トップ > 4月の最新ニュース
     
1月分へ 2月分へ 3月分へ
2009/4/30(木)
☆ペナルティ(F1)
○オーストラリアGPにおいて,セーフティーカー先導中に起こったL.ハミルトンとJ.トゥルーリの追い越しに関する違反に関して,ハミルトンとチームであるマクラーレン・メルセデスが偽証を行うという合ってはならないできごとがありました。この件に関してFIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)において審議が行われ,マクラーレンに対して処分が下されました。その処分内容ですが,3戦の出場停止です。ただし,12ヶ月の執行猶予がついていて,今後マクラーレンはFIAの監視下におかれることになります。もしこの12ヶ月の間に,この件に関する新たな証拠が見つかったり,さらなるインターナショナル・スポーティングコードに違反するような行為を行った場合,3戦出場停止処分が実行されることになります。中心人物は一人とは言え,チームぐるみの偽証を行ったわけですから,もっと厳しい処分が予想されていたところもありましたが,比較的緩やかな処分と言えるのではないでしょうか。
2009/4/29(水)
☆黄信号(F1)
○今シーズンまでイギリスGPはシルバーストーン・サーキットで行われますが,来シーズンから10年間にわたってドニントンパーク・サーキットに開催地を移すことが既に決定しています。ただし,この開催には,F1の開催基準を満たすための改修工事を行うことが条件となっています。さて,開催地がドニントンに移ることになったのは,同サーキットの管理者であるドニントン・ベンチャーズ・レジャーLtdの代表を務めるS.ジレットがF1側との話をまとめあげたからです。ところが,そのジレットに対して,同サーキットのオーナーであるウィートクロフト・サン社が,サーキットの賃貸料が未払いだとして,その賃貸料247万ポンドの支払いと,150年間にわたるサーキットリースの取り消しを求める訴訟を起こしたのです。もしサーキット所有者側が勝利すると,1億ポンドほどかかると言われている改修工事が事実上不可能になります。さらに,同サーキットのあるノースウェスト・レスタ―シャー州議会は,ジレットが契約に規定されている輸送管理計画を準備していないということから,再開発計画承認を取り消すという考えがあることが明らかとなりました。もし期限である5月5日までに契約が履行されないと,ジレットに対して工事の取り消し又は中止を求める訴訟を起こす可能性もあるようです。こうした相次ぐトラブルにより,来シーズンからの開催に黄信号が灯ったと言えます。実際,F1界のボスであるB.エクレストンは,シルバーストーンに開催復帰の可能性があることを明らかにしています。もしかしたら,黄信号とは言っても赤にかなり近い黄信号なのかもしれませんね。
2009/4/28(火)
☆2人で(SBK)
○第4戦オランダ大会の決勝レースが,アッセン・サーキットで行われました。レース1では,ヤマハのB.スピーズとドゥカティの芳賀紀行との間でトップ争いが展開されました。終盤になって芳賀がトップを走行していましたが,最終ラップにスピーズが芳賀を逆転し,今季4勝目をポールトゥーウィンで飾りました。3位には,今シーズンのホンダ勢の中で一番好成績を収めているL.ハスラムが入っています。そのホンダ勢の一人である清成龍一は,何とかポイント圏内である15位でチェッカーを受けています。カワサキの玉田誠は,完走を果たしたものの,ポイント圏外の17位でした。アプリリアの中野真矢とスズキの加賀山就臣は,転倒リタイアに終わっています。
レース2も芳賀とスピーズとの争いとなりましたが,スピーズが途中で転倒を喫してリタイアとなりました。単独走行となった芳賀は,安定した速さを見せてトップを快走し,今季4勝目を挙げました。ここまで4戦8レースが行われましたが,芳賀はその内の半分に勝利(残りの半分はスピーズが勝利し,2人で分け合う形となっています。)し,残りの半分は2位表彰台と安定した成績を収めていて,ランキング争いでは,2位のスピーズに40ポイントの差をつけて独走状態になっています。レース1で3位だったハスラムが,レース2では2位に入っています。これにより,ホンダ勢としてはトップとなるランキング3位に浮上しました。3位でチェッカーを受けたのは,ドゥカティのJ.シュムルツでした。日本人勢ですが,スズキの加賀山就臣が12位に入ってポイントを獲得したものの,玉田誠と清成龍一はリタイアに終わっています。また,レース1で転倒を喫した中野真矢は,レース2の走行をキャンセルしています。
併催で行われているWSSは,ホンダのE.ラバティ,ヤマハのC.クラッチロー,カワサキのJ.ラスコルツの3人が僅差のバトルを展開し,ラバティが今季2回目のトップチェッカーを受けました。ランキング争いでは,今回2位に入ったクラッチローがラバティに6ポイント差をつけてトップの座を守っています。唯一のフル参戦ライダーであるカワサキの藤原克昭は,14位完走でポイントを獲得しています。
2009/4/26(月)
☆復活(MotoGP)
○第2戦日本GPの決勝レースが,4万人以上の観衆を集めてツインリンクもてぎで行われました。朝の時点では雨が降っていたものの,決勝レースを迎える頃には雨も上がってドライコンディションの中で行われました。予選が中止になったため,フリー走行の結果でグリッドが決まり,フィアット・ヤマハのV.ロッシがポールからスタートしました。序盤は,ポールから好スタートを切ったロッシがトップでしたが,中盤にチームメイトのJ.ロレンゾに交わされて2位に。ロレンゾは,終盤ロッシとの差が詰まったものの,難なくその追撃を交わし今季初優勝を飾りました。この優勝により,ロレンゾがランキングトップに躍り出ています。3位には,11番グリッドからのスタートでしたが,ロケットスタートを決めたレプソル・ホンダのD.ペドロサが入りました。まだ怪我が十分には癒えていないペドロサだけに,見事な復活劇と言えそうです。もう一つの復活劇は,ハヤテ・レーシングのM.メランドリでしょう。カワサキの撤退から一時期はシートを失い,何とかプライベーターという形でカワサキのマシンを駆って参戦までこぎ着けるという状況の中,開発もままならない状況の中で6位入賞はたいしたものです。母国GPに燃えるスコット・レーシング・チームの高橋裕紀でしたが,オープニングラップでドゥカティのN.ヘイデンに追突してしまい,転倒リタイアに終わっています。
250ccクラスは,トップを独走していた昨年のチャンピオンで今回のポールシッターでもあるジレラのM.シモンチェリが,タイヤトラブルにより後退。代わってスコット・レーシング・チームの青山博一がトップに出て会場を沸かせましたが,残り5周となったところでアプリリアのA.バウティスタに交わされてしまいました。2人の順位は入れ替わることなく,青山は惜しくも2位となりました。KTMの撤退によりシート喪失の危機に陥った青山だけに,この表彰台獲得はその苦労へのご褒美かもしれません。3位には,アプリリアのM.パッシーニが入っています。ワイルドカード参戦の青山周平が,大健闘の6位入賞を果たしています。GPでのシートを失い,昨シーズンはSBKに戦いの場を移したものの,そこでも悲惨な成績しか上げることができず,ついに今シーズンはいずれのシートも獲得することができませんでした。HARC−PROなど周囲の人々の協力があって今回のワイルドカード参戦となったわけですが,そこで見事結果を出したわけですから,周平の復活劇という感じです。今回の走りでどこかのチームから声がかかるような状況になるといいですね。なお,フル参戦ライダーの富沢翔也は,10位に入ってポイントを獲得しています。もう一人のワイルドカードライダーである渡辺一樹が14位に入り,彼もポイントを獲得しています。
125ccクラスは,前戦で勝利したアプリリアのA.イアンノーネが,残り3ラップでトップに浮上し,見事2連勝を収めました。2位,3位には,それぞれアプリリアのJ.シモンとデルビのP.エスパロガロが入っています。健闘したのは,今季ロンシンのマシンを駆ってフル参戦している小山知良でしょう。ワークスチームとはいえ,戦闘力の劣るマシンで大変な苦労をしていますが,昨シーズン型のエンジンに載せ替えて今回のレースに出場し,見事12位に入ってポイントを獲得しています。もう一人のフル参戦ライダーである中上貴晶は,一時期7位を走行するという健闘を見せたものの,最終的には20位でチェッカーとなっています。ワイルドカード参戦組ですが,柳沢祐一はトップと同一ラップの24位でしたが,岩田裕臣,鎌田悟,大金佑輝の3人は,それぞれ周回遅れの27,28,29位でした。矢作雄馬は,リタイアに終わっています。
       
☆タイヤ選択(F1)
