレンの招待によるもののようですが,ほぼ間違いなくバーレーンGPにF1の首脳陣と話し合いが持たれたものと思われます。今シーズンの開幕戦として組まれていたバーレーンGPでしたが,これまでにも何度かお伝えしたように,エジプトに端を発した民主化運動の影響を受け,王制を敷くバーレーンにもその民主化の波が押し寄せたために政情不安となりました。このため,開幕戦としては開催中止となり,今シーズンの中で開催できるかどうかも疑問視されています。果たして開催できるかどうかについては,6月4日に最終決定がされる予定になっています。今回の皇太子の動きは,この最終期限に向けてのものなのではないかと思われます。このバーレーンGPに関して,新たな噂が浮上しています。それは,現在10月30日にインドGPが組まれていますが,ここにバーレーンGPを組み入れ,インドGPを12月に移動するのではないかというものです。ここにバーレーンを組み込むと,その2週間後に同じ区域内のアブダビGPが開催予定ですので,移動面でもメリットが出てきます。しかも,インドGPが開催される予定のサーキットは現在新規建設中で,開催時期が延びることで少々建設に遅れが生じてもそれに対応できるようになります。ただし,デメリットももちろん生じます。その中で一番は,各チームのスタッフに負担がかかるというものです。通常は年が明けてから来季型マシンの開発作業が本格化してきます。その前の12月中には冬季テストが実施されますから,12月にレースが開催されてしまうと,スタッフたちが休養できる期間がかなり削られることになってしまいます。一年間世界のあちらこちらに出かけて業務に携わっているスタッフたちにとって,これはかなりの負担増になってしまいますので,この点の解消も大きな課題となります。
2011/5/23(月)
☆親子優勝(SGT)
○東日本大震災の影響により開催が第2戦の後になるという変則的なスケジュールとなった第1戦の決勝レースが,岡山国際サーキットで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010が,順調にスタートを切ってトップの座を守っていきました。2番グリッドからスタートした松田次生&J-P.デ・オリベイラ組のカルソニック IMPUL GT-Rも同様に順調なスタートを切り,KEIHINとの差がそれほどつかない状態で追走していきました。レース中盤に入ってピットインのタイミングを迎えましたが,トップ争いの2台で先にピットに入ったのがKEIHINでした。次の周にカルソニックが入りましたが,ここで両者の位置が逆転。トップに立ったカルソニックを追うKEIHINは,43周目頃に追いついていき,45周目のヘアピンでカルソニックのインをついたものの,姿勢を乱して接触してしまいました。コースオフを喫したカルソニックでしたが,すぐにコースに復帰してトップの座を守りました。それに対して,KEIHINにはドライブスルーペナルティーが科さられ,優勝争いから脱落しました。これにより2位に浮上した伊沢拓也&山本尚貴組のRAYBRIG HSV-010は,カルソニックとの差を縮めていったものの,抜くところまでには至らず,カルソニックがトップでチェッカーを受けました。ペナルティーにより順位を下げたKEIHINでしたが,猛烈な追い上げを見せて3位に浮上し,ペナルティーを受けたにもかかわらず3位表彰台を獲得しました。
GT300クラスは,ポールからスタートした田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458と,2番グリッドからスタートした吉本大樹&星野一樹組のtriple a Vantage GT2が順位を入れ替えながらトップ争いを展開していきました。途中トップに立っていたGT2が他車と接触してトップの座を譲るということがありましたが,458に対して猛追を敢行してトップの座を奪い,そのままの順位を保ってチェッカーとなりました。GT500クラスは『日本一速い男』である星野一義が監督を務めるチームが優勝,そして,GT300クラスはその息子である星野一樹が優勝と,星野親子が両クラスを制したことになります。3位には,余郷敦&織戸学組のリール ランボルギーニ RG-3が入っています。
☆故障を乗り越え(F1)
○第5戦スペインGPの決勝レースが,バルセロナのカタロニア・サーキットで行われました。ポールを獲得したのはレッドブルのM.ウェーバーでしたが,抜群のスタートを切ったのは3番グリッドからスタートしたフェラーリのF.アロンソでした。2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルはアロンソに抜かれたものの,ウェーバを交わすことができ,アロンソ,ベッテル,ウェーバーの順で序盤は推移していいきました。その後は,ピットインのタイミングを利用したりして順位の入れ替えがありランクトップをいくベッテルがトップに立ちました。さらに,マクラーレンのL.ハミルトンも順位を挽回していき,同様にピットインのタイミングを利用して2位に浮上しました。レースが残り20周となったところで,ベッテルに対してチームからKERSの使用禁止が伝達されました。開幕以来ずっとトラブルが続いているレッドブルのKERSですが,ここでも何らかのトラブルが出たのかもしれません。それに対して,追うハミルトンはKERSもDRSも使えますので,それらを駆使しながらベッテルをプッシュし続けました。コーナリングスピードに勝るベッテルは何とかこの猛追をかわしきり,0.6秒差で今季4勝目となるトップチェッカーを受けました。3位には,結局ハミルトンのチームメイトであるJ.バトンが入っています。ザウバーの小林可夢偉は,オープニングラップでスローパンクチャーに見舞われてしまい,緊急ピットインせざるを得ず,最後尾に落ちてしまいました。しかし,今季の可夢偉が展開している粘り強い走行で少しずつ順位を回復していき,最終的には何と10位に入って4戦連続ポイント獲得を達成しました。
2011/5/21(土)
☆ロードで?(インディーカー)
