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2024/02/29(木)
◎他クラスも(MotoGP)
○開幕が徐々に近づいていますが,先日はMotoGPクラスが今年初となるオフィシャルテストを行いましたが,昨日から第4戦スペインGPの開催地であるヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで中・軽量級クラスの今年初となるオフィシャルテストが始まりました。今回のテストは,3月1日(金)までの3日間となっています。
Moto2クラスにおいて初日総合トップに立ったのは,昨シーズン所属したポンス・チームが参戦を終了したため,今季はファンティック・レーシングからの出走となるA.カネトでした。総合2,3番手タイムは,それぞれオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツ,CFモト・アスパー・チームのJ.ディクソンでした。今シーズンこのクラスにフル参戦する日本人ライダーは2人で,チームを移籍してMTヘルメッツMSIからの参戦となる小椋藍と,昨シーズンMoto3クラスで惜しくもタイトルを逃したものの,今季はこのクラスにステップアップを果たしてヤマハVR46マスターキャンプ・チームの佐々木歩夢となっています。その2人の初日は,小椋が5番手,このクラスで初の公式テストとなる佐々木は26番手で初日を終えています。
Moto3クラスは,CFモト・アスパー・チームから継続参戦となるD.アロンソが総合トップに立ちました。総合2,3番手タイムは,それぞれレッドブルKTMアジョのJ.アントニオ・ルエダ,レッドブルKTMテック3のD.オルガドでした。今シーズンこのクラスでフル参戦する日本人ライダーは昨シーズンより2人少なくなっていて,チーム復帰となるMTヘルメッツMSIの山中琉聖,チーム残留となるホンダ・チーム・アジアの古里太陽,そして昨シーズン佐々木が所属していたリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPに移籍となる鈴木竜生の3名となっています。初日の成績は,それぞれ7番手,11番手,12番手でこの日の走行を終えています。
2024/02/28(水)
◎多発&ワンツー(JRR)
○今シーズンのJRRは,鈴鹿サーキットでSFとの併催で行われる2&4が開幕戦となっていて,もちろん走行するのはJSB1000クラスのみです。その開幕戦は3月10日(日)が決勝日に設定されていて,時期としては異例の早さとなっています。その分,事前テストも早くなっていて,2月26日(月)と27日(火)の2日間にわたって鈴鹿サーキットで開催されました。今回のテストで目についたのは,転倒者の多さと,それが原因によって赤旗中断となることの多さでした。赤旗中断の回数は,2日間合わせて12回に及んでいて,内訳は両日とも6回ずつとなっています。暖冬とは言え,やはり2輪の最高峰クラスが走行するには気温そして路面温度共に低いのが要因となっているのは間違いないでしょう。そうした温度ということが一番の要因でしょうが,ライダーそしてマシン共に走り始めということももちろんあるでしょう。実際,初日の走行がマシンのシェイクダウンというライダーも少なからずいたようです。
そのような厳しい状況の中,総合トップタイムをマークしたのは,ディフェンディングチャンピオンであるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行で,総合2番手タイムがチームメイトの岡本裕生で,最初のテストで早くもワンツーとなっています。しかも,この2人だけが2分6秒台という結果で,今シーズンもやはりヤマハワークスであるこの2人を中心にシーズンが進むことになりそうな気配となっています。総合3番手タイムをマークしたのは,Yoshimura SERT Motulからの参戦となる渥美心でした。今シーズンの渥美は,同チームのマシン開発を担当することになっていて,しかもEWCにおける同チームの第4ライダーにも登録されています。鈴鹿で行われるJSB1000クラスは,EWCシリーズの一戦である鈴鹿8耐を念頭に置いて出場するチームが少なくなく,今回の渥美もそのためのワイルドカード参戦となっています。総合4番手タイムをマークしたのは,今シーズンの大きな目玉の1つであるDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼でした。これまでは一貫してスズキのマシンを駆ってきたTeam KAGAYAMAが,今シーズンからドゥカティの全面協力を得てドゥカティPanigale V4Rを駆ってのフル参戦となっています。既にSBKは開幕戦を終えていますが,今回ミズノが駆ったマシンには,どうやらその時使用されたパーツも投入されているようです。ライダー,チーム共に今回が初めてのドゥカティによる走行となるわけですし,マシン自体今回がシェイクダウンとなっています。それにもかかわらず,最初のテストで総合4番手タイムをマークしたわけですから,投入初年度でいきなり勝利する可能性も感じさせる今回のテスト結果となっています。
2024/02/27(火)
◎復帰(SGT)
○GT500クラスにフル参戦しているトムスが,今シーズンの参戦体制とマシンのカラーリングの発表を行いました。今シーズンのトムスについては,既にTOYOTA GAZOO Racingから発表されていて,まず昨年見事チャンピオンに輝いた36号車については,ドライバーの変更があります。昨シーズン坪井翔&宮田莉朋のコンビでタイトルを獲得しましたが,坪井は残留する者の,宮田については,海外でのレース経験を積むことになったためチームを離れ,替わりに山下健太が加わることになりました。37号車のドライバーは,昨シーズンからの残留となる笹原右京&J.アレジとなっています。36号車のチーム名は,これまでと同様KDDIのauブランドがタイトルスポンサーとなっていますのでTGR TEAM au TOM’Sとなっていて,マシンには『au』のロゴが飾られます。37号車については,こちらもタイトルスポンサーにリスクアドバイザーやコンサルティング等を専門に行う企業であるデロイト・トーマツ・グループが継続となっていて,チーム名はTGR TEAM Deloitte TOM’Sとなっていて,マシンには『Deloitte』のロゴが飾られたカラーリングとなっています。