○第4戦バーレーンGPの決勝レースが,週末を通して好天に恵まれたバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。トヨタが予選でフロントローを独占したため,トヨタの初優勝の期待がかかったこのレースでしたが,序盤はその期待通りトヨタのワンツー体制が築かれていました。少ない燃料でスタートを切って序盤から逃げを打ち,早めに1日目のピットをすませようという作戦のトヨタでしたが,1回目のピット作業まではうまくいっていました。しかし,他のチームがソフト又はスーパーソフトのタイヤを選択したのに対して,トヨタはハード側のミディアムタイヤを選択。これがトヨタにとって裏目に出てしまい,順位を少しずつ下げていくという結果になってしまいました。それでも,トゥルーリに関しては,何とか2位を走行したものの,グロックに至っては表彰台争いから大きく後退してしまいました。代わってトップに立ったのは,ここまで全戦表彰台に立っているブラウンGPのJ.バトンでした。バトンはトップに立つと後続との差をどんどん広げていき,独走態勢へともっていきました。2位争いは,前を行くトゥルーリと,前戦の覇者であるレッドブルのS.ベッテルとの争いとなりました。トゥルーリが2回目のピット作業を済ませる頃に猛烈なプッシュをし,その甲斐あってベッテルが2回目のピット作業を済ませてコースインする時に見事トゥルーリの前での復帰となりました。結局,バトンがシーズン3回目となる勝利を収め,2位にベッテル,3位にトゥルーリという結果でレースを終えました。第3戦まで1ポイントも獲得できていない極度の不振に陥っているフェラーリ勢ですが,今回K.ライコネンが6位に入って,4戦目にしてようやくポイント獲得となりました。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,なかなか上位に顔を出すことなく走行を続けていましたが,50周を過ぎたところでピットインし,そのままリタイアとなりました。どうやら技術系のトラブルがあったようです。トヨタエンジンユーザーは好調なレースを続けていますが,どうにも中嶋にはその流れが訪れてこない状況が続いています。
2009/4/26(日)
☆初独占(F1)
○第4戦バーレーンGPの予選が行われ,トヨタのJ.トゥルーリが自身2005年のアメリカGP以来となる今季初ポールを獲得しました。トゥルーリにとって久々のポールですが,トヨタにとっても2005年の日本GP以来となる久々のポールです。しかも,2番グリッドをチームメイトのT.グロックが獲得し,トヨタがフロントローを独占しました。これは,トヨタにとって初となる快挙です。今シーズンの結果次第では,来シーズン以降F1への参戦が厳しくなるのではないかと言われているトヨタですが,そうした背水の陣がいい効果を現しているのか,1戦ごとに初勝利への期待が高まるリザルトを今シーズン残してきています。フロントロー独占ですから,今回は否が応でもその期待がさらに高まりますね。次に,3番グリッドを獲得したのは,前戦でポールトゥーフィニッシュを収めたレッドブルのS.ベッテルでした。ここまで全戦表彰台に立っているブラウンGPのJ.バトンは,4番グリッドから決勝スタートとなります。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,残念ながら今回もQ3への進出がならず,12番手タイムで予選を終えています。Q3進出がならなかったとは言え,チームメイトのN.ロズベルグには新型のリアウィングが今回装着されたものの,中嶋はこれまでのものと変わっていません。にもかかわらず,それほどロズベルグとタイム差がありませんから,比較的健闘したという見方もできます。なお,予選16番手タイムをマークしたフォースインディアのA.スーティルですが,Q1の走行中他車の走行を妨害したということから3グリッド降格処分を受けています。
      
☆キャンセル(MotoGP)
○第2戦日本GPの予選が行われる予定でしたが,午前中のフリー走行はできたものの,125ccクラスの予選が始まる前頃から激しい雨に見舞われてしまい,コースのあちらこちらに川ができるという厳しいコンディションとなってしまいました。関係者が雨の中いろいろ対策を講じたものの,激しい雨に勝つことができず,危険を回避するため全てのクラスの予選がキャンセルとなってしまいました。それにより,今日行われる決勝レースのグリッドは,フリー走行の総合タイムで決まることになりました。この結果,MotoGP,250,125の各クラスのポールシッターは,それぞれフィアット・ヤマハのV.ロッシ,ジレラのM.シモンチェリ,アプリリアのA.イアンノーネとなっています。なお,250ccのレギュラーライダーであるホンダの富沢翔也ですが,ドライコンディションの中で行われた1回目のフリー走行のタイムが今回のグリッド決定タイムとなっていますが,この走行でマシントラブルが発生したためほとんど走行できず,予選通過基準タイムを超えることができていませんでした。ただ,ウェットコンディションの中で行われたフリー走行では,予選通過基準タイムを超えていますので,救済措置で無事母国GPのグリッドに着くことができます。
2009/4/25(土)
☆連覇に向け(MotoGP)
○第2戦日本GPが,厚い雲に覆われてはいたものの,ドライコンディションのツインリンクもてぎで開幕しました。もてぎでの日本GPは,これまで秋の開催が常でしたが,今シーズンは,以前鈴鹿で日本GPが開催されていた頃のように春の開催となりました。初日はフリー走行が行われ,MotoGPクラスはフィアット・ヤマハのV.ロッシがトップタイムをマークしました。昨シーズンは,ここで勝利を収め,チャンピオンを決めたロッシだけに,この験のいいサーキットで好発進を切っています。2番手タイムは,ロッシから遅れること僅か1000分の56秒差でドゥカティのC.ストーナーでした。開幕戦では全てのセッションでトップタイムという完全優勝を成し遂げたストーナーですが,ロッシに僅かに後れをとったとはいえもてぎでも速さを見せています。3番手タイムをマークしたのは,開幕戦で3位表彰台を獲得しているフィアット・ヤマハのJ.ロレンゾでした。今回が最高峰クラスで母国デビューとなるスコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,16ラップを走行して13番手タイムで初日を終えています。
250ccクラスは,昨年のチャンピオンであるジレラのM.シモンチェリが2番手にコンマ6秒差をつけてトップタイムをマークしました。開幕戦は,シーズン前のトレーニングで負った骨折により欠場したシモンチェリでしたが,復帰戦でいきなりのトップタイムと言うことで,昨年の勢いは衰えてないところを見せつけました。2番手タイムをマークしたのは,スコット・レーシング・チームの青山博一でした。開幕戦の予選でも2番手タイムでしたから,既に開発の止まっているホンダRS250RWではあるものの,そのもっているポテンシャルをうまく引き出せているのかもしれません。3番手タイムは,アプリリアのA.バウティスタがマークしています。もう一人のフル参戦日本人ライダーである富沢翔也は,マシントラブルが発生してまともに走行できず,基準タイムをクリアできませんでした。ワイルドカードライダー勢は,元GPライダーの青山周平が17番手でトップ,渡辺一樹が19番手で初日を終えています。
125ccクラスは,開幕戦ウィナーであるアプリリアのA.イアンノーネが,その好調さを維持するかのように初日のトップタイムをマークしました。2,3番手にも,J.シモンとS.ブラドルのアプリリア勢が入っています。フル参戦日本人ライダー勢は,ロンシンの小山知良が19番手,アプリリアの中上貴晶が21番手でした。開幕戦ではちょっと走ってはエンジンが壊れるという,いかにも開発途上ということを露呈していたロンシンですが,今回はその状況からするとまあまあのスタートを切っています。開幕戦直後の小山のコメントで,「日本では昨シーズンのエンジンを使うようチームに要求する。」と言っていましたが,もしかしたらその要求通りになっているのかもしれませんね。ワイルドカード勢ですが,柳沢祐一が26番手,矢作雄馬が27番手,鎌田悟が28番手,岩田裕臣が29番手(いずれのライダーもホンダ)で初日を終えています。
2009/4/24(金)
☆増加?(F1)