○ツインリンクもてぎで開催されてきたインディ・ジャパンは,今シーズンが最後の開催となります。そのインディ・ジャパンですが,これまでずっと同サーキットが誇るオーバルコースで行われてきました。しかし,3月11日に起こった東日本大地震の影響により,もしかしたらロードコースでの開催となるかもしれません。大地震によるツインリンクもてぎは,ロードコースとスーパースピードウェイの一部に,路面のうねりや亀裂が発生するなどの被害を受けました。実際に走行して安全チェックを行った結果では,レーシングスピードによる走行が困難な箇所が多数指摘されたようです。また,専門家による測量を実施してみると,地盤の沈下や隆起があり,その規模は最大で18cmであることも確認されています。施設面では,グランドスタンド最上段にあるVIPスイート等の建物の壁面が損壊し,利用できない箇所もありました。現在は復旧に向けて工事を行っていて,4月中旬から一部の施設は再開できているものの,サーキットのコース部分に関してはまだその段階には至っていません。昨シーズンまでインディーカー・シリーズにフル参戦していた武藤秀紀によると,オーバルコースの第3ターンから第4ターンにかけてかなり大きな段差ができていて,応急処置はなされたものの,インディカーがもてぎのオーバルで戦うことは難しいだろうと語っているとの一部報道があります。ただし,ロードコースでの開催に問題がないわけではありません。ロードコースはオーバルと比べるとやや道幅が狭いという側面があり,レーシングスピードでインディーカーが走行するのがどうかが懸念されるということもあるようです。結論が出るまでにはしばらく時間がかかるでしょうから,推移を見守る必要がありそうです。
2011/5/20(金)
☆長期契約(F1)
○スクーデリア・フェラーリ・マールボロから,エースドライバーであるF.アロンソとの契約を更新し,少なくとも2016年末まで同チームで走ることが発表されました。昨年からフェラーリに所属したアロンソですが,既に来シーズンまでの契約が成立していました。まだその期間を1年以上残して,今回の契約延長成立となったわけです。2007年にトップチームの一つであるマクラーレンと契約したものの,チームやチームメイトであるL.ハミルトンとの確執により契約期間途中にもかかわらずこの年でチームを離脱。再びそれまで所属していたルノーに復帰したものの,そのルノーでは2年間低迷するシーズンを送りました。そして現在のフェラーリに所属すると,2度のワールドチャンピオン獲得の経験を発揮してリザルトを残し,チームとの関係も大変良好なものとなっていました。それが,今回の長期契約延長となったわけです。今後5年間にわたってフェラーリに所属することになったわけですから,ほぼ間違いなくアロンソのF1ドライバーとしてのキャリアは,フェラーリで終えることになったことを意味すると言えます。
2011/5/19(木)
☆初ライド&手術(MotoGP)
○現在使用されている800ccマシンは今シーズン限りで終了し,来シーズンからは1000ccマシンによるレースへとMotoGPクラスは変貌を遂げます。その全く新しいマシン開発に,現在各メーカーが取り組んでいるものと思われます。今シーズン好調なリザルトを残しているホンダについても同様で,先日は鈴鹿サーキットでシェイクダウンテストが行われました。そして,この度ホンダの新しいマシンとしては初めて,年間を通じて天候が安定するヘスト・サーキットにおいて海外テストが実施されました。当初このテストには,開発ライダーを務めている伊藤真一をはじめ,ホンダのワークスライダーであるC.ストーナーとD.ペドロサが参加する予定になっていました。ところが,週末に行われたフランスGPにおいて,M.シモンチェリとの接触により転倒を喫し,右の鎖骨を骨折するというアクシデントにペドロサが見舞われてしまったため,彼の参加は見合わされることになりました。初めて1000ccマシンにまたがったストーナーは,まず現在使用されている800ccマシン用のタイヤを履いての走行を行いました。その後,ブリヂストンが開発をしている1000ccマシン用のタイヤに履き替えて全部で50周の走行を実施したようです。
なお,今回参加できなかったペドロサですが,手術を行うのか自然治癒に任せるのか結論待ちだったのですが,結局プレートを入れる手術の方を選択することになり,昨日その手術が行われました。次のレースは6月5日に行われるカタルニアGPですが,ペドロサにとって母国GPとなるものの,参加できるかどうかは微妙なところでしょう。
2011/5/18(水)
☆50周年記念(MotoGP)
○ヤマハ発動機は,今年でグランプリ参戦50周年を迎えています。このことに関して,そのヤマハから新たな発表がありました。それによると,6月25日(土)に決勝レースが行われる第7戦オランダGPと,7月24日(日)に決勝レースを迎える第10戦アメリカGPにおいて,スペシャルカラーリングが施されたYZR−M1を走らせることになりました。そのマシンを駆るライダーは,もちろんヤマハ・ファクトリーレーシングに所属するJ.ロレンゾとB.スピースの2人です。今回公表されたカラーリングをみると,ヤマハが伝統としている赤と白を基調としたストロボカラーに彩られていて,ヤマハが説明している通り,50年に渡ってヤマハのファクトリーマシンに受け継がれてきたDNAが表現されています。半世紀を記念する今シーズンですが,ここまではややホンダ勢におされている印象があります。果たしてこの伝統的なカラーリングが施されたマシンが先頭でチェッカーを受けるのか,シーズンを盛り上げるという点からも,カラーリングはもちろん,マシン開発でも楽しみではありますね。
2011/5/17(火)
☆オープン(F1)
○かつてオーストリアGPが開催されていたのが,“A1リンク”の名称で知られていたサーキットでした。そのオーストリアGPは,2003年シーズンをもってF1のカレンダーから消えています。そのA1リンクが改修工事を受け,新たに“レッドブル・リンク”として正式にオープンしました。“オーストリア”,そして“レッドブル”とくれば,当然オーストリアに本社を置き,エネルギードリンクとして日本国内でも販売されているあのレッドブルですし,現在F1でチーム及びドライバーの両面でランキングトップをいくレッドブルのことです。そうなると,当然F1開催復活を視野に入れていることが予想されますが,レッドブルとこの新しいサーキットのオーナーであるD.マテシッツによると,現時点ではレッドブル・リンクでのF1開催は目指していないとしているようです。確かに,F1開催となると多額の資金が必要になりますし,国や地元の支援も必要となりますので,いくらレッドブルの所有とは言え,そう簡単に開催できるというわけにはいきません。ただ,逆にレッドブルが所有していながら開催を目指さないというのもおかしな感じもします。今後どのように進展させていくのか注目ではあります。なお,同サーキットででの最初の主要イベントは,来月初めに予定されているDTMとなっています。
2011/5/16(月)
☆接戦(MotoGP)
