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最新ニュース
2010/3/31(水)
☆導入(F1)
○速く走るために,車高は高い方がいいか,低い方がいいかと問われれば,もちろん状況によって違いがあるでしょうが,基本的には低い方が速く走れると言えます。今シーズンのF1は,昨年まで行われていたピットインの際に燃料を供給することができません。そのため,最後まで走りきることができる分の燃料を始めから搭載する必要があります。それに対して,昨年まで行われていた,燃料に関して,予選終了段階のまま決勝レースを走らなければならない(上位のマシン)というレギュレーションはなくなりました。このレギュレーション変更により,予選の時の燃料搭載量と決勝の時のそれとに大幅な違いがありますから,当然その重さの違いが車高に影響を与える(予選は搭載量が少ないですから車高は上がり気味になり,決勝は搭載量が多いですから車高は下がり気味になります。)ことになります。そこで噂されているのが,レッドブルに関してです。2戦連続ポールを獲得しているレッドブルですが,燃料の量によって車高が変わるという車高制御システムがあるのではないかという噂(もちろんレッドブル自身は,これを否定しています。)です。もしこれが本当だとすると,以前開発されていた完全なアクティブサスペンションは,1993年以来禁止されていますが,ラチェットを使用したシステムは現在のレギュレーションでは合法と判断されることになります。そこで,メルセデスのチームボスであるM.ウィットマーシュによれば,同チームが早ければ中国GPにもレッドブルと同様の車高制御システムを導入する可能性があることを明らかにしました。シーズン中に他チームのシステムを導入するということはしばしば見られますが,こうしたシステムも流行していくのかもしれませんね。
2010/3/30(火)
☆2戦連続(IRL)
○第2戦セントピーターズバーグの決勝レースが行われました。雨が降ると翌日にレースが延期されるIRLですが,今回の大会は日曜日が雨となったため,レギュレーション通り月曜日に決勝レースが行われています。まだ所々に水たまりが残るといった路面コンディションの中でスタートが切られたこともあってか,1周目からChip Ganassi RacingのD.フランキティがスピンを喫してしまい,イエローコーションとなってしまいました。そのような中,開幕戦の覇者であるTeam PenskeのW.パワーはポールからスタートし,そのポジションを守って1周目をクリア。その後,数台のマシンとのバトルの中で順位を落とすことがありましたが,それでもトップの位置につけました。今シーズンからIRLへフル参戦を開始したKV Racing Technologyの佐藤琢磨は,今大会からロータスカラーのマシンを駆っていて,序盤はトップ10圏内を走る好走を見せました。しかし,迎えた25周目,右コーナーを曲がりきれずタイヤバリアに斜めにクラッシュしてしまい,開幕戦に引き続いてリタイアとなりました。その後,合計4回のイエローコーションとなりましたが,パワーはトップの座を守りきり,こちらも開幕戦に引き続いて2戦連続で勝利を収めました。2位には,Dreyer & Reinbold RacingのJ.ウィルソンが,3位には,パワーのチームメイトであるR.ブリスコーが入りました。もう一人の日本人ドライバーであるNewman/Haas/Lanigan Racingの武藤英紀は,思うようにペースが上がらずに苦労しながらのレース展開となり,最終的には14位でレースを終えています。
2010/3/29(月)
☆またしても(F1)
○第2戦オーストラリアGPの決勝レースが,雨が降ったりやんだりといった不安定な天候の中行われました。レース開始直前から降り始めた雨のため,ウェットコンディションの中でのスタートとなりました。ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは順調なスタートを切ったものの,3番手からスタートしたフェラーリのF.アロンソが1コーナーでマクラーレンのJ.バトンと絡んでスピンしてしまい,最後尾に順位を落としてしまいました。さらに,そのあおりを受けたメルセデスGPのM.シューマッハは,フロントウイングを破損して緊急ピットインを強いられてしまいました。また,そのオープニングラップでは,BMWザウバーの小林可夢偉が,初日から悩まされていたフロントウイングの破損によりコントロールを失ない,ウイリアムズとトロロッソを巻き込んで激しいクラッシュを喫してしまいました。このアクシデントにより,レースは2周目からセーフティカーが導入されました。5周目にリスタートしてから,天候が回復して徐々にドライコンディションとなりました。乾いてきた路面にいち早く反応したのがバトンで,彼に引き続いて続々とピットイン作業が始まったため,順位に変動が見られました。それでもポールスタートのベッテルは順調にトップを走行していましたが,26周目にブレーキトラブルがベッテルを襲い,何とコースアウトしてリタイアを喫してしまいました。開幕戦も,順調にトップを走行していた中でトラブルが発生。幸いにもこの時は何とか走行できて4位となりましたが,2戦連続勝利がするりとベッテルの手から逃げていきました。その後,1位を行くバトンと2位を行くルノーのR.クビサは順調にポジションを維持するものの,3位以下は順位が入れ替わったり,リタイアしたりといった状態が続きました。58周のレースは,結局バトンがそのまま逃げ切って優勝を飾りました。バトンは,マクラーレン移籍後初となる勝利で通算8勝目,オーストラリアGPは2年連続の優勝となりました。2位はフェラーリの追い上げをかわしたクビカが入っています。3位,4位には,それぞれにF.マッサ,F.アロンソのフェラーリ勢が入っています。天候も,レース内容も荒れた今回の決勝レースは,結局14台のみが完走となっています。
2010/3/28(日)
☆連続ポール(F1)