○不況はモータースポーツに大きな影響を与え,F1からホンダが撤退したことに象徴されるように,その他のメーカーも撤退といった状況に直面しています。それを回避するため,FIAはいくつもの経費削減策を打ってきていて,それが功を奏したかのようにローラが復帰を検討中という報道がなされました。この動きは,どうやらローラだけに留まらないようです。昨シーズンオフから話題に挙がっているアメリカからの新規参入チームとなりそうなUSGPE(「USグランプリ・エンジニアリング」の略で,当初はUSF1という名称でしたが,その後この名称に変更しています。)をはじめ,F1のエントリーシリーズであるGP2やF3でチームを運営しているN.トッド(お父さんは,フェラーリ等で数々の功績を残したあのJ.トッドです。)が参戦するのではないかという報道がなされています。さらに,プロドライブの代表を務めていて,かつてはBARホンダでも舵を取っていたD.リチャーズが参戦を検討中のようです。プロドライブは,一度2008年にF1参戦が認められましたが,カスタマーカー問題で断念せざるを得なくなっていました。今回の経費削減策の中に共通シャーシの有償提供ということがあり,このことで2008年に断念した点が解決されることになりますから,参戦への大きな障壁が解決することになります。また,同チームが使用するエンジンに関しては,箱形マシンでルマン等に参戦(スポットではあるものの,今シーズンはSGTにも参戦していますね。)しているアストンマーチンがF1初登場となりそうです。他にもまだ検討中のチームがあるとのことですから,コスト削減策が実現すると,26台フルグリッドという状況が見られるようになるかもしれませんね。
2009/4/23(木)
☆復帰か?(F1)
○世界同時不況により,F1に参戦しているどのチームもその影響を受けています。それだけに,年間数百億円ともいわれているコストを少しでも削減することは,緊急の課題でもあります。3月には,FIAからコスト削減案の一つとして,共通のシャーシをできるだけ安い値段で供給するということも発表されていました。これは,「それぞれのチームが独自のシャーシで」というF1の基本線を大きく変えるものでもあります。こうした削減案という追い風を受けて,1962年から1997年までF1チームにシャーシを提供し,数々の栄光をもたらしたイギリスのレーシングコンストラクターであるローラ社が来シーズンから再びF1に復帰するのではないかという報道が,F1のオフィシャルサイトなどでなされました。もしそうなると,以前は日本のフォーミュラニッポンやアメリカのチャンプカーシリーズなどのフォーミュラマシンによるレースにマシンを供給し,現在はルマンやアメリカン・ルマンシリーズのLMP1クラスとLMP2クラスという箱形マシンへのマシン供給を行っているローラ社が,久々にフォーミュラの世界に復帰することになります。まだ正式発表なされていないものの,数週間以内には何らかの発表があるのではないかということです。
2009/4/22(水)
☆異色コラボ(MotoGP)
○今週末に開幕する日本GPの250ccクラスには,ワイルドカードで元GPライダーの青山周平と,JRRライダーの渡辺一樹の2人が参戦することになっています。その内の1人である渡辺一樹は,今シーズン及川誠人がプレーイングマネージャーを務めるCOLT&SJ-Rから参戦しています。開幕戦となる筑波でのレースでは,2位に及川が,3位に渡辺が入り,いきなりチームメイト同士で表彰台を獲得するという幸先のいいスタートを切っています。そのSJ-Rが発表会を開き,日本GPでは「バルドラール・レーシング with SJ-R」として参戦することになりました。その「バルドラール」とは,日本フットサルリーグ(Fリーグ)に所属(我が大分県では,「バサジー大分」があります!)する強豪チームの一つである「バルドラール浦安」のことで,同チームは2年連続Fリーグで2位になっています。今回の参戦は,ロードレースとフットサルという異色のコラボレーションということになります。ロードレースとサッカーといえば,清水エスパルスとの提携で「エスパルスドリームRT」(今シーズンはST600クラスに生形秀之と小田茂昇が参戦)として今年で5年目のシーズンを迎えています。今回は,日本GPのみの提携ではありますが,こうした多様なコラボレーションが生まれることで,お互いの分野が活性化していくといいですね。
2007/4/21(火)
☆優勝したけれど(F1)
○レッドブルにとってはチーム創設以来初となる優勝で終わった中国GPですが,その一番高みに登った表彰式でちょっとしたトラブルがあったようです。まず,表彰式でかかった国歌についてです。レッドブルのチームの拠点はイギリスにあるのですが,エネルギードリンクである『レッドブル』自体はオーストリアの会社ですし,チームもオーストリアの自動車クラブが発給したレーシングライセンスでF1に参戦しています。日本関連で例えれば,トヨタの拠点はドイツですし,昨シーズンをもって撤退したホンダはイギリスに拠点がありました。しかし,発給はJAFがしていますので,チームとしては日本ということになります。ですから,チームの勝利を讃える時にかかる国歌は,当然オーストリアのものがかかるはずなのですが,実際にかかったのは,何と拠点のあるイギリス国歌だったのです。もう一つのトラブルは,今季初優勝,通算2勝目を挙げたS.ベッテルについてです。レース終了後に行われたパーティーに,絆創膏を貼って参加していました。その訳は,表彰式で優勝トロフィーを高く掲げた際,そのトロフィーで指を切ってしまったためでした。晴れの表彰式で時々指をなめているベッテルの姿が画像等で見られましたが,これは出血しているからだったのですね。
2009/4/20(月)
☆独走 PARTT(JRR)
○伝統の『鈴鹿2&4』の決勝レースが,大幅リニューアルの鈴鹿サーキットで行われました。2輪の方は,JRRの第2戦としてJSB1000クラスのみの開催です。決勝レースは,驚異的なタイムをマークしてポールを獲得したTSRの秋吉耕佑が,順調なスタートを切って後続との差をどんどん広げていきました。終盤に入って周回遅れと軽く接触するというアクシデントはあったものの,独走で今季初優勝を飾りました。今シーズンからホンダに移籍した秋吉ですが,今回の勝利はホンダでの初優勝でもあります。完全な独走態勢でトップは決まったものの,2位争いは逆に最終ラップまで持ち越されました。HARC−PROの山口辰也とヨシムラの酒井大作が,周回遅れの出現で順位を入れ替えながら競り合い,最終ラップへと突入しました。最終ラップのダンロップコーナーで山口が2位に立つと,その2人を後ろから追走していたヤマハの中須賀克行が2人に襲いかかりました。しかし,順位の入れ替えはなく,2位に山口,3位が酒井,4位に中須賀という順位でチェッカーとなりました。初戦を制した桜井ホンダの亀谷長純は,6位入賞を果たしてランキングトップの座を守っています。
     
☆接戦&独走(SGT)
○今シーズンの2&4は,JRRとSGTとの併催で行われました。そのSGTの決勝レースですが,GT500クラスの序盤は,ポールからスタートした本山哲&B.トレルイエMOTUL AUTECH GT-R(最初は本山がドライブ)が,予選2番手の立川祐路&R.ライアン組のZENT CERUMO SC430(最初はライアンがドライブ)との競り合いを展開しましたが,それでも順調にトップの座を守りました。ドライバーチェンジしてからもトップの座を守ったのに対して,ZENTはピットインの関係で5位まで順位を落とすことになりました。ここで気を吐いたのが,エースドライバーの立川祐路でした。1台1台着実に交わしていき,3位まで順位を上げていきました。その頃,トップを走行していたトレルイエのマシンにタイヤトラブルが発生して一気にペースダウン。代わってトップに立ったのは,その時点で2位を走行していた脇坂寿一&A.ロッテラー組のPETRONAS TOM'S SC430でした。その後,脇坂と立川との間でトップ争いとなり,残り4周となったところで立川がトップに立ちました。そして,残り2周となったところで多重クラッシュが発生し,セーフティーカー先導による走行となりました。結局先導による走行は最終ラップまで続き,レースはそのままでチェッカーとなりました。今回の優勝により,立川は通算11勝目となり,本山と並んでいた最多勝利数で一歩前に行き,単独での最多勝利となりました。なお,3位には松田次生&S.フィリップ組のカルソニック IMPUL GT-Rが入っています。
GT300クラスは,ポールからスタートした木下みつひろ&影山正美組のHANKOOK PORSCHEがスタートから順調に後続との差を広げ,ポールトゥーフィニッシュを独走で達成しました。今回の優勝は,チームとしてはもちろん,HANKOOKタイヤとしてもSGTでの初優勝となります。同タイヤがSGTに参戦以来,ずっと開発を続けていた木下みつひろにとっても,最高にもうれしい優勝だったのではないでしょうか。
     
☆独走 PARTU(F1)