○第4戦フランスGPの決勝レースが,ルマンにあるブガッティ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レースウィークに入って全セッションでトップタイムをマークしてきたレプソル・ホンダのC.ストーナーが,ポールからスタートしました。オープニングラップからトップに立つと,後は全くその座を脅かされることなく独走状態に持ち込み,今季2勝目,最高峰クラス自身20勝目となる勝利を収めました。終盤に入ると,レプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾとドゥカティのV.ロッシのイタリアンライダー同士による激しい2位争いが展開されていきました。順位を入れ替えながらのバトルは,最終的にドビツィオーゾが勝利し,2006年の第11戦アメリカGP以来となるレプソル・ホンダのワンツーフィニッシュとなりました。2位争いには敗れたものの,ロッシにとってはドゥカティ移籍後初表彰台獲得となりました。13番グリッドからスタートしたサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,オープニングラップでシケインから飛び出していきなり厳しいスタートとなりましたが,いつものように粘り強い走りを展開していき,3戦連続してシングルフィニッシュとなる8位でチェッカーを受けました。なお,レース中盤に前を走行していたレプソル・ホンダのD.ペドロサを交わそうとしたサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリが,ペドロサと接触する事故を起こしてしまい,ペドロサを転倒リタイアに追い込んでしまいました。この行為が危険だとして,シモンチェリにはライドスルーペナルティーが科されました。それでも今大会でも速さを見せていたシモンチェリだけに,最終的には5位でチェッカーを受けています。それに対して,リタイアに追い込まれたペドロサは,右鎖骨を骨折するという重傷を負ってしまいました。ようやく以前に負っていた左鎖骨の骨折が完治しようという段階に入ったところで,今度は反対側が負傷するという不運となってしまいました。激しい走りを展開するのがシモンチェリの魅力の一つではありますが,その行為に対して少なからずライダー仲間から批判されてきているのも事実。今回の場合,同じホンダ勢のライダーを巻き込んでしまったわけですから,そういった点でも非難を浴びないか心配ではあります。
Moto2クラスは,昨年の125ccクラスチャンピオンでシューターのマシンを駆るM.マルケスが,6番グリッドからスタートしました。5台による激しいトップ争いが展開されていきましたが,ラスト5周目にトップに立つと後続との差を広げていき,このクラス初となる勝利を収めました。そのトップ争いの中の一人であったモリワキのマシンを駆る高橋裕紀は,残り4周となったところで単独の2位に浮上してそのまま逃げ切り,2戦連続して表彰台を獲得しました。3位には,ここまでランクトップをいくカレックスのS.ブラドルが入っています。
125ccクラスは,3番グリッドからスタートしたM.ビニャーレスと,ポールポシッターのニコラス・テロールという,アプリリア勢同士による優勝争いが展開されていきました。最終ラップまで展開された争いは,最終コーナーでビニャーレスがトップに立ち,自身初となる優勝を僅差で飾りました。今回の勝利は,史上3番目となる最年少記録でもありました。3位には,デルビのマシンを駆るE.バスケスが入っています。KTMのマシンを駆る尾野弘樹は,5台による15位争いを展開していきましたが,惜しくも16位でチェッカーとなってポイント獲得となりませんでした。
☆完全勝利(JRR)
○第1戦の決勝レースが,FNとの併催で開催される『鈴鹿2&4』で行われました。ポールからスタートしたホンダの秋吉耕祐は,レース序盤からトップに立つと後続との差を広げていきました。しかし,気温は23度,路面温度は46度というコンディションが影響したのか,中盤に入ってタイヤ温存の走りに切り替えたこともあって2位との差がどんどん縮まっていきました。ギャップが1秒を切る状況までいきましたが,終盤何とか逃げ切ることができ,全セッションでトップという完全勝利で開幕戦を制しました。ヤマハの中須賀克行と,震災者応援のため急遽参戦となったホンダの伊藤真一との間で激しい2位争いが展開され,最終的に中須賀が2位表彰台を獲得しました。惜しくも2位の座は譲ったものの,事前の準備が全くできない中での参戦ながら3位表彰台を獲得した伊藤の走りは賞賛に値するものです。トップの秋吉と3位の伊藤は,8耐でペアを組むことになっていますので,8耐での走りが楽しみですね。
☆逆転(FN)
○開幕戦の決勝レースが,JRRのJSB1000クラスの決勝レース後に行われました。自身初となるポールからスタートのが,TEAM 無限の山本尚貴でした。その山本は,スタートで激しいホイールスピンを起こしてしまい,大きく出遅れてしまいました。これが彼の走りに焦りをうんでしまい,何とスタートしてすぐにコースオフを喫していきなり優勝争いから脱落してしまいました。若手の山本の脱落を横目に,オープニングラップからNAKAJIMA RACINGの木暮卓史とPETRONAS TEAM TOM'SのA.ロッテラーというベテランドライバー同士との間でトップ争いが展開されていきました。中盤まで木暮がロッテラーに少し差をつけてトップに立っていましたが,タイヤ交換&給油のためピットインした際,ホイール装着の作業に手間取ってしまってタイムをロス。前の周にピットイン作業を済ませていたロッテラーがトップの座に立ちました。ピットイン後のロッテラーは順調な走りを展開していって木暮との差を徐々に広げていき,独走状態に持ち込んでいきました。そして,前日に行われた予選では,あわやQ2で敗退するかというところまで行ったロッテラーでしたが,翌日の決勝レースを大逆転で勝利しました。ロッテラーのチームメイトで,今シーズンからFNに戦いの場を移した元F1ドライバーの中嶋一貴は,前日の予選ではQ1で敗退してしまい,14番グリッドからのスタートとなりました。レース序盤にピットインをすませるという作戦を採ったことが功を奏し,どんどんポジションアップを果たしていきました。早くにタイヤ交換をすませてしまうとレース終盤が苦しくなりますが,そこは元F1ドライバー。タイヤを有効に使うすべをF1の中で自然と身につけてきた彼ですから,他のドライバーが急激にタイムを落とす中,最後までそれほどペースを落とすことがなく,何と14番グリッドからのスタートにもかかわらず,3位表彰台を獲得しました。
2011/5/15(日)
☆独占(MotoGP)
