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2024/06/30(日)
◎2日目も PART1(MotoGP)
○第8戦オランダGPの2日目は,各クラスの予選と,MotoGPクラスのスプリントレースが行われました。
MotoGPクラスのスプリントレースは,ポールからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,2番グリッドからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンが好スタートを切って2人によるトップ争いとなりました。レース序盤こそ僅差のバトルが続いていきましたが,初日から好調な走りを見せるバグナイアが徐々にマルティンとの差をつけていき,最終的に2秒以上の差つける独走で前戦に続いてスプリントレースを制しました。2人の後ろでは複数台による3位争いが展開されていきましたが,3番グリッドからスタートし,一旦は順位を下げたものの,再び順位を回復したアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスがこちらも単独走行で入りました。予選で最下位に終わり22番グリッドからスタートしたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,初日からなかなかペースが上がらず,最後まで走りきったライダーとしては最下位,順位としては18位でチェッカーを受けています。モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが7位でチェッカーを受けているのに対し,ホンダ勢は相変わらず下位争いに加わっていて,同じ日本メーカー勢でも差がついてきているような印象となっています。なお,Q2でマルティンが走行ライン上をゆっくり走行して他車に影響を与えたということで,今日行われる決勝レースで3グリッド降格のペナルティーが科されることとなり,5番グリッドからスタートすることになりました。
Moto2クラスの予選は,スピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが初日に自身がマークしたレコードラップをさらに更新する走りを見せ,前戦に続いてポールを獲得しました。アルデグエルとのタイム差は少しあったものの,MTヘルメッツMSIの小椋藍が2番手タイムをマークし,今季初,そして昨年の日本GP以来となるフロントローを獲得しています。チームメイトのS.ガルシアが3番手タイムをマークし,4戦連続フロントローとなっています。ヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,Q1で敗退して24番グリッド獲得となっています。
Moto3クラスの予選は,今季からフル参戦を開始したルーキーライダーであるレオパード・レーシングのA.ピケラスがトップタイムをマークし,参戦8戦目にして初のポールを獲得しています。ピケラスから1000分の74秒差という僅差でホンダ・チーム・アジアの古里太陽が2番手タイムをマークし,これは予選における自身最高位となります。アタック中に転倒を喫したものの,それまでのタイムでリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが3番グリッドを獲得しています。他のフル参戦日本人勢は,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が5番手,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が12番手で予選を終えています。

◎2日目も PART2(F1)
○ドライコンディションとなったレッドブル・リンクにおいて,第11戦オーストリアGPのスプリントレースと,今日行われる決勝レースのグリッドを決める通常の予選が行われました。今回のスプリントレースは,タイヤ交換義務がない24周で行われます。ただ,実際にはレース前のフォーメーションラップで何らかのことがあったためか,もう1周フォーメーションラップをすることになったことにより,全23周で争われました。スプリントレースでは,ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンが好スタートを切ってトップを守りました。その後ろでは,好調な走りを見せているマクラーレン勢が2,3番手につけ,その中でL.ノリスがフェルスタッペンとの差を詰めていき,ついに5周目に一旦トップに立ちました。しかし,フェルスタッペンがすぐに抜き返してトップの座を回復すると,ペースに勝るフェルスタッペンがマクラーレン勢との差を広げて行き,最終的におよそ4.6秒差をつける独走でスプリントレースを制しました。フェルスタッペンとノリスがバトルしている間に差を詰めたO.ピアストリが,フェルスタッペンがトップの奪い返したタイミングをついてチームメイトのノリスを交わして2位に浮上しました。ピアストリとの差を詰めようとしたノリスでしたが,最後まで順位を回復することができず,そのままの順でチェッカーとなっています。レッドブルのS.ペレスは,チームメイトからはおよそ17秒遅れの位置でチェッカーを受け,8位でこのレースを終えています。ビザ・キャッシュアップRB勢は,前日に続いて上位争いに加わることができず,角田裕毅が13番手,D.リカルドが14番手となっています。
午後に行われた予選では,スプリントを制したフェルスタッペンが予選でも速さを見せ,2番手タイムだったノリスにおよそコンマ4秒の差をつけてポールを獲得しました。前日の全セッションを制したフェルスタッペンが,2日目もスプリント,予選といった両セッションを制しています。3番グリッドを獲得したのは,トップからおよそコンマ5秒遅れとなったメルセデスAMGのG.ラッセルでした。S.ペレスは予選でもトップ争いに加わることができず,8番グリッド獲得で予選を終えています。ビザ・キャッシュアップRBは,2人ともQ1は突破したものの,Q2で敗退となり,リカルドが11番手,角田が14番手に留まっています。
2024/06/29(土)
◎サテライト復活(MotoGP)
○昨日から第8戦オランダGPが開幕しましたが,その初日に大きな発表がありました。来季に向けてライダーの契約状況がワークスチームを中心として次々に発表されていますが,今度はチームの契約状況について新たな発表があったのです。まずドゥカティ・コルセから発表があり,2005年以来20年にわたってドゥカティ陣営として貢献してきたプリマ・プラマック・レーシングが,今シーズンをもって契約終了となりました。今回契約が解除となったプラマック・レーシングは,2005年からドゥカティ陣営に入った後,2013年からはドゥカティのサテライトの中でナンバーワンの地位を得てからワークスのサポートを受けるようになり,ワークス同様の技術仕様を備えた最新型ドゥカティ・ディスモセディチGPとドゥカティとの契約を結んでいるライダーを導入していました。今季でドゥカティとの契約が切れるため,当初は延長が既定路線と思われていました。しかし,ライダーの契約状況等いくつかの状況がドゥカティとの関係性に影響を与えるようになり,今回の契約終了に至っています。プラマック・レーシングの離脱により,どのチームがプラマックに替わってワークス対応を受けることになるのか,今後の動向が気になるところです。
その後,今度はヤマハ発動機から発表があり,プリマ・プラマック・レーシングとの間で複数年の契約が成立しました。2022年シーズンまではサテライトチームがあったヤマハでしたが,その時のサテライトであるペトロナス・ヤマハSRTが契約終了となり,その翌年からヤマハはワークスのみの参戦となっていました。ちょうど戦闘力が圧倒的に低くなった状況と重なるため,ワークスのみだとデータが不足してしまい,ただでさえ戦闘力が低いのに,それを高めるのに大きな支障となっていました。そのため,ヤマハとしてはサテライトチームとしての交渉をいくつかのチームと重ねたようで,最終的にプラマック・レーシングとの契約にこぎ着けました。以前のヤマハは,基本的に型落ちのYZR-M1をサテライトチームに供給する形を採っていました。しかし,戦闘力を高めるためには,新型マシンのデータをできるだけ取る必要があります。今回の契約によると,セカンドファクトリーチームというような扱いとなり,最新型のワークス仕様のM1が供給され,ライダーについても,ヤマハと直接契約しているライダーを配置することになっています。ヤマハにとっては3年ぶりのサテライト復活となるわけで,これがヤマハ自体の戦闘力復活に繋がるといいですね。

◎連続して(MotoGP)
○第8戦オランダGPがTTサーキット・アッセンで開幕し,初日は2回の走行が行われました。
MotoGPクラスは,前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが速さを見せ,2回の走行共にトップタイムをマークし,これまでのレコードを更新して初日総合トップに立ちました。総合2番手タイムは,今季限りでアプリリアを去ることが決まったアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスで,バグナイアとの差はわずか1000分の65秒という僅差でした。総合3番手タイムは,この大会前に残留の発表があったグレシーニ・レーシングMotoGPのA.マルケスでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は他のホンダ勢と同じく下位に沈んでいて,初日は19番手タイムで走行を終えています。
Moto2クラスは,まだチームは決まっていないものの,来季MotoGPクラスに昇格し,ドゥカティのサテライトチームからフル参戦することになっているスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが,これまでのレコードタイムを更新する走りを見せて初日総合トップに立ちました。現在ランク3位につけているMTヘルメッツMSIの小椋藍は,午前の走行でトップタイムをマークし,午後の走行で総合2番手タイムとなって初日を終えています。アルデグエルとの差は,1000分の72秒とこちらも僅差となっています。オンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツは,転倒を喫してメディカルに運ばれるというアクシデントに見舞われたものの,総合3番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,今回が母国GPとなるリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが,これまでのレコードタイムを更新する走りを見せて初日総合トップに立ちました。総合2,3番手にMTヘルメッツMSI勢がつけ,それぞれ山中琉聖,I.オルトラの順となっています。他のフル参戦日本人勢ですが,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が11位,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が15位につけています。

◎全制覇(F1)
○第11戦オーストリアGPがレッドブルのお膝元であるレッドブル・リンクで開幕し,初日に今日行われるスプリントレースの予選が行われました。レッドブルのホームコースだけに,ここまでランクトップを行くレッドブルのM.フェルスタッペンがどのような走りを見せるか注目を集めましたが,見事その期待に応える走りを展開しました。通常の予選と同じくQ1からQ3まで行われますが,その全てのセッションでトップタイムをマークし,スプリント予選を全制覇しています。今季好調な走りを見せているマクラーレンのL.ノリスが,フェルスタッペンまであとわずかのところまでいきましたが,1000分の93秒差で2番手となっています。O.ピアストリが3番手タイムをマークし,マクラーレンが2,3番手につけています。フェルスタッペンと同じくチームの母国GPとなるS.ペレスですが,クリアラップに恵まれなかったという不運もあり,7番手でスプリント予選を終えています。ビザ・キャッシュアップRB勢は,角田裕毅がQ1を突破してQ2に進みましたが,Q1でスピンを喫した際にマシンのフロアにトラブルが発生したようでタイムを出すことができず,Q2で敗退となって14番手に留まりました。チームメイトのD.リカルドは,Q1で敗退となって16番手で終了しています。