○第2戦オーストラリアGPの予選が,曇り空のアルバート・パーク・サーキットで行われました。トップ10のグリッドを決めるQ3で最速タイムをマークしてポールを獲得したのは,開幕戦のポールシッターだったレッドブルのS.ベッテルでした。彼がマークしたのは,今週末の中で唯一1分24秒を切る1'23''919でした。セカンドグリッドを獲得したのは,ベッテルのチームメイトで,地元グランプリ制覇を目指すオージードライバーのM.ウェーバーでした。レッドブルが予選ワンツーを獲得したのは,チーム発足以来初めてとなります。3番グリッドを獲得したのは,開幕戦を制したフェラーリのF.アロンソで,ウェーバーとは1000分の77秒差という僅差でした。今大会好調が伝えられていたメルセデスGPのM.シューマッハは,7番グリッドを獲得したものの,チームメイトであるN.ロズベルグとはわずか1ポジションではあるものの,開幕戦に引き続いて後塵を拝してしまいました。BMWザウバーの小林可夢偉は,Q1は突破したものの,Q2で予選終了となり,こちらも開幕戦に引き続いてチームメイトのP.デ.ラ.ロサの後塵を拝する16番手に留まりました。なお,開幕戦で3位表彰台を獲得したマクラーレンのL.ハミルトンは,Q2で敗退して11番グリッド獲得に終わりました。実は,彼は前日の夜に警察に連行されるという失態を演じています。それは,彼が駆るメルセデスEクラスセダンを,アルバートパーク・サーキット近くの公道でバーンアウトやドリフト走行をしたためです。彼のチームメイトであるJ.バトンは,予選4番グリッドでしたから,もしかしたらこの大失態が精神的な影響を与えていたのかもしれませんね。
2010/3/27(土)
☆第2戦あれこれ(F1)
○第2戦となるオーストラリアGPが,メルボルンにあるアルバート・パーク・サーキットで開幕しました。初日の走行は,マクラーレンのL.ハミルトンが最速タイムをマークしましたが,この日の段階におけるいくつかの出来事をお伝えします。
まず1つ目ですが,今シーズンの新規参入チームの中の一つであるヴァージンであり得ない大問題が明らかとなりました。それは,燃料タンクの容量が完走するには少ないことが判明し,シーズンが始まっているにもかかわらず設計変更を行うことをチームが申請し,これがFIAに認められました。噂によれば,完走するには13リッター分足りないというのです。わずかそれだけではありますが。その分を増やすためには当然マシンが変更となりますし,再度クラッシュテストを受けて合格する必要性が出てきます。その変更と言っても,一から新しいシャシーを作るのか,それとも既存のものを切り貼りする形で行うのかを選択しなければなりません。新しいマシンは,5月9日に決勝レースが行われる第5戦スペインGPまで準備できないのではないかという噂も浮上しています。また,新規参入チームですから元々データが少ないですが,シャーシが変わってしまうと,それまでのレースで取得できたデータがほとんど無駄になる可能性が高く,シーズン途中で再び一からデータ取りを行う必要性が出てきます。
2つ目は,唯一のフル参戦日本人ドライバーである小林可夢偉が所属するザウバーに関してです。初日の走行における可夢偉ですが,最初のセッションで2回フロントウィングが破損するというアクシデントが発生しました。1度目は,高速コーナーのターン11で縁石に乗り上げて車止めのコーンに接触したことでウィングが破損しました。2回目は,ターン3のブレーキングゾーンに入った時,1回目のアクシデントの後に付け替えられた新しいウイングが支えの真ん中からひとりでに外れてしまったのです。原因が分からないだけに,2日目以後の走行が不安になってしまいます。さらに,噂によれば,1セッションで2つもウィングが壊れてしまったため,チームにあるスペアパーツは後3つしかないということです。パーツが無くなってしまったなんていう事態だけは,是非とも避けてもらいたいものです。
3つ目ですが,どのGPでもピットレーンには制限速度があります。今大会の場合,その速度は60km/hとなっています。そして,初日の走行の中で,3人のドライバーがその制限速度に引っかかってしまいました。しかも,3人中2人がルーキードライバーでした。その内容ですが,1回目のフリー走行では,ルノーのV.ペトロフとHRTのB.セナの両ルーキードライバーが制限速度オーバーを犯してしまいました。2人の内ペトロフの方は,何と制限速度を30km/h以上もオーバー(日本国内の一般道では,免停になる速度オーバーですね。)していました。これにより,ペトロフには7000ユーロ(約86万円),セナには1600ユーロ(約20万円)の罰金が科せられました。 また,次に行われたセカンドセッションでは,フォース・インディアのA.スーティルがわずか8km/h弱のオーバーをし,セナと同様1600ユーロを科されています。安いサラリーのルーキードライバー(?)にとっては,今回の罰金は結構痛い額なのではなかったかと庶民感覚では思ってしまいますね。
2010/3/26(金)
☆長期契約(F1)
○今日から第2戦オーストラリアGPが開幕しますが,それを前にフェラーリが新たな契約について発表がありました。フェラーリのマシンには,常に貝のマークでお馴染みのシェル石油のロゴがついています。フェラーリとシェルとの関係は,1929年のシェル創設以来続いています。その長い契約の中で,今回のオーストラリアGPが通算450回目のグランプリということになります。そのメモリアルレースを前にして,両者の間で契約延長の発表を行いました。フェラーリとシェルとの契約は,単なる資金的なスポンサーではなく,技術面,商業面の両面でのものとなっていて,その契約を2015年末までの5年間延長することになりました。シェルとの契約が成立して以後のフェラーリの成績ですが,10回のコンストラクターズタイトルと,12回のドライバーズタイトルを獲得していて,通算154回のレースで表彰台の一番高いところに立っているそうです。
2010/3/25(木)
☆モータースポーツ大国ならでは(MotoGP)
○今シーズン125ccクラスからMotoGPクラスまで全てのクラスに参戦するチーム・アスパーが,スポンサーに関して発表会を開きました。今回発表になったのは,今シーズンあたらにスタートするMoto2クラスに関してです。この中量級クラスでの同チームのスポンサーとして,スペイン国内を中心に事業を展開している保険関連会社のマプフレ(MAPFRE)社がこれまで通り継続します。このクラスには,M.ディ.メッリオ&J.シモンの125ccクラスチャンピオン経験者が所属します。他のクラスのスポンサーについては既に発表されていて,125ccクラスは金融関連会社のバンカハ(Bancaja),そして今シーズンから参戦を開始するMotoGPクラスが,職業別電話番号案内のパヒナス・アマリージャスとなっています。