○第3戦中国GPの決勝レースが,ウェットコンディションの上海インターナショナル・サーキットで行われました。激しい雨に見舞われヘビーウェットというコンディションのため,8周目まではセーフティーカー先導によるスタートとなりました。9周目から本格的なスタートとなり,ポールからスタートしたレッドブルのS.ベッテルがトップの座を守りました。ウェットコンディションを得意とするベッテルは,その後どんどん後続との差を広げていき,独走で今季初優勝を飾りました。自身としては2勝目ですが,レッドブルにとっては,参戦5年目,通算74戦目でうれしい初優勝となります。2位にセカンドグリッドからスタートしたレッドブルのM.ウェーバーがこちらも単独走行で入り,チーム初優勝をワンツーフィニッシュで飾っています。3位には,レース途中ではウェーバーを交わして2位に浮上したこともあったブラウンGPのJ.バトンが入っています。1,2戦が優勝,3戦が3位でしたから,バトンは開幕以来ずっと表彰台を獲得していることになります。4位にチームメイトのR.バリチェロが入っていますので,優勝は逃したものの,雨の中でもブラウンGPが速いことを証明した形となりました。なお,ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,残念ながらリタイアに終わっています。
2009/4/19(日)
☆更新(JRR)
○新生鈴鹿サーキットのこけら落としとして,伝統の『鈴鹿2&4』の公式予選が行われました。このイベントでの2輪レースは,JSB1000クラスのみ行われます。今回の改修工事では,ピットや観戦エリアだけでなく,東コースの路面改修も行われたため,タイムがどのようになるか注目されていましたが,予選4番手までがこれまでのコースレコードを更新するというハイペースな予選となりました。この結果を見ると,路面の張り替えがタイムアップに繋がったようです。今シーズンから導入されたノックアウト方式で行われた予選でポールポジションを獲得したのは,今シーズンからTSRに移籍して鈴鹿で行われるイベントにのみスポット参戦(通常はHRCのテストライダーとして活躍しています。)する秋吉耕佑でした。これまでのコースレコードは秋吉自身が持っていましたので,自らその記録を更新したことになります。しかも,そのタイムというのが,前人未踏の2分6秒台という驚異的なタイムでした。さらに驚異的なのは,そのタイムは,予選用タイヤを使用してものではなく,決勝用タイヤでのものだったということです。もっとも,彼のコメントによると目標は5秒7ということでしたので,まだ十分セットアップができているということではないようです。2番グリッドを獲得したのは,ヨシムラのエースライダーである酒井大作でした。3番グリッドを,昨年のチャンピオンであるヤマハの中須賀克行が獲得しています。開幕戦での転倒した際に頸椎を骨折している中須賀ですが,それでも3番手タイムを出したわけですから,さすがチャンピオンといったところでしょう。
      
☆初ポール PARTT(SGT)
○『鈴鹿2&4』の予選が,上記のJRRと併催で行われました。一昨年までの2&4(昨年は未開催)は,JSB1000クラスとFNとの併催でしたが,今シーズンはSGTがFNと代わっています。GT500クラスの予選は,昨年のチャンピオンである本山哲&B.トレルイエ組のMOTUL AUTECH GT-Rが最速タイムをマークし,今シーズンの初ポールを獲得しました。セカンドグリッドは,ポールからコンマ3秒遅れて立川祐路&R.ライアン組のZENT CERMO SC430が獲得しています。3番グリッドには,R.クインタレッリ&安田裕信組のHASEMI TOMICA EBBRO GT-Rがつくことになりました。ホンダNSXの最上位は,金石年弘&塚越広大組のKEIHIN NSXでした。今回の大会は,メインスポンサーであるKEIHINが大会の冠スポンサーですから,より一層力が入った結果ではないでしょうか。
GT300クラスは,木下みつひろ&影山正美組のHANKOOK PORSCHEが最速タイムをマークしてポールを獲得しています。同チームは,開幕戦には出場していませんので,今回が今季初登場となります。つまり,今季初レースでいきなりポールを獲得したことになります。また,韓国のHANKOOKタイヤにとっても,SGTで初ポールとなります。
     
☆初ポール PARTU
○第3戦中国GPの予選が,上海インターナショナル・サーキットで行われました。開幕からの2戦は,全てブラウンGPのJ.バトンがポールトゥーフィニッシュを決めていますので,それが3戦まで伸ばせるか注目されていました。初日のフリー走行では,そのバトンがトップタイムでしたから,3戦連続の可能性が高まっていました。実際に予選が始まると,バトンの勢いはやはりこの日も衰えてはいませんでした。しかし,そのバトンを上回ったドライバーが第3戦にして登場しました。まず,最速タイムを刻んだのは,レッドブルのS.ベッテルでした。昨シーズンめざましい活躍を演じたベッテルが,ようやくトップに名前をトップに連ね,今季初ポールを獲得しました。2番手にはルノーのF.アロンソ,そして3番手にベッテルのチームメイトであるM.ウェーバーが入り,ルノーエンジンユーザーが予選のトップ3を独占しています。そして,4,5番手タイムをそれぞれR.バリチェロとばとんというブラウンGP勢がマークしています。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,ノックアウト方式の予選で今回もQ3進出を逃し,15番グリッドからのスタートとなりました。
2009/4/18(土)
☆今回も(F1)
○第3戦中国GPが,上海インターナショナル・サーキットで開幕しました。初日は午前,午後にフリー走行が行われ,ブラウンGPのJ.バトンが総合のトップタイムをマークしました。開幕から2連勝のバトンですが,開幕3連勝に向けて好発進を切っています。2番手タイムは,好調のトヨタ勢の一角であるウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグでした。そのロズベルグのチームメイトである中嶋一貴は,トップからコンマ7秒弱遅れた7番手タイムでした。3番手タイムは,バトンのチームメイトであるR.バリチェロで,今回もブラウンGP旋風が吹きそうな初日の結果でした。午前中のフル―走行でトップタイムだったマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンは,午後の走行でそれほどタイムが伸びず,総合の13番手タイムで終わっています。
なお,今シーズンの大きな目玉の一つであるKERS(エネルギー回生システム)についてですが,フェラーリ勢は今回のGPでは使用しないことを発表しています。また,それとは逆に,BMWザウバーは,ここまでの2戦ではN.ハイドフェルドにしか搭載していなかったのですが,今回からR.クビサにもKERSを搭載することになっています。
2009/4/17(金)
☆引退(F1)
○マクラーレンが記者発表を行い,長年F1の世界に従事し,数々の栄光を築いてきたマクラーレン・レーシングのCEOを務めるR.デニスが,その役職をM.ウィットマーシュに譲り,F1から完全に引退することが明らかとなりました。今シーズンのデニスは,CEOの役職には就いていたものの,F1の現場で陣頭指揮するのを減らすことになっていました。ところが,その方針も変更となったことになります。今後のデニスは,グループに属する一社であるマクラーレン・オートモーティブのエグゼクティブ・チェアマンに就任すると共に,そのマクラーレン・オートモーティブは独立した企業となります。既に以前発売して一世を風靡したマクラーレンF1(ルマン24では関屋正徳が日本人初優勝した時,全日本GT選手権ではR.シューマッハがラーク・マクラーレンで大活躍していた時のマシンでお馴染みですね。)のような市販スポーツカーを発売することを明らかにしていますが,デニスがそのスポーツカービジネスをリードしていくことになります。スパイや偽証といった大きなスキャンダルをこのところ起こしているマクラーレンですが,その影響が少なからず今回の完全引退にあったことは十分に推測されますね。いずれにしても,セナやホンダと組んで一時代を築いた人物だけに,時代の流れを感じざるを得ない出来事ではあります。
2009/4/16(木)
☆合法(F1)
○開幕から2戦を消化し,好調な走りを見せているのが2連勝を果たしているブラウンGPをはじめ,トヨタとウィリアムズの3チームです。そして,この3チームのマシンに共通しているのが,リアディフューザーが2段式構造になっていること。この構造に対して,フェラーリをはじめ,BMWザウバー,ルノー,レッドブルの4チームから2009年のテクニカルレギュレーションに合致していないのではないかという異議申し立てを行っていました。その前にオーストラリアGPのレーススチュワードに対して抗議が行われたものの,その段階でまず却下されていましたので,それを不服としてFIAの国際控訴裁判所に提訴したのが今回の異議申し立てです。その審議が14日に行われ,控訴した側とされた側,さらにマクラーレンも参加しました。そして,その翌日の15日にその結果が発表され,訴えられていたディフューザーは合法であるとの判断がなされました。これにより,暫定となっていた2戦までのリザルトが正式なものとなりました。合法と認められたことで,他のチームが今後このダブルディフューザーの開発に取り組む可能性が出てきました。ただ,この部分だけを変えればいいという話ではなく,他の部分とのマッチングなんかもあるでしょうから,次戦からすぐに他のチームに搭載されるということになはならないのではないかと思われます。