2024/06/28(金)
◎契約延長 PART1(F1)
○3週連続開催となるF1ですが,今日からレッドブル・リンクにおいて第11戦オーストリアGPが開幕します。それを前にしてBWTアルピーヌF1チームから発表があり,今季も同チームからフル参戦しているP.ガスリーとの間で複数年の契約が成立しました。今回契約延長が成立したガスリーは,2017年にチーム夢限に所属してSFにフル参戦を果たし,タイトル争いを演じました。残念ながらタイトル獲得には至りませんでしたが,同年のシーズン途中でトロロッソ(現在のビザ・キャッシュアップRB)からF1デビューを果たし,2足のわらじを履く状態となりました。SFには1年で卒業し,2018年からはF1に専念し,2019年にはレッドブルに昇格を果たしましたた。ところが,シーズン途中でA.アルボンと入れ替わる形で再びトロロッソに戻るという波乱もありました。2020年にはトロロッソがアルファタウリと名称を変えましたが,その年の9月に行われた第8戦イタリアGPにおいて初優勝を果たしています。2022年にはチームメイトに角田裕毅を迎え,F1では珍しく両者は良好な関係性を築きました。昨シーズンから現在のアルピーヌに移籍し,同じフランス人ドライバーであるE.オコンとタッグを組み,オールフランス体制を組んで現在に至っています。今シーズンはマシンの戦闘力が少し劣っていて苦戦していますが,それでも第8戦モナコGPから第10戦スペインGPまで3戦連続入賞を果たすという活躍を見せています。今回の契約延長には,こうした彼の実績が好影響を与えていることは間違いないでしょう。来季以降複数年契約を結んだということは,チームメイトであるオコンは今季限りでチームを去ることが決まっていますので,チームとしてはF1が新たなスタートを切る2026年シーズンを彼に託したことになります。ここで気になるのは,その2026年です。現在はルノー製パワーユニット(PU)を採用していますが,そのルノーが来季限りで撤退するのではないかといわれています。もしそうなるといずれかのPUを新たに採用しないといけなくなります。そこで浮上してくるのが,2026年からアストンマーティンにPUを供給することが決まっているホンダの存在です。現段階ではホンダはアストンマーティンのみへの供給となっています。ただ,複数のチームへの供給が必要となりますので,アルピーヌがその候補となる可能性もあります。しかも,ガスリーとホンダとの関係性はトロロッソの時はもちろん,SF時代を含めてかなり強いものがありますので,ホンダがアルピーヌへの供給のハードルが少し低くなるとも考えられます。角田裕毅の2026年シーズンを含め,かなり気になる今回の契約延長です。

◎契約延長 PART2(F1)
○アルピーヌの発表の後,今度はアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームから発表があり,今季も同チームからフル参戦しているL.ストロールとの契約を延長することが発表されました。契約期間は複数年ということで,同チームが2026年からホンダ製PUを搭載することが決まっていますが,その際には彼がその中の1人となることが決定しました。また,既に今季も同チームからフル参戦しているF.アロンソとの契約延長も決まっていますので,2026年はアロンソトストロールのペアであることも決定したことになります。これにより,角田裕毅が少なくとも2026年にアストンマーティンへ加わる可能性がなくなたことにもなります。今回契約延長が成立したストロールは,2017年にF1デビューを果たし,その年の6月に行われた第8戦アゼルバイジャンGPにおいて3位表彰台を獲得しました。それを含めて,現段階まで通算3回表彰台に立っています。2019年に彼の父親で大富豪のローレンス・ストロールがアストンマーティンF1の前身であるレーシングポイントを買収すると,そこに移籍して現在に至っています。
2024/06/26(木)
◎残り10(MotoGP)
○およそ1ヶ月弱のインターバルがありましたが,ようやく明日から第8戦オランダGPが開幕します。まだシーズンはたくさん残っていますので,タイトル争いは新たな展開を迎えていくのかもしれません。今後の展開がどうなるのか楽しみではありますが,別の気になる点が展開しているのも確かです。それは,来季の体制がどうなるのかということです。一昨日のこのページでお伝えしたように,来季のアプリリアワークスに,既に決定しているJ.マルティンに加え,同じドゥカティ陣営のライダーであるM.ベゼッキが加わることになりました。これにより,戦闘力に勝る海外メーカーのワークス体制は決定しました。後は,残念ながら戦闘力の低さからまだ立ち直っていない日本メーカーと,海外メーカーの中のサテライトチームのシート争いが決着を見せていません。今のところ,全部で22あるシートの中で11のシートは誰がどのシートに座るのか決まっています。さらに,まだどのチームに所属するのかは決まっていないものの,現在スピードアップ・レーシングからMoto2クラスにフル参戦しているF.アルデグエルが,来季ドゥカティのサテライトチームの中のいずれかからフル参戦することは決まっています。ということで,実質上MotoGPクラスの残りのシートは10ということになります。果たして誰がそのシートに座ることになるのか,この点での今後の展開も気になるところです。特に,日本人ライダーの中で誰がMotoGPライダーとなるのかが不透明だけに,この点も気になります。とは言っても2つの線しか考えられず,今季も唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶が来季も残留するのか,それとも今季MTヘルメッツMSIに所属してMoto2クラスにフル参戦し,ランク3位につけてタイトル争いを展開している小椋藍がステップアップを果たすのかのどちらかなのは間違いありません。果たしてどの線に落ち着くのでしょうか。なお,現段階での確定状況を以下の表にまとめておきたいと思います。(今後ヤマハのサテライトに移行するチームがドゥカティ陣営から出る可能性もあります。)
2025年 MotoGPクラス参戦体制
メーカー チーム ライダー
ドゥカティ ドゥカティ・レノボ・チーム F.バグナイア
M.マルケス
プリマ・プラマック・レーシング 未定
未定
グレシーニ・レーシングMotoGP 未定
未定
ペルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム 未定
未定
KTM レッドブルKTMファクトリー・レーシング B.ビンダー
P.アコスタ
レッドブルKTMテック3 E.バスティアニーニ
M.ビニャーレス
アプリリア アプリリア・レーシング J.マルティン
M.ベゼッキ
トラックハウス・レーシング 未定
未定
ヤマハ モンスターエナジー・ヤマハMotoGP F.クアルタラロ
未定
ホンダ レプソル・ホンダ・チーム L.マリーニ
未定
LCRホンダ J.ザルコ
未定
※F.アルデグエルがドゥカティ陣営からフル参戦することは決定済み
2024/06/26(水)
◎欠場(WRC)
○今週末のWRCは,2017年以来7年ぶりとなるラリー・ポーランドが開催されることになっています。WRCは大会が始まる前に,どのチーム,ドライバーもコースを下見する『レッキ』というものが行われます。サーキットという閉鎖されたところで開催されるレースの場合は,ある程度路面状況が安定していますが,ほとんど様々な状況にある一般道を走るラリーの場合,事前にコースを把握しておくことが必須ですから,このレッキは重要な作業となります。ところが,そのレッキにおいてアクシデントが発生してしまいました。今シーズンもTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から参戦している元王者のS.オジエとコ・ドライバーであるV.ランデが,6月25日(火)に競技コースを試走中,丘になっている砂利道で女性が運転する乗用車と正面衝突してしまいました。この事故によりオジエとランデに加え,乗用車を運転していた女性と同乗者の計4名が負傷してしまったのです。この事故により,車を運転していたオジエと女性ドライバーは駆けつけた救命ヘリコプターで病院に運ばれ,ランデと同乗者も病院に搬送されました。幸いなことに全員大事には至らなかったようですが,ランデは既に退院したものの,オジエは一晩の検査入院が必要となり,明日から行われるラリー・ポーランドには出場が不可能となってしまいました。今シーズンのオジエ組は,フルタイムでなくパートタイムでの出場をしていて,それにもかかわらずトヨタ勢としては2番手,総合ではランク4位につけています。今回のアクシデントを受け,トヨタとしては代役参戦を検討しているとのことです。いずれにしても,大会欠場ということにはなりましたが,全員大事に至らなかったことは不幸中の幸いと言えますね。
2024/06/25(火)
◎総入替え(MotoGP)
○ワークスチームを中心として来季のチーム体制が決まってきているMotoGPですが,アプリリアのワークスチームであるアプリリア・レーシングから昨日新たな発表がありました。今シーズンのアプリリア・レーシングは,A.エスパルガロとM.ビニャーレスという実績のあるベテランライダーによる構成となっています。しかし,既にエスパルガロは今季限りで引退し,ビニャーレスは来季KTMのサテライトチームであるレッドブルKTMテック3へ移籍することが発表されていて,来季はライダーが総入替えになることが決まっています。そして,その空いたシートには,現在ランクトップをいくプラマック・レーシングのJ.マルティンが移籍することまでは決定していました。そして,今回の発表で,あともう1つ空くことになるシートには,今季もプルタミナ・エンデューロVR46レーシングからフル参戦しているM.ベゼッキが座ることになりました。これにより,来季のアプリリアワークスは,今季ドゥカティのサテライトチームからフル参戦しているライダーという組み合わせとなります。今回移籍が発表されたベゼッキは,生けるレジェンドライダーであるV.ロッシが主宰するVR46のアカデミー出身者で,2022年からMotoGPクラスにおけるそのVR46のチームであるムーニーVR46レーシング・チームから最高峰クラスにフル参戦を開始しました。初年度は表彰台獲得までは行きましたが優勝までは達成できませんでした。しかし,昨シーズン第2戦アルゼンチンGPで悲願の優勝を果たし,それを含めて通算3勝を挙げ,ランク3位に輝いています。そうした活躍を見せたベゼッキですので,今季に向けてその去就が注目されましたが,ロッシの助言もあったりして,VR46に残留して今季ここまでランク11位となっています。これまで一貫してVR46と共に走ってきたベゼッキですが,いよいよ来季から新たな体制へと旅立つことになったわけです。なお,アプリリアとベゼッキとの契約期間ですが,複数年ということになっています。
2024/06/24(月)
◎アップデート??(F1)
○第10戦スペインGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったカタルニア・サーキットで行われました。ポールからスタートしてマクラーレンのL.ノリスと,2番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,互いに牽制しながらのスタートとなりました。2人が牽制し合っている間に,4番手グリッドからスタートしたメルセデスAMGのG.ラッセルが,好スタートを切り,さらにポジショニングも決まったことでトップに立ちました。その反対に,ポールスタートのノリスは3番手にポジションダウンしてしまいました。しばらくラッセルがトップを守りましたが,ペースに勝るフェルスタッペンが3周目にDRSを使ってラッセルの前に出てトップに立ちました。タイヤ交換のタイミングのズレで順位の変動はありましたが,それが落ち着くとフェルスタッペンが再びトップに立ち,そのままトップの座を守ってチェッカーを受け,今季7勝目を挙げました。その後ろでは,メルセデスのラッセルとL.ハミルトン,そしてノリスの3台による表彰台争いが展開されていきました。3台の中でノリスがピットインを遅らせたため,順位を下げることはありましたが,フレッシュなタイヤを利用して再びポジションを上げていき,ついには2位にまでポジションを上げていきました。その後ろではメルセデス勢による3位争いとなり,52周目にソフトタイヤを選択していたハミルトンがこれをいかしてラッセルの前に出て,後はそのままの順でチェッカーとなりました。3位に入ったハミルトンにとっては,昨年の第19戦以来の表彰台獲得となります。フェルスタッペンが順調に成績を出しているのに対し,チームメイトのS.ペレスは予選から上位に食い込むことができておらす,最終的に8位でのチェッカーとなっています。今回いくつものアップデートパーツを投入したビザ・キャッシュアップRB勢でしたが,それらが全く功を奏さず,初日からずっと下位争いに加わっていました。決勝レースでもこの傾向は全く変わらず,D.リカルドは15位,角田裕毅はピットロードにおける速度違反によるペナルティーを受けたこともあって19位となっています。これまでは,10位前後の争いに加わっていたのに,アップデートされると最下位に近い位置での走りしかできておらず,本当に「アップデート」と言えるものなのか疑問に思わざるを得ませんね。

