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2026/06/30(火)
◎イタリアンメーカー(MotoGP)
◯先週末に第10戦オランダGPが開催され,今季好調なアプリリア勢が好成績を収め,その中で唯一のフル参戦日本人ライダーであるスーパーファイル・トラックハウスMotoGPチームの小椋藍が最高峰クラスで初優勝を果たしました。そして,アプリリアは予選でトップ4を独占し,決勝レースは表彰台を独占しています。昨年まではドゥカティが連戦連勝を果たし,今季はアプリリアが好調ではあるものの,それでも表彰台の一角をほぼ占める状況が続いています。かつては日本メーカーが圧倒的な成績を収めていて,どのライダーもそのシートを狙う状況にありました。しかし,コロナ禍以降そうした姿は見られなくなり,現在はアプリリアとドゥカティのイタリアンメーカーのシートを誰もが欲しい状況となっています。そのシート獲得についてですが,今シーズンで契約が切れるライダーがほとんどで,来季に向けたシート獲得競争は既に始まっています。ただ,今季はいつもと違いがあって,来季以降もMotoGPにフル参戦する予定のメーカーとMotoGPの商業権を有する『MotoGP Sports Entertainment Group』との間で契約がなかなか成立していなかったことから,来季以降のライダーの契約が発表できないという状況が続いていました。しかし,ようやく6月24日(水)にその契約成立したことが正式に発表され,その動きに伴ってライダーの契約を明らかにすることができる状況となりました。その中で早速動きがあったのが,イタリアンメーカーの2社です。まず6月23日(火)にドゥカティから発表があり,昨シーズンからドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームに所属し,今季で契約が切れるM.マルケスとの間で,2028年末までの2年間の契約延長が成立しました。さらに,その翌日には,2021年から同チームに所属し,今季で契約が切れるF.バニャイヤとの契約を延長しないことも発表されました。この動きに呼応するかのように,今季でKTMのワークスであるレッドブルKTMファクトリーレーシングとの契約が切れるP.アコスタを,来季からマルケスと同じく2028年末までの契約が成立したことも発表されました。これにより,来季からのドゥカティワークスは,M.マルケス&P.アコスタのスペイン人ライダーコンビになることが決まりました。この流れは更に続き,6月25日(木)には,アプリリアワークスであるアプリリア・レーシングから発表があり,今季でドゥカティと袂を分かつことになったバニャイヤとの間で,2027年から2030年までの4年間の契約が成立しました。アプリリア・レーシングについては,既にシーズン前にM.ベゼッキとの間で契約延長が発表されていますので,来季からのアプリリアワークスは,M.ベゼッキ&F.バニャイヤのイタリア人ライダーコンビになることが決まりましたので,メーカーと合わせてオールイタリアンで臨むことになりました。今回の発表はイタリアンメーカーのワークスだけでしたが,既に水面下で各メーカー及びチームの交渉はかなり進んでいることは間違いなく,今後徐々に発表されていくことになります。
2026/06/29(月)
◎22年ぶり(MotoGP)
◯TTサーキット・アッセンで行われた第10戦オランダGP最終日は,各クラスの決勝レースが行われました。
MotoGPクラスのこの大会は,アプリリアの今季好調さを示すかのような大会となりました。2日目に行われた予選とスプリントレースは,予選でトップ4を,スプリントでトップ2をアプリリアが独占していました。その流れの中で行われた決勝レースは,これまたアプリリアが上位を独占する結果となっています。さらに,その流れの中で輝きを見せたのは,唯一のフル参戦日本人ライダーであるスーパーファイル・トラックハウスMotoGPチームの小椋藍でした。前日に行われたスプリントレースでは,惜しくもチームメイトであるR.フェルナンデスの後塵を拝して2位に終わった小椋でしたが,タラレバで言うとあと数周あればチームメイトを交わしてトップでチェッカーを受けることができたのではないかということを思わせる走りを見せていました。決勝レースは長丁場ですから,後半に圧倒的速さを見せる小椋が後半までのレース展開によっては彼自身にとって初となる最高峰クラス優勝も十分狙えるのではないかという期待を持たせていました。そして始まった決勝レースは,まさにその期待を現実化するものとなりました。トップ争いの中に加わっていた小椋でしたが,序盤にチームメイトとの2位争いの中で危ない場面に遭遇して一時5位に落ちる展開となりました。しかし,ペースに勝る小椋はすぐに順位を挽回して再び2位を走行しているチームメイトに追いついていきました。