2009/4/15(水)
☆緊縮財政(F1)
○世界同時不況により,スポンサーマネーに頼るモータースポーツの世界は多大なる影響を受けています。メインスポンサーが確保できなかったりして撤退を余儀なくされたり,メインスポンサーは何とか確保できても,スポンサーマネーの減額を受け入れざるを得ず,参戦はしても厳しい財政運営を強いられたりしているチームも少なくはありません。世界最高峰のF1もその例外に漏れず,多くのチームが昨年までと違った運営をせざるを得ない状況のようです。プライベートチームだけでなくメーカー系のチームもそうした状況に変わりはなく,例えばホンダのように撤退せざるを得ないチームさえ出現しています。ルノーもそうした財政的に厳しい状況におかれています。同チームのメインスポンサーであるオランダの金融関連会社のING社は,多くの赤字を抱え,来年以降の撤退が示唆されています。そうした状況にあるわけですから,今年のスポンサーマネーは大幅に減額されているでしょうし,チーム運営もそれに見合ったものになっているでしょう。実際,ルノーのエースドライバーである元チャンピオンのF.アロンソの契約金は,昨年に比べて減額となっているようです。さらに,ドイツの一部報道によると,チーム代表であるF.ブリアトーレが,年俸の20%減額をついに受け入れたとのことです。ただし,具体的な金額は報道されていません。ブリアトーレだけでなく,チームエンジニアが10%カットになっているとのことです。また,セカンドドライバーであるN.ピケJrの年俸はおよそ1億円とされていますが,実際にはそこまで受け取っていないのではないかという報道もなされています。
2009/4/14(火)
☆完全制覇(MotoGP)
○突然の雨の影響により,予定されていた日曜日に決勝レースが行われなかったMotoGPクラスですが,主催者,ライダー,チームとの協議の上GP史上初めて翌日に順延となっていました。その順延となっていたカタールGPの決勝レースが,ようやく砂漠の中らしくドライコンディションの中で行われました。普通フリー走行や予選などでどんどんマシンが走行しますので,コース上のチリなどは飛ばされ,路面にはタイヤのラバーが乗ってコンディションがよい状態で迎えますが,他のクラスは終了し,MotoGPクラスのみの走行となるわけですから,元々砂漠の中で砂やほこりが多いということもあって,決勝レースが始まる前にセーフティーカーが50周走行するというこれまで見たことのない光景が展開されました。そして,ついに決勝レースがスタート。勢いよく飛び出したのは,ポールからスタートしたドゥカティのC.ストーナーでした。このサーキットとの相性が抜群によいストーナーは,その後どんどん後続との差を広げていき,全く危なげないレース展開でシーズン開幕戦を制しました。プレシーズンテスト,開幕してからのフリー走行,予選走行と全てトップタイムをマークしてきたストーナーですが,決勝レースでもトップチェッカーとなって,このロサイル・インターナショナル・サーキットを完全制覇したことになります。また,3年連続して開幕戦を制したことにもなります。ストーナーから7秒以上遅れて2位でチェッカーを受けたのは,昨年の王者であるフィアット・ヤマハのV.ロッシでした。3番手には,ロッシのチームメイトであるMotoGPクラス2年目のJ.ロレンゾが入りました。ロレンゾは,2年連続して開幕戦の表彰台に立っています。レプソル・ホンダ勢は,ワークスチームでの初レースとなるA.ドビツィオーゾがテック3・ヤマハのC.エドワーズに次ぐ5位でチェッカーを受けたものの,シーズン前のテストで負傷し,まだ痛みの残る状態でシーズンを迎えたD.ペドロサは,一時6位までポジションアップを果たしたものの,最終的には11位でレースを終えています。シーズン前に撤退を表明したものの,開幕1ヶ月前になってプライベートチームで1台のみマシンを供給することになったカワサキですが,その唯一のカワサキのマシンを駆るハヤテ・レーシングのM.メランドリは,8番手を走行中にコースオフを喫するというアクシデントから巻き返しを図り,14位まで順位を上げてポイントを獲得しています。また,唯一のフル参戦日本人ライダーであるスコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,17番グリッドからスタートし,15番手でチェッカーを受け,最高峰クラスのデビュー戦で見事ポイントを獲得しました。
2009/4/13(月)
☆砂漠に雨(MotoGP)
○開幕戦カタールGPの決勝レースが,砂漠の中にあるロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。最初の決勝レースは,いつものように125ccクラスから始まりました。3番グリッドからスタートしたアプリリアのA.イアンノーネが好スタートを切り,ホールショットを決めてレースを引っ張っていきました。5周目になって何と砂漠の中にもかかわらず雨が降り始めました。砂漠の中にあるため,もともと砂埃がひどくて滑りやすいサーキットなのですが,それに追い打ちをかけるように雨が降るわけですから,走行が危険だと言うことで赤旗により中断となりました。ライダーの代表が入っているセーフティー委員会等がコースを見て回った結果,コースコンディションが悪いため,125ccクラスのレースはここで終了となりました。この結果,4周時点での順位が採用されることになり,イアンノーネが優勝,2,3位にはそれぞれJ.シモンとS.コルテセが入りました。ただし,まだレースの3分の2を走行していませんので,獲得ポイントは半分となります。日本人ライダーの結果ですが,アプリリアの中上貴晶は20位,ロンシンの小山知良はスタートの順位と同じ27位で,2人ともノーポイントに終わっています。。
次に行われる予定なのが,250ccクラスです。天候やコースの回復を待ってレースのスタート進行が始まりました。ただし,回復を待つのに時間がかかったため,レースは13周に短縮されて行うことになりました。また,その分MotoGPクラスの開始時刻が下がることから,最高峰クラスはこの日のレースがキャンセルとなりました。ただ,これを入力している段階では,第1戦のレースそのものをキャンセルするのか,順延という形をとって月曜日に行うのかの決定はなされていません。さて,250ccクラスのレースですが,レースが進む内にH.バルベラとJ.クルゼールとの一騎打ちになっていきました。優勝経験のあるバルベラと,表彰台に立ったことが一度もないクルゼールとのバトルでしたが,終盤にバルベラがトップに立つと,クルゼールは食らいつくことができず,バルベラが久々の優勝で開幕戦を制しました。3位争いは,終盤までペースが遅いA.デボンに後続が引っかかってしまったため,トップ2台との差が広がってしまいました。ようやくデボンを交わし始めると一気にペースが上がり始めたものの,トップ2台は遙か前に行っていて,数台による3位争いとなり,最終的にM.ディ.メッリオが残りの表彰台を獲得しました。最終ラップの最終コーナーまで6位を走行していたホンダの青山博一は,最終コーナー立ち上がりで2台を抜いて4位に入っています。もう一人の日本人ライダーで,今回がGPデビューとなる富沢翔也は12位でチェッカーを受け,両者共にポイントを獲得しています。
2009/4/12(日)
☆予選でも(MotoGP)
○開幕戦カタールGPの予選が行われ,MotoGPクラスはドゥカティのC.ストーナーが最速タイムをマークし,今季最初のポールシッターとなりました。ここまでのセッションで全てトップタイムをマークしてきたストーナーが,予選でもその速さを見せたわけですから,今日行われる決勝レースも,彼を中心として展開していくことはまず間違いないと言えるでしょう。セカンドグリッドは,昨年のチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシが獲得しています。また,チームメイトであるJ.ロレンゾが3番手タイムをマークし,フロントローに2台のフィアット・ヤマハのマシンが並ぶことになりました。ちなみに,今シーズンからストーナーのチームメイトとなったN.ヘイデンは,セッション途中でハイサイドから転倒したためその時点で予選終了となり,16番グリッドに沈んでいます。スコット・レーシングの高橋裕紀は,自身最高峰クラス初の予選でしたが,思うようにタイムを伸ばせず,17番手のタイムで予選を終えています。