今回の発表でサプライズとなったのは,ドライバーやマシンについてではなく,37号車の監督についてです。今季から同チームの監督を務めることになったのは,ドイツ人ながら長い間ずっと日本でドライバーとして活躍してきたM.クルムです。クルムといえばニッサンのイメージが強いドライバーで,一線を引いた後もニッサンのマシン開発等を行ったり,NISMOのエグゼクティブアドバイザリーを務めてきたりしていました。しかし,実は私も忘れていたのですが,来日してからの初期の段階となる30年ほど前では,トヨタのドライバーとしてトムスのマシンを駆って,全日本F3やSGTの前身である全日本GT選手権のGT500クラス(マシンはスープラ)に参戦した経歴を持ちます。つまり,彼としては久々にトヨタ及びトムスに復帰するということになるわけです。
2024/02/26(月)
◎連勝(SBK)
○今季開幕戦オーストラリア大会最終日の走行が,タイヤに厳しいフィリップアイランド・サーキットで行われました。この日はスーパーポールレースとレース2が行われましたが,昨日もお伝えしたようにタイヤに厳しいことからレース2はタイヤ交換義務がある大会となっています。
午前に行われたスーパーポールレースでは,レース中盤まで2位につけていたKawasaki Racing Team WorldSBKのA.ローズが,残り10周となったところでトップに立つと,後続との差を広げて行って単独走行となり,この日最初のレースを制しました。レース1で2位に入ったPata Prometeon YamahaのA.ロカテッリが,やや後続に差をつけてここでも2位表彰台を獲得しています。ファイナルラップまで続いたチャンピオン経験者同士による3位争いは,ディフェンディングチャンピオンであるAruba.It Racing - DucatiのA.バウティスタを押さえてROKiT BMW Motorrad WorldSBK TeamのT.ラズガットリオグルがこれを制しています。
午後に行われたレース2は,これまでカワサキのワークスライダーとして活躍してきたものの,今シーズンからヤマハワークスであるPata Prometeon Yamahaに移籍しているJ.レイが転倒を喫して赤旗中断となるアクシデントが発生しました。赤旗によりタイヤ交換義務がなくなった状況でリスタートしてレースは進行していき,ファイナルラップには3台による激しいトップ争いとなりました。その中で好調だったロカテッリが転倒してリタイアとなり,バウティスタとローズ2人によるトップ争いとなりました。そして,前を行くバウティスタをローズが交わしてチェッカーとなり,スーパーポールレースからの2連勝となりました。Barni Spark Racing TeamのD.ペトルッチとTeam GoElevenのA.イアンノーネという,MotoGPでワークスライダーを経験した者同士による3位争いとなりましたが,これをペトルッチが制しています。
なお,SBKと併催でWSSが開催されていますが,今シーズンは同シリーズに昨年MotoEクラスライダーだった大久保光とMoto3クラスライダーだった鳥羽海渡が,それぞれVince64 Racing Teasm by Puccetti,Petronas MIE Honda Racing Teamに所属してフル参戦しています。その初戦となる今大会は,レース1は2人ともリタイア,レース2は鳥羽が21位,大久保が24位で大会を終えています。
2024/02/25(日)
◎初レース&復帰レースで(SBK)
○ロードレースの世界選手権の先頭を切って,SBKがオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで2月23日(金)に開幕し,昨日はそのレース1が行われました。今回の大会ですが,フィリップアイランド・サーキットがタイヤに対する攻撃性が高いことから,レース1,レース2共にタイヤ交換義務があるというスプリントとしては珍しいルールとなっています。
今季最初のレース1でポールからスタートしたのは今季がルーキーシーズンとなるAruba.It Racing - DucatiのN.ブレガで,デビューレースでいきなりのポールシッターとなりました。そのブレガを交わしてスタートからトップに立ったのは,MotoGPにフル参戦していたものの,ドーピング違反が判明してレースへの出場禁止が続いていたA.イアンノーネでした。Team GoElevenに所属して4年ぶりのレースとなったイアンノーネは,レース中盤を過ぎるまでトップの座を守っていきました。しかし,その後ろにつけてきたブレガがイアンノーネを交わすと,徐々に後続との差を広げて行って単独走行に持ち込み,何とデビューレースでポールトゥウィンを達成するという史上初の快挙を成し遂げました。ブレガの後ろでは,4台による2位争いがしばらく続き,その後その争いは2台に絞られていきました。その争いを制して2位表彰台を獲得したのは,今シーズンもヤマハワークスであるPata Prometeon Yamahaからフル参戦しているA.ロカテッリでした。ロカテッリから少し遅れを取ってしまいましたが,イアンノーネが3位に入り復帰レースで見事表彰台を獲得しています。2年連続チャンピオンを獲得して今季を迎えているAruba.It Racing - DucatiのA.バウティスタは,トップ集団に加わっていたものの,転倒を喫して大きく遅れをとってしまいました。再スタート後に少しずつポジションを回復していき,最終的に15位でチェッカーを受けて何とかポイントを獲得しました。
なお,今シーズンもTeam HRCからフル参戦している一昨年の8耐王者であるI.レクオナは,20日(火)に行われたシーズン前の公式テストで転倒し,左肩を強打するというアクシデントに見舞われていました。体の状態が万全ではないため,様子を見るため初日に走行しましたが,やはり左肩に激しい痛みがあるため,以後の走行をキャンセルして治療に専念することになりました。1ヶ月後にカタルニアで第2戦が行われますが,そこからの復帰を目指すことになります。
2024/02/24(土)
◎2日連続(F1)
○今年最初のプレシーズンテストがバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われてきましたが,その3日目最終日の走行が行われました。前日はターン11の側溝の蓋が破損するというアクシデントに見舞われましたが,何と最終日も同様の箇所が破損してしまいました。その影響で,この日はセッション間のインターバルがなく,2回のセッションが続けて行われることになりました。
