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最新ニュース
2013/07/31(金)
☆未開催決定(F1)
○来シーズンのレースカレンダーがどうなるのかが,早くからF1における注目点の一つとなっています。今シーズンは全19戦で行われていますが,来シーズンは1つ増えて全20戦で開催されることはほぼ間違いありません。そのような中,来シーズンは新規開催地としてロシア,アメリカのニュージャージーの名前が挙がり,さらにオーストリアGPの復活が確実視されています。もしそうだとすると,全22戦となりますので少なくとも現在開催されている地域の中から2つの開催地がカレンダーから外れる必要性が出てきます。そこで噂に上っているのが,韓国GPとインドGPです。その中で,インドGPについては主催者自身,そしてF1界のボスであるB.エクレストンが来季の開催を断念することを認めました。その原因ですが,今回の報道では,スケジュールの問題だとしています。インドGPはインド側の希望により後半に組み込まれていますが,そのためスケジュールがタイトになっていますので,エクレストン自身は前半に移動することを希望しているようです。2014年シーズンは後半に開き,2015年シーズンは前半に開くとなると開催地への負担が重くなるのが原因で来シーズンは開催しないという決定がなされたようです。ただし,一番の原因は開催に関わる税金だといわれているのも事実です。ただし,今回認められたのは2014年シーズンの未開催であって2015年シーズンからは復活するという話になっています。このあたりがまだあやふやな状況にあります。そのあやふやな点の一つが,ニュージャージーが本当に開催されることになるのかというものです。これについては,今後推移を見る必要性があるようです。なお,韓国GPについては,いまだに公式発表はなされていませんが,現実的には今シーズン限りでなくなるのは間違いない状況にあるようです。
2013/07/25(木)
☆開催中止(SF)
○日本を代表する4輪レースカテゴリーであるSGTとSFは,それぞれ世界進出を図るための取組みを行っています。
SGTの場合は,これまでマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われていますが,それに加えて今シーズンは,F1韓国GPの開催地であるコリア・インターナショナル・サーキットにおいて,エキシビション戦『SUPER GT All Star IN KOREA』を開催することになっていました。当然これは,来シーズン以降シリーズ戦にしていく方針があったことと思います。しかし,4月にSGTを運営するGTAから発表があり,諸般の事情によりこのレースが延期となりました。「延期」ですから,通常では新たな開催日が発表があってしかるべきですが,今のところなく,今シーズンに関しては自然消滅という事態が十分考えられます。
SFでは,今シーズン第5戦として韓国のインジェ・インターナショナル・サーキットで開催することになっていました。しかし,この度SFを運営するJRPから発表があり,インジェでの第5戦の開催を中止することになりました。中止の理由は具体的に述べられてなく,ただ「諸般の事情」ということでした。この諸般の事情に関しては,いくつも報道があり,その中の一つがサーキットそのものに問題があるということです。5月に完成した同サーキットですが,その直後にこけら落としのレースとして日本のスーパー耐久の第2戦が開催されました。開催はされたものの,実際のところは,開催に必要なFIAから発給されるグレード2の認可が出ていませんでした。その後,承認されるような改修が行われておらず,SFを開催するには施設的に不十分ということになります。さらに,サーキット側の運営母体にも問題があるようで,4社の協同出資で建設された同サーキットですが,サーキットの稼働やホテルの経営などについてその4社間でいくつかもめ事になっていて,スムーズな運営が難しい状況になっているようです。日本と韓国は,竹島問題で関係性がぎくしゃくしている状況ですし,やはり国際進出というのはそう簡単に進むものではありませんね。なお,インジェの代替開催がどうなるかについては,現段階では発表されていません。
2013/07/24(水)
☆テストライダー(MotoGP)
○HRCから発表があり,2011年から2年間にわたってレプソル・ホンダに所属したC.ストーナーとテストライダー契約を結びました。昨シーズン限りでMotoGPから引退した2011年シーズンチャンピオンのストーナーは,現在母国であるオーストラリアで行われている4輪レースのV8スーパーカーシリーズに参戦しています。ストーナーのコメントによると,引退から7ヶ月経ち,時々RC213Vに乗りたくなることがあるそうです。そのような中,HRCからツインリンクもてぎで行われる開発テストへの参加をオファーされ,今回の発表へと繋がったようです。ストーナーが参加するテストは,現在ホンダがMotoGPで使用しているRC213Vの開発はもちろん,来シーズンからホンダが供給を開始する予定であるRC213Vをベースとした「MotoGP市販レーサー(仮称)」の開発にも携わるとのことです。今回の発表はテストライダー契約というものでしたが,開発は何と言っても実戦が一番有効な手段ですから,ワイルドカードでも構いませんから,ストーナーの復帰なんていう話まで発展するといいなと思うのは私だけでしょうか。
2013/07/23(火)
☆最年少記録更新(MotoGP)
