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最新ニュース
2010/10/29(金)
☆再び(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームの一つであるプラマック・レーシングから発表があり,MotoGPクラスで最年長のL.カピロッシと2011年シーズンの契約が成立しました。ドゥカティが最高峰クラスにフル参戦を再開した2003年にドゥカティのワークスチームに所属し,2007年シーズン終了までデスモセディチを駆りました。その間,残念ながらチャンピオンを獲得することはできなかったものの,最高位は2006年シーズンのランク3位でした。勝利数は,ツインリンクもてぎでの日本GPをはじめとして7勝を挙げています。2008年シーズンから3年間スズキのワークスチームに所属した後,来シーズンから再びデスモセディチを駆ることになったわけです。なお,今季プラマックに所属したM.カリオとA.エスパルガロは,どちらもプラマックとの契約は延長されず,まだ正式発表はありませんが,どちらもMoto2クラスでのシート獲得に向けて交渉中です。2つ空くシートのうち一つにカピロッシが座ることになったわけですが,もう一つのシートに誰が座るのかについては,今回は発表がありませんでした。現在最も有力視されているのは,最高峰クラス唯一のフランス人ライダーであるR.ド.ピュニエです。カピロッシの抜けるスズキのワークスチームに関してですが,彼のチームメイトであるA.バウティスタの残留は決定しています。カピロッシが抜けて空いたシートに関しては,誰が座るのかは明らかになっていません。ただ,可能性が高いのは,2台体制ではなく,バウティスタの1台体制となることです。スズキに関しては,撤退の噂がつきまとっていて,一昨年終了段階で撤退を視野に入れていたものの,カワサキが突然撤退を表明したことからやむなく参戦を継続したという噂も存在しています。それを考えると,1台体制ではあっても,参戦を継続することが何よりなのかもしれません。
2010/10/28(木)
☆残留か?(WRC)
○元F1チャンピオンのK.ライコネンは,レッドブルとシトロエンの支援を受けて今季シトロエン・ジュニアチームに所属してWRCへと戦いの場を移していました。ただ,ラリードライバーとしてのキャリアを今後も積んでいくものと思われる反面,F1への復帰の噂もずっとつきまとっていたのも事実です。そのライコネンの来シーズンに関して,彼が所属するシトロエン・レーシングのO.ケスネル代表によると,シトロエンのメインスポンサーであるレッドブルとライコネンとの交渉が順調に進んでいるとのことです。今回の発表は正式なものではありませんが,先日ルノーに移籍してF1に復帰するのではないかという噂に対して,ライコネン自身が強力に否定したということがあっただけに,ある程度事実に近いものなのではないかと思われます。ただし,別の噂も浮上していて,レッドブル側の意志に変化が現れ,シトロエン・ジュニアチームへの熱意が薄れているのではないかというのです。そして,オーストリアのエネルギードリンクメーカーであるレッドブルに代わって,アメリカのエネルギードリンクメーカーであるモンスターエナジーからの支援を受けて,ライコネンはフォードに移籍するのではないかという噂も浮上しています。レッドブルにしてもモンスターエナジーにしても,WRCという範囲に変わりはありませんので,どうやら来季はWRCに残留という線に落ち着きそうな感じですね。
2010/10/27(水)
☆初テスト(MotoGP)
○サンマリノGPの決勝レースにおいて,19歳という若い命を散らした富沢翔也。その彼がGPにステップアップ以来所属していたのが,フランスに本拠を置くテクノマグ-CIPです。今月6日,富沢の後任として,SBKと併催で行われているWSSにおいて2007年と2010年にチャンピオンを獲得したトルコ人ライダーのK.ソフォーグルを起用することを同チームが発表していました。WSSでチャンピオンを獲得した際,ソフォーグル自身が来シーズンは違うカテゴリーで走ることを表明していましたから,その一環の動きだと言えます。6日の発表では,ソフォーグルの参戦は残りのレースであるポルトガルGPとバレンシアGPの2戦です。富沢が優勝してその力を示したように,マシンとしてもチームとしてもチャンピオン争いができるだけに,来シーズンもそのまま同チームで走るというような状況も生まれるのかもしれません。そのソフォーグルが,25日にスペイン南東部にあるアルバセテ・サーキットでプライベートテストを行い,同チームが使用しているシューター製のMoto2マシンを初ライドしました。ただ,タイム等の詳細は,公式には発表されていません。
2010/10/25(火)
☆方針転換か?(F1)
○初開催となった第17戦韓国GPでは,せっかく予選でフロントローを独占しながら,決勝レースではM.ウェーバーは自滅で,S.ベッテルはマシントラブルでダブルリタイアに終わってしまったのがレッドブル・レーシングです。そのレッドブルは,これまでいわゆる「エースドライバー」というのが存在せず,2人のドライバーを平等に扱うという方針(とはいえ,節々でベッテルを重視するところが見えなくもなかったですが…。)をとってきました。しかし,残り2戦となってチャンピオン争いのことを考えると,そうは言ってられなくなってきたのも事実です。まだどちらのドライバーにもチャンピオンになる可能性は残されているものの,韓国でのリタイアにより現実的にはベッテルが厳しい状況に置かれたのは確かです。ランク2位のウェーバーは,トップのアロンソと11ポイント差なのに対して,ランク4位のベッテルは,25ポイント差に広がってしまっています。決勝レースでワンツーフィニッシュを達成する力があるレッドブルですが,ベッテルが1位でチェッカーを受けてしまうと,安定した成績を残すことができるランクトップのアロンソを逆転するのが難しくなってしまいます。もちろん,何が起こるか分からないF1ですから,アロンソがリタイアに終わる可能性も当然あり得ますから,一概には言えないことも確かですが…。レッドブルのチーム代表であるC.ホーナーのコメントによると,ウェーバーを優先するのではないかという噂に対して,「ウェーバーをナンバーワン扱いするのはまだ早い」とのことでした。もしかしたら次戦まではこれまで通りの方針で行くかもしれませんが,さすがに最終戦はチームオーダーを発する方針をとることになるでしょう。とはいえ,何よりもチャンピオン獲得を重視するのであれば,次戦のレース展開によっては,その場でウェーバー優先の方針を採ることになるのが現実的な判断ではないでしょうか。
2010/10/25(月)
☆チャンピオン決定(SGT)
○今シーズンとなる第8戦の決勝レースが,曇り空のツインリンクもてぎで行われました。GT500クラスは,昨年のチャンピオンである脇坂寿一&A.ロッテラー組のPETRONAS TOM'S SC430と,ここまでランキングトップを行く木暮卓史&L.デュバル組のウイダーHSV-010とのバトルが最終ラップの最終コーナーまで続きました。時にはマシン同士が接触するという激しい戦いを演じながら,それでも相手を押し出すようなこともなくクリーンなバトルが展開されました。最終コーナーでトップを守っていたPETRONAS TOM'S SC430は,何とかウイダーHSV-010の追撃を振り切り,最終戦で今季初優勝を飾りました。惜しくも2位になったものの,ランクトップの座を守って木暮&デュバルが今シーズンのチャンピオンを決めるとともに,チームタイトルをもものにしました。今シーズンからNSXに替わって投入されたHSV-010ですが,投入1年目にしてチャンピオンカーに輝いています。3位表彰台に上がったのは,予選3番手からスタートした金石年弘&塚越広大組のKEIHIN HSV-010でした。