そうした状況の中で総合トップタイムをマークしたのは,今季以降もフェラーリのマシンを駆ることが決まっているC.ルクレールでした。前日にチームメイトのC.サインツが総合トップでしたから,フェラーリが2日連続して総合トップに立ったことになります。前日トップのサインツは,最終日を総合9番手でテストを終えています。テスト終了間際にタイムアタックをしたメルセデスAMGのG.ラッセルが,ルクレールから1000分の46秒遅れで総合2番手でした。ステーク(旧ザウバー)の周冠宇が,トップからコンマ325秒遅れの総合3番手タイムでテストを終えています。ここまでの2日間,チームによっては一人のドライバーがその日を担当するということをしていましたが,さすがに最終日らしく,ほぼどのチームもセッション毎にドライバーが代わって走行していました。初日圧倒的な速さを見せたレッドブルのM.フェルスタッペンは総合4番手,チームメイトのS.ペレスは総合10番手でした。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は総合5番手と上位でテストを終え,チームメイトのD.リカルドは一番堅いC1タイヤで走行して最下位の19番手でした。
2024/02/23(金)
◎入れ替わって(F1)
○3日間にわたる今年最初のプレシーズンテスト2日目の走行が,開幕戦バーレーンGPの開催地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。今回のテストは午前と午後に走行が行われますが,午前の走行では,セッションの半分を過ぎた辺りでコースにある排水溝の蓋が破損するというアクシデントに見舞われてしまい,そこでセッション終了となってしまいました。そのため,当初は午後の走行時間が4時間という予定でしたが,それを1時間延長して行われました。前日はレッドブルのM.フェルスタッペンが圧倒的な速さを見せて総合トップに立ちましたが,2日目の走行はチームメイトであるS.ペレスが担当しました。前日C.サインツが総合2番手だったフェラーリは,午前をC.ルクレールが,午後をサインツが担当しました。午前の走行ではルクレールがトップタイムをマークし,サインツが午後の走行でトップタイムをマークし,この日はフェラーリが速さを見せ,総合ではサインツがトップ,ルクレールが6番手タイムとなっています。それに対してレッドブルのペレスは,初日圧倒的だったフェルスタッペンほどはマシンを速く走らせることができず,サインツに次ぐ走行2番手で走行を終え,チームで見ると初日と順番が入れ替わる形となっています。総合3番手タイムは,この日両セッション共に担当したメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,午前の走行のみを担当し,総合では最下位となる17番手でこの日の走行を終えています。午後の走行を担当したチームメイトのD.リカルドは,総合5番手タイムでした。
2024/02/22(木)
◎初走行&大差(F1)
○昨日まではMotoGPクラスのプレシーズンテストについてお伝えしてきましたが,今度はF1のプレシーズンテストが開始となりましたのでその点についてお伝えします。今年最初のプレシーズンテストは,2月21日(水)から3日間にわたって開幕戦バーレーンGPの開催地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットにおいて行われます。このテストでは,毎日午前と午後に走行が行われますが,どのチームもセッション毎に1台ずつしか走行できないことになっています。そのため,一人のドライバーがその日の両セッションを担当するのか,セッション毎にドライバーが交替するのかはチームによって違いがあります。現段階で分かっているのは,多くのチームが各セッション毎にドライバーを代えていく方法を採用しているようです。
昨日行われた初日の走行では,サイトポンツーンなど大幅な進化を遂げて話題となっているレッドブルですが,初日は昨シーズン圧倒的な強さと速さを見せて連勝に次ぐ連勝を飾ってタイトルを防衛したM.フェルスタッペンが午前・午後共にステアリングを握りました。極めて小さい開口部となっているサイドポンツーン等大幅な進化を遂げて話題となっているレッドブルの今季型マシンRB20を駆ったフェルスタッペンは,両セッション共にトップタイムをマークして初日総合トップに立ちました。しかも,唯一1分31秒台に入るタイムをマークしたばかりでなく,総合2番手タイムだったマクラーレンのL.ノリスに1秒以上の大差をつけてのトップとなっています。総合3番手タイムをマークしたのは,L.ハミルトンが来季移籍してくるのに伴い,今シーズンでチームを去ることが決まっているフェラーリのC.サインツで,ノリスとの差はコンマ1秒でした。今季も唯一のフル参戦日本人ドライバーであるビザ・キャッシュアップRB(旧名アルファタウリ)の角田裕毅は,午前のみの走行を担当し,64周走行して5番手タイム(総合では13番手)でした。
2024/02/21(水)
◎2回連続&ワンツー(MotoGP)
○シーズン前最後のオフィシャルテスト最終日の走行が,開幕戦カタールGPの開催地であるルサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。2日間にわたって行われた今回のテストですが,ドゥカティ,アプリリア,KTMの海外メーカー勢は,新しいコンセッション(優遇措置)により,この日の走行をもって今シーズンのエンジンの仕様を決めなければならなくなっています。もちろん,日本メーカーにとっては,少しでも早く海外メーカー勢に追いつく必要性があります。こうした要因もあって,最終日の走行では,ラップタイムを意識した走行はもちろん,レースを想定したロングランもほとんどのライダーが実施したようです。前回ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで行われた今年最初のオフィシャルテストでは,最終日に非公式ながらそれまでのレコードタイムを更新する走りを展開して今季型マシンの速さを見せていました。そして,今回のテスト最終日も,前回と同様,非公式ながらレコードタイムを更新するライダーが続出し,全部で11台に及んでいます。その中で最速タイムを刻んだのは,前回のテストと同様にディフェンディングチャンピオンであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでした。しかも,彼だけが唯一1分51秒を切る驚異的なタイムをマークしています。総合2番手タイムをE.バスティアニーニがマークし,ドゥカティワークスが今回のテストをワンツーで締めくくっています。総合3番手タイムは,初日と同様にアプリリア・レーシングのA.エスパルガロでした。1年契約期間を残してホンダを去り,ドゥカティのサテライトであるグレシーニ・レーシングMotoGPからフル参戦することになっているM.マルケスは,彼に供給されるのは昨年型のマシンであるものの,最終日で総合4番手タイムをマークし,優勝争いに加わる可能性を感じさせてテストを終えています。初日は何とかトップ10圏内に入っていた日本メーカー勢ですが,最終日はモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの14番手が最高位でした。彼のタイムは,バグナイアからほぼ1秒遅れとなっています。ホンダ勢では,前日に引き続いてカストロール・ホンダLCRのJ.ザルコがトップで,総合では17番手でした。ザルコのチームメイトで,唯一のフル参戦日本人ライダーであるイデミツ・ホンダLCRの中上貴晶は,ザルコに次ぐ18番手でテストを終えています。ちなみに,ホンダワークスの2人は,中上の後につけた19,20番手でした。