250ccクラスは,昨年ランキング2位に終わり,今シーズンにチャンピオン獲得をかけるアプリリアのA.バウティスタがポールを獲得しました。そして,KTMが250ccクラスから撤退することにより,ようやくスコット・レーシングにシートを獲得できた青山博一が,久々のホンダのマシンではあるものの,セカンドグリッドを獲得しています。3番グリッドは,バウティスタのチームメイトであるM.ディ.メッリオが獲得しています。今回がフル参戦ライダーとして初のGPとなるホンダの富沢翔也は,16番グリッドからの決勝スタートとなりました。なお,昨年の王者であるジレラのM.シモンチェリは,トレーニング中に負って手術をしていたのですが,初日のフリー走行は走ったものの,回復が思わしくないため2日目以降の走行をキャンセルしています。
125ccクラスは,ここまでのセッションでずっとトップタイムを刻んでいたアプリリアのJ.シモンが,予選でもその速さを見せ,GP参戦96戦目,125ccクラス63戦目での初ポールを獲得しました。セカンドグリッドを獲得したのは,昨年のポールシッターであるアプリリアのB.スミスでした。3番手タイムは,同じくアプリリアのA.イアンノーネがマークしています。日本人勢は,アプリリアの中上貴晶が16番手タイム,ロンシンの小山知良はトップから5秒以上遅れた27番手タイムでした。
2009/4/11(土)
☆開幕(MotoGP)
○2輪ロードレースの最高峰であるMotoGPが,カタールGPとして砂漠の中にあるロサイル・インターナショナル・サーキットでついに開幕しました。初日は,各クラスのフリー走行が行われました。MotoGPクラスの初日のセッションを制したのは,3年連続してカタールGPを制しているドゥカティのC.ストーナーでした。スイングアームが違う2台のマシンを乗り換えながらの走行するという状態での走行でしたが,このサーキットとの相性のよさを改めて示すかのようなトップタイムでした。2番手タイムは,昨年のチャンピオンであるフィアット・ヤマハのV.ロッシでした。ストーナーとロッシとの差は0.4秒弱で,やはりここでもストーナーがサーキットと相性のいいことが感じられます。3番手タイムは,昨シーズンの前半戦を盛り上げたテック3・ヤマハのC.エドワーズでした。唯一のフル参戦ライダーで,今回が最高峰クラスデビュー戦となるスコット・レーシング・チームの高橋裕紀は,18台中15番手タイムでした。プレシーズンテストで転倒して古傷を痛めているレプソル・ホンダのD.ペドロサは,まだ回復具合が60〜70%と本人が言うほどの状態のため,フリー走行に出走するかどうか分かりませんでしたが,17ラップを走行して18番手タイムでした。
250ccクラスのフリー走行では,アプリリアのG.タルマクシがトップタイムでした。07年の125ccクラスチャンピオンであるタルマクシは,今回が250ccクラスのデビュー戦となります。2番手タイムだったA.バウティスタとは,わずか0.041秒差でしたが,2005年に優勝した経験を持つサーキットで好スタートを切っています。3番手タイムは,昨年の優勝者であるM.パッシーニがマークしています。今回がホンダでの復帰第一戦となる青山博一は,パッシーニに次ぐ4番手タイムでした。今回がGPデビュー戦となる富沢翔也は,17番手タイムで初日を終えています。
125ccクラスのフリー走行は,アプリリアのJ.シモンが2番手タイムのB.スミスに1秒以上の大差をつけて最速タイムをマークしました。スミスとはチームメイトですのでマシン差もそれほど無いでしょうから,その中で1秒以上の差をつけるというのはよほどセッティングが決まっていたのでしょうね。3番手タイムは,アプリリアのワークスマシンを駆るN.テロルでした。GP2シーズン目となる中上貴晶は,トップから3秒以上差があいた14番手タイムでした。今シーズンからロンシンのワークスチームに所属することになった小山知良は,トップから6秒以上離された25番手タイムでした。ワークスマシンとはいえ,戦闘力でかなり落ちるロンシンだけに,シーズン前から苦戦が予想されていましたが,開幕戦でそのことを改めて認識させられる初日の結果でした。
2009/4/10(金)
☆拡大(MotoGP)
○ヤマハから発表があり,マレーシアの石油とガスの関連会社である『ペトロナス社』が,ヤマハのワークスチームであるフィアット・ヤマハの公式スポンサーとなりました。今回の契約は,2011年までの3年間となっています。ヤマハの発表によれば,「ここ8年以上にわたって,ペトロナス社とヤマハはアジア太平洋地域での二輪レース選手権で協力関係にありました。今回の新たなパートナーシップにより,ヤマハ製二輪車の指定オイルである『ヤマルーブ』の開発・生産というこれまでのビジネス関係が,将来的にマレーシアから東南アジアへと拡大する可能性があります。また,ペトロナス社にとって,今回の新たな締結は,グローバルな潤滑油事業者としての地位を維持するのに貢献することになる。」とのことです。今日から開幕戦となるカタールGPが始まりますが,V.ロッシ&J.ロレンゾというフィアット・ヤマハの両ライダーのレーシングスーツと,同チームのマシンであるYZR−M1のアンダーカウル部にペトロナスのロゴがお目見えすることになります。ちなみに,昨日カタールGPのプレスカンファレンスが行われましたが,それに参加したロッシのウェアの左胸には,既にペトロナスのロゴがつけられていました。
2009/4/9(木)
☆開幕戦OK(MotoGP)
○カタールで行われた合同テストで転倒を喫したレプソル・ホンダのD.ペドロサは,その転倒の際古傷である左手や左膝に重傷を負ってしまったため手術を受けていました。3月4日での手術だっただけに,開幕戦に間に合うかどうか微妙なところでした。そして,この度そのペドロサが,自身のブログでどうにか開幕戦に間に合うことを先日発表しました。ただ,何とかカタールGPに間に合うだけですから,ハンディを負ったままでの走行であることには変わりないようです。今シーズンもフィアット・ヤマハのV.ロッシとドゥカティのC.ストーナーとの間でチャンピオン争いが展開され,それに絡んでくる最有力がペドロサという構造が予想されるだけに,ハンディを負ったシーズン前半で,可能な限り高ポイントを獲得してシーズンを通してチャンピオン争いをおもしろくしてもらいたいですね。
また,昨シーズン250ccクラスでチャンピオンを獲得したM.シモンチェリですが,モトクロスを使ってのトレーニング中に転倒を喫し,右手の舟状骨を骨折していました。そのため,7日にその部分の手術を行い,無事手術は成功しました。開幕が近づいてからの手術でしたから,開幕に間に合うかどうか微妙なところですが,どうやら何とか間に合うようです。ただし,もちろん6日から2日間にわたってカタールで行われたプレシーズンテストには間に合いませんでしたので,開幕戦の舞台でのデータ取りはできませんでした。
2009/4/8(水)
☆今年限り?(F1)
○ブラウンGPのJ.バトンによる開幕からの2連勝で終わったマレーシアGPでしたが,大雨により車をコース上にとどめるのさえ難しいコンディションとなり,30周そこそこでレースを終了せざるを得ない状況の中で終わりました。通常ですと自然現象ですから予測不可能な自体ですので,ある程度仕方ないととらえられます。しかし,今回の場合は,一概にそうではないという見方もあります。というのも,熱帯であるこの地方は,夕方(今回の決勝レースは,この時間帯に設定されました。)になると湿度が高くなり,雨になることがしばしば見られるのです。F1では,ヨーロッパを中心とするところがありますか,アジア地域で開催する場合,ヨーロッパでの中継時間が視聴者にとって都合のいい時間にするため,あえて夕方や夜にレースを行うことが見られるようになっています。今回も,雨が十分予想される夕方からのレーススタートとなっていました。ヨーロッパの人々によかれと思ってやったことが,レースを途中でやめざるを得なくなり,しかも,中継は長い時間天気の回復を待っている状態を映しているということになってしまいました。こうなることは,現地の天候から予想できたことですので,来年は当然見直しをしないといけないでしょうし,確率として昨年までと同じく現地の昼間の時間にレースを行い,夕方にはレースが終わっている状態にするのではないかと思われます。
2009/4/7(火)
☆完勝(SBK)
○5日に第3戦の決勝レースが,スペインのバレンシア・サーキットで行われました。レース1では,予選3番グリッドからスタートしたドゥカティの芳賀紀行が,3周目にトップに立つと後続との差を広げていき,今季2勝目を挙げました。2位にM.ファブリツィオが入り,ドゥカティのワンツーフィニッシュとなりました。3位には,スズキのM.ノイキルヒナーが入っています。日本人勢の結果は,スズキの加賀山就臣が6位,ホンダの清成龍一が12位,カワサキの玉田誠が14位に入り,それぞれポイントを獲得しています。玉田にとっては,今シーズン初のポイント獲得となります。なお,アプリリアの中野真矢ですが,前日に行われた予選で転倒し,左鎖骨を骨折する重傷を負ったため,決勝レースはキャンセルとなっています。
