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2009/5/31(日)
☆自己最高(MotoGP)
○第5戦イタリアGPの予選が,ムジェロ・サーキットで行われました。最高峰のMotoGPクラスは,前戦の優勝者であるフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾが,ただ一人1分48秒台をマークして今季2回目のポールを獲得しました。2番グリッドは,ロレンゾからわずか1000分の21秒差でドゥカティのC.ストーナーが獲得しています。そして,3番グリッドを獲得したのは,母国GPに燃えるスズキのL.カピロッシでした。カピロッシのフロントロー獲得は,昨年のイタリアGP以来となります。この大会で通算99勝目を狙うフィアット・ヤマハのV.ロッシは,4番グリッドからのスタートとなります。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,惜しくもシングルグリッドは逃したものの,最高峰クラス自己最高グリッドとなる10番手を獲得しました。
250ccクラスは,ランキングトップを行くアプリリアのA.バウティスタがトップタイムをマークして,2戦連続ポールを獲得しました。昨年のチャンピオンであるジレラのM.シモンチェリが,トップから0.014秒差で2番グリッドを獲得しています。3番グリッドは,昨年のポールシッターであるH.バルベラで,トップとの差はわずか0.038秒差でした。ランキング2位を行くスコット・レーシング・チームの青山博一は,4番グリッドからのスタートとなります。ホンダの富沢翔也は,16番手につけています。
125ccクラスは,ランキング2位を行くアプリリアのB.スミスが,サーキットベストを更新するタイムを刻んで自身初となるポールを獲得しました。2番グリッドを同じくアプリリアのS.レディングが獲得し,英国人ライダーによるワンツーとなりました。3番グリッドは,ここまでランキングトップを行くアプリリアのJ.シモンが獲得しています。、日本人ライダー勢は,アプリリアの中上貴晶が22番手,わずか6周しか走行できなかったロンシンの小山知良は28番手でした。
      
☆ワンツー(FN)
○第3戦の予選が,いつものようにノックアウト方式でツインリンクもてぎにおいて行われました。天気予報では雨が心配されたもてぎでしたが,幸いドライコンディションの中で行われました。ここまでランキングトップを行くLAWSON IMPULのB.トレルイエがQ2で脱落するという波乱が起きる中トップタイムをマークしてポールを獲得したのは,PIAA NAKAJIMNAの木暮卓史でした。木暮にとっては,今季初ポール獲得となります。2番グリッドをチームメイトのL.デュバルが獲得し,PIAA NAKAJIMAがフロントローを独占しました。HFDP RACINGの塚越広大が,地元の声援を受けて3番グリッドを獲得しています。エンジンで見ると,ホンダユーザーがトップ3を独占した形となっています。
2009/5/30(土)
☆全チーム(F1)
○大問題となったバジェットキャップ制でしたが,FIA及びFOTAでの話し合いの結果,ある程度の道筋が見えてきていて,解決方向へと向かっています。そのこともあって,先日ウィリアムズが先陣を切って来シーズンのエントリーを済ませました。そして,ここに来てついにFOTAに加盟している残りの全チームも,条件付きながら29日の締め切り日にエントリーを済ませました。さて,その条件とは,
@コンコルド協定が,2009年6月12日より前に全当事者によって署名され,その後、FOTA全チームは,2012年までF1参戦に関与する。コンコルド協定の更新は,健全な統治による安定を確保する正式な関係において全当事者を結びつけることによって,このスポーツの将来の保証をもたらす。
A2010年のレギュレーションは,FOTAがFIAに提出した提案に従って修正された2009年のレギュレーションを基礎とする。
というもののようです。また,バジェットキャップ制で存在した2つのレギュレーションということではなく,あくまでも統一したレギュレーションの下で行うことも条件となっているようです。メーカー系チームを中心にシリーズ離脱という最悪のシナリオは,ひとまず脱却できたと言えそうですね。
ところで,そのエントリーですが,現在FOTAに加盟しているチーム以外では,カンポス・ミータ1とUSGPがすでにエントリーを実施しています。さらに,これに続いてプロドライブとライトスピードGPが,29日にエントリーを行ったことをそれぞれ発表しています。以前,一旦はF1へのエントリーが認められたプロドライブでしたが,カスタマーカー問題で断念せざるを得なくなったものの,ここにきて復活劇を果たすことができました。正式発表はないものの,アストンマーチンの名称がつくのではないかといわれています。
     
☆ランクトップ(MotoGP)
○第5戦イタリアGPが,ムジェロ・サーキットで開幕しました。初日は各クラス共にフリー走行が行われ,最高峰のMotoGPクラスはランキングトップを行くスペイン人ライダーであるフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾがトップタイムをマークしました。2番手タイムをV.ロッシがマークし,フィアット・ヤマハのワンツーで初日を終えています。前戦は転倒等でノーポイントに終わったロッシですが,圧倒的な強さを誇る母国GPで前回の悪い流れを断ち切ったような初日でした。3番手タイムは,ドゥカティのC.ストーナーでした。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,16番手タイムで初日を終えています。
250ccクラスは,ランキングトップを行くアプリリアを駆るスペイン人ライダーのA.バウティスタがトップタイムでした。そして,前戦で惜しくもランキングトップの座を譲ったスコット・レーシング・チームの青山博一が,2番手タイムをマークしています。3番手タイムは,アプリリアのH.バルベラでした。もう一人の日本人ライダーであるホンダの富沢翔也は,17番手タイムでした。
125ccクラスも,ランクトップを行くJ.シモンが,アプリリアのマシンを駆ってトップタイムをマークしました。2,3番手タイムは,それぞれアプリリアのマシンを駆るS.ガデアとA.イアンノーネでした。日本人勢は,アプリリアの中上貴晶が17番手,ロンシンの小山知良が27番手でした。
2009/5/29(金)
☆新提案(F1)
○F1界を揺らしているバジェットキャップ制ですが,その制度を提案したFIA,そしてそれに反対している参戦チームの組織であるFOTAともに共通しているのは,何らかのコスト削減策は必要だということ。ただ,それがFIAの提案した今回のバジェットキャップ制かといえば,FOTA側からすると予算によって2つのレギュレーションが存在するという点において容認できないということになっているわけです。そこで,FOTA側が協議をし,新たなコスト削減案を提案することになりました。その案の内容ですが,バジェットキャップ制を2010年と2011年に2段階に分けて減額していくというものです。具体的金額でいうと,2010年の上限が1億ユーロ(約130億円)とし,最終的には4500万ユーロ(約58.5億円)となっています。今後は,この案を国際自動車連盟(FIA)に提案する予定になっているようです。
なお,先日FOTAのメンバーであるウィリアムズが,FIAの設定している来季に向けてのエントリー期間内に受付を済ませてしまいました。FOTA内では,当面エントリーを見送るということで一致していたのですが,ある程度の譲歩がFIAとFOTAとの間で見られるようになったことから,ウィリアムズは他チームに先駆けてエントリーを提出したわけです。こうした行動を受け,FOTAはウィリアムズに対して一時的に資格停止処分を下しています。
2009/5/28(木)
☆正式離脱(MotoGP)