今回のテストをもってMotoGPクラスのプレシーズンテストは全て終了し,次は同地で3月8日(金)から開幕する第1戦カタールGPとなっています。
2024/02/20(火)
◎ランク通り(MotoGP)
○今年2回目,そして開幕前としては最後となるMotoGPクラスのオフィシャルテストが,開幕戦カタールGPの開催地であるルサイル・インターナショナル・サーキットで昨日から始まりました。前回のテストで最速タイムを刻んだのは昨年のチャンピオンであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでしたが,そのバグナイアは初日の走行でも速さを見せ,あと少しで1分51秒台に突入するタイムをマークして総合トップに立ちました。そのバグナイアからコンマ22秒遅れでプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンがつけ,昨季ランキング争いでトップ2だった2人が,初日総合でもワンツーとなっています。トップからおよそコンマ9秒遅れで,今季もアプリリア・レーシングからフル参戦するA.エスパルガロがつけています。レッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーが総合4番手タイムをマークしていて,海外メーカー勢が上位につける結果となっています。日本メーカー勢でのトップは,今季からカストロール・ホンダLCRに復帰しているJ.ザルコの総合9番手でした。ヤマハのエースライダーであるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが総合10番手につけ,日本メーカー勢も何とかトップ10に食い込んでいます。イデミツ・ホンダLCRの中上貴晶は,トップから1秒168遅れの総合17番手で初日を終えています。
2024/02/19(月)
◎仕様決定へ(MotoGP)
○今月6日(火)から3日間,ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットにおいて,今季最初となるオフィシャルテストが行われました。そこでは,全チーム,そして全ライダーが揃った中での走行が展開されていき,2年連続チャンピオンに輝いたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,非公式ながら自身が持つコースレコードを更新する走りを見せ,3年連続タイトル獲得の可能性を感じさせるものとなりました。それからおよそ10日経ち,開幕戦カタールGPの開催地であるルサイル・インターナショナル・サーキットにおいて,今年2回目,そしてシーズン前最後のオフィシャルテストが今日から2日間にわたって行われます。今回のテストは,海外メーカーにとってはかなり重要なものとなります。というのも,今シーズンから新たなコンセッション(優遇措置)が適用されていて,その中で昨年の成績の結果ランクAとなっているドゥカティと,ランクCになっているKTMとアプリリアは,今回のテストをもって今季使用するエンジンの仕様を決定しなければならず,しかも年間を通してその変更ができないことになっているからです。それに対して,ランクDとなっているヤマハとホンダの日本メーカー勢は,シーズンの中で自由にアップデートが可能となっています。エアロボディに関しては,ドゥカティ,KTM,アプリリア共に1回だけ,ヤマハとホンダは2回それぞれアップデートが可能となっています。コロナ禍以降戦闘力不足となっている日本メーカー勢ですが,最初のオフィシャルテストでは,海外メーカー勢とはやはり差があることには変わりないものの,どのライダーもそれなりに手応えを感じていたようです。果たして最終仕様を決定しなければならない海外メーカー勢との差が,今回のテストでどれほどになっているのか注目となります。
2024/02/18(日)
◎古巣復帰(インディカー)
○2月16日(金),インディカーシリーズにフル参戦しているホンダ系の最有力チームの1つであるRLL(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がチームリリースを発表し,世界4大レースの1つである『インディアナポリス500マイルレース』(通称『インディ500』)に佐藤琢磨を起用することになりました。昨シーズンの琢磨は,同じくホンダ系最有力チームの1つであるチップ・ガナッシ・レーシングに移籍し,インディ500を含むオーバルレース5戦のみに出場するという参戦体制を採っていました。昨シーズン中にチップ・ガナッシを去ることは発表されていましたが,今季の去就は未定のままでした。インディ500を2回制するという快挙を成し遂げている琢磨だけに,インディカーシリーズはもちろん,他のカテゴリーからもオファーがあったようですが,最終的に琢磨がこのシリーズの中で一番長く所属した経歴を持つRLLに復帰することとなりました。琢磨とRLLとは,2012年にわずか1年ではありましたが初めて共に戦いました。一旦は離れた両者ですが,2018年に再びタッグを組み,2021年までの計5年間所属してきました。このシリーズでの琢磨は,インディ500を2回制覇,通算勝利数が6,通算表彰台獲得数が14回という経歴を有しています。その中でRLLに所属している間に,インディ500を1回制覇,勝利数が4回,表彰台獲得数が10回と,琢磨にとって最も相性のいいチームとなっていて,その相性のいいチームに3年ぶりに復帰することになったわけです。今回の発表によると,琢磨の乗るマシンのメインスポンサーは,神奈川県伊勢原市に本社を置く金属加工機械の製造販売メーカーである『株式会社アマダ』のアメリカ法人『アマダ・アメリカ』となります。琢磨が使用するマシンのカラーリングも発表されていて,日本のイメージカラーである赤と白のカラーに『AMADA』のロゴが飾られています。今回の発表では,わずか1戦のみの参戦となっていてかなり寂しい感じもするのですが,5月26日(日)に行われる決勝レースでは,ぜひ3度目のインディ500制覇を達成してほしいですね。
2024/02/17(土)