◎赤旗(SF)
○第3戦の決勝レースが,雨に見舞われたスポーツランドSUGOで行われました。前日に行われた予選は,熱い路面温度のドライコンディションの中で行われましたが,最終日は一転して朝から悪天候に見舞われてしまい,午前中に行われたフリー走行では,雨で足元をすくわれてしまってアクシデントに見舞われるマシンが出る状況となりました。さらに,決勝レース前に行われたウォームアップ走行でもクラッシュするマシンが現れて赤旗が提示され,レースはディレイとなりました。予定より遅れて始まったレースでしたが,空と路面の状況は変わりなく,セーフティーカーが先導してのレーススタートとなりました。しかし,すぐにクラッシュするマシンが出てしまって再びセーフティーカーの導入となりました。その後リスタートとなりましたが,15周目の最終コーナーで何とまたクラッシュするマシンが出てしまい,この段階で赤旗中断となりました。時間が経っても雨の状況は変わらず,しかも最後のクラッシュでガードレールは修復が必要なほど壊れてしまっていました。こうした状況ではレースを再開する目処が立ちませんし,危険な状況には変わりありませんから,赤旗中断のままレースは終了となってしまいました。レースはセーフティーカー先導の時間が長かったため,順位の入替えはほとんどなく,トップ6までは予選の順位のままでの走行でした。結局12周走行終了段階での結果が採用され,優勝はTEAM MUGENの野尻智紀,2位はチームメイトの岩佐歩夢で,予選に続いてTEAM MUGENのワンツーフィニッシュとなっています。3位は,VANTELIN TEAM TOM’Sの坪井翔でした。
2024/06/23(日)
◎2度目(F1)
○第10戦スペインGPの予選が,曇り空ながらドライコンディションとなったカタルニア・サーキットで行われました。前戦の勝者であるレッドブルのM.フェルスタッペンが最初のアタックでトップタイムをマークし,その後誰もそのタイムを上回ることができませんでした。そのフェルスタッペンは,ファイナルアタックで自らのタイムを更新する走りを見せてポール獲得かと思われました。ところが,マクラーレンのL.ノリスがラストアタックでフェルスタッペンのタイムを100分の2秒上回る走りを見せてトップタイムをマークし,自身キャリア2度目となるポールを獲得しました。初日総合トップに立っていたメルセデスAMGのL.ハミルトンが,トップからおよそコンマ3秒遅れの3番手タイムでした。フェルスタッペンのチームメイトであるS..ペレスは,前戦と違って今回はQ3まで進出したものの,上位争いに顔を出さないまま予選を終え,今日行われる決勝レースは8番グリッドからのスタートとなります。大幅なアップデートを施したビザ・キャッシュアップRB勢でしたが,初日に続いて予選でも思うようなタイムを出すことができず,2人揃ってQ1で敗退し,角田裕毅が17番手,D.リカルドは18番手に終わっています。

◎独占(SF)
○宮城県にあるスポーツランドSUGOにおいて第3戦が開幕し,初日はフリー走行と予選が行われました。この日のスポーツランドSUGOは暑さに見舞われ,予選が行われたときには路面温度が50度まで上昇していました。そのような状況で行われた予選Q2では,TEAM MUGENの野尻智紀と岩佐歩夢の2人が相次いでコースインし,タイムアタックを敢行していきました。セクター毎に最速タイムを更新し合いながらチームメイト同士によるタイムアタック合戦となりましたが,この争いを制したのは先輩の野尻でした。野尻にとっては,これが今季初ポールとなります。コンマ12秒差でルーキーの岩佐が2番手タイムとなり,TEAM MUGENがフロントローを独占しました。3番手タイムをVANTELIN TEAM TOM’Sの坪井翔がマークし,トヨタエンジンユーザーとしての最上位となっています。
2024/06/22(土)
◎別チームが(F1)
○第10戦スペインGPが終日ドライコンディションとなったカタルニア・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。セッション中盤でトップタイムをマークしたのはメルセデスAMGのL.ハミルトンで,その後ロングラン走行を行ったこともあってか,ハミルトンのトップは変わらず,初日はそのハミルトンが総合トップに立ちました。ここが母国GPとなるフェラーリのC.サインツが,ハミルトンから100分の22秒差で総合2番手となりました。来季ハミルトンがフェラーリに移籍することで,そのフェラーリのシートを失うことが決定しているサインツという関係性ですので,因縁のある2人のワンツー発進となっています。総合3番手タイムは,午前の走行ではトップタイムだったマクラーレンのL.ノリスでした。総合4,5番手は,それぞれアルピーヌ・ルノーのP.ガスリー,レッドブルのM.フェルスタッペンと,トップ5は全て別チームのドライバーとなっています。5番手と出遅れた感のあるフェルスタッペンですが,あまりマシンのセッティングが決まっていなかったようで,チームに対してウィングの交換を要求する場面もあったようです。契約延長が決まってはいるものの,なかなか成績が向上しないチームメイトのS.ペレスは,総合13番手で初日を終えています。今回大幅なアップデートを持ち込んでいるビザ・キャッシュアップRB勢ですが,2台に共トップ10に入るほどの速さを見せることはできず,角田裕毅が15番手,D.リカルドは16番手で初日を終えています。
2024/06/21(金)
◎今日から第10戦スペインGPが開幕しますが,ランキング争いでは,前戦カナダGPを制したレッドブルのM.フェルスタッペンがランク2位につけているフェラーリのC.ルクレールに56ポイント差をつけてランク1位の座を守っています。フェルスタッペンが圧倒的な強さを見せた昨シーズンのリザルトを振り返ってみると,第9戦終了段階でフェルスタッペンが59ポイント差をつけてトップに立っていましたので,ポイント的にはほぼ同じような状況にあると言えます。はたしてこれからどのポイント差がどうなるのか気になるところですが,現段階で気になることがもう1つあって,それは来季の体制がどうなるのかということです。現行のレギュレーションに則ったシーズンとなるのは来季までで,2026年からは新たなレギュレーションに基づいたシーズンが始まります。ドライバーの契約年数は基本的には2年間という場合が多く,来年の契約を結ぶ場合,2026年も視野に入れたものとなります。ドライバーの契約年数でみると,今シーズンで契約が切れるドライバーが多く,そうしたことから来季の契約が話題の中心にのぼることも当然と言えます。
まだシーズンは半ばも過ぎていませんが,現段階での契約状況をまとめておきたいと思います。F1は10チーム,20名のドライバーで争われています。その中で,来季も体制が既に決まったチームがあり,それはレッドブル,フェラーリ,マクラーレンの3チームです。契約は強いチームから決まっていくけいこうにありますが,奇しくもこの3チームは現在コンストラクタータイトルでトップ3につけているチームです。その他では,既に5人のドライバーのシートも決まっていて,その中の一人が先日発表のあったビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅です。ただ,彼の場合はチーム側がオプションを行使してのもので,現段階での契約期間は来季までの1年間となっていて,2026年も同チームに,そしてレッドブル陣営に残るかは分かりません。そして,その角田のチームメイトが誰になるのかは決まっておらず,ほぼ間違いなく今季と同じD.リカルドか,レッドブルのリザーブドライバーを務めているL.ローソンのどちらかとなります。まだ決まっていないドライバーの中での一番の注目は,メルセデスAMGのL.ハミルトンが来季フェラーリに移籍することが決まったため,チームを離れることが自動的に決まったC.サインツです。まだ十分に戦える力を持っているドライバーだけに,複数のチームが彼にオファーをかけているものと思われます。そのサインツがどのチームに移籍するかが決まると,契約状況が一段と早まることになるかと思われます。なお,現段階で決まっている契約状況は,以下の表のようになっています。なお,チームの順は,現段階でのチームランキング順としています。
2025年 F1契約状況
チーム �� ドライバー
レッドブル・レーシング 1 M.フェルスタッペン
11 S.ペレス
スクーデリア・フェラーリ 16 C.ルクレール
44 L.ハミルトン
マクラーレン・メルセデス 4 L.ノリス
81 O.ピアストリ
メルセデス 63 G.ラッセル
? 未定
アストンマーティン・アラムコ・メルセデス 14 F.アロンソ
? 未定
ビザ・キャッシュアップRB 22 角田 裕毅
? 未定
ハース・フェラーリ ? 未定
? 未定
アルピーヌ・ルノー ? 未定
? 未定
ウィリアムズ・メルセデス 23 A.アルボン
? 未定
キック・ザウバー・フェラーリ 27 N.ヒュルケンベルグ
? 未定
2024/06/20(木)
◎他のワークスは(EWC)
○例年より1週間ほど早く開催される今季の『2024 FIM世界耐久選手権(EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会』ですが,これまで2回にわたってホンダの体制についてお伝えしてきました。本日は,ホンダ以外のワークスチームの体制についてお伝えしたいと思います。ただ,日本メーカーの中でスズキとカワサキに関しては,実質上優勝を狙うべくワークス体制(スズキはサスティナブルなパーツや燃料等を使用した『CNチャレンジ』という形でのワークス参戦)での参加というものはしていません。ここでは,日本メーカーの中でヤマハの,そして海外メーカーの中でドゥカティの体制についてお伝えします。
まずヤマハですが,近年では中須賀克行などを擁してワークスでの参戦をし,見事勝利を収めていました。しかし,その後のヤマハは,EWCシリーズにおいて実質的にヤマハワークスを務めているYART-YAMAHAに託していて,8耐のみのチームでの参戦はなく,今年も同チームに注力していくこととなります。当然ライダーに関しても,EWCでフル参戦しているN.カネパ&M.フリッツ&K.ハニカの3人体制となります。使用するマシンは,もちろんワークス仕様のYZR-M1となります。
次はドゥカティについてです。今シーズン最もJSB1000クラスで注目を集めているのは,何といってもTeam KAGAYAMAです。同チームは,これまで一貫してスズキのマシンを駆ってJSB1000クラスはもちろん,8耐についても参戦してきました。代表を務める加賀山就臣がずっとスズキのワークスライダーとして活躍してきたという実績がありますから,当然の流れと言えました。ところが,今シーズンからスズキの元を離れ,ドゥカティのマシンを駆ることとなりました。しかも,昨シーズンSBKにおいてタイトルを獲得したA.バウティスタが駆ってきたワークス仕様のパニガーレV4Rを投入するという,まさかの体制を築いているのです。そして,水野涼を擁してヤマハワークスと激しいつばぜり合いを演じるところまでの活躍を見せています。そのTeam KAGAYAMAが,8耐制覇を達成するべくDUCATI Team KAGAYAMAとして参戦することになりました。ライダーは,水野をはじめ,J.ウォーターズ,そしてH.シャーリンとなっています。オーストラリア人ライダーであるウォーターズは,ヨシムラ・スズキから8耐に何度も出場した経験があり,2011年には加賀山,そして青木宣篤と組んで2位表彰台を獲得した経験を持っています。マレーシア人ライダーであるシャーリンは,元GPライダーで,今シーズンJDT RACING TEAMに所属してARRC(アジア・ロードレース選手権)のASB1000クラスでパニガーレV4Rを駆っています。中国で開催された第2戦では,優勝を果たす活躍を見せています。これまでずっと日本製マシンが優勝してきた8耐ですが,いよいよ現在MotoGPやSBKでタイトルを獲得しているイタリアメーカーであるドゥカティが制するのか注目となります。