次に,昨シーズン青山博一が所属してチャンピオンチームに輝いたチーム・スコットに関してです。昨シーズン250ccクラスはチャンピオンを獲得できたという明るい話題があったチームですが,実際には資金不足に苦しんでいて,MotoGPクラスに関しては,同チームから最高峰クラスにステップアップした高橋裕紀をシーズン序盤で解雇し,スポンサーマネーを持ち込んだG.タルマクシを採用するということをしでかして(?)いました。そのチーム・スコットですが,イタリア国内にある小国のサンマリノ共和国を本拠地としています。そして,そのサンマリノの観光省が支援を行うことが,この度発表されました。今シーズンは,Moto2クラスに専念する同チームですが,所属するサンマリノ人ライダーであるA.デ.アンジェリスとイタリアンライダーのN.カネパが駆る同チームのオリジナルマシンには,サンマリノ共和国を意味するRSMのロゴが飾られることになります。さらに,チーム名が,「RSM・チーム・スコット」となります。
ご存知のように,イタリアにしてもスペインにしても,どちらもモータースポーツ大国です。世界的不況によりモータースポーツの多くのチームがスポンサー獲得に苦労している中,3クラス全部に有力企業のスポンサーがついたり,政府が支援したりと,モータースポーツ後進国である日本人としては,何ともうらやましい限りですね。
2010/3/24(水)
☆代役参戦(SBK)
○MotoGPでシートを失って以後,カワサキのマシンを駆ってSBKにフル参戦してきた玉田誠ですが,そのシートを昨シーズンで失い,今シーズンの参戦が心配されていました。しかし,シーズンを前にしてホンダ系のプライベートチームの一つである Pro Ride Honda のシートを獲得することができ,今シーズンは芳賀と共に2人の日本人ライダーがフル参戦することになっていました。ところが,スポンサーマネーの支払いが遅延されたため,シーズン序盤の参戦を見合わせざるを得ない状況となってしまいました。そこでMotoGPとSBKのどちらでも勝利を挙げているライダーに注目したのが,BMW系のプライベートチームである Team Reitwagen BMW で,1戦限りですが玉田を採用することになりました。というのも,同チームのレギュラーライダーであるR.レッシュが,開幕戦のオーストラリア大会で転倒を喫し,鎖骨骨折の重傷を負ったのです。これにより,第2戦のポルティマオに参戦することができなくなり,その代役として玉田に白羽の矢が立ちました。ホンダ,ヤマハ,カワサキとMotoGP及びSBKでマシンを駆ってきた玉田ですが,外国車でのレース参戦は初めてとなります。
2010/3/23(火)
☆イタリアンパワー(JRR)
○日本国内におけるアプリリアのメイン会社であるピアッジオグループ・ジャパン(旧アプリリア・ジャパン)が,3月20日に大阪で行われているモーターサイクルショーの会場においてJRRへテスト参戦を行うということを発表しました。アプリリアというと,MotoGPでは中・軽量級クラスで実績を残していますが,今回参戦することになったのは最高峰のJSB1000クラスです。使用するマシンは,昨年からSBKで活躍しているアプリリアRSV4 FactoryのSST(スーパーストック)仕様をベースに,それをJSB1000仕様にモディファイしたものです。マシンメンテナンスとマネージメントは,D.D.BOYS Racingが担当することになっています。ライダーに津田一磨を迎え,成績次第ではヨーロッパへのステップアップも視野に入れての参戦とのことです。JSBでは既にドゥカティのマシンが投入されていますが,もう一つのイタリアンパワーであるアプリリアもついに国内最高峰へ進出したことになります。SBKでは,M.ビアッジの活躍もあって,参戦1年目から表彰台をゲットしたアプリリアではあるものの,ワークス体制ではない日本国内では,今年からいきなりトップ争いというのは難しいかもしれません。しかし,国内レースの活性化の一手段としては,楽しみになることではないでしょうか。
2010/3/19(金)
☆買い戻し(F1)
○昨シーズンまでメルセデスのワークスチーム的な立場にあったのが,今シーズンも同社のエンジンを使用しているマクラーレンです。しかし,昨シーズンオフにチャンピオンチームであるブラウンGPをメルセデスが買収し,名前もメルセデスGPと変更して,こちらがワークスチームとなりました。マクラーレンがワークスだった昨年までは,マクラーレンの株式の内の40%を保有していました。しかし,マクラーレンのチーム代表であるM.ウィットマーシュが,18日に行われたマクラーレンの市販車MP4-12Cの発表会において,マクラーレン・グループが株式を大部分を買い戻したことを明らかにしました。ただ,約11%は,まだメルセデスが保有しています。ちなみに,マクラーレンの残りの株式は,マクラーレン・オートモティブ会長で元チーム代表のL.デニスと,サウジアラビアのビジネスマンであるM.オジェがそれぞれ15%ずつ,バーレーンの企業であるマムタラカト・ホールディング・カンパニーが30%を保有しているとのことです。今回の買い戻しによって,今すぐ大きな変化が起きるという訳ではないでしょうが,来シーズン以降の中で使用エンジンに変化が起きてくる可能性が出てくるのかもしれません。
☆変更(MotoGP)
○MotoGPを統括するFIMから,今シーズンのレースカレンダーを変更するとの発表がありました。その内容というのは,第14戦に予定されていたハンガリーGPに替わって,アラゴンGPの開催が決定したというものです。これは,ハンガリーGPを開催する予定だったバラトンリンクが,開催予定日までに建設工事を終了するのが困難となったためです。そこで,リザーブサーキットという立場にあったスペインのアラゴン州にあるモーターランド・アラゴンでの初開催が決定しました。今回の決定により,GPの人気がかなり高いスペイン国内での開催が,今シーズンは第3戦のヘレス,第8戦のカタルニア,最終戦である第18戦のバレンシア,そして今回の第14戦と合計4回も開催されることになります。レースファンとしては,何ともうらやましい環境ですね。
2010/3/18(木)
☆契約&昇格(MotoGP)
○今シーズンから昨シーズンまでの250ccクラスに替わって始まるMoto2クラスに関して,2つのチームから発表がありました。
まず一つ目ですが,スペインに本拠地を置くホンダ・SAGが,シャシメーカーであるビモータとの契約が成立しました。ビモータといえば,皆さんご存知のように日本やイタリアのバイクのエンジンを搭載して市販車を出しているイタリアンメーカーです。今シーズンもR.ヴィライローを擁して戦う同チームは,スポンサーに関してもタイ・ホンダやタイの石油会社であるPTTなどとの契約継続が決定しています。現在の経済状況で考えると資金的に安定しているチームと考えられるのかもしれませんが,そのチームがビモータから独占的にシャーシが供給されることになります。もちろん,エンジンに関しては,レギュレーション通りCBR600RRのものをベースにしたホンダのワンメークエンジンを使用します。また,サスペンションに関しても,唯一となるショーワを使用します。2台を投入することになっている同チームですが,ヴィライローのチームメイトはまだ決定していません。ただ,チーム側が,既にH.ファウベルと交渉中であることを明らかにしてます。
