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2009/1/31(土) ☆危険回避(F1) ○今シーズン最大の目玉の一つが,KERSと呼ばれるエネルギー回生システムの導入です。簡単に言えば,ブレーキの際に生じるエネルギー等を電気的なものに変え,それを利用してパワーアップを図るというシステムです。ガソリンを使ったパワーアップではないですから,資源節約の面でプラスとなるシステムですが,危険性を秘めているのも事実です。それは,感電という危険性です。実際,昨シーズン終了後に行われたテストにおいて,BMWのメカニックが感電するという事故も発生しています。今シーズン全てのチームが開幕戦からKERSを導入するわけではありませんが,徐々に装着するマシンが増えていくものと思われます。レース中にマシントラブル等が発生した際に登場するのが,各サーキットのコース脇でスタンバイしているコースマーシャルです。いざアクシデントやトラブルが発生した場合,真っ先にそのマシンに駆け寄り,素早い作業でマシンを撤去したり,コースをクリアにしたりしなければなりません。それだけに,マシンに何らかの不具合がある場合,マーシャルたちが真っ先に危険性にさらされる可能性が高いとも言えます。当然KERSによる感電事故にさらされる心配が十分にあります。そこで,FIAのレースディレクターであるC.ホワイティングが,この件についてメディアに語りました。それによると,KERSの状況を示す警告灯のようなものを全車に搭載するようにするようです。また,高電圧を帯びている可能性のある部分には色分けを施し,数千ボルトにも耐える絶縁グローブの使用を義務づけるようです。 |
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2009/1/30(金) ☆引退(JRR) ○長年TSRと共に国内外で活躍した元GPライダーの辻村猛が,現役を引退することを発表しました。1992年に国際A級へ昇格すると同時にTSRに所属し,JRRにフル参戦を開始しました。そして,翌年からTSRと共にWGPの125ccクラスにフル参戦し,1勝を挙げてランキング3位に輝きました。当時の125ccクラスは日本人全盛の頃で,坂田和人,上田昇と共に表彰台の常連にもなっています。その後250ccクラスにステップアップし,1998年までGPを舞台に戦いました。1999年にJRRへ復帰し,ヤマハのワークスライダーとしてスーパーバイククラスにフル参戦しました。2003年に再びTSRに戻り,JSB1000クラスとST600クラスにダブるエントリーするという離れ業を演じました。その後,2004年にST600クラスのチャンピオンを獲得。そして,2006年にはついに伊藤真一とのペアで鈴鹿8耐を制しました。昨シーズンはJSB1000クラスにフル参戦しましたが,今シーズンは再びST600クラスに参戦するものと思われていました。しかし,現在の世界同時不況によるレース環境の悪化,そして,電子制御の進化によるマシンの変化及びそれへの対応等を考慮に入れるとモチベーションの維持が難しかったようです。さらに,家長としての責任にも考えが及んだようで,ついに今回の現役引退を決意するに至りました。今後の辻村ですが,2輪業界とは完全に離れ,一社会人として生きていく道を選んだようです。GPにフル参戦している頃の彼のトレードマークとも言えるコメントが,「ぶちかまします。」でした。レースとは全く違う世界へ身を置くことになった辻村ですが,ぜひ新たな世界でも「ぶちかまして」いってもらいたいと思います。辻村選手,お疲れ様でした! |
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☆支援(JRR) ○ホンダの今シーズンの2輪モータースポーツ参戦体制について,昨日はMotoGPに関する情報をお伝えしましたが,今日はJRRに関する点をお伝えします。昨シーズンは,徳留和樹と手島雄介を擁してJSB1000クラスに『ホンダ・ドリーム』として臨んだHRCでしたが,今シーズンはHRCとして,つまりワークスチームとしての活動をホンダはとりやめています。それに代わって,ホンダのマシンを駆るチーム及びライダーに対してマシンセッティングやライテクなどをアドバイスする「ホンダレーシングファミリー・レーシングサービス」等を実施することになりました。