○MotoGP及びCRTクラスのみの開催となっている第9戦アメリカGPの決勝レースが,『コークスクリュー』で有名なマツダ・スピードウェイ・ラグナセカで行われました。2番グリッドからスタートしたランクトップをいくレプソル・ホンダのM.マルケスは,スタートで出遅れて1つ順位を下げてしまいました。しかし,4周目に2位に浮上し,18周目の最終コーナーでトップに浮上するとそのまま逃げ切り,今季3回目となる勝利を収めました。コークスクリューをはじめ,高速のブラインドコーナーがあったりしてとても難所とされているラグナセカだけに,GPにおいてこれまで初めて走ったライダーは誰も優勝できていなかったのですが,そのジンクスを破る優勝となりました。さらに,前戦ドイツGPに続く優勝ですが,ルーキーライダーによる優勝記録に関しては,これまでF.スペンサーが最年少記録を持っていましたが,今回の優勝でマルケスがこの記録を更新しています。2位には,ポールからスタートしたLCRホンダのS.ブラドルが入り,最高峰クラスにおける自己最高位&初表彰台を獲得しています。3位には,ゴー&ファン・ホンダ・グレシーニのA.バウティスタとのバトルを制してヤマハ・ファクトリー・レーシングのV.ロッシが入り,3戦連続今季通算4回目となる表彰台を獲得しています。惜しくも表彰台を逃したバウティスタですが,今季自己最高位でのフィニッシュとなります。鎖骨骨折をおして出場したレプソル・ホンダのD.ペドロサとヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,それぞれ5位,6位でレースを終えています。CRTクラスでは,13番グリッドからスタートしたアビンティア・ブルセンスのH.バルベラが10位でフィニッシュし,今季初めてクラス最高位を獲得しています。チームメイトの青山博一は,体調が万全でない中出場し,周回遅れながら16位完走を果たしています。第9戦が終了し,Moto2,Moto3クラスに引き続いて最高峰クラスもサマーブレイクに入りました。次の大会は,同じアメリカ国内にあるインディアナポリスにおいて8月16日から始まります。
2013/07/22(月)
☆初ポール(MotoGP)
○第9戦アメリカGPの予選が,カリフォルニア州にあるマツダ・スピードウェイ・ラグナセカで行われました。今回の大会は,MotoGP及びCRTクラスのみの開催となっています。第7戦オランダGPで自身初となるフロントローを獲得し,前戦ドイツGPでは自己最高位タイの4位と,このところ予選,決勝と結果を残してきているのが,LCRホンダのS.ブラドルです。その勢いは今回も持続していて,ランクトップをいくレプソル・ホンダのM.マルケスを退け,予選でトップタイムをマークして自身初となるポールを獲得しました。そのマルケスは,7周目に転倒を喫したため,ブラドルから1000分の17秒差で2番グリッド獲得となっています。3番グリッドを獲得したのは,ゴー&ファン・ホンダ・グレシーニのA.バウティスタでした。ホンダ勢がフロントローを独占しましたが,これは,2011年10月に行われた第17戦マレーシアGP以来となります。鎖骨を骨折したため,前戦をキャンセルしたレプソル・ホンダのD.ペドロサとヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,まだ不十分な体調ながら今回は復帰していて,それぞれ7番手,6番手につけています。CRTクラスでは,パワー・エレクトロニクス・アスパーのA.エスパルガロが11番手タイムをマークし,これがクラス最高位となりました。体調が万全ではない状態で参戦しているアビンティア・ブルセンスの青山博一は,21番グリッド獲得にとどまっています。
2013/07/19(金)
☆デモラン(SGT)
○8月17日〜18日には,鈴鹿サーキットにおいてSGTの第5戦となる『第42回インターナショナル・ポッカ・サッポロ1000km』が開催されます。その鈴鹿サーキットから発表があり,決勝日となる18日に,2014年から導入されることになっている新GT500車両のデモランが行われることになりました。海外進出を目指すSGTですが,その一環として,2014年シーズンからGT500クラスのマシンとDTMドイツツーリングカー選手権との車両規則を統一することになっています。エンジンについては統一が行われませんが,2015年シーズンから始まる予定になっているDTMアメリカとの連携が可能となり,日本,ヨーロッパ,アメリカのシリーズが共通の車両で行われることになりますので,将来的には相互に交流することが可能となってきます。今回発表になったデモランは,18日の11時頃から10分間にわたって行われるということで,トヨタ(レクサス),ホンダ,ニッサン3社の2014年型マシンが登場します。ニッサンについては,これまで通りGT-Rがベース車両となるでしょうが,トヨタ(レクサス)のSC430は既に市販が終了していますし,ホンダのHSV-010については市販車ではありません。今回のデモランは,果たして両メーカーのベース車両が何になるのか,この点についても注目となります。
2013/07/18(木)
☆エンジン変更(MotoGP)
○MotoGPのCRTクラスにフル参戦するNGMモバイル・フォワード・レーシングが,来シーズンのエンジンに関して明らかにしました。同チームは,現在FTR製のシャーシにカワサキのエンジンを搭載したマシンを使用しています。来シーズンは,FTR製のシャーシについては継続使用となるのはほぼ間違いなく,エンジンについては,2014年からヤマハが最高峰クラスに参戦するチームに対してエンジンの年間賃貸借供給を開始することになっていて,NGMがこれを使用することになりました。まだ正式契約には至っていませんが,近々正式に発表されることになりそうです。そのエンジンを制御するECUについては,来シーズンから導入されることになっている共通ECUを使用するようで,もしそうなれば,使用できるガソリン量は,MAXの24リッターとなります。今シーズンのNGMは,C.エドワーズとC.コルティという2名のライダーを擁して戦っています。そのエドワーズは,長年GPにおいてヤマハのワークスライダーとして活躍してきた人物。もしかしたら,今回のヤマハとの合意に何らかのいい影響があったかもしれませんね。
2013/07/17(水)
☆エンジン契約(F1)