○一昨年の125ccクラスチャンピオンであるハンガリー人ライダーのG.タルマクシは,今シーズンからアスパル・チームに所属して250ccクラスにステップアップしていました。第3戦終了時点では,ランキング6位とルーキーの中では最高位につけていました。しかし,第4戦フランスGP直前にスペアマシンのないことや肖像権などの契約上の問題が表面化したため,第4戦への参加をキャンセルするという事態となっていました。その後,チームオーナーであるスペインの英雄J.マルティネスとタルマクシとの間で話し合いがもたれ,2年契約が結ばれていたのですが正式に契約解除となりました。この話し合いの中では,今シーズン中に他チームへの移籍が許可されています。また,契約解除の発表の中で,肖像権の問題が一番の原因だったことも明らかにされています。今後のタルマクシですが,今週末にイタリアGPが行われるムジェロを訪れ,早速複数チームと直接交渉を行うとのことです。
2009/5/27(水)
☆連勝ストップ(WRC)
○第6戦ラリー・イタリア・サルディニアの最終日の走行が,24日(日)に行われました。前日までワンツー体制を築いていたのがフォード・フォーカスRS WRC勢のJ−M.ラトバラとM.ヒルボネンのチームメイト同士でした。最終日もこの2人によるトップ争いが展開されましたが,2位以下は前を走る車が巻き上げた埃で視界が遮られることに苦しみ,最終的に1位にラトバラ,2位にヒルボネンの順でゴールしました。ラトバラの優勝は,もちろん今季初優勝ですし,2008年のスウェーデン以来となる勝利です。3位でゴールしたのは,今シーズンここまで全勝優勝を果たしているシトロエン・トタルWRT C4を駆るS.ローブでした。ところが,デイ2でパンクトラブルが起きたのですが,その際マシンがまだ制止していないのにコ・ドライバーがシートベルトを外してタイヤ交換を行ってしまったことから,レース終了後に2分間のペナルティーが科せられ,4位に後退してしまいました。ラッキーな形で3位表彰台を獲得したのは,シトロエン・クサラWRCを駆るP.ソルベルグでした。4位に後退したローブは,今シーズンの連勝記録(全勝)がストップしただけでなく,表彰台さえも逃すという不運な大会となってしまいました。
2009/5/26(火)
☆提出(F1)
○現在予算制限を行うというバジェットキャップ制で揺れに揺れていますが,その影響から来シーズンのエントリー締め切り日に何チームが届け出るか不透明な状態となっています。そのような中,既存のチームの中では初めてウィリアムズが来シーズンのエントリーを提出しました。もちろんウィリアムズも既存のチームで組織しているFOTAに加盟していますし,そのFOTAは現段階ではエントリーをしないのが主流になっています。バジェットキャップ制を推進するFIA側と,制限を阻止しようとするFOTA側との間でそうした現状打開のための話し合いがもたれてきました。そして,ここに来てある程度譲歩の動きが出てきていて,正式発表はもちろんありませんが,バジェットキャップ制の導入を2011年に延期することになるようです。また,F1の最高権威者であるB.エクレストンが,F1の商業収入による利益を各チームに分配する金額を増額することに同意したようでもあります。また,FOTA側は,工場で働く従業員の数を減らすといった独自の経費削減策に同意したとも伝えられています。こうした混乱回避の動きがあったことから,ウィリアムズがエントリーを提出するという動きに至ったようです。ウィリアムズ側は,今回の提出に関して「私たちは過去30年に渡りこのスポーツに参加していて,これから将来についてもF1に参加することを明らかにする義務が,道徳的かつ法的にもあると考えている」や「従業員やスポンサー,そして多くのファンの責任を我々は負っていて,チームが来年のチャンピオンシップに参加しないという事態になると,全ての人々が影響を受けることになるだろう」というようなコメントを出しています。ウィリアムズ以外では,ブラウンGP,マクラーレン,フォースインディアがエントリー期日内に提出することをほのめかしていましたから,ウィリアムズの今回の提出を受けて新たな動きが今後も出てくることになりそうです。
2009/5/25(月)
☆初勝利(JRR)
○第3戦の決勝レースが,我が大分県にあるオートポリスで行われました。この日のオートポリスは,朝は日差しがあったものの,肌寒い風が終日吹き,午後からはやや厚い雲に覆われ,時間が経つごとに雨がぽつぽつ降り始めるという天候でした。最高峰のJSB1000クラスは,ポールからスタートしたハルク・プロの山口辰也がホールショットを奪い,序盤は3台によるトップ争いが展開されていきました。中盤になると山口が抜け出し,最後は独走状態となり,今季初優勝をポールトゥーフィニッシュで飾りました。今シーズンからハルク・プロに移籍した山口ですから,移籍後初優勝ということになります。2位争いは,ヨシムラの酒井大作と,コハラ・レーシングの伊藤真一との間でバトルとなりましたが,15周目の第2ヘアピンで両者が接触し,酒井はコースアウト,伊藤は転倒を喫してしまいました。しかし,どちらもレースに復帰し,酒井は2位を走行していたYSPレーシングの中須賀克行を終盤にかわして2位でチェッカーを受けました。転倒した伊藤は,最終的に8位でゴールしています。今回のレースの結果,ランキングでは,優勝した山口がトップに出ています。
ST600クラスは,終盤になってTSRの手島雄介と今回がスポット参戦となるカワサキのスペイン人ライダーであるP.リバとの激しいトップ争いとなりました。最終ラップに手島がトップに出るとその座を守り抜き,開幕戦に続いて今季2勝目を挙げました。3位には,オープニングラップを制したハルク・プロの小林龍太が入っています。小林にとっては,今回が全日本での初表彰台となります。
125ccクラスは,このクラスらしく集団による混戦となりました。そうしたバトルが展開されていく中,コースのあちらこちらで降雨を示すレッドクロス旗が各ポストから提示されました。ただ,この時点ではほんの少しずつという状態でした。しかし,11周目にところによっては一時的に雨が降り,それが原因で1コーナーにおいて多重クラッシュが発生して赤旗中断となりました。レースはこのまま成立となり,9周目の順位でリザルトが決定となり,ホンダの尾野弘樹がうれしい自身初優勝を飾りました。2位には,ポールからスタートしたヤマハの徳留真紀が,3位には,昨年のチャンピオンであるホンダの菊池寛幸が入っています。
前日に決勝の行われたGP−MONOクラスは,ポールからスタートした花房一樹が4台のマシンで展開されたトップ争いを制して自身初となる勝利を飾りました。2位には小室旭が,3位には藤井謙汰が入っています。最終ラップの最終コーナーまでは2位を走行していた中木亮輔は,再スタートを切ることができて4位でゴールしています。
      
☆初優勝(F1)
○第6戦の決勝レースが行われました。今回は,世界3大レースの一つである伝統のモナコGPです。予選で1・3位を飾ったのが今季絶好調のブラウンGP勢でした。前回のスペインGPでピットインのタイミング等でやや話題となった2人だけに,今回どうなるのかも注目されていました。抜きどころがほとんどないモナコだけに,スタート位置が重要となりますが,ポールスタートのバトンがホールショットを決め,バリチェロも好スタートを切って予選2番手だったフェラーリのK.ライコネンをかわしてブラウンGPによるワンツーとなりました。レース序盤は2人の間でトップ争いが展開されていきましたが,10周目を過ぎたあたりからバリチェロのペースが落ち,ライコネンとの2位争いという展開となりました。トップを行くバトンは,順調にバリチェロとの差を広げ,今季5勝目(中国GP以外は全部ということになりますね。)を独走で挙げました。一旦はペースの落ちたバリチェロでしたが,1回目のタイヤ交換でペースを取り戻し,単独走行で2位に入りました。ブラウンGPによるワンツーフィニッシュは,前戦に続いて今季3回目となります。3位,4位にはフェラーリ勢が入り,それぞれライコネンとF.マッサの順でした。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,10位走行中のファイナルラップでクラッシュしてチェッカーを受けることができませんでしたが,15位完走扱いとなっています。
2009/5/22(金)
☆タイヤ(MotoGP&F1)
