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2009/2/28(土)
☆縮小(SGT&FN)
○日産及びNISMOが,今シーズンのグローバルモータースポーツの概要について発表がありました。それによると,昨年度チャンピオンを獲得したSGTに関しては,NISMOはもちろん,それ以外のニッサン系の4チームにマシン(当然チャンピオンマシンとなったGT−R)を供給することに昨年度と変わりはありません。ただし,NISMOに関しては,昨シーズンまでゼッケン22,23の2台体制でしたが,今シーズンはMOTUL AUTECH GT-R(ゼッケンは1)の1台のみというように縮小されています。ニッサン系の3チームも含め,詳しくは以下の表のようになっています。
また,元F1ドライバーの鈴木亜久里が,オートバックスと手を組んでオーナー兼監督を務めるARTAも,今シーズンの体制発表を行いました。それによると,今シーズンもSGTではGT500&GT300クラスのどちらにも1台ずつ参戦することになりました。GT500クラスはR.ファーマン&伊沢拓也がNSXを,GT300クラスは新田守男&高木真一がGaraiyaを駆って参戦するというように,昨シーズンと全く同じ顔ぶれとなっています。GT300クラスに関しては,わずか1ポイント差でチャンピオンを逃す(しかも最終戦の最終ラップで)という結果だっただけに,今シーズンへの意気込みはさらに強くなっているものと思われます。なお,昨シーズンまでは,国内のフォーミュラマシンの最高峰であるFNにも参戦を続けてきましたが,今シーズンは参戦を取りやめて,こちらも縮小しての活動となっています。
     
2009年度SGTニッサンの体制
チーム 監督 マシン ドライバー
NISMO 柿元 邦彦 MOTUL AUTCH GT-R 本山 哲
B.トレルイエ
HASEMI MOTOR SPORT 長谷見 昌弘 未定 R.クインタレッリ
安田 裕信
12 TEAM IMPUL 星野 一義 IMPUL カルソニック GT-R 松田次生
S.フィリップ
24 KONDO RACING 近藤 真彦 HIS ADVAN KONDO GT-R J−P.デ.オリベイラ
荒 聖治
       
2009/2/27(金)
☆復帰(MotoGP&F1)
○日本メーカーの撤退又は休止が相次ぐモータースポーツですが,2輪に関しての衝撃は,カワサキのMotoGPからの撤退でした。今シーズンに関しては,昨シーズン既にJ.ホプキンスの続投と,元125&250ccクラスチャンピオンであるM.メランドリのドゥカティからの移籍が決まっていました。しかし,突然の撤退発表により,2人のライダーとも,既に全てのシートが埋まった段階でのシート喪失という憂き目を見てしまう形となってしまいました。ところが,この度カワサキから発表があり,カワサキがMotoGPに復帰することが決まりました。今回の発表は短いものでしたので,詳細についてはまだよく分かっていません。分かっているのは,昨年までのファクトリーチームとしての参戦ではなく,新チームを立ち上げての参戦となります。しかも,ライダーは1名のみで,そのライダーにはメランドリが決まりました。今回の復活劇は,カワサキとMotoGPを運営するDORNA社との間で協議を重ねた結果生まれたものです。この協議については,以前から明らかとなっていたことでしたし,このページでもファクトリーチーム以外へのマシン供給について触れていました。さらに,合同テストへの参加はありませんでしたが,カワサキ独自で今季型マシンの開発のためのテスト走行を,オーストラリアのフィリップアイランドで行っていました。その時には,カワサキのテストライダーを務めるO.ジャックと芹沢太麻樹が参加していました。完全に撤退するつもりであれば,09年型モデルの開発の必要性はありませんでしたから,復活は公然の秘密であったことも確かです。MotoGPに参戦している日本メーカーの中で,唯一表彰台のてっぺんに立った経験の無い(ただし,以前2スト500ccマシンで行われていた頃には優勝経験があります。)のがカワサキです。詳細の発表がないので,マシンにどれほどの戦闘力があるか分かりませんが,継続しないことにはそうした汚名を返上することは絶対にできません。ライムグリーンファンならずとも,この新チームに対する声援を送りたくなりますね。
ところで,このページの作成段階では,まだ発表されていないために真偽のほどは分かりませんが,撤退を決めているホンダ・レーシングF1の売却話に大きな進展が見られたとの情報が,速報という形で入ってきています。今日中には何らかの発表があるかもしれませんので,分かりましたら明日以降のこのページでお伝えします。
2009/2/26(木)
☆新規参入(F1)
○かねてから新規参入の動きがあったオールアメリカンを基調とするチームが,ついに24日(火)にアメリカのスピードTVの生番組で2010年からの参戦を目指すことを発表しました。USF1と言われているこのチームは,かつてウィリアムズのチームマネージャーを務め,フェラーリにも在籍したこともある,現在はジャーナリストのP.ウィンザーと,1980年代にウィリアムズやオニクス,リジェでテクニカル・ディレクターを務めた経歴のあるK.アンダーソンとが共同で始めようとしているものです。今回の発表では,ドライバーやエンジン等の具体的な発表はありませんでした。はっきりしているのは,ノースカロライナ州のシャーロットに本拠地を置くと言うことです。F1チームの場合は,通常ヨーロッパに本拠地を置きます。これは,移動やパーツの確保等が便利なためです。今回の発表によると,以前はF1の開催のほとんどがヨーロッパ圏内でしたが,今は半分以上がヨーロッパ圏外となっているため,それほどの影響はないとのことでした。スポンサーに関しては,既に小企業が就いていて,現在も獲得の活動を続けているようです。また,ドライバーに関しては,少なくとも2人の内の1人はアメリカ人ドライバーを採用するとのことでした。現段階で噂に挙がっているのは,IRLにフル参戦しているM.アンドレッティ(祖父であるマリオ,父であるマイケルも元F1ドライバーなのは有名な話ですね。)やD.パトリック(現在IRL唯一の女性ドライバー)です。まだ具体的な姿がそれほど見えていないとはいえ,世界的な不況,そしてそれに伴う撤退や活動縮小と,モータースポーツにもマイナス傾向のニュースが増えてきているだけに,久々に明るい話題が提供された感じですね。