○マルシャF1チームから発表があり,来シーズンからフェラーリのエンジンをはじめ,エネルギー・リカバリー・システム(ERS),トランスミッションおよび関連するすべての付属システムの供給を受けることになりました。来シーズンから1.6リッターV6ターボエンジンを使用することになるF1ですが,来シーズンは今回のフェラーリをはじめ,ルノーとメルセデスの3つのメーカーが新型エンジンを供給することになっていて,どのチームがどのエンジンを使用するのかも注目点の一つとなっています。今シーズンはフェラーリエンジンを使用しているトロロッソですが,来シーズンからは兄弟チームであるレッドブルと同じくルノーエンジンを使用することが決定していて,その抜けた穴にどのチームが入るのかが話題となっていました。そこで噂に上っていたのが,今回のマルシャです。2010年シーズンからF1への参戦を開始したマルシャですが,その時からずっとカスタマーエンジンであるコスワース製のエンジンを使用してきました。そのコスワースは,来季からの新型エンジンの供給から撤退するため,マルシャは新たなエンジンを見つける必要性が出ていました。それが,今回の契約に結びついたということです。なお,同チームは,2015年シーズンからF1に復帰するホンダエンジンを使用することになっているマクラーレンと現在テクニカルパートナーシップ契約を結んでいて,マクラーレンの空力施設を利用しています。今回フェラーリとの技術契約が成立しましたが,マクラーレンとは単に施設使用だけの契約で,特にフェラーリとの提携に抵触しませんので,今後もこの契約を維持する見込みとなっているようです。
2013/07/16(火)
☆危機回避?(F1)
○財政危機に直面し,ドライバー等に支払が滞っているザウバーですが,どうやら危機を脱したようです。この度ザウバーから発表があり,ロシア系の企業3社と長期的パートナーシップが締結されました。その企業とは,『インベストメント・コーポレーション・インターナショナル・ファンド』『ノースウエスト・ロシア連邦開発州基金』『国立航空技術研究所』です。そして,この締結により,今後ロシアにおけるスポーツとしてのF1の促進及びハイテクソリューションの共同開発に取り組むことになります。一時は,チーム売却まで噂されましたが,今回の提携では,チームの株式売却やマネージメント体制の変更はないようです。昨年までのザウバーが,メキシコ系企業とのパートナーシップがあったため,S.ペレスを起用したということがありましたが,今回の提携にも同様のことがあります。今シーズンは現在のドライバーで継続していくことになりますが,来シーズンは若いロシア人ドライバーを起用することになります。そのドライバーとは,17歳のロシア人ドライバーであるS.シトロキンです。今シーズンのシトロキンは,フォーミュラ・ルノー3.5にフル参戦していて,現在ランキング8位につけています。来シーズンからかつて冬季オリンピックが開かれた都市であるソチにおいてロシアGPが始まりますが,シトロキンの起用は,その新しいGPに大きな華を添えることになります。今週イギリスのシルバーストーンで若手ドライバーテストが開催される予定になっていますが,シトロンキはこれに参加する予定はないようです。ちなみに,そのザウバーは,若手ドライバーテストで複数のドライバーを起用することになっていますが,これまでフォーミュラBMWやユーロF3で経験を積み,今シーズンはAUTP GPにフル参戦し,つい最近までランクトップにつけていた佐藤公哉をその中の一人として起用することが既に発表されています。
2013/07/15(月)
☆ランクトップ(MotoGP)
○第8戦ドイツGPの決勝レースが,ザクセンリンクで行われました。ここまでランクトップをいくレプソル・ホンダのD.ペドロサは,前日の転倒により予選に続いて決勝レースもキャンセルとなり,初日に転倒したランク2位をいくヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾもキャンセルしていますから,ランク1,2位が欠場するという異常事態の中での決勝レースとなりました。ポールからスタートしたレプソル・ホンダのM.マルケスは,スタートで出遅れて4位に落ちたものの,6周目にトップに躍り出ると後続との差を広げていき,第2戦アメリカズGP以来2勝目を挙げました。ここを得意とするマルケスは,125ccクラスにフル参戦していた2009年シーズンから,クラス違いではあるものの,4連勝を飾ったことになります。この勝利とランク1,2位が欠場したことにより,最高峰クラスルーキーであるマルケスがランクトップに浮上しています。2位には,初日の転倒により手を負傷しているモンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローが入りました。そして,3位には,前戦の勝者ヤマハ・ファクトリー・レーシングのV.ロッシが入り,2戦連続表彰台獲得となりました。序盤にトップに立ったのが,母国GPに燃えるLCRホンダのS.ブラドルでした。最高峰クラス初表彰台獲得が期待されましたが,最終的に4位でのチェッカーとなりました。怪我をおしての出場となったアビンティア・ブルセンスの青山博一は,17位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,3台の夜トップ争いが展開されていきましたが,終盤に入ってチーム・アスパーのJ.トーレスがトップに立つとそのまま逃げ切り,参戦28戦目にして初の勝利を収めました。2台による2位争いは,最終ラップでNGMモバイル・レーシングのS.コルシが2位に浮上してこの争いを制しました。3位には,トゥエンティHP40のP.エスパルガロが入っています。鎖骨骨折からの復帰となるイタルトランス・レーシングの中上貴晶は,11位完走でレースを終えています。また,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの高橋裕紀は,19位でのチェッカーでした。