GT300クラスは,ポールからスタートした星野一樹&柳田真孝組のTOMICA Zがその座を守ってトップを快走しました。それに対して後続のマシンは,予選2位のマシンがフォーメーションラップでスピンを喫したり,予選3位のマシンが,燃費の関係で燃料の搭載量が多かったりして思うようにペースを上げることができませんでした。10周を過ぎる頃には後続に10秒以上の差をつけたTOMICA Zは,その後も十分なマージンを築いたままチェッカーを受け,今季初優勝を飾りました。前戦までランク3位につけていたチームがそれぞれノーポイントに終わったりしてポイントを伸ばすことができなかったのに対して,ランク4位につけていた星野一樹&柳田真孝組が優勝したことにより,大逆転で今シーズンのチャンピオンを決めました。昨シーズンまでGT500クラスに参戦していたハセミモータースポーツですが,今シーズンはGT300クラスに参戦せざるを得なかっただけに,このチャンピオン獲得はチームにとってもより一層うれしいものになったのではないかと思います。日産の中でずっと強烈なライバル関係にあったのが長谷見昌弘と星野一義ですが,その長谷見と星野の息子である一樹がタッグを組んだチーム。同じく日産のワークスドライバーであり,「Zの柳田」という異名をもった柳田春人を父に持つ柳田真孝とのコンビといういろいろな因縁のあるチームですが,それらの歴史をも含んだ今回のチャンピオン獲得劇でした。なお,2位,3位には,それぞれ加藤寛規&濱口弘組のアップル・K-one・紫電と山西康司&関口雄飛組のJLOCランボルギーニRG-3が入っています。
☆ランクトップ(F1)
○新規開催となる第17戦韓国GPの決勝レースが,新規に建設された韓国インターナショナルサーキットで行われました。あいにくの雨に見舞われた決勝レースは,いきなり雨によりスタートディレイとなりました。さらに,セーフティーカー先導で始まったものの,わずか4周しただけで赤旗中断となりました。レースはようやく16時05分にセーフティカー先導で再開。17周目後にセーフティカーが退いてようやくレースが本格的にスタートしました。予選でフロントローを独占したレッドブル勢でしたが,決勝レースがスタートするといきなりM.ウェーバーがクラッシュ。さらに,もう一人のS.ベッテルは46周目にマシントラブルでリタイアに終わってしまいました。それに対して2番手を走行していたフェラーリのF.アロンソは,ベッテルのクラッシュによりトップに浮上した後も安定した走行を続け,波乱の韓国GPの初代ウィナーとなりました。この優勝により,アロンソがランクトップに躍り出ました。2位には,マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが,3位には,フェラーリのF.マッサが入っています。ザウバーの小林可夢偉は,45周目にフォースインディアのA.スーティルにターン4でマシンをぶつけられるというアクシデントに見舞われました。スーティルは大きくコースオフして順位を下げましたが,幸いにも可夢偉のマシンには大きなダメージがなく走行を続けることができ,最終的には8位でチェッカーを受け,今シーズンの目標だった30ポイント獲得に到達しています。
2010/10/23(土)
☆改修(F1)
○初開催となる第17戦韓国GPが韓国インターナショナル・サーキットで開幕し,初日はフリー走行が行われました。戦いの場となる韓国インターナショナル・サーキットは,建設工事が大幅に遅れ,直前までサーキットのあちらこちらで建設作業が続けられていましたので,特に路面がF1マシンの走行に耐えられるかという懸念が出ていました。幸いなことに,金曜日の走行の中では舗装が剥げるなどの大きなトラブルは生じていませんでした。とはいえ,細かい部分ではいくつかの問題点が生じ,それを解決するべく早くも2日目の走行に間に合わせるように初日の走行終了後に改修工事に着手することが決定しました。その改修内容ですが,まずは,ピットレーン入り口の白線の改修です。初日に行われたフリー走行では,最終コーナーのイン側から低速でピットレーンに進入するマシンのすぐそばを,時速250kmを遙かに超えるスピードでホームストレートに向かうマシンが通過するという危険なシーンが見られました。このことを受け,コース上の白線が取り除かれることになって,ピットインするマシンが減速するのを最小限に留めることができることになります。また,縁石に関することも改修が決まりました。その改修点は2カ所あり,その1つは左回りのターン16です。初日の走行の中でヒスパニア・レーシングの山本左近がスピンするシーンのあったところなのですが,ここはエイペックス(コーナーの頂点のことで,『クリッピングポイント』とは別です。)の縁石が路面よりも低くなっているため,マシンが大きくボトミングをしていました。それがスピンの原因になったため,ここの縁石を高くすることになりました。もう1つは最終コーナーとなるターン18で,どのドライバーもスロットルを緩めることなく通過していますが,その際,イン側を大きくカットして走行したため,土をコースに持ち込み,砂ぼこりが舞うシーンが常に見られました。当然路面が汚れてスピンの原因につながる可能性が高まりますので,ここはエイペックスよりも低い位置に新しい縁石を設置することで,ドライバーがコーナーをカットすることを防ぐことになります。
2010/10/22(金)
☆契約延長(F1)
○マクラーレンから発表があり,今シーズンで契約が切れる予定のイギリスに本社を置く携帯電話会社である『ボーダフォン』とのスポンサー契約を延長することが決定しました。延長期間は,2013年までの3年間です。両者の関係は2007年から続いていて,今回の契約成立により7年間マクラーレンのマシンにボーダフォンのロゴが表示されることになります。ボーダフォンとは,単なる金銭的な提携関係だけでなく,技術的な面でも協力関係にあって,オペレーションシステム等にボーダフォンの技術が生かされています。
☆今回も(MotoGP)
○フィアット・ヤマハのV.ロッシのチーフクルーであるJ.バージェスは,ホンダでメカニックとしてのキャリアを積んでいましたが,2004年にロッシがホンダからヤマハへ移籍するのに伴い,彼も一緒にヤマハへ移籍していました。来シーズンからロッシがドゥカティへ移籍することが決定し,チームクルーたちがどうするのか注目をされていました。そして,バージェスがアメリカの雑誌のインタビューに答え,来シーズンからヤマハワークスに所属することになったB.スピースとタッグを組むよりも,新たな環境に適応することの方が大きな挑戦となるというような趣旨の発言をし,正式発表ではないものの,どうやら今回もロッシとともに移籍することになる可能性が高いようです。
2010/10/21(木)
☆大丈夫?(F1)
○今週末は,初開催となる韓国GPです。新規に建設したサーキットを使用するのですが,開催は決まっていたものの,厳しい経済状況という影響もあって建設に大幅な遅れが生じ,開催できないのではないかという噂も浮上していたほどです。しかし,FIAの査察をパスし,何とか開催にこぎ着けました。明日からの開幕を控え,チームやドライバーはもちろん,その他の関係者も続々と韓国を訪れています。そうした状況になると,現在の状況も続々と流されるようになるのですが,やはり心配となる点がどんどん明らかとなってきています。メインとなる部分は完成しているようなのですが,例えばコースの工事に関しては,いまだにロードローラーが路面をならしているようですし,スターティンググリッドのペイントもできていないようです。開催にゴーサインが出た後,最も懸念されているのが路面がF1マシンの走行に耐えられるかということです。F1マシンにおけるタイヤのグリップ力,そしてダウンフォースは強力なものがあり,路面自体にかける負担は相当大きなものがあります。いまだにロードローラーが状況を知ると,懸念していることがさらに現実味を帯びてきます。ただ,サーキットの設計を担当したH.ティルケによると,はじめの頃は滑りやすいかもしれないけれども路面が剥げることはないとのことです。路面以外では,どこもかしこも砂埃で,ピットレーンの横にはいまだに大きな砂の山が残っているとのことです。フロントストレートのブリッジにはまだ足場があるようですし,そこにはヘルメットをかぶった作業員たちが大勢いるとのことです。そして,多くの人が抱えている困りが,サーキットへの移動のようで,ソウルの空港から韓国国際サーキットが位置するヨンアムに最も近い都市モクポまでは非常に遠くて,韓国が誇るKTXZ(韓国高速鉄道)で移動する必要があります。ウィリアムズチームによると,よりよいホテルに泊まりたければ毎日往復3時間の移動時間を覚悟しなければならないと言われたそうです。準備不足はチケットの売り上げにも影響しているようで,F1開催には10万人程度は基本的に必要と考えられるのですが,月曜までに販売されたチケットはわずか6〜7万枚ほどしかなく,ネーミングスポンサーも不足している状況だそうです。サーキット完成まで200億円を遙かに超える資金が投入され,開催自体の金額も多額です。黒字が確保できるのか,それともどの程度の赤字となるのか,お金の面でもかなり不安が残っているといっていいでしょう。