二つ目は,今シーズンのエントリーを申請していたものの,それが認められていなかったMZレーシングに関してです。フルエントリーが認められていたキノ・レーシングが,今週初めに資金不足によりエントリーをキャンセルすることを発表しました。それに替わって昇格が認められたのが,リザーブチームとして登録されていたMZレーシングです。MZといえば,ドイツ(東西に分かれていた時代は東ドイツ側にありました。)の歴史的なメーカーです。GPでは,1957年から1975年までは125ccクラスに,1958年から1976年までは250ccクラスに参戦した歴史があり,その間125ccクラスで5勝,250ccクラスで7勝を挙げています。ということで,MZとしては実に34年ぶりのGPフル参戦ということになります。既に元GPライダーのA.ウェストと契約が成立していて,リザーブチームという立場で事前テストには参加していました。ウェストのGPフル参戦は,MotoGPクラスにおけるカワサキのワークスチームから参戦した2008年シーズン以来となります。
2010/3/17(水)
☆復活(IRL)
○W.パワーの勝利で,開幕戦であるブラジル大会が終了しました。今シーズンから戦いの場をIRLに移した佐藤琢磨は,予選ではトップ10に入ったものの,決勝レースは1周もできないままで終わってしまいました。新たな戦いの場ですから,少しでも経験を積む必要がありますので,次戦こそは何としてでも完走することが必要だと言えます。さて,その琢磨の次戦についてですが,開幕戦が行われているレースウィーク中に注目される発表がありました。新規参入チームとしてF1に参戦を開始した中の1チームにロータスがありますが,そのロータスが,何とIRLにも進出することになったのです。ただし,ロータスが単独で参戦する訳ではなく,琢磨が所属するKVレーシングテクノロジーとパートナーシップを結んでの参戦で,第2戦となるセントピーターズバーグから同チームのマシンにブリティッシュグリーンとイエローのロータスカラーが施されることになります。ロータスといえば,F1のシート獲得競争で琢磨がその候補の一人に挙がっていました。残念ながらF1での契約は至りませんでしたが,違うジャンルでロータスカラーをまとったマシンを琢磨が駆るということになった訳です。なんだか因縁を感じさせる今回の発表です。なお,ロータスがいわゆるインディカー・シリーズに参戦するのは今回が初めてではなく,1950年代から1960年代にかけて参戦した経験を持ちます。その間には,伝説のドライバーの一人であるJ.クラークがステアリングを握り,インディ500を制したこともあります。ですから,実に久々にアメリカンフォーミュラの最高峰でロータスカラーのマシンが走ることになります。
2010/3/16(火)
☆両者リタイア(IRL)
○開幕戦の決勝レースが,サンパウロの市街地コースで行われました。この日のレースは,オープニングラップで多重クラッシュが生じたり,レース途中で激しい雨が降ったため赤旗中断となり,2時間ルール適用で予定の75周から61周に短縮されたりといった大荒れのレースとなりました。オープニングラップでの多重クラッシュの中の1台は,残念ながら今シーズンからIRLに戦いの場を移した佐藤琢磨でした。スタート直後に視界を奪われるほどのダストが巻き上げられ,それに乗って琢磨はスピンを喫したようです。マシンをヒットした琢磨は,何とかピットに戻って再スタートを切ろうとしましたが,リアサスペンションが曲がっているということでオフィシャルから止められ,無念のリタイアとなってしまいました。IRLにおける初めてのレースだっただけに,多くの経験を積む必要のあった琢磨ですが,1周も走行できずにそれがかなわないままで終わってしまいました。もう一人の日本人ドライバーであるNewman/Haas/Lanigan Racingの武藤英紀は,28周目に直前を走るA.J.Foyt EnterprisesのV.メイラとの接触を避けようとしてコントロールを乱し,ターン1のガードレールにヒットしたため,琢磨と同様に開幕戦をリタイアで終えてしまいました。その後,レース途中で激しい雨に見舞われ,レースは中断となりました。再開後にペースが上がってきたのが,Team PenskeのW.パワーでした。2時間ルールの残り6分20秒程になったところで猛プッシュし,その時点でトップを走行していたAndretti AutosportのR.ハンターレイからトップを奪い,そのまま逃げ切りました。パワーの優勝は,昨年の第11戦エドモントン以来となります。2位にハンターレイが,3位にはメイラが入っています。
2010/3/15(月)
☆移籍後初(F1)
○開幕戦バーレーンGPの決勝レースが,レースウィーク中ずっと好天に恵まれたバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルが,フェラーリの2台を従えてトップを走行していました。一時期は後続を5秒以上話すという圧倒的な速さを見せていました。中盤に入ってタイヤ交換してから徐々にレースに大きな動きがありました。2位走行のF.アロンソや次を行くF.マッサのペースが少しずつ上がってきたのです。そして,何とトップを走行していたベッテルのマシンにちょっとしたトラブルが発生したようで,少しずつペースが落ちていったのです。どうやらスパークプラグにトラブルが発生したようで,そのために思うようにペースを上げられなくなってしまったようなのです。徐々に後続との差が詰まっていき,ついにアロンソ&マッサのフェラーリ勢と,4位を走行していたマクラーレンのL.ハミルトン抜かれてしまいました。そして,上位3人はその順位のままチェッカーを受け,今シーズンからフェラーリのステアリングを握ることになったアロンソが開幕戦で移籍後初優勝を飾りました。ペースが落ちていったベッテルは,何とかメルセデスGPの追撃をかわして4位でチェッカーを受けています。引退から復帰したメルセデスGPのM.シューマッハは,チームメイトに次ぐ6位で復帰戦を終えています。BMWザウバーの小林可夢偉は,レース序盤からマシンにトラブルが発生してしまい,チームメイトであるP.デ.ラ.ロサと同じくリタイアに終わっています。
2010/3/14(日)
☆初ポールは(F1)
