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2009/10/30(金)
☆トップは(F1)
○“Arabian Business.com”が,今シーズンのF1ドライバーたちの年俸を試算し,これを明らかにしました。それによると,全ドライバーの年俸総額は1億3000万ドル(約118億円)にも上ります。その中でフェラーリのK.ライコネンが他のドライバーたちに大差をつけて最も年俸が高く,推定で4500万ドル(約41億円)と見られており,2位のL.ハミルトンの1800万ドル(約16億円)のおよそ2.5倍の高額年俸を得ていることになります。3位は,ルノーのF.アロンソの1500万ドル(約14億円)と見られていて,やはりトップ3にはいずれもワールドチャンピオン経験者が並んでいます。一方,今年ワールドチャンピオンを獲得したブラウンGPのJ.バトンは,ホンダF1時代の昨年は1200万ドル(約11億円)という高収入を得ていましたが,財政に苦しむブラウンGPを救うために500万ドル(約4億5000万円)への減額を受け入れている模様です。また,チームメイトのR.バリチュロに至っては,わずか100万ドル(約9000万円)しか得ていないのではないかと見られていて,トロロッソのルーキーであるS.ブエミよりも下まわる金額となっています。現在バトンは残留に向けてチームと交渉を行っていますが,当然今シーズンより大幅な年俸のアップは必至でしょうから,交渉が難航しているのも致し方ありません。今回発表された金額は,基本給の額であって,スポンサーなどの他の収入を含んでいません。それらが加われば,基本給の3倍の額になる場合もあるとのことです。また,ウィリアムズの中嶋一貴,ルノーのR.グロージャン,フォースインディアのA.スーティルとV.リウッツィ,そして最終戦のアブダビGPにもT.グロックの代役として参戦するトヨタの小林可夢偉は,基本給は受け取っていないとされています。
なお,今回発表された金額は,以下のようになっています。
1.K.ライコネン(フェラーリ) : 4,500万ドル(約40億9,000万円)
2.L.ハミルトン(マクラーレン) : 1,800万ドル(約16億3,000万円)
3.F.アロンソ(ルノー) : 1,500万ドル(約13億6,000万円)
4.N.ロズベルグ(ウィリアムズ) : 850万ドル(約7億7,000万円)
5.F.マッサ(フェラーリ) : 800万ドル(約7億2,600万円)
6.J.トゥルーリ(トヨタ) : 650万ドル(約5億9,000万円)
7.S.ベッテル(レッドブル) : 600万ドル(約5億4,500万円)
8.M.マーク・ウェバー(レッドブル) : 550万ドル(約5億円)
9.J.バトン(ブラウンGP) : 500万ドル(約4億5,000万円)
10.R.クビサ(BMWザウバー) : 450万ドル(約4億万円)
11.H.コバライネン(マクラーレン) : 350万ドル(約3億1,800万円)
12.N.ハイドフェルド(BMWザウバー) : 280万ドル(約2億5,000万円)
13.T.グロック(トヨタ) : 200万ドル(約1億8,000万円)
14.J.フィジケラ(フェラーリ) : 150万ドル(約1億3,600万円)
15.S.ブエミ(トロ・ロッソ) : 150万ドル(約1億3,600万円)
16.R.バリチェロ(ブラウンGP) : 100万ドル(約9,000万円)
17.H.アルグエルスアリ(トロ・ロッソ) : 50万ドル(約4,500万円)
18.A.スーティル(フォース・インディア) : 0ドル
18.中嶋一貴(ウィリアムズ) : 0ドル
18.小林可夢偉(トヨタ) : 0ドル
18.V.リウッツィ(フォース・インディア) : 0ドル
18.R.グロージャン(ルノー) : 0ドル
2009/10/29(木)
☆スポンサー契約(F1)
○昨年のシンガポールGPにおいて,トップを走行していたルノーのF.アロンソを優勝させるため,チームメイトのN.ピケJrに対してわざとクラッシュすることをチーム側が指示したといういわゆる"クラッシュゲート事件"により,スポンサーであるオランダの金融関連会社であるINGや,サンタンデール銀行に代表されるスペインの金融関連グループであるムトゥア・マドリレーニャが契約を解除するという事態となっていました。そのルノーですが,この度スポンサー契約に関する発表があり,オランダの時計メーカーであるTWスティール社との契約が成立しました。同社のロゴは,今週末に行われる最終戦のアブダビGPからルノーR29のノーズコーン,フロントウイングのフラップ,サイドポッド前端に早速登場することになっています。また,来シーズンからは,タイミングモニターとチームユニフォーム,ドライバーのスーツにもロゴがつくことになっています。なお,同社との契約は,公式タイミングパートナーとしてのもので,契約期間が2012年の最終戦までの3年間となっています。
次に,前戦においてドライバーズタイトルだけでなく,チームタイトルをも獲得したブラウンGPですが,最終戦限定ではあるものの新たなスポンサー契約が成立しました。そのスポンサーですが,カタールの大手電気通信会社であるカタール・テレコム(Qtel)です。同社のロゴであるQtelが,新ワールドチャンピオンのJ.バトンとチームメイトであるR.バリチェロのマシンのリアウィング,シャシー,コックピットサイドに週末を通して付けられることになっています。
2009/10/28(水)
☆引退(SBK)
○今シーズンからアプリリアのワークスチームに所属してSBKにフル参戦を開始した中野真矢が,残念ながら今シーズン限りで現役を引退することを表明しました。具体的なことについては,今日行われる記者会見で明らかになるものと思われます。JRRにおいては,目玉ヘルメットでお馴染みのヤマハ系のプライベートチームであるSP忠男に所属して活躍後,1997年からヤマハのワークスライダーとして250ccクラスに参戦するようになりました。1998年にその250ccクラスでチャンピオンを獲得して,その翌年からWGPの250ccクラスにテック3(当時はチェスターフィールド・ヤマハ・テック3)からフル参戦を果たしてランキング4位となり,ルーキーオブザイヤーを獲得しています。2000年にはチームメイトであるO.ジャックとの激しいチャンピオン争いとなり,5勝を挙げたものの惜しくもランク2位で終了しました。2001年には,同チームから念願の最高峰クラスにステップアップを果たしました。その年には,ランキング5位となってこのクラスでもルーキーオブザイヤーに輝いています。2004年からの3年間はMotoGPクラスにおけるカワサキのエースライダーとして活躍した後,2007年からの2年間はホンダ系のサテライトチーム(07年はコニカ・ミノルタ・ホンダ,08年はサンカルロ・グレシーニ・ホンダ)に所属して最高峰クラスで活躍を続けました。中野の素晴らしいところの一端はその安定感で,MotoGP初年度の2002年から昨シーズンの最終戦まで,1戦も欠場することなく出場し続けたのです。しかし,昨シーズンでMotoGPのシートを失い,今季は冒頭に記したようにSBKに活躍の場を移していました。そのSBKにおいては,転倒により鎖骨骨折を骨折し,中野としては久々に欠場せざるを得ない状況を経験しました。シーズン後半は,首の痛みにより欠場が続く状況となっていました。彼としては最後となったシーズンは,最高成績がロサイルで行われた第2戦におけるレース1での4位で,最終的なランキングは14位でした。ライダー以外の活動としては,何といっても実業家としてでしょう。昨年からバイクとファッションの融合を目指したブランドである"56design"を立ち上げ,店舗を千葉に開いて営業しています。何はともあれ,13年間に及ぶレーシングライダーとしての活躍,大変お疲れ様でした!