2009/2/25(水)
☆復帰(WRC)
○プジョーのマシンを駆って2000年と2002年にチャンピオンを獲得し,2007年シーズンをもって引退していたM.グロンホルムが,再びWRCに復帰することが発表されました。とは言っても,今シーズンの残りの全戦に参戦するわけではなく,第4戦ポルトガル・ラリーへのスポット参戦ということになります。グロンホルムについては,シーズンオフに復帰の噂が出ていました。その噂というのは,スバルのワークスチーム的役割を果たしていたプロドライブと契約するのではないかということでした。しかし,ご存知のようにスバルはWRCからの撤退を発表。それと同時に,この噂も消えることになりました。しかし,この度プロドライブとグロンホルムとの間で,スポット参戦とはいえ契約が成立したのです。今回彼が駆ることになったマシンは,昨シーズンの英国ラリーで使用された08年型インプレッサの改良モデルのようです。元々戦闘力の面で劣っていた08年型インプレッサですが,スバル撤退により既に本格的な開発の止まったマシン,1年ぶりの参戦ということで厳しい展開となることが確実視されます。しかし,そこでの走りによっては,両者の関係に新たな展開を見せるかもしれないようなコメントが出されているのも事実です。まさかスバルが撤退を取り下げるというようなミラクルが今すぐ起きるとは思えませんが,両者が今後どのような進展を見せるのか,とても興味が持たれますね。
2009/2/24(火)
☆新型車(SGT)
○GT300クラスの一昨年のチャンピオンチームであるaprが,今シーズンの参戦体制を発表しました。それによると,まず使用するマシンがこれまでと変わることになりました。2000年から一貫してトヨタのMR−Sを使用していましたが,今シーズンは,もちろんトヨタ車ということには変更がないものの,既に東京オートサロンで公開されていたカローラをスポーツタイプに仕立てたカローラ・アクシオGTを使用することになりました。また,全国にあるカローラの販売会社が全部で74社あることから,ゼッケンは「74」をつけます。ドライバーについては,もちろんTDP(トヨタ・ヤング・ドライバー・プログラム)に所属しているドライバーということには変更がないものの,2人とも変更となりました。まず1人目は,昨シーズンTEAM TAKEUCHIからレクサスIS350を駆ってGT300クラスに参戦していた井口卓人です。2人目は,昨年まで同チームからフル参戦していた国本京佑の弟である国本雄資です。国本にとっては,初のSGT参戦となります。使用するエンジンは,クラウンやレクサス系の車(IS,GS,GS450h)に搭載されているV型6気筒3500ccの2GR−FSEです。
2009/2/23(月)
☆スポット参戦(MotoGP)
○一昨年までホンダのスカラシップによりMotoGPの250ccクラスにフル参戦し,昨年はSBKにフル戦した青山周平が,今シーズンの日本GP参戦に向けて動いているようです。MotoGPでのシートを失い,SBKへと戦いの場を移した周平でしたが,戦闘力がなく,周平自体も不慣れなマシン,そしてほとんどが初めてのサーキットばかりと,周平にとってネガティブな状況だった昨シーズンでしたが,それが結果にも表れ,ポイント獲得はおろか,完走さえもままならない状況に陥ってしまい,ついにはSBKでもシートを失う状況となってしまいました。シーズンオフには伴侶を得るというおめでたいことはあったものの,いまだに今シーズンのシートを得ることができない状況が続いています。現在は,シート獲得に向けて動くだけではなく,サーキットでのライディングスクールのコーチをしているようです。さらに,家の近所にあるラーメン屋さんで働いているという状況にもあります。その周平が,かつて所属していたHARC−PROにお願いしたりして,日本GPへのスポット参戦へのめどをある程度立てているようです。ただし,重要な要素の一つとなるのが,スポンサーの獲得ということです。現在のような経済状況ですから,もしかしたらこれが一番高い壁かもしれません。現在は,各方面に出かけてスポンサー活動をしているようです。もし今回のスポット参戦が実現し,そこである程度の走りを見せれば,シーズン途中か来シーズンにどこかのチームから声がかかるかもしれません。まずは,スポット参戦が実現するといいですね。
2009/2/22(日)
☆ナイトレース(F1)
○昨年から始まったシンガポールGPは,ナイトレースという形で開催されました。これは,熱帯地方に属する同地が,夜に開催することによりエントラントはもちろん,観客にとっても少しは涼しい中でレースが開催されるというメリットがあります。そして,もしかしたらこちらの理由の方が大きいのかもしれませんが,夜に開催することで,F1の中継がヨーロッパにとって日曜の昼間の時間となり,より多くの視聴者を獲得できるというメリットがあります。このシンガポールGPの成功を受け,もう一つの東南アジア圏内での開催となるマレーシアGPも,同様にナイトレースでの開催にしてはどうかという案が浮上していました。1999年からF1を開催しているマレーシアですが,これまではずっと現地時間の昼間に行われていました。そして,その開催契約は,既に2015年まで延長されることが決定しています。マレーシアGPのオーガナイザーたちは,ナイトレースの検討を行ってきましたが,現在契約されている2015年までは,ナイトレースでの開催を見送ることを決定しました。これは,当然サーキット内に多数の照明設備を新たに設置しないといけないわけですが,現在のような経済状況の中では,莫大な資金を投入しての改修工事は現実的ではないという結論のようです。そこで,折衷案として,開催時刻を通常より2時間遅い午後5時(グリニッジ標準時間で午前9時)から開催することになりました。