○開幕戦となるバーレーンGPの予選が,砂漠の国らしくドライコンディションのバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。今シーズンの予選も,これまで通りセッションを3つに分けて,それぞれのセッションごとに下位のマシンから予選終了となるノックアウト方式で行われます。ただ,昨年との違いもあって,まず参戦する台数が増えていますので,ノックアウトしていく台数もその分違いがあります。そのノックアウトする台数ですが,Q1,Q2でそれぞれ7台ずつとなっていて,Q3でトップ10のグリッドを決するということです。また,昨シーズンまでと違ってトップ10のマシンに関して,搭載燃料については,予選と決勝に関わりはありませんが,タイヤについては,Q3で履いたものをそのまま決勝スタートでも使用しなければならないことになりました。
さて,開幕戦の予選を制して今シーズンの初ポールを獲得したのは,昨シーズンJ.バトンとチャンピオン争いを展開したレッドブルのS.ベッテルでした。今シーズンも有力なチャンピオン候補の一人ですが,順当な結果を出したと言えるでしょう。2番グリッドを獲得したのは,昨シーズン怪我により後半戦を棒に振る結果となってしまったフェラーリのF.マッサでした。そして,3番グリッドを獲得したのは,今シーズンからフェラーリに移籍してきた元チャンピオンのF.アロンソでした。元チャンピオン同士がステアリングを握ることになったマクラーレン勢ですが,L.ハミルトンは4番グリッドを獲得したのものの,今シーズンから同チームに所属することになったバトンは,8番手とやや出遅れた形となりました。そして,もう一人の元チャンピオンで,今シーズン復活を果たしたメルセデスGPのM.シューマッハは,チームメイトで5番グリッドを獲得したN.ロズベルグより後れをとった7番グリッドとなっています。唯一のフル参戦日本人ドライバーであるBMWザウバーの小林可夢偉は,激しいバンプのあるセクションのセッティングに苦しみ,チームメイトのP.デ.ラ.ロサより後れをとる16番グリッドとなってしまいました。事前テストでは上位に顔を出していただけに,今回の予選ではやや残念な結果となってしまいました。ただ,今シーズンからトップ10までポイントが与えられますので,十分ポイント獲得は可能な圏内だと考えてもいいでしょう。なお,今シーズンからの新規参入チームの一つで,マシンの組み上げがはかどらずに初日に全く走行できなかったヒスパニア・レーシングのK.チャンドックは,午前に行われたフリー走行3も走行できないまま予選を迎えることになりました。マシンのシェイクダウンがいきなり予選ということになった訳ですから,当然リザルト的には期待できるはずもなく,トップから10秒以上遅れた最下位となっています。
2010/3/13(土)
☆開幕(F1)
○新規参入チームを迎え,新たな展開を見せる今シーズンのF1がついに開幕しました。今シーズンも砂漠の国で行われるバーレーンGPが開幕戦となります。午前の走行に続いて,午後から2回目のフリー走行が行われました。このセッションでトップタイムをマークしたのは,昨年のチャンピオンチームで,今シーズンからメルセデスのワークスチームという立場になったメルセデスGPのN.ロズベルグでした。2番手タイムをマークしたのは,昨年までメルセデスのワークスチーム的立場にあったマクラーレンのL.ハミルトンでした。そして,3番手タイムをマークしたのは,今シーズン大きな話題の一人となっている元王者のM.シューマッハでした。特にフェラーリで数々の伝説をつくってきたシューマッハは,今シーズンからメルセデスGPに所属して現役復帰してきました。そして,開幕初日からトップ3に入ってくるのですから,やはりこのドライバーはF1の歴史的ドライバーの一人として数えられるだけあります。4番手タイムは,昨年のチャンピオンで,今シーズンからマクラーレンのステアリングを握ることとなったJ.バトンがマークしました。ということで,予想はされていたものの,初日はメルセデスエンジンユーザーの中での2強が,トップ4を占めたことになりました。今季から新規参入したチームの中では,ロータスのH.コバライネンがマークした18番手タイムが最高位でした。開幕ぎりぎりまで参戦そのものが危惧されていたカンポスは,チームを売却して新たなスタートを切り,ヒスパニア・レーシングとして開幕戦から参戦することができました。ただし,事前テストに一度も参加することが無く,開幕戦がいきなりシェイクダウンとなっています。そうした混乱状態で開幕戦を迎えた同チームは,何とかファーストドライバーであるF1ルーキーのB.セナのマシンはコースに送り出すことができたものの,セカンドドライバーのK.チャンドックに関しては,マシンの組み上げがうまくいかなかったため,初日は全く走行できないままセッションが終了しています。唯一走行できたセナに関しても,自身の最速タイムは,トップのロズベルグから11秒以上遅れていて,『動くシケイン』と言われても仕方ない状態でした。こうした事態を受け,以前F1でも取り入れられていた107%ルール(予選のトップタイムから107%以上遅かったら予選落ちとなって決勝レースに出場できなくなるというルール)を復活させてはどうかという話が一部で出たようです。今シーズン唯一のフル参戦日本人ドライバーとなるBMWザウバーの小林可夢偉は,事前テストでは上位に顔を出していましたが,開幕戦初日は11番手で終えています。
2010/3/12(金)
☆無罪(F1)
○レッドブルとフェラーリを始めとした数チームが,FIAに対してマクラーレンのリアウィングに関してレギュレーション違反を指摘していた問題に対してFIAから裁定が下されました。そもそも今回の問題は,開幕までに行われたテストにおいて,マクラーレンのJ.バトンとL.ハミルトンの2人がマークしたトップスピードが他チームのものより6q/hほど上回っていたことが原因です。複数チームからの指摘を受け,FIAのレースディレクターであるC.ホワイティングは,先週マクラーレンのファクトリーを訪れて調査を行う予定にしていましたが,ブラジルからの帰国が遅れたことにより先送りとなっていました。その後,今日からいよいよ始まるバーレーンGPの前日にチェックを行うことになっていました。そして,その調査結果は,問題ないというものでした。どうやらマクラーレンは,もしノーの裁定が下された時のために別バージョンのリアウィングを準備していたようですが,それが登場する必要性はなくなりました。一昨年にレッドブルがシャークフィンを導入すると,あっという間に他チームに広がりを見せました。今回の無罪裁定により,もしかしたらマクラーレン型のウィングが他チームに広がることになるのかもしれませんね。
☆新スポンサー(F1)