その中のJSB1000クラスでは,昨年GP250クラスでチャンピオンに輝いたバーニングブラッドRTの高橋巧が含まれています。また,昨年のGP125クラスチャンピオンである菊池寛幸も,チーム未定ながら支援が決定しています。昨シーズンまでHRCからJSB1000クラスにフル参戦した手島雄介は,古巣であるTSRに復帰してST600クラスへ参戦します。 今年の目玉は,何と言っても秋吉耕佑でしょう。秋吉といえば長年スズキの開発ライダーとしてJRRマシンはもちろん,MotoGPのマシン開発を行ってきました。最近は表舞台にも登場し,ヨシムラからJRRへフル参戦したり,スズキのワークスチームからMotoGPにワイルドカード参戦したりして活躍していました。2007年には,ヨシムラのマシンを駆って加賀山就臣とのペアで鈴鹿8耐を制しています。その秋吉が,TSRに所属してホンダのマシンを駆ることになったのです。先日,長年ホンダ陣営に所属していた徳留がヨシムラに移籍することをお伝えしましたが,彼とトレードするかのようにスズキの顔の一人である秋吉がホンダ陣営に加わりました。その秋吉ですが,JSB1000クラスの全戦に参加するわけではなく,鈴鹿で行われる第2戦(2&4)と最終戦(MFJ−GP)のスポット参戦となります。さらに,鈴鹿8耐の本戦と,それの前哨戦として行われる鈴鹿300qにも参戦します。 その鈴鹿8耐ですが,ホンダはずっとHRCとして参戦してきました。しかし,今シーズンはHRCとしての参戦を取りやめています。世界同時不況による体制の見直しの一環ともとれるのですが,今シーズンの8耐は,MotoGP及びSBKと日程がバッティングしていますので,これまでのようにGPライダー等を起用しての必勝体制が組めないという現実問題もあったのではないかと私になりに勝手に思っています。ということで,今年のホンダは,TSRとHARC−PROの2チームへワークスマシンを貸与しての参戦となります。06年の8耐を制したTSRですが,今年は秋吉耕佑&伊藤真一という超ベテランライダーペアでの参戦となります。どちらも8耐を制した経験のあるライダーですから,実質的にはホンダ陣営で最も優勝する可能性のあるチームと言えるでしょう。 なお,具体的な支援ライダー及びチームは,以下の表のようになっています。なお,表に示しているのは主なライダーに限定しています。 |
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2009/1/29(木) ☆増加(MotoGP) ○今年GP参戦50周年を迎えるホンダが,今シーズンの2輪モータースポーツ参戦体制を発表しました。今日はMotoGPに関して,明日はJRRに関してお伝えします。 F1を撤退したホンダですが,MotoGPに関しては縮小傾向に歯止めがかかっていると言っていいでしょう。まず最高峰のMotoGPクラスですが,昨シーズンと同様4チーム6人のライダーにRC212Vが供給されます。昨シーズンは2チーム2人のライダーにワークスマシンであるRS250Wを供給した250ccクラスですが,今シーズンは2チーム3人にRS250Wを供給することになりました。さらに,それにプラスして,2チーム3人のライダーが,市販マシンのRS250を駆って参戦することになりました。このクラスは来シーズンで廃止となり,2011年からは600ccのプロトタイプマシンで争われるMoto2というクラスとなります。まさに最後の輝きを放とうとしているクラスですが,ホンダは参戦マシンを増加させるという形で臨むことになります。今季KTMがこのクラスから撤退することになってしまい,実質上アプリリアのワンメーク(ご存知のように,昨年のチャンピオンマシンであるジレラは,ブランド名が違うだけで,アプリリアのマシンであることに変わりはありません。)という様相になる可能性のあったこのクラスですから,もしかしたらそのことがホンダ車の増加という形を生み出すのに影響したかもしれませんね。なお,両クラスの具体的なライダー名等は,以下の表のようになっています。 |