2010/10/20(水)
☆契約解消(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングから発表があり,同チームから参戦しているM.カリオとのパートナーシップを第16戦オーストラリアGPをもって解消することになりました。軽・中量級クラスを経て昨シーズンから最高峰クラスへステップアップしたカリオは,その段階で同チームに所属してきました。昨シーズンはある程度の成績を収めたものの,今シーズンは第3戦フランスGPで転倒を喫し,その際左肩を痛めてしまいました。それ以後なかなか痛みが引かないレースが続き,それに伴って成績自体も低迷し続けていました。そして,3週連続開催の1戦目となる日本GPでは,さらにその痛みが激しくなったようです。来シーズンに向けて早めに治療に専念することを決断し,今回の契約解消につながったようです。最高峰クラスでのカリオの成績ですが,最もよかったのは昨シーズンにマークした7位です。ただし,この成績はプラマック・レーシングでのものではなく,ドゥカティのエースライダーであるC.ストーナーが体調不良で欠場したのに伴い,ワークスチームから代役参戦した時のもので,プラマックでの最高成績は,2回マークした8位です。2戦を残してMotoGPクラスから離脱することになったカリオですが,来シーズンもMotoGP残留に向け交渉しているようです。ただし,最高峰クラスではなく,今シーズンから始まったMoto2クラスからの参戦を軸にしているようです。カリオの離脱に伴い,その代わりを誰が務めるかについては現段階では正式発表がありません。しかし,元GPライダーで,現在SBKでドゥカティのマシンを駆ってフル参戦しているC.チェカが代役を務めるのではないかといわれています。なお,来シーズンのプラマックですが,今年所属しているカリオとA.エスパルガロの両方とも離脱することになります。そして,今シーズン限りでスズキのワークスチームを離れることになっている超ベテランライダーのL.カピロッシが,同チームに所属することが確実視されています。もう一つのシートについては,現段階では具体的な名前が挙がっていません。
2010/10/19(火)
☆契約延長(SBK)
○ホンダ・モーター・ヨーロッパから発表があり,テン・ケイト・レーシングとの間で契約延長が決定しました。今回締結された延長期間は,2013年までの3年間です。SBKではワークスチームを参戦させていないホンダですが,実質的にはオランダにチームのベースを置くこのテン・ケイトがその役割を果たしています。ホンダとテン・ケイトとは,CBR1000RRを使用しているSBKだけでなく,そのSBKと併催のCBR600RRを使用しているWSSでも提携関係を結んでいて,これまで数々のチャンピオンを輩出しています。今シーズンは,SBKではタイトルを獲得できなかったものの,WSSは同チームからフル参戦しているトルコ人ライダーのK.ソフォーグルが自身2回目となるチャンピオンに輝いています。なお,同チームのタイトルスポンサーに関してですが,ここ数年台湾の電子機器メーカーであるハンスプリーが務めていましたが,来シーズンからは石油関連会社で皆さんよくご存知のカストロールがその役割を果たすことになっています。
今シーズンのSBKチャンピオンとなったのは,元GPライダーでアプリリアからフル参戦しているM.ビアッジでした。アプリリアに所属して2年目の今シーズンにチャンピオンとなったビアッジですが,来シーズンに関してはシーズン終了段階でははっきりしていませんでした。中には,チャンピオンを獲得して引退するのではないかという噂も出ていたほどです。しかし,この度アプリリアから発表があり,ビアッジとの契約を2年間延長することが決定しました。なお,ビアッジのチームメイトには,既にL.キャミアが決定していました。
2010/10/18(月)
☆波乱(FN)
○第6戦の決勝レースが,雲一つない好天に恵まれたオートポリスで開催されました。前日の予選では,PETRONAS TOM'SのA.ロッテラーがトップタイムをマークしたとたんにスピンし,赤旗が提示されてそのまま予選成立となり,何人ものドライバーがタイムアタックできないまま終了となってしまって大問題となりました。そのような波乱の展開が見られた予選でしたが,何と決勝でもスタート直後から大波乱となりました。前戦の勝者で,今回のポールシッターでもあるPETRONAS TOM'Sの大嶋和也と2番手スタートだったMobil1 IMPULの平手晃平がスタートで出遅れたのに対し,3番手スタートをしたTeam LeMansの石浦宏明と4番手スタートのDOCOMO DANDELIONのL.デュバルが好スタートを切ったため,行き場を失ったデュバルが石浦らのマシンと接触してしまって複数のクラッシュが発生してしまいました。これにより,スタート直後からセーフティーカーの導入という波乱の展開となりました。このセーフティーカー導入時に何台ものマシンがピットインし,タイヤ交換義務を果たしました。その中にロッテラーとMobil1 IMPUのJ−P.オリベイラ,そして石浦がいました。中盤まではピットインしなかったマシンが上位を走っていましたが,それらのマシンがピットインするとロッテラー,オリベイラ,石浦の順でトップ3を形成しました。前日の予選で波乱の原因をつくったロッテラーは,トップに立つと順調にその座を守りきり,今シーズンの初優勝を飾りました。2位には,単独の走行でオリベイラが入りました。3位を走行していた石浦は,終盤に入ってペースが落ち,最終ラップはHFDP RACINGの塚越広大がかなり接近する事態となりましたが,何とか逃げ切って表彰台を獲得しました。この大会前までランクトップだったNAKAJIMA RACINGの木暮卓史は,途中でリタイアとなったことから,ランキング争いに変化が現れ,ロッテラーとオリベイラが同点でトップに並びました。
☆3連勝(JRR)
○第6戦の決勝レースが,ツインリンクもてぎで開催されました。JSB1000クラスは,予選2番手からスタートしたホンダの伊藤真一が,ポールからスタートしてトップの座を守っていたホンダの秋吉耕祐がコースオフしたのに伴ってトップに浮上。後は独走で優勝し,3連勝を飾りました。11周目に2位に浮上したヤマハの中須賀克行が2位に,ホンダの亀谷長純が3位に入りました。
今回初めて単独開催となったJ−GP2クラスは,オープニングラップの5コーナーでトップに立ったホンダの山口辰也が,後続に11秒もの大差をつける独走を果たしてトップでチェッカーを受けました。2位,3位には,それぞれスズキの生形秀之,ホンダの野田秀樹が入っています。
ST600クラスは,9周目にトップに立ったヤマハの大崎誠之が,後続に3秒以上の差をつけて今季初優勝を飾りました。2位には,ランクトップを行くホンダの山口辰也が入りました。そして,13周目に3位に浮上したヤマハの大木崇行がその座を守りきり,自身初となる表彰台を獲得しています。
J−GP3クラスは,オープニングラップの5コーナーで転倒したマシンがコースをふさいだため,赤旗が提示されて一時中断となりました。リスタート後は,4台のマシンによる激しいトップ争いが最終ラップまで続きました。そして,僅差で見事優勝を果たしたのはホンダの大久保光でした。惜しくも2位となったのは,ホンダのマシンを駆る超ベテランライダーの菊池宏幸でした。3位には,こちらもホンダのマシンを駆る浦本修充でした。
いつものように前日に決勝が行われたGP−MONOクラスは,藤井謙汰が3連勝を飾りました。2位,3位にはそれぞれ小室旭と岡田義治が入っています。
☆地元4連勝(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その3つめのレースとなる第16戦オーストラリアGPの決勝レースが,フィリップアイランド・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーが,オープニングラップからトップに立つと独走状態に持ち込み,見事母国GP4連勝を飾りました。前戦で今シーズンのちゃんピンを決めたフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,ストーナーの独走は許したものの2位でチェッカーを受けています。今季ワーストとなる8番グリッドからスタートしたフィアット・ヤマハのV.ロッシは,来シーズンのチームメイトとなるドゥカティのN.ヘイデンとのバトルを制して3位表彰台を獲得しています。インターウェッテン・ホンダの青山博一は,日本,マレーシアと続いた好調さが発揮されず,13位でのチェッカーとなりました。