○開幕戦となるバーレーンGPを前に,2日続けてルノーから新しいスポンサーを獲得したことの発表がありました。昨シーズン終了後のルノーは,世界的な経済不況などの影響もあってトヨタやBMWと同様に撤退するのではないかと見られていました。しかし,投資関連会社であるジェニイ・キャピタルがルノーの株式を買収したことにより,今シーズンへの参戦が決定していました。まず一昨日発表されたのは,ドイツのブレーキメーカーであるムービット社とのパートナーシップ契約です。これにより,ルノーの今季型マシンであるR30のノーズコーンにMOV'ITのロゴが飾られることとなりました。今回の契約機関は,来年までの2年間になっています。
昨日発表されたのは,世界的なコンピュータメーカーで日本でもお馴染みのHP(ヒューレット・パッカード)社とのパートナーシップです。これにより,HPのロゴがシャークフィンのところに飾られたマシンが,バーレーンのサーキットを走行します。なお,この契約は,テクニカルスポンサー的な側面もあるようです。
2010/3/11(木)
☆2秒以下?(F1)
○今シーズンの大きな変革の一つが,レース中の給油が禁止されたことです。これまでは,いつ給油&タイヤ交換をするかというピット戦略が勝敗に大きな影響を与えていました。しかし,コース上ではなく,ピットインしている間に順位が実質的に入れ替わっているということが通常となってしまっていて,見た目では順位がわかりにくいという問題が起きていました。こうした点を受けて,今シーズンから給油禁止措置が執られた訳です。こうすることで,ピットインはタイヤ交換をするだけですから,コース上での展開がそのままレース結果となります。ところで,このタイヤ交換に関してびっくりの報道が先日なされています。レッドブルのチーム代表であるC.ホーナーが,イギリスのミラー紙に明かしたところによると,2010年の実際のピットストップは2秒以下になるだろうとのことなのです。これは,非公式ながら同チームが記録したタイムが1.8秒だったことを受けてのコメントだったようです。同氏によると,シーズンオフの間にピットクルーは激しいトレーニングを行ったとのことで,その成果が今回の驚異的タイムにつながったのでしょう。もちろん,トレーニングだけでなく,ピット作業自体に対して何らかのアプローチをしていることもあるのでしょう。それにしても2秒以下というのは余りに驚異的で,にわかには信じがたいところがあります。ただ,他チームも,2秒以下という訳ではないものの,時間短縮がなされているとの報道もあります。いよいよ今週末にF1は開幕を迎えます。果たして今回のコメントが事実なのかどうか,こうした点も今シーズンの見所の一つですね。
2010/3/10(水)
☆増加(F1)
○今シーズンのF1は全19戦で争われますが,これは2005年と同じ最多開催数となります。それでも開催を計画している国,都市はまだあって,現在開かれているどこかを削らない限り,ますます増えることになるというような現状です。そのような中,F1界のボスであるB.エクレストンが新たな開催地を発表しました。その開催地というのは,イタリアの首都であるローマです。ただし,来年から開催するというものではなく,現段階では2013年からの開催となるようです。ということは,当然13年からは全20戦の大台で争われるということになります。ローマでの開催は以前から噂されていて,ストリートコースでのレースとなるのではないかといわれていました。歴史的建造物があちらこちらにあるローマですが,その横を現代科学の粋を集めたマシンが走るという何とも象徴的なレースとなり,とても興味が持てそうな開催地です。今回の発表は,まだ正式とは言えない扱いですし,詳細についても不明です。果たしてどのような結果となるのか,新たな発表が楽しみですね。なお,ストリートコースといえば,アメリカ最大の都市であるニューヨークのストリートコースを使ってアメリカGPが復活するのではないかという噂も浮上しています。ローマとは真逆で,現代を象徴する都市で最新鋭マシンが走行するという形となります。こちらも進展が楽しみです。
2010/3/9(火)
☆重傷(F1)
○F1界における伝説的ドライバーの一人であるSir.S.モスが,事故により重傷を負っていることが明らかになりました。その事故とは,6日(土)の夕方,自宅3階からエレベーターに乗ろうとしたのですが,実際にはまだ4階にあったにもかかわらず扉が開いてしまい,そのまま1階へ落下したというものです。最近,日本でもビルにあるエレベーターがこうしたトラブルを起こし,転落死亡事故が新聞等で報道されていますが,まさにそうした事故がモス卿を襲ったことになります。ただし,幸いなことに両足首と足の骨4本の骨折と,脊柱を痛めるという重傷ではあったものの,命に別状はなく,現在は回復に向かっているとのことです。1951年にF1にデビューして以後,何度もチャンピオン争いに絡みながら,1962年シーズン開幕前に行われたノンタイトル戦で重傷を負い,引退を余儀なくされたため,結局タイトルを獲得することができず,「無冠の帝王」と呼ばれている伝説のドライバーがモス卿です。1929年生まれの80歳という高齢でありながら,3階から転落するという大変な事故にあっても重傷とはいえ命に別状無かったのは,F1で鍛えた強靱な体があったからでしょう。また,無冠の帝王で終わるといったことは,もしかしたらその分の運を今回の事故のためにとっていたからかもしれませんね。
2010/3/8(月)
☆体制予想(FN)
○鈴鹿サーキットで行われているモータースポーツファン感謝デーにおいて,FNの開催概要発表が行われました。それによると,既に参戦体制が発表されているように,昨年のチャンピオンであるL.デュバルがNAKAJOMA RACINGを離れ,ダンデライオンに移籍しています。また,井出有治が久々にFNに復帰し,無限とのコラボを組むことになっています。星野和義率いるIMPULは,平手が残留し,新たにJ−P.デ.オリベイラが加入しています。つまり,何と同チームで2年連続チャンピオンを獲得した松田次生がシートを失う結果となっています。なお,具体的な体制については,以下の表のようになっています。ただし,これが最終という訳ではなく,開幕戦までに増える可能性もあるとのことです。
2010FN参戦体制(暫定)
No. ドライバー チーム エンジン
1 L.デュバル DOCOMO TEAM DANDELION RACING ホンダ
2 伊沢拓也
7 K.コッツォリーノ Team LeMans トヨタ
8 石浦宏明
10 塚越広大 HFDP RACING ホンダ
16 井出有治 MOTUL TEAM 無限 ホンダ
18 平中克幸 KCMG トヨタ