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☆最短時間(F1) ○危険を伴うアクシデントが発生してセーフティーカー導入となった時,ピットレーンクローズに伴うピットインのタイミングが非常に大きな課題となっていました。この点に関して,ルールが変更となることが明らかとなりました。昨シーズンは,セーフティーカー導入に伴いピットレーンは一定の時間クローズとなり,これに違反するとパネルティーが科せられていました。これは,ピットインを急ぐあまりアクシデントの現場であるイエロー区間を高速で通過することを防ぐためでした。しかし,たまたま給油のタイミングだったマシンが,ピットレーンクローズになってしまったらどうなるのか等いくつかの問題があったことも事実です。そこで,FIAは,セーフティーカーのルールについて新しいソフトウェアのテストが成功したことを受け,今シーズンからルールを変更することを発表しました。この新しいソフトウェアは,セーフティーカー出動時の最大速度などをドライバーに伝えることが可能となっています。FIAのレースディレクターを務めるC.ホワイティングによると,これまでとの違いは,ピットに戻る際の時間を最小限にする機械を使用するようになったことだそうです。セーフティーカーがコースに出た際は全てのクルマにメッセージが表示され,ECUがセーフティーカーモードになります。メッセージが出されるのと同時に,セーフティーカーがサーキットのどこにいるのかがわかるようになって,ピットに戻るまでの最短時間を計算します。ドライバーはこれを尊重しなければならず,この情報がダッシュボードに表示される予定になっています。このシステムは,昨シーズン既に各チームがテストをしていたようですので,それほど混乱なく導入されていくのかもしれません。 |
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2009/1/22(木) ☆移籍(JRR) ○先日,国内で最も歴史のあるプライベートチームの一つであるヨシムラが,今シーズンの体制を発表しました。それによると,昨シーズンまではJSB1000クラスに2台体制で臨んでいましたが,今シーズンはエースライダーである酒井大作1台だけのエントリーとなりました。ただ,JRRだけでなく,鈴鹿300qや鈴鹿8耐にも当然エントリーしますが,その時はもう一人ライダーが必要となります。そのライダーには,何と昨シーズンはHRCからフル参戦していた徳留和樹が起用されることになりました。徳留といえば,チーム高武に所属して以来ずっとホンダのマシンを駆ってエリア選手権やJRRにフル参戦してきました。今シーズンも,当然HRCから参戦するものと思われていただけに,まさに電撃移籍といった感じです。徳留にとっては,新しいチーム,そして初のスズキのマシンということになる訳で,まさに心機一転といったところでしょう。ただ,わずか2戦しか参戦しないわけで,徳留ファンにはやや淋しい印象はぬぐえないのかもしれません。 |
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2009/1/21(水) ☆長年の(F1) ○BMWザウバーは,20日にバレンシアにおいて今季型マシンであるF1.09を発表しました。ザウバーのマシンも,ノーズ及びフロントウィングは高くて横幅が広く,リアウィングは横幅が狭くて高さが高いということしのレギュレーションの特徴のままとなっています。ドライバーに関しては,昨シーズンと変わりなく,レギュラードライバーがR.クビサとN.ハイドフェルド,テスト&リザーブドライバーがC.クリエンとなっています。昨シーズンは,フェラーリ&マクラーレンの2強に肉薄するという活躍を見せたザウバーだけに,今シーズンはその2強の牙城をどこまで壊すことができるのかが注目と言えます。ところで,今シーズンのマシンと昨シーズンまでのマシンの大きな違いは,レギュレーションにかかわる部分だけではありません。スポンサーについても,大きな変化がありました。同チームの前身であるザウバーの時からスポンサーになっていたスイスの金融関連会社である『クレディ・スイス』が,そのスポンサー活動を終了することになりました。ザウバーとクレディ・スイスは,2001年から契約が始まり,BMWの手にチームが渡った2005年以降もその関係は続いていました。8年間に及ぶ長期期間でしたから,ザウバーにはクレディ・スイスというイメージがすっかりできているほどでした。クレディ・スイス側の発表によると,今後は国際的スポーツ活動へのスポンサーシップはやめ,地域イベントや美術や音楽といった文化団体への支援をしていくことになったようです。 |