2009/10/27(火)
☆残念(SBK)
○今シーズンの最終戦となる第14戦ポルトガル大会が,ドライコンディションとなったアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われました。この大会の前までのランキングトップは,ドゥカティの芳賀紀行で,ランキング2位につけるヤマハのB.スピースに10ポイントの差をつけていました。僅差ではあるものの,無難にこの最終戦を乗り切れば,芳賀にとって悲願の初タイトルを獲得することになります。そして迎えたレース1は,ポールからスタートしたスピースが,ホールショットを奪ってトップに立ちました。その後も2位集団の追撃を振り切り,今季14回目となるトップでのチェッカーを受けました。2位には,3台での争いを制したホンダのJ.レイが,3位にはアプリリアのM.ビアッジが入りました。ランクトップの芳賀は,5位を走行中の7周目に何と転倒を喫し,リタイアに終わってしまいました。最終戦だけに,ノーポイントレースを最も避けなければならないのですが,それを演じてしまったのです。アグレッシブなところが芳賀の魅力ですが,今回に限ってはそれが裏目に出た形となりました。この結果,ランキング争いでスピースに逆転を許し,しかも15ポイントのビハインドで最終レースを迎えることとなってしまいました。他の日本人勢は,カワサキの玉田誠が12位に入ってポイントを獲得したものの,スズキの加賀山就臣はオープニングラップで転倒してリタイアに終わっています。なお,ホンダの清成龍一とアプリリアの中野真矢は,最終戦を欠場しています。
レース1でランクトップに立ったスピースは,レース2ではその座を守るべく堅実な走りを展開していきました。トップ争いは,M.ファブリツィオと芳賀のチームメイト同士となり,最終的にファブリツィオが芳賀に1秒の差をつけ,今季3回目のトップチェッカーを受けました。3位には,レース1でも表彰台を獲得しているレイが入っています。ランクトップのスピースは,5位でチェッカーを受け,2位に入った芳賀に6ポイント差をつけて参戦初年度で見事今シーズンのチャンピオンに輝きました。来シーズンから1年前倒しでMotoGPにスイッチするスピースですが,SBKチャンピオンとして最高峰レースに乗り込むことになります。惜しくも6ポイント差でタイトルを逃した芳賀は,来季も同じ体制でSBKに臨むことになっています。「無冠の帝王」の芳賀だけに,来シーズンこそはタイトル獲得となることを願っています。他の日本人勢ですが,来シーズンから再びBSBに戻ることになった加賀山は,SBKでの最終レースを11位で終えてポイントを獲得しています。現在所属しているチームを離脱することが既に決まっていて,来シーズンについては現段階で未定となっている玉田は,完走はしたものの,惜しくも16位でポイントを逃しています。日本人の最終ランキングは,芳賀が2位,清成が11位,加賀山が12位,中野が14位,玉田が27位でした。
併催で行われているWSSは,ランキング2位につけるホンダのE.ラバティが,オープニングラップでトップにつけると,独走に持ち込んでその座を守り,ポールトゥーフィニッシュで今季4勝目を飾っています。2位には,同じくホンダのK.ソフォーグルが入りました。そして,元GPライダーでベテランのG.マッコイが,トライアンフのマシンを駆って3位に入っています。ランキングトップを行くヤマハのC.クロッチローは,こちらもスピースのように堅実な走りを展開し,4位でチェッカーを受けて今シーズンのチャンピオンを決めました。今シーズンのヤマハは,レース専用車で争われるMotoGPでチャンピオンを獲得すると共に,市販車で争われるSBK,WSSの両方でタイトルを獲得したことになります。唯一の日本人フル参戦ライダーであるカワサキの藤原克昭は,13位でチェッカーを受けてポイントを獲得し,ランキング10位で今シーズンを終えています。
2009/10/26(月)
☆チャンピオン(MotoGP)
○第16戦マレーシアGPの決勝レースが,セパン・サーキットで行われました。この日の最終レースとなったMotoGPクラスは,他の2クラスがドライコンディションで行われたのに対して,豪雨のためスタートが30分以上遅れ,レースウィークで初のレインコンディションの中で行われました。4番グリッドからスタートしたドゥカティのC.ストーナーが抜群のスタートダッシュを決め,オープニングラップからトップに立ちました。その後もストーナーの座を脅かすものは現れず,2位に14秒以上の差をつけて独走でシーズン4勝目を挙げました。レプソル・ホンダのD.ペドロサは,オープニングラップから2位に立ち,ストーナーとの差は開いたものの2位の座は守り抜いて4戦連続10回目となる表彰台を獲得しています。タイトルに王手をかけているフィアット・ヤマハのV.ロッシは,ポールからスタートしたものの,スタートダッシュに失敗して10位まで後退してしまいました。しかし,レプソル・ホンダのA.ドビツィオーゾの転倒もあって,3位でこのレースを終えました。タイトル争いでロッシを追うチームメイトのJ.ロレンゾは,ロッシを追い越すことができず4位でチェッカーとなりました。これにより,ロッシが2年連続,最高峰クラス通算9回目となるチャンピオンを獲得しました。
250ccクラスは,タイトルを争っているホンダの青山博一とジレラのM.シモンチェリとの間で激しいトップ争いが展開されていきました。時にはコーナーごとに順位が入れ替わるというドッグファイトが展開され,観る者を魅了するレースとなりました。終盤に入って青山がトップに立つと,サーキットベストを更新しながらシモンチェリとの差を広げていき,最後は独走で今季3勝目をポールトゥウィン&バースデーウィンで飾りました。青山が逃げを図ってからは,シモンチェリとアプリリアのH.バルベラとの2位争いとなりました。2人の争いはチェッカーまで続き,何と2人は同時にフィニッシュラインを通過しました。同着の場合は,レース中のそれぞれのベストラップで順位を決めることになっていて,バルベラが2位,シモンチェリが3位となりました。この結果,青山とシモンチェリとのポイント差が21に広がり,最終戦でのタイトル争いまで持ち越されたものの,俄然有利になりました。最後でバルベラがシモンチェリを抑えて2位に入ったのは,青山にとってはナイスアシストという形となりました。他の日本人勢ですが,ホンダの青山周平が10位に入ってポイントを獲得しましたが,同じくホンダの富沢翔也は16位フィニッシュとなり,惜しくもポイント獲得には至りませんでした。
125ccクラスは,前戦でチャンピオンを獲得したアプリリアのJ.シモンと,チームメイトのB.スミスとの間で2戦連続トップ争いが展開されていきました。2人の争いは最後まで続き,最終的にはシモンが1秒以上の差をつけて貫禄の勝利を収め,今季6勝目を飾りました。2位に入ったスミスは,今回のレースでランク2位を決定しています。集団でのバトルとなった3位争いでしたが,最終的にデルビのP.エスパロガロがその争いを制しています。日本人勢の成績ですが,アプリリアの中上貴晶は11位に入ってポイントを獲得したものの,ロンシンの小山知良は,3周目に転倒しリタイアに終わっています。
2009/10/25(日)
☆好発進(MotoGP)
○第16戦マレーシアGPの予選が,セパン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ランキングトップを行くフィアット・ヤマハのV.ロッシが,唯一2分00秒台をマークして今季7回目のポールを獲得しました。今回の大会で4位以内に入るとチャンピオンを決めるロッシだけに,決勝レースに向けて好発進を切った形となりました。ランキング争いでロッシを追うチームメイトのJ.ロレンゾが,ロッシからコンマ5秒ほど遅れて2番グリッドを獲得しています。フィアット・ヤマハ勢による予選のワンツーは,今季6度目となります。3番グリッドは,レプソル・ホンダのD.ペドロサが獲得しています。
250ccクラスは,ランキングトップを行くホンダの青山博一が,コースレコードをマークして今季2回目となるポールを獲得しました。MotoGPクラスと同様,このクラスもランクトップのライダーが,決勝に向け好発進を切ったことになりました。特に青山の場合は,前日と合わせた2回のフリー走行でもトップタイムでしたから,決勝に向け順調な走行をしてきています。アプリリアのJ.クルーゼルが2番グリッドを獲得しましたが,これは自己最高位となります。3番グリッドは,M.ディ.メッリオが獲得しています。青山とチャンピオン争いを展開しているジレラのM.シモンチェリとアプリリアのA.バウティスタは,それぞれ8番手,5番手でした。他の日本人勢ですが,富沢翔也が16番手,青山周平が19番手とやや出遅れています。
125ccクラスは,KTMのM.マルケスが,第4戦フランスGP以来の今季2回目となるポールを獲得しました。前戦で今シーズンのチャンピオンを決めたアプリリアのJ.シモンが,1000分の55秒差で2番グリッドとなりました。3番グリッドには,終盤に転倒を喫したものの,同じくアプリリアのB.スミスがつけました。日本人勢は,アプリリアの中上貴晶が15番手,ロンシンの小山知良は26番手となっています。
2009/10/24(土)
☆参戦終了(SGT)
○ホンダから発表があり,現在SGTで使用しているマシンはNSX−GTですが,そのマシンを使用してでのSGT参戦を,今シーズンの最終戦をもって終了することになりました。このNSX−GTは,前身である全日本GP選手権(JGTC)時代の1997年シーズン第2戦から登場しました。そして,これまでの13年間で通算105戦に参戦し,運動性能に優れるミッドシップというレイアウトを活かして49回のポール,36回の優勝を果たしてきました。そして,2000年と2007年には,ドライバー,チームのダブルタイトルを獲得するという輝かしい歴史を刻んできました。ただし,NSXという車自体は,既に2006年をもって市販を終了していますから,SGTから姿を消すのはそう遠くないだろうということは十分予想されていました。なお,ホンダのSGT参戦は今後も継続しますが,使用するマシンに関してはまだ発表されていません。かねてからNSXの後継車自体は開発が進められていましたが,昨年末の世界的金融不安の影響により,F1からの撤退と同時にNSX後継車の開発中止という決断に至っていました。現段階におけるホンダの市販車ラインナップを見ると,「明らかにNSXに代わりうる車輌」というものはありません。ということで,全く想像できはしないものの,強いて挙げればAWDを採用しているレジェンドくらいなのかなあという感じです。皆さんは,どの車輌だと思いますか?