○第4戦フランスGPの予選が,ルマンにあるブガッティ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レースウィークに入って行われた3回のフリー走行のいずれでもトップタイムをマークしたレプソル・ホンダのC.ストーナーが,予選でもその速さを見せ,第2戦以来となる今季3回目のポールを獲得しました。サテライトチームながらワークスマシンを貸与されているサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリが,そのストーナーからわずか0.059秒差で2番グリッド獲得となりました。予選では速さを見せてきているものの,決勝レースはノーポイントレースが続いているだけに,今回こそ結果を残す必要があると言えるでしょう。そして,3番グリッドを獲得したのは,レプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾで,これは今季自己最高位となります。また,ホンダ勢がフロントローを独占したのは,今季初となります。そのホンダ勢ですが,4番グリッドをレプソル・ホンダのD.ペドロサが獲得していますので,トップ4を独占した形となっています。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,13番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。
Moto2クラスは,ここまで3戦連続してポールからスタートし,現在ランクトップをいくカレックスのS.ブラドルが,この日も速さを見せて開幕戦から4戦連続となるポールを獲得しました。そのブラドルからわずか0.043秒差でシューターのマシンを駆るT.ルティが2番グリッドを獲得しています。予選残りわずかとなってタイムアップを果たしたモリワキのマシンを駆る高橋裕紀が,3番グリッドを獲得を獲得しています。
125ccクラスは,ここまで全戦勝利を収めているアプリリアのN.テロルが,予選でもその速さを見せて自身GP通算100戦目となる今回のレースをポールからスタートすることになりました。彼のチームメイトであるH.ファウベルが,2番グリッドを獲得しています。そして,3番グリッドをアプリリアのM.ビニャーレスが獲得し,フロントローをスパニッシュライダーが独占しました。
☆好調(JRR)
○東日本大地震の影響により,今シーズンの開幕が延びていましたが,ようやく鈴鹿サーキットにおいて開幕戦を迎えることができました。今回の大会は,FNとの併催となる伝統の『鈴鹿2&4』としての開催で,JSB1000クラスのみの開催となります。開幕が遅れたことや,MotoGPの事前テストで骨折したこともあってレースウイークに入って今年初めてJSB1000マシンをライディングしたHRCの開発ライダーを務める秋吉耕祐でしたが,雨となった木曜日の特別スポーツ走行から,ノックアウト予選のQ3まで全てのセッションでトップタイムをマークし,好調な走りを見せて今季最初のポールシッターとなりました。このところずっと海外で活躍し,今シーズン自らのチームを組織して8年ぶりにJRRに復帰したスズキの加賀山就臣が,そのブランクを感じさせないかのような走りを見せて2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,今シーズンでこのクラス3年目で若手の有力ライダーの一人であるホンダの高橋巧でした。そして,4番グリッドを獲得したのは,昨シーズン限りでJRRから卒業(8耐などの他のレースからは卒業したわけではありません。)したものの,自らも大地震の被災者でありながら,その被災者を応援するために急遽今大会に参戦することになったホンダの伊藤真一でした。昨シーズンで卒業したとは言え,まだまだ充分にトップ争いを展開できる力を持っていながらの卒業でしたから,この結果は,ある意味当然なのかも知れません。なお,伊藤が駆っているマシンは,8耐でチームメイトとなることが決定している秋吉のTカーです。
☆2年目で(FN)
○JRRと同じく,大地震により開幕が遅れていたFNですが,こちらもようやく『鈴鹿2&4』で開幕戦を迎えました。今やトレンドとなっているノックアウト方式で行われる予選ですが,トップ10を決めるQ3でトップタイムをマークしたのは,今シーズンでFN参戦2年目となるTEAM 無限の山本尚貴でした。このポール獲得は,もちろん自身初ですし,チームとしても初のポールとなります。タイムアタックを他のドライバーと比べて1周遅らせるという作戦を採ったNAKAJIMA RACINGの木暮卓史が,先にマークした山本のタイムを更新することができず,決勝レースを2番グリッドからスタートすることになりました。DOCOMO DANDELIONの塚越広大が3番グリッドを獲得し,トップ3をホンダ勢が占めています。なお,今シーズンからFNにフル参戦することになった元F1ドライバーの中嶋一貴ですが,何と予選最初のQ1で敗退し,後ろから3番目となる14番グリッドからのスタートとなってしまいました。
2011/5/14(土)
☆来シーズン(F1)
○今シーズンなかなか波に乗れないレースが続いていたものの,週末に行われたトルコGPでようやくF.アロンソによって今季初の表彰台を獲得したフェラーリですが,早くも来シーズンに関することが報道されています。まずドライバーについてです。今シーズンのフェラーリは,アロンソ&F.マッサのレギュラードライバー陣になっています。アロンソについては,エースドライバーとして実績を残していますので,会長であるL.ディ.モンテゼモーロも長期契約を既に視野に入れているようです。マッサについては,来シーズンまでの契約が成立しているものの,来シーズンはレッドブルのM.ウェーバーやメルセデスGPのN.ロズベルグにシートを奪われることになるのではないかという噂が昨シーズンから出ています。その点に関して,モンテゼモーロは契約を破棄する考えのないことを明らかにしました。
次に,まだシーズン序盤ではありますが,既に来シーズン型マシンの開発に着手したようです。これは,スペインの一部報道によるもので,フェラーリは,来季型マシンのシャシー,ギアボックス,サスペンション,冷却システムをゼロから設計するようで,かなり攻撃的な開発姿勢で臨む感じです。そして,この報道は単なる噂ではなく,取材に対してフェラーリのチーフデザイナーを務めるN.トンバジスは,2012年型マシンの開発に着手していることを認めています。F1を代表するチームで,資金的にも人員的にもトップをいくチームだけに,今季型と来季型を並行して開発できるのかもしれませんね。
2011/5/13(金)
☆日本初(F1)