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2009/1/20(火) ☆初優勝(ダカール) ○1月3日にスタートした『ダカール・ラリー』が,17日にゴールを迎えました。一昨年までは,その名前が示すようにアフリカを中心に行われていたダカール・ラリーですが,昨年は開催地の政情不安から安全が確保できないということで,直前になって中止となってしまいました。今シーズンは,名称はそのままに,舞台を南アフリカのアルゼンチンやチリに移して開催されました。4輪部門で一番の注目は,8連覇を目指している三菱に対して,他のメーカーがそれを阻止できるかという点でした。実際に蓋を開けてみると,これまでのパジェロに替わって新型車である『レーシング・ランサー』を投入した三菱は,初日から増岡浩がリタイアするということに象徴されるように,不調なレースが続きました。それに対して好調な走りを見せたのが,『レース・トゥアレグ』を投入しているフォルクス・ワーゲン(VW)勢でした。元WRCチャンピオンのC.サインツをエースドライバーに据え,初日から好調な走りを展開していきました。終盤にそれまでトップに立ったサインツがリタイアするという不運はあったものの,全14日間の内12日間を暫定首位を押さえるという圧倒的な強さを見せ,最終的にG.ドゥ.ビリエが自身初となる勝利を収めました。この勝利は,ディーゼル車によるダカール初制覇でもあります。VWにとっては,1980年に初出場初優勝をマークして以来の勝利となります。最後まで苦戦のレースを続けた三菱は,ワークスチーム4名のドライバーの内3名がリタイアとなり,唯一完走したJ.ナニ.ロマは10位に終わっています。 なお,2輪部門を制したのは,KTMを駆るM.コマでした。最近はロードレースにも力を入れているKTMですが,やはり数々の実績を残しているオフロードでの強さは相変わらずで,今回の場合,トップ10の内8台はKTMが占めています。 |
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☆新車発表(F1) ○テスト走行が行われているポルトガルのアルガルベ・モーター・パークにおいて,2つのチームが今季型マシンを発表しました。まず一つ目は,F.アロンソを再び獲得して復活を果たしたルノーです。同チームのニューマシンであるR29は,新しいスポンサーであるフランスの石油会社『TOTAL』のロゴが入ったため,昨年までと部分的に違ったカラーリングとなっています。ただし,新しいレギュレーションに則って製造された今回のマシンは,現段階では「暫定版」のようです。 もう一つのチームは,昨シーズンからトヨタエンジンユーザーとなったウィリアムズです。今季型マシンであるFW31は,こちらも当然新しいレギュレーションに則っていて,極太のノーズが特徴の一つとなっています。この日披露されたマシンは,冬季期間限定である濃紺のカラーリングが施されています。今後今年のカラーリングが施されたマシンが公開されることになるのでしょうが,昨年に比べてスポンサーに変化が生じていることから,新たなカラーリングになるのかもしれません。 |
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2009/1/19(月) ☆エンジン(F1) ○ホンダのF1撤退により,チームの売却先を見つけている最中ですが,その中で課題となる点の一つがエンジンに関してです。ホンダがエンジン供給という形だけでもF1に留まれば問題ないのですが,既にそうした中途半端な形でF1に残ることは否定しています。全く新規のエンジン供給先を見つけるというのは,現実的には不可能でしょうから,現在F1に参入している中から見つける必要があります。そこでまず最初に候補として挙がったのが,チーム・プリンシパルを務めるR.ブラウンが以前所属していたフェラーリです。M.シューマッハとともにフェラーリに数々の栄光をもたらしたブラウンですから,いまだにフェラーリとのつながりがあります。それだけに,ブラウンが一番頼みやすく,しかも勝てるエンジンの一つですから,真っ先に候補に挙がっても不思議ではありません。しかし,フェラーリの代表を務めるS.