レース2は,レース1と同じく3番グリッドからスタートしたドゥカティの芳賀紀行が,5周目にトップに躍り出ると,圧倒的な速さで差を広げていって独走状態となりました。最終的には,2位に入ったヤマハのB.スピーズに5秒以上の大差をつけ,今季3勝目を挙げました。この日を完全制覇した芳賀ですが,これは彼にとってSBK参戦以来7回目となります。3位には,レース1で2位表彰台を獲得したファブリツィオが入っています。日本人勢ですが,清成が9位に入って2戦連続ポイント獲得となりましたが,加賀山と玉田はリタイアに終わっています。今回のレースの結果,ランキングトップの芳賀は,ランク2位のスピーズに40ポイントの差をつけ,シーズン序盤からチャンピオン候補ナンバーワンの強さを見せています。
2009/4/6(月)
☆2戦連続(F1)
○第2戦マレーシアGPの決勝レースが,セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。当初は,雨の中でのレースが予想されていたのですが,雲はあるものの,ドライコンディションの中でのレースとなりました。序盤は,3番グリッドから絶妙なスタートダッシュを見せたウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグが,ポールスタートのブラウンGPのJ.バトンらを押さえてトップを走行しました。15周を過ぎてから1回目のピットインが始まっていったのですが,上位を走行していた中で一番遅くピットに入ったバトンがトップに浮上しました。程なくして雨が降り始めたため,各車ピットインしてウェットタイヤに交換しました。その後,雨脚が弱まり,各車ピットインしてインターミディーにタイヤ交換。ところが,再び熱帯特有の激しいスコールに見舞われ,クラッシュやコースオフするマシンが続出。セーフティーカー導入がありましたが,結局赤旗でレース中断。その後,天候の回復を待ち続けたものの,結局それもかなわず,31周段階でレース終了となりました。この結果,トップを走行していたバトンの勝利が決まり,開幕から2連勝となりました。2位,3位には,それぞれBMWザウバーのN.ハイドフェルドとトヨタのT.グロックが入りました。4位,5位には,それぞれトヨタのJ.トゥルーリとブラウンGPのR.バリチェロが入り,この2チームの強さが開幕から2戦目までは示されています。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は,12番手で終了となりました。なお,今回のレースは,規定周回数の3分の2に達していませんので,獲得ポイントは通常の半分となっています。
       
☆2年ぶり(FN)
○開幕戦の決勝レースが,薄曇りの富士スピードウェイで行われました。新しいマシン,そしてオーバーテイクボタンの採用と,新たな展開を迎えた最初のレースの序盤,DOCOMO DANDELIONの伊沢拓也を先頭にして,上位争いは膠着状態となっていました。中盤に各車ピットイン(今シーズンは,最低1回のタイヤ交換が義務づけられています。)が始まったのですが,上位陣の中で最初にピットに入ったのが,予選トップだったLOWSON IMPULのB.トレルイエでした。これが功を奏してトップに浮上すると,後続との差を徐々に広げていきました。結局,トレルイエが後続との差をコントロールする盤石なレースを展開し,開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾りました。トレルイエの勝利は,2007年の開幕戦以来じつに2年ぶりの勝利となります。2位には伊沢が,そして3位にはahead IMPULの平手晃平が入っています。2年連続チャンピオンを獲得しているLAWSON IMPULの松田次生は,16周目にA.ロッテラーと接触してしまい,リタイアに終わっています。
      
☆大荒れ(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,超テクニカルコースの筑波サーキットで行われました。最高峰のJSB1000クラスは,大混乱のスタートとなりました。スタート直後の第1ヘアピンで,いきなり多重クラッシュが発生して赤旗中断。このアクシデントには,ディフェンディングチャンピオンの中須賀克行をはじめ,酒井大作,高橋巧,亀谷長純,西嶋修らが巻き込まれました。さらに,再開後のサイティングラップで横江竜司が第2ヘアピンで亀谷長純を巻き込んでの転倒を喫し,再び赤旗中断となりました。この2度のアクシデントの中,頭を強打したりした関係で中須賀,酒井,横江がスタートできないままリタイアに終わりました。再開後のレースでは,ポールからスタートした伊藤真一がレースを引っ張りました。しかし,何と11周目の最終コーナーで転倒を喫してしまい,労せずして2番手を走行していた亀谷がトップに浮上。その亀谷が独走状態となり,2007年以来およそ2年ぶりの勝利を挙げました。2位には,昨シーズン自己最高位を獲得して意気挙がる大崎誠之が入っています。3位は,超ベテランの柳川明と,JSB1000クラス初レースとなる昨年のGP250クラスチャンピオン高橋巧とのバトルとなり,若い高橋が3位の座を獲得しています。
今シーズンも大混戦が予想されるST600クラスは,レース序盤,昨年のチャンピオンである小西良輝がトップを走行していました。しかし,古巣のTSRに移籍し,久々にこのクラスを走る手島雄介が一つ一つ順位を上げていき,14周目に小西をパスしてトップに浮上しました。手島のチームメイトである岩田悟もそれに呼応するかのように順位を上げ,小西を交わして2番手に浮上しました。結局上位2台はこのポジションを守ってチェッカーを受け,TSRのワンツーフィニッシュとなりました。3位には,小西を交わして佐藤裕児が入っています。
GP250クラスは,予選1,2番手の及川誠人と宇井陽一との間でトップ争いが展開されました。バックマーカーを利用して22周目にトップに浮上した宇井が,及川との差を徐々に広げていき,開幕戦を勝利で飾りました。3位には,最終ラップで藤田拓哉を交わして渡辺一樹が入っています。
GP125クラスは,序盤5台によるバトルが展開されていきました。しかし,徐々に超ベテランライダーの菊池寛幸と徳留真紀との間でトップ争いとなり,最終ラップの最終コーナーで菊池が徳留を交わしてトップでチェッカーを受け,2年連続チャンピオンに向けて好発進を切りました。3位には,山田亮太が入っています。
GP−MONOクラスは,中木亮輔と小室旭との間でトップ争いが展開されていきましたが,12周目に中木がトラブルでリタイアになり,小室が独走状態となって開幕戦を制しています。2位争いは,林達也と花房一樹のバトルとなり,最後は林がこのバトルを制しています。
2009/4/5(日)
☆初(FN)
○国内4輪レース最高峰となるFNの開幕戦の予選が,曇り空ではあるもののドライコンディションの富士スピードウェイで行われました。今シーズンもF1と同じくノックダウン方式で行われ,セッション残り1分というところで最速タイムをたたき出したahead IMPULの平手晃平が,自身初となるポールを獲得しました。今シーズンから全く新しいマシンとなったFNですから,その新型マシンの初レースで初ポールという何ともおめでたい予選結果となりました。2番手タイムは,ヤングドライバーとして平手のライバルとなるDOCOMO DANDELIONの伊沢拓也でした。そして,3番グリッドを獲得したのは,ベテランドライバーで元チャンピオンでもあるLAWSON IMPULのB.トレルイエでした。2年連続チャンピオンを獲得しているLAWSON IMPULの松田次生は,ピットでのブレーキ調整に手間取り,コースインが遅れたこともあって8番グリッド獲得に終わっています。
      
☆ベテランが(JRR)
○開幕戦の予選が,天気に恵まれた筑波サーキットで行われました。最高峰であるJSB1000クラスでは,現在42歳という超ベテランライダーである伊藤真一が,コースレコードを更新するタイムを刻んで見事ポールを獲得しました。先週行われた4輪レースのS耐でクラス優勝を果たした伊藤ですが,そのいい流れが2輪レースにも来たような感じです。上位4台がコースレコードを更新したのですが,その中で2番手タイムを出したのが,これまたベテランライダーの亀谷長純でした。昨シーズンは,新型マシンと言うことでシーズン序盤で苦労したホンダCBR1000RR勢ですが,熟成段階に入った今年の開幕戦は,見事予選でワンツーを飾っています。3番グリッドを獲得したのは,今シーズン秋吉耕佑がHRCに移籍したのに伴い,ヨシムラのエースライダー,つまりスズキのエースライダーとなった酒井大作でした。昨年のチャンピオンであるヤマハの中須賀克行は,ホンダの山口辰也に次いで5番グリッドを獲得しています。