2009/2/21(土)
☆月曜までに(F1)
○ホンダのF1撤退に伴い,その売却先が注目されている旧ホンダ・レーシングF1ですが,数々の候補の噂はこれまでにも挙がってきたものの,いまだに決定を見ていません。しかし,そうした状況はいつまでも許されるわけではなく,まずその第一段階が差し迫っているようです。成績発表は当然無いものの,同チームのエンジンに関しては,メルセデスが供給することになりそうなのはほぼ間違いありません。もしそうだとすると,そのメルセデスに対してエンジン代金となる800万ユーロ(約9億6千万円)の支払いを,来週月曜日(23日)までに行わなければならないという期限を設定されているのではないかという観測が出ているのです。
肝心な買収先ですが,最近までの噂では,ブラジルの企業名が挙がっていました。というのも,既にJ.バトンのシートは約束されていますが,そのチームメイトとなるドライバーについてはまだ噂の域を出ていません。そして,その最有力候補が,ブラジルを代表するドライバーだった『音速の貴公子』故A.セナの甥であるB.セナです。そのブルーノのシート獲得に向け,ブラジルの石油系企業である「ペトロブラス」と通信系企業である「エンブラテル」が支援するのではないかという噂が出ていました。しかし,エンブラテルについてはまだ微妙なところがありますが,ペトロブラスについては,戦闘力のあるワークス系チームだったホンダの頃だったら支援はあるものの,売却してプライベーターチームとなる旧ホンダとなると支援はできないという方針のようです。そして,現在その最有力候補となっているのが,エンターテインメント,旅行,ライフスタイルブランドなどを手がける『ヴァージン・グループ』です。もちろんここについても正式発表はされていませんが,ホンダ自身も候補の一つだと正式に認めています。通常だと候補と認めること自体がなかなか無かったりするのですが,候補とはいえそれを認めたということは,比較的進んだ話し合いがもたれていることが予想されます。締め切りの第一段階が来ている現状を考えると,もしかしたら今週末にでも何らかの具体的な話が出てくることがあるかもしれませんね。ちなみに,ヴァージン・グループの一つであるヴァージン航空は,F1における今シーズンのシートを喪失している佐藤琢磨のパーソナルスポンサーの一つです。もし買収がまとまったとして,レギュラードライバーの座は無理でも,せめてテストドライバーでも採用していただけるとありがたいなんて思ってしまいます。まあ,実際にはほぼ不可能でしょうけど・・・。
2009/2/20(金)
☆続々(MotoGP)
○250ccクラスに替わって,2011年から600ccエンジンを搭載したレース専用マシンで争われるMoto2クラスがスタートします。ちなみに,選手権としては2011年から正式に立ち上がっても,レース自体は2010年から前倒しで行われるのではないかという噂が現在浮上しています。既にこのクラスに興味を示しているチームが続々と名乗りを上げていますし,その中の1チームであるホンダ・BQRは,16日から2日間にわたってスペインのバレンシアにあるリカルド・トルモ・サーキットにおいてプライベートテストを行いました。今回新たに参戦検討を明らかにしたのは,SBK及びWSSでホンダのエースチームの立場にあるテン・ケイトです。600ccマシンで争われるWSSでは,2002年から昨年までの7年間にわたってチャンピオンを獲得し,今シーズンもチャンピオン候補ナンバーワンのチームです。こうした実績があるチームですから,Moto2においても十分活躍が期待できます。現在は,参戦を検討中という段階で,今後さらなるレギュレーション等が決まっていけば,それを見て参戦するかどうか最終決定するようです。もし参戦するとなると,もちろんテン・ケイトとしてマシンを走らせますが,それ以外のチームにもマシンを供給することにもなるようです。また,ライダーとして最有力候補となっているのが,今シーズン同チームからWSSにフル参戦することになっているK.ソフォグルです。
      
☆コース改修(MotoGP)
○F1のイギリスGPを開催しているサーキットは,今シーズンまではシルバーストーンですが,来シーズンからドニントンパークになることが既に決定しています。F1を失うことになったシルバーストーンですが,来シーズンからMotoGPを開催することが決定していて,既に5年間開催という契約が成立しています。そのシルバーストーンが,コース改修の発表を行いました。最近のサーキットは,どちらかいうと4輪を重視したコースが多くなっていますが,今回の改修は,MotoGP開催を視野に入れて2輪重視の改修となるようです。今回の改修の主な点は,アビー・コーナーとアローヘッド・コーナーの間に新セクションを設置することです。アローヘッド・コーナーは,ストレートにつながりますので,高速セクションとなるだけでなく,新たなパッシングポイントにもなるようです。その他,エスケープゾーンの設置や,スタンドの移動などの工事も含まれています。今回の改修工事に要する費用は,日本円にしておよそ6億7千万となるようです。なお,この工事は11月から着工しますので,当面最後のF1開催となる今シーズンのイギリスGPは,現在のコースレイアウトで行われることになります。
2009/2/19(木)
☆変更(MotoGP)