ドメニカリが,「ホンダへのエンジン供給の可能性はゼロに近い」というコメントを出したことにより,この噂は消えてしまいました。次に噂に上ったのが,昨年のチャンピオンエンジンであるメルセデスでした。しかも,先週マクラーレン・メルセデスの発表会を行った時の記者会見で,この点に関する質問が出たのですが,メルセデス・ベンツ・モータースポーツ副社長を務めるN.ハウグが,メルセデスがエンジンを供給することは構わないのではないかと答えましたので,単なる噂ではなく,実現可能なことだと考えていいのでしょう。開幕戦のスターティングリッドに立つには,できるだけ今月中に売却先を見つける必要性があります。エンジン供給先がありそうなことは,売却交渉を進める上でプラスになるといいですね。 |
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2009/1/18(日) ☆新車&退任(F1) ○今季型マシンについては,既にフェラーリとトヨタがお披露目を済ませていますが,16日(金)には,ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスがイギリスのウォーキングにある本拠地において発表会を開きました。これまでにもお伝えしてきたように,レギュレーションの大幅変更により,マクラーレンの新型マシンMP4−24も昨年型マシンと大きくスタイリングが変わっています。ただし,レギュラードライバーにしてもテストドライバーにしても,どちらも昨年と全く同じ布陣で臨みます。 この発表会において,チームそのものの体制が変わることが発表されました。それは,1981年シーズン以来ずっとチーム代表を務め,マクラーレンの栄光の歴史を築いてきたR.デニスが退任し,彼に代わって昨年までのナンバー2だった現CEOであるM.ウィットマーシュが今シーズンからチーム代表を務めることになりました。デニスについては,スパイ事件やF.アロンソとの確執が話題となった07年シーズン頃から引退するのではないかという噂が頻繁に出ていました。昨シーズンも離婚というプライベートな問題等もあって,その噂は影を潜めることがありませんでした。今回の発表によると,あくまでもチーム代表を退任するだけで,F1とのかかわりそのものからの引退というものではありません。今シーズンからは,マクラーレングループの他の分野に重点を置くことになるようです。昨年までのようにF1の現場で常に陣頭指揮を執っているデニスの姿を見ることはなくなりますが,時々サーキットに姿を見せることはあるようです。 |
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2009/1/17(土) ☆発表(F1) ○ホンダのF1撤退に伴い,ジャパンパワーで唯一の存在となったパナソニック・トヨタF1チームが,15日に今季型マシンであるTF109の発表を行いました。ただし,どこかの会場を借り,大勢の関係者やプレスを招いてという通常の発表会と違い,同社も撤退が噂されるほど赤字が予想される中ですので,経費削減からWEB上だけでの発表となりました。大幅な変更となったレギュレーションに伴い,TF109もフロントウィングは横幅が長くなり,1段構えとなっています。それに対してリアウィングは,横幅が狭くて高さのあるものとなっています。また,昨シーズンまでサイドポンツーン周辺にあった様々な空力デバイスが禁止されたため,すっきりしたものとなっています。表彰台は獲得できているものの,いまだにその頂点には立ったことのないトヨタだけに,このマシンを駆って今季こそはまず1勝を挙げることが大きな目標と言えます。 今回の発表と同時に,タイトルスポンサーについても発表がありました。チーム名が示すように,トヨタのタイトルスポンサーは,日本を代表する電機関連メーカーである『パナソニック株式会社』がついています。トヨタとパナソニックという超巨大企業のコラボレーションですが,そのタッグは今シーズンまでの契約が既に結ばれていました。今回発表された契約は,2010年から2012年までの3年間の延長というものでした。世界的な不況のまっただ中,我が国のモータースポーツは,まるで伝染病に冒されたかのように大幅な縮小傾向にあります。両社共に大幅な赤字が予想される中での契約延長ですが,こうした悪い流れを断ち切るためにも,ぜひ大きな成果が残せるよう頑張ってもらいたいものですね。 |