今シーズンも激戦となるST600クラスは,元GPライダーでバイク雑誌でもお馴染みとなっている新垣敏之がポールを獲得しています。その新垣からコンマ152秒差で2番グリッドを獲得したのは,HRCの撤退に伴い,古巣であるTSRに復帰した手島雄介でした。3番グリッドは,昨年のチャンピオンである小西良輝が獲得しています。
今年が最後となるGP250クラスは,出走したマシンのほとんどがヤマハのTZ250で,実質的にはTZのワンメークと言った状態です。その中でトップタイムだったのが,及川誠人でした。2番グリッドは,今シーズンGP125クラスとダブルエントリーしている元GPライダーの宇井陽一でした。3番グリッドは,渡辺一樹が獲得しています。
GP125クラスは,元GPライダーで超ベテランライダーでもあるTZ125を駆る徳留真紀がポールを獲得しています。それに対して2番グリッドを獲得したのは,ルーキーの浦本修充でした。3番グリッドは,昨年のチャンピオンである菊池寛幸が獲得しています。なお,GP-MONOクラスは,ASMS250を駆る中木亮輔がポールを獲得しています。
       
☆連続(F1)
○2週連続開催となるF1は,マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで第2戦の予選が行われました。チームが発足していきなり最初のレースでポールトゥーフィニッシュを飾ったブラウンGPが,第2戦でどのような結果を出すか注目されていましたが,何と今回の予選でもその速さに変わりなく,開幕戦のポールシッターであるJ.バトンが,今回も見事最速タイムをマークして2戦連続のポールシッターとなりました。そのバトンからわずかコンマ1秒差で2番グリッドとなったのは,前戦で見事3位表彰台を獲得したトヨタのJ.トゥルーリでした。3番手タイムは,レッドブルのS.ベッテルがマークしています。そして,バトンのチームメイトであるR.バリチェロが4番手タイムをマークしています。ただし,ベッテルに関しては,前戦でクラッシュの原因をつくったと言うことから,既に10グリッド降格処分を受けることになっていますし,バチチェロに関しては,初日にギアボックスを交換していて,これは今シーズンから始まったギアボックスは4レース使い続けなければならないというレギュレーションに抵触するため,レースでは5グリッド降格となります。ということで,予選3,4番手をマークしたドライバーが降格となりますので,決勝レースでは,予選5番手だったトヨタのT.グロックと予選6番手だったウィリアムズ・トヨタのN.ロズベルグが,それぞれ3,4番グリッドからのスタートとなります。なお,ロズベルグのチームメイトである中嶋一貴は,Q1は突破したものの,Q2で予選落ちとなり,12番手で予選を終えています。ただし,ベッテルの降格処分の関係で,決勝は11番グリッドからのスタートです。
2009/4/4(土)
☆処分(F1)
○開幕からいきなり2週連続開催となるF1ですが,その第2戦となるマレーシアGPがクアラルンプールにあるセパン・インターナショナル・サーキットで開幕しました。初日の走行は,午前・午後にそれぞれフリー走行が行われ,午前はN.ロズベルグと中嶋一貴がそれぞれ1,2番手タイムをマークし,ウィリアムズのワンツーとなりました。午後の走行では,K.ライコネンとF.マッサがそれぞれ1,2番手タイムとなり,今度はフェラーリによるワンツーというリザルトでした。
そのような中,マクラーレン・メルセデスから発表があり,同チームのスポーティングディレクターであるD.ライアンを停職処分にするという発表がありました。これは,昨日お伝えした開幕戦におけるL.ハミルトンの失格処分に関しての措置です。詳細は昨日の部分を参照いただくとして,1974年以来同チームで献身的に働いてきたライアンだけに,処分を下したチームプリンシパルのM.ウィットマーシュもつらかったのではないかと思われます。しかし,失格により昨年の王者であるハミルトンがノーポイントに終わり,チーム自体の信頼性も損ないかねない結果となっただけに,致し方ない処分と言えます。なお,いわゆる謹慎となる今回の処分ですが,その期限に関しての発表はなされていません。
2009/4/3(金)
☆復活(F1)
○開幕戦オーストラリアGPにおいて,ブラウンGPの2台に続いて3番目にチェッカーを受けたのがトヨタのJ.トゥルーリでしたが,レース中のセーフティーカー導入時にマクラーレン・メルセデスのL.ハミルトンを追い越したということで25秒加算のペナルティーを受け,3位の座を失う結果となっていました。しかし,その後再度この件についての審議が始まり,トゥルーリとハミルトンを再喚問したりして検討した結果,トゥルーリに関しては,25秒加算というペナルティーを取り消して本来の3位に復活。ハミルトンに関しては,失格という裁定が下されました。そもそもトゥルーリに関してのペナルティーというのは,セーフティーカー導入時に3位走行中のトゥルーリがミスをしてコースオフしたため,4位走行中のハミルトンがトゥルーリをパス。その後,トゥルーリがハミルトンをパスして3位の座に戻るということが起きました。セーフティーカー導入時は追い越し禁止ですから,前の車がコースオフした時に追い越したハミルトンは致し方ないにしても,その後抜き返したトゥルーリの場合は許されないということでペナルティーとなったのです。しかし,再喚問の時に,トヨタとマクラーレンの無線更新記録が証拠として提出され,証言や証拠をもとに審議すると,トゥルーリが追い越した時というのは,一旦トゥルーリを追い越したハミルトンの側が,それがセーフティーカー導入時だったことがあってチームの指示でトゥルーリを前に出すよう指示。それを受けてハミルトンがスロー走行をしたため,トゥルーリが再度3位のポジションに戻ったということが明らかとなりました。この場合は,当然トゥルーリに非はなく,ペナルティーが取り消しとなったわけです。ハミルトンの失格というのは,そうした事実があったにもかかわらず,最初の審議の時にマクラーレンもハミルトンもそのことを隠して違う証言をしていました。これがスポーツマンシップに欠けるということで,失格の裁定が下ったのです。(それにしても,返す返すもホンダの撤退は何とも残念です。タラレバの話ですが,ブラウンGPがホンダのエンジンで走っていても,マシンのできでいうと今回のようにワンツーになった可能性があり,3位にトヨタが入りましたから,ジャパンパワーによる表彰台独占が実現したかもしれませんものね。)
2009/4/2(木)
☆1年ぶり(MotoGP)
○今シーズンの日本GPは,4月26日にツインリンクもてぎにおいて決勝レースを迎えます。それに先立ち,FIMからその日本GPにワイルドカード参戦するライダーの発表がありました。参戦するクラスですが,残念ながらMotoGPクラスには1人もいませんが,250&125ccクラスには,それぞれ2名と5名のライダーがいます。まず125ccクラスは,柳沢祐一,岩田裕臣,矢作雄馬,大金佑輝,鎌田悟の5名です。そして250ccクラスの2人ですが,まず1人目は渡辺一樹で,7名のワイルドカードライダーの中で唯一のヤマハユーザーとなります。そして,2人目が,元JRR250ccクラスチャンピオンで,一昨年までMotoGPの250ccクラスにフル参戦していた青山周平です。MotoGPでのシートを失った昨年は,戦いの場をSBKに移していましたが,成績は低迷して1年限りでそのシートをも失っていました。MotoGP復帰をめざして活動する中で,以前所属していたHARC−PROの協力を得て,ワイルドカードではありますが今回の復帰劇となりました。
2009/4/1(水)
☆拡大か(F1)
○開幕戦で圧倒的な速さを見せて優勝したブラウンGPですが,そのマシンに施されていたのが,ヴァージン・グループのロゴでした。そのロゴは,開幕戦初日には無かったものの,2日目の走行からマシンの3カ所に飾られていました。これは,2日目の走行が始まる前にチームからスポンサー契約の発表がなされたからです。当初は,両者の間で年間契約が結ばれているものと思われていましたが,一部の報道で明らかとなっているのは,契約は年間ではなく,第2戦までのものだったようです。その契約の金額は,1戦あたり25万ドルで,2戦合わせて50万ドルということです。さらに,その報道によると,ヴァージン・グループの総帥であるR.ブランソンは,ブラウンGPの株式を大量購入することで,スポンサー契約をタイトルスポンサーまで拡大すると共に,チーム名にヴァージンを入れることも考えているようです。もしそうであれば,今後のレーススケジュールを考えるとここ数週間以内に発表されるものと思われます。タイトルスポンサーを手に入れてチームの財政を安定したい新チーム,チーム売却の段階から名前が出ていた企業と,両者の思いは共通していますので,2戦までの結果次第ではかなり高い確率で締結されるのかもしれませんね。
     
トップ > 4月の最新ニュース