○FIMから,新レギュレーションの変更について発表がありました。まずタイムスケジュールについてですが,昨年まで125&250ccクラスに関しては,金曜日と土曜日にそれぞれ1回ずつ公式予選が行われていましたが,今シーズンはMotoGPクラスと同じように土曜の午後から行われる1回の予選のみとなりました。MotoGPクラスに関しては,フリー走行及び公式予選の時間が,これまでの60分から45分になりました。エンジンに関しては,第11戦チェコGPから4レースで最大5台のエンジンを使用することができるようになりました。ただし,パーツの変更は,日々のメンテナンス時以外では認められません。ブレーキに関してですが,セラミック材料によるディスク又はパッドは認められません。また,ラウンチ・コントロール・システムやエレクトリック・サスペンション・システムの使用は,どちらも認められなくなりました。テストに関してですが,開発を目的とした2度の事後テスト,第6戦及び第11戦後のテストでは,テストライダーのみ起用することが認められます。
2009/2/18(水)
☆主要チーム(MotoGP&JRR)
○ヤマハ発動機が,今シーズンの主要チームの参戦体制について発表しました。それによると,世界選手権に関してですが,まずMotoGPは,既に明らかとなっていたワークス&サテライトチームについて変更はありませんでした。市販車ベースのマシンで争われるSBKやWSSについては,昨年と比べてチーム,ライダー,マシンをそれぞれ一新しています。マシンについては,SBKが「クロスプレーン型クランクシャフト」を採用した2009年型YZF−R1で,WSSはYZF−R6を採用しています。
国内についても見直しが行われ,「YSP・レーシング・チーム」からJSB1000クラスとST600クラスにそれぞれ1名ずつライダーが参戦します。昨年まであった「ワイズギア・レーシング」については,チームとしての参戦はなくなり,株式会社ワイズギアが,YSPレーシングのスポンサーとして活動することになりました。チームマネージャーには,かつてJRRのGP500クラスで3連覇したり,鈴鹿8耐を制したりした平忠彦(オールドファンには,「テック21」カラーが懐かしいですね。)が就任しています。
なお,具体的な体制については,以下の表をご覧ください。
     
2009年ヤマハ主要チーム参戦体制
カテゴリー ライダー チーム マシン
〔世界選手権〕 MotoGP V.ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム YZR−M1
J.ロレンゾ
C.エドワーズ テック3・ヤマハ・チーム
J.トーズランド
SBK B.スピーズ ヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チーム YZF−R1
T.サイクス
D.チェカ ヤマハ・GMT94
WSS F.フォレ ヤマハ・ワールド・スーパーバイク・チーム YZF−R6
K.クラッチロー
M.ピロ ヤマハ・ロレンチーニbyレオーニ
〔国内選手権〕 JRR 中須賀 克幸 YSP・レーシング・チーム YZF−R1
佐藤 裕児 YZF−R6
      
2009/2/17(火)
☆復帰(JRR)
○カワサキ系のプライベートチームの一つであるトリック☆スターが,今シーズンの体制発表を行いました。1990年にJRRのTT−F3クラスにおいてシリーズチャンピオンを獲得し,1992年にはスクーデリア・オクムラから当時JRRの最高峰クラスだったGP−500クラスにフル参戦した経験を持つ鶴田竜二がプレーイング・マネージャーを務める同チームが,2月15日(日)に体制を発表しました。まずは,昨年通り元ホンダ及びカワサキのワークスライダーだった武石伸也とオーナーでもある鶴田の参戦が発表されました。そして,サプライズとしてもう一人新たなライダーが紹介されました。それが,2000年にはカワサキのワークスライダーとしてスーパーバイククラスで,2004年にはホンダのワークスライダーとしてJSB1000クラスでチャンピオンを獲得した経歴を持つ井筒仁康です。04年のチャンピオンを獲得後,プロゴルファーを目指すということからレースの世界から引退していました。そして,今回5年ぶりに復帰ということになりました。井筒については,JSB1000クラスに参戦すると同時に,武石や鶴田と組んで鈴鹿8耐及びその前哨戦となる鈴鹿300qにも参戦することになっています。2回もJRRの最高峰クラスでチャンピオンを獲得したライダーではあるものの,本格的なレースから5年も遠ざかっていたわけですから,なかなか結果を出すことは厳しいとは思います。とはいえ,彼の走りを再び見ることができるのは,今シーズンの楽しみなことの一つとなりそうですね。
2009/2/16(月)
☆続々(MotoGP)
○2輪レースにおける4ストロークエンジン化の波は,来シーズン限りで250ccクラス廃止まで至り,再来年からは,600ccの4ストロークエンジンを搭載したMoto2という新しいカテゴリーに生まれ変わることが決定しています。場合によっては,最高峰クラスがMotoGPマシンと2ストローク500ccマシンとの混走となったように,来シーズンからMoto2マシンが登場するという形になるかもしれません。そうした新規のクラスですが,既に1つのチームが名乗りを上げていたものの,ここに来て新たに2つのチームが参入することを表明しました。まず1つ目は,スペイン選手権で結果を残しているプライベートチームであるラ・グリッセです。同チームの発表によると,ライダーとして元GPライダーのF.ニエトを起用することになり,既に2年契約を結んでいます。ニエトは,昨年からSBKに活躍の場を移してスズキのマシンを駆っていました。今シーズンも,同様の体制で臨むものと思われていましたが,スズキが3台体制から2台体制へと方針を変えたたため,ニエトはシートを失う結果になっていました。そして,新たな活躍の場としてMoto2を選んだことになります。今シーズンは開発ライダーに専念し,来シーズンからMoto2が前倒しで始まるとすればレースに復帰することになります。全く新しいカテゴリーですから,マシンも新開発となります。そして,同チームのマシン開発を担当するのが,カワサキやイルモアのMotoGPマシン開発に携わったE.シュターです。