○2輪レースの最高峰であるMotoGPと,4輪レースの最高峰であるF1は,どちらもブリヂストンタイヤのワンメークとなっています。それだけに,タイヤの選択は,どちらのカテゴリーとも各種の制限が加えられています。そのことに関して,この度新たな変更が加わりました。まず,MotoGPですが,現段階は,全てのプラクティス,ウォームアップ、決勝レースで使用できるスリックタイヤは,最大で20本で,フロントタイヤは2種類のスペックで,1スペックにつき4本ずつのタイヤが準備されていました。そのような中,この度新規定が発表され,最大本数には変更はありませんが,合計8本を次のように選択することが可能となりました。
 3本のAスペック + 5本のBスペック
 4本のAスペック + 4本のBスペック
 5本のAスペック + 3本のBスペック
この規定は,第7戦オランダGPから適用されることになります。なお,ご存知のように,前戦フランスGPからソフトタイヤにはタイヤのエッジの部分に白いラインが入るようになっています。F1でグリーンのラインが入っていますが,それと同じ考えからの導入と言えます。
次にF1ですが,昨日から世界3台レースの一つである伝統のモナコGPが始まりました。通常のレースでは,持ち込まれるタイヤはハードとミディアム,ミディアムとソフトというように種類の違うタイヤの組み合わせとなっています。ところが,モナコの場合は市民の生活道路として日常使われていて,それだけにグリップがかなり低くなっています。そうした路面状況であるにもかかわらず,道幅は狭く,全周にわたってガードレールで囲まれています。こうした特殊事情がありますので,今回のモナコに限り,ソフトタイヤとスーパーソフトタイヤという2種類ソフト系タイヤを持ち込んでいます。
2009/5/21(木)
☆棄却(F1)
○400万ポンドを上限とするバジェットキャップ制でもめているF1ですが,その争いはフランスの法廷に持ち込まれていました。というのも,メーカー系のチームがレギュレーションが二重構造となる新しい制度に反対しているのですが,その中で最も中心的に動いているのがフェラーリで,そのフェラーリがFIAを相手にバジェットキャップ制の差し止めをフランスの法廷に提訴していたのです。19日(火)にFIAそしてフェラーリが参加して公聴会が開かれ,それを受けて20日(水)にその判決が発表されました。その結果は,フェラーリの請求を棄却するというものでした。その大きな判決理由は,フェラーリは世界モータースポーツ評議会で反対票を投じることができるからというものでした。この判決により,法廷から再びF1関連団体間の話し合いに持ち込まれることになります。今後の見通しについては,M.モズレーを中心とするFIAが,今回の判決で自信を持ち,さらに新制度を推進していくのではないかという見方もあります。それとは反対に,FIAがF1のチームで構成しているFOTAの意見を聞かざるを得なくなり,何らかの変更に迫られるのではないかという見方もあるようです。今月29日が来シーズンに向けたエントリー締め切り日となっていますが,何らかの進展が見られない限り,締め切り日までにエントリーしないチームがメーカー系を中心に出てくる可能性が大となっています。ちなみに,エントリー締め切り日を過ぎても,遅延金さえ払えばエントリーできます。
2009/5/20(水)
☆欠場か(MotoGP)
○今季グループ・フランシスコ・エルナンドに所属して再びGPシーンに復帰したS.ジベルノーですが,先週末に行われたフランスGPのフリー走行2においてハイサイドにより転倒を喫しました。その際,左肩を強打し,鎖骨を2カ所骨折する重傷を負ってしまいました。左鎖骨と言えば,ジベルノーにとっては,一度引退を決意した2006年に2回骨折したところです。まさに,当時引退決意の引き金になったところとも言えます。今回復帰を決めて以後は,プレートを除去する手術を受けていました。そうした曰く付きの左鎖骨ですが,今回の再骨折の手術は無事終了し,彼の鎖骨はチタンプレートで固定されています。医師の診断によると,復帰までには4週間が必要とのことです。ということは,2週間後に行われるイタリアGPへの出場はかなり微妙となります。若いライダーであれば痛み止めを打って出場と言うことがあるかもしれませんが,超ベテランライダーでもありますし,ランキング争いをしているわけではありません。ましてや,古傷を再度痛めているわけですから,欠場する可能性はかなり高いものと思われます。
2009/5/19(火)
☆完勝(SBK)
○17日に第6戦南アフリカ大会がキャラミ・サーキットで行われました。レース1では,ここまでランキングトップを行くドゥカティの芳賀紀行が,その強さを見せてチームメイトであるM.ファブリツィオにに1秒弱の差をつけて今季5勝目を挙げました。終盤までトップ争いに絡んでいたヤマハのB.スピーズでしたが,終盤になって遅れはじめ,芳賀から3秒以上遅れて3位でチェッカーとなりました。アプリリアの中野真矢が7位,スズキの加賀山就臣が8位,ホンダの清成龍一が12位と,出走した日本人ライダーは全員ポイントを獲得しています。
レース2でも芳賀の勢いは衰えず,チームメイトとのトップ争いを制してこの日ダブルウィンを達成しました。今シーズンは第3戦でもダブルウィンでしたが,芳賀にとって通算8回目となるパーフェクトウィンです。ドゥカティにとっては,2レースともワンツーフィニッシュとなりました。一旦はトップに浮上したスピーズでしたが,ギアシフト関連のトラブルが発生してしまい,ピットに入ってそのままリタイアとなってしまいました。このノーポイントにより,ファブリツィオがランク2位に,とスピーズがランク3位にとランキングが入れ替わってしまいました。予選,決勝共に速さを見せるスピーズですが,ノーポイントレースが多いのが響いています。3位表彰台は,ホンダのJ.レイが獲得しました。SBKでは通算14戦目となるレイですが,今回が初の表彰台獲得となります。レース2での日本人勢ですが,中野と加賀山はそれぞれ7位,8位とシングルフィニッシュを果たしたものの,最後までセッティングに苦しんだ清成は,ポイントは獲得したものの13位でのチェッカーとなっています。前戦では2レース共に表彰台を獲得しただけに,何とも悔しいレースだったのではないでしょうか。なお,ランキングトップの芳賀と,ランク2位のファブリツィオとのポイント差は85,ランク3位のスピーズとの差が88となり,芳賀がさらに独走状態となっています。
2009/5/18(月)
☆転倒(MotoGP)
○第4戦フランスGPの決勝レースが,耐久レースでお馴染みのルマンで行われました。一番最後に行われたMotoGPクラスは,ウェットコンディションで始まったものの,途中からドライ路面に変わるという難しいコンディションとなりました。そこでライダーたちがとった行動が,マシンの乗り換えです。これまでにも何度かあったことですが,それらはいつもドライで始まって,途中から雨が降り始めたためにウェットタイヤ装着のマシンに乗り換えるというもの。今回のようにウェットからドライへのマシンスイッチというのは初めてではないかと思われます。そのような中,2番グリッドからスタートしたフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,オープニングラップを制してトップを走行していきました。ドライ路面にどんどん変わり,6周目から徐々にマシンをスイッチしていくライダーが増えていきました。その間もロレンゾはウェット用マシンで快走してどんどん差を広げていき,一番最後にマシンをスイッチした時もトップのままトップでコースに復帰しました。結局,2番手に18秒弱の大差をつけ,日本GP以来今季2勝目を挙げました。さて,その2番手ですが,何とハヤテ・レーシングのM.メランドリが入りました。唯一のカワサキマシンユーザーですが,カワサキは既にGPから撤退しており,完全なるプライベートチームでの参戦となっています。しかも,マシン開発も実質的に止まった状態です。にもかかわらず,ここまでシングルフィニッシュを達成してきて,ついに4戦目にして2位表彰台に上りました。メランドリの表彰台は,2007年のマレーシアGP以来となります。業績不振,そしてレースでの成績不振から撤退を決定したカワサキですが,どうやら成績はライダーやマネージメント次第で何とかなるほどのマシンが開発できていることをハヤテ・レーシングは証明しています。カワサキには,何とか撤退の方針をすぐにでも撤回してもらいたいものです。ただし,チームへの口出しはほどほどにという条件で・・・。3位争いは,D.ペドロサとA.