2024/06/19(水)
◎他のホンダ勢(EWC)
○6月13日(木)付けのこのページでは,鈴鹿8耐において3連覇を目指すホンダ勢の中で2チームの体制についてお伝えしましたが,他にも表彰台獲得経験もしくは可能性の高いチームがありますので,ここではその中の3チームの体制についてお伝えします。
その前に,13日に3連覇がかかるTeam HRCについてお伝えしましたが,同チームに関してその後発表がありましたので,その点についてお伝えします。昨シーズンのHRCは『日本郵便』がタイトルスポンサーに就いて参戦しましたが,今年も同じく同社が就き,昨年と同様『Team HRC with 日本郵便』として出場することになりました。
さて,他のチームについてですが,鈴鹿8耐はEWCシリーズの中の1戦です。そのEWCシリーズの中でホンダワークス的立場にあるのがF.C.C. TSR Honda Franceです。当然8耐にも出場しますし,ライダーについては,同チームからフル参戦しているJ.フック&M.ディ・メリオ&A.テシェの体制は変わりありません。現段階でEWCシリーズにおいてランクトップに立っているのが,このシリーズでスズキのワークス的位置にあるYOSHIMURA SERT MOTULです。それに対して,F.C.C. TSR Honda Franceは今季ここまであまり成績が残っておらず,ランキングは10位と同チームとしては低迷しています。果たして8耐でどこまで巻き返しを図るのか注目です。
残りの2チームは,8耐だけのスポット参戦となる国内有力チームです。一昨年一旦は表彰台獲得なったものの,その後の車検でレギュレーション違反が見つかって失格となってしまったのが,東広島に本拠を置くTOHO Racingです。もちろん表彰台復活を期して,今回も出場します。その体制ですが,エースライダーで,8耐優勝経験もある清成龍一を中心として,渡辺一樹と榎戸育寛が出場することになっています。昨シーズン限りで引退をした榎戸ですが,まだ十分に戦える力を持ったままでの引退でした。そうした榎戸を放っておくはずがなく,今季代役参戦としてかり出されています。しかも,8耐に出場するには権利を獲得する必要があり,それを託された形での代役参戦でした。榎戸は見事その役割を果たし,そのまま今回同チームから出場することになっています。
もう1つのチームは,8耐優勝経験があり,長年HRCライダーとして活躍してきた伊藤真一が代表を務めるAstemo Honda Dream SI Racingです。ただ,3人体制で臨むことは決まっていますが,現段階では3人目のライダーが誰になるのか発表されていません。既に発表されている1人目のライダーは,今シーズンから同チームに加わってJSB1000クラスにフル参戦している野左根航汰です。以前はヤマハのワークスライダーとしてJSB1000クラスにフル参戦し,チームメイトである中須賀克行を破ってタイトルを獲得した経験を持っています。国内で活躍した後,2017年EWCシリーズにもヤマハのワークス的立場にあるYART-YAMAHAに所属し,8耐にも出場した経験があります。野左根にとっては,それ以来7年ぶりの8耐となります。その野左根は昨シーズンMotoGPのMoto2クラスにフル参戦しましたが,もう1人途中からMoto2クラスに参戦したライダーがいました。それが羽田太河です。奇しくもその羽田が,今回野左根とチームメイトとして8耐に出場することになっています。縁というのは不思議なものですね。
2024/06/18(火)
◎連勝&24時間で(WEC)
○世界三大レースの1つであるWEC(世界耐久選手権)シリーズの第4戦『第92回ル・マン24時間レース』の決勝レースが,6月15日(土)〜16日(日)にわたって行われました。今回のレースは,スタート時こそドライコンディションだったものの,24時間の中で何度も降雨となったため,タイヤ選択やピットインのタイミング,そして,安全確保のために導入される“スローゾーン”が大きな影響を与えました。さらに,長時間にわたるレースですから様々なアクシデントも発生したりして,激しい雨やアクシデントのためセーフティーカーが何度も導入される事態となり,最後まで誰が勝つか分からない状況が続いていきました。そのような中で最終的にトップ争いを演じたのは,連覇を狙うフェラーリと,復活を期すトヨタでした。終盤に入って先頭を走るA.フォコ&M.モリーナ&N.ニールセン組のフェラーリ499P50号車と,2番手を走るJ-M.ロペス&小林可夢偉&N.デ・フリース組のトヨタGR010ハイブリッド7号車とのトップ争いとなり,最後の1時間になって前を行くフェラーリがどのような作戦を採るかが注目となりました。ピットの作戦によっては時間を要するため,後を追うトヨタがトップに立つ可能性もあったわけです。そして,最後にフェラーリが採った作戦は燃料補給なしでした。当然燃料消費を抑えるためにスピードを落とした燃費走行を行わなければならなくなりますから,30秒ほどの差がどんどん削られていきました。しかし,フェラーリは最後までトップの座を譲らずに走行し,昨年に続く連覇を果たしました。トヨタGR010ハイブリッド7号車は,予選でコースオフを喫して赤旗の原因となり,そのためペナルティーが科されて予選における全タイムが抹消となって62台中61番グリッドからのスタートとなりました。しかし,粘り強い走りを展開していって順位を上げていき,最後は優勝争いまで演じましたが届かず,惜しいところで優勝を逃して2位フィニッシュとなりました。3番手でゴールしたのはフェラーリ499P51号車で,フェラーリが表彰台の2つを占めた今大会となりました。天候やアクシデントにより混迷を極めた今大会でしたが,9位までが24時間走って同一周回でのフィニッシュとなっていて,いかに混戦だったのかが分かるレース結果でした。
2024/06/17(月)
◎連勝&初表彰台(JRR)
○好天に恵まれた筑波サーキットにおいて,第3戦の予選と決勝レースが行われました。今大会は,日曜日のみのワンデー開催となっていて,しかもJ-GP3クラスのみ行われています。ポールからスタートしたのは,昨シーズンまで3連覇を達成しているP.MU 7C GALESPEEDの尾野弘樹でした。その尾野は,好スタートを切ってホールショットを奪うと,その後は時に順位を下げることはありましたが,レースを通してイニシアチブを握っていきました。レース中盤までは10台前後のマシンでトップ集団を形成していましたが,終盤に入って4台のマシンによるバトルとなりました。そして,最終盤に入ってトップを走行していた尾野がペースを上げると,その尾野を追走していたJAPAN POST docomo business TPの若松怜はやや差をつけられてしまい,尾野が前戦に続いてポールトゥーフィニッシュでチェッカーを受けました。3位争いはどちらもスポット参戦となるTeam Shun and ZEROの武中駿とMotoUPRacingの池上聖竜との間での争いとなり,これを武中が制して自身初となる表彰台を獲得しています。
2024/06/16(日)
◎引き下げ(F1)
○今週FIA(国際自動車連盟)が発表した最新の国際モータースポーツ競技規則によると,ドライバーがF1に出場するために必要なスーパーライセンスの最低年齢を引き下げることになりました。2015年にレッドブルが育成ドライバーだったM.フェルスタッペンをトロロッソ(現在のビザ・キャッシュアップRB)からF1デビューさせた時が17歳で,自動車の免許さえも取れない年齢でのF1デビューは早いのではないかという問題が浮上しました。そこで,FIAがレギュレーションを変更し,18歳にならないとスーパーライセンスを発給しないといういわゆる『フェルスタッペン条項』が発動して現在に至っています。今回の改正は,「FIAの独自の裁量により,シングルシーターのフォーミュラカー競技において,最近一貫して卓越した能力と成熟度を示したと判断されたドライバーには,17歳でスーパーライセンスが付与される場合がある」という内容に変更されています。つまり,一定程度の成績を収めていればフェルスタッペンのように17歳でf1デビューを果たすことができるようになったわけです。もちろん,運転免許証保有の有無も関係ありません。突然の規則改正だったため,一人のドライバーの名前が浮上してきています。そのドライバーとは,現在FIA F2にフル参戦しているメルセデスの育成ドライバーのA.キミ・アントネッリです。今シーズン限りでメルセデスAMGからL.ハミルトンが離脱することが決定していますが,その空いたシートに彼が座るのではないかと噂されています。さらに,それを見越して今シーズン中にメルセデス製パワーユニットを搭載しているウィリアムズから不振のL.サージェントに替わってキミ・アントネッリを起用するのではないかという噂も出ています。そのため,メルセデスから規則変更の要望が出たのではないかともいわれています。こうした噂に対して,当然のことながらメルセデスはこれを否定しています。真相は分かりませんが,今年中に18歳になるキミ・アントネッリではありますが,既にスーパーライセンス発給の資格を得ている彼が,規則上は誕生を待たずしてデビューすることが可能となったことになります。
2024/06/15(土)
◎デビュー(SF)
○来週宮城県にあるスポーツランドSUGOにおいて第3戦が開催されますが,それを前にしてトヨタエンジンユーザーの1つであるITOCHU ENEX TEAM IMPULから発表があり,同大会において平良響を起用することになりました。今シーズンのIMPULは,国本雄資とT.プルシェールの体制でシーズンに臨むことになっていました。ところが,開幕戦こそこの体制で臨んだものの,その後プルシェールがアメリカンフォーミュラの最高峰であるインディカー・シリーズに急遽参戦することになり,そのシートが浮いた状態となってしまいました。そこで,我が大分県にあるオートポリスで行われた第2戦では,代役としてB.バーニコートを起用することになりました。ただ,この時に発表があったように,バーニコートの起用は第2戦限定となっていて,第3戦以降については,その後発表を行うことになっていました。そして,1週間後の開催に向けて,今回平良響の起用が発表されたという流れとなっています。今回起用が決まった平良は,2000年7月に沖縄県でこの世に生を受けたドライバーです。2019年にフォーミュラ・トヨタ・レーシングスクールのスカラシップを獲得してFIA-F4選手権に参戦すると,その2年目に見事チャンピオンを獲得しました。タイトル獲得の翌年となる2021年からはSFの前段階となるスーパー・フォーミュラ・ライツシリーズをはじめ,スーパー耐久シリーズにも参戦を開始しました。そして,2023年からSGTにもGT300クラスでフル参戦を開始し,今季は戦いの中心をSGTにしています。今季のSGTでは,開幕戦を制し,さらに現段階までトップ5圏内でフィニッシュを果たしていて,チームメイトである堤優威と共にGT300クラスのランキングトップに立っています。まさにトヨタ陣営の中で若手有望株の1人と言える平良が,ついにトップフォーミュラへのデビューを果たすことになったわけです。
2024/06/14(金)
◎ワークスから(MotoGP)