トップを走るのはポールからスタートしたアプリリア・レーシングのJ.マルティンでしたが,当初は独走体制に持ち込んでいたものの,レースが進むにつれてペースを上げることができなくなり,徐々にトラックハウス勢に追いつかれてしまいました。そうした流れの中で小椋に再び不運が訪れ,トップ2台との差を詰めていた17周目にライドハイトデバイスにトラブルが出たようで,一瞬走行ラインを外す事態となり,せっかく迫っていた2台との差が再びついてしまいました。しかし,幸運なことにトラブルは一瞬で済んだようで,再びペースを上げることに成功しました。他のライダーの誰もが認めるように後半に圧倒的速さを見せる小椋は,上位2台との差を縮めていき,18周目に2位に落ちていたマルティンを交わし,さらに20周目には,チームメイトでスプリント勝者であるフェルナンデスを交わしてトップに立ちました。最終盤に入っても圧倒的なペースを見せている小椋は,後続との差をどんどん広げていって独走体制に持ち込み,フェルナンデスに2秒以上の差をつける独走でトップチェッカーを受け,見事このクラスにおける自身初優勝を飾りました。日本人ライダーが最高峰クラスを制するのは,2004年の9月に行われた第12戦日本GPにキャメル・ホンダの玉田誠が優勝して以来22年,通算7952日ぶりとなります。また,最高峰クラスでの日本人ライダー優勝は,1975年の第2戦オーストリアGPにおいて金谷秀夫が初優勝を挙げて以降,片山敬済,阿部典史,岡田忠之,宇川徹,玉田誠に続き7人目となります。もちろん海外メーカー製のマシンを駆っての優勝は初ですなお,この大会前までランクトップに立っていたのはアプリリア・レーシングのM.ベゼッキでしたが,そのベゼッキが転倒リタイアしたのに対し,ランク2位につけていたマルティンが3位表彰台獲得したことにより,ランクトップにはマルティンが浮上しています。
Moto2クラスの決勝レースは,ポールからスタートしたCFモト・アズール・マリノ・アスパー・チームのD.アロンソがトップに立ちましたが,一時順位を下げました。その後,そのアロンソを含めた3台によるトップ争いとなり,そのバトルはファイナルラップまで続いていきました。そして,2位を走行していたアロンソが,最後のシケインでトップを行くリキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのM.ゴンザレスを交わしてトップに浮上し,そのままチェッカーを受けました。3位には,ゴンザレスのチームメイトであるS.アギウスが入っています。フル参戦日本人ライダー勢は上位争いに加わることができず,イデミツ・ホンダ・チーム・アジア古里太陽は18位,モモベン・イドロフォリアRWレーシング・チームの佐々木歩夢は19位でノーポイントに終わっています。
Moto3クラスの決勝レースは,ポールからスタートしたCFモト・ガビオタ・アスパー・チームのM.キレスと,6番グリッドからスタートしたリキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのD.アルマンサとによるトップ争いとなりました。最後まで続いた2人のバトルは,最終的にキレスがこれを制しています。2人からは大きく遅れて,キレスのチームメイトであるM.モレリが3位表彰台を獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢は,イオンクレジットMTヘルメットMSIの山中琉聖が13位に入ってポイントを獲得したものの,ホンダ・チーム・アジアの三谷然は3周目に転倒してリタイアに終わっています。

◎完勝(F1)
◯第8戦オーストリアGPの決勝レースが,気温35度とヨーロッパを襲っている猛暑の中で行われました。ポールからスタートしたメルセデスのG.ラッセルは,スタートからトップに立つと,レースが進む中で2位以下でバトルが起こってペースが落ち,トップのラッセルはその隙をついて後続との差を広げることに成功しました。当初はレッドブルのM.フェルスタッペンとフェラーリのL.ハミルトンというチャンピオン経験者同士に2位争いが展開されていきましたが,レースが進むと今度はフェルスタッペンとランクトップを行くメルセデスのA.キミ・アントネッリとによる2位争いへと変化しました。トップを走るラッセルは,タイヤ交換のタイミングでトップの座を譲ることはありましたが,それが落ち着くと再びトップに立つことに成功し,ポールトゥーフィニッシュを完勝で達成しました。当初はやや差のあった2位争いでしたが,最終盤になるに連れて両者の差はなくなり,それでもフェルスタッペンが2位の座を守り抜いています。ホンダ製パワーユニットを搭載しているアストンマーティンは今回も最下位争いに終止し,F.アロンソはトップから3周遅れで完走を果たしたものの,L.ストロールはリタイアに終わっています。
2026/06/21(日)