○現段階でドライバー,チームの両面でランキングトップをいっているのが,エナジードリンクのメーカーであるレッドブルが所有するレッドブル・レーシングです。そのレッドブルの日本法人であるレッドブル・ジャパンから発表があり,東日本大震災で被害を受けた日本にエナジーを届けようと,レッドブル・レーシングによるデモ走行を6月5日(日)に横浜市元町の元町ショッピングストリートで開催することになりました。このイベントは,「Red Bull Energy for Japan」という名称で行われます。レッドブルとしては,これまで浅草寺境内,大阪城公園,明治神宮などでデモ走行を開催したことがありました。しかし,今回のように公道でF1マシンを走行させるイベントは,日本国内では初のイベントとなります。また,前日の4日には千葉市幕張海浜公園を舞台に開かれる音楽フェスティバル"BIG BEACH FESTIVAL'11"の会場内でもデモ走行を実施することにもなっています。さらに,今回のイベントでは"Red Bull Energy for Japan"をテーマにした日本限定のチャリティーTシャツが販売され,その収益は震災復興のために寄付されることにもなっています。その2つのイベントの観覧についてですが,4日のイベントは,音楽フェスティバルのチケット購入者のみが観覧可能で,5日の走行に関しては,会場に来れば無料で観覧することができます。なお,ステアリングを握るのは,同チームのS.ベッテルやM.ウェーバーではなく,兄弟チームであるトロロッソのレギュラードライバーのS.ブエミが担当することになっています。
2011/5/12(木)
☆拡大(F1)
○現在のレギュレーションでは,メーカーによるエンジン供給先は原則として3チームまでと決められています。ただし,FIAに許可を受ければこの限りではないというルールもあります。ランキングトップをいくレッドブルはルノーエンジンユーザーですが,そのルノーに関して新たな情報が出てきています。現在ルノーのエンジン供給先は,ロータス・ルノーGP,レッドブル・レーシング,チーム・ロータスの3チームですが,来シーズンから供給先を4チームにする方針でいくようです。この動きは,2013年から新たなレギュレーションによるエンジンを使用するようになりますが,それに備えて大きなプラットホームを構築するためのようです。そして,その4番目となるチームとして有力視されているのは,かつてルノーエンジンを使用して黄金時代を築いたウィリアムズです。コスワースが供給するカスタマーエンジンを使用しているウィリアムズですが,ご存知のように今季はいまだにノーポイントレースが続いています。そのコスワースとは来シーズンまでエンジン供給の契約があるものの,現在の状況を打破する一つの方策として使用エンジンを変えることも視野に入れているようです。ルノー側の思惑とウィリアムズ側の思惑が合致しますし,かつて黄金時代を築いたという関係性から,両者が結びついても何ら不思議はありません。ただし,ルノーのマネージングディレクターを務めるJ−F.コーベによると,ウィリアムズとの交渉は始まっていることを認めたものの,交渉しているのは「彼らだけではない」と主張しているようです。
2011/5/11(水)
☆ドライバー&カラーリング(FN)
○今週末にようやく開幕を迎えるFNですが,3つのチームから新たな発表がありました。まず一つ目はドライバーについてです。エントリーリスト上でドライバーが決まっていなかったKONDO RACINGが,A.カルダレッリをレギュラードライバーとして採用することになりました。21歳のイタリアンドライバーである彼は,2007年からの3年間トヨタ・ヤング・ドライバー・プログラム(TDP)の一員としてフォーミュラ・ルノーやユーロF3に参戦すると共に,08年と09年にはトヨタF1のテストドライブも経験しています。昨シーズンはイタリアF3に参戦し,シリーズ3位の好成績を収め,フェラーリF1マシンのテストドライブを行っています。
次に,ホンダ陣営に所属し,FNはもちろん,SGTにも参戦しているREAL RACINGが,今シーズンのFNにおけるスポンサーを発表しました。小林崇志を擁して参戦する同チームが今回契約成立したスポンサーは,パソコンやプリンターなどのメーカーで,“HP”のロゴでお馴染みの日本ヒューレット・パッカードです。昨シーズンまでのFNにおける同チームは,“HFDP RACING”として白×青×赤のHFDPカラーで戦ってきました。そして,今季は新たにチーム名をSGTと同じ“REAL RACING”となり,今回のスポンサー契約で『HP REAL RACING』というチーム名としましたので,カラーリングについては,まだお披露目はないものの,恐らくヒューレット・パッカード社が基調としているブルー系のものが用いられることになるのではないでしょうか。カラーリングについて,新たな発表がありました。これまで入門系のフォーミュラカーシリーズで実績を積んできて,今シーズンからいよいよ国内最高峰のフォーミュラであるFNに進出を開始することになったル・ボーセ・モータースポーツが,今シーズンのカラーリングを公開しました。それによると,同チームのイメージカラーである白×青×赤というトリコロールカラーになりました。昨シーズン参戦していた全日本F3では,メインスポンサーである“デンソー”のイメージカラーである赤を基調としていました。今季から参戦するFNについてもデンソーがメインスポンサーを務めますが,白×赤に加えて青も入ることになりました。
2011/5/10(火)
☆解除(F1)
○今シーズンの開幕戦は,バーレーンでの開催が予定されていました。ところが,エジプトを発端にした民主化の動きの影響を受け,バーレーン国内でも反政府デモが激化したため,バーレーン政府は3月15日に非常事態宣言を発令しました。こうした政情不安を受け,バーレーンGPは開催が延期となり,現段階では果たして開催できるのかかなり疑問視されているといった状況にあります。そのような中,バーレーン政府から発表があり,3月に発令した非常事態宣言が,6月1日をもって解除されることになりました。非常事態宣言の期限は,当初3カ月に設定されていましたので,6月15日で解除される予定でしたから,約半月前倒しでの解除ということになります。バーレーンGPを開催するかどうかは,FIA世界モータースポーツ評議会が開かれる6月3日が最終期限となっていましたので,6月1日付での解除は,明らかにこの最終期限を視野に入れたものであることは間違いありません。この決定を受け,FIA会長であるJ.トッドのコメントでは「バーレーンの状況が良くなっている。」と認めていて,疑問視されていたバーレーンGPの開催が,もしかしたらいい方向に向かうのかもしれません。
2011/5/9(月)
☆最後尾から(F1)