もう1チームは,昨年の鈴鹿8耐の会場において既にプロトタイプマシンを公開していた日本を代表するコンストラクターの一つであるモリワキです。シャーシは自社製,エンジンはホンダのCBR600RRをベースとしたものを使うというところまでは明らかになっていますが,今後のスケジュール等はまだ不明です。
JRRのST600クラスが賑わっているように,このMoto2もさらなる参入が予想されます。果たしてどのようなチーム及びコンストラクターが今後名乗りを上げるのか,とても楽しみになりますね。
2009/2/12(木)
☆新スポンサー&新プロデューサー(SGT)
○GT500クラスとGT300クラスの2チームに関して,新しい体制が発表されましたのでお伝えします。まずGT500クラスですが,昨日のこのページでタカタのスポンサード活動休止をお伝えしましたが,その当事者である童夢が,今シーズンの体制発表を行いました。まず,そのスポンサーですが,タカタに代わって,昨年から日本で発売を開始したアメリカのエナジードリンクである『ロックスター』がつくことになりました。さらに,もう一つの大きな話題は,何と言ってもチーム・プロデューサーにX JAPANのYOSHIKIが就任したことでしょう。X JAPANといえば,1996年のFN初年度にチーム・ルマンのスポンサーになったことがあり,しかもその年にR.シューマッハを擁してドライバータイトルを獲得(チームメイトの服部尚貴がランキング2位。ちなみに,ランキング3位は星野一義でした!また,マッチこと近藤真彦や佐藤琢磨のマネージャーであるA.G.スコットもドライバーとして参戦していました。)すると同時に,チームタイトルも獲得しています。それだけに,YOSHIKIとモータースポーツとの関係は浅からぬものがあります。ちなみに,YOSHIKIは『ロックスター』が日本に上陸する際にエグゼクティブディレクターになっていますから,このことが今回のプロデューサー就任に大きく関係しています。ドライバーに関しては,道上龍&木暮卓史というタッグで,昨年と変更はありません。また,メインスポンサーとしての活動は休止したものの,テクニカルスポンサーとしてタカタは同チームのサポートを行うことについても変更はありません。
次にGT300クラスについてですが,唯一のロータリーエンジンマシン(RX−7)で参戦しているRE雨宮が,今シーズンの体制発表を先日WEB上で行いました。それによると,メインスポンサーに変更があり,新しいスポンサーには,マレーシアでトヨタをはじめとする日本車の輸入業をしている『ムティアラ・モータース』がつきました。また,ドライバーについてですが,折目遼は残留となりましたが,チームメイトとして昨季ユンケルパワー・タイサン・ポルシェでステアリングを握っていた谷口信輝が移籍してくることになりました。
2009/2/11(水)
☆スポンサー(SGT)
○ホンダ系の2チームのスポンサーについて,それぞれ発表がありましたのでお知らせします。まず,昨年は金石勝智&金石年弘という親戚コンビで新たにSGTに参戦を開始したリアル・レーシングに,今シーズン新しいスポンサーがつくことになりました。そのスポンサーとは,2輪・4輪のトランスミッションや燃料噴射システム等の製造メーカーである『ケーヒン』です。ケーヒンといえば,昨シーズンから元GPライダーで,JRRのJSB1000クラスの元チャンピオンでもある伊藤真一が所属しているチームのメインスポンサーでもあります。さらに,今シーズンの『鈴鹿2&4』では,大会自体の冠スポンサーにもなっています。ところで,鈴鹿2&4といえば,これまでJRRのJSB1000クラス(2輪)とFN(4輪)との併催という形で行われてきましたが,今シーズンは,JSB1000クラスは変わりないものの,4輪はFNからSGTへと変更になっています。ということは,ケーヒンとしては,大会自体に,そして2輪,4輪共に同社の支援するチームにケーヒンのロゴがついていることになります。なお,今シーズンのリアル・レーシングは,金石年弘&塚越広大のコンビで臨むことになりました。昨シーズンステアリングを握っていた金石勝智は,チーム代表に専念するようです。
 もう一つが,童夢と無限のコラボでSGTに参戦しているチームに,長い間スポンサーとしてついていたシートベルト関連メーカーであるタカタが,スポンサード活動を休止することが発表されました。タカタと童夢&無限といえば,そのスポンサー関係は1998年に始まります。それ以来ずっとスポンサードが続いてきて,TAKATAのロゴが入ったダークグリーンのNSXは,ホンダ陣営を代表するチーム&マシンとなっていました。ファンとしても,SGTで当たり前の存在となっているカラーリングのマシンだけに,ちょっと寂しい気がしてきます。この発表を受け,新たにどのメーカーが同チームのスポンサーになるかについては,まだ明らかになっていません。なお,今シーズンも同チームのステアリングを握るのは,ホンダのエース級ドライバーである道上龍と木暮卓史の二人です。
2009/2/10(火)
☆値上げ(F1)