◎初ポール&初優勝&自己最高位(MotoGP)
◯アウトドローモ・ブルノで行われている第9戦チェコGP2日目は,各クラスの予選とMotoGPクラスのスプリントレースが行われました。
MotoGPクラスの予選でポールを獲得したのは,このクラス唯一のフル参戦日本人ライダーであるスーパーファイル・トラックハウスMotoGPチームの小椋藍でした。初日にこれまでのレコードタイムを更新する走りでこの日の総合トップタイムにたった小椋は,予選でさらにペースを上げ,自身がマークしたレコードタイムをさらに大幅に更新する走りを見せて,このクラスでは自身初,日本人ライダーとしては,2020年に中上貴晶が獲得して以来6年ぶりのポール獲得となりました。その後行われたスプリントレースでは,3番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バニャイヤが好スタートを切り,ホールショットを奪ってトップに立ちました。ポールからスタートした小椋は,バニャイヤに抜かれて2位となり,そのバニャイヤを追う展開となりました。微妙な距離感でファイナルラップまで続いた2人のトップ争いでしたが,バニャイヤが一度も抜かれることなく最後までトップの座を守りきり,スプリントレースでは今季自身初となる勝利を収めました。残念ながら2位となった小椋でしたが,これはスプリントレースだけでなく,決勝レースを含めてこのクラスで自身最高位獲得となりました。その2人のトップ争いに徐々に近づいてきたのが,前戦の勝者で,5番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのM.マルケスでした。後半に入ると小椋との差がかなり縮まることはありましが,その後再び少しさを広げられ,一度もトップ争いに絡むことなく3位でチェッカーを受けています。なお,大怪我から復帰してQ1まで走行したBK8グレシーニ・レーシングのA.マルケスでしたが,今後のことを考えて以後の走行はキャンセルしています。また,スプリントレースで転倒を喫したランクトップを行くアプリリア・レーシングのM.べゼッキは,その転倒をした際,マシンの回収に向かったコースオフィシャルに対して暴言を吐いたり,殴打したりしたことから出場停止処分がくだされています。どんなに腹がたったとしても,やはりスポーツマンとして,何よりも人としてこのような態度を取ったことは絶対に許されるものではありません!!
Moto2クラスの予選は,CFモト・インデ・アスパー・チームのD.アロンソが,これまでのレコードタイムをコンマ26秒更新する走りを見せ,このクラスで自身初となるポールを獲得しています。2番グリッドを獲得したのは,予選前に行われたプラクティス2でレコードタイムを更新していたオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのF.サラクでした。3番グリッドを獲得したのはアロンソのチームメイトであるD.オルガドでしたが,4番手とは1000分の6秒差でした。フル参戦日本人ライダー勢は,両者ともにQ2出走を果たし,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が13番手,モモベン・イドロフォリアRWレーシング・チームの佐々木歩夢が16番手でした。
Moto3クラスの予選は,リキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのD.アルマンサが,これまでのレコードタイムをコンマ3秒以上更新する走りを見せ,3戦連続してポールを獲得しています。そのアルマンサからわずか1000分の17秒遅れで,イオンクレジットMTヘルメットMSIのH.ダニッシュが自己最高位タイとなる2番グリッドを獲得しています。上位2人からはコンマ4秒以上離されて,CFモト・ガビオタ・アスパー・チームのM.キレスが3番手でした。フル参戦日本人ライダー勢は2人ともQ2進出を果たすことができず,イオンクレジットMTヘルメットMSIの山中琉聖が19番手,ホンダ・チーム・アジアの三谷然はブービーとなる25番手で予選を終えています。
2026/06/20(土)
◎レコード更新して(MotoGP)
◯第9戦チェコGPがアウトドローモ・ブルノで開幕し,初日は各クラスのプラクティスが行われました。