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☆テスト開始(MotoGP) ○先日,今シーズンの参戦を見合わせることを発表したカワサキですが,2日間にわたる今季型マシンのテストを始めました。カワサキのホームコースであるオートポリスで開発作業を行うのが通常ですが,同地は今まさに厳冬下にありますので,今回のテスト走行はオーストラリアのイースタンクリークにおいて行われています。今回は,テストライダーであるO.ジャックと芹沢多麻樹の2人が参加し,08年型と09年型の両方を持ち込んで開発走行をしています。今シーズンの撤退を発表したカワサキではありますが,MotoGPの運営会社であるDORNA社との間で,プライベートチームへのマシン供給という形でカワサキがMotoGPに残ることを話し合っている最中です。状況的に厳しい中ではありますが,何らかの形でMotoGPに残ることは,今後のカワサキにとって決してマイナスにはならないはずですから,順調なる話し合いと開発作業が進むといいですね。 |
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2009/1/16(金) ☆プレイングマネージャー(JRR) ○元GPライダーで,現在はJRRに参戦している2人のライダーが,今シーズンの参戦体制について発表しました。まず1人目は,一昨年のGP250クラスチャンピオンである宇井陽一です。昨シーズンは高橋巧にチャンピオンの座を奪われましたが,今シーズンもチャンピオン奪還を目指して同クラスに参戦します。ただし,昨シーズンまでとの違いがあり,GP125クラスとのダブルエントリーとなることが決まりました。彼がこのクラスに参戦するのは,チャンピオンを獲得した1995年以来14年ぶりとなります。また,もう一つの違いがあり,それはチーム(プロテック)自体は変わらないものの,宇井自身がチーム代表となったことです。なお,マシンは,これまでと同様にヤマハ(TZ250とTZ125)を使用します。 2人目は,2001年のGP250クラスチャンピオンである関口太郎です。2007年まではMotoGPの250ccクラスを中心に戦ってきたものの,昨シーズンからJRRに復帰し,GP250クラスに参戦しました。今シーズンの関口は,クラスをST600に変え,しかも自チームを立ち上げての参戦となります。ただし,TEAM PLUS ONEとのジョイントという形をとりますので,チーム名は「Team TARO&プラスワン」となります。JRRにおける関口と言えばヤマハというイメージが強いですが,新しいチームではホンダのCBR600RRを使用することになりました。なお,メインスポンサーについては,まだ見つかっていないようです。 今日お伝えした2人は,どちらもライダーとしてだけでなく,チーム自体の中心人物ですので,いわゆるプレイングマネージャーとして参戦することとなります。これまでは,走りで一つの結果を出せばよかったわけですが,これからはチーム全体のことも考えなければならなくなります。このような中で果たしてベテランライダーがどのような結果を出していくのか,非常に興味がわくところですね。 |
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2009/1/15(木) ☆開催地変更(MotoGP) ○近年のイギリスGPは,ずっとドニントンパーク・サーキットで行われてきていましたし,今シーズンも同サーキットでの開催が予定されています。しかし,MotoGPを運営するDORNA社から発表があり,シルバーストーン・サーキットとの間で2010年からの5年間イギリスGPを開催することで合意されました。同サーキットは,1977年から1986年までの10年間にわたってイギリスGPを開催した経験がありますので,24年ぶりに2輪の最高峰レースが行われることになります。また,シルバーストーンは,SBKの開催地でもありますから,2輪の世界選手権のメッカになってきていると言えるのかもしれません。ところで,2010年からと言えば,F1は逆に同年にはシルバーストーンに代わってドニントンパークがイギリスGPを開催することになっています。2輪の最高峰と4輪の最高峰の開催が,偶然からもしれませんが,ちょうど入れ替わる形となっています。本当に「偶然」なのかは,私には分からないのですけどね。 |