2009/10/23(金)
☆復帰(MotoGP)
○オーストラリアGPでの125ccクラスは,アスパー・チームのJ.シモンとB.スミスのチームメイト同士のバトルとなり,最終ラップにシモンがスミスを交わして優勝しました。この勝利により,どのクラスよりも先に今シーズンのチャンピオンが決定し,勝利したシモンが自身初となるチャンピオンを獲得しました。そのシモンは,125ccクラスから250ccクラスにステップアップを果たしたものの,思うような成績を出すことができず,再び125ccクラスに返り咲くという経歴の持ち主です。そうした経験を経ての今回のチャンピオン獲得だけに,シモンや関係者の喜びは大きかったものと思われます。さて,その新チャンピオンとなったシモンが,来シーズンに関する発表を行い,現在彼が所属しているアスパー・チームに残留すると共に,戦いの場を来シーズンから始まるMoto2クラスに参戦することが決定しました。ご存知のように,このMoto2クラスはレース専用4サイクル600ccマシンで争われるもので,250ccクラスに替わって発足するものです。つまりシモンにとっては,軽量級クラスでチャンピオンを獲得し,晴れて中量級クラスに復帰することとなります。なお,オーストラリアGPでシモンと争ったスミスに関してですが,彼の来シーズンに関してはまだ未定のようで,チームに残留することは間違いないものの,125ccクラスに留まるのか,シモンと共にMoto2クラスにステップアップするのかの選択肢となっているようです。また,同チームから250ccクラスに参戦しているM.ディ.メッリオに関しては,チームから離脱する可能性があるようです。
2009/10/22(木)
☆日程変更(F1)
○世界モータースポーツ評議会が開催され,来シーズンのレースカレンダーに関しての話し合いがもたれました。そして,モナコGPとトルコGPとが1週間の間隔しかなく,チーム側から輸送面での懸念が出されていたため,モナコGPの日程が1週間前倒しになることが決まりました。なお,具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。ただし,今回のものも,まだ暫定という段階です。確定版は,12月に行われる予定の会議で最終決定する予定になっています。
2010年F1レースカレンダー(暫定)
  決勝日 大  会  名
第1戦  3月14日 バーレーンGP
第2戦  3月28日 オーストラリアGP(17時決勝スタート)
第3戦  4月 4日 マレーシアGP(16時決勝スタート)
第4戦  4月18日 中国GP
第5戦  5月 9日 スペインGP
第6戦  5月16日 モナコGP
第7戦  5月30日 トルコGP
第8戦  6月13日 カナダGP
第9戦  6月27日 ヨーロッパGP(バレンシア市街地コース)
第10戦  7月11日 イギリスGP
第11戦  7月25日 ドイツGP
第12戦  8月 1日 ハンガリーGP
第13戦  8月29日 ベルギーGP
第14戦  9月12日 イタリアGP
第15戦  9月26日 シンガポールGP(20時決勝スタート)
第16戦 10月 3日 日本GP
第17戦 10月17日 韓国GP
第18戦 10月31日 アブダビGP(17時決勝スタート)
第19戦 11月14日 ブラジルGP
2009/10/21(水)
☆シートは(F1)
○徐々に来シーズンの体制が決まってきているF1のシートですが,いまだに未定なのはトヨタです。業績不振によりホンダのようにF1からの撤退が噂されたトヨタですが,どうやら来シーズンの参戦については継続の方向のようです。しかし,ドライバーについては,まだはっきりした姿が見えてきてなく,2つのシート共に噂の域を出ません。まず,エースドライバーに関してですが,最も注目を集めているのがK.ライコネンの存在でしょう。元チャンピオンのF.アロンソが,来季フェラーリに移籍することが決定したのを受け,同じく元チャンピオンのライコネンがチームを離脱することは決定しています。そして,彼の移籍先は,フェラーリに来る前に在籍していたマクラーレン・メルセデスだろうと予想されていました。すぐにその移籍話は決まるだろうと思われていたのですが,いまだにその発表はなく,そうこうしている間にトヨタがライコネンにオファーを出していることを明らかにしています。このオファーの結論がどうなるか注目されるところですが,現実問題としてチャンピオン獲得を視野に入れればマクラーレンの方が可能性が高いものと思われます。それだけに,ライコネンとの交渉は難航が予想されます。そして,ここにきて浮上してきたのが,日本GPで2位表彰台を獲得したJ.トゥルーリの残留です。トゥルーリに関しては,TMG社長のJ.ハウエットが,これまでトゥルーリ離脱の可能性を繰り返しコメントしていました。それに呼応するかのように,本人自身も離脱の可能性をほのめかしていました。しかし,ブラジルGPにおけるチーム代表の山科忠氏とのやり取りについてトゥルーリが語り,同氏から11月中旬にトヨタ自動車役員会の結論が出るまで待ってほしいと頼まれたと明かしました。ということは,トゥルーリ残留の可能性も十分にあるということです。次に,セカンドドライバーについてですが,T.グロックの残留という噂はあまり出てなく,離脱の可能性が高いのではないかと思われます。そして,ここにきて浮上してきたのが,グロックの代役としてブラジルGPに参戦した小林可夢偉です。今シーズンは,同チームのテスト&リザーブドライバーを務めている彼ですが,雨中における日本GPのフリー走行での走行や,今回のブラジルGPにおけるトップ10フィニッシュという実績から,来シーズンのレギュラードライバーのシート獲得が現実化してきているようです。今シーズン唯一のフル参戦日本人ドライバーである中嶋一貴のF1におけるシート獲得が,徐々に厳しい状況となっていますが,中嶋と同じくトヨタの支援を受ける小林を,日本メーカーのチームであるトヨタが乗せようとしても何ら不思議はありません。後1戦しか残っていないF1ですから,トヨタのシートがどうなるのか結論が出るのはそう遠くないでしょう。しばらくは目が離せそうもありませんね。
2009/10/20(火)
☆移籍(SBK)
○このところ,徐々に来シーズンの体制が決定していっているSBKですが,新たな移籍発表がありました。今回発表されたのは,元GPライダーのC.チェカです。2007年シーズンをもってGPでのシートを失うことになったチェカでしたが,清成龍一と組んでその年の8耐で優勝してスーパーバイクマシンとの相性のよさを示したこともあって,翌年からSBKにおけるホンダのワークスチームであるテン・ケイト・ホンダに移籍し,戦いの場をSBKに移していました。初年度の08年はポールを獲得したり優勝したりと初年度にしてはさすが元GPライダーというような活躍を見せていましたが,今シーズンはどのホンダライダーがそうであるように,マシンのセッティングに苦しみ,初年度のような活躍があまり見られない状況となっていました。それでも,来シーズンも同チームから参戦を継続するものと思われていましたが,この度アルティア・ドゥカティ・チームに移籍し,来シーズンからドゥカティのマシンを駆ることが発表されました。チェカとドゥカティといえば,2005年にMotoGPでドゥカティのワークスチームに所属し,この年は3回3位表彰台を獲得し,ランキング9位となった経歴があります。SBKとMotoGPという違いはありますが,5年ぶりのドゥカティ復帰ということになります。
2009/10/19(月)
☆僅差(SGT)
○第8戦の決勝レースが,午後から秋の日差しとなったオートポリスで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした立川祐路&R.ライアン組のZENT CERUMO SC430と予選4番手から好スタートを切って2番手に浮上した脇坂寿一&A.ロッテラー組のPETORONAS TOM'S SC430のトヨタ勢同士の争いとなりました。ZENTを先頭にして中盤過ぎまで続いた2台のトップ争いでしたが,30周目に両者共にピットイン。この時いち早くピットアウトしたのはTOM'Sの方でした。位置が入れ替わってのトップ争いはその後も続いたものの,60周目に2位走行中のZENTがダートに方輪を落としてしまったためにスピンを喫し,後部をヒットしてしまって緊急ピットイン。これにより,トップTOM'Sは単独走行となり,うれしい今季初優勝を飾りました。ただし,ピットインした際にZENTは違反(エアジャッキが降ろされる前にエンジンを始動してしまった)を犯してしまっていましたから,本当はスピンを喫する前にこの勝負は決していたのですが・・・。ZENTの脱落により,それまで3位を走行していたランキングトップを行く本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rが難なく2位に浮上。次の注目は,3台によるバトルとなった3位争いとなりました。最終ラップまで僅差で続いた3位争いでしたが,J−P.デ.オリベイラ&荒聖治組のHIS ADVAN KONDO GT-Rが逃げ切って3位表彰台を獲得しました。この結果,本山とトレルイエ,そして脇坂寿一&A.ロッテラーによるランキング争いが僅差となって最終戦を迎えることとなりました。