MotoGPクラスは,今季自身初となる表彰台を獲得して他のアプリリア勢と同じく好調な走りを見せているトラックハウス・レーシングの小椋藍が,これまでのレコードタイムを更新する走りを見せてこの日のトップタイムをマークし,今日行われる予選でQ2直接進出を決めました。前戦はチームメイトに巻き込まれる形でリタイアしたものの,依然としてランクトップに行くアプリリア・レーシングのM.ベゼッキが,小椋から1000分の91秒遅れの総合2番手でした。総合3番手タイムをマークしたのは,ランキング争いでドゥカティ勢のトップを行くプルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームのF.ディ・ジャンアントニオでした。日本メーカー勢では,今季少しずつ速さを見せてきているホンダ勢が好調な走りを見せ,ホンダHRCカストロールのJ.ミルが7番手,ルーキーライダーであるプロ・ホンダLCRのD.モレイラが8番手に付け,小椋と同じくQ2直接進出を決めています。なお,第6戦カタルニアGPにおいて超高速状態でクラッシュして右鎖骨と第7頸椎辺緑を骨折する重傷を負ったBK8グレシーニ・レーシングのA.マルケスは,驚異的な回復を見せ,無事メディカルチェックをパスしてこの大会から復帰しています。
Moto2クラスは,トップ2が僅差となっていて,CFモト・インデ・アスパー・チームのD.アロンソが,オンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのF.サラクを1000分の18秒上回って初日総合トップに立ちました。さらに,2番手のサラクから,100分の9秒遅れで,現在ランクトップを行くリキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのM.ゴンザレスが総合3番手でした。フル参戦日本人ライダー勢は,今季からこのクラスに参戦しているイデミツ・ホンダ・チーム・アジア古里太陽が11番手タイムをマークし,今季自身初となるQ2直接進出を決めています。モモベン・イドロフォリアRWレーシング・チームの佐々木歩夢は,17番手とQ2直接進出を逃しています。
Moto3クラスは,イオンクレジットMTヘルメットMSIのH.ダニッシュが,これまでのレコードタイムを更新する走りを見せて初日総合トップに立ちました。2番手以降は僅差となっていて,リキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのD.アルマンサが,CFモト・ガビオタ・アスパー・チームのM.キレスを1000分の69秒上回って総合2番手でした。フル参戦日本人ライダー勢は,イオンクレジットMTヘルメットMSIの山中琉聖が16番手,ホンダ・チーム・アジアの三谷然が19番手でした。
2026/06/19(金)
◎後継者決定(MotoGP)
◯昨シーズンまではドゥカティの独壇場とも言えたMotoGPですが,今季は昨シーズン後半から速さを見せてきたアプリリアの戦闘力がかなり高まり,ランキングのトップ2をファクトリーチームであるアプリリア・レーシングの2人のライダーが占めています。好調なのはファクトリーだけでなく,アプリリアのインディペンデントチームで,唯一のフル参戦日本人ライダーである小椋藍が所属しているトラックハウス・レーシングも表彰台争いに絡んでいます。そのトラックハウス・レーシングでチーム代表を務めているのはD.ブリビオで,かつてヤマハやスズキで働き,スズキ時代にはJ.ミルのタイトル獲得に貢献しています。そのブリビオですが,今シーズン限りでトラックハウス・レーシングを離れることが決まっていて,来季からは戦闘力向上に務めているHRCに移籍することになるようです。ということは,そのブリビオの後継を決める必要が出てきているわけですが,この度同チームからその点について発表がありました。それによると,ブリビオに替わって,来季からF.グイドッティを起用することになりました。ただ,ブリビオは「チーム代表」という肩書でしたが,グイドッティは「チームマネージャー」ということになるようです。今回契約が発表されたグイドッティは,MotoGPでは以前ドゥカティ陣営だったプラマック・レーシングで2012年から10年間にわたってチームマネージャーを務めました。2022年から今度はKTMのファクトリーチームのチームマネージャーを3年間務め,今季はテレビの解説者として活動しています。来季からのMotoGPは,全く新しいレギュレーションのもとで開発されたマシンで争われますので,ライダーはもちろん,むしろチームスタッフの開発能力が重要となります。それだけに,グイドッティが今季の好調さを維持できるのかその手腕が試されることになります。
2026/06/18(木)
◎2レース分(F1)