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2009/1/14(水) ☆先陣(F1) ○スクーデリア・フェラーリが,先陣を切って今季型マシンのお披露目&初走行を12日に行いました。これまでのフェラーリのマシン名は,頭にFがつき,その後にその年の数が入っていましたので,今季型マシンは「F2009」となるだろうと予想されていました。しかし,今シーズンがF1に参戦を開始してちょうど60周年というメモリアルイヤーにフェラーリがなりますので,そのことから「F60」というマシン名になっています。そのF60ですが,今シーズンから空力に関するレギュレーションが大幅に変わっていますので,当然それに則ったマシン作りがなされています。フロントウィングに関しては,横に広がっていて,昨シーズンのような2段になったものではなく,1段になっています。リアウィングに関しても,昨年までのような大きなものではなく,幅は短く,高さが高くなっています。また,昨年まではサイドポンツーン辺りにもいろいろな空力パーツがついていましたが,新レギュレーションでそれらは禁止となったため,見た目非常にすっきりとしたものになっています。ミラーの取り付け位置も変更されていて,サイドポンツーンの前端にあるバージボードのところに取り付けられています。今シーズンの目玉であるKERS(エネルギー回生システム)は,マネッティ・マレリー社との共同開発で作製され,リアエンドの底の部分に搭載されています。初走行は,昨年惜しくもチャンピオンの座に着くことのできなかったF.マッサが担当し,KERSを使ったりしておよそ100q走り込んだようです。 |
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2009/1/13(火) ☆変更&一時休止(SGT) ○GT300クラスに1998年から参戦しているaprは,ここ数年ずっとトヨタのMR−Sを使ってきていて,その中で3回にわたってシリーズチャンピオンを獲得しました。しかし,11日まで千葉の幕張メッセで開かれていた『東京オートサロン』の会場において,今シーズンから使用することになったカローラ・アクシオをお披露目しました。そのマシンには,V型6気筒3.5gである2GRエンジンを搭載します。ドライバーに関しては,現段階ではまだ未定とのことです。ただ,このチームは,これまで中嶋一貴をはじめ,大嶋和也,国本京佑といったトヨタが支援するヤングドライバーをずっと起用してきた経緯がありますので,恐らくその方向で話が進んでいるものと思われます。 また,クスコ・レーシングという形でGT300クラスに参戦してきた『株式会社キャロッセ』より先週発表があり,今シーズンからSGTへの参戦を一時休止することになりました。1997年の最終戦から参戦を開始しましたが,その間レガシーやインプレッサといったスバル車を走らせてきました。思うような成績が収められないレースが続いたものの,昨年はずっと開発を続けてきたインプレッサを駆り,4輪駆動車でシリーズ史上初となる勝利を収めるという快挙を成し遂げました。今後は,キャロッセの原点であるラリー活動に主軸を置くことになります。 |
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2009/1/12(月) ☆断念(F1) ○ホンダのF1撤退を受け,チームの売却先がどこになるのかがずっと注目点となっていました。いくつか具体的な名前が挙がっていますが,その中での有力候補の一つが,D.リチャーズ率いるプロドライブでした。長年スバルと組んでWRCで実績を残してきた同チームですが,そのスバルがWRCから撤退することになってしまいました。ということは,プロドライブの主たる活動の場がなくなってしまったわけですから,より一層買収してF1に主軸を移すのではないかという見方が強まっていました。ところが,リチャーズ自身が買収に関してコメントを出し,まず買収に動いていたことを認めました。しかし,現在のような経済状況のため,継続的な活動を組むのが非常に厳しいとの見方を示し,買収から撤退したことをほのめかしました。ホンダ・レーシングF1のCEOであるN.フライの発表によれば,現段階で12の買い手候補がいるとのことですから,プロドライブが断念したとしてもまだ何とかなる可能性がありそうです。噂によれば,その12の買い手候補の中にCEOであるフライ自身も含まれているのではないかとのこと。その噂によれば,ホンダがフライに対して当面の資金を投じて支援するのではという見方があるようです。こればっかりは噂の域を出ませんので,購入先がはっきりするまで,今しばらくはかかりそうな気配ですね。 |