GT300クラスは,中盤になって折戸学&片岡龍也組のウェッズスポーツIS350と田中哲也&平中克幸組のJIMGAINER ADVAN F430との間でのトップ争いとなりました。しかし,58周目にウェッズスポーツが単独スピンを喫してしまって3位に後退。その後は,F430が逃げ切ってこのクラスも今季初優勝を飾りました。2位には,谷口信輝&折目遼組のM7 MUTIARA MOTORS 雨宮 SGC7が入っています。この結果,このクラスも僅差でランキング上位が並ぶこととなり,最終戦決戦に持ち込まれることとなりました。
なお,オートポリスでのSGT開催が,来シーズンは途絶えることとなっています。レース前にはGTA代表が,そして表彰台では脇坂や本山が,このオートポリス大会の復活に関してのコメントを出していました。来シーズンは無理でしょうが,再来年からの復活をぜひ期待したいと思います。
☆王手(MotoGP)
○第15戦オーストラリアGPの決勝レースが,フィリップアイランドで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたドゥカティのマシンを駆るオージーライダーのC.ストーナーが,2周目にトップに立つと,ランキングトップを行くヤマハのV.ロッシのプレッシャーに動じることなくその座を守りきり,今季3勝目を飾りました。3番グリッドからスタートしたホンダのD.ペドロサが,その3番手の座を守りきって3戦連続となる3位表彰台を獲得しています。ランキング2位をいくヤマハのJ.ロレンゾは,早々に転倒リタイアを喫してしまったため,ロッシとの差が広がってしまいました。このため,残り2戦となる次戦でのチャンピオン獲得にロッシが王手をかけています。
250ccクラスは,2番グリッドからスタートしたジレラのM.シモンチェリが,オープニングラップでトップに立ちました。シモンチェリがその座を守っていた19周目に,彼のチームメイトであるL.ロカテリの転倒により赤旗が提示されました。その段階で3分の2を走行していましたからレースは成立となり,18周目の結果が最終リザルトとなりました。この結果,シモンチェリが優勝,2位がアプリリアのH.バルベラ,3位が自身初のポールからスタートしたホンダのR.デ.ローサとなりました。ランキングトップをいくホンダの青山博一は7位,それを追うアプリリアのA.バウティスタは10位でチェッカーとなりました。この結果,青山のランクトップは変わらないものの,2位にシモンチェリが浮上し,しかも青山とのポイント差が12という僅差となりました。逆に,バウティスタはランク3位に後退し,青山との差が29ポイントと広がっています。他の日本人勢ですが,ホンダの青山周平が14位,同じくホンダの富沢翔也が15位に入り,どちらもポイントを獲得しています。
125ccクラスは,ランキングトップを行くアプリリアのJ.シモンが,トップを走行していたランク2位のB.スミスを最終ラップで交わして今季5回目となるトップチェッカーを受けました。この結果,シモンが今シーズンのチャンピオンを決定しました。もちろんこれは自身初となる王座獲得です。5台による3位争いが展開されましたが,最終的にアプリリアのS.コルテセが2戦連続3回目の表彰台を獲得しています。日本人勢ですが,アプリリアの中上貴晶が18位,ロンシンの小山知良が21位となり,残念ながら両者共ノーポイントに終わっています。
☆赤旗で(JRR)
○第6戦の決勝レースが,ツインリンクもてぎで行われました。JSB1000クラスは,ヨシムラの酒井大作,ヤマハの中須賀克行,ホンダの山口辰也の3台によるトップ争いとなりました。その3台のよるバトルが展開されている12周目に,転倒した後続のマシンがオイルをコース上に出したため,レースは赤旗中断となりました。2ヒート目となったレースも,この3台によるトップ争いが展開され,最終的には酒井が独走態勢を築いてトップでチェッカーを受け,ランキングトップに浮上しました。2位には,中須賀が,3位には山口がそれぞれ入っています。
ST600クラスは,2周目にカワサキのマシンを駆る超ベテランライダーの黒川武彦がトップに浮上しました。その黒川を先頭に6台のマシンによるトップ争いが展開されていく中,6周目に転倒したマシンがコース上に残ったため,安全のため赤旗中断となりました。そして,再開後のオープニングラップで何と多重クラッシュが発生してしまって再び赤旗中断。スケジュールの関係で,このレースは最後に予定されている250ccクラスの後に行われることになりました。ところが,その後のJSB1000クラスが赤旗中断となってしまったためにレーススケジュールが押してしまい,ST600クラスは日没によりヒート1の結果が採用されることとなりました。ということで,黒川が優勝,2位がホンダの野田弘樹,3位がカワサキの清水直樹となりました。黒川の優勝は,史上最年長優勝記録となります。
250ccクラスは,前回に引き続いて来シーズンから採用となるレース専用600ccマシンであるGP2との混走となりました。そのGP2マシンを駆るモリワキの森脇尚護は,圧倒的な速さを見せ,250ccマシンのトップを行く星野知也に40秒近い差をつけてトップでチェッカーを受けました。ただし,今回も章典外での参戦ですから,記録上は,星野の優勝となります。その星野ですが,最初からトップを走行していたわけではなく,序盤トップを走行していたヤマハの宇井陽一がハイサイドで転倒しかけてしまってトップの座を明け渡し,代わってトップに立った2台が接触して順位を下げ,再びトップに立った宇井が転倒。代わってトップに立ったマシンが,何とこれまた転倒してリタイアという荒れた展開での星野の優勝だったのです。2位には,一旦転倒してしまった藤田拓哉が,3位には福山京太が入っています。
なお,125ccクラスと前日に決勝レースが行われたGP-MONOクラスは,それぞれ菊池寛幸と谷川壮洋が優勝しています。
☆チャンピオン決定!(F1)
○第16戦ブラジルGPの決勝レースが,インテルラゴス・サーキットで行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたブラウンGPのR.バリチェロがトップを走行していました。しかし,燃料搭載量の少ないバリチェロは,他のドライバーより早くピットイン。ところが,コースインしたところが集団の中となってしまって一挙にペースダウン。代わってトップに立ったのが,レッドブルのM.ウェーバーでした。その後ウェーバーは後続との差を徐々に広げていき,今季2回目となるトップチェッカーを受けました。2位には,BMWザウバーのR.クビサが,3位には,17番グリッドからスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが入っています。何といっても一番の注目点だったチャンピオン争いですが,ランクトップをいくブラウンGPのJ.バトンは,堅実な走りを見せて5位でチェッカーとなりました。それに対して,集団に飲み込まれて順位を少し落としたバリチェロは,ハミルトンとの接触したためスローパンクチャーに見舞われて緊急ピットイン。最終的に8位でのチェッカーとなりました。この結果,残り1戦を残してランク2位以下に10ポイント以上の差をつけたバトンが,もちろん自身初となる今シーズンのチャンピオンを決定しました。今シーズンに入る前は,ホンダの撤退により参戦さえままならないという状況だったバトンでしたが,その苦境を乗り越えての見事な戴冠でした。なお,このレース前でランク3位だったレッドブルのS.ベッテルは,4位に入ってバリチェロを逆転してランク2位に浮上してきました。このランク2位争いは,最終戦へと持ち越されています。なお,日本人勢の結果ですが,今回が自身初の決勝レース参戦となったトヨタの小林可夢偉は,ポイント獲得には至らなかったものの10位完走を果たしています。いまだにノーポイントレースが続いているウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,アクシデントによりリタイアに終わっています。来シーズンのシート獲得が厳しい状況の中嶋ですが,今回再び結果を残すことができず,残念ながらさらに苦境に立たされたと考えていいでしょう。
2009/10/16(金)
☆エンジン(F1)
○来シーズンに向け,ドライバーの移籍話等が話題の中心になっていますが,来シーズンに関しては,どのエンジンを使用するかについても話題になっています。例えば,これまでほぼ既定事実だとされていたウィリアムズとトヨタとのエンジン供給関係終了が,数日前に正式発表されたばかりです。フェラーリやマクラーレン・メルセデス,ルノー,トヨタといったメーカー直系のチームはともかく,そうではないチームにとっては,エンジン供給メーカーとの交渉も重要となってきます。今季A.ニューウェイが中心となって開発したマシンが大きな躍進を遂げているレッドブルについても,来シーズンのエンジンがどこになるか噂になっています。現在はルノーエンジンを使用しているレッドブルですが,どうやらその関係は今シーズン限りとなります。そして,現在最強といわれているメルセデスエンジンに触手を伸ばしていたようです。ところが,メルセデスのワークスチームであるマクラーレンは,他チームへのエンジン供給に関して拒否権を有するという契約があり,レッドブルへの供給に対してはその拒否権を行使する意向だというのが一般的な見方のようです。となると,レッドブルは新たなエンジン提供先を模索しなければならなくなるわけですが,現在噂に上っているのが,コスト削減策の一環として来シーズンから再びF1に戻ってくることになったコスワースです。レギュレーションにより今シーズン参戦しているエンジンは,来シーズンに向けてのエンジン開発を凍結されています。ただし,来シーズンから参加するコスワースだけは,2010年バージョンのエンジン開発が唯一許可されています。ちなみに,そのエンジンは,同社が開発していた2006年型エンジンをベースに,来シーズンのレギュレーションに合わせて新たな開発作業を行っています。そのコスワースエンジンは,現段階で来シーズンから新たにF1に参戦することが許されているマノー,カンポス,USF1,ロータスが供給の契約を結んでいます。さらに,トヨタエンジンとの提携を解消したウィリアムズも,どうやらコスワースを使用することになりそうな気配です。さらに,レッドブルもその一員となる可能性大となっていますので,来シーズンは6チーム12台がコスワースエンジンユーザーとなりそうです。