Moto2クラスは,このところ好調な走りを見せているモトビのA.デ.ジェリスがポールからスタートしました。16周目にトップに立ったデ.アンジェリスは,最後までその座を守りきり,2006年10月に行われた最終戦バレンシアGP以来となる自身通算2勝目を達成しました。と同時に,彼が駆るのは日本のコンストラクターであるTSR製のマシンですが,そのマシンに初優勝をもたらしました。前戦でモリワキ製のマシンを駆るT.エリアスが今シーズンのチャンピオンを決めていますが,今回はTSR製のマシンが制し,日本のコンストラクターの優秀性があらためて示されています。2位には,こちらもこのところ好調な走りを見せているシューターのS.レディングが入り,今季自己最高位を獲得しています。3位には,スピードアップのマシンを駆るA.イアンノーネが入り,今季7回目の表彰台を獲得しています。テック3の高橋裕紀は,予選から思うようにポジションアップを果たすことができず,最終的にポイント圏外の17位でチェッカーを受けています。シューターのマシンを駆る渡辺一樹は32位で完走を果たしていますが,國川浩道はリタイアに終わっています。
125ccクラスは,今シーズン11回目のポールポジションからスタートしたデルビのM.マルケスは,スタートではポジションを落としたものの,オープニングラップでトップに立ちました。その後は,コンスタントな走りを見せて後続を引き離し,3戦連続,今季7度目のポール・トゥ・ウインを達成しました。トップから6秒遅れで2位に入ったのは,同じくデルビのマシンを駆るP.エスパルガロでした。そして,3位にアプリリアのN.テロルが入り,前戦に引き続いてスペイン勢が表彰台を独占しています。アプリリアの小山知良は,今シーズン12回目のシングルフィニッシュとなる7位に入りました。
2010/10/15(金)
☆新開催地(F1)
○ロシアのプーチン大統領から発表があり,2014年にロシアGPを開催することが決定しました。今回締結された契約期間は,2014年から2020年までの7年間となります。さらに,今回正式発表はなされませんでしたが,2024年まで延長する5年のオプションも存在するようです。来週末には,新規開催地である韓国GPが開幕することになっています。また,来年はインドで,再来年にはアメリカのオースティンで初めてのレースが開催される予定になっていて,新規開催地が目白押しになってきています。ロシアGPの開催地となるのは,ちょうどF1開催が始まる2014年に行われる冬季オリンピックの会場となるロシアのリゾート地として有名なソチです。そのオリンピック会場の近くに新たなサーキットを建設し,そこでロシアGPが開催されることになるとのことです。サーキットの建設となると多額の資金が必要となりますが,報道によれば,国営企業であるロステクノロジー,携帯電話会社であるメガフォン,石油企業のルークオイルやルサール等々ロシアの大手企業がおよそ2億ドルといわれる建設費用に投資するといわれています。今シーズンは,V.ペトロフがロシア初のF1ドライバーとしてルノーのマシンを駆ってフル参戦していますが,超大国でのF1開催が決まったことにより,今後いろいろな企業の投資が始まるでしょうし,新たなドライバー,そして新たなチームの参入の動きがロシア国内に見られるようになりそうですね。
2010/10/14(木)
☆支援?(F1)
○鈴鹿で行われた日本GPにおいて,見事なオーバーテイクを披露して観ているものを引きつけたザウバーの小林可夢偉に関して新たな噂が浮上しています。それは,大阪に本社を置く多国籍総合エレクトロニクスメーカーである『パナソニック』が,ザウバーのスポンサーに就くのではないかということです。日本を代表する世界的企業であるパナソニックは,昨シーズンまで8年間F1においてトヨタを支援し続けてきました。しかし,昨シーズン末をもってトヨタがF1から撤退したのに伴い,パナソニックもF1でのサポートを終えていました。しかし,パナソニック自体は2012年末までの支援を決めていましたから,今シーズンからの撤退は,パナソニックが望むものではなかったことも確かでしょう。今回浮上している噂は,10日に行われた日本GPの決勝レース終了後,パナソニック関係者がザウバー及び可夢偉と面会したというものです。皆さんご存知のように,可夢偉はずっとトヨタの支援を受けてレース人生を歩んできました。F1デビューを果たせたのも,もちろん可夢偉自身の頑張りもありますが,トヨタの支援のおかげもあったのは確かです。唯一のフル参戦日本人ドライバーであり,今シーズンの活躍で世界から注目されるドライバーに成長しているのが可夢偉です。トヨタとパナソニックのつながり,トヨタと可夢偉のつながり,これらを総合しても,今回の支援話は,単なる噂に終わるものではなく,かなり現実性を帯びたものであるのは確かでしょう。
2010/10/13(水)
☆開催(F1)
○今シーズンから新たな開催地となっている韓国GPは,来週末に開催が予定されています。その韓国GPの舞台となるのは,新規に建設されている韓国インターナショナル・サーキットですが,当初から建設の遅れが目立っていて,何度も韓国GPの開催自体が疑問視されてきていました。しかし,FIAのレースディレクターを務めているC.ホワイティングが2日間にわたって査察を行った結果,F1開催に必要な義務的なサーキットライセンスを発行し,FIAが韓国GP開催にゴーサインを出しました。ただ,開催自体は決まったものの,建設の遅れが解消されているのかというと,どうやらその懸念は依然として残っているようです。今週初めの段階では,スタート&フィニッシュライン上にかかる橋はまだ建設中のようですし,サーキットへの主要アクセス道路は未舗装で,会場を囲うフェンスも完成していないとのことです。一番懸念されているのはコースの路面そのもので,いわゆる「油浮き」があるようなのです。舗装されたばかりの路面は,この油浮きが出てきます。通常は,日にちの経過や走行などで徐々に解消されていくものですが,今回は完成直後になりますから解消されないままの開催となります。強烈なダウンフォースを伴って超高速で走るF1マシンが通るわけですから,スリッピーになるでしょうし,路面の剥がれも懸念されます。とりあえずゴーサインが出されてはいますが,まだまだ安心はできないのが現実でしょう。
2010/10/12(火)
☆大逆転(BSB)
○最終戦となる第12戦の決勝レースが,オールトンパークで行われました。最終戦は,土曜日に1レース,日曜日に2レースの合計3レースで争われました。まず9日に行われた第1レースでは,この大会までランキング3位につけていたホンダの清成龍一が,2番グリッドからスタートしてシーズン5勝目を挙げ,ランキングを2位に上げ,このレースで2位に入ったランクトップを行くスズキのT.ヒルとの差を10に縮めました。3位には,ホンダのJ.エリソンが入っています。
日曜日にまず行われた第2レースは,アクシデントにより2ヒート制になるという展開となりました。そのような荒れたレースにもかかわらず,前日に勝利を収めていた清成は,ここでも速さを見せて2連勝を飾りました。それに対して,ランクトップを行っていたヒルは,転倒リタイアに終わってしまったため,清成がヒルに代わってランクトップに躍り出ました。2位と3位には,それぞれS.イーストンとJ.ブルックスが入り,CBR1000RR勢が表彰台を独占しました。
迎えた今季最終レースでも,ランクトップに立った清成の勢いは衰えず,チャンピオン獲得がかかった緊張感にあふれるレースを制し,見事今シーズンのチャンピオンの座を大逆転で獲得しました。2位にブルックス,3位にエリソンが入り,ここでもCBR勢が表彰台を独占しています。
今シーズンの清成は,3年ぶりのBSBということもあって,シーズン序盤はマシンのセットアップに苦労して思うような成績を収めることができませんでした。しかし,第4戦のキャドウェルパークで勝利を収めてから徐々に波に乗り始め,第5戦をダブルウィン,第7戦で4勝目を挙げるなどして徐々にランキングアップを果たしていきました。そして,今回の3連勝により,2006年,2007年に2連覇して以来のBSBチャンピオン獲得となりました。元チャンピオンということで大変なプレッシャーがあったと思いますが,見事それを乗り越えてのV3となりました。本当におめでとうございます!