Moto3クラスは,KTMのマシンを駆るスペイン人ライダー3人によるトップ争いとなりましたが,ポールからスタートしたエストレラ・ガルシアのA.リンスがファイナルラップでトップに立ってそのまま逃げ切り,第2戦アメリカズGP以来となる今季2勝目を挙げました。2位,3位には,それぞれレッドブルKTMアジョのL.サロム,チーム・カルボのM.ビニャーレスが入っています。ラ・フォンテ・タスカレーシングの渡辺陽向は,27位でチェッカーを受けています。
☆連勝(SF)
○第3戦の決勝レースが,ドライコンディションの富士スピードウェイで行われました。ポールからスタートしたKYGNUS SUNOCOのL.デュバルは,トップの位置を守って順調にスタートを切りました。そのオープニングラップで2台が絡まる事故がコース上で発生したため,セーフティーカーが導入される事態となりました。この間にここまでランクトップをいくLenovo TEAM IMPULの松田次生がピットインするという作戦を取りました。これが功を奏して,各車がルーティンのピットストップを完了したときにはデュバルに代わって松田がトップに立ちました。それに対して,デュバルの方はピットインでタイヤを平置きできなかったというピット作業違反によりドライブスルーペナルティーが科されてしまい,トップ争いから脱落となりました。そのような中,オートポリスでの第2戦を制しているPETRONAS TOM'SのA.ロッテラーが2位に浮上し,トップの松田を追う展開となっていきました。かなり早い段階でピットインを済ませていた松田でしたから,後半に入ってタイヤの消耗に苦しむ状態となりました。何とかロッテラーの追撃をかわしてきた松田でしたが,タイヤの消耗には勝てず,51周目にロッテラーに交わされてしまいました。トップに立ったロッテラーは,そのまま順調に走行を続け,前戦に続く連勝を飾りました。2位に落ちた松田は,さらに不運に見舞われてしまいます。チェッカーまで残り2周となったところでマシントラブルが発生してしまい,マシンがストップしてしまいました。これにより後続の順位が1つ繰り上がっていき,2位にP.MU/cerumo・INGINGの平手晃平,3位にTEAM無限の山本尚貴が入りました。
2013/07/14(日)
☆トップ2が(MotoGP)
○第8戦ドイツGPの予選が,ザクセンリンクで行われました。ランク2位を行くヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾは,前日に転倒を喫し,左鎖骨に入れていたプレートが曲がってしまったため,この大会を欠場することが決まっていました。そして,この日は,午前中に行われたフリー走行3で,今度はランクトップをいくレプソル・ホンダのD.ペドロサがハイサイドからハードクラッシュに見舞われてしまい,精密検査のためヘリコプターで病院に緊急搬送されるという事態に見舞われてしまいました。幸いなことに,命に関わるような頭部の怪我ではなかったようですが,後の検査で左鎖骨に小さな骨折が見つかっています。決勝レースについては,頭部に衝撃を受けていることから,本日メディカルチェックを受け,その結果で走行できるかどうかが決まります。もし走行できる場合は,フリー走行の総合結果により,12番グリッドからのスタートとなります。さて,ランクトップ2を欠いた中で行われた予選ですが,ポールを獲得したのは,ここまでランク3位につけているレプソル・ホンダのM.マルケスでした。最高峰クラスルーキーライダーの彼ですが,今回のポール獲得は早くも今季3回目となります。初日に転倒を喫し,右手首と左前腕に負傷しているモンスター・ヤマハ・テック3のC.クラッチローですが,ファイターらしい走りを展開して2番手タイムをマークし,3戦連続4度目のフロントロー獲得となっています。前戦で久々に勝利を収めていい流れになっているヤマハ・ファクトリー・レーシングのV.ロッシが3番手タイムをマークし,2010年10月に行われた第17戦ポルトガルGP以来のフロントロー獲得となりました。指先を欠損する重傷を負い,今回が復帰レースとなるアビンティア・ブルセンスの青山博一は,20番手タイムで予選を終えています。
Moto2クラスは,カレックスのマシンを駆るベルギー人ライダーのX.シメオンが最速タイムを刻み,自身キャリア初となるポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,チーム・アスパーのJ.トーレスで,自身初の1列目スタートとなります。ようやく本来の切れのある走りが復活してきたトゥエンティHP40のP.エスパルガロが,わずか1000分の39秒差で3番グリッドからのスタートとなりました。日本人ライダー勢ですが,イタルトランス・レーシングの中上貴晶は7番グリッド,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの高橋裕紀は20番グリッドを獲得しています。
Moto3クラスは,エストレラ・ガルシアのA.リンスが最速タイムを刻み,第3戦スペインGP以来今季3度目となるポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのA.リンスは,残り5分となったところでエンジントラブルが発生してしまいましたが,それまでのタイムで2番グリッドを獲得しています。マヒンドラのマシンを駆るM.オリベイラが3番グリッドを獲得し,3戦連続4度目となるフロントロースターととなりました。ラ・フォンテ・タスカレーシングの渡辺陽向は,32番手タイムで予選を終えています。
2013/07/13(土)
☆欠場(MotoGP)