2009/10/15(木)
☆移籍(SBK)
○一昨日は,チーム・アルスター・スズキの加賀山就臣のBSB復帰をお伝えしました。と同時に,彼のチームメイトであるM.ノイキルヒナーのシート喪失もお伝えしていました。さて,そのノイキルヒナーですが,新たなシートを獲得することが決定しました。彼の新たな移籍先とは,SBKにおけるホンダのワークスチームと言えるテン・ケイト・ホンダです。つまり,スズキのワークスからホンダのワークスへと移籍したことになります。そして,2005年にホンダ系のプライベートチームだったクラフィー・ホンダに所属した経歴を持っている彼にとっては,5年ぶりにホンダ陣営に復帰したことにもなります。これにより,来シーズンのテン・ケイト・ホンダのライダーは,清成龍一,C.チェカ,J.レイ,そして今回決定したノイキルヒナーの4名の顔ぶれが決定したことなります。もちろん,今後新たなライダーが加わることも考えられます。なお,ノイキルヒナーのホンダ再デビューの場は,10月28日(水)から2日間にわたってポルティマオで行われるポストシーズンテストとなります。
2009/10/14(水)
☆交換トレード?(F1)
○ブラジルでの複数の報道によると,現在ランキング2位につけてチームメイトとのチャンピオン争いを展開しているブラウンGPのR.バリチェロが,来シーズンの契約をウィリアムズとの間で既に済ませているのではないかということです。今回の契約は,基本的に2010年ですが,2011年についてはオプション契約が結ばれているのではないかとの報道です。もちろん,この報道をバリチェロ側は否定しています。さらに,今回の報道では,逆転でのタイトル獲得の可能性が残されているバリチェロですが,タイトル獲得の有無にかかわらず,ウィリアムズへ移籍することに変わりはないとのことです。ウィリアムズに関してはさらに噂があり,バリチェロがブラウンGPから移籍してくるのに対して,そのウィリアムズからは,N.ロズベルグがブラウンGPに移籍するのではないかということです。つまり,いわゆる交換トレード状態になるのではないかということです。ウィリアムズの残りの1つのシートに関しては,既に同チームのテストドライバーを務めていて,GP2シリーズではチャンピオンを獲得しているN.ヒュルケンベルグが座るのではないかというのが最有力になっています。もしそうなると,中嶋一貴はシートを失うこととなります。中嶋のシート喪失に関しては,今シーズンの不振ということだけでなく,トヨタエンジンユーザーからの離脱を表明しているウィリアムズだけに,トヨタのプッシュからシートを獲得しているとも言われている中嶋ですから,そのことがさらにその噂に信憑性をもたせています。ブラウンGPに関しては,信憑性はともかく,契約金の関係で現在ランキングトップをいくJ.バトンの離脱も噂されています。もしそうなると,ブラウンGPも,ウィリアムズもドライバーが総入れ替えとなります。来シーズンのシート獲得競争は,混沌とした状態と言えますね。
2009/10/13(火)
☆復帰&移籍(SBK)
○イギリス国内で行われているBSBシリーズで,スズキのワークスチームであるクレセント・スズキから発表があり,現在SBKシリーズにフル参戦している加賀山就臣が,来シーズン同チームに移籍することになりました。その加賀山ですが,2003年と2004年にBSBにフル参戦した後,2005年からSBKにスイッチしていますので,彼にとって6年ぶりのBSB参戦ということになります。今シーズンの加賀山は,マシンのセッティングに苦しみ,開幕戦こそ3位表彰台を獲得したものの,その後はなかなか昨年までのように優勝争いに加わることができませんでした。むしろ,アクシデントに巻き込まれたりすることもあって怪我に悩まされる結果にもなっています。今シーズンのチームメイトだったM.ノイキルヒナーも,同様にアクシデントで怪我をしてしまい,現在は治療に専念する状態となっていますし,その回復に期間が必要なこともあって,来シーズン同チームのシートを失うことになってしまっています。
さて,BSB移籍の加賀山と,シートを失うことになったノイキルヒナーとが所属したSBKにおけるスズキのワークスチーム的立場にいるチーム・アルスター・スズキが,来シーズンのライダーについて発表しました。それによると,今シーズンはホンダ系のプライベートチームであるスティギー・レーシング・ホンダに所属しているL.ハスラム(オールドファンには『ロケット・ロン』としてお馴染みのR.ハスラムの息子ですね。)が,アルスターに移籍してスズキのワークスマシンを手にすることになりました。今シーズン思うような成績が出せていないホンダ勢ですが,その中にあって現在ランキング6位,ホンダ勢としては2番手とプライベートチームのマシンながら好成績を収めています。こうした活躍が認められて,今回の抜擢となったのでしょう。総入れ替えとなる同チームですが,ハスラムのチームメイトは,元GPライダーのS.ギントーリとなっています。
2009/10/12(月)
☆デビュー(F1)
○東京お台場で開催されている『モータースポーツジャパン2009』で行われたトークショーにおいて,トヨタF1チームの代表である山科忠氏が,日本GPの予選で怪我をし,次戦ブラジルGPを欠場せざるを得ない状況となったT.グロックの代わりに,同チームのリザーブドライバーを務める小林可夢偉を起用することを発表しました。グロックに関してですが,大荒れとなった日本GPの予選において,最終コーナーでクラッシュしてヘリコプターで病院に運ばれるという事態となりました。当初は,左足に小さな切り傷を負ったという診断でしたが,その後ドイツで精密検査を受けた結果,脊椎を損傷していることが判明しました。この結果,次戦を欠場することとなったのです。最終戦のアブダビGPについては,現段階で欠場となるかどうかは決まっていません。さて,そのグロックに代わってついにF1デビューを果たすことになった可夢偉ですが,現在唯一の日本人フル参戦ドライバーである中嶋一貴と同様にトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)の出身で,カートでレースデビューを果たし,その後をヨーロッパに渡りました。2005年にフォーミュラ・ルノーのイタリア選手権とヨーロッパ選手権のダブルタイトルを獲得。06年から2年間F3ユーロシリーズに参戦し,その初年度にはルーキーオブザイヤーを獲得しています。08年からGP2及びGP2アジアシリーズに参戦し,今シーズン全6戦で行われたGP2アジアシリーズではチャンピオンに輝いています。トヨタF1では08年からテスト&リザーブドライバーに抜擢され,テスト等を担当してきました。先日の日本GPでは,体調を崩したグロックに代わって初日に行われたフリー走行の1回目に出走しています。まだ来シーズンのシートが全く決まっていないトヨタだけに,可夢偉にとってはレギュラードライバーのシートを獲得するのにまたとないチャンスが訪れたことになります。ぜひポイント獲得を目指して頑張ってもらいたいものですね。
2009/10/11(日)
☆完治(F1)
○第11戦ハンガリーGPの予選において,ブラウンGPのR.バリチェロのマシンから飛んできたパーツが,後ろを走っていたフェラーリのF.マッサのヘルメットを直撃するという恐ろしいアクシデントにより,マッサは今シーズンのレースを欠場せざるを得ないという状況に陥っています。一時期は生命の心配があったものの,幸いなことにその危機を乗り越え,順調な回復を見せています。もう一つ心配なことが,左目の視力のことです。このアクシデントにより左目にも影響があったのですが,レーサーにとっても目は命ですし,とりわけ最高峰レースでのドライブとなると,さらに重要となってきます。そのことに関して,この度マッサの左目の回復具合を調べるFIAのメディカルチェックが,パリ市内の病院で行われました。FIAの医療代表であるJ.シャルル.ピエット教授によって組織された医療チームが検査を行ったのですが,いずれの検査も問題となる部分が見つからず,無事マッサの左目は100%完治していることが確認されました。マッサの復帰は来シーズンからとなっていますが,順調な回復具合と言うこともあって,最近では最終戦のアブダビGPで復帰するのではないかという噂が出ていますが,マッサのコメントによると,やはり復帰は来シーズンからと言うことのようです。何はともあれ,無事回復できているということは何よりですね。
2009/10/10(土)
☆F1参戦?(WRC)