ドビツィオーゾというレプソル・ホンダのチームメイト同士の間で繰り広げられました。そして,最終ラップにペドロサがドビツィオーゾを交わし,3位表彰台を獲得しています。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,ドゥカティのN.ヘイデンとのバトルとなりました。日本GPでは,高橋がヘイデンにオープニングラップで追突してしまい,共にリタイアになるというアクシデントになった二人(その後,高橋がヘイデンに謝罪し,両者は和解しています。元々はホンダ陣営で交流のあった二人ですし,人間的にもナイスガイですから,和解にそれほど時間がかからないでしょうね。)だけに,そのバトルが注目されましたが,最終的にはヘイデンに次いで高橋が13位でフィニッシュしています。このレースまでランキングトップを行っていたフィアット・ヤマハのV.ロッシですが,彼が最も雨の影響を受けたと言えるかもしれません。一足早くマシンチェンジを行ったロッシでしたが,何とチェンジ直後に転倒。仕方なく再度ピットインしてさっきまで乗っていたウェット用マシンに乗り換えると,何と今度はピットレーンでのスピード違反をとられ,ピットスルーのペナルティーを受けてしまいました。その後再びピットに入ってドライ用マシンに乗り換えるというどたばた状態となってしまいました。完走して何とか1ポイントでも獲得しようと走り続けましたが,トップから2周遅れの16位でのゴールとなりました。ロッシがノーポイントに終わったため,優勝したロレンゾが1ポイント差でランキングトップに躍り出ています。
250ccクラスは,ウェット路面に足を取られ,10台がリタイアに終わるというレースになりました。そのような難しいコンディションで勝利したのは,昨年のチャンピオンであるジレラのM.シモンチェリでした。オープニングラップでトップに躍り出ると,チャンピオンらしい強さを見せたレースを展開し,最終的には2位に入ったホンダのH.ファウベルに18秒以上の大差をつけての今季初勝利でした。3位には,シモンチェリと同じくジレラのマシンを駆るベテランのR.ロカテリが入っています。ロカテリの表彰台獲得は,2006年の最終戦以来です。前戦までランキングトップにいたホンダの青山博一は,オープニングラップでコースオフを喫してしまい,8位でゴールとなり,ランキングトップの座をアプリリアのA.バウティスタに譲りました。もう一人の日本人ライダーであるホンダの富沢翔也は,2ラップ目に転倒を喫し,リタイアに終わっています。
最初に決勝レースが行われた125ccクラスは,累計で30回者転倒があり,32台中15台しか完走しないというサバイバルレースが展開されました。続々と転倒者が出る中,4周目にトップに浮上したアプリリアのJ.シモンが,後続との差をどんどん広げていき,最終的には2位に入ったJ.フォルガーに27秒以上の差をつけて独走で今季初優勝を飾りました。シモンの優勝は,2005年の第8戦イギリスGP以来自身2度目となります。ちなみに,この時もウェットレースでした。3位には,S.ガデアが入っています。日本人勢ですが,何と言っても今回はアプリリアの中上貴晶の活躍でしょう。予選は転倒により予選通過基準タイムを超えることができず,何とか新しいレギュレーションにより決勝レースのグリッドにつくことができるという薄氷を踏む中で決勝レースを迎えました。ところが,他車がどんどん転倒する中,最後まで集中力を切らすことがなく,何と自己最高位となる5位でチェッカーを受けたのです。それに対して予選で9番グリッドを好位置につけることができたロンシンの小山知良でしたが,残念ながら7位走行中に転倒を喫してしまい,リタイアに終わっています。
       
☆2日連続(FN)
○第2戦の決勝レースが,ウェットコンディションの中で行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたLAWSON IMPULのB.トレルイエが好スタートを切ってトップの座を守っていきました。しかし,トレルイエが徐々にリアの感触に違和感をおぼえてなかなかペースが上げられないのに対して,3番手からスタートしたPIAA NAKAJIMAのL.デュバルは,マシンセッティングがばっちりと決まり,トレルイエとの差を詰めていきました。そして,29周目についにデュバルがトレルイエを交わしてトップに浮上。その後は独走状態に持って行きました。結局,デュバルが大差で今季初優勝を飾り,2位にトレルイエ,そして,3位には,2番手スタートのPETRONAS TOM'SのA.ロッテラーが入りました。予選に引き続いてトップ3は全て外国人ドライバーが占めました。日本人勢のトップは,4番手でゴールしたahead IMPULの平手晃平でした。完走扱いは全部で9台でしたが,それらは全て外国人か若手日本人ドライバーばかりでした。2年連続チャンピオンの松田次生や木暮卓史,立川祐路といったベテランドライバーたちは,アクシデントや自らのミスなどで全滅状態でした。次戦以降ベテランドライバーたちの奮起が必要だと感じさせる第2戦でした。
2009/5/17(日)
☆2年連続(MotoGP)
○第4戦フランスGPの予選が,ルマンで行われました。MotoGPクラスは,昨年のポールシッターであるレプソル・ホンダのD.ペドロサが,最終ラップで最速タイムをマークし,2年連続ポールとなりました。ペドロサのポール獲得は,今シーズンでは初となります。これまで125ccと250ccクラスでフランスGPを制した経験を持つペドロサですが,今日行われる決勝レースで勝利を収めると,史上初となるフランスGP全クラス制覇ということになります。その記録に向けて好発進を切ったと言えるでしょう。2番グリッドを獲得したのは,ドゥカティのC.ストーナーで,ペドロサからわずか1000分の5秒差でした。3番グリッドを獲得したのは,フィアット・ヤマハのJ.ロレンゾで,いわゆる若手三羽がらすがフロントローを獲得した形となりました。昨年のこの大会のウィナーであるフィアット・ヤマハのV.ロッシは,4番グリッドを獲得しています。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,29ラップを走行して15番手タイムでした。なお,今シーズンからGPに復帰したドゥカティのS.ジベルノーですが,午前中に行われたフリー走行で転倒をしてしまい,古傷の左鎖骨を再度骨折してレースをキャンセルしています。
250ccクラスは,アプリリアのA.バウティスタが,サーキットベストを更新する走りを見せて開幕戦以来となる今季2度目のポールを獲得しました。昨年の王者であるジレラのM.シモンチェリは,およそコンマ4秒差で2番グリッドとなっています。そして,3番グリッドを獲得したのは,ランキングトップでこの大会を迎えたスコット・レーシング・チームの青山博一でした。ルーキーシーズンであるホンダの富沢翔也は,ミッショントラブルを抱えながらの走行となり,17番手タイムで予選を終えています。なお,金曜日のこのページでお伝えしたアプリリアのG.タルマクシは,チームから離脱したため,初日から出走をキャンセルしています。
125ccクラスは,ウェットコンディションで予選が始まったものの,徐々にコースが乾いていって,残り10分くらいから各者スリックタイヤで走行するという難しいコンディションの中で行われました。こうした状況の中,KTMのマシンを駆る16歳のM.マルケスが最終ラップで最速タイムをマークし,史上2番目の若さでのポールシッターとなりました。ちなみに,最も若いポールシッターの記録を持っているのは,今季ハヤテ・レーシングからMotoGPクラスに参戦しているM.メランドリで,1998年のドイツGPでマークした15歳346日という記録です。なお,マルケスにとっては,今回が自身キャリア初ポールです。2番手タイムをアプリリアのS.レディングがマークしましたが,わずか100分の9秒差でした。3番グリッドは,アプリリアのN.テロルが獲得しています。ロンシンの小山知良は,今季自身最高位となる9番グリッドを獲得しています。ところが,アプリリアの中上貴晶は,午前中に行われたフリー走行で転倒を喫し,その際に右手小指を痛めてしまいました。その影響からわずか6周しか走行することができず,予選通過基準タイムを上回ることができませんでした。
      
☆外国人勢(FN)