○第8戦ドイツGPが,ザクセンリンクで開幕し,初日は午前・午後にフリー走行が行われました。MotoGPクラスは,最高峰クラス2年目のLCRホンダのS.ブラドルが,午後に行われたフリー走行2で最速タイムをマークし,これがこの日の総合トップタイムでした。その日の最速タイムを刻んだのは,ブラドルにとって初となります。総合2番手タイムだったのは,午前に行われたフリー走行1でのトップタイムだったヤマハ・ファクトリー・レーシングのJ.ロレンゾでした。そのロレンゾですが,前戦で転倒により左鎖骨を骨折し,予選をパスして緊急手術を行うと共に,決勝レースには出場して5位でチェッカーを受けるという離れ業を演じています。今回のロレンゾは,午前でトップタイムをマークし,午後の走行でもその速さを維持していましたが,4周目にハイサイドから転倒を喫して左肩を路面で強打してしまいました。精密検査をした結果,新たな骨折はなかったようですが,前戦で入れていたプレートが曲がってしまったため,再び手術をすることになってしまいました。前戦はそれ以後に出場しましたが,今回は治療に専念することを選択し,2日目からのドイツGP出場を断念しています。総合3番手タイムだったのは,フリー走行1でのタイムでレプソル・ホンダのD.ペドロサでした。
Moto2クラスは,ここまでランクトップをいくマークVDSのS.レディングがフリー走行2でトップタイムをマークし,これがこの日の総合トップタイムでした。NGMモバイル・フォワード・レーシングのA.デ.アンジェリスは,次戦でB.スピースの代役として最高峰クラスに出場することになっていますが,これに気をよくしているのか,この日の総合2番手タイムをたたき出しています。3戦連続して初日の総合トップタイムだったのがトゥエンティHP40のP.エスパルガロでしたが,今回の初日は総合3番手タイムでした。イタルトランス・レーシングの中上貴晶は総合14番手,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの高橋裕紀は総合26番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,エストレラ・ガルシアのA.リンスが最速タイムを刻み,第4戦フランスGP以来今季2回目となる総合トップタイムでした。総合2番手タイムだったのは,レッドブルKTMアジョのL.サロムでした。そして,総合3番手タイムだったのは,マヒンドラ・レーシングのE.バスケスでした。ラ・フォンテ・タスカレーシングの渡辺陽向は,ブービーとなる総合34番手で初日を終えています。
2013/07/12(金)
☆活動拠点(F1)
○2015年シーズンからF1に復帰することになっているホンダが,ヨーロッパにおける活動拠点について発表がありました。それによると,4度目のF1参戦となるホンダの新しい拠点は,イギリスのバッキンガム州にあるミルトンキーンズです。この拠点は,MUGEN EURO Co.Ltd.が同地に建設する新社屋内に設置されます。そして,株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター(栃木)で開発されたエンジンを含めたパワーユニットのリビルドやメンテナンス,サーキットサービスなどを行います。なお,この拠点では,F1だけでなく,ホンダが今シーズンから正式にフル参戦を開始しているWTCCに携わるホンダエンジニアの活動拠点にもなります。ちなみに,現在イギリスには,F1へ参戦している11チームのうち,ホンダが再びタッグを組むことになったマクラーレンをはじめ,8チームが本拠地となるファクトリーを設置していて,今回発表されたミルトンキーンズは,レッドブルも活動のベースとしています。
2013/07/11(木)
☆安全対策(F1)
○先週末に行われたドイツGPにおいて,レッドブルのM.ウェーバーがピットインした際,チームクルーのミスによりタイヤの装着が不十分なままピットアウトさせてしまいました。これによりピットレーン上でタイヤが外れてしまい,それがたまたま撮影のためにいたFOM(フォーミュラワン・マネジメント)のカメラクルーにあたってしまい,彼は肋骨2本と鎖骨を骨折したほか,打撲や脳震盪にも見舞われてしまいました。FIAからの発表によると,重傷は負ってしまったものの,幸いにも完治する見込みということです。しかし,一歩間違えれば死亡事故に繋がるものだけに,安全性を高めるため,FIAがいくつかの規則変更を発表しました。まず,決勝及び予選セッションにおいて,コースマーシャルとチーム関係者以外はピットレーンへの立ち入りが禁止されました。ただし,許可を受けたメディアは,ピットウォールには立ち入ることができます。また,ピットストップにi関わるチームクルーに対しては,ヘルメットの装着が義務化されました。さらに,ピットレーンでの制限速度が強化され,これまでの時速100qから,時速80qへと変更されました。ただ,オーストラリアのメルボルン,モナコ,シンガポールについては,既に時速60qという制限がありますので,今回の規定からは除外されます。
2013/07/10(水)
☆供給先(F1)
○フェラーリ代表のS.ドメニカリによると,来シーズンのエンジン供給先について近々発表する見込みのようです。現在は2.4リッターV8エンジンを使用しているF1ですが,これまでに何回もお伝えしてきたように,来シーズンから1.6リッターV6ターボエンジンが使用されることになっています。全くのブランニューエンジン投入に伴い,そして,2015年シーズンからホンダが復帰することになっていることから,今年を含めた2年間の中で,どのチームがどのエンジンを使用することになるのかが大きな注目点になるのは間違いありません。さて,冒頭に記したフェラーリですが,どうやら今シーズンと同じく2チームにフェラーリ製のカスタマーエンジンを供給することになるようです。ただし,現在供給先の一つであるトロロッソについては,来シーズンからは兄弟チームであるレッドブルと同じルノーエンジンを使用することになるのが決定しています。そのため,そのトロロッソに代わる新たなチームに供給することになります。その筆頭候補が,今シーズンはコスワース製のエンジンを使用しているマルシャです。マルシャについては,今季フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員であるJ.ビアンキを採用しています。これは,フェラーリとの関係を構築する上で重要なものです。もう一つのチームについては,今シーズンの供給先であるザウバーになることはほぼ間違いないでしょう。ただし,同チームについては,昨日お伝えしたように,資金難という大問題に直面していますので,チームの存続自体が不透明なところがあります。ただ,万が一そうなったとしても,身売りという形に収まりそうな気配もありますので,供給先がなくなるという事態は避けられそうです。