○F1に出場するためには,FIAが発給するスーパーライセンスを取得する必要があります。他のレースでも,ドライバーやライダー,そしてオフィシャル等それぞれにライセンスが必要ですし,それを取得するため,毎年更新料を払っています。とはいえ,世界で20人近くの限られたドライバーにしか与えられないスーパーライセンスですから,その金額も他の追随を許しません。そのライセンス料について,発給するFIAと更新料を払うドライバーとの間で対立が起こっています。昨年ライセンス料が大幅に値上がりとなり,それまでの1690ユーロから一挙に10000ユーロになりました。さらに,1ポイントごとに支払う追加の金額が,07年の447ユーロから,2000ユーロに引き上げられています。そして,FIAによると今年は1ライセンスにつき400ユーロ,1ポイントにつき100ユーロの値上がりとなりそうです。これに対して,ドライバーで組織するGPDA(グランプリ・ドライバー・アソシエーション)は反発し,義務化されているライセンス証明の提出を見合わせるようドライバーたちに要請しています。インフレにより値上げが必要だとするFIA側と,値上げ幅が大きすぎるとするドライバー側。このつばぜり合いは,しばらく続きそうです。それにしても,数億円単位の契約金が発生するF1だけに,ライセンス一つとっても庶民とはかけ離れたものがありますね。
2009/2/9(月)
☆自チームで(WRC)
○日本メーカーの撤退に伴い,その被害者の一人となっているのがレーサーたちです。ホンダレーシングF1のJ,バトン,MotoGPにおけるカワサキのM.メランドリやJ.ホプキンスなどがその例です。そして,WRCからスバルが撤退するのに伴い,シートを失ったP.ソルベルグもその一人です。そのソルベルグですが,スバル撤退発表直後からWRC参加を目指して活動をはじめ,先日シトロエンのマシンを駆って第2戦ラリー・ノルウェーに出場することを明言していました。そして,先週の6日に,そのマシンとなるクサラWRCを公開しました。まず所属するチームですが,「P.ソルベルグ・ワールドラリー・チーム」という自らのチームを立ち上げることになりました。メインスポンサーには,ソルベルグの母国であるノルウェーのクルーザー販売会社『Johs Lunde Yachting(ヨス・ランデ・ヨッティング)』 がつき,マシンは同社のコーポレートカラーであるブラックとシルバーにカラーリングされています。チームスタッフの中には,スバルで共に働いたメンバーが入っています。オーナー兼ドライバーという立場ですから,これまで以上に大変だとは思いますが,S.ローブの一人勝ち状態ではシリーズ自体が盛り上がりに欠けますので,少しでも打破してくれるような活躍をしてくれるといいですね。
2009/2/8(日)
☆二日連続(MotoGP)
○セパン・サーキットでの合同テスト最終日の走行が行われ,前日に続いてドゥカティの今季型マシンGP9を駆るC.ストーナーがトップタイムをマークしました。左手の手術の影響により,痛みが依然として残るため4周以上の連続走行ができないというハンディを負っていますが,そうした中での2日連続トップタイムでした。怪我と言えば,フィアット・ヤマハのV.ロッシも,テスト前に家で負った怪我のため当初予定されていたロングランテストを実施できませんでした。それでも,2日連続3番手タイムだったロッシが,この日は2番手タイムを出しています。3番手タイムは,初日がトップタイム,2日目が2番手タイムを出していたスズキのL.カピロッシがマークしています。ホンダ勢のトップタイムは,初日と同じくグレシーニ・ホンダのT.エリアスでした。唯一の日本人ライダーであるスコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,この日は前日より一つ順位を上げ,14番手タイムで今季初テストを終えています。今回のテストでの高橋ですが,3日間通算して171周の走り込みを行いました。これは,距離にして950キロメートル弱という長距離です。マシンのセットアップという側面はもちろんあったでしょうが,早くMotoGPマシンに慣れると言うことも大きな目標だったのかもしれませんね。いくら若い高橋とは言え,きっと疲労困憊となったテストだったことでしょう。
2009/2/7(土)
☆断念(F1)
○いまだに買収先が決まらないホンダレーシングF1を除き,唯一シートが決まっていなかったスクーデリア・トロロッソの残りのシートを,昨シーズンも同チームからフル参戦したS.ブルデーが獲得しました。同シートは,実質的にこのブルデーと佐藤琢磨との間で獲得競争が繰り広げられていました。一時期は,スポンサーの持ち込みに関して琢磨の方が有利だと言われていました。しかし,このところの世界的な不況の影響から,琢磨の生命線とも言えるスポンサーマネー獲得が思うように進んでいないのではないかという噂も囁かれていました。その噂が実際にはどうだったのか知るよしもありませんが,最終的にはブルデーの残留という形で決着を見ました。これにより,昨シーズン前半のスーパーアグリF1の撤退に伴うシート喪失以来となる琢磨のF1復帰は,実質的に断念せざるを得なくなりました。もちろん来シーズンのシート獲得という道が今後ありますが,年齢や状況等を考えるとそれもだんだん厳しくなっているのが現実でしょう。果たして今シーズンも含め,今後琢磨がどのような道を模索していくのか,非常に気になるところです。
      
☆痛みをこらえ(MotoGP)