○第2戦の予選が,今シーズン大幅リニューアルした鈴鹿サーキットで行われました。この日は雨に見舞われ,時折激しく降る生憎の天気の中での走行となりました。ヘビーウェットでスピンを喫したりするマシンが出たりしている中でポールを獲得したのは,開幕戦のウィナーであるLAWSON IMPULのB.トレルイエでした。2番グリッドは,雨を得意とするPETRONAS TOM'SのA.ロッテラーがトップからおよそ100分の2秒差で獲得しています。3番グリッドは,こちらもトップからおよそ100分の3秒という僅差でPIAA NSAKAJIMAのL.デュバルでした。つまり,上位3人までが外国人ドライバーということになります。日本人勢では,ahead IMPULの平手晃平の4番グリッドが最高位でした。なお,PETRONAS TOM'Sの大嶋和也は,予選開始直後の最終コーナーでスピンを喫し,1周もすることができないまま走行を終え,ノータイムですから予選不通過となります。
2009/5/16(土)
☆続々と(F1)
○来シーズンから導入される予定のバジェットキャップ制については,13日付のこのページでお伝えしたように,既存のチームの中でメーカー系の有力チームを中心にして反対意見があり,フェラーリ,トヨタ,BMWザウバー,レッドブル及びトロロッソ,そしてつい最近ではルノーも,この制度が導入された場合は撤退するということを明らかにしています。それに対して,新規参入をほのめかすチームも徐々に増えていき,USGPEをはじめ,プロドライブなど数チームが既に名乗り出ています。実際には可能性はないものの,スーパーアグリF1についても名前が出る状況にさえなっています。そして,ここに来てまた新たな新規参入チームが名乗り出ました。まず一つ目は,イギリスF3に参戦しているライトスピードF3です。同チームは,元ロータスのエンジニアであるN.ジャッジとS.ケンチントンにより2008年に創設されました。今回参戦するに当たって,マクラーレン,ザウバー,ティレル,ジョーダン,ルノー,トヨタ,フォース・インディアでF1に関わったM.ガスコインと提携するようです。
二つ目は,スポーツカー・レースに参戦しているエプシロン・エウスカディです。同チームは,以前フェラーリ,マクラーレン,ミナルディ,ベネトン,ティレル,プロストにおいてチームマネージャーなどを歴任した経歴をもつJ.ビラデルプラートが運営しています。ただ,このチームに関しては検討が始まったというレベルで,実際に参戦を表明するかどうかはまだ分かっていません。
2009/5/15(金)
☆離脱(MotoGP)
○今シーズンから250ccクラスにステップアップしているG.タルマクシが,第3戦をもってチームを離れることになりました。2007年からアスパー・チームに所属しているタルマクシは,その年に125ccクラスのチャンピオンを獲得しました。ここ数年,中・軽量級クラスで数々の勝利を挙げているチームですが,所属以後タルマクシもチームの勝利に貢献していると言えます。とりわけ来シーズンは,彼の母国であるハンガリーでGPが久々に開催されることになっていますので,そこに向けて今シーズンからさらなる意気込みがあっのではないかと思われます。ところが,チームとタルマクシとの間では,第2戦からスペアマシンが与えられることになっていたようですが,第3戦終了段階でもその約束が実行に移されていません。推測の域を出ませんが,おそらくそのこと以外にも契約上のずれがあるのかもしれません。ということで,不透明なところがありますが,こうしたことから今回の発表に至ったようです。なお,今日から始まる第4戦フランスGP以後タルマクシがどうするのかについては,このページの入力段階ではまだ情報を得ていません。まあ,今日から走行が始まるわけですから,その時には何らかの情報が出てるでしょうね。
2009/5/14(木)
☆初走行(MotoGP)
○イタリアのムジェロ・サーキットにおいて,3日間にわたるドゥカティのプライベートテストが始まりました。今回のテストでの注目は,何と言っても昨年までSBKで3回のチャンピオン獲得経験のあるT.ベイリスが参加していることでしょう。昨シーズン末をもってレースから退いたベイリスが,引退以後初の走行となります。ベイリスがMotoGPマシンを駆るのは,2006年の最終戦にS.ジベルノーの負傷欠場による代役参戦して以来です。ちなみに,この時は990ccマシンでしたから,現在の800ccマシンでは初の走行となります。今シーズンから投入したドゥカティの今季型マシンであるGP9は,カーボンファイバー・フレームを使用した全くのブランニューマシンです。それだけに,超ベテランライダーで,しかも数々の実績を残しているベイリスの意見を取り入れることは重要となってきます。特に,これまでのドゥカティ製マシンがそうであったように,今シーズンのマシンも,C.ストーナーにとっては速いマシンなのですが,それ以外のライダーにとってはとても扱いづらく,今シーズンからドゥカティに加わった元チャンピオンのN.ヘイデンも下位争いに低迷しています。ヘイデンの前任者であるM.メランドリも同様の傾向にあり,昨シーズンはシーズン途中での離脱も噂されたほどの低迷ぶりでした。そのメランドリは,今シーズンほとんど開発が行われていないカワサキのマシンを駆ってでも,トップ5に迫るリザルトを残しています。このことからも,ライダーというよりは,やはりマシンそのものに何らかの課題があるとしか考えられません。こうした状況を打破するためにも,ベイリスの投入は一つのいい機会となるのかもしれません。
なお,ドゥカティは,ヘイデンの低迷を打破するための方策として,J.マルティネスをチーフクルーとして新たに起用することになりました。マルティネスは,昨シーズンまでカワサキのファクトリーチームに所属し,A.ウェストのチーフメカニックを務めていました。2006年にはドゥカティでジベルノーのチーフメカニックを務めた経験もありますので,チームに溶け込むのはそう問題とはならないでしょう。
2009/5/13(水)
☆現チームは(F1)
○コスト高騰によりどのチームもチーム運営に苦労しているため,コスト削減に向けて様々な取り組みが論議されているのが現在のF1です。そこでFIAから提起されたのが2010年から導入予定の「バジェットキャップ制」で,年間4000万ポンド(約60億円)の制限を守ったチームとそうでないチームとでレギュレーションが違うという二重構造となるものです。来シーズンから導入されるこの制度ですが,この制限を守ったチームは,レギュレーションの自由度が認められ,技術的制限が大幅に緩和されます。それに対して,制限を守らないチームは,予算の制限を受けないものの,技術的制限が大幅に加えられることになります。この制度に対しては,新規参入を狙っているチームは歓迎という姿勢で,先日スーパーアグリF1の代表だった鈴木亜久里氏が,再びF1対する興味を示した(ただし,実際に参戦するかどうかは,かなり微妙なようで,残念ながら現段階では再び参戦することはないようです。)ことに代表されるように,いくつかのチームが参戦の意向を示しています。これに対して,現在参戦しているチームの中で,メーカー系のチームは強行にこの制度に反対しています。先日は,もしこの制度を導入したら,トヨタは撤退する意向であるという声明が出されました。この意向は,トヨタだけでなく,BMWザウバーやレッドブル(同チームのBチームであるトロロッソも)も反対を表明していますし,ルノーのF.ブリアトーレも反対(チームとしては,まだ反対の意向は示していません。)しています。ドライバーの中でも,K.ライコネンのように反対を表明(ライコネンの場合,導入されたら引退すると言っています。)している者もいます。さらに,ここに来て1950年以来ずっとF1に参戦してきたフェラーリが,この制度が導入された場合F1から撤退することを表明しました。来シーズンの参戦については,FIAが5月29日(金)をエントリーの締め切り日に設定しています。反対を表明しているチームによると,この制度が導入された場合,現在参戦しているチームの中でエントリーを継続する意向があるのは2〜3チーム(ウィリアムズは既に参戦継続を表明しています。)ではないかということです。今月末の締め切り日に向け,一波乱も二波乱もありそうですね。
2009/5/12(火)
☆3人目(SBK)