2010/10/11(月)
☆チャンピオン決定(MotoGP)
○第15戦マレーシアGPの決勝レースがセパン・インターナショナル・サーキットで行われ,MotoGP,Moto2クラスのチャンピオンが決定しました。まずMotoGPクラスですが,レースの方ですが,予選6番手からスタートしたフィアット・ヤマハのV.ロッシは,そのスタートで出遅れて9位まで順位を落としてしまいました。しかし,その後は最速ラップを連発して順位を上げていき,開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾが,前戦の日本GPに引き続いて2位でチェッカーを受けました。チャンピオンに王手をかけているフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,ポールからスタートして3位でチェッカーを受け,3戦を残して今シーズンのチャンピオンを決定しました。もちろん最高峰クラスでは,自身初となるチャンピオン獲得です。今回の表彰台獲得は3戦ぶりですが,それまでは全て表彰台に上るという高い位置での安定感を見せてきました。昨シーズンまでは,十分な速さは見せるものの,転倒で怪我をしたりリタイアをしたりという不安定な走行が時折見られ,これが彼自身のチャンピオン争いに影響を与えていました。今シーズンはこうした不安定要素が全くなくなり,速さのみが出るようになったことがチャンピオン獲得につながったと言えます。このサーキットを得意としているインターウェッテン・ホンダの青山博一は,最終ラップまで7位争いを展開していき,最後はその争いを制し,最高峰クラスにおける自身最高位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,レース中盤から順位を上げてきたシューターのマシンを駆るR.ロルフォとモトビのマシンを駆るA.デ.アンジェリスとの間でトップ争いが展開されてきました。最終ラップまで続いたバトルは,最終的に今シーズン久々にGPに復帰してきたロルフォがトップチェッカーを受けました。ロルフォの勝利は,2004年5月の第2戦スペインGP以来のもので,自身通算4勝目となります。惜しくも2位になったデ.アンジェリスは,今季初の表彰台獲得です。3位争いは,スピードアップのマシンを駆るA.イアンノーネと,モリワキのマシンを駆るT.エリアスとの間で繰り広げられました。残り数ラップになったところでチャンピオンに王手をかけているエリアスがイアンノーネにチャージをかけましたが,抜かれたらすぐに抜き返すという意地を見せ,最終的にエリアスが堅実な走りに切り替えたこともあって,イアンノーネが今季6度目の表彰台を獲得しています。4位に入ったエリアスは,チャンピオン争いの直接のライバルであるシューターのJ.シモンの脱落もあって,こちらも残り3戦を残して,このクラス初代チャンピオンを決定しました。彼が駆っているマシンは,日本を代表するコンストラクターであるモリワキのものです。国内では数々の栄冠を残しているモリワキが,ついにGPにおいてもチャンピオンを輩出するという快挙を成し遂げました。日本人ライダーの成績ですが,シューターのマシンを駆る渡辺一樹と國川浩道は,それぞれ25位と28位で完走を果たしています。テック3の高橋裕紀は,改良されたマシンを投入したものの,初日の走行からその効果が表れず,下位に低迷するという走りしか展開できていませんでした。決勝レースでも,上位争いに顔を出すことがないままレースが進行していき,9周目に転倒を喫して今季5回目となるリタイアに終わっています。
125ccクラスは,ここまでランク2位につけているデルビのM.マルケスが,レース中盤にトップに立つとロングスパートをかけ,独走で2戦連続6度目のポールトゥーフィニッシュを達成しました。この勝利により,マルケスが再びランクトップに返り咲いています。2位には,同じくデルビのマシンを駆るP.エスパルガロが入っています。今大会に入る前までランクトップを行っていたアプリリアのN.テロルは,単独での走行で3位に入っています。アプリリアの小山知良は,上位争いを展開しているほとんどのライダーがパワーに勝るアプリリアのRSAを駆っているのに対して,彼が駆っているのはそれよりも非力なアプリリアRSWです。にもかかわらずRSA勢とバトルを展開していき,今季11度目のシングルフィニッシュとなる9位でチェッカーを受けています。
☆圧巻(F1)
○第16戦日本GPの最終日の走行が,前日と打って変わって好天に恵まれた鈴鹿サーキットで行われました。午前中は,大雨により延期となった予選が行われ,レースウィークに入って好調な走りを見せていたレッドブル勢のワンツーで終えました。
午後3時から行われた決勝レースは,レーススタート直後に多重クラッシュが発生し,いきなりセーフティーカー先導による走行となりました。しかし,その後は大きなアクシデントは発生せず,ピットインのタイミングの違いで見た目の順位は違っていましたが,レッドブル勢が圧倒的な強さと速さを見せながらレースが進行していきました。最終的には,鈴鹿を得意とするポールシッターのS.ベッテルが勝利を収め,2年連続ポールトゥーフィニッシュを達成しました。2位にM.ウェーバーが入り,ランクトップの座を守りました。3位には,前戦の勝者であるフェラーリのF.アロンソが入っています。このレースで圧巻だったのは,何といっても母国GPに燃えるザウバーの小林可夢偉でした。およそ10万人の観衆の声援を受けた可夢偉は,タイヤ交換をして12位でコースインしてから怒濤の走りを見せていきました。通常のF1ではパッシングポイントとはあまりならないヘアピンやスプーンカーブアウト側からいってパスしたりといった走りをしていきました。接触してサイドポンツーンの一部を壊してから自身のファステストラップを更新するという走りも見せながら,最終的に7位でチェッカーを受けました。ヒスパニア・レーシングの山本左近は,開幕以来全くといっていいほどアップデートが施されていないマシンを駆り,16位で完走を果たしています。
ただ,気になる点があったのも事実です。観衆はおよそ10万人だったものの,それでも例年に比べるとおよそ5万人少ない数です。鈴鹿サーキット側の発言によると,大会自体は何とか黒字を確保できたようで,契約の切れる2012年以降もF1を継続開催する意向のようです。しかし,ホンダやトヨタが既に撤退し,今シーズン限りでブリヂストンも撤退することになっています。可夢偉の活躍が唯一の救いですが,やはり何らかの手を打たないと徐々に日本におけるF1が衰退していくことが懸念されます。
2010/10/10(日)
☆好位置(MotoGP)
○第15戦マレーシアGPの予選が,セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,今大会でチャンピオンに王手をかけているフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾが,2位にコンマ1秒差の僅差でトップタイムをマークしてポールを獲得しました。ロレンゾのポール獲得は,第9戦アメリカGP以来今季6回目,最高峰クラス通算15回目となります。今大会でチャンピオンを獲得するためには,アクシデントに巻き込まれないようにすることが大切ですが,そういった意味からトップグリッドからスタートするのは,巻き込まれる可能性を低くできて好位置からのスタートと言えるでしょう。ロレンゾから遅れることわずかコンマ1秒差だったのは,ドゥカティのN.ヘイデンでした。3番手タイムをマークしたのは,前戦の日本GPのポールシッターだったレプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾでした。インターウェッテン・ホンダの青山博一は,トップから1秒2ほど遅れの14番手で予選を終えています。
Moto2クラスは,シューターのマシンを駆るJ.シモンが,前戦の日本GPに引き続いてトップタイムをマークし,2戦連続ポールを獲得しました。フリー走行で好調な走りを見せていたモトビのA.デ.アンジェリスは,トップグリッドこそシモンに譲ったものの,今季自己最高位となる2番グリッドを獲得しています。モリワキのT.ルティが3番手タイムをマークし,第7戦カタルニアGP以来となる今季2度目のフロントロー獲得となりました。日本人勢ですが,ブレーキトラブルにより,前日のフリー走行が24番手に終わっていたテック3の高橋裕紀は,それよりも順位を上げて18番グリッドを獲得しています。シューターの渡辺一樹と國川浩道は,それぞれ32番手,38番手で予選を終えています。
125ccクラスは,日本GPを独走で制したデルビのM.マルケスがトップタイムをマークし,3戦連続となるポールを獲得しています。2番グリッドを獲得したのは,アプリリアのマシンを駆るB.スミスでした。そのスミスのチームメイトで,ここまでランキングトップをいくN.テロルが3番手タイムでした。アプリリアの小山知良は,残り2ラップでタイムアップを果たし,トップから2秒以上遅れてはいるものの,シングルフィニッシュとなる9番グリッドを獲得しています。