○タイトル争いと同時に注目点となっているのが,来季のチーム体制がどうなるかということです。というのも,契約期間の関係から,今季で現在所属しているチームとの契約が切れることになっているライダーが多く,必然的に来季チームに残留するのか,他チームへ移籍するのか,そして,シート自体を失うことになるのかが注目となる訳です。そうした中,ワークスチームを中心として徐々に来季の体制が決まってきています。その来季の体制について,昨日KTMのサテライトイームであるテック3から発表がありました。今シーズンのテック3は,チーム名がレッドブル・ガスガス・テック3となっていて,マシン自体はKTM製ですが,ブランドとしてGASGASとなっています。そして,A.フェルナンデスと今季唯一のルーキーライダーであるP.アコスタが同チームからフル参戦しています。今回の発表によると,まずチーム名は『レッドブルKTMテック3』という名称に替わり,ブランドがガスガスではなく,マシンと同じKTMということになりますライダーについてですが,既にルーキーながら表彰台を獲得したりする活躍を見せているアコスタが,来季はKTMのワークスであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングに移籍することが発表されていて,少なくとも1つのシートが空くことは決まっていました。そして,来季のライダーについての発表によると,今季もドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームからフル参戦しているE.バスティアニーニと,今季アプリリアのワークスであるアプリリア・レーシングからフル参戦しているM.ビニャーレスを起用することが決定しました。つまり,フェルナンデスがテック3のシートを失うことが決定したことにもなります。今回発表があったバスティアニーニですが,昨年からの2年間にわたってドゥカティのワークスライダーとしてフル参戦してきました。既にチームメイトのF.バグナイアの契約延長が決まっていて,そのバグナイアのチームメイトが誰になるのかが大きな注目点となっていました。バスティアニーニが契約延長を果たすのか,2年連続バグナイアとタイトル争いを演じているプラマック・レーシングのJ.マルティンが移籍してくるのか,そして,今季からドゥカティ陣営に加わわり,早くも表彰台争いをしているグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスが1年でワークスチームに昇格するのかが注目されていました。そして,マルティンがアプリリアワークスへの移籍がまず発表され,そのすぐ後にマルケスのワークス昇格が発表されました。これによりバスティアニーニがシートを失うことになったわけですが,果たして彼の去就がどうなるのかが焦点の1つとなっていました。そして,ドゥカティ陣営を離れ,KTM陣営に加わることになったわけです。もう1人のビニャーレスですが,彼についてはアプリリア残留かと思われていました。というのも,今季表彰台争いに加わるだけでなく,第2戦ポルトガルGPではスプリントレースを,続く第3戦アメリカズGPにおいては,スプリントだけでなく,決勝レースをも制しました。この優勝は,MotoGPクラスで初めて3メーカーで勝利するという快挙となっています。こうしたことから,残留と思われていたのです。ところが,マルティンの移籍が決定して以後から,ビニャーレスが離脱するのではないかという噂が出るようになり,今回のKTMへの移籍決定ということに繋がっていきました。もし来季ビニャーレスが優勝すると,自身が持つ3メーカーという記録を1つ更新することになります。なお,テック3が来季使用するマシンですが,ファクトリー仕様のKTM RC16となります。また,2人の契約期間ですが,今回の発表では「複数年」ということで,具体的な年数は分かりません。
2024/06/13(木)
◎3連覇目指して(EWC)
○例年は7月の最終週末に行われているEWCシリーズの一戦である鈴鹿8耐ですが,今年は『2024FIM世界耐久選手権(EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会』として例年より1週早い7月21日(日)に決勝レースが行われる予定になっています。鈴鹿8耐は,EWCシリーズにフル参戦しているチームだけでなく,日本を中心としてこの大会だけに参戦するチームも数多くいます。そうしたチームの多くが,最近になって今回の参戦体制について発表を行ってきています。今日は,その中で連覇を果たしているホンダ勢の中で,3連覇を目指しているホンダワークスと,昨シーズン2位表彰台を獲得したチームの2つに絞ってお伝えします。
まずホンダワークスについてですが,昨シーズンは長島哲太&高橋巧という前年(2022年)の勝者の2人と,新たにSBKにTeam HRCからフル参戦しているX.ビエルゲの3名で見事勝利を収めました。連覇を果たしている2年間で考えると,ビエルゲか2022年の勝者であるI.レクオナのSBKライダーのどちらかが出場することになるところなのですが,今年の大会はちょうどSBKの第6戦チェコ大会と日にちがバッティングしているために参加できません。しかし,以前の8耐はSBKライダーよりMotoGPライダーを起用することが多かったですが,幸いなことに今年の8耐とMotoGPはバッティングしていませんので,MotoGPライダーの出場が可能となっていました。そうした状況の中,5月31日(金)にホンダから今回の参戦体制について発表がありました。もちろん3人体制で臨むわけですが,まず1人目は,2年連続優勝を果たしている一人である高橋巧が今年もワークスライダーとして参戦します。ここまで8耐史上タイ記録となる5勝を挙げている高橋ですが,もし今年も優勝すると,史上最多優勝記録を6に更新することとなります。2人目は,MotoGPからの参戦となるJ.ザルコです。今季からMotoGPクラスにLCRホンダ・カストロールからフル参戦しているザルコですが,契約上はHRCとなっています。それだけに,ザルコがホンダワークスとして出場しても何ら不思議はありません。また,彼はフランス人ライダーですが,フランスはル・マンに代表されるように耐久レースが本場の国と言えますし,それだけにフランス人ライダーやドライバーは他の国以上に耐久レースへ強い意欲を持っていますので,ザルコがHRCと契約する際,8耐への出場が契約条件の中にあっても何ら不思議はないと言えます。3人目は,連覇を果たしている長島ではなく,今季JRRのJSB1000クラスへSDG Honda Racingからフル参戦している名越哲平です。彼もHRCにおいて開発を担ってきていますので,今回の起用はある意味当然なのかもしれません。連覇を果たしている長島の出場がないというのは意外でしたが,考えてみると彼は今季ダンロップタイヤの開発を担ってJSB1000クラスに出場していますから,8耐においてブリヂストンタイヤを使用するTeam HRCから出場できないのは当然なのかもしれません。
次に,昨年表彰台を獲得したSDG Team HARC-PRO. Hondaです。6月3日(月)に有限会社ハルク・プロとSDG株式会社から今季の体制について発表があり,こちらも当然3人体制で臨むことになります。まず1人目は,昨年同チームから出場する予定になっていたものの,怪我のため出場を断念せざるを得なかった元GPライダーの國井勇輝です。今シーズンの國井は,同チームからST1000クラスにフル参戦していて,ここまで2戦行われてどちらも彼が制していますので,まさに絶好調といえる状況にあります。2人目は,今季スペインで行われているESBKにフル参戦している浦本修充です。今季の浦本は,まだ優勝こそありませんが,表彰台に上る活躍を見せています。3人目は,今季MotoGPのMoto2にイデミツ・ホンダ・チーム・アジアからフル参戦しているM.アジです。昨シーズンまでMoto3クラスにホンダ・チーム・アジアからフル参戦していて,今季チームに残留してMoto2クラスにステップアップを果たしています。
なお,両チームとも使用するマシンは,当然のことながら8耐仕様のホンダCBR1000RR-Rとなります。
2024/06/12(水)
◎新レギュレーション(F1)
○先週末に第9戦カナダGPが開催されましたが,それを前にした6月6日(木)にFIAからレギュレーションに関する発表がありました。2026年シーズンから全く新しいレギュレーションに基づいたマシンでF1は開催されることになっていますが,そのレギュレーションについてはこれまで概要程度の発表しか行われていませんでした。今回の発表は,それをさらに具体化したものとなっています。ここでは,4点に関してその大まかな内容をお伝えします。
まずパワーユニット(PU)についてですが,現行のPUを基礎にして,それをよりパワーアップしたものとなります。現行のものはMGU-HとMGU-Kと呼ばれるシステムでパワーとなる電力を発電していますが,MGU-Hに関しては,複雑なシステムとなっているため廃止されます。内燃機関(ICU)によって得られるパワーを落とすのに対して,モーターからのパワーを現行のものよりおよそ3倍高められます。ブレーキ回生で得られるエネルギー量についても高められ,現行から倍増されます。マニュアル・オーバーライド・モードというものが搭載され,ドライバー自身の操作でMGU-Kのパワーを一時的にブーストすることができるようになります。
シャーシに関しては,縦幅と横幅,そして最大フロア幅が現行のマシンより小型化されます。また,軽量化も図られ,マシン&ドライバー722kg+推定タイヤ質量46kgとなります。タイヤ幅についても,現行より縮小されます。ダウンフォースを30%減少させるのに対し,空気抵抗については55%減少させることになります。
エアロダイナミクスに関してですが,2つのモードが設定され,コーナリングスピードを追求したダウンフォース仕様に設定したZモードと主にオーバーテイクの促進に使われてきたDRSに替わるXモードの2つとなります。Xモードに関してですが,現行のDRSは前走車とのギャップが1秒以内にならないと使用できませんでしたが,X.モードはギャップとは関係なく決められた区間で使用できます。フロントウィングやサイドポンツーンなどの構成についても変更となります。ちなみに,フロントウィングは現行のものより縮小となります。
マシンの安全性については,当然高められるようになり,例えば,側面からのインパクトへの保護は2倍以上に高められます。追突防止をさらに高めるため,リヤウィングエンドプレートライトは,現行よりも大幅に視認性と輝度が向上します。
燃料に関しては,2026年からは全て持続可能な燃料で走行しなければならなくなります。
2024/06/11(火)
◎ペナルティー(F1)
○週末に終わった第9戦カナダGPの決勝レースは,レッドブルにとってM.フェルスタッペンが優勝して通算60勝を達成し,ビザ・キャッシュアップRBのD.リカルドは一時順位を下げたものの,その後挽回して8位でゴールして見事ポイントを獲得しました。この2人に関しては好結果を残したわけですが,そのチームメイトに関しては残念な結果となりました。まず,予選から不調だったレッドブルのS.ペレスは,53周目のターン6でスピンを喫してマシンを損傷し,ピットに戻ってリタイアに終わりました。リカルドのチームメイトである角田裕毅は,ポイント圏内を走行していたものの,残り5周となったところでマシンを滑らせてしまって順位を下げ,ポイント圏外の14位でチェッカーとなってしまいました。チームそれぞれが対照的な結果となってしまったわけですが,レース後ノーポイントに終わった2人に関連してさらなる不運がありました。まずペレスですが,マシン後部を大きく損傷していましたから,通常はそのままマシンを止めてリタイアします。ところが,損傷したままコースを走行してピットに戻りました。どうやらこれはチームからの指示があったようで,もしその場でマシンを停めてしまうとセーフティーカーが導入され,その段階でトップを走っていたフェルスタッペンが築いてきた2位との差がなくなってしまう可能性がありました。そのため,チームはペレスに走行するよう指示したようなのです。ところが,走行を続けた結果,コース内にパーツが散らばってしまい,悪くすると危険な状況になるところでした。こうした状況を受け,レース後に審議となり,チームに対して罰金25,000ユーロ,ペレスに対しては次戦で3グリッド降格のペナルティーが科されることになりました。次に角田に対してですが,こちらはレースにおけるものではなく,その前のことに対してペナルティーが科されることになりました。レース前には開催地の国歌が流れるという儀式がありますが,レギュレーションでは全てのドライバーはそれに参加しなければならないことになっています。ところが,チームの連絡ミスにより角田はそれに遅刻してしまったのです。角田自身は,自分が遅れていることに気づいて急いで駆けつけたのですが,時すでに遅しの状態でした。この出来事に対してペナルティーが科されることになり,チームに対して10,000ユーロの罰金が科されました。ちなみに,角田に対するペナルティーはありませんでした。
2024/06/10(月)
◎60勝目(F1)