○第5戦イタリア大会が,モンツァサーキットで行われました。レース1では,スタート直後に多重クラッシュが発生し,赤旗中断となって再スタートをする自体となりました。その再スタート以後は,ドゥカティのM.ファブリツィオとランキングトップの芳賀紀行とのチームメイト同士と,ランキング2位を行くヤマハのB.スピーズとの間によるバトルとなりました。スピーズがトップで最終ラップに入りましたが,何とここでスピーズのマシンにトラブルが発生してスローダウン。最終的に0.239秒差でファブリツィオがトップチェッカーを受けました。今シーズンは,前回大会まで芳賀とスピーズの2人しか勝利していませんでしたから,第5戦目にして3人目の勝利者が現れたことになります。3番目にチェッカーを受けたのは,今シーズンから参戦を開始したアプリリアのマシンを駆るB.ビアッジでした。ところが,レース中にシケインを通過していなかったということから20秒加算のペナルティが加算され,11位まで順位を下げることになりました。このビアッジの降格により,4位でチェッカーを受けたホンダの清成龍一の順位が繰り上がりとなり,うれしい今季初表彰台を獲得することとなりました。他の日本人勢ですが,スズキの加賀山就臣が,同じく繰り上がりで4位に入りました。ビアッジのチームメイトである中野真矢は,13位に入ってポイントを獲得しています。
レース2では,今季4勝を挙げているスピーズがトップに出るとそのまま独走状態となり,今季5勝目を挙げました。ファブリツィオと清成の2人による激しい2位争いが展開していきましたが,最終的にはファブリツィオが僅差で2位になっています。今シーズンマシンのセッティングに苦労し,なかなか成績が上がっていなかった清成が,今大会では連続して3位表彰台獲得となりました。ここから清成の挽回となるといいですね。アプリリアの中野は12位に入ってポイントを獲得しましたが,加賀山は17位でポイントを逃しています。なお,ランクトップの芳賀ですが,何ととんできた鳩とぶつかるというアクシデントに巻き込まれてしまって転倒し,残念ながらリタイアに終わっています。レースもアウトドアスポーツの一つですから,まれにこうした動物とのトラブルが発生することがありますね。ランキング争いで芳賀にいい流れできていたのですが,こんなことで流れが変わらないことを願いたいですね。
2009/5/11(月)
☆ピット回数(F1)
○第5戦スペインGPの決勝レースが,大観衆を集めたヘレス・サーキットで行われました。3番グリッドスタートのブラウンGPのR.バリチェロが好スタートを切り,ホールショットを奪ってトップに立ちました。ところが,2,3コーナーで多重クラッシュが発生したため,その後5周までセーフティーカー先導による走行となりました。この多重クラッシュによるリタイアの中には,今シーズン絶好調トヨタのJ.トゥルーリが含まれ,また,ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,破損したパーツを踏んでしまったのか,緊急ピットインをしてタイヤ交換を強いられてしまいました。この大会に入るといい走りを見せていて,今シーズンの悪い流れが変わるかと思われていましたが,こうした不運を再び負う形となってしまいました。6周目からレースは再開され,序盤はバリチェロがトップの座を守っていきました。2番手につけていたのが,ポールスタートでバリチェロのチームメイトであるJ.バトンでした。この2人による激しいトップ争いとなっていきましたが,このような状況の中,チームはピットストップの回数をバトンは2回,バリチェロが3回とする作戦に変更しました。これが勝利に大きな影響を与えることになります。バトンより1回ピット回数が多くなったバリチェロは,バトンとの差をその分広げておく必要があります。ところが,2回目のピットインを済ませてからのバチチェロは,思うようにタイムが伸びず,バトンとの差もそれほど広がらない状態になってしまいました。このことにより,バリチェロが3回目のピットを済ませてからコースインすると,バトンが優位な状況となりました。結局バトンが今季4回目となるトップチェッカーを受け,バリチェロは2位でゴールしています。ブラウンGPのよるワンツーフィニッシュは,開幕戦オーストラリアGP以来今季2回目となります。3位には,レッドブルのS.ベッテルが入っています。フェラーリのF.マッサは,終盤4位を走行していましたが,ピットストップの際チーム側が給油量を間違えてしまったため,燃費走行に切り替えざるを得ず,タイムを上げることができずに6位でのチェッカーとなってしまっています。オープニングラップでアクシデントに巻き込まれてしまった中嶋一貴は,最終的に13位で完走しています。
2009/5/10(日)
☆強豪が(F1)
○第5戦スペインGPの予選が,好天に恵まれたカタルニア・サーキットで行われました。最速タイムをマークしてポールポジションを獲得したのは,今シーズン絶好調でここまでのところランキングトップを行くブラウンGPのJ.バトンでした。予選終了の時刻になってから各車次々にチェッカーを受けていったのですが,その段階では,ブラウンGPのR.バリチェロがタイミングモニターのトップに名前がありました。しかし,そのタイムをレッドブルのS.ベッテルが更新。第3戦中国GP以来のポールかと思われたのですが,最後の最後でバトンがそのタイムを更新し,第2戦マレーシアGP以来シーズン3回目となるポールを獲得したのです。初日のフリー走行でワンツーのタイムだったウィリアムズ・トヨタ勢ですが,N.ロズベルグはQ3まで進出して9番グリッドを獲得しました。中嶋一貴の方は,わずか1000分の22秒足らずにQ2で脱落となり,11番グリッド獲得に留まりました。意外だったのは,フェラーリのK.ライコネンとマクラーレン・メルセデスのH.コバライネンの強豪チームに所属する2名が,何とQ1でドロップアウトしてしまったこと。確かに今シーズン不調に陥っている両チームですが,Q2にさえ進出できないという事態は,やはり深刻な状況と言えるでしょう。
2009/5/9(土)
☆好発進(F1)
○第5戦スペインGPがカタルニア・サーキットで開幕し,初日は午前・午後にそれぞれフリー走行が行われました。2回のフリー走行の総合でトップタイムだったのは,今シーズン好調な走りを見せているウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグでした。そして,2番手タイムをマークしたのは,ロズベルグのチームメイトである中嶋一貴でした。ロズベルグと対照的に,これまでのところ自らのミスやマシントラブルで完走さえままならないという状況の中嶋だけに,そうした悪い流れを変えるきっかけとなる2番手タイムとなることを期待したいものです。3番手タイムは,セッション終了間際にタイムを伸ばしたルノーのF.アロンソでした。午前中の走行でトップだったブラウンGPのJ.バトンは,午後はそのタイムを更新することができず,総合で4番手タイムでした。
なお,今季絶好調のブラウンGPですが,今回のスペインGPでは,人気映画『ターミネーター』シリーズの最新作である『ターミネーター・サルべーション』とのコラボレーション契約が成立し,新作映画のイメージが描かれたリアウィングを装着しての走行となっています。
2009/5/8(金)
☆優勝回数で(F1)
○F1に限らずどのカテゴリーでもそうですが,チャンピオンを決定する方法は,そのシーズン内で最も多くのポイントを獲得した者が獲得するというものになっています。この方法は,単に速いだけでなく,年間を通じていかに安定した速さを出すことができたかが鍵となります。ただ,その弊害として,一度も優勝できなくても(一昨年のFNにおける松田次生がそうでしたね。)チャンピオンになれますし,最終戦などでは,確実に必要最低限のポイントを獲得するためスピードを落として走行したりというシーンを見かけたりすることがあります。まあ,これがいいか悪いかは別の話ですが・・・。F1では,今シーズンに入る前に「メダル制」の導入がFIAから提起されていました。これは,年間を通して最も優勝回数の多いドライバーがチャンピオンになるというシステムです。こうすることで,どのドライバーも優勝目指してひたすら走るという効果を生みます。まあ,優勝するかリタイアするか一か八かの走りをすることにもなりかねませんから,安全性の面でどうかはわかりませんが・・・。FIAは今シーズンからの導入を目指していましたが,大きな変更にもかかわらず,いきなりの導入はおかしいというFOTA(参戦しているチームで編成している団体)の反対にあい,導入を見合わせていました。しかし,先週行われたFIAの会合において,このメダル制を来シーズンから導入することが決定しました。今回の決定では,チャンピオンは優勝回数の最も多いドライバーに与えられ,もし同じ優勝回数のドライバーがいた場合は,これまでと同様にポイントを多く獲得したドライバーがチャンピオンということになります。コンストラクタータイトルに関しては,これまで同様にポイント制が採用されます。