◎新たなカラーで(SGT)
○2月15日(木)に日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が公式YouTubeチャンネルでオンラインイベントを開催し,その場において今季GT500クラスに参戦するニッサンZニスモGT500の車名とマシンカラーリングを発表しました。今シーズンも4台のマシンを投入するニッサン勢ですが,その4台中3台がドライバーラインナップを変更するという大きな変革のシーズンとなっています。その陣容については既に1月19日(金)付けのこのページでお伝えしていますので,今回は割愛します。ニッサンが新たに公開した今回のカラーリングを見ると,細かい部分では昨シーズンまでとの違いはありますが,大まかに見ると1チームを除いてさほど大きな変化はない印象です。唯一大きな違いがあるのが,今シーズン平峰一貴&B.バゲットのコンビが継続となっているTEAM IMPULです。同チームのカラーリングといえば,チーム創設者であり,今季も総監督を務める『日本一速い男』の異名を持っていた星野一義が現役時代から一貫して同じものを使用してきていました。1988年に『カルソニック』として星野をスポンサードして以来,ずっと『カルソニックブルー』のカラーリングを用いてきました。その後,2000年にカルソニックとカンセイが統合されて『カルソニック・カンセイ』となり,さらに同社が2019年にイタリアのマニエッティ・マレリ社と統合して以後カルソニックのロゴがマレリのロゴに変わるようになっても,昨シーズンまでずっとカルソニックブルーでした。しかし,いつまでもそういう訳にはいかず,今シーズンからマレリ社の意向を受けてダークブルーのカラーリングとなり,ついに35年間私たちが見続けてきたカルソニックブルーが姿を消すことになったようです。もちろん寂しさを感じる部分はありますが,チームが新たなスタートを切ることも大事ですので,このダークブルーのマシンが活躍して見慣れるようになることを期待したいところですね。
2024/02/16(金)
◎大使館で(JRR)
○今季JSB1000クラスにおける目玉の1つが,Team KAGAYAMAのチーム体制でしょう。同チームは,長年にわたって国内外のレースで活躍してきた加賀山就臣が起ち上げたものです。しばらくはプレーイングマネージャーとしてレースに参戦してきた加賀山でしたが,現在は代表としてその力を発揮しています。その加賀山といえば,一貫してスズキのマシンを駆ってきていて,チームを起ち上げて以後もスズキ陣営の1つとして活躍してきていました。一昨年からはヨシムラとタッグを組んでYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINとして参戦していました。そのTeam KAGAYAMAが,2024年シーズンからドゥカティのマシンを駆ってJSB1000クラスにフル参戦することになるという驚きの発表を昨年の12月に行っていました。そして,2月15日(木)にその体制発表会が行われたのですが,その会場が何と東京都港区にあるイタリア大使館だったのです。このことからも,単なるドゥカティユーザーではないということが分かります。実際,Team KAGAYAMAの今季からのチーム名は『DUCATI Team KAGAYAMA』となりますし,使用するマシンはファクトリー仕様のドゥカティ・パニガーレV4 Rとなります。つまり,SBKにおいて2年連続チャンピオンに輝いたA.バウティスタが駆っているのと同じ仕様のマシンとなる訳です。ただ,同じ仕様とはいっても,実際にはサスペンションがオーリンズ,エキゾーストがアクラポビッチといったパーツは同じですが,タイヤに関しては,SBKがピレリのワンメークですから当然バウティスタはそのタイヤを使用しているものの,Team KAGAYAMAはブリヂストンを使用することになりましたので,この点では大きな違いがあります。今季の体制でもう1つ驚かされたのがライダーについてで,今シーズンから同チームのエースライダーとしてフル参戦するのは水野涼です。水野といえば,こちらは長年ホンダのマシンを駆ってきたライダーで,HRCからBSBにフル参戦した経歴も持っています。マシン,ライダー共に新たな状況となっていますが,ヤマハの牙城を崩すほどの活躍ができるのか非常に楽しみになりますね。
2024/02/15(木)
◎イメージ一新(MotoGP)
○次々に今シーズンの体制発表会が開かれているMotoGPクラスですが,ワークスとしては残すところホンダとアプリリアとなっていた段階の2月13日(火)に,ホンダのワークスであるレプソル・ホンダ・チームがスペインのマドリードで体制発表会を開きました。ホンダと言えば1959年にマン島TTに日本メーカーとして初めて出場し,その翌年からGPにフル参戦を開始しました。50cc,125cc,250cc,350cc,500ccの全クラスに参戦していた1966年には,全てのクラスを制するという快挙を成し遂げています。その翌年から一旦参戦を休止し,1979年から11年ぶりに復帰して最高峰クラスである500ccクラスへのフル参戦を開始(その後,中・軽量級クラスへも参戦)しました。1982年からHRCがワークス活動を担うようになり,ロスマンズ・ホンダやチームHRC,そして現在のレプソル・ホンダとして活動を継続してきています。これまでWGP,MotoGPとシリーズ名が変更されても,一貫してその先頭に立って輝かしい成績を収めてきていて,GPを制するにはホンダのマシンに乗ることが一番の近道だという捉えがありました。ところが,特にコロナ禍に入ってからはその栄光に陰りが見えてきて,昨シーズンはコンストラクタータイトルでぶっちぎりの最下位という信じられない状況にまで落ち込んでしまいました。こうしたことを受け,今季終了まで契約があったM.マルケスが1年を残して契約を解除し,ドゥカティ陣営へ移籍しました。この影響もあって,大型のスポンサーであるレッドブルもホンダから撤退しました。さらに,レプソルとの契約は今シーズンまでとなっていますが,まだ噂段階にしか過ぎないものの,レプソルはホンダとの契約を延長しないのではないかとも言われています。そうした状況での体制発表会となっています。今回公開されたホンダRC213Vのカラーリングをみると,これまでとはかなり印象が変わっています。既に発表会があったドゥカティ,ヤマハ,KTMの各ワークスのカラーリングは,ほぼ昨シーズンまでと変化がありませんでした。ところが,ホンダワークスのカラーリングは,何と言ってもレッドブルが抜けたため,昨シーズンまでアンダーカウル部分にあったレッドブルのロゴが無くなっていて,その部分にレプソルのロゴが飾られています。昨シーズンまでは『レプソル・ホンダ・チーム』ですので,当然のように一番目立つカウルの中心部分にレプソルのロゴがありました。