○第9戦カナダGPの決勝レースが,レースウィークを通して不安定な天候となったジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。予選こそドライでの走行となりましたが,決勝レースはウェットコンディションでの走行がしばらくの間続きました。スタートしてしばらくの間,表彰台争いはグリッド順で進んでいきました。レースが進むに連れてコースが乾いていき,ここでマクラーレン勢が速さを見せ始め,L.ノリスが前を行くレッドブルのM.フェルスタッペンとメルセデスAMGのG.ラッセルを交わしてトップに浮上しました。徐々に後続との差を広げて行くノリスでしたが,スピンを喫したマシンが出たためセーフティーカーが導入される事態となりました。ここですぐにピットに入ったフェルスタッペンたちと1周遅れて入ったノリスとの違いが影響し,ノリスは順位を下げ,フェルスタッペンがトップに立ち,ラッセル,ノリスという順位となりました。その後,タイヤを履き替えたりしましたが,トップ3の順位は変わりませんでしたが,2位を行くラッセルがやや挙動を乱したときにノリスがこれをパスして2位に浮上しました。3位に落ちたラッセルは,その後他のマシンを接触するというアクシデントとなり,さらに順位を下げてしまいました。ただ,最終盤に入ってペースに勝るラッセルが再び3位まで浮上し,トップ3はフェルスタッペン,ノリス,ラッセルの順で走り抜き,そのままチェッカーとなりました。今季6勝目となったフェルスタッペンですが,この勝利は通算60勝目となります。フェルスタッペンは優勝したものの,予選でも不調だったチームメイトのS.ペレスは,スピンしてマシン後部を損傷してリタイアに終わっています。予選で2台揃ってQ3進出を果たしたビザ・キャッシュアップRB勢ですが,一時ポイント圏外に順位を下げたD.リカルドは,このサーキットを得意としていて,再び順位を回復していって8位でチェッカーを受けています。レース途中からずっとポイント圏内を走行していった角田裕毅でしたが,66周目に濡れた芝生で足をとられてコースオフを喫してしまい,再始動はできたものの,順位を14位まで落としてチェッカーとなり,残念ながらノーポイントレースとなってしまいました。
2024/06/09(日)
◎契約延長(F1)
○第9戦カナダGPが行われている真っ最中ですが,ビザ・キャッシュアップRBから発表があり,今シーズンも同チームからフル参戦している角田裕毅との契約に関して,延長オプションを行使してチームに残留することが決定しました。今回契約延長が決まった角田は,ホンダの支援を受けると共に,レッドブルの育成ドライバーとして結果を残していき,2021年に現チームのRBの前身であるトロ・ロッソに所属してF1にフル参戦を開始しました。それ以後も一貫してこのチームからフル参戦を続けていき,今シーズンからチーム名がビザ・キャッシュアップRBとなりました。昨シーズンまではやや荒いドライビングが見られたり,レース中の無線でその激しい気性を垣間見せるところがあったりしましたが,RBへとチーム名が替わった今季は,角田のドライビングにも変化が見られ,状況に応じた展開を見せるようになってきました。その結果,上位5チームの次に続くポイントをチームにもたらしていて,ドライバーズランキングでは現段階で10位につけています。今季で契約が切れる角田ですが,現在の成績から来季の去就に注目が集まるようになり,場合によってはレッドブルに昇格するのではないかと噂まで浮上していました。しかし,レッドブルとしては彼の成長を認めながらも,昇格には否定的な見解があり,実際S.ペレスとの契約延長が正式発表されました。レッドブルへの昇格がなくなったことで,角田が他陣営に移籍するのではないかという憶測が出てくるようになり,その去就がさらに注目されていました。そうした憶測には,2026年から新たなレギュレーションが発動し,2025年限りでレッドブルと袂を分かつホンダが,新たにアストンマーティンと組んで正式にF1へフル参戦するということが影響しています。今回の契約延長決定により,少なくとも来季まではホンダ製パワーユニットを搭載しているレッドブル陣営に留まることが決定したことになります。今回の発表では,チームメイトが誰になるのかは明らかになりませんでした。レッドブルはM.フェルスタッペンとペレスが既に決定していますし,RBは角田に決まりましたので,レッドブル陣営に残されたシートは後1つしかありません。ところが,今季あまり成績が残せていないD.リカルドではあるものの,レッドブルはいまだに彼への信頼を失っていないようですし,チームへスポンサーを持ち込んでいるのも確かです。ところが,今季はレッドブルのテスト&リザーブドライバーを務めているものの,来季からレギュラードライバー昇格が契約上あるL.ローソンがいます。果たしてどのような決定が下されるのか,今回の角田の決定により一段と注目を集める状況となっています。

◎今季初(F1)
○第9戦カナダGPの予選が,時折雨が降ったものの,ドライコンディションでの走行となったジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。Q1では,来季もレッドブル続投が決まったS.ペレスが敗退し,Q2ではフェラーリ勢2台が揃って敗退するというまさかの展開となりました。そうした中始まったQ3では,ユーズドタイヤを用いて早い段階で最速タイムをメルセデスAMGのG.ラッセルがマークし,それ以後本人を含めニュータイヤを履いてアタックしたドライバーたちは誰もそのタイムを更新することができず,ラッセルが自身今季初となるポールを獲得しました。ラッセルのポール獲得は,2022年の第13戦ハンガリーGP以来,自身通算2度目となります。前日はマシントラブルによりさほど周回できなかったレッドブルのM.フェルスタッペンは,ラッセルと同タイムマークしたものの,後からそのタイムをマークしたことで,レギュレーションによりラッセルにポールの座を譲ることとなっています。3,4番手に今季好調なマクラーレン勢がつけ,それぞれL.ノリス,O.ピアストリの順でした。ビザ・キャッシュアップRB勢はどちらもQ3への進出を果たし,今回好調な走りを見せているD.リカルドが5番手,契約延長発表があった角田裕毅は8番手と好位置につけています。
2024/06/08(土)
◎トラブル発生(F1)
○第9戦カナダGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。会場であるこの日のジル・ビルヌーブ・サーキットは,雨が降ったり止んだりといった不安定な天候となっていて,多くの時間帯がウェット路面での走行となりました。完全ウェットで始まった午前の走行では,徐々に路面が乾いていくという方向となりました。そして,午後の走行が始まった段階では路面が乾いていて,どのドライバーもタイム出しはこの時間帯に行って行き,再び降り始めた雨により,途中からは再びウェット路面となってしまいました。そのような中,アストンマーティンのF.アロンソが早めにタイムを出すのに成功し,唯一1分16秒を切るタイムをマークして初日総合トップに立ちました。チームメイトのL.ストロールが3番手タイムをマークしていて,初日はアストンマーティン勢が好結果を出しています。その間に挟まれる形で総合2番手だったのは,アロンソからおよそコンマ45秒遅れでメルセデスAMGのG.ラッセルでした。レッドブルのM.フェルスタッペンは,途中でマシンから煙が出るというトラブルが発生したためピットで長い修復作業が必要となったためにタイムを出すことができず,18番手で初日を終えています。契約延長が決まっているチームメイトのS.ペレスは,1分16秒を切ることができずに10番手タイムでした。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅とD.リカルドは,それぞれ8番手と5番手でした。
2024/06/07(金)
◎契約延長(F1)
○全24戦の内まだ8戦しか終了していないF1ですが,来季以降のシート獲得争いが少しずつ本格化してきています。ここ数日の中でも今季限りでの契約解除や契約延長について発表がありましたので,その点をまとめておきたいと思います。
まず契約延長についてですが,オラクル・レッドブル・レーシングから発表があり,今シーズンで契約が切れるS.ペレスとの間で,契約延長が成立しました。契約期間は2026年までの2年間となっています。チームメイトであるM.フェルスタッペンは,既に2028年までの契約が成立していますから,少なくとも2026年までは現在の体制のままになることが決定したことになります。この2026年というのは大きな意味があり,この年から全く新しいレギュレーションに基づいたマシンが登場することになっていて,現在はホンダ製のパワーユニットを搭載していますが,この新型マシンからはレッドブルがフォードと共同開発した独自のものを搭載することになっています。そのマシンを現行の2人が開発,そしてレースに臨むことになるわけです。今回契約延長が成立したペレスは,2011年ザウバーとの契約が成立してF1にフル参戦を開始しました。その後,マクラーレンやフォースインディア等に所属し,現在のレッドブルには2021年から所属していて,今季が4年目となります。レッドブルに所属してからの最高位は2023年のランク2位で,この成績がF1における自身の最高位でもあります。今季のペレスは,いい流れでのシーズンを迎え,第5戦中国GP終了段階では,表彰台獲得回数が4回でした。ところが,それ以降は思うような成績を出すことができず,第8戦モナコGP終了段階でランク5位となっています。チームメイトであるフェルスタッペンが勝利を収めているのに対して,ペレスが苦戦していることから,ペレスとの契約は今シーズン限りになるのではないかという噂が浮上していました。チャンピオンになれる可能性を持っているチームのシートだけに,どのドライバーもそのシートを狙っていると言えます。それだけに,今季でフェラーリとの契約が切れるC.サインツ等色々な名前が噂に上っていました。その中の1人が,今季大躍進を遂げているビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅でした。レッドブル育成ドライバーの一人でもありますので,今季の活躍も考慮に入れて名前が挙がっても不思議はありません。ところが,チーム代表を務めているC.ホーナーは,彼の起用について否定的な見解を一貫して出していました。そして,今回ペレスの契約延長が成立したことで,角田のレッドブル昇格が正式になくなったこととなります。果たして角田の去就がどうなるのか,2026年を見越した契約,そしてホンダとの関係性が深いドライバーであるだけに,大きな注目点の1つとなります。

◎問題あり?(F1)
○上記は契約延長についてでしたが,ここでは今季限りでの契約解除についてお伝えします。
まず6月3日(月)にBWTアルピーヌF1チームから発表があり,E.オコンとの契約を今シーズンで終了することになりました。今回発表があったオコンは,2016年シーズンの途中からマノー・レーシングMRTに所属してF1参戦を開始しました。2020年に現在のアルピーヌの前身であるルノーに所属し,2021年ルノーからアルピーヌにブランド変更となって以後も所属してきていて,今季でチーム所属5年目となります。この5年間での最高位は,2022年のランク8位です。今回の契約終了は,もちろん元々の契約がそうなっていますので何らおかしくはありません。ただ,先日行われたモナコGPのオープニングラップにおいて,チームでの取り決めに反してチームメイトのP.ガスリーに追い抜きをしかけて両者は衝突してしまうというアクシデントに発展しました。幸いにもガスリーは赤旗に救われた面もあってリスタートすることができ,最終的に10位でゴールしてポイントを獲得できました。しかし,オコンはリスタートすることができずにリタイアに終わっています。この事態にガスリーはもちろん,チーム側も激怒し,出場停止処分が出たり,シーズン中に契約解除になったりするのではないかという噂も出ました。今回の契約終了とこのアクシデントとは関係ないようですが,すっきりした形での契約終了という印象でないことは確かです。
もう1人の契約終了についてですが,こちらはハースに関してとなります。今季もN.ヒュルケンベルグとK.マグヌッセンの2人がフル参戦していますが,その内ヒュルケンベルグは今季で契約を終了し,来季はキック・ザウバー(2026年シーズンからはアウディ)へ移籍することが決定しています。もう1人のマグヌッセンに関しては,まだチームからの正式発表はないものの,F1の公式サイトが今季限りでチームを去る見通しであることを伝えました。そして,マグヌッセン自身も,来季の去就について見解を述べていますので,ほぼ決定といっていいでしょう。このマグヌッセンについては,今季レース中のドライビングについて何度も物議を醸しています。そして,その行いに対してペナルティーポイントが科され,そのポイントの累積による出場停止処分に王手がかかった状態です。もしあと1ポイントでもペナルティーポイントが科されるようなことを起こせば,史上初の処分者ということになります。まさに,現在のF1ドライバーでナンバーワンの問題児ということになるわけです。チームとしては彼をかばうようなコメントを出してはいますが,頭を抱えているのは事実でしょうし,そうしたドライバーを来季以降も採用するのに二の足を踏むのは当然です。こうした状況ですので,正式発表はなくても間違いなく契約終了ということになるでしょう。