2009/5/7(木)
☆復帰か?(F1)
○元スーパーアグリF1の代表である鈴木亜久里氏が,再びF1に復帰するかもしれないということを示唆しました。2006年からオールジャパンのF1チームとして参戦を開始し,佐藤琢磨や山本左近といった日本人ドライバー,そしてホンダエンジンを採用して戦いました。2007年には,琢磨がスペインGPで8位入賞。さらに,カナダGPでは元チャンピオンのF.アロンソを同じく琢磨が抜き去って6位に入り,コンストラクターズポイントでは9位に入るという,全くの新興チームとしては快挙を成し遂げています。残念ながら08年に資金難に陥り,シーズン序盤に撤退せざるを得なくなってしまいました。当時の亜久里氏は,F1へは「もう一度指を突っ込みたくはない」というようなコメントを出していました。しかし,今年に入ってからの経済不況の影響からコスト削減対策が急務となり,FIAは4000万ポンドの予算制限を設定したり,新規参入チームへの資金援助を行ったりするというような対策が明らかになっています。こうしたF1界の状況変化から,「体力的に可能なら,やりたいことは確かだ」として再びF1の世界への興味をほのめかしているようです。来シーズンから13台26台のエントリーを予定していて,今年と比べると3チーム6台分の増加が可能となります。ただし,こうしたコスト削減策を受けて,スーパーアグリだけでなく,USGPE,ローラ,プロドライブ,iスポーツといったチームも新規参入に名乗りを上げていて,この中から抜け出すのがかなり大変そうな状況になっています。
2009/5/6(水)
☆5チーム目(F1)
○今シーズンのレギュレーションの大きな目玉は,何といってもKERS(エネルギー回生システム)でしょう。ブレーキによって発生した電気エネルギーを貯め,その電気エネルギーをエンジンに供給することで一時的に馬力アップがはかられるというものです。F1中継では,画面上に電池のマークがあり,KERSをONにするとマシンの速さが増し,それと共に電池のマークにある赤い部分が減っていく様をみなさん見ているのではないでしょうか。このKERSですが,バーレーンGPではマクラーレン,フェラーリ,ルノー,BMWザウバーの4チーム8台のマシンが搭載していました。そのような中,フォースインディアのV.マルヤがインタビューに答え,7月にニュルブルク・リンクで行われるドイツGPから同チームもKERSを導入することが決定したとのことです。これにより,第9戦からは,5チーム10台のマシンがKERSを搭載することになります。今回導入予定のKERSは,チームオリジナルのものではなく,マクラーレン・メルセデスのシステムです。両チームとの間で既にKERSに関する契約は締結されていて,開幕から導入していたマクラーレンが,ある程度アップデートした段階でフォースインディアは導入することにしたのではないかと思われます。中国GPでは,後一歩でポイント獲得という段階までいったものの,ドライレースでは最後尾争いをしている現実がありますので,今回の決定がこうした状態に少しでも改善が見られるようになるか注目ですね。
2009/5/5(火)
☆接戦(SGT)
○月曜日が決勝レースというゴールデンウィークならではのスケジュールで行われた第3戦の決勝が,富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rが順調にトップの座を守りました。しかし,周回遅れが出始めると後続との差が詰まり,一旦は2位に順位を下げました。ところが,1回目のピットインで再びトップの座に返り咲きました。ここで頑張ったのが,脇坂寿一&A.ロッテラー組のPETRONAS TOM'S SC430でした。ピットインのタイミングを遅らせて速い周回を重ね,同チームが1回目のピットを済ませてコースインした時には,トップに立つことができました。2回目のピットになるまでは大きな順位変動はなく,その2回目のピットのタイミングを迎えました。ここでも速さを見せたのは,ピット作業に定評のあるNISMOでした。2番手でピットに入ったものの,トップのTOM'Sより9秒も速くピット作業を済ませ,GT-Rを再びトップ立たせたのです。2位に5秒以上の差をつけて最終ラップに入ったのですが,何とここで周回遅れに引っかかってしまい,MOTULとTOM'Sとの差が急激に縮まり,最終ラップの最終コーナーで順位の変動が起こりそうなところまで行きました。しかし,何とか本山が逃げ切り,昨年のチャンピオンが今シーズンの初勝利を接戦で飾りました。序盤アクシデントに巻き込まれて順位を下げていたR.ファーマン&伊沢拓也組組のARTA NSXが,順調に順位を上げていき,見事3位表彰台を獲得しました。
GT300クラスは,コーナリングスピードに勝る新田守男&高木真一組のARTA Garaiyaと,ストレートスピードに勝る青木孝行&藤井誠暢組のダイシン アドバン Ferrariとのバトルとなりました。しかし,Garaiyaがトップに立つとFerrariとの差を徐々に広げていき,最終的には10秒以上の大差をつけて今季初優勝を飾りました。3位には,谷口信輝&折目遼組のM' MUTIARA MOTORS 雨宮 SGC7が入っています。
2009/5/4(月)
☆初優勝(MotoGP)
○第3戦スペインGPの決勝が,レースウィークを通して好天に恵まれたヘレス・サーキットで行われました。最高峰のMotoGPクラスは,フィアット・ヤマハのV.ロッシと,母国GPに燃えるレプソル・ホンダのD.ペドロサとのバトルとなりました。しかし,18周目にロッシがトップに出ると差を広げていき,結局2秒以上の差をつけてチェッカーとなり,今季初優勝を飾りました。3位には,このサーキットとの相性が悪く,今まで表彰台を獲得したことのなかったドゥカティのC.ストーナーが入り,自身初となるヘレスでの表彰台を獲得しています。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,一時期9位まで浮上する健闘を見せ,最終的には12位でチェッカーを受けています。レース前までランキングトップだったフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾは,ポールからスタートしたものの,そのスタートで出遅れ,追い上げを敢行しましたが残り4周目のところで転倒を喫してリタイアに終わりました。このため,昨年の王者であるロッシが,ランクトップに躍り出ています。
250ccクラスは,4台によるトップ争いが展開され,スコット・レーシング・チームの青山博一が,最後の最後でトップに浮上し,今季初優勝を飾りました。KTMが同クラスを突然撤退し,一時期はシートを失いかけるというシーズンオフを過ごした青山でしたが,何とかホンダでのシートを確保。そうした苦境を乗り越えての優勝でした。青山の優勝は,2006年のマレーシアGP以来およそ2年ぶりです。2位には,前戦の勝者であるアプリリアのA.バウティスタが入りました。昨年のチャンピオンであるジレラのM.シモンチェリが,怪我を乗り越えて3位に入り,今シーズン初となる表彰台を獲得しています。ホンダの富沢翔也は,12位でフィニッシュして開幕以来3戦連続となるポイントを獲得しています。
125ccクラスは,2番グリッドからスタートしたアプリリアのB.スミスが,ホールショットを奪ってトップに浮上すると,後続との差を広げていって独走で優勝を飾りました。彼にとってはGP50戦目となるレースでしたが,この節目となるレースを自身初となる優勝で飾っています。7台でのバトルとなった2位争いでしたが,ゴールライン直前で前に出たスミスのチームメイトであるS.ガデアが2位争いを制しています。最後の最後で2位の座を奪われたKTMのM.マルケスが3位に入り,自身2回目となる表彰台を獲得しています。アプリリアの中上貴晶は,惜しくもポイント獲得を逃して16位でチェッカーを受けています。ロンシンの小山知良は,ポイント圏内を走行していたものの,残り2周となったところで転倒を喫し,惜しくもリタイアに終わっています。
       