☆延期(F1)
○第16戦日本GPの予選が,9日に行われる予定でした。6万人以上が詰めかけていた鈴鹿サーキットでしたが,心配されていたとおり終日大雨に見舞われ,氷の上を滑るようになってハンドルでのコントロールが効かなくなるアクアプレーニング現象に見舞われるという事態となってしまいました。そのため,ずぶ濡れになりながら予選開始を待っていた大勢の観客がいる中ではあったものの,今日の午前中に延期となってしまいました。鈴鹿での予選の延期は,台風接近の影響で延期となった2004年以来となります。この年ちょうど私は観戦しに行っていたのですが,事前に予選延期が分かっていたのでサーキットを訪れることがなく,退屈ではあったもののホテルで過ごすということができました(ただし,バイクで訪れていた私は,台風接近で金曜日はサーキットからの帰り道にものすごい大雨に見舞われてしまい,カッパが全く役に立たず,全身ずぶ濡れになりながらがホテルにたどり着きましたが・・・。)が,今年の観客たちは,サーキットにおいてずっと見守る中で予選中止となりましたので,本当に大変だっただろうと思います。
2010/10/9(土)
☆連続(F1)
○第16戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕し,初日は午前・午後ともにフリー走行が行われました。ドライコンディションの中で行われた走行は,2回のフリー走行ともにレッドブルのS.ベッテルがトップタイムをマークしました。この鈴鹿を得意とする彼は,この大会限定のカラーリングが施されたスペシャルヘルメットを使用しています。そして,チームメイトで,現在ランキングトップを行くM.ウェーバーが,これまた2回ともに2番手タイムでした。さらに,ルノーのR.クビサも,3番手タイムを両セッションでマークしています。ザウバーの小林可夢偉は,午前中が14番手タイムだったものの,午後はやや順位を上げて12番手タイムで初日の走行を終えています。ヒスパニア・レーシングの山本左近は,前戦の出場はかなわなかったものの,母国GPである今回は出場することができ,両セッションともに最下位となる24番手タイムでした。今日は予選が行われますが,天候が心配されていて,かなりのヘビーウェットでの走行となることも予想されます。
☆前戦と同じく(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,その2戦目となるマレーシアGPがセパン・サーキットで開幕しました。初日はフリー走行が行われ,MotoGPクラスはフィアット・ヤマハのV.ロッシがトップタイムをマークしました。前戦となる日本GPでもロッシは初日がトップタイムでしたから,2戦連続同じ結果となりました。2番手タイムをマークしたのは,前戦の決勝レースを2位で終えているレプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾでした。今回チームメイトのD.ペドロサが怪我で欠場していて,唯一のホンダワークスライダーとなるだけに,まずは順調な滑り出しを見せたと言えるでしょう。3番手タイムは,今大会でチャンピオン獲得の可能性があるフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾがマークしました。このサーキットを得意としているインターウェッテン・ホンダの青山博一は,トップのロッシと1.045秒差の14番手で初日を終えています。
Moto2クラスは,ドライからウェットに変わるコンディションの中行われ,日本GPで4位フィニッシュを果たしたモトビのA.デ.アンジェリスがトップタイムをマークしました。このところいいリザルトを残しているシューターのS.レディングが,0.2秒弱遅れの2番手タイムをマークしました。3番手タイムは,この大会でチャンピオン獲得に王手をかけているモリワキのT.エリアスがマークしています。日本人ライダー勢は,テック3の高橋裕紀が24番手,シューターの渡辺一樹が31番手,國川浩道が39番手と初日は大きく出遅れた形となりました。
125ccクラスは,日本GPのウィナーであるデルビのM.マルケスがトップタイムでした。ランキング3位につけるデルビのP.エスパルガロは,セッション序盤に転倒を喫してしまいましたが,終盤に入ってタイムアップを果たし,2番手タイムで初日を終えています。3番手タイムは,,ここまでランクトップにつけるN.テロルがマークしています。前戦の日本GPでは,非力なマシンに苦しめられて転倒を喫してしまったアプリリアの小山知良は,わずかに11周しか走行できず,11番手タイムをマークしたのととどまりました。
2010/10/8(金)
☆欠場(MotoGP)
○3週連続開催となるMotoGPですが,今日からその2つめのレースとなるマレーシアGPが開幕します。それを前にしてレプソル・ホンダから発表があり,エースライダーであるD.ペドロサがマレーシアGPを欠場することが決定しました。そのペドロサは,3連戦の最初のレースである日本GPにおいて,1回目のフリー走行でマシントラブルが原因で転倒を喫してしまいました。その際に両肩を強打し,左鎖骨については骨折する重傷を負ってしまいました。早期復帰を目指して直ちにスペインに帰国し,2日に骨折した部分にチタンプレートを埋め込む手術を行っていました。しかし,手術した部分だけでなく,転倒の際に強打した左肩と左腕に必要な力が入らないため今回の欠場という決断に至ったわけです。ランク2位につけ,トップを行くフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾをチャンピオン争いで追いかける実質上唯一の存在だっただけに,本人を含めて何としてでも出場したかったことでしょうが,それもかなわぬものとなってしまいました。これにより,今回のマレーシアGPで,ロレンゾがトップ10フィニッシュを達成すれば今シーズンのチャンピオンが決定することになります。なお,欠場するペドロサの代役は今回立てず,日本GPで2位表彰台を獲得する活躍を見せたA.ドビツィオーゾの1台体制となります。
2010/10/7(木)
☆テストカー(SGT)
○6日から2日間にわたって,ツインリンクもてぎで第4回タイヤメーカー合同テストが行われていて,初日は道上龍&中山友貴組のEPSON HSV-010が午前・午後ともにトップタイムをマークしました。GT500クラスのマシンは全部で9台参加していて,そのうちの8台は今シーズンの参加車両ですが,99のゼッケンをつけているマシンは見慣れないものです。REAL RACING代表である金石勝智がステアリングを握ったこのマシンの外観は,昨シーズンまでホンダの参戦車両だったNSX-GTで,「ホンダFR研究車」という車両名での参加となっています。つまり,ミッドシップレイアウトを基本にしていたNSX-GTをFR化したマシンであるということです。今シーズンから新規開発を行ってHSV-010を投入したのに,なぜこの段階でNSX-GTなのかという疑問を持ちますが,どうやらザイテック製KERS(エネルギー回生システム)を搭載しているものだということです。2012年からグランドツーリングカー500という車両規定が適用されたマシンを使用することになっているSGTですが,8月にJAFから発表された規定によると,エネルギー回生システムの使用が認められる条文が発表されています。SGTの主催団体であるGTAの板東正明代表によると,「KERSに関しては,GTAが統一したパーツを作って各メーカーに供給する形で導入する予定」とのことでしたから,今回参加しているNSX-GTは,その先行開発車ということになりそうです。現在使用中のマシンで開発していったとなると,当然そのチーム及びメーカーが有利な立場になりますから,既にSGTシリーズから外れたマシンであるNSX-GTが選ばれたのでしょうね。
2010/10/6(水)
☆供給(F1)
○レッドブルのマシン開発を担っているレッドブル・テクノロジー社から発表があり,今シーズンの新規参入チームの一つであるロータス・レーシングに対して,2011年からギヤボックス及び油圧システムの供給を行うことが決定しました。新規参入チームはどのチームもコスワースのカスタマーカーを使用していて,エンジンはコスワース製,ギヤ関係についてはXtrac製のギアボックスとハイドロリックを使用しています。来シーズンについても,当初は同じパッケージで行く予定でしたが,まずロータスが独自の道を歩むことになったわけです。今回供給することになったレッドブルは,チームとしてはまだそれほど歴史があるわけではないものの,現在M.ウェーバーがランクトップを行っているように,新興チームとは思えない活躍を見せています。そうしたことがロータスとの契約につながったことになります。ただ,今回の契約にはもう一つ要因となることがあります。それは,エンジンに関してです。先日ロータスとコスワースから発表があり,来シーズンのエンジン供給に関する契約を破棄することが明らかになりました。来シーズンのロータスに関しては,既に公然の秘密とも言える状況ですが,コスワースエンジンではなくルノーエンジンを使用することが確実視されています。今回ギアボックスを供給することになったレッドブルは,そのルノーエンジンユーザーの一つです。エンジンとギヤは一体となるものですから,実績を出しているレッドブル製のものを使用するのは,理にかなったものと言えるのではないでしょうか。