しかし,今季型はアンダーカウル部分へと場所が移動していて,以前ほどは目立たなくなっています。その替わりに中心部分に飾られているのは『HONDA』のロゴになっています。カラーについても,これまではレプソルカラーであるオレンジと白が基調でしたが,今季はブルーの部分が目立っていて,HRCカラーである赤,青,白のトリコロールカラーをイメージさせるものとなっています。噂通りであるとすれば,レプソルとの関係性が弱まっているのかもしれません。ライダーについては,既に発表されてたとおりで,1人目は昨シーズンから同チームに加わっているJ.ミルです。スズキワークスが撤退したことで昨シーズンからホンダに加わった元王者のミルですが,RC213Vの戦闘力不足と怪我による欠場のため不振を極めるシーズンになってしまい,ランク22位でシーズンを終えていました。先日行われたオフィシャルテストではある程度の手応えはあったようなので,もちろん外国メーカーとの開きはまだ大きいでしょうが,昨シーズンの二の舞にはならないのではないかと思われます。2人目は,マルケスの離脱により今季から加わることになったL.マリーニです。異父兄弟であるV.ロッシがかつてホンダワークスに所属していましたから,兄弟揃ってホンダワークスライダーを経験することになります。果たしてマリーニとRC213Vとの相性がどのようになるのかが気になるところです。
2024/02/14(水)
◎フォーマット変更(F1)
○F1では,2021年シーズンからスプリントレースが取り入れられています。MotoGPクラスもスプリントレースが採用されていますが,MotoGPは全ての大会で開催されるのに対し,F1は一部の大会のみでの開催となっています。今季スプリントが行われるのは全24戦中6戦で,中国,マイアミ,オーストリア,アメリカ(オースティン),サンパウロ,カタールとなっています。そのスプリントレースが実施される大会においては,日曜日に決勝レースが行われるという点は他の大会と変わりないものの,初日(金曜日),2日目(土曜日)のフォーマットが違っていて,昨シーズンは金曜にフリープラクティス1と決勝用の予選,土曜にはスプリントレース用の予選となるスプリント・シュートアウトとスプリントレース本番という流れになっていました。その点に関して2月5日(月)に行われたF1委員会の会合において話し合いが行われ,今季は変更が加わることになりました。それによると,まず日曜日に決勝レースが行われるという点は変更がありません。初日と2日目には変更があり,まず金曜日ですが,FP1が行われるという点は変更ないものの,その後にスプリント・シュートアウトが行われることになりました。そして,土曜日は,まず100kmのスプリントが開催された後,決勝レースにおけるグリッドを決める通常の予選が行われることになりました。ただ,今回の決定は最終的なものではなく,2月28日(水)に開催が予定されている世界モータースポーツ評議会の会合で最終決定ということになります。なお,今回の話し合いでは,その他の点についても行われていて,その中でパワーユニット(PU)についても判断が下されました。コスト削減等により年間で使用されるPUの基数には制限がありますが,今シーズンは史上最多の大会数となっています,そのため,今季と来季については,ドライバー1人当たり4基までとされています。さらに,リアウィングの一部が開いて空気抵抗が減り,その分スピードが一時的に上がるシステムであるDRSについても話し合われていて,これまではスタート(リスタートも含む)してから2周後に使用可能となっていましたが,今季は1周走行後に使用可能というような変更が加わることとされています。
2024/02/13(火)
◎復帰(F1)
○F1にフル参戦するチームが今季使用するマシンのカラーリング等を公開してきていますが,約1週間前になってしまいましたが,2月5日(月)にウイリアムズ・レーシングが2024年型F1マシン『FW46』のカラーリングを公開すると共に,日本の大手重機メーカーである『コマツ(小松製作所)』との複数年にわたるパートナーシップ締結も発表されました。ウィリアムズF1とコマツは,同チームが黄金時代を築いていた1980年代から1990年代にかけて協力関係にありましたので,コマツにとってはF1&ウィリアムズに復帰したことになります。両者の関係は,1987年にN.ピケがウィリアムズ・ホンダのFW11を駆ってタイトルを獲得した際,コマツが製作したスパイラルベベルギア等のパーツを搭載していたときから始まっています。この関係は,同チームの創始者である故F.ウィリアムズが依頼して始まったとのことです。1996年にはD.ヒルがタイトルを獲得し,その翌年にはJ.ビルヌーブがチャンピオンに,チームメイトのH-H.フレンツェンがランク2位になっています。2人がワンツーを達成した1997年は,ポールポジションが11回表彰台獲得が15回,そして優勝8回という輝かしい成績を収め,コンストラクターズタイトルも獲得するというまさに黄金時代を築いています。そうした時代を築いた関係が復帰するということになりますが,今回の提携により,FW46のサイドポンツーンやノーズに大きく『KOMATSU』のロゴが飾られていて,さらにそのマシンを駆るA.アルボンとR.サージェントが着用するレーシングスーツなどにもロゴがつけられています。かつての黄金時代と比べるとかなり寂しい状況が続いている同チームですが,徐々に成績の向上が見られているのも確かです。今回の提携により,少しでも復活してくるのを期待したいところです。
2024/02/12(月)
◎復帰(MotoGP)
○昨シーズンはアプリリアのインディペンデントチームとしてRNFレーシングが参戦していましたが,そのRNFに問題が生じたためMotoGPからの追放という措置が下され,そのチームスタッフやライダーをそのまま引き継ぎ,アメリカに本拠を置くトラックハウス・レーシングが替わってフル参戦することになりました。そのトラックハウス・レーシングから2月8日(木)に発表があり,チーム代表としてD.ブリビオが就任することになりました。今回代表就任が決まったブリビオは,世界選手権としてはSBKからそのキャリアをスタートしています。1990年にヤマハのサテライトチームであるベルガルダ・ヤマハのチームマネージャーに就任し,1993年シーズン末にヤマハワークスに昇格しました。そして,2001年シーズン終了後に戦いの場をMotoGPに移してヤマハワークスでその手腕を発揮していきました。特にホンダワークスからヤマハワークスへV.ロッシが移籍してきてからは,そのロッシのタイトル獲得に貢献しています。2004年から2010年まで7年間にわたってヤマハワークスで力を発揮したわけですが,その7年の間でロッシが4回,J.ロレンソが1回チャンピオンに輝き,コンストラクターズタイトルを4度獲得しました。ロッシがヤマハと袂を分かつと,ブリビオもロッシに帯同してチームのコンサルタントを務めてドゥカティ陣営に加入しました。さらに,2013年からはスズキワークスに移籍してチームマネージャーとしてスズキの戦闘力向上に努めていきました。そして,ついにそうした努力が報われ,2020年にJ.ミルがK.ロバーツJr.以来となるタイトルを獲得しています。そうした手腕が評価され,2021年にF1のアルピーヌF1にレーシングディレクターとして加入し,昨シーズンまで同チームに所属していました。そのアルピーヌとは昨シーズン限りで契約を終了し,4年ぶりにMotoGPへ復帰し,新規参入チームでその手腕を発揮することになっています。