2013/07/09(火)
☆解約解除?(F1)
○昨シーズンまで小林可夢偉とS.ペレスが所属して何度もポイントを獲得したザウバーですが,今シーズンはポイント獲得がままならない状況が続いています。この原因の一つが,資金難による開発費の不足といわれています。かつてはBMWのファクトリーチームだったザウバーですが,そのBMWがF1から撤退して以来,毎年のようにザウバーの資金難が伝えられてきました。そして,今シーズンはその中でも深刻さが増していて,チームの身売りすらまことしやかに語られるようになっています。この資金難により,チームクルーへの賃金支払が遅延しているという噂が出ています。さらに,ドライバーへの支払も遅延していて,エースドライバーであるN.ヒュルケンベルグに対しては,5月分からの支払がなされていないとの報道があります。今シーズンから同チームに所属しているヒュルケンベルグですが,契約期間は1年となっています。しかし,支払遅延,そしてなかなかマシンのパフォーマンスが上がらないということもきっとあるのでしょう,チームに対して契約違約により契約を解除するよう要求し,チームが了承したという噂が浮上しています。さらに,この噂を当事者が否定していないということですから,単なる噂では澄まない状況になっているようです。来シーズンのヒュルケンベルグは,ロータスと契約するのではないかといわれています。そして,恐らく既に話し合いも行われていることでしょう。というのも,ロータスのエースドライバーであるK.ライコネンが,F1から引退することが決定しているM.ウェーバーに代わってレッドブルに移籍することがほぼ確実視されているからです。大型の移籍劇に発展する可能性が高い一連の流れだけに,今後とも目が離せないことになりそうです。
2013/07/08(月)
☆初制覇(F1)
○第9戦ドイツGPの決勝レースが,レースウィークを通じて好天に恵まれたニュルブルクリンクで行われました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルは,好スタートを切ってトップで1コーナーに入りました。それに対して,ポールからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンは,予選3番手だったレッドブルのM.ウェーバーにも交わされて3位に転落しました。今シーズンのメルセデスは,予選では速さを見せるものの,決勝レースでは失速するというパターンが多く,特に路面温度が上がるとその傾向が強くなります。今回も路面温度が上昇していますので,やはりペースが上がらずに順位を下げていくというパターンにはまってしまいました。2番手に浮上したウェーバーでしたが,1回目のピットストップの際,タイヤ交換に手間取り,さらに装着が不十分なままピットクルーがスタートの合図を送ってしまったため,ピットロード上でタイヤが外れてしまい,ピットクルーに押されて再びピットに戻されるという事態になってしまいました。このアクシデントにより順位を下げたウェーバーでしたが,後にセーフティーカー導入があったおかげで順位を回復し,最終的に7位でゴールしています。トップに立ったベッテルは,2位に浮上してきたロータスのK.ライコネンの追撃にさらされますが,1秒の間隔で逃げ切り,今季4勝目,通算30勝という節目の勝利となりました。意外なことに,今回の勝利は,ベッテルにとって初の母国GP制覇となります。3位には,ライコネンのチームメイトであるR.グロージャンが入っています。なお,ウェーバーのタイヤ直撃に遭ったFOMのカメラクルーは,ヘリコプターで病院に運ばれ,診断の結果,肋骨を2本と鎖骨の骨折,さらに打撲と脳しんとうという重傷だったものの,幸いなことに命に別状はないようです。
2013/07/07(日)
☆明暗(F1)
○第9戦ドイツGPの予選が,ホッケンハイムと隔年で開催されているニュルブルクリンクで行われました。前戦を制しているメルセデスAMGのN.ロズベルグは,1コーナーでのミスと,他のドライバーのタイムアップを読み間違えたことがあって,予選Q2で敗退するという波乱が起きました。そして,最後のトップ10の順位を決める予選Q3でトップタイムをマークしたのは,Q2で敗退したロズベルグのチームメイトであるL.ハミルトンでした。同じチームでありながら,ポール獲得とQ2敗退という明暗が分かれる結果となりました。ハミルトンのポール獲得は,前戦に引き続いてで,今季3回目,通算29回目となります。2番手タイムをマークしたのは,前戦でトップを走行しながら,マシントラブルでリタイアという不運に見舞われたレッドブルのS.ベッテルでした。そして,予選3番手タイムをマークしたのは,前戦のレースウィークに入って今シーズン限りでF1からの引退を表明したレッドブルのM.ウェーバーでした。
2013/07/06(土)
☆開催決定(MotoGP)