2024/06/06(木)
◎1年で(MotoGP)
○ドゥカティ・コルセから発表があり,今季グレシーニ・レーシングMotoGPからフル参戦しているM.マルケスとの間で2年間の契約が成立し,来季からドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームからフル参戦することになりました。同チームは既にF.バグナイアと2026年までの契約が成立していますので,少なくとも同年までバグナイア&マルケスの体制で臨むことが決定したことになります。と同時に,今季も同チームからフル参戦しているE.バスティアニーニが今季限りでチームを去ることも決定したことになります。今回新たな契約が成立したマルケスは,今さらいうまでもなくホンダとタッグを組んで数々の栄冠を獲得していました。しかし,マルケスの怪我による体調不良とホンダの戦闘力の急激な衰えから,契約を1年前倒しして昨シーズン限りで袂を分かちました。そして,自身の実弟であるA.マルケスが所属し,型落ちではあるものの今一番戦闘力が高いマシンを使用しているドゥカティ陣営の1つのグレシーニ・レーシングMotoGPに今季から所属してシーズンを戦っています。MotoGP昇格以来ずっとホンダのマシンで戦ってきただけに,ドゥカティのデスモセディチとの相性がどうか不安視されたものの,早い段階でマシンとのマッチングを構築してきて,まだ優勝はできてないものの,表彰台争いの常連になっています。来季のドゥカティワークスがどうなるのかが噂となっていて,今回のマルケス,2年連続タイトル争いをしているプラマック・レーシングのJ.マルティン,そしてバスティアニーニの誰がシートを獲得することになるのかが注目されていました。そのような中,一昨日のこのページでお伝えしたように,候補の一人であったマルティンがアプリリアと契約が成立。そして,今回のマルケスの1年でワークスチーム移籍という結論に至っています。どうやら,マルティンのアプリリア契約は,水面下で決定したマルケスのワークス昇格を受けてのものだったようです。なお,シートを失うことになったバスティアニーニですが,来季の去就についてはまだ発表されていないものの,先日発表があったP.アコスタのワークス昇格により,少なくとも1つ空くことが決まっているレッドブル・ガスガス・テック3のシートではないかと噂されています。
2024/06/05(水)
◎未消化(MotoGP)
○第7戦イタリアGPが先週末終了しましたが,MotoGPクラスにフル参戦しているチームやライダーはそのままムジェロ・サーキットに残り,決勝レースの翌日となる6月3日(月)にシーズン中に行われる2回目のオフィシャルテストに臨みました。ところが,開始して1時間半ほどはドライでの走行となりましたが,それから後に雨が降り始めてウェットコンディションとなってしまいました。ほとんどのライダーが,これから本格的な走行というところで雨に見舞われてしまったため,ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアをはじめ,プラマック・レーシングのJ.マルティン,グレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスなどドゥカティ勢を中心に現在ランク上位につけているライダーのほとんどが全く走行しないままサーキットを後にしました。走行は続けたものの,どのメーカー及びチーム,ライダーも,予定していたテストメニューを消化できないままとなってしまいました。そのような状況の中,今回のテストで最速タイムを刻んだのは,早い段階でタイムを刻んでいたレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーでした。総合2番手タイムにつけたのは,こちらも早い段階でタイムを出していた驚異の新人であるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタで,ビンダーとの差はわずか1000分の33秒でした。総合3番手タイムは,今シーズンからホンダワークスであるレプソル・ホンダ・チームに所属し,レース等では最下位争いに終始しているものの,堅実な走りでマシンとのマッチングを図っているL.マリーニでした。海外メーカーに比べ戦闘力に劣っている日本メーカー勢は全員今回のテストで走行を続けていき,ヤマハワークスであるモンスターエナジー・ヤマハMotoGP勢は,A.リンスが7番手,F.クアルタラロが14番手でした。ホンダ勢は,マリーニを先頭に,チームメイトのJ.ミルが5番手,LCRホンダ勢のJ.ザルコが8番手,中上貴晶は10番手タイムでテストを終えています。なお,シーズン中に行われる3回目となる次回のオフィシャルテストは,第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP後に行われる予定になっていて,これが今季最後のインシーズンテストとなります。
2024/06/04(火)
◎移籍決定(MotoGP)
○週末にムジェロ・サーキットで行われた第7戦イタリアGPは,スプリントと決勝レース共にイタリアンメーカーのマシンを駆るイタリアンライダーであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが勝利を収めました。これにより,ランクトップをいくプラマック・レーシングのJ.マルティンとランク2位をいくバグナイアとのポイント差は,大会前まで39ポイントだったものが,終了後に18ポイントとおよそ半減し,タイトル争いが再び分からなくなってきました。そうしたタイトル争いと共に注目を集めているのが,来季のシート獲得争いです。今季限りで契約が切れるライダーが多く,どのライダーもワークスのシートを獲得したいところです。その中でも,現段階で最もタイトル獲得の可能性が高い位置にいるのがドゥカティワークスであるドゥカティ・レノボ・チームのシートです。そのシートに関しては,既にバグナイアが2026年シーズンまで残留することが決まっていて,残るのは現段階の契約上では今季までの契約となっているE.バスティアニーニが座っているもう1つのシートとなっています。そのシート獲得に関しては,もちろんバスティアニーニの残留という線があるものの,ランクトップをいくマルティンと,昨シーズンをもってホンダと袂を分かち,今シーズンからドゥカティのサテライトチームであるグレシーニ・レーシングMotoGPに所属しているM.マルケスの3人によるシート獲得競争ではないかと予想されていました。特にマルティンに関しては,今季既にプラマックとの契約を今季で終了することが発表されていて,何処かに移籍することが決定していました。そして,マルティンのコメントでは,いずれかのワークスのシート獲得を目指すということでした。昨年に続き,今季もタイトル争いを展開しているわけですから,そうした希望を抱くことは至極当然のことです。そして,そのドゥカティのシート獲得競争は,マルケスとマルティンのどちらかになるのではないかという噂がほとんどでした。ところが,その噂に関して,昨日あった発表で1つの決着を見ました。イタリアGPが終了した翌日となる昨日,イタリアンメーカーの1つであるアプリリアのワークスチームのアプリリア・レーシングから発表があり,マルティンとの複数年契約が成立しました。これは,つまりマルティンがドゥカティワークスに加入するという線が当面の間なくなったことを意味します。今回今季終了をもってアプリリアへ移籍することが決定したマルティンは,2015年からMoto3にフル参戦を開始し,マヒンドラやホンダのマシンを駆っていきました。その中で,グレシーニ・レーシングに所属してホンダのマシンを駆った2018年にはタイトルを獲得しています。そして,2019年から2年間レッドブルKTMアジョに所属してMoto2クラスにフル参戦した後,2021年から現在のプラマック・レーシングに所属してMotoGPクラスへ昇格しました。昨シーズンは最終戦までバグナイアとのタイトル争いを展開する活躍を見せ,冒頭にも記したように現在ランクトップにつけています。今回のマルティンの移籍決定により,ドゥカティワークスのシート争いは,マルケスとバスティアニーニとの一騎打ちとの様相へと変化しました。
2024/06/03(月)
◎4戦連続(MotoGP)
○第7戦イタリアGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったムジェロ・サーキットで行われました。
MotoGPクラスは,5番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,好スタートを切ってオープニングラップでトップに立つと,後は後続との差を広げながらトップの座を守っていきました。その後ろでは,レースが進むに連れて順位争いが激しくなり,ファイナルラップまで誰が2位になるか分からない展開となりました。トップのバグバイアは最後までその位置を守り抜き,スプリントレースに続いて母国GPを制しました。バグナイアがこの大会を制するのは,昨年に続いて2年連続となります。一時は表彰台争いに加わっていたグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスでしたが,徐々に遅れをとって4番手の位置で単独走行となり,2位争いはドゥカティ・レノボ・チームのE.バスティアニーニとプラマック・レーシングのJ.マルティンとのバトルとなりました。そして,ファイナルラップの最終コーナー手前でバスティアニーニが2位に浮上してチェッカーとなり,いつもの赤ではなく,イタリアのナショナルチームが採用する青い『アズーロ・カラー』のドゥカティワークス,そしてイタリアンライダーのワンツーフィニッシュとなりました。3位にマルティンが入ったことで,ドゥカティが4戦連続表彰台独占となりました。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,10周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto2クラスは,その前に行われたMoto3クラスが赤旗中断となった影響で,周回数が19周から12周に減らされてスタートとなりました。ポールからスタートしたオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツは,ホールショットを決めてトップに立ちました。その後,多少順位の入替えはありましたが,常にトップ集団に入って走行を続け,ファイナルラップまで続いたトップ争いを制して2年ぶりとなる勝利を収めました。ロバーツからわずか1000分の67秒遅れで,QJモーター・グレシーニMoto2のM.ゴンザレスが入りました。3位にMBコンベアーズ・スピードアップのA.ロペスが入り,2戦ぶりに表彰台を獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,トップ集団には入っていたものの,思うように順位を上げることができずに終わったMTヘルメッツMSIの小椋藍は5番手でチェッカーを受けています。ヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,11周目の9コーナーで転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto3クラスは,4周目に多重クラッシュが発生したことで赤旗が提示され,3周目の順でレースはやり直しとなりました。赤旗前も,そしてリスタート後もポールからスタートしたCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが好調だったレースウィークを象徴するような快走を見せてトップの座を守っていきました。ところが,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーがペースを上げてアロンソを追走しましたが,アロンソがこれを振り切ってトップでチェッカーを受け,3戦連続,そして今季5勝目を挙げました。3位には,徐々にポジションアップを果たしていったMTヘルメッツMSIの山中琉聖が入り,さらに,その後ろをホンダ・チーム・アジアの古里太陽が走行して4位チェッカーとなっています。リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生は,オープニングラップで転倒してリタイアに終わっています。