19 J−P.デ.オリベイラ TEAM IMPUL トヨタ
20 平手晃平
29 井口卓人 DELIZIEFOLLIE CERUMO/INGING トヨタ
31 山本尚貴 NAKAJIMA RACING ホンダ
32 小暮卓史
36 A.ロッテラー PETRONAS TOM'S トヨタ
37 大嶋和也
2010/3/7(日)
☆性能調整(SGT)
○GT500クラスにおいては,マシン性能の均一化を図るため,いずれかの参戦車両の性能に有利な点が見られた場合性能調整というのを施してきました。このことに関して,合同テストが行われている鈴鹿サーキットでSGTを主催するGTAの板東正明会長が記者会見の場で「今季のGT500クラスで性能調整が行われる予定はない。」としてその可能性を否定しました。その理由として会長は,参戦している3メーカー(トヨタ,ニッサン,ホンダ)のマシンが今シーズンようやく「3.4リッターFR」という規程に沿った車両でようやく横並びできたからということのようです。また,参戦車両は市販車という前提がありますが,今シーズンホンダがNSXに替わって投入するHSV−010は市販車ではありません。それでも参戦が認められたことに関して会長は,ホンダに該当するFR車両がなく,JAF−GT500という規則の中で,『自動車メーカーによって生産され公道走行に適し,以下を満たすもの』という規定に対して適合している車両ということになるようです。さらに,トヨタ,ニッサンの2社が,ホンダにはFR車両が無く,SGTからいなくなることは避けたいということから,同車両の投入がスムーズに受け入れられたということです。
2010/3/6(土)
☆調査(F1)
○2008年シーズンにレッドブルが初めて投入し,それ以後こぞって複数のチームが取り入れて一種のトレンドとなった空力デバイスが,エアボックスとエンジンカバーをリアウィング方向に長く伸ばした「シャークフィン」と言われているものです。マクラーレンの今季型マシンであるMP4−25は,このシャークフィンをさらに進化させ,リアウィングと一体化した形状となっています。これに対して,シャークフィンの老舗であるレッドブルのチームオーナーであるC.ホーナーが,FIAに違法性を訴えて調査することを要求しました。どうやらフェラーリも,レッドブルと同じような疑問を抱いているようです。その要求を受けてFIAの技術委員であるC.ホワイティングが調査を行なったのではないかと言われています。こうした動きに対して当然マクラーレン側も黙っていることはなく,チーム代表であるM.ウィットマーシュが,設計プロセスの段階からホワイティングの助言を受けていた事実を明らかにしています。どうも印象としてですが,今回の騒ぎは,とりあえず確認しておき,自分たちも場合によっては取り入れていこうとするものなのではないかと思ってしまいます。こちらもシャークフィンと同しように,新たなトレンドとなるのかもしれませんね。
2010/3/5(金)
☆参戦ならず(F1)
○3日夜,FIAから今シーズンの最終エントリーリストが発表されました。それによると,新規参入チームの内,かねてから参戦が疑問視されていたUSF1が,今回のエントリーリストから外されていました。また,USF1に替わってエントリーが認められるようになるのではないかと噂されていたステファンGPが,今回のエントリーリストに加わっておらず,少なくとも今シーズンからの参戦はなくなりました。F1から撤退したトヨタとの提携が成立したことで,ステファンGPのドライバーになっていた中嶋一貴でしたが,残念ながら今シーズンF1に参戦することはかないませんでした。ということで,今シーズンのF1は,12チーム24名のドライバーで争われることになります。なお,USF1のエントリー取り消しにより,BMWザウバーが暫定時にUSF1が入っていたところに入れ替わって入っています。ということで,唯一のフル参戦日本人ドライバーである小林可夢偉は,今季カーナンバー23をつけることとなります。また,新規参入チームの内の一つであるカンポスについては,チーム株式の売却によりチーム名がヒスパニア・レーシング・チーム(HRT F1)に変更となっています。さらに,同チームに関してですが,今回のエントリーリストではB.セナのチームメイトが未定(TBA)と表記されていますが,その後チームから正式発表があり,インド人ドライバーのK.チャンドックをレースドライバーに起用することとなりました。
2010F1エントリーリスト(正式)
ドライバー チーム
J.バトン ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス
L.ハミルトン
M.シューマッハ メルセデスGPペトロナス フォーミュラワン・チーム
N.ロズベルグ
S.ベッテル レッドブル・レーシング
M.ウェーバー
F.マッサ スクーデリア・フェラーリ・マールボロ
F.アロンソ
R.バリチェロ AT&T ウィリアムズ
10 N.ヒュルケンベルグ
11 R.クビサ ルノー F1チーム
12 V.ペトロフ
14 A.スーティル フォース・インディア F1チーム
15 V.リウッツィ
16 S.ブエミ スクーデリア・トロ ロッソ
17 H.アルグエルスアリ
18 J.トゥルーリ ロータス・レーシング
19 H.コバライネン
20 TBA
(注:K.チャンドックと契約成立)
ヒスパニア・レーシングF1チーム
21 B.セナ
22 P.デ.ラ.ロサ BMWザウバーF1チーム
23 小林可夢偉
24 T.グロック ヴァージン・レーシング
25 L.ディ.グラッシ
2010/3/4(木)
☆体制発表(FN&S耐)
○国内のフォーミュラの最高峰FNと,市販車ベースのマシンで争われるスーパー耐久(S耐)に関して,2つのチームが体制発表を行いましたのでお伝えします。
まずFNですが,先日同シリーズに参戦するダンディライアンが今季のチーム体制を発表しました。それによると,今季のドライバーは,昨年から同チームに所属している若手のホープである伊沢拓也が残留することになりました。そして,何と昨年NAKAJIMA RACINGに所属してシリーズチャンピオンを獲得したL.デュバルが,同チームに移籍し,伊沢とチームメイトになりました。タイトルスポンサーには,これまで通りNTTドコモが就き,昨年とほぼ同じカラーリングでシーズンに臨みます。チーム名についても,これまで通りDOCOMO DANDELIONとなります。