2010/10/5(火)
☆チームメイト(F1)
○ザウバーから発表があり,来シーズンのレギュラードライバーとしてメキシコ人ドライバーであるS.ペレスと契約が成立しました。同チームは,既に小林可夢偉との契約が成立していますので,来季は可夢偉&ペレスの体制で臨むことが決定しました。今回契約が成立したペレスのこれまでの経歴ですが,2007年にはイギリスF3ネーションクラス選手権で優勝し,2008年後半からGP2とGP2アジアに参戦しました。今季はGP2にフル参戦をし,まだ最終戦を残しているものの,ランク2位を決めています。F1におけるメキシコ人ドライバーとなると,1997年から1981年まで参戦していたH.アロンソ.レバーク以来となります。
今回ザウバーからさらに発表があり,メキシコの大手通信企業テルメックスとの契約が成立しました。このテルメックスは,メキシコの大富豪といわれるC.スリム氏が所有する企業で,今シーズンもGP2でペレスをサポートしていました。今シーズンのザウバーは,大きなスポンサーがここまでついてないため,大きく目立つロゴがなく全体的に白いものとなっていました。今回ペレスとの契約が成立したことでテレメックスとの契約も成立し,2011年からザウバーのマシンにテレメックスのロゴが大きく掲載されるものと思われます。有力なスポンサーが見つかったことで,今シーズンよりはマシン開発の速さが増すでしょうから,可夢偉のさらなる活躍が期待できますね。
2010/10/4(月)
☆連勝(MotoGP)
○第14戦日本GPの決勝レースが,曇り空ながらドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。MotoGPクラスは,3番グリッドからスタートしたドゥカティのC.ストーナーがオープニングラップからトップに立つと,最後までその座を誰に譲ることもなくゴールし,前戦に続く2連勝を飾りました。自身初となるポールからスタートしたレプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾは,最後までストーナーに追いつくことはできなかったものの,彼自身も2位の座を最後まで守り続け,第5戦イギリスGP以来となる自己最高位タイの順位で今季5度目の表彰台を獲得しました。3位争いは,V.ロッシとJ.ロレンゾのチームメイト同士のバトルとなりました。最終ラップには,コーナーでマシン同士,そして体同士が接触するという激しいバトルを演じ,最終的にロッシが3位表彰台を獲得しました。母国GPでたくさんの観衆の声援を受けるインターウェッテン・ホンダの青山博一は,14番グリッドからのスタートで出遅れて最後尾まで落ちたものの,後半には5台による10位争いを制し,今季自己最高位タイでチェッカーを受けました。
Moto2クラスは,モリワキのマシンを駆るT.エリアスとシューターのマシンを駆るJ.シモンとの一騎打ちとなりました。何度かシモンがエリアスにアタックをかけたものの,最後までエリアスが押さえきり,今季7勝目を飾りました。優勝後のインタビューでは,この勝利を,マシン開発を行っているモリワキ,そして19歳の若き命を散らした富沢翔也選手に捧げるという趣旨のコメントを出していました。4台による3位争いは,FTRのマシンを駆るK.アブラハムが制し,GPにおける自身初となる表彰台を獲得しました。来シーズン,現在所属しているチームとともにドゥカティのサテライトチームとしてMotoGPクラスにステップアップすることが既に発表されていますが,今回の表彰台獲得でその力を示した形となっています。予選3番手を獲得し,決勝レースで期待されたテック3の高橋裕紀は,抜群のクラッチミートを見せ,ホールショットを奪うスタートを見せました。その後,しばらくは単独で3位を走行していたのですが,徐々にタイムを落としていき,最終的に6位でゴールしました。チームオリジナルのマシンで参戦している高橋ですが,2台のデータしか集まらないという苦しい状況が続いていて,今回もマシンの熟成不足が出た感じで,母国GPだっただけに何ともくやしいレース展開でした。他の日本人ライダーですが,シューターの渡辺一樹は25番手,高橋裕紀の実弟であるRBBの高橋江紀は34番手で完走しましたが,TSRの手島雄介とビモータの國川浩道は転倒リタイアに終わっています。なお,モリワキの開発ライダーを務める森脇尚護は,木曜日に負った目の怪我により,予選やフリー走行は走行したものの決勝レースは欠場しています。
125ccクラスは,ポールからスタートしたデルビのM.マルケスが,ランキング争いを展開しているアプリリアのN.テロルとの一騎打ちとなりました。しかし,レース中盤にトップに立つと,どんどんその差を広げていき,今季5回目となるポールトゥーフィニッシュを達成しました。3位には,テロルのチームメイトであるB.スミスが入っています。今季自己最高位タイの5番グリッドからスタートしたアプリリアの小山知良は,3台による5位争いを展開していきました。アプリリアの中でワンランク落ちるマシンを使っているため,コーナーで順位を挽回しても,ストレートでスリップストリームを使われなくても簡単に抜かれてしまうということの繰り返しばかりでした。終盤になって何とか差を広げようとした中で転倒を喫してしまい,再スタートは切れたものの,残念ながら22位でのチェッカーとなりました。他の日本人ライダー勢ですが,大久保光がポイント獲得まであと一歩の16位,山本剛大が17位,森俊也が20位,篠崎佐助が21位,矢作雄馬が24位でチェッカーを受けています。
ところで,日本GPが終了して残り4戦となりましたが,来週末にはセパン・サーキットでマレーシアGPが行われます。ランキング争いで接戦が展開されている125ccクラスは未だに不透明ですが,Moto2クラスについては,T.エリアスのタイトル獲得が決まる可能性が高くなっています。MotoGPクラスについては,左鎖骨骨折で手術を受けているランク2位のD.ペドロサが欠場した場合,こちらもタイトルが決まる可能性が高まります。
☆前人未踏(WRC)
○第11戦ラリー・ド・フランスの最終日の走行が行われ,デイ1,デイ2とトップタイムをマークし,2位につけているチームメイトのD.ソルドに40秒以上の大差をつけていたシトロエンC4WRCのS.ローブが,堅実な走りを展開して通算60回目となる勝利を収めました。この結果,ランク2位につけるCitroen Junior Team C4 WRCのS.オジェに60ポイント差をつけ,残り2戦を残して今シーズンのタイトルを決め,前人未到の7連覇を自らの地元であるアグノーで達成しました。さらにこの勝利により,シトロエンのマニュファクチャラーズタイトル獲得も決定し,2008年から3年連続,6度目のタイトルとなりました。7月中に発表されたように,今シーズン限りで引退が噂されていたローブでしたが,来シーズンについてもチームにとどまってレースを継続することが決まっています。果たして前人未到の記録をさらに伸ばすことができるのでしょうか。なお,3位には,PSWRT Citroen C4 WRC のP.ソルベルグが入っています。
2010/10/3(日)
☆初ポール(MotoGP)
○第14戦日本GPの予選が,ツインリンクもてぎでドライコンディションの中で行われました。MotoGPクラスは,レプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾが最高峰クラスにステップアップして以来自身初となるポールを獲得しました。同チームのエースライダーであるD.ペドロサが,初日に転倒して両肩鎖骨の骨折に見舞われ,手術するために以後の走行をキャンセルして帰国するというアクシデントに見舞われていました。ホンダのお膝元でのレースだけに,結果を残したい中でアクシデントが起きてチームに衝撃を与えていましたが,シーズン中盤からなかなかいい結果を残すことができていなかったドビツィオーゾが見事起死回生の一発を放ちました。来シーズンのシートがまだ決まっていないドビツィオーゾですから,残りのレースでの結果が重要になっています。現在有力視されているのは,既に二つのシートが埋まってしまったレプソル・ホンダからは離脱せざるを得ないものの,ホンダ系のナンバーワンサテライトチームであるホンダ・グレシーニに移籍するのではないかといわれています。その際,ワークスと同じ対応のマシンを供給されるのか,他のサテライト系チームのライダーと同じ扱いなのかの二つの可能性がありますから,今日行われる決勝レースでの活躍が大きな影響を与えることは間違いないでしょう。2番グリッドを獲得したのは,前日のフリー走行でトップタイムをマークしたフィアット・ヤマハのV.ロッシで,ドビツィオーゾとの差は1000分の54秒という僅差でした。