◎初優勝(SGT)
○第2戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』の決勝レースが,直前に雨が止むという不安定な天候となった鈴鹿サーキットで行われました。
GT500クラスは,レース序盤で笹原右京&G.アレジ組のDeloitte TOM’S GR Supraと大嶋和也&福住仁嶺組のENEOS X PRIME GR Supraがワンツー体勢を築いてレースは進行していきました。ところが,最後のピットインの際,ENEOSがピットアウトするときに走行車線に他のマシンが走行していたため,これがアンセーフだということでドライブスルーペナルティーが科されることになってしまいました。これにより,大津弘樹&佐藤蓮組のARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16が2位に,坪井翔&山下健太組のau TOM’S GR Supraが3位に浮上し,ENEOSは4位に順位を落としました。しかし,ペースに勝るENEOSはauとARTAを交わして再び2位に返り咲いたものの,トップを行くDeloitteには届かず,笹原&アレジ組が今季初優勝をポールトゥーウィンで飾りました。アレジにとっては,このクラスで自身初めての優勝となります。ARTAとauとの間で繰り広げられた3位争いは,ARTAが制しています。
GT300クラスは,ポールからスタートした藤井誠暢&C.ファグ組のD’station Vantage GT3がオープニングラップからトップに立つと,ピットインのタイミングのズレで順位を下げることはありましたが,それも解消すると独走体勢をさらに築いていき,最終的に2位に38秒もの大差をつける独走でポールトゥーウィンを達成しました。タイヤ無交換で燃料給油のみの作戦を最後に採った堤優威&平良響組のmuta Racing GR86 GTが,54�s搭載のハンデを乗り切って2位に入っています。そのmutaから交わされ,最終的に10秒遅れとなったものの,こちらも単独走行で片山義章&R.メリ組のUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが3位でチェッカーを受けています。
2024/06/02(日)
◎初優勝&昇格(MotoGP)
○2日目となった第7戦イタリアGPがムジェロ・サーキットで開催され,MotoGPクラスのスプリントレースと各クラスの予選が行われました。
MotoGPクラスのスプリントレースは,2番グリッドからのスタートとなったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,ポールからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンを交わしてホールショットを奪いました。トップに立ったバグナイアは,その後も安定した速いタイムを刻んでいって後続との差を広げて行きました。スタートでやや出遅れて3位に落ちたマルティンでしたが,2周目には2位に浮上しました。その後,2位のマルティンに迫ってきたのは,4番グリッドからスタートしたグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスで,2人による2位争いへとなりました。ところが,2位を守っていたマルティンが8周目に転倒を喫してしまい,スプリントレースでは今季初のリタイアとなり,自動的にマルケスが2位となりました。さらに,マルケスの後ろを走行していたルーキーライダーであるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタが3位に浮上しました。マルケスがバグナイアに迫っていくかに思われましたが,バグナイアがマルケスとの差を保ったまま走り続け,バグナイアにとって今季初となるスプリントレースで優勝を飾りました。2位にマルケス,3位にアコスタとなっています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,Q1で敗退してブービーとなる23番グリッドからスタートし,最終的にホンダ勢としては2番手となる16位でチェッカーを受けています。
なお,この日KTMレーシングから発表があり,ルーキーイヤーながら早くも活躍を見せているアコスタとの契約について発表があり,現在KTMのサテライトチームからフル参戦していますが,来季からKTMのワークスであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングに昇格させることになりました。その契約期間は複数年となっています。
Moto2クラスの予選は,オンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツが,これまでのレコードタイムを更新する走りを展開し,昨年の第19戦カタールGP以来となるポールを獲得しました。トップ2は僅差の争いとなっていて,ロバーツから1000分の78秒遅れでMTヘルメッツMSIのS.ガルシアが2番手でした。3番手タイムをスピードアップ・レーシングのA.ロペスがマークし,開幕戦以来となるフロントローを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,前戦の勝者であるMTヘルメッツMSIの小椋藍は,Q2からのスタートとなり,トップからおよそコンマ7秒遅れの12番手でした。ヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢はQ1で敗退していて,今日行われる決勝レースは26番グリッドからスタートすることになっています。
Moto3クラスの予選は,初日総合トップに立っているCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが予選でも速さを見せ,今季4度目となるポールを獲得しました。そのアロンソにおよそコンマ25秒とやや差をつけられて,MTヘルメッツMSIのI.オルトラが2番手となっています。レッドブルKTMアジョのJ.ルエダが3番手タイムをマークし,3戦連続してフロントローを獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽の8番手が最高位で,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が13位,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が15位で予選を終えています。

◎初ポール(SGT)
○第2戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』がドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで開幕し,Q1,Q2の合算タイムで争われる各クラスの予選が行われました。
GT500クラスの予選は,Q1でDeloitte TOM'S GR Supraの笹原右京がトップタイムをマークしました。そして,Q2でG.アレジが2番手タイムをマークし,合算でトップに立って今季初ポール,そしてアレジ個人としてはこのクラスで初となるポールを獲得しました。Q2ではENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺がトップタイムだったものの,合算では大津弘樹&三宅淳詞組のARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16が2番手,大嶋和也&福住組のENEOS X PRIME GR Supraが3番手となっています。
GT300クラスは,このクラスで唯一1分57秒台をQ1でマークした藤井誠暢がトップに立ち,その座をQ2担当のC.ファグが守ってD’station Vantage GT3が今季初のポールを獲得しました。Q2でトップタイムだった井口卓人&山内英輝組のSUBARU BRZ R&D SPORTが2番手となりました。ここまでの成績により,54�sという最も重い重量を積んでいる平良響&堤優威組のmuta Racing GR86 GTが3番手となっています。
2024/06/01(土)
◎移籍後初(MotoGP)
○第7戦イタリアGPがムジェロ・サーキットで開幕し,初日は2回の走行が行われました。
MotoGPクラスは,前戦の勝者であるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが唯一1分44秒台のタイムをマークし,今季2回目の初日総合トップに立ちました。ただ,そのバグナイアですが,午後の走行で低速走行したためにグレシーニ・レーシングMotoGPのA.マルケスの走行を妨害してしまい,明日行われる決勝レースでは,3グリッド降格のペナルティーが科されることになっています。ただ,今日行われるスプリントレースではこのペナルティーは科されません。総合2番手タイムをマークしたのはモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのA.リンスで,これは今季,そして移籍後の自己最高位となります。なお,チームメイトであるF.クアルタラロが総合11番手タイムをマークしていて,トップ10には入れなかったものの,こちらもいい結果となっています。。不調を極める日本メーカー勢ですが,ヤマハ勢は少しずつ速さを取り戻してきている印象です。総合3番手タイムは,ルーキーながら早くも活躍を見せているレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタでした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,相変わらず下位に沈んでいるものの,ホンダ勢の中では最上位となる19番手でした。
Moto2クラスは,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアのS.チャントラがトップタイムをマークし,今季2回目となる初日総合トップに立ちました。このクラスは僅差の走行となっていて,チャントラから1000分の11秒遅れでオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツが総合2番手,そのロバーツから1000分の64秒遅れでスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが総合3番手となっています。前戦で今季初勝利を収めたMTヘルメッツMSIの小椋藍は,トップからおよそコンマ6秒遅れで12番手でした。もう一人のフル参戦日本人ライダーであるヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,トップから1秒474遅れの24番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,今季ここまでランクトップを行くCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが,2回の走行共にトップタイムをマークし,3戦連続初日総合トップに立ちました。そのアロンソからコンマ5秒以上離されたものの,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが総合2番手となっています。午前の走行で2番手タイムと好発進を決めたMTヘルメッツMSIの山中琉聖は,午後の走行で順位を1つ下げたものの,総合3番手タイムで初日を終えています。他のフル参戦日本人ライダー勢は,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が11番手,前戦でリタイアに終わっているホンダ・チーム・アジアの古里太陽は18番手で初日を終えています。
 

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