○WRCシリーズで5冠を達成しているS.ローブが,8日に行われたフォーミュラカーのレースカテゴリーであるGP2シリーズのテスト最終日に参加しました。ローブに関しては,かねてからF1に転向するのではないかという噂が出ていました。そして,今回のテスト参加は,さらにその噂に真実味を帯びさせ,現在は最終戦のアブダビGPに参戦するのではないかという憶測を呼んでいます。ローブの参戦が噂されるのは,スクーデリア・トロロッソからです。ローブには,オーストリアのエネルギー飲料メーカーであるレッドブルがスポンサーとして就いていて,そのレッドブルは,トロロッソの所有者でもあります。こうした関係から,スポンサー的には全くF1への参戦が問題とならず,むしろこのことが参戦へ真実味を帯びさせる一因となっています。WRCはあとイギリスラウンドのみを残していて,これは,アブダビGPの前週に開催されますから,日程的にも問題となりません。ローブの公式サイトでは,F1への参戦に準備ができていることを臭わせる表現がされています。さらに,ローブがWRCで所属しているシトロエンも,F1への参戦にOKを出しているとのことですから,果たしてWRCとF1という異質のコラボ(?)が実現するのか興味のあるところですね。
2009/10/9(金)
☆参戦チーム(MotoGP)
○来シーズンの中量級クラスは,Moto2クラスと呼ばれ,新型の4サイクル600ccマシンが主流となって行われることになっています。そして,再来年からは,全てその600ccマシンのみで争われる予定にもなっています。さて,来シーズンそのMoto2クラスに参戦するチーム及びライダーの数のリストが,Moto2クラスのセレクション委員会から3日(土)に発表がありました。この委員会は,FIM,DORNA社,IRTAの代表者によって構成されるもので,2日(日)に行われた同委員会の会議を受けてそのリストが発表されました。今回の発表では,参加チーム数25,レギュラーライダー39人,リザーブライダー10人が承認されています。何せチーム数が多いですので,全てのチーム名を列挙するのは控えます。具体的なものが知りたい方は,MotoGPのオフィシャルサイトをご覧下さい。ここでは,MotoGPクラス及びかつての500ccクラスとのかかわりがある(あった)チームをいくつか列挙すると,HAYATE RACING TEAM,HONDA GRESINI,JIR,PONS RACING,PRAMAC RACING,SCOT RACING TEAM,TEAM ROBERTS,TECH 3などがあります。HAYATE RACING TEAMやTEAM ROBERTSといったチーム名を見ると,「えっ,そうなんだ。」と思うのは私だけでしょうか。
2009/10/8(木)
☆撤退(MotoGP)
○オーストリアの2輪メーカーであるKTMは,以前からパリダカなどでオフロード系のメーカーとして実績を残していますが,2003年からMotoGPの125ccクラスに,そして2005年から250ccクラスにマシンを送り込むようになり,ここ数年はロードレースでの実績を残してきています。さらに,『レッドブル・ルーキーズ・カップ』というシリーズを開催し,ロードレースにおける若手の育成にも貢献しています。そのような中でしたが,昨シーズンをもって250ccクラスから撤退(その結果,現在250ccクラスでランキングトップを行く青山博一が,その際KTMのワークスチームに所属していたため,今シーズン前にはシート喪失の危機に陥いるという状況まで生み出してしまいましたが・・・。)をし,125ccクラスへの主軸を移していました。ところが,この度KTMから発表があり,今シーズ末をもってその125ccクラスからも撤退することになりました。一時期MotoGPクラスへもマシン供給を行ったこともあるメーカーが,ついにMotoGPの全てのクラスから撤退することを決断したわけです。ただし,ロードレース自体から撤退することを選択したわけではありません。MotoGPの125ccクラスからは撤退するものの,その125ccマシンを使ってワンメークで行われているルーキーズ・カップの開催及びマシン供給は継続します。また,KTMは新しいスーパーバイク系のマシンであるRC8を販売していますが,そのマシンの開発をさらに強化し,ドイツ国内で行われているスーパーバイク選手権へのマシン供給を行うことになっています。今後は,アプリリアが今シーズンから行ったように,SBKへのマシン供給を目指しているのではないかと思われます。
☆移籍(F1)
○既に決定しているように,今シーズンをもってBMWがF1から撤退することになっています。ということは当然2人のドライバーはシートを失うことが決定しているわけで,とりわけ若手の有力ドライバーであるR.クビサに関しての動向が注目されていました。チャンピオンをも狙える実力のあるドライバーだけに,まだシートの埋まっていないチームが放っておくはずはなく,実際ルノーとトヨタというメーカー系のチームが獲得に向け動いているのではないかという噂が出ていました。そして,この度ルノーから発表があり,クビサとの間で来シーズンからの契約が成立しました。ただし,現段階では契約期間に関しての情報を得ていません。同チームのエースドライバーである元ワールドチャンピオンのF.アロンソが,先日フェラーリへの移籍を発表していますから,ルノーとしてはチャンピオンを狙える実力を持ったドライバーの獲得が急務となっていました。それだけに,今回の契約成立は,ルノーとしてはホッと胸をなで下ろしたものになったことでしょう。ただし,今シーズン終了をもってドライバーが総替えとなるのではないかと噂されるトヨタにとっては,痛手となることは間違いありません。
2009/10/7(水)
☆シート埋まる(MotoGP)
○実質的に後残り一つとなっていた来シーズンのMotoGPクラスのシートですが,そのシートに座るライダーが正式に決まりました。後残り1つとなっていたのは,ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・レーシングです。二つのシートの内の1つは,既に今シーズンから同クラスにステップアップしたM.カリオの残留が決まっていて,残り1つに関しては,様々な憶測が流れていました。その中の一人が,今シーズンC.ストーナーが体調不良により3戦欠場した際,カリオがその代役としてドゥカティ・マールボロのマシンを駆ることになったため,そのカリオの代役としてプラマックのマシンを駆って参戦したA.エスパロガロでした。わずか3戦ではありましたが,レギュラーライダーのN.カネパよりもいい成績を残していったのです。これで一挙にエスパロガロの株が上がると共に,一向に成績が上がらないカネパ放出の噂も浮上してきました。噂はそれだけでなく,既に来季のシート喪失が決まっているホンダ・グレシーニ勢であるT.エリアスとA.デ.アンジェリスもそのシートを狙っているという噂も出ていました。そして,最終的には,代役参戦で好成績を残したエスパロガロが最後のシートをゲットしたのです。今回の発表により,ついに来シーズンのMotoGPクラスに参戦する10チーム17人のライダーの顔ぶれが決まりました。
2009/10/6(火)
☆返り咲き(SBK)
○今シーズンのラスト2大会目となる第13戦フランス大会の決勝レースが,マニクール・サーキットで行われました。レース1では,この大会に入る前の段階でランク2位だったヤマハのB.スピースと,この段階でランク1位だったドゥカティの芳賀紀行との争いとなりました。レース後半になって芳賀がファステストラップをマークしてスピースに迫ったものの,最終的におよそコンマ2秒差でスピースが芳賀を押さえ,今季13勝目を挙げました。この結果,2ポイント差ではありますが,再びスピースがランクトップに立ちました。3位には,アプリリアのM.ビアッジが入っています。芳賀以外の日本人勢ですが,スズキの加賀山就臣は7位に入ってポイントを獲得したものの,金曜日のフリー走行で転倒を喫したホンダの清成龍一は,痛み止めの注射を打って決勝レースに臨みましたが,ここでも転倒を喫してリタイアに終わってしまいました。なお,アプリリアの中野真矢とカワサキの玉田誠は,今大会を欠場しています。
レース2では,オープニングラップで芳賀がトップに立ちました。その後は,ビアッジのプッシュを振り切って今季8勝目を挙げました。3位には,このレースでファステストラップをマークしたホンダのJ.レイが入っています。レース1でランクトップに返り咲いたスピースは,このレースで表彰台を逃す4位でチェッカーを受けました。この結果,10ポイントの差をつけて再び芳賀がランクトップに返り咲いています。今シーズンは,最終戦となるポルトガル大会を残すのみとなりました。スピースは来シーズンからMotoGPにスイッチすることが既に決まっていますから,芳賀とスピースとのバトルは,最終戦で最後となります。二人のチャンピオン争いがどのような結果となるのか,とても楽しみになりますね。なお,他の日本人勢ですが,スズキの加賀山就臣は6位入賞を果たし,2レース共にポイントを獲得しています。しかし,清成はレース1で転倒した際に右鎖骨を骨折してしまったため,レース2での走行を見合わせています。
☆転向(MotoGP)