午前中に行われたフリー走行でトップタイムをマークしたのが,現在ランクトップを独走しているフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾでしたが,午後に行われた予選では3番手タイムをマークしました。母国GPでの活躍が期待されるインターウェッテン・ホンダの青山博一は,6番手タイムをマークした前日のフリー走行の時よりもタイムアップができたものの,リザルトとしては14番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto2クラスは,前日のフリー走行でトップタイムだったシューターのマシンを駆るJ.シモンが,コンスタントに1分53秒台を刻む走りを見せ,最終的には52秒台まで後一歩というタイムをマークしてポールを獲得しました。シモンのポール獲得は,第11戦インディアナポリスGP以来2回目となります。2番手タイムをマークしたのは,同じくシューターのマシンを駆るS.レディングで,これは3戦連続の2番グリッド獲得となります。そして,3番グリッドを獲得したのは,テック3の高橋裕紀でした。今シーズン既に1勝を挙げている高橋だけに,決勝レースでの活躍によりいっそう期待が持たれる位置からのスタートとなります。他界した富沢翔也選手のためにも,いい走りを見せてもらいたいですね。TSRのマシンを駆る手島雄介は,前日のフリー走行の時よりはずいぶん順位は下げたものの,自己最高位となる25番グリッドを獲得しました。ワイルドカードで参戦しているモリワキの開発ライダーを務める森脇尚護は27番手,シューターの渡辺一樹は30番手,ビモータの國川浩道は40番手,そしてRBBの高橋江紀は最後尾となる41番手で予選を終えています。
125ccクラスは,前戦でアクシデントに巻き込まれて転倒リタイアに終わり,ランキングトップの座から滑り落ちるという結果が残ってしまったデルビのM.マルケスが,その不運を吹き払うかのように2戦連続となるポールを獲得しました。彼のポールは,今シーズン通算9回目となります。2番グリッドを獲得したのは,前戦を勝利してランクトップに立ったアプリリアのN.テロルでした。3番手グリッドを獲得したのは,テロルのチームメイトであるB.スミスでした。非力なマシンながら今シーズン1回表彰台に上っているアプリリアの小山知良は,1分59秒台のタイムをコンスタントに刻む走りを見せ,今季自己最高位タイとなる5番グリッドを獲得しています。5人のワイルドカード勢ですが,山本剛大が17番手,篠崎佐助が25番手,大久保光が26番手,森俊也が28番手,矢作雄馬が30番手で予選を終えています。
☆契約延長(MotoGP)
○ヤマハのワークスチームであるフィアット・ヤマハから発表があり,現在ランキングトップを独走していて,ペドロサの離脱によりチャンピオン獲得をほぼ手中に収めているJ.ロレンゾとの契約延長が成立しました。延長となった契約期間は,2012年までの2年間です。これにより,来シーズンはロレンゾとB.スピースの2人体制となることが決定しました。契約延長が決まったロレンゾは,250ccクラスチャンピオンを獲得し,2008年シーズンに最高峰クラスへのステップアップを果たした時から同チームに所属してきました。昨シーズンまでは,ヤマハワークスにはロッシという絶対的な存在があったこともあって,シーズンオフになるとロレンゾの移籍話fが噂として浮上していました。しかし,今シーズンは圧倒的な速さと強さを見せていることや,ロッシがドゥカティに移籍することが決定したことなどもあって,残留が確実視されていました。これまではロッシがメインとなってのマシン開発でしたが,来シーズンはロレンゾがその役割を果たすことになります。彼の実力がさらに試されることになりますね。
2010/10/2(土)
☆好発進&負傷(MotoGP)
○待ちに待っていた第14戦日本GPが,ツインリンクもてぎで開幕しました。初日は各クラスのフリー走行が行われ,最高峰のMotoGPクラスは,昨年のチャンピオンであるフィアット・ヤマハのv.ロッシがトップタイムをマークしました。気になる各クラスでの日本人ライダーの走りですが,まず唯一の日本人MotoGPクラスライダーである青山博一は,まだ負傷が完調とはいえない中での走行でしたが,得意のもてぎでいい走りを見せ,このクラスで自己最高位となる6番手タイムをマークしました。また,今シーズンから新しく始まったMoto2クラスでは,怪我により前戦を欠場したモトビの手島雄介が,クラッチトラブルで20分間走れなかったというアクシデントに見舞われたものの,それでも7番手タイムをマークしました。125ccクラスでは,このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるアプリリアの小山知良が,7番手タイムをマークして彼としてはまずまずのスタートを切っています。もちろん,冒頭に記したようにフリー走行での結果だけに,今日実施される予選,そして明日行われる決勝レースでは初日のような好結果が出るかは分かりませんが,母国GPで期待を持たせる初日の結果といえるのではないでしょうか。
ところで,残念ながら怪我を負ったため,2日目以降の出走をとりやめたライダーが出てしまいました。そのライダーとは,レプソル・ホンダのD.ペドロサです。MotoGPクラスのチャンピオン争いは,フィアット・ヤマハのJ.ロレンゾの独走状態ですが,後半に入ってペドロサが好結果を収めるようになり,ペドロサの逆転タイトルの可能性がほんのわずかではあるものの出てきていました。しかも,今回のレースがホンダのお膝元でのものですので,よりその期待がありました。しかし,出走してわずか3周したところで,あろうことかスロットルケーブルのトラブルが発生し,V字コーナーで転倒してしまいました。この転倒により両肩の鎖骨を骨折する重傷を負い,以後の走行をキャンセルする事態となりました。そのペドロサですが,両肩を固定して急遽帰国の途に就き,スペイン国内で手術を受けることになっています。怪我のタイミングとしては最悪とも言え,今回の日本GPを皮切りに3週連続開催というタイトなスケジュールの中での欠場ですから,実質上ロレンゾがチャンピオン獲得に大きく加速しています。もう一人けが人が出ています。そのライダーとは,今回ワイルドカードで出場しているモリワキの森脇尚護です。今季モリワキのマシンの開発を担っている彼の怪我は,開幕前日に負ったものです。木曜日にコースをジョギングしていた際,たまたまコースきれいにしていた清掃車が石を跳ね上げ,それが森脇の左目を直撃してしまったのです。出血するほどの衝撃が目に加わったため,視力低下に見舞われてしまいました。しかし,昨日のフリー走行には何とか出走し,距離感がつかめないというハンディを乗り越えて18番手タイムと健闘しています。
2010/10/1(金)
☆変化なし(MotoGP)
○いよいよ今日から火山噴火により延期となっていた日本GPが,栃木県のツインリンクもてぎで開幕します。それを前にして,FIMから来シーズンの暫定カレンダーが発表されました。それによると,もちろん開催日などは変わりますが,開催されるサーキットに関しては今シーズンと変わりありません。資金不足により今シーズンの開催が見送られたハンガリーGPは,来シーズンの暫定カレンダーに入っていません。また,それに代わって開催されたアラゴンGPは,開催が継続されています。変化に富んでライダーに好評だった開催地であるモーターランド・アラゴンですが,継続開催が組み込まれてライダーとしてはうれしいのではないでしょうか。日本GPについては,4月末に第3戦として組み込まれています。なお,具体的なカレンダーについては,以下の表のようになっています。もちろん暫定ですから,今後変化する可能性はあります。
2011 MotoGPレースカレンダー(暫定)
決勝日 大    会 サーキット
第1戦  3月20日 カタールGP ロサイル
第2戦  4月 3日 スペインGP ヘレス
第3戦  4月24日 日本GP ツインリンクもてぎ
第4戦  5月 1日 ポルトガルGP エストリル
第5戦  5月15日 フランスGP ルマン
第6戦  6月 5日 カタルニアGP カタルニア
第7戦  6月12日 イギリスGP シルバーストーン
第8戦  6月26日 オランダGP アッセン
第9戦  7月 3日 イタリアGP ムジェロ
第10戦  7月17日 ドイツGP ザクセンリンク
第11戦  7月24日 アメリカGP ラグナセカ
第12戦  8月14日 チェコGP ブルノ
第13戦  8月28日 インディアナポリスGP インディアナポリス
第14戦  9月 4日 サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP ミサノ
第15戦  9月18日 アラゴンGP モーターランド・アラゴン
第16戦 10月16日 オーストラリアGP フィリップアイランド
第17戦 10月23日 マレーシアGP セパン
第18戦 11月 6日 バレンシアGP リカルド・トルモ・バレンシア
     
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