○セパン・サーキットでの合同テスト2日目の走行が行われ,一昨年のチャンピオンであるドゥカティのC.ストーナーがトップタイムをマークしました。昨年10月末に骨折の手術をした彼は,その影響による痛みがまだあるようです。今回のテストは,その痛みをこらえながらの走行を続けていますが,そのような中でのトップタイムでした。しかも,非公式ながら,昨日スズキのL.カピロッシがマークした非公式記録のサーキットベストを更新しています。2番手タイムは,そのカピロッシがマークしました。3番手タイムは,こちらも怪我を押して走行を続けているフィアット・ヤマハのV.ロッシがマークしています。ホンダ勢の中でのトップタイムは,ホンダのエースであるレプソル・ホンダのD.ペドロサがマークした4番手タイムでした。そのペドロサですが,今日行われる3日目の走行をキャンセルし,2日間の走行で切り上げています。昨シーズンの第16戦オーストラリアGPで転倒した際,左膝を強打して痛めていたのですが,12月上旬にこの左膝の手術をしていました。それほど深刻な痛みがあるわけではないようですが,2日目までに主なテストプログラムを消化したことと,3月上旬にカタールで行われる合同テストに万全を期すため,3日目のレースシミュレーションを残してのキャンセルに踏み切ったようです。最高峰クラスで唯一の日本人ライダーであるスコット・レーシングの高橋裕紀は,2日連続で最多周回数をこなし,初日より1つポジションを上げた15番手タイムでした。
2009/2/6(金)
☆初走行(MotoGP)
○長いテスト禁止期間を経て,今年初めてとなるMotoGPクラスの合同テストが,マレーシアのセパン・サーキットで始まりました。今回のテストは,7日(土)までの3日間にわたって行われる予定になっています。初日の走行では,今年で20年目のシーズンとなるL.カピロッシが,スズキGSV−Rを駆ってトップタイムをマークしました。最高峰クラス12年目のカピロッシは,非公式タイムではあるものの,最終ラップにサーキットベストをコンマ2秒上回るタイムをたたき出してのトップタイムでした。チームメイトのC.バーミューレンが4番手タイムでしたから,09年型GSV−Rの戦闘力の高さを初日にアピールしています。2番手タイムは,一昨年のチャンピオンであるドゥカティのC.ストーナーがマークしています。昨シーズン末に骨折していた左手の手術をしたため,昨年最後のテストを欠席していますから,10月末の最終戦終了翌日から始まったテスト以来の走行でした。ストーナーのチームメイトで,今シーズンからドゥカティに加わったN.ヘイデンは,11番手タイムでした。3番手タイムは,昨年のチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシがマークしています。そのロッシですが,テストを前にした3日(火)に,自宅でカーテンを閉めようとしてバランスを崩し,ガラステーブルの上に落下したため,手と足を数針縫う怪我をしていましたので,怪我を負った中での走行でした。今シーズンもロッシのチームメイトであるJ.ロレンゾは,10番手タイムでした。ホンダ陣営の中でのトップタイムは,2年ぶりにホンダRC212Vを駆ることになったT.エリアスでした。2年前と同じくホンダ・グレシーニへの復帰となるエリアスは,プライベートチームながらワークスチームと同じRC212Vを駆っての走行となります。今シーズン最高峰クラスにステップアップを果たし,唯一の日本人ライダーとなる高橋裕紀は,今回初めて09年型RC212Vを駆って17台中で16番手のタイムをマークしています。
2009/2/5(木)
☆三菱も(ダカールラリー)
○ホンダがF1から,スバルとスズキがWRCから,カワサキのワークスチームがMotoGPから撤退と,世界同時不況によるモータースポーツ活動縮小の動きが続きましたが,それらに続く衝撃が再び起こりました。この度三菱自動車と同社のモータースポーツ活動を行っているラリーアートから発表があり,2009年ダカールラリーをもってワークス活動を終了することになりました。1983年に初参戦以来,今年で合計26回参戦してきた三菱ですが,7年連続を含む合計12回の優勝を収めてきています。今や『パジェロ』といえば,ここ数年販売台数では苦戦を続けているものの,三菱を代表する車となっています。それは,このダカールラリーでの活躍があったればこそです。リコール隠しによる大幅な販売減という事態の中でもダカールへの出場を継続してきた三菱ですが,100年に一度と言われるこの不況には如何ともし難かったのでしょう。今年のダカールでは,これまでのパジェロではなく,『レーシング・ランサー』を投入しました。新たな展開を見せた三菱だけに,まさかそれが1年で終わるとは思ってもいませんでした。ただ,4台中3台がリタイアを喫し,唯一完走したJ.ナニ.ロマも10位獲得がやっとというのが今年のリザルトでした。もしかしたら,今回の撤退劇の動きが早くから生じていて,大会が始まった時には既にモチベーションの低下があったのかもしれませんね。なお,長年三菱のダカール活動を支えてきた増岡浩が,来年以降どうなるのかについてはまだはっきりしていません。また,三菱のライバルの一つで,今年のダカール覇者であるフォルクスワーゲン(VW)についても,来シーズン参戦するかどうかかなり微妙になっているようです。日本メーカー撤退により,WRCのチャンピオン争いがあまりおもしろくない状況になってしまっていますが,ダカールラリーについても同様な状況となりそうな気配です。
2009/2/4(水)
☆車体開発(MotoGP)
○環境問題のため,2輪レースの世界は2サイクルエンジンから4サイクルエンジンへと転換が進んでいます。その顕著な例が最高峰クラスで,それまで2サイクル500ccエンジンだったものが,4サイクル990cc(現在は800cc)へと大幅に変更となりました。そうした流れは,大排気量クラスだけでなく,小・中排気量へも今後訪れるようになります。既に現在の250ccクラスは,2011年から4サイクル600ccエンジンへと変更になり,同時にMoto2へとクラス名も変わることが決定済みです。4サイクルエンジンへの転換は,環境問題への対応だけでなく,新規参入が望めるというメリットもあります。そして,この度ビモータ社から発表があり,2011年からのMoto2クラス参戦を目指していくことになりました。ご存知のように,ビモータの市販車といえば,同社独自のフレームにスズキやドゥカティのエンジンを搭載して販売しています。ですから,バイクメーカーというよりもフレームビルダーと考えていいでしょう。ビモータのレース活動での花形は,何と言っても1980年でのWGPでしょう。同社のフレームにヤマハ製エンジンを搭載したyb3と言うマシンを,当時にはまだあった350ccクラスでJ.エクロードが駆ってチャンピオンを獲得したのです。まだ今回の発表は具体的なものではありませんから,どのような形での参戦なのかは不明です。しかし,これまでの経緯を考えると,同社独自のフレームに日本のどこかのメーカーのエンジンを搭載して参戦するのではないかと予想されます。