○第4戦トルコGPの決勝レースが,好天に恵まれたイスタンブール・パーク・サーキットで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,スタートでその位置を守ってトップに立ちました。それ以後,ピットストップのタイミングで一時的に順位を変えることはありましたが,順調にトップの座を守りました。終盤になるとペースをコントロールする余裕を見せ,第2戦マレーシアGP以来となる今季3勝目を,ポールトゥーウィンで達成しました。2位争いは,終盤まで混戦となりました。2番グリッドからスタートしたのは,レッドブルのM.ウェーバーでした。しかし,スタートで2番手につけたのは,3番グリッドからスタートしたメルセデスGPのN.ロズベルグでした。そのロズベルグの2番手はそれほど長続きせず,ウェーバーがスタート位置と同じ2番手に返り咲きました。ロズベルグはその後もペースが思うように上がらず,順位を徐々に下げていき,代わってフェラーリのF.アロンソが3番手に浮上。ウェーバーとアロンソは順位を時折入れ替えながら走行を続け,52周目にウェーバーが前に出るとその座を守り続け,レッドブルが今季初となるワンツーフィニッシュを達成しました。前日に行われた予選では,エンジントラブルから予選タイムを出すことができず,フリー走行のタイムが考慮されて何とか決勝レースに出場できるようになったのが,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるザウバーの小林可夢偉でした。最後尾からのスタートとは言え,唯一の救いは予選を全くといっていいほど走行できなかったことから,新品タイヤを温存することができたこと。レースウィークを通じて使用するタイヤ数の制限があるだけに,この点だけは他のドライバーに比べると有利に働きます。その可夢偉ですが,3回ストップ作戦を採り,終盤には11位まで浮上していました。4回ストップを採用した10位をいくフェラーリのF.マッサが,その4回目のピットストップの時タイヤ交換作業ミスが発生して順位をダウン。これにより,最後尾スタートの可夢偉がポイント圏内である10位に浮上しました。最後はマッサの追撃を受けたものの,その座を守り続けて,第2戦から3戦続けてポイント獲得となりました。
2011/5/7(土)
☆共同開発(F1)
○ジャガー・ランドローバー社とF1における伝統チームの一つであるウィリアムズが,共同で新型車を開発することが発表されました。,昨年のパリ・モーターショーにいてジャガーはC-X75コンセプトカーを発表しましたが,今回発表になったのは,このコンセプトカーの市販版であるC-X75です。この車は,モーターに小型ガスタービンを組み合わせたプラグインハイブリッドカーで,4輪それぞれに145kWの電気モーターを搭載すると共に,高出力を発生しながらも放出する二酸化炭素量がわずか99g/kmになるというものです。ウィリアムズは,この車のシャーシ開発に関わることになり,F1の技術を生かして軽量カーボン製のものを作成することになります。この車は,1ヶ月ほど前にポルシェ社が発表した918RSRハイブリッドスーパーカーの直接的なライバルと位置づけられます。レースファンにとっては,ぜひ購入して走らせたいところですが,最もネックとなるのが車両価格です。ポルシェ918は,イギリスでの価格が67万2,000ポンド(8,800万円)となっています。今回ジャガーが発表したC-X75の価格は,さらにそれを上回る見込みで,予想価格が70万ポンド(約9,200万円)を上回るのではないかとみられています。
2011/5/6(金)
☆新会社(F1)
○F1は,2013年からエンジンレギュレーションが変更され,1.6リッター4気筒ターボエンジンが導入されることになっています。こうした新しい変革に呼応するかのように,元BARチーム代表で,元F1チャンピオンのJ.ビルヌーブの前マネジャーでもあるC.ポロックが,新たなF1エンジンサプライヤー計画を発表しました。現在F1にエンジンを供給しているのは,フェラーリ,メルセデス,ルノー,コスワースの4社です。今回の発表によると,『Propulsion Universelle et Recuperation d'Energie』(PURE)社を立ち上げ,既に2013年からのターボレギュレーションに沿ったエンジン設計に着手しているとのことです。このプロジェクトのためにマネジメントやテクニカルパートナーの陣営が集められていて,その中にはルノーF1でマネージングディレクターを務めたことがあるC.コンツェン氏や,航空宇宙のエキスパートであるR.サウスウェル氏なども含まれているそうです。PURE社は,ルノーとの関係が深いメカクロームやIFPエネルジー・ヌーベルが所有するTEOSパワートレイン・エンジニアリングと契約し,エンジンのデザインおよび製造のサポートを受けるようです。ポロックによると,大手マニュラクチャラーと比べてPURE社は小規模なチームで開発及び製造を行うため,大幅に安い価格でエンジンを提供できるとのことです。コスト削減もF1改革の中心点の一つだけに,こうしたPURE社の方針はその流れに則ったものであると言えます。なお,昨シーズン末にF1復帰が噂された元チャンプのビルヌーブですが,今回のポロックのプロジェクトには関与していないようです。
2011/5/5(木)
☆テスト走行(MotoGP)
○MotoGPクラスに関して,これまで使用してきた800ccマシンにかわって,来シーズンから1000ccマシンが用いられることになっています。既にどのメーカーもその2012年型マシンの開発を行っていて,先日はホンダがテストライダーを務める岡田忠之にマシンを託してテスト走行を行いました。そうした2輪メーカーだけでなく,新たなコンストラクターの参入も,来シーズンからのレギュレーションは視野に入れています。現在Moto2クラスにオリジナルマシンを供給しているシューターもその中の一つで,既にシェイクダウンテストを終了しています。そして,3日からの2日間,新たにテスト走行を行いました。昨年の11月,今年の2月にテストをすませているシューターですが,今回のテストから使用タイヤをブリヂストンに変更しています。現在ワンメークタイヤとしてブリヂストンは最高クラスにタイヤを供給していますが,その契約を2014年まで延長することが決まっていますから,当然1000ccマシンの初年度は同社製のタイヤを使用することになります。使用タイヤによってマシンの設定が当然変わってきますので,シューター製のマシンもさらに現実的な開発作業へと入ったことになります。なお,今回のテストでは,これまで開発作業に携わってきている昨年のドイツ選手権スーパースポーツクラス王者のD.カドリンとスペイン選手権Moto2クラス王者のK.モラーレスに加え,今回は現在Moto2クラスにフル参戦しているS.レディングも参加したようです。
2011/5/4(水)
☆変革(F1)