◯コスト削減等の理由により,現在のF1はテスト回数が以前に比べるとかなり減っています。もちろん,コストカットは重要ではあるものの,まだ参戦間もないドライバーや今後F1昇格を目指す若手ドライバーにとってはF1のマシンに慣れる機会が減ることにもなります。こうしたことから,それを補うための走行がいくつか組まれています。先週末に行われた第7戦バルセロナ・カタルニアGPのFP1でレギュラードライバーに代わって若手ドライバーが走行したのもその1つです。それだけでなく,その一環としてTPC(Testing of Previous Cars)という走行もあります。このテストは,通常2年以上前の旧車を使って走行できるというものです。そのTPCが,6月16日(火)にカタルニア・サーキットで行われました。ただし,今シーズンのF1は,大幅なレギュレーション変更に基づいたマシンで争われていますので,今年のTPCに限っては,レギュレーション前となる昨シーズンのマシンでの走行が可能となっていました。そのTPCには,レッドブルから角田裕毅が参加しました。昨シーズンまでレギュラードライバーとして活躍してきた角田でしたが,マシンの戦闘力不足に悩まされたこともあって成績不振に陥り,今シーズンはレギュラードライバーとしてのシートを失ってしまいました。ただ,レッドブルへの所属は継続していて,今季はテスト&リザーブドライバーとして活動しています。今季の立場だと,実際のマシンを使っての走行がどうしても不足してしまいます。ということは,レース感のようなものも薄まっていく可能性が高く,テストドライバーとしてのマシン開発や,リザーブドライバーとして万が一レースに代役出場することになった際等で支障が出ることにもなります。こうしたことから,レッドブルとして今回角田を起用するという判断を下したものと思われます。レギュラードライバーとして自らが駆った経験のある昨年型RB21で参加した角田のコメントによると,今回のテストでは全部で2レース分の距離を走行したということです。今回の貴重な経験が,実際のレースの場で出せる機会ができることを願いたいですね。なお,次回のTPCはオーストリアで予定されていますが,そのテストにおいても,レッドブルは角田を起用する予定のようです。
2026/06/17(水)
◎継続参戦(MotoGP)
◯今週末にブルノ・サーキットにおいて第9戦チェコGPが開幕しますが,カストロール・ホンダLCRはJ.ザルコの代役としてC.クラッチローの起用を継続することになったようです。第6戦カタルニアGPにおいて膝の靭帯を損傷するという重傷を負ったザルコは,第7戦イタリアGPと第8戦ハンガリーGPを欠場しました。その際,その代役として以前LCRに所属してフル参戦していたイギリス人ライダーのC.クラッチローを起用しました。現在はレースから離れているクラッチローですから,やはりそのブランクは大きく,イタリアGPは体調不良によりリタイア,完走したハンガリーGPは16位と,両レース共にノーポイントに終わりました。ザルコの復帰は当分の間厳しいでしょうから,第9戦以降のレースをチームはどうするのか注目されていましたが,2週連続開催となるチェコGPと第10戦オランダGPの両レース共にクラッチローを継続して起用することになったようです。果たして前戦でポイント圏内まであと一歩となったクラッチローが,この2戦の中でポイントを獲得することができるのか気になるところです。もっとも,テストライダー経験が豊富なクラッチローだけに,チームとしては貴重なデータ取りに期待している可能性が高いでしょうね。
2026/06/16(火)
◎4年ぶり(WEC)
◯世界3大レースの1つである世界耐久選手権(WEC)シリーズの第3戦『第94回ル・マン24時間レース』の決勝レースが,6月13日(土)の16時にスタートし,翌日の16時にチェッカーが振られました。同シリーズの最高峰であるハイパーカークラスでポールを獲得したのは,K.マグヌッセン&R.マルチェッロ&D.ファントール組のBMW MハイブリッドV8でした。それに対して,日本メーカーで唯一フル参戦を続けているトヨタ勢は,M.コンウェイ&小林可夢偉&N.デ・フリース組のトヨタTR010ハイブリッド7号車が14番手,S.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組のトヨタTR010ハイブリッド8号車が15番手と,同クラスの下位に沈んでしまいました。
そのような状況で始まった決勝レースは,この大会らしくトラブルやアクシデントが次々に起こる展開となっていきましたが,中盤に入る頃にはBMW MハイブリッドV8の20号車,キャデラックVシリーズ.Rの12号車と38号車,そしてトヨタの2台によるトップ争いへと変化していきました。その争いは,ピットインのタイミングによって順位を入れ替えながら進んでいき,その中でキャデラックの38号車がトラブルに見舞われてこの争いから脱落。4台によるバトルへと変わっていきましたが,その中で速さを見せたのはトヨタ勢でした。終盤に入ってトヨタがワンツー体制を築く時間帯もありましたが,その2台の間にR.フラインス&R.ラスト&S.ファン・デル・リンデ組のBMW MハイブリッドV8が割って入りました。24時間の耐久レースと思われないような僅差のレースが最後まで続いていきましたが,最終的にコンウェイ&小林可夢偉&デ・フリース組のトヨタTR010ハイブリッド7号車がこれを制しました。トヨタがル・マンを制するのは,2022年のブエミ&ハートレー&平川亮組以来4年ぶりとなります。
2026/06/15(月)