○来シーズンのMotoGPクラスのシートは,昨日お伝えした青山博一のステップアップが決まって実質的に残り1つとなってしまいました。青山と同様に250ccクラスからのステップアップ組など来シーズンがルーキーイヤーとなるライダーが何人もシートを獲得したため,今シーズン同クラスに参戦したライダーでシートを失うことになったライダーが何人も出る結果となっています。その中の一人が,リズラ・スズキから参戦しているC.バーミューレンです。来季のスズキは,L.カピロッシが残留すると共に,A.バウティスタがステップアップすることが既に決定しています。今シーズン不振に陥っているバーミューレンだけに,MotoGPクラスのシートを獲得することは困難を極めていました。そして,この度そのバーミューレンに関してカワサキから発表があり,来シーズンはそのカワサキのマシンを駆ってSBKに参戦することが決定しました。03年にSBKと併催で行われているWSSでチャンピオンを獲得し,04年から2年間テン・ケイト・ホンダに所属してSBKに参戦しました。04年がランク4位,05年がランク2位と好成績を収め,06年から現在のスズキのワークスチームに所属してMotoGPに参戦を開始しました。今回の発表によると,彼が所属するのは,SBKにおける実質的にカワサキのワークスチームとなるKawasaki World Superbike team です。ただし,今回の発表の中にはもう一つあり,現在カワサキのエースライダーの役目を果たしている玉田誠が,今シーズン限りで同チームを離脱することも発表されました。来シーズンの玉田の動向に関しては,現段階では情報をつかんでいません。日本人として,この点はちょっと気になるところです。
2009/10/5(月)
☆初表彰台(F1)
○好天に恵まれた鈴鹿サーキットで,第15戦日本GPの決勝レースが行われました。ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,オープニングラップから後続との差を広げていき,単独での走行となりました。終盤に入ってトロロッソのJ.アルグエルスアリがクラッシュしたためにセーフティーカー先導による走行となりましたが,リスタート後もそのポジションを守り続け,見事鈴鹿での初レースをポールトゥーフィニッシュで飾りました。2位争いは,2番グリッドからスタートしたマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンと,3番グリッドからスタートしたトヨタのJ.トゥルーリとの間で展開されていきました。大きな動きがあったのが2回目のピットストップの段階で,先に入ったのがハミルトンの方でした。これを見るやトゥルーリのプッシュ走行が始まり,そのトゥルーリが2回目のピットを終えた時には,見事2位のポジションをハミルトンから奪っていました。その後のセーフティーカー導入もハミルトンを押さえきり,見事2位表彰台を獲得しました。日本GPにおけるトヨタの表彰台獲得は,もちろん初めてのことです。その快挙を,今シーズンでトヨタを離れるのではないかと言われているトゥルーリが達成するのも皮肉なものです。ブラウンGPのチームメイト同士によるチャンピオン争いですが,ランク2位のR.バリチェロが7位,ランクトップのJ.バトンが8位でフィニッシュとなったため,チャンピオン決定は次戦以降に持ち越されました。ただし,わずか1ポイントしかポイント差は縮まりませんでしたから,次戦でのチャンピオン決定の可能性がさらに高まったことは確かです。唯一の日本人フル参戦ドライバーであるウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴ですが,母国GPでの活躍を期待されたものの,1ピット作戦も功を奏さず,15位フィニッシュで終わってしまいました。なお,前日のフリー走行でクラッシュしたため,予選での走行を見合わせたトヨタのT.グロックは,その際の怪我により決勝レースもキャンセルしています。
☆独走(MotoGP)
○第14戦ポルトガルGPの決勝レースが,ドライコンディションのエストリル・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,ポールからスタートしたフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾがオープニングラップからその位置を守り,後続との差を徐々に広げていきました。その後も単独走行を維持し続け,最終的には2位に6秒以上の差をつけて今季4勝目を挙げました。2位には,体調不良により3戦を欠場したドゥカティのC.ストーナーが入りました。3位には,4番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのD.ペドロサが入っています。予選2番手からスタートしたポイントリーダーであるフィアット・ヤマハのV.ロッシは,初日の走行からセッティングに苦しんでいたところがありましたが,決勝レースでもその傾向に変わりなく,最終的に4位でフィニッシュしています。ランク2位のロレンゾが優勝していますから,2人のポイント差は30から一挙に18に縮まりました。
250ccクラスは,予選3番手からスタートしたジレラのM.シモンチェリが,トップに立つと徐々に後続との差を広げていき,最終的に2位に5秒以上の差をつけて独走で今季5勝目を挙げました。激しかったのは2位争いで,M.ディ.メッリオとH.バルベラのアプリリア勢同士のバトルとなりました。2人の争いはフィニッシュラインまで続き,何と両者同タイムでのチェッカーとなりました。この場合,レース中のベストタイムで勝敗が決まりますので,タイムがよかったディ.メッリオが自己最高位となる2位表彰台を獲得しました。ランクトップを行くホンダの青山博一は,上位争いに加わることができなかったものの,粘りの走行で4位に入りました。それに対して,青山とチャンピオン争いを展開しているアプリリアのA.バウティスタは,4位走行中の5周目に何と転倒してリタイアに終わりました。この結果,2人のポイント差は13から26へと一挙に倍に広がりました。他の日本人勢は,今回からGPに復帰したホンダの青山周平は,12位に入って復帰戦でポイントを獲得しています。ホンダの富沢翔也は,10位走行中の13周目に転倒リタイアに終わっています。
125ccクラスは,前戦でトップ走行中の最終ラップの最終ラップで転倒に巻き込まれたため転倒リタイアに終わったデルビのP.エスパロガロが,その鬱憤を晴らすかのように今回もトップを走行し,見事前戦の屈辱を晴らすトップチェッカーを受けました。2位には同じくデルビのマシンを駆るS.コルテセが入り,開幕戦以来の表彰台を獲得しています。3位には,ここまで2戦連続表彰台を獲得しているアプリリアのB.スミスが入り,今季6回目の表彰台を獲得しています。日本人勢は,14番グリッドからスタートしたアプリリアの中上貴晶が12位でポイントを獲得したものの,ロンシンの小山知良は7周目に転倒リタイアに終わっています。
☆最高峰クラスへ(MotoGP)
○唯一のフル参戦日本人ライダーだった高橋裕紀がシーズン途中でシートを喪失したため,最高峰クラスで日本人が誰もいなくなってしまいましたが,ついに来シーズン再び最高峰クラスで日本人ライダーの走行が見られることが決定しました!そのライダーというのは,かねてから最高峰クラスへのステップアップが噂に上がっていた,現在250ccクラスでランクトップをひた走るチーム・スコットの青山博一です。彼が所属することになったのは,現在250ccクラスで2チーム(T.ルティが所属しているエミー・カフェラテと,L.ペセックが所属しているオート・キリー‐CP)運営しているパドック・グランプリ・チーム・マネージメントです。かねてから最高峰クラス進出を目指していた同チームが,ついに青山と共にその夢を叶えることとなったわけです。使用するマシンは,何と2010年型のホンダRC212Vです。同チームにとっては,ルティが125ccクラスでチャンピオンを獲得して以来のホンダとのジョイントとなります。台数に限りがあるホンダのマシンだけに,新たなチームにマシンを貸し出すということは,現在ホンダユーザーであるどこかのチームにマシンが行かない可能性が高まります。まだ正式発表はありませんが,それが高橋を途中で放出したチーム・スコットとなる可能性大です。高橋を放出し,G.タルマクシを起用した大きな原因は,チームが資金不足に陥っていることです。大口のスポンサーマネーを持ち込んだタルマクシを採用したのは,そうした状況だけにある意味GPの世界では仕方ないところがあったのかもしれません。想像の域を出ませんが,もしかしたらそれでも最高峰クラスに参戦し続けることが難しく,RCを失う道を選択せざるを得なくなっていたのかもしれません。もしこの予想が本当だとすると,日本人ライダーを途中放出したチームがホンダのマシンを失い,新たなチームが日本人ライダーを採用してホンダのマシンを獲得。しかも,そのライダーが,失う側のチームの250ccクラスに参戦しているライダーというのは何とも皮肉な話です。
2009/10/4(日)
☆初日は激しい雨に見舞われたものの,2日目は快晴に恵まれた鈴鹿サーキットで,第15戦日本GPの予選が行われました。この日の予選は,Q2で2回,そして最後となるQ3で1回赤旗が提示される荒れた展開となりました。そのような中トップタイムをマークしたのは,レッドブルのS.ベッテルで,第8戦イギリスGP以来今季4回目のポールを獲得しています。そして,ジャパンパワーのマシンを駆るトヨタのJ.トゥルーリが期待に応えて2番グリッドを獲得しました。3番グリッドを,昨年の王者マクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンが獲得しています。期待のトヨタ勢ですが,トゥルーリはフロントローを獲得したものの,トヨタのT.グロックは,Q2で2回目の赤旗の原因となるクラッシュを演じて14番グリッドに留まっています。ウィリアムズ・トヨタ勢は,N.ロズベルグが11番手タイム,そして,母国GPとなる中嶋一貴はQ1で予選終了となり,17番グリッド獲得に終わっています。なお,チャンピオンに王手をかけているブラウンGPのJ.バトンは7番グリッド,そしてそのバトンを追うチームメイトのR.バリチェロは5番グリッドとなっています。また,レッドブルのM.ウェーバーは,3回目のフリー走行でクラッシュしたため,予選での走行を見合わせています。