○1999年までオスカル・ガルベス・サーキットで開催されていたのがアルゼンチンGPですが,今度は場所を変えて再びGPが復活することが決定しました。その新たな場所というのは,同国のサンティアゴ・デル・エステロ州に建設されたサーキットであるアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドです。この度GPを主催するDORNAとアルゼンチン政府観光局との間でグランプリ開催で合意され,来シーズンから3年間にわたってGPを開催することが決定しました。本当は,今シーズンからの開催が予定されていたのですが,昨年スペイン政府が渡航自粛を勧告していたことから今シーズンの開催が見送られました。今回の動きを受け,懐かしいライダーが帰ってくることになりそうな気配です。そのライダーとは,かつて250ccクラスで活躍したアルゼンチンライダーのS.ポルトです。1994年のアルゼンチンGPでデビューを果たした彼は,1996年から250ccクラスにフル参戦を開始しました。2004年シーズンには,5勝を挙げてランク2位となり,これが自己最高位となりました。唯一のフル参戦アルゼンチン人ライダーとして活躍してきた彼でしたが,2006年シーズン限りで引退していました。その後は4輪へと転向していましたが,15年ぶりにアルゼンチンGPが復活することに刺激を受けたのか,今年はアルゼンチンの国内シリーズに参戦し,SS600クラスでランクトップにつけています。恐らくスポンサー関係も問題ないでしょうから,アルゼンチンGPと共にポルトも復活することになりそうな気配です。
2013/07/05(金)
☆警告(F1)
○昨夜,今日から開幕するドイツGPの会場であるニュルブルクリンクにおいて,F1ドライバーによって組織すGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会合がもたれました。そこで,イギリスGPで多発した左リアタイヤのバースト問題について話し合われました。この問題は,ドライバーにとってレース結果だけでなく自身の命にもかかわることだけに,真剣な討議がなされたことでしょう。その結果,現状への不満を強い言葉で表現した声明が発表されました。それによると,今週末のドイツGPにおいて,イギリスと同じようにタイヤの問題が多発した場合,この大会をボイコットすることになりました。F1におけるボイコットということで思い出されるのは,2005年のアメリカGPでしょう。当時はミシュランとブリヂストンがタイヤを供給していて,両者による激しいタイヤ開発競争がなされていました。大会初日の金曜日に行われたフリー走行において,トヨタのR.シューマッハをはじめとしてミシュランユーザーに事故が多発しました。その結果,ミシュランはユーザーに対して走行しないように呼びかけました。とはいえ,全ユーザーが走行しないわけには現実的にいきませんから,FIAが主導して,ミシュランユーザーのチーム,ブリヂストンユーザーのチームとの間で,シケインの設置や新品タイヤでのレーススタートなどの解決策が話し合われたものの,合意に至りませんでした。この結果を受け,ミシュランユーザーチームに所属する全14名のドライバーは,決勝レースにおいてフォーメーションラップ後にピットに入り,そのままリタイアしました。ちなみに,ブリヂストンユーザーのみで争われたレースは,フェラーリのM.シューマッハの優勝で終了しています。今回の問題に対して,ピレリ側はリアタイヤのベルト素材をスチールからケルバーに変更するという対策を取ることになっています。何事もなく無事初日が終了し,決勝レースが通常通り開催されるようになるといいですね。
2013/07/04(木)
☆移籍(F1)
○先日,ザウバーでチーフデザイナーを務めるM.モリスが,チームを離れることが明らかとなりました。そのモリスですが,2003年シーズンから9年間にわたってウィリアムズに所属してシニア・システムエンジニア等の役職を務めた後,ザウバーにヘッド・オブ・メカニカルデザインとして就任し,その後チーフデザイナーに昇格していました。そして,このザウバーの発表に呼応するかのように,マクラーレンがそのモリスをエンジニアリングディレクターとして迎え入れることを明らかにしました。現段階では,モリスのザウバー離脱時期について明らかになってなく,その分マクラーレンへの移籍時期は未定のままのようです。2015年シーズンからホンダがマクラーレンと組んでF1に復帰することになっています。マクラーレンのコメントによると,今回の移籍話は,それに向けてエンジニアリング部門を強化するための最初のステップとなるようです。なお,モリスの抜けるザウバーですが,モリスに代わってE.ガンデリンがチーフデザイナーに就任しています。
2013/07/03(水)
☆原因と対策(F1)
○イギリスGPにおいて,左リアタイヤのバーストが多発した件について,ワンメークタイヤを供給しているイタリアのタイヤメーカーであるピレリが,その原因と新たな対策について発表しました。まず,バーストの原因ですが,タイヤを左右逆に装着する,空気圧を低くする,足回りに極端なキャンバーを設定されていたりしたためとしています。タイヤを逆に装着することについては,これまでいろいろなチームがトライしていたことは既に明らかになっていました。伝統のモナコGPをメルセデスAMGのN.ロズベルグが圧倒的速さで制しましたが,この時のタイヤが左右逆に装着されていたというような報道もありました。左右非対称な構造を持つタイヤは,このような使用方法に対応できるよう設計されておらず,余分なストレスがかかったことでサイドウオールに亀裂が入り,それがバーストに繋がったというのです。また,サーキットの縁石にも原因があったとしていて,とりわけ4コーナーの縁石が非常にアグレッシブで,ハンガーストレート後にタイヤがバーストしたのはターン4の縁石がタイヤカットを引き起こした可能性が最も高いとのことです。今回の問題への対策については,今週末にニュルブルクリンクで行われるドイツGPに改良型のリアタイヤを持ち込むことにしました。このタイヤは,インナーベルト素材がスチールではなくケブラーに変更されたもので,ケプラー素材は柔軟なもののため,特にパンクに抵抗力のある素材といわれています。また,今月末のハンガリーGPからは,コンパウンドは今季型のままであるものの,構造が2012年型という,今流行のことばを使えば,いわゆるハイブリッド的なタイヤになるようです。さらに,ピレリは,チームのタイヤ圧や温度,キャンバー角のデータをリアルタイムで把握できるよう,FIAに対して新しいレギュレーションを導入するよう求めています。