2024/02/11(日)
◎一新&原点回帰(F1)
○次々にF1にフル参戦しているチームが今シーズンのマシンの発表を行っていますが,2月8日(木)に昨シーズンまでスクーデリア・アルファタウリとしてフル参戦していた同チームが,今季型マシンの公開をアメリカのラスベガスで行いました。レッドブル・レーシングがかつての『ミナルディ』を買収して姉妹チームである『トロ・ロッソ』として起ち上げた後,3年前からレッドブルのファッションブランドである『アルファタウリ』をチーム名に取り入れてスクーデリア・アルファタウリとしてフル参戦してきました。今シーズンから新たにビザ(Visa)とキャッシュアップ(Cash App)をタイトルスポンサーに迎え『ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1・チーム』として活動することになりました。今回公開されたマシンのカラーリングを見ると,アルファタウリの時は白と黒が主体のものでしたが,今季のカラーリングはVisaのコーポレートカラーであるブルーをメタリック主体としてものになっています。このカラーはかつてトロ・ロッソとして活動していた頃の色に近く,チーム名は一新されたものの,カラーリングに関しては原点回帰という印象を持つものになっています。マシンの仕様を見ると,レッドブルの影響を感じさせるものとなっています。レッドブルの姉妹チームではあるものの,以前は独自のマシン開発を主体として行っていました。しかし,戦闘力が劣っていったこともあり,レッドブルの支援が徐々に強化されるようになり,レッドブルのパーツを取り入れるようになっています。今季型マシンは,昨シーズン圧倒的な強さと速さを見せてチャンピオンマシンに輝いた『RB19』を下に設計を施し,そのパーツも取り入れたマシンとなっていて,『VCARB 01』というマシン名が採用されています。昨シーズンのマシンであるAT04のサスペンションは,フロントとリヤ共にプッシュロッドを採用していました。今季のVCARB 01は,昨年型のレッドブルと同じ,フロントがプルロッド,リヤがプッシュロッドというレイアウトに変更されていて,この点にも連携強化の影響が表われています。チーム名だけでなく,チームスタッフも一新に近い構成になっていて,トロ・ロッソ創設時からチーム代表を務めていたF.トストが昨シーズン限りで引退し,新たにCEOとして元FIAのP.バイエルが,チーム代表として元フェラーリのR.メキースが就任して2頭体制を採りました。その他レーシングディレクターとして元アルピーヌのA.パーメインが就任すると共に,シーズン途中からは元マクラーレンのT.ゴスがチーフテクニカルオフィサーとして加入することになっています。ただ,ドライバーについては変更がなく,唯一のフル参戦日本人ドライバーである角田裕毅と,かつてレッドブルでランク3位に輝くなどの活躍をし,昨シーズン途中から加わったD.リカルドの体制が継続されています。
2024/02/10(土)
◎予選方式を変更(SGT)
○昨日,SGTをプロモートするGTA(GTアソシエーション)が,今シーズンから公式予選の方式を変更するとした内容のプレスリリースを発行しました。SGTの予選方式は,2013年シーズンから現行のQ1,Q2のノックアウト形式で行われてきました。世界的なカーボンニュートラルへの動きに対応し,SGTでは2022年11月に環境対応ロードマップ『SUPER GT Green Project 2030』を発表し,2030年までにシリーズ全体のCO2排出量を半減するために,2024年にはGT500クラスに続きGT300クラスでも50%のカーボンニュートラルフューエルを混合した燃料を使用することや持ち込みタイヤ数を1セット削減することを発表しています。ただ,現行のレースフォーマとのままタイヤセットの削減を取り入れた場合,タイヤを温存するため公式練習やサーキットサファリの走行機会が減るのではないかという疑念があることから,新たな方式を取り入れることになったようです。その新たな方式の内容ですが,何と言っても一番大きいのは,冒頭に記したように,これまではノックアウト形式での予選でしたが,今季からQ1,Q2のタイムを合算したものが予選結果ということになったことでしょう。ノックアウト形式だと,当然予選落ちがどんどん出てきますので,ノックアウトとなったドライバーは走行機会を奪われることになります。その分マシンが露出する機会も奪われることになります。そのマシンにはスポンサーのロゴもあるわけで,スポンサーとしても露出する機会が奪われることにもなります。こうしたことを考えると,とても言い取り組みではないかと思われます。ただ,合算で争われるわけですから,目の前で展開されているマシンの走りを見るだけでは合算して一体どこのチームが速いのかが分かりません。その問題を解決するため,Q2走行中に「タイム合算の総合順位」をリアルタイムで伝える新たな表示の準備を進めていくとのことです。なお,その予選で使用するタイヤですが,Q1,Q2合わせて1セットのみとなります。また,決勝レース時に使用するタイヤは,予選で使用したタイヤとします。予選での獲得ポイントですが,その範囲を拡大し,1位から3位までそれぞれ3,2,1ポイントずつ与えられることとなります。
2024/02/09(金)
◎独占(MotoGP)