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2009/1/11(日) ☆一人決定(F1) ○唯一年が明けるまでドライバーの発表が行われず,いろいろな名前が噂として挙がっていたスクーデリア・トロロッソですが,ようやく2つの内の1つのシートが確定しました。そのシートを獲得したのは,レッドブルの支援をずっと受けていることから最有力候補と言われていたS.ブエミです。20歳のスイス人ドライバーである彼は,昨シーズンGP2シリーズにフル参戦し,2勝を挙げてランキング6位でシーズンを終えていました。その一方でレッドブル・レーシングのテストドライバーも務めていました。今回の発表により,F1の残るシートは今回も発表のなかった同チームのあと一つのシートとなりました。これについてもいろいろな名前が挙がっていますが,その最有力候補が佐藤琢磨です。「シート獲得のためには,スポンサーマネーをどれくらい持ち込むことができるかが鍵」と言われていますが,現在のような経済状況なだけにとても気がかりです。チームのコメントによると,「このシートについては開幕戦までには明らかとなる」というようなノンビリとした内容でしたから,正式発表までまだしばらく待たされることになりそうです。 |
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2009/1/10(土) ☆可能性(MotoGP) ○世界同時不況の影響を受け,ホンダがF1から,スバルやスズキがWRCから撤退や活動休止をするという状況となってしまい,ただでさえマイナーな存在である我が国のモータースポーツが,さらに縮小傾向になってしまっています。その上,既に噂には上っていたものの,カワサキがMotoGPでの活動を休止することが公式に発表されました。今回の発表によると,MotoGPでの活動は休止するものの,市販車ベースのレースは今後も継続するとのことでした。つまり,SBKやJRR等については,活動継続と考えていいでしょう。MotoGPにおける活動休止の背景には,もちろん不況による売り上げ減が一番の原因でしょう。しかし,ここ数年の成績不振が,それに追い打ちをかけていることも否定できないと思われます。ただ,MotoGPでの活動に関して,全くの活動休止とならない可能性があるのも事実です。昨シーズン末に噂となっていたことの中に,ワークスチームの2台に加え,3台目のマシンをプライベートチームに供給するのではないかと言うことがありました。その3台目のマシンの供給先となっていたのが,中・軽量級クラスで実績を残し,スペインの英雄であるJ.マルチネスが所有するチーム・アスパーでした。ただ,この話はスポンサーの関係等があって実現には至っていませんでした。ところが,今回の発表を受け,状況に変化が現れているのも事実のようです。MotoGPを運営するのがDORNA社ですが,最高峰クラスの参戦マシン減というのは同社にとっても何としても避けたいことでしょうし,そのDORNA社はスペインの会社です。現在,DORNAやチーム・アスパー,そしてカワサキとの間で何らかの話し合いが行われているものと思われます。もしこの話がうまくまとまれば,ワークスでの活動は休止となっても,プライベートチームへのマシン供給という形でカワサキのマシンが残ることになります。状況が状況だけに,そんなに簡単な話ではないかもしれませんが,何とかうまくといいですね。これを願っているのは,レースファンはもちろんでしょうが,何と言っても既にカワサキとの契約が成立していたJ.ホプキンスとM.メランドリの両ライダーであるのかもしれませんね。というのも,当然アスパーに対して2台のマシンを供給するとなれば,両ライダーが起用されるのは間違いないでしょうしね。 |
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