○今シーズンいまだにノーポイントレースが続いていて,かつてないほど不振を極めているのが,F1界における伝統チームの一つであるウィリアムズです。こうした状況を打破するため,チームに何らかの変革がもたらされるのではないかという噂が浮上していましたが,この度同チームから正式発表が行われました。それによると,同チームに10年間所属しているテクニカルディレクターのS.マイケルと,5年間所属しているチーフエアロダイナミシストであるJ.トムリンソンが,今季末でそれぞれの役職を退くと共に,チームを去ることになりました。その一方,6月からかつてマクラーレンに所属していたM.コフランが,チーフエンジニアとして新たにチームに加入することになりました。コフランといえば,2007年に起きた“スパイ・ゲート”事件(フェラーリの機密情報をマクラーレンが不正な手段を不正な手段を使って得たこと)の責任を問われてチームを離れると共に,F1での活動を2年間禁じられていました。現在はマイケル・ウォルトリップ・レーシングに所属してアメリカの人気シリーズであるNASCARの仕事に携わっていました。
また,新たな発表もあり,ウィリアムズの共同創設者の一人であるP.ヘッドが,今シーズン限りでF1から引退することになりました。かつて同チームのテクニカル・ディレクターとして手腕を発揮し,ウィリアムズに数々の栄光をもたらした彼でしたが,2004年限りで引退していました。今季から株式を公開するという経営方針に転換したウィリアムズですが,ヘッドはフランクフルト証券取引所に自身が保有していた27%のチーム株式を換金していて,今年で引退するのではないかとの推測が広まっていました。
2011/5/3(火)
☆初優勝(BSB)
○第2戦の決勝レースが,オールトンパークで行われました。レース1では,9番グリッドからスタートしたホンダの清成龍一が,2位に4秒以上の差をつける独走で今季初優勝を飾りました。清成の優勝は,チャンピオンを獲得した昨シーズンの最終戦以来となります。ちなみに,この最終戦は今回の舞台となったオールトンパークで行われています。今シーズンからスズキのマシンを駆って戦いの舞台をBSBに移したJ.ホプキンスですが,怪我をしたA.バウティスタの代役として第2戦に参戦し,ポイントを獲得する活躍を見せましたが,その勢いを持続したかのように,清成から話されたものの,2位表彰台を獲得しました。3位には,僅差でカワサキのマシンを駆ったS.イーストンが入っています。
引き続いて行われたレース2は,レース1でBSB初表彰台を獲得したホプキンスが,好調さをそのままにトップを走行し,フル参戦4レース目でうれしい初優勝を飾りました。2位には,レース1で3位表彰台を獲得したイーストンが入っています。そして,3位表彰台を獲得したのは,清成のチームメイトで,今季開幕戦のレース1で勝利を収めているS.バーンが入りました。ポールからスタートした清成でしたが,スタートから出遅れてしまいました。徐々にポジションアップを果たしていったものの,その序盤の出遅れが響いて惜しくも4位となり,2レース続けての表彰台獲得とはなりませんでした。
2011/5/2(月)
☆逆転(MotoGP)
○第3戦ポルトガルGPの決勝レースが,ドライコンディションのエストリル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ここまでランクトップをいくヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾと,2位をいくレプソル・ホンダのD.ペドロサとの間でトップ争いが展開されていきました。終始ロレンゾが前を走っていたものの,ラスト4周になってペドロサがペースを上げてトップに浮上。これにロレンゾはついていくことができず,ペドロサが3秒以上の差をつけて今季初優勝を飾りました。残り4周で逆転を許したロレンゾですが,2位に入ってランクトップの座は守っています。3位には,レース途中で腰痛に悩まされたこともあって2台の先行を許したレプソル・ホンダのC.ストーナーが入っています。サンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,モンスター・テック3・ヤマハのK.クラッチローとの7位争いとなりましたが,この競り合いに打ち勝って7位でフィニッシュしています。これにより,青山は3戦連続トップ10フィニッシュを果たしています。
Moto2クラスは,昨シーズンのこの大会で自身初優勝を飾っているカレックスのS.ブラドルが,今季3戦連続となるポールからスタートをしました。終盤にトップのポジションを譲る場面のありましたが,得意とするこのサーキットで再びトップの座を奪還し,開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。ここまでランクトップだったA.イアンノーネが,首位を走行しながら転倒,そして再スタートで13位に終わったこともあって,ブラドルがランクトップに立ちました。1ヶ月にわたるブレイクの間にプライベートテストを実施していたシューターのJ.シモンが,今季自己最高位となる2位でチェッカーを受けています。最愛の弟で,JRRで活躍していた高橋江紀選手を事故で失い,傷心の中今大会を迎えているモリワキの高橋裕紀は,江紀選手に捧げるかのように3位表彰台を獲得しました。
125ccクラスは,ポールからスタートしたアプリリアのN.テロルが,スタートからトップに立って主導権を握りました。その後は独走態勢に持ち込み,開幕以来3連勝を飾りました。開幕以来3連勝というのは,現在ブリヂストンの社員としてレース部門に所属している東雅雄選手以来となります。2番グリッドからスタートしたアプリリアのS.コルテセが,開幕戦以来となる2位表彰台を獲得しています。デルビのマシンを駆るJ.ザルコとアプリリアのマシンを駆るM.ビニャーレスとの間で繰り広げられた3位争いは,ザルコがわずか0.002秒差で制しています。KTMの尾野弘樹は,21番グリッドからスタートし,最後のポイント圏内である15番手争いを展開したものの,最終的に17位でチェッカーとなり,惜しくもポイントを獲得することができませんでした。
☆雨(SGT)