◎移籍後初(F1)
◯第7戦バルセロナ・カタルニアGPの決勝レースが,快晴で強い日差しが差し込むカタルニア・サーキットで行われました。ポールからスタートしたメルセデスのG.ラッセルは好スタートを切ってトップの座を守りました。2番グリッドからスタートしたフェラーリのL.ハミルトンと3番グリッドからスタートしたメルセデスのA.キミ・アントネッリも好スタートを切ってこの3台によるトップ争いとなりました。ラッセルが順調にトップを走行する中,動きを見せたのはハミルトンでした。メルセデスよりも早めにタイヤ交換を行う作戦を採り,これが好結果を招いていきます。メルセデス勢によるトップ争いとなったのですが,ランキング争いを展開していることもあって激しいチームメイトバトルとなり,両者のペースはやや落ちます。それに対して,早めのタイヤ交換を行っていたハミルトンはこのバトルの間に2台との差をどんどん詰めていき,ついにメルセデス勢がタイヤ交換を行ったときにハミルトンがトップに立っていました。ハミルトンが順調な走行を続けていたのに対し,メルセデスのラッセルはペースが思うように上がらなくなっていて,3位を走行しているキミ・アントネッリとの差がみるみる間につまり,ついには61周目に入って2人の順位は逆転しました。しかし,何と次の周にキミ・アントネッリのマシンにトラブルが発生してしまってマシンがストップし,ランクトップがリタイアに終わることとなってしまいました。単独走行に持ち込んでいたトップのハミルトンはその後も順調にトップの座を守っていき,最終的にラッセルに20秒弱の大差をつける独走で今季初優勝を飾りました。昨シーズンからフェラーリに移籍していたハミルトンですが,通算106勝目となる今回の結果は,フェラーリ移籍後初の勝利となります。キミ・アントネッリのリタイアによりマクラーレンのL.ノリスが3位に入っています。ホンダ勢パワーユニットを唯一搭載しているアストンマーティン勢は初日からの不振がこの日も続いていて,F.アロンソはバッテリー系,L.ストロールはギアボックス系のトラブルにより2台揃ってリタイアに終わっています。
2026/06/14(日)
◎通算10回目(F1)
◯第7戦バルセロナ・カタルニアGPの予選が,ドライコンディションとなったカタルニア・サーキットで行われました。前日に僅差で総合2番手だったメルセデスのG.ラッセルがこの予選では速さを見せ,今季3度目,自身通算10回目となるポールを獲得しました。終了間際まで現在ランクトップを行くA.キミ・アントネッリが2番手タイムをマークしていて,メルセデス勢がフロントローを独占するかと思われましたが,ラストアタックでフェラーリのL.ハミルトンがキミ・アントネッリのタイムを上回る走りを見せ,メルセデス勢の間に入る2番手タイムとなっています。前戦で今季初ポイントを獲得して戦闘力が少し高まったかと思われたアストンマーティンでしたが,初日に続いて予選でも他チームと比べて戦闘力不足が再び露呈してしまいました。というのも,初日に赤旗の原因を作ったL.ストロールが21番手,前戦でポイントを獲得したF.アロンソは22番手と,順位こそ入れ替わっていますが,アストンマーティン勢が最下位争いをするという初日と同じ結果に終わっています。なお,今回が母国GPとなるアロンソですが,事前に彼自身今回がカタルニア・サーキットにおける最後の予選だというコメントを出していました。場合によっては今季限りでの引退が噂される彼だけに,今季限りでの引退を決意したかと思われる状況ではあったものの,現段階では,来季同地での開催がないことが決まっていることからの発言だったということのようです。
2026/06/13(土)
◎僅差で(F1)
◯2週連続開催となるF1ですが,先週末のモナコGPに続いて,今週末はカタルニア・サーキットで行われる第7戦バルセロナ・カタルニアGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。この日の走行ですが,FP1では若手ドライバーがレギュラードライバーと入れ替わって走行し,FP2では通常通りレギュラードライバーのみが走行するという形を採っています。ちなみに,FP1におけるレッドブルは,I.ハジャーのシートにレッドブルのテストドライバーで,昨年のSFチャンピオンである岩佐歩夢が座り,14番手で走行を終えています。レギュラードライバー全員が揃って走行したFP2では,昨年のチャンピオンであるマクラーレンのL.ノリスが速さを見せ,総合トップタイムをマークして初日を終えています。ただ,今季好調なメルセデス勢が指を加えていたわけではなく,G.ラッセルがノリスからわずか1000分の9秒遅れという僅差で総合2番手でした。さらに,ノリスのチームメイトであるO.ピアストリが総合3番手タイムをマークしましたが,2人のタイム差は1000分の57秒と,こちらも僅差となっています。ホンダ勢パワーユニットを唯一搭載しているアストンマーティン勢ですが,前戦モナコGPでチームに今季初ポイントをもたらしたF.アロンソが21番手,L.ストロールは22番手と,最下位争いに沈んだ初日となっています。