☆限定カラーで(MotoGP)
○第14戦ポルトガルGPの予選が,好天に恵まれたエストリル・サーキットで行われました。MotoGPクラスでランク1,2位を独占しているフィアット・ヤマハ勢は,今大会のマシンのカラーリングをフィアットが新しく発売することになった『プント・エボ』に合わせた限定カラーリングになっています。そのヤマハ勢は,今回も好調な走りを見せ,2回行われたフリー走行でトップタイムをマークしていたJ.ロレンゾが,6戦ぶり今季5度目のポールを獲得しました。ランクトップのV.ロッシが,それに続く2番手タイムをマークしています。体調不良によりここまでの3戦を欠場したドゥカティのC.ストーナーが久々に戻ってきましたが,まだ体調が完全でないにもかかわらず3番手タイムをマークしました。
25ccクラスは,こちらも2度のフリー走行でトップタイムだったアプリリアのH.バルベラが,予選でもその速さに変わりがなくトップタイムをマークし,今季4度目のポールを獲得しています。2,3番手には,トップからわずか0.058秒差でA.バウティスタ,0.088秒差でM.シモンチェリがそれぞれ入っています。ランクトップを行くホンダの青山博一は,トップから0.283秒差で4番手につけています。また,同じくホンダの富沢翔也は,17番グリッドを,そして今大会から最終戦までRacing Team Germanyから久々にGPへ戻ってきた青山周平が,15番グリッドにつけています。
125ccクラスも,2度のフリー走行でトップタイムをマークして今大会も好調な走りを見せているアプリリアのJ.シモンが,ランクトップらしい速さを見せて第12戦インディアナポリスGP以来となる今季6回目のポールを獲得しています。前戦の決勝レースで,トップを走行中に最終ラップの最終コーナーでA.イアンノーネのクラッシュに巻き込まれて惜しくも勝利を逃したデルビのP.エスパルガロが,2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,アプリリアのB.スミスが獲得しています。日本人勢は,アプリリアの中上貴晶が14番グリッド,ロンシンの小山知良が28番グリッドとなっています。
2009/10/3(土)
☆途中解除(F1)
○ついに鈴鹿サーキットでの日本GPが開幕しましたが,それを前にしてトヨタのJ.ハウエットがウィリアムズとの契約について明らかにしました。現在トヨタエンジンユーザーであるウィリアムズですが,トヨタとウィリアムズとの間には,来シーズンまでエンジン供給の契約があります。ところが,そのウィリアムズは,まだ正式発表がないものの,他メーカーのエンジンを使用することを希望しているのではないかという噂が出ていました。そのことに関して,ウィリアムズがトヨタのエンジン契約の解除を求めていることをこの度ハウエットが明らかにしたのです。来シーズンまでの契約があるわけですから,トヨタとしてはそれを拒否しようと思えばできるものの,ウィリアムズにそうした意志があるのであればそれも構わず,来シーズンの供給に関して既に複数のチームと交渉中であることも明らかにしています。さて,契約の途中解除を申し入れたウィリアムズですが,彼らの希望はメルセデスエンジンだったようです。ところが,現在F1の中で最強と言われているエンジンだけに希望するチームが多く,ウィリアムズのP.ヘッドによれば,メルセデスは既に3チームに供給が決まっていて,ウィリアムズへの供給はできないという返事があったことを明らかにしています。ということで,メルセデスエンジンをあきらめたウィリアムズは,ルノーとの交渉に入っているのではないかと言われています。もしその交渉もうまくいかなかった場合は,来季からF1に再登場するコスワース製のエンジンを使用するのではないかというのが,現段階での噂のようです。
2009/10/2(金)
☆トレード(MotoGP&SBK)
○ヤマハので唯一のサテライトチームであるモンスター・ヤマハ・テック3が来シーズンの体制を発表し,C.エドワーズとB.スピースを起用することが決定しました。エドワーズについては,その開発能力と常にトップ10内の争いに顔を出すという安定した結果を残していますので,残留が確実視されていました。スピースに関しては,先日お伝えしたようにヤマハとの間で2年間の契約が成立していました。ただし,その2年間というのは,1年目が現在フル参戦していて,ドゥカティの芳賀紀行との間で激しいチャンピオン争いを展開しているSBKシリーズに残り,2年目からテック3に所属してMotoGPクラスにフル参戦するというものでした。しかし,その発表以後,スピースの希望などもあったのでしょう,一年前倒しでのMotoGPクラス参戦という話に変わっていったようです。今回の決定により,今シーズンも同チームからフル参戦していたものの,あまり思うようなリザルトを出すことができていない元SBKチャンピオンのJ.トスランドがシートを失うことになりました。ただし,そのトスランドに関してもヤマハから発表があり,今季スピースが所属しているヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームに移籍し,再びSBKで戦うことになりました。結果的には,トスランドとスピースを交換トレードしたのと同じ形となっています。同時にチームメイトに関しても発表があり,SBKと併催で行われているWSSにおいて,わずか2ポイント差ながら現在ランキングトップをいくC.クロッチローがステップアップすることになりました。この結果,奇しくもMotoGPの方はオールアメリカン,SBKの方がオールブリティッシュというライダー構成になりました。
2009/10/1(木)
☆移籍(F1)
○日本GPを前にして発表は秒読みと言われていましたが,ついにフェラーリから来シーズンのドライバーについて発表がありました。その発表というのは,現在ルノーF1からフル参戦している元チャンピオンのF.アロンソが,来シーズンからフェラーリに移籍することが決定したというものです。今回両者の間で結ばれた契約期間は,来シーズンから3年間となっています。この結果,来シーズンのフェラーリは,レギュラードライバーがアロンソと現在療養中のF.マッサ,そしてリザーブドライバーが現在マッサの代役として参戦中のG.フィジケラという布陣で臨みます。今回の決定により,現在フェラーリドライバーとしてフル参戦中のK.ライコネンがチームを去ることが決定しました。2007年にM.シューマッハの後任として同チームに入ったライコネンは,その年に見事ワールドチャンピオンを獲得しました。その後はチャンピオン獲得を逃しているものの,08,09年にフェラーリがコンストラクターズタイトルを獲得するのに貢献してきました。来シーズンのライコネンについては,まだ正式発表はないものの,フェラーリに移籍する前に所属していたマクラーレン・メルセデスに戻るのがほぼ確実視されています。来シーズンの目玉とされていたアロンソのシートが決まったことにより,ライコネンを含め,今後シート獲得劇がさらに本格化してくるものと思われます。
☆残留(MotoGP)
○ドゥカティのサテライトチームであるプラマック・ドゥカティから発表があり,今シーズン同チームに所属しているM.カリオと来シーズンの契約が成立しました。契約期間については,明らかになっていません。中・軽量級クラスで活躍した後,今シーズンからMotoGPクラスにステップアップしたカリオですが,現在はチームメイトのN.カネパとシーズン途中からフル参戦を開始したG.タルマクシとの間でルーキーオブザイヤー争いをしています。ここまでのリザルトから考えて,カリオがそのタイトルを獲得するのは確実と考えていいでしょう。そうした活躍が認められて,ここ3戦は体調を崩したC.ストーナーの代役としてドゥカティのワークスチームから出場してもいます。なお,カリオのチームメイトが誰になるのかは,まだ明らかになっていません。通常では,カリオと同様に今シーズンからMotoGPクラスにステップアップしたカネパとなるのでしょうが,ここまでのリザルトを見ると,契約延長に疑問符がついているのが事実です。むしろカリオがストーナーの代役参戦している時に,カリオの代役として出場した同チームの第3ライダーであるA.エスパルガロがいい結果を出しただけに,彼がチームメイトになるのではないかという観測があります。来シーズンのMotoGPクラスのシートは,かなり決まってきていますから,プラマックの残りのシートは,MotoGPクラスに参戦したいライダーにとっては貴重なものとなっています。それだけに,決定するにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
     
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