○カレンダー上は今季第2戦ですが,第1戦が大震災の影響で開催が延期となったため,実質上の開幕戦の決勝レースが,ツインリンクもてぎで行われました。この日のもてぎは,天候が安定せず,レースが始まる頃は降ったり止んだりといった状況で,各チーム共にタイヤ選択に悩まされる状況となる中でレースはスタート。予選では上位を独占したミシュラン勢でしたが,天候が不安定な決勝レースではタイヤ選択をミスしたのか,一挙にポジションダウンをするという状況となりました。徐々に激しくなる雨の中でトップに立ったのは,本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rでした。レース中盤でトップに立ってからはそのポジションを守っていった中,終盤に入って雨脚がかなり強くなりました。これを危険だと判断したレースディレクションは,59周終了時点でレース終了を決断。勝者は本山組となりました。2位には,徐々に追い上げを見せた伊藤大輔&大嶋和也組のENEOS SUSTINA SC430が入り,結局ブリヂストンタイヤ勢によるワンツーフィニッシュとなっています。3位には,片岡龍也&荒聖治組のWedsSport ADVAN SC430が入り,チームとしてGT500クラスにステップアップしていきなり初戦で表彰台を獲得しています。
GT300クラスは,予選から好調な走りを見せてポールを獲得していた影山正美&藤井誠暢組のHANKOOK PORSCHEが,決勝レースでもその走りに衰えは見せず,トップを快走して開幕戦をポールトゥーフィニッシュで制しました。2位争いは,田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458と都筑晶裕&土屋武士組のZENT Porsche RSRとの間で展開されていきました。終盤に入って抜きつ抜かれつの展開を見せていましたが,雨脚が強まった時にZENTがJIMGAINERをパスしたものの,この直後に赤旗が提示されてしまい,ZENTが抜く前の時点でレース終了という結果になりました。
2011/5/1(日)
☆連続(MotoGP)
○東日本大地震の影響により,10月に日本GPが移動したため,およそ1ヶ月レーススケジュールが空いたMotoGPですが,ようやく第3戦となるポルトガルGPの予選が行われました。MotoGPクラスは,ドライコンディションの中で行われ,前戦の勝者で,第2戦終了時でランクトップをいくヤマハ・ファクトリーレーシングのJ.ロレンゾが今季初めてとなるポールを獲得しました。この大会におけるロレンゾのポール獲得は,4年連続となります。2番グリッドを獲得したのは,初日にトップタイムを刻んでいたサンカルロ・ホンダ・グレシーニのM.シモンチェリでした。シモンチェリの2番グリッド獲得は,最高峰クラスにおける自身最高位です。なお,ポールのロレンゾと,2番手のシモンチェリですが,予選終了後に行われたプレスカンファレンスにおいて,危険走行だったかどうかで口論するという姿を見せてしまいました。どちらもアグレッシブな走りを展開するライダーだけに,ある意味起こるべくして起こったものかもしれません。ただし,ロレンゾに関しては,最高峰クラスで経験を積むうちに,以前と比べるとかなり落ち着いた走りを見せるようになってきています。それに対して,シモンチェリに関しては,中・軽量級クラスの時からしばしばアグレッシブさが行き過ぎているところが見られてはいますが…。まあ,これもシモンチェリの魅力の一つとも言えますけど…。3番グリッドを獲得したのは,初日も3番手タイムだったレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。ちなみに,シモンチェリはトップからコンマ163秒差,ペドロサがコンマ223秒差で,とても僅差のトップ3でした。初日を11番手で終えていたサンカルロ・ホンダ・グレシーニの青山博一は,この日も11番手で予選を終えています。
Moto2クラスは,開幕戦以来連続してポールを獲得しているカレックスのマシンを駆るS.ブラドルが,昨シーズン初優勝を飾った相性のよさを証明したかのように,予選の最終ラップで最速タイムをマークし,開幕から3戦連続ポールを獲得しました。最後の最後でブラドルに逆転されてポールを逃し,2番グリッド獲得となったのは,シューターのマシンを駆るT.ルティでした。3番手タイムは,同じくシューターのマシンを駆るJ.シモンでした。最愛の弟を事故で失い,このレース後に葬儀を控えているモリワキの高橋裕紀は,初日の走行でトップタイムをマークしていたものの,この日は7番手で予選を終えています。
125ccクラスは,ここまでランクトップをいくアプリリアのN.テロルが,フリー走行でトップタイムをマークし続けた走りを予選でも展開し,開幕戦以来となる今季2度目のポールを獲得しました。初日に2番手タイムだったアプリリアのS.コルテセが,予選でも2番手タイムをマークしました。3番グリッドを獲得したのは,アプリリアのマシンを駆るM.オリベイラで,自身の地元におけるレースをフロントローからスタートすることになりました。KTMのマシンを駆る尾野弘樹は,転倒を喫っするというアクシデントに見舞われながら21番グリッドを獲得しています。
☆独占(SGT)
○東日本大地震により,岡山で開催予定だった開幕戦が延期となったため,実質上の開幕戦,レースカレンダー上の第2戦の予選が富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,ミシュランタイヤを履く石浦宏明&井口卓人組のDENSO SARD SC430が,95年以来となるポールを獲得しました。タイムアタッカーを務めた石浦にとっては,自身初となるポールです。今シーズンからGT500クラスにステップアップを果たした柳田真孝&R.クインタレッリ組のS-Road MOLA GT-Rが2番グリッドを獲得し,当然チームとしては初となるフロントローからのスタートを切ることになりました。そのフロントローを獲得したのは,どちらもミシュランタイヤユーザーですから,今回の予選に関しては,ミシュランにとっていいコンディションだったことは間違いないでしょう。3番手タイムをマークしたのは,安田裕信&B.ビルドハイム組のADVAN KONDO GT-Rでした。なお,今シーズンはGT-Rが4台投入されていますが,全てトップ6の中に入っています。
GT300クラスは,井入宏之&関口雄飛組のJLOC ランボルギーニ RG-3がトップタイムをマークし,ポールを獲得したものと思われていました。しかし,レース後の車検で車両重量規定違反が見つかったため,予選で記録されたタイムが抹消となってしまいました。そのため,予選2番手タイムだった影山正美&藤井誠暢組のHANKOOK PORSCHEが繰り上がってのポールとなりました。繰り上がって2番グリッド獲得となったのは,山岸大&山内英輝組のPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリでした。繰り上がり3番手となったのは,昨シーズンこのクラスでチャンピオンを獲得した星野一樹が移籍し,吉本大樹と組むことになったtriple a Vantage GT2でした。
     
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