2013/07/02(火)
☆予定変更(F1)
○N.ロズベルグの優勝で終わったシルバーストーン・サーキットでのイギリスGPですが,左リアタイヤのバーストが多発するというレース結果だけでなく,安全をも脅かす大きな問題が浮上したレースでもありました。この点について,新たな取組みが発表されました。今月17日から19日まで,同サーキットで若手ドライバーテストが行われる予定になっています。このテストは,レギュレーション上レギュラードライバーが走行することができませんが,緊急措置として,レギュラードライバーが参加可能となったのです。もちろん,本来は若手ドライバーのためのテストですから,マシンの改善及び評価のためのレギュラードライバーの走行は認められず,タイヤテストのみの走行となります。問題が発生した同じ場所でテストを行うというのは,原因がどこにあるのか探るのにはうってつけですので,今回の予定変更は当然の措置といえます。なお,まだ決定には至っていませんが,タイヤテストという新たな要素が加わったため,その分若手の走行機会が減ることになりますので,これを保障するためテスト予定を1日延長するという案も浮上しています。ただ,メルセデスAMGについては,シーズン中に今季型マシンを使ってタイヤテストを行ったという問題について,先日若手テストへの参加が不許可という裁定が下っていますが,この裁定は有効なため,このテストに参加することはできません。
2013/07/01(月)
☆初優勝(JRR)
◯第3戦の決勝レースが,筑波サーキットで行われました。JSB1000クラスは,ヨシムラの津田拓也とヤマハの中須賀克行が抜け出し,2人によるトップ争いが展開されました。しかし,8周目に入って中須賀にマシントラブルが発生してピットインし,そのままリタイアとなりました。トップをいく津田は,1周がとても短い筑波らしく,度々出てくる周回遅れを交わすときに2位との差が縮まることはありましたが,常に2秒以上の差をつけて最後までトップの座を守り抜き,うれしい初優勝を飾りました。津田との差をなかなか縮めることができなかった2位には,ホンダの高橋巧が入りました。3位には,カワサキの柳川明が入っています。ランキング争いでは,この大会までトップに立っていたホンダの秋吉耕祐と2位につけていた中須賀がノーポイントに終わったため,2位に入った高橋がランクトップに立っています。
J-GP2クラスは,カワサキの井筒仁康がホールショットを奪ってトップに立ちましたが,5周目に転倒を喫してリタイアに終わりました。その後複数のマシンによるトップ争いとなりましたが,スズキのマシンを駆る生形秀之がトップに立つとそのまま逃げ切り,生形が今季初優勝を飾りました。2位には,開幕戦を制しているカワサキの高橋英倫が,3位には,ヤマハの野左根航汰が入っています。
ST600クラスは,ホンダの渡辺一馬とヤマハの中冨伸一との間でトップ争いが展開されました。最後まで続いたバトルは,最終的に渡辺が勝利し,このクラス初優勝を飾りました。2位でチェッカーを受けた中冨でしたが,レース途中で白旗を無視したため30秒加算のペナルティを受けたため,10位に順位を下げてしまいました。そのため,3位でチェッカーを受けたカワサキの岩崎哲朗が2位,4位でチェッカーを受けたヤマハの伊藤勇樹が3位に順位を上げています。
J-GP3クラスは,NSF250Rを駆る山田誓巳とTSR3を駆る國峰啄磨との間でトップ争いとなりました。しかし,3周目に國峰が転倒すると山田の独走態勢となり,2戦連続トップでチェッカーを受けました。転倒した國峰は,再スタートを切りましたが23位にまで順位を下げてしまいました。しかし,どんどん順位を挽回していき,何と2位にまで浮上してチェッカーを受けました。3位には,TSR3を駆る徳留真紀が入っています。
☆タイヤバースト(F1)
○第8戦イギリスGPの決勝レースが,シルバーストーン・サーキットで行われました。レース序盤は,ポールからスタートしたメルセデスAMGを,ランクトップをいくレッドブルのS.ベッテルが追うという展開となりました。ところが,8周目にハミルトンの左リアタイヤが突然バーストしてしまい,トップ争いから脱落してしまいました。なお,ハミルトンを襲った左リアタイヤのバーストは,他のマシンをも襲っています。トップに立ったベッテルを,2番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのN.ロズベルグが後続との差を広げて追うという展開となりましたが,41周目にベッテルのマシンをトラブルが襲ってリタイアに終わってしまいました。その後,今シーズン限りでF1からの引退を発表したばかりのレッドブルのM.ウェーバーがロズベルグとの差を縮めていきましたが,最後までロズベルグが逃げ切り,モナコGP以来となる今季2勝目を挙げました。3位には,10番グリッドからスタートとなったフェラーリのF.アロンソが入っています。ロータスのK.ライコネンは5位でチェッカーを受けてポイントを獲得し,これによりそれまでM.シューマッハが持っていた連続ポイント獲得記録を更新して25戦連続という新記録を達成しています。なお,レースウィークを通して多発した左リアタイヤのバーストですが,タイヤの製造工程に問題があるのではないかという指摘が出ていたものの,ワンメークタイヤを供給するピレリ自身は,その点を否定しています。とはいえ,シーズン序盤に発生したタイヤの表面が剥離するという問題を解決するため,今回から新たな製造工程で作られたタイヤが供給されるようになったとたんこのバースト問題が起きています。ピレリがワンメークタイヤを供給してからいろいろタイヤに関する問題が出ていますので,ピレリタイヤに対するエントラントの信頼感がさらに低くなったのかもしれません。
     
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