2026/06/12(金)
◎1大会減に(MotoGP)
◯今季フル参戦しているライダーの出身国の内訳を見ると,全22人中9人がスペイン人ライダーとなっていて,もちろん最大勢力を誇ります。また,MotoGPの商業権と放映権を有する『MotoGP Sports Entertainment Group(MGPSEG)』(旧社名『ドルナ・スポーツ』)は,スペインに本拠を置いていて,今季からアメリカに本拠を置く『リバティ・メディア』の傘下に入っているものの,それでも現在もそのまま2つの権利を有しています。このように,MotoGPにおけるスペインの影響力は,現在もかなり大きくなっています。そうしたこともあって,MotoGPは原則として1カ国1大会の開催となっている中,ヘレス,カタルニア,アラゴン,バレンシアと大会名にスペインは入っていないものの,実際にはスペイン国内で4回も開催されてきています。ところが,近年MotoGPの開催を希望する国が増えてきていて,実際中東を含めたアジアや南米で新たな開催地がカレンダーの中に含まれるようになりました。年間の大会数を増やせば新たな希望国を含めることができるのでしょうが,チームやライダーにとっては現在の大会数でもかなり負担になっているのも事実です。そうした現在の状況の中,MGPSEGから発表があり,アラゴンGPの開催契約を結んでいるアラゴン州と新たな開催延長の契約が結ばれました。それによると,現在結ばれている2026年までの契約を,来季から2031年までの5年間延長することとなりました。ただ,その内容に変化が出ていて,来季は今季までと同じくレギュラー開催となっていますが,2028年シーズンからはリザーブでの開催になることが決まりました。つまり,来季までは現行と同じスペイン国内で4大会開催されますが,それ以後は年3回と1大会減になることが決定したことになります。もちろん,2028年以降で世界情勢や天候の影響等により1つでも大会が開催されないことになった場合,リザーブ契約が結ばれているアラゴンが代替地として開催され,年4大会となります。そうした内容ではありますが,アラゴンがレギュラーとして開催されなくなるわけですから,新たな開催地が浮上してくる可能性が高まったことには変わりありません。果たしてどこが増えることになるのか,今後の発表を待ちたいと思います。
2026/06/01(月)
◎母国GPで(MotoGP)
○第7戦イタリアの決勝レースが,ドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,ポールからスタートしたアプリリア・レーシングのM.べゼッキと6番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのf.バニャイヤのイタリア人ライダーによるトップ争いを,2番グリッドからスタートしたアプリリア・レーシングのJ.マルティンが追うという展開となりました。レースが進むにつれてバニャイヤのペースが落ち始めてトップ争いから脱落し,アプリリア・レーシングののチームメイト勢が単独走行で1,2位となりました。唯一のフル参戦日本人ライダーであるトラックハウス・レーシングの小椋藍は,13番グリッドからスタートするとオープニングラップの中で大幅にジャンプアップを果たしました。レースが進むにつれてペースト順位を上げていくという特徴のある小椋は,今回もそうしたレース展開に持ち込み,終盤には何と3位を走行していたバニャイヤに追いついていきました。ファイナルラップまで3位争いが展開され,小椋に2戦連続表彰台の期待が持たれました。その前ではべゼッキとマルティンが単独走行のままチェッカーとなり,ランクトップを行くベゼッキが,母国GPで母国のマシンを駆って今季4勝目を挙げました。2位にマルティンが入ったことで,アプリリアにとっての母国GPは,予選トップ3独占,決勝ワンツーフィニッシュという好結果を収めています。バニャイヤと小椋の3位争いは,100分の44秒差という僅差でバニャイヤが制し,惜しいところで小椋の表彰台獲得はなりませんでした。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたリキモリ・ダイナボルト・インタクトGPのM.ゴンザレスが,オープニングラップを制すると単独走行に持ち込み,2位に5秒以上の大差をつけて今季3勝目を挙げました。その後ろでは3台による表彰台争いが展開され,ファイナルラップまで続いたこのバトルは,MBコンベアーズ・スピードRSチームのC.ビエッティが2位,CFモト・インデ・アスパー・チームのD.オルガドが3位でフィニッシュしています。フル参戦日本人ライダー勢は振るわず,モモベン・イドロフォリアRWレーシング・チームの佐々木歩夢は7周目に,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は1周目にそれぞれ転倒を喫し,リタイアに終わっています。