2009/2/3(火)
☆復帰(JRR)
○JRRの元GP250クラスチャンピオンの中冨伸一が,久しぶりに日本に復帰することになりました。チーム高武に所属して九州選手権のGP250クラスに参戦してチャンピオンを獲得した後,そのまま同チームに所属してJRRステップアップ。2000年にGP250クラスでチャンピオンを獲得後,2003年からヤマハのエースとしてJSB1000クラスにステップアップを果たしました。さらにそこでの活躍が認められて,2006年からSBKに戦いの場を移しました。3年間にわたって同シリーズにフル参戦しましたが,トップ争いするほどのポテンシャルがマシンになく,上位フィニッシュを果たすことがそれほどないまま,昨シーズン限りでシートを失ってしまいました。日本に復帰することを目指して交渉を続けていましたが,なかなか決定の情報がなく,気になっているライダーの一人でした。そして,この度ヤマハ系の有力なプライベートチームの一つであるHITMAN RC甲子園から参戦することが決まりました。昨シーズンの同チームは,一度2輪ロードレースから離れた元ST600クラスチャンピオンの武田雄一を復活させ,そのST600クラスにフル参戦(それ以外には,GP250に山崎郡がフル参戦しています。)しました。今シーズンは,その武田と今回の中冨の2台体制でST600クラスに臨むことになりました。世界的な中量級クラスの縮小化に伴い,JRRではST600クラスに参戦するライダー&チームが増加していて,その分毎年激しいレースが続いています。ここ2年は,HARC−PROのベテランライダーである小西良輝がチャンピオンを獲得していますが,誰がチャンピオンを獲得してもおかしくない状況にあります。4年ぶりの日本復帰,そして初めての600ccクラスマシンということで,すぐに結果を出すというのは難しいかもしれませんが,また一人有力なチャンピオン候補となり得るライダーが登場したことに変わりはないでしょうね。
2009/2/2(月)
☆走行なし(F1)
○F1で7度のチャンピオンを獲得するというように数々の栄光があるM.シューマッハですが,引退後もずっとフェラーリに留まり,同チームのアドバイザーとして活躍しています。しかも,単にアドバイザーを務めるだけではなく,昨年はF2008の開発のため,実際にステアリングを握ってテスト走行を何度か行いました。今シーズンもこれまでと同様にアドバイザーとしてフェラーリに所属していますが,F1の世界は,コスト削減策の一環として,今シーズンからレギュレーションが変更となってシーズン中のテストが禁止となりました。ということは,プレシーズンテストの重要性が高まったことになるわけで,レギュラードライバーにとってここでの走り込みがマシン開発に,そして自らが今季型マシンに慣れるのに貴重な時間となります。となると,テストドライバーの走行も,レギュラードライバーの意向によってかなり制限を受けることになります。ましてや,本来のテストドライバーではないシューマッハが走行することは,現実問題として不可能となります。今シーズンからタイヤに関するレギュレーションが変更となり,久しぶりに溝が全くないスリックタイヤが復活します。多くのF1ドライバーが,昨年まで用いられていた溝のあるグルーブドタイヤ世代になっていますから,F1がスリックタイヤを用いていた時にもF1を走った経験があるシューマッハの存在は貴重なものとなります。フェラーリにとってシューマッハによるスリックタイヤに合わせたマシン開発ができるところでしたが,どうやらその機会はなさそうな感じです。
2009/2/1(日)
☆開幕(WRC)
○世界選手権の先頭を切って,1月30日(金)に2009WRCが開幕しました。WRCとしては,シリーズ全体で24戦ありますが,今年からそれらを2年間に分けて開催し,1年間としては12戦での戦いとなります。ちなみに,昨年から札幌を中心にして開催されるようになったラリー・ジャパンは,来シーズンに開催となっています。今年の開幕戦は,ラリー・アイルランドです。世界的な不況を受け,スバル,スズキといった日本メーカーがWRCから撤退してしまったため,一時期に比べただでさえ参戦メーカーが減少しているWRCですが,今季はシトロエンとフォードのわずか2メーカーのみの参戦と寂しい状況になってしまいました。昨シーズン史上初となる5年連続チャンピオンを獲得したのがS.ローブですが,通常ですと誰がその連続記録をストップするかという点が大きな注目点となるところです。しかし,わずか2メーカーのみの参戦ですし,彼の実力を考慮に入れても,実際のところ彼の座を脅かすドライバーが出る可能性はかなり低いのが現状でしょう。実際,初日の走行でトップに立ったのは,シトロエン・トタルWRT04WRCを駆るローブでした。2日目の走行でも,ローブはチームメイトで2位を走行しているD.ソルドとの差を広げ,1分10秒近い差をつけてトップの座を守っています。3位を走行しているフォードのM.ヒルボネンに対しては,2日目にして既に2分30秒以上の差がついてしまっています。今シーズンのローブにとっての敵は,マシントラブルや自らのミスといった点しか考えられず,まずは順調なスタートを切っていると言えます。
     
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