☆2戦連続(SGT)
○ゴールデンウィークで日曜が予選,月曜が決勝といういつもとは違った変則的なスケジュールで開催となる第3戦の予選が,富士スピードウェイで行われました。午前中の行われた予選の段階では,日差しがあったものの,スーパーラップが始まる頃から雲が出始め,気温,路面温度共に下がり始めました。こうした気候の変化がタイヤの暖まりに影響をもたらしたのか,GT500クラスでは2台のGT−Rがアタック中にスピンを喫したり,コースオフを喫したりしました。そのような中,そのニッサンのエースであるMOTUL AUTECH GT-Rの本山哲&B.トレルイエ組が,最後に登場してトップタイムをたたき出し,2戦連続ポールを獲得しています。2番グリッドを獲得したのは,PETRONAS TOM'S SC430を駆る脇坂寿一&A.ロッテラー組でした。スーパーラップにNSX勢の中で唯一進出したARTA NSXのR.ファーマン&伊沢拓也組が,劣勢をはねのけて3番グリッドを獲得しています。
GT300クラスは,最後に登場したARTA Garaiyaの新田守男&高木真一組がトップタイムをマークし,今季初となるポールを獲得しています。ダイシン アドバンFerrariの青木孝行&藤井誠暢組が,2戦連続して2番グリッドからのスタートとなりました。3番グリッドを獲得したのは,ウェッズスポーツIS350を駆る折戸学&片岡龍也組でした。
2009/5/3(日)
☆スペイン人ライダー(MotoGP)
○第3戦スペインGPの予選が,好天に恵まれたヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスの予選ですが,前半は母国GPに燃えるレプソル・ホンダのD.ペドロサがトップタイムでした。しかし,後半になってこちらも母国GPに燃えるフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾがトップタイムを連発し,今季初のポールを獲得しました。彼のポールは,昨年の日本GP以来最高峰クラス通算5回目となります。セカンドグリッドをペドロサが獲得し,スパニッシュライダーによるワンツーとなりました。3番グリッドを獲得したのはこのサーキットを苦手とするドゥカティのC.ストーナーで,ヘレスでは自身初となるフロントローからのスタートとなりました。スコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,前戦日本GPに引き続いて13番グリッドを獲得しています。
250ccクラスは,スペイン人ライダーでアプリリアのマシンを駆るA.デボンが,昨年のフランスGP以来3回目となるポールを獲得しました。2番グリッドは,開幕戦を制しているH.バルベラが獲得し,このクラスもスペイン人ライダーのワンツーでした。3番グリッドは,昨年のチャンピオンでジレラのマシンを駆るM.シモンチェリが,中盤に転倒を喫するというアクシデントを乗り越えて獲得しています。ここまでの2戦全てをフロントローからスタートしてきたスコット・レーシング・チームの青山博一でしたが,今回は6番グリッドからのスタートとなりました。青山と同じくホンダのマシンを駆る富沢翔也は,17番グリッド獲得というリザルトでした。
125ccクラスは,アプリリアのJ.シモンがトップタイムをマークし,開幕戦以来となる今季2回目のポールを獲得しています。彼もスペイン人ライダーですから,3クラス全てスペイン人ライダーがポールということになります。さすが層が厚いスペインという感じですね。2,3番グリッドは,それぞれアプリリアのマシンを駆るB.スミスとA.イアンノーネでした。ロンシンの小山知良は20番手,アプリリアの中上貴晶は21番手でした。
2009/5/2(土)
☆ヨーロッパラウンド(MotoGP)
○カタール,日本と開幕以来ヨーロッパ以外でのレースが続きましたが,今回からしばらく『コンチネンタル・サーカス』と呼ばれるGPにふさわしくヨーロッパ圏でのレースが続きます。そのヨーロッパでの最初のレースとなるのは,ヘレス・サーキットで行われる第3戦スペインGPです。そのスペインGP初日は,各クラスのフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,昨年の王者フィアット・ヤマハのV.ロッシがトップタイムをマークしました。第2戦終了時点でランキング2位につけているロッシですが,ランクトップのJ.ロレンゾとの差はわずか1ポイント。今回のレース次第では,十分トップの座に就くことができます。2番手タイムは,2006年のレースを制しているスズキのL.カピロッシがマークしています。開幕戦の覇者であるドゥカティのC.ストーナーは,ややこのサーキットを苦手としていますが,それでも3番手タイムでした。事前テストでMotoGPマシンを駆ってこのサーキットを走行した経験を持つスコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,トップから2秒遅れの16番手タイムでした。
250ccクラスは,前戦の日本GPを制したアプリリアのA.バウティスタがトップタイムでした。その日本GPで2位表彰台を獲得したスコット・レーシング・チームの青山博一は,コンマ1秒差の2番手タイムでした。3番手タイムを,元125ccクラスチャンピオンであるアプリリアのT.ルティがマークしています。初めてのヨーロッパラウンドとなるルーキーの富沢翔也は,17番手タイムで初日を終えています。
125ccクラスは,アプリリアのB.スミスが初日を制しています。シーズン前のテストで2番手タイムだったスミスだけに,このサーキットとの相性がいいのかもしれません。2番手タイムは,その事前テストでトップタイムをマークしていたアプリリアのJ.シモンでした。3番手タイムをマークしたのは,開幕から2連勝と,理想的なスタートを切っているデルビのA.イアンノーネでした。日本人勢は,かつてスペイン選手権にフル参戦経験を持つアプリリアの中上貴晶が15番手,ロンシンのワークスマシンを駆る小山知良は17番手でした。
        
☆脱落(WRC)
○WRCのレースカレンダーは,24の開催場所を2つに分け,隔年となるローテーションで開催するという方法をとっています。その24カ所の中には,来シーズン開催のグループに入っているロシアとインドネシアが含まれています。どちらもWRC初開催の場所となるのですが,この度FIAから発表があり,その2カ所に関しては開催が不可能となりました。その原因ですが,レース開催ができる体制を整えているかどうかの検査にパスしなかったからです。このため,代替の開催地を選ばないといけませんが,現段階では未定となっています。
2009/5/1(金)
☆無観客レース?(F1)
○フェーズ5へとレベルが上がり,メキシコから他国へと広がってきて世界的に脅威を与えている新型インフルエンザですが,その影響はF1にも波及するかもしれません。来週開幕するのがスペインGPですが,そのスペインのカタルニア地方が,ヨーロッパの中で最も患者が多いところだと報じられています。そして,そうした地域で数万人が集まるイベントを開くことは,インフルエンザの流行に拍車をかけるのではないかという見方が出てきています。そうした見方に対して,ドイツのウラ・シュミット厚生相がそれに同調し,開催に対して見直しを行う必要性があるという趣旨のコメントを発しています。もちろん開催がなくなるということにはならないでしょうが,悪くすると無観客での開催ということに発展するかもしれません。ただ,今日からヘレス・サーキットでMotoGPのスペインGPが開幕しますが,これについてはDORNAが特別な措置はとらないとして通常通りの開催を表明しています。確かに流行には気をつけなければなりませんが,冷静に対応することも必要なことです。しばらく推移を見守る必要がありそうですね。
     
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