次にS耐についてですが,元GPライダーの青木琢磨が率いるtakuma-gp team KOMACHIが,今シーズンのS耐にフル参戦することになりました。青木のチームメイトには,国内レースで数々の実績を残している土屋武士がなります。2輪時代の青木は,一貫してホンダのマシンを駆り,1995&96年に2年連続JRRのスーパーバイククラスチャンピオンに輝き,97年からWGPの最高峰であった500ccクラスにフル参戦を開始しました。その年にはランキング5位を獲得し,さらなる活躍が期待されていました。ところが,その年のシーズンオフに行われたテストにおいて転倒し,脊髄損傷という重傷を負ってしまい,以後は車いすの生活を強いられることとなってしまいました。2輪でのレースを断念せざるを得なくなった琢磨でしたが,不屈の精神で立ち直り,以後は身体障がい者用に改造したマシンで4輪のレースに臨んできました。2007年と2008年にアジアクロスカントリーラリーに参戦した後,昨シーズンはダカールラリーにも参戦しました。残念ながら途中リタイアに終わったものの,車いす生活を送るドライバーが厳しい環境に置かれるダカールラリーに参戦したことは,多くの人に勇気と感動を与えました。そして,今回のS耐への参戦となった訳です。なお,今回の発表では,参戦するクラスは1501cc〜2000ccまでのマシンで争われるクラス4ということが発表されていますが,使用するマシンに関してはまだ発表されていません。ただ,ホンダと青木とのこれまでの関係を考えると,シビックやインテグラ,S2000といったクラス4に該当するホンダのマシンを駆ることが十分考えられます。
2010/3/3(水)
☆スポンサー契約(F1)
○スポンサーに関して,2つのチームで動きが見られました。まず,一時期は撤退の噂があったものの,今シーズンもフル参戦を継続するルノーF1チームに,ロシアの自動車メーカーである「ラーダ」がスポンサーを務めることになりました。これは,チームやラーダから発表されたものではなく,何とロシアのプーチン首相が政府のウェブサイトで明らかにしたものです。今回のスポンサー契約の大きなきっかけは,何といっても今シーズンからルノーとの契約が成立しロシア人初のF1ドライバーとなったV.ペトロフの存在でしょう。今回のプーチン首相のコメントの中には,今回の支援は第一歩で,今後将来においてスポンサーシップが拡大されることも十分に考えられるということを明かしていますので,ロシアがいかにF1に力を入れているかが分かります。今回の契約に至った要素にはもう一つあって,ルノーは2008年に10億ドルでラーダの親会社であるアフトヴァースの株式の25%を取得しているということもあります。
2つ目は,今シーズンから以前と形を変えて新たにF1参戦することになったロータスについてです。今回ロータスから発表があり,CNNとスポンサー契約を結んだことが明らかになりました。皆さんご存知のように,CNNはアメリカのケーブルテレビ向けのニュース専門放送局です。今回の契約により,ロータスの今季型マシンである「T127」,そしてドライバースーツ及びチームウエアにCNNのロゴが掲載されることになります。
2010/3/2(火)
☆賠償金(F1)
○今シーズンから新規参入するチームの内,いまだにはっきりとした形が見られていないのが,カンポスとUSF1の2チームです。ただし,故A.セナの甥であるB.セナが既に契約しているカンポスについては,チームを新たな支援者に売却したことで財政的に立て直すことができ,ちゃくちゃくと参戦に向け動きが進んでいるようです。それに対してUSF1については,かなり厳しい現状が続いているようです。2月下旬には,FIAの技術責任者であるC.ホワイティングが,USF1の状況を確認するためにシャーロットにあるUSF1本部を訪れたといわれています。そうした厳しい状況を示すかのような出来事が,アメリカの一部機関において報道されました。その内容ですが,同チームが2011年までのF1参戦延期をFIAに要請したというものです。さらに,同チームのオーナーであるK.アンダーソンとC.ハーリーが,来シーズンからF1に参戦する意向を証明するため7桁の金額の保証金(実質的には賠償金でしょうね。)を提出することを提案したとのことです。もしこれが事実だとしたら,以前は開幕から4戦の欠場認可を要請という報道がなされていましたが,1年間まるまる欠場することになりますので,同チームの財政的不安定がさらに現実を帯びたことになります。もしこの報道が事実だとすれば,新規参入が認められなかったものの,F1から撤退したトヨタとの提携が成立し,トヨタが撤退決定前に開発していた今季型マシンなどを手にすることができているステファンGPが,新たに新規参入チームとして認められる可能性が一段と高まったことになります。とすると,既にステファンGPと契約が成立している中嶋一貴のフル参戦も現実味を帯びてきたことになります。
2010/3/1(月)
☆開幕戦(SBK)
○2輪の世界選手権としては,そのオープニングを飾ったとも言えるSBKの決勝レースが,オーストラリアのフィリップアイランドで行われました。レース1では,ポールからスタートしたスズキ・アルスターのL.ハスラムと,ドゥカティ・ゼロックスのM.ファブリツィオ,芳賀紀行の3人によるバトルが繰り広げられました。最終ラップまで続いたその争いはハスラムに凱歌が上がり,2位にはわずか1000分の4秒差でファブリツィオが,芳賀が0.769秒遅れで芳賀が入りました。今シーズンからSBKにスイッチしたカワサキのC.バーミューレンとJ.トスランドは,どちらもリタイアに終わっています。
レース2は,4番グリッドからスタートしたものの,そのスタートで出遅れ,一時期は順位を落としたものの,徐々に挽回していって最終ラップにトップに浮上し,見事その座を守りきったアルテア・レーシングのC.チェカが入りました。今シーズンからドゥカティ勢に移籍したチェカですが,いきなりその結果を出しました。チェカの勝利は,08年のアメリカ大会以来です。ちなみに,この時のチェカは,ダブルウィンを果たしています。2位と3位には,それぞれレース1で1,2位に入ったハスラムとファブリツィオが入っています。レース1で表彰台を獲得した芳賀でしたが,レース2は後半にペースが上がらなくなってしまい,5位でチェッカーを受けています。
併催で行われているWSSは,ホンダのE.ラバティが,2位に入ったカワサキのJ.ラスコルツに4秒以上の大差をつけて自身5度目の勝利を収めました。3位には,ホンダのK.ソフォーグルが入っています。このクラスで唯一のフル参戦日本人ライダーであるカワサキの藤原克昭は,2番手争いに加わっていたものの,18周目に転倒を喫し,再スタートは切れたものの11位でチェッカーとなりました。
     
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