Moto3クラスは,複数台によるトップ争いが最後まで続いていき,B.ウリアルテがトップで,A.カルペが2位でチェッカーを受け,レッドブルKTMアジョ勢がワンツーフィニッシュを果たしました。3位には,イオンクレジットMTヘルメットMSIのH.ダニッシュが入っています。フル参戦日本人ライダー勢は上位争いから遠いところでの走りとなってしまい,10番グリッドからスタートしたイオンクレジットMTヘルメットMSIの山中琉聖は16位,25番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの三谷然は22位でチェッカーとなり,どちらもノーポイントに終わっています。

◎5連勝(JRR)
◯第3戦の決勝レースが,我が大分県にあり,30度を超える猛暑となったオートポリスで行われました
JSB1000クラスのレース2は,レース序盤は複数台による激しいトップ争いが展開されていきました。その中で,今季ここまで全勝を挙げているSDG DUCATI Team KAGAYAMAの水野涼が5周目にトップに立つと,後続との差を少しずつ広げていき,単独走行へと持ち込みました。最終的に2位に2秒以上の大差をつけてトップでチェッカーを受け,根気負けなしの5連勝を果たしています。その水野の後ろでは,3台による2位争いがファイナルラップまで続きました。抜きつ抜かれつの展開となったこの争いは,YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が2位,DUNLOP Racing Team with YAHAGIの長島哲太が3位,Astemo Pro Honda SI Racingの野佐根航汰が4位という結果で終了しています。
ST1000の決勝レースは,Astemo Pro Honda SI Racingの羽田太河とTOHO Racingの國峰啄磨とによりトップ争いが展開されていきました。ところが,7周目に転倒者が現れ,そのマシンから出たオイルがコース上に巻かれたことにより赤旗が提示されてレースは一旦中断となりました。再開されたレース2では,再び羽田と國峰とによるトップ争いが展開されていきました。羽田を戦闘にした2人のバトルはファイナルラップまで続いていき,羽田が巧みな走りを展開してその順位を守り,前戦に続いて連勝を飾りました。3位には,昨シーズンまで怪我に苦しんでいたSDG Team HARC-PRO. Hondaの名越鉄平が入り,復活を印象付けるレースとなりました。
ST600クラスの決勝レースは,複数台がトップ集団を結成して終始激しいバトルを展開していきました。5台前後によるトップ集団は最終的に4台によるトップ争いとなり,抜きつ抜かれつの展開の中,JAPAN POST docomo Business TPの小山知良がベテランライダーらしい巧みな走りを見せ,自身4年ぶりとなる勝利を収めました。2,3位には,それぞれSDG Team HARC-PRO. Hondaの小田喜阿門と昨年のチャンピオンであるBATTLE FACTORYの伊達悠太が入っています。
J-GP3クラスの決勝レースは,予選でコースレコードを更新して圧倒的な速さでポールを獲得したP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹がホールショットを奪ってトップに立ちました。2位以下との差をどんどん広げていった小野は,このまま独走体制を築いてトップを守っていくのかと思われましたが,タイヤの消耗が彼を襲い,徐々に後続との差が縮まっていきました。その小野に迫っていったのは,2番グリッドからスタートしたTEAM NAOKO KTMの高杉奈緒子でした。順位を時折入れ替えながらテールトゥーノーズとなった2人のバトルはファイナルラップまで続き,最後は小野が何とか逃げ切ってトップでチェッカーを受けました。ところが,レース後に行われた車検において,小野のマシンにボディワークに関する規則違反が見つかって失格となってしまい,繰り上げで高杉の優勝となりました。女性のベテランライダーである高杉にとって,これが自身初優勝となります。高杉以降も順位が繰り上がりとなり,単独走行だったSDG Jr. 56RACINGの富樫虎太郎が2位,4台によるバトルを制してJAPAN POST docomo Business TPの岡崎静夏が3位に入りました。ということで,何とこのレースは最終的に女性ライダーのワンスリーフィニッシュという結果となっています。
 

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