○今季最初のオフィシャルテスト最終日の走行が,ドライコンディションとなったペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。昨日もお伝えしたように,非公式ではあるものの,2日目の走行では5人のライダーがこれまでのレコードタイムを更新する走りを展開しました。最初のテストでいきなりの速さを見せて驚いたのですが,最終日はそれどころではありませんでした。何と,前日よりさらに多い7人のライダーがレコードタイムを更新したのです。その中で総合トップタイムをマークしたのは,2年連続タイトルを獲得しているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアで,自らが持つレコードタイム(1分57秒491)をおよそコンマ8秒上回り,1分56秒台に突入しています。総合2番手タイムは,昨シーズン最終戦までバグナイアとタイトル争いを演じたプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンがマークしています。さらに,総合3番手タイムをバグナイアのチームメイトであるE.バスティアニーニが,総合4番手タイムをグレシーニ・レーシングMotoGPのA.マルケスがマークし,トップ4をドゥカティが独占しました。この4台が全員1分46秒台となっています。他メーカーでは,アプリリア・レーシングのA.エスパルガロが5番手,レッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタが8番手でした。日本メーカー勢では,レプソル・ホンダ・チームのJ.ミルの9番手,モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの11番手がそれぞれホンダ,ヤマハのトップでした。初日が20番手,2日目が16番手だったLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ホンダ勢としては2番手,全体では13番手で今回のテストを終えています。シェイクダウンテスト,オフィシャルテストとセパンで続けてテストが行われましたが,次回のテストは開幕戦の地であるルサイル・インターナショナル・サーキットで行われる今季2回目のオフィシャルテストとなっていて,開催日は2月19日(月)からの2日間です。そのテストを持って開幕戦を迎えることになります。
2024/02/08(木)
◎記録更新(MotoGP)
○全員が揃って行われる今季最初のテストであるオフィシャルテスト2日目の走行が,第21戦マレーシアGPの会場であるペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の走行で目をひいたことの1つが,同サーキットで昨年ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがマークしたレコードタイムを更新するライダーが最初のテスト段階で出たことでしょう。しかも,そのタイム更新を果たしたライダーが5名も出たのです。当然この日のトップ5はその更新したライダーたちですが,その中で総合トップタイムだったのは,今季もバグナイアのチームメイトであるドゥカティ・レノボ・チームのE.バスティアニーニでした。昨シーズンからドゥカティワークスに所属しているバスティアニーニですが,怪我の影響から大きく出遅れ,後半になってようやく活躍を見せるようになりました。そのバスティアニーニが2日目の走行で早くもレコードを更新する走りを見せたのですから,昨シーズンの雪辱を果たす可能性を十分感じさせる結果となっています。総合2番手タイムをマークしたのは,同じドゥカティのマシンを駆るプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンでした。前日は総合トップでしたので,今季型マシンとのマッチングがうまくいくのではないかと感じさせます。総合3番手タイムは,レッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーがマークしています。総合4番手がアプリリア・レーシングのA.エスパルガロ,総合5番手がバグナイアで,レコードタイムを更新したのは全員海外メーカーのライダーでした。日本メーカー勢では,レプソル・ホンダ・チームのJ.ミルがマークした10番手タイムが最高位で,やはり海外メーカーとの差が相変わらずまだあるように感じざるを得ない2日目の走行でした。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップからおよそ1秒2遅れの16番手で2日目の走行を終えています。
2024/02/06(水)
◎好調維持(MotoGP)
○ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットにおいて,2月6日(火)から3日間にわたる今季初めて全てのチームが参加して行うオフィシャルテストが始まりました。2月1日(木)から3日間にわたってシェイクダウンテストが同地で行われましたが,このテストは基本的にテストライダーとルーキーライダーとが参加できるものでした。ただ,新しいコンセッションにより,日本メーカーはレギュラーライダーも参加できる優遇措置を受けていましたので,ホンダの4名,ヤマハの2名のレギュラーライダーも走行しています。今回のテストは,冒頭にも記したように,フル参戦する全てのライダーが参加して行うものとなっています。ただ,今シーズンからプリマ・プラマック・レーシングに移籍しているF.モルビデリは,1月にポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行ったプライベートテストにおいて転倒を喫した際,頭を強打した影響で今回のテストには参加できておらず,代わりにドゥカティのテストライダーであるM.ピロが走行しています。そのモルビデリですが,検査の結果,今回のテストだけでなく,次回のテストも欠場することになり,次に走行するのはルサイル・インターナショナル・サーキットで行われる開幕戦からということになりました。今季からドゥカティのマシンを駆ることになっているモルビデリですが,いきなり開幕戦がデスモセディチでの初走行ということになっています。
初日の走行で総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズン最終戦までタイトル争いを演じたプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンでした。昨シーズンの好調さを維持しているかのように,今季最初の走行でいきなりのトップタイムとなっています。やはり,彼は今季タイトル候補の有力な一人であることを実感させるものとなっています。そして,総合2番手タイムをマークしたのは,今季唯一のルーキーライダーであるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタでした。彼の場合はシェイクダウンテストから走行していますので,実際にはテスト4日目となるわけですが,それでも全員が揃った中での2番手ですので,やはりそのポテンシャルの高さは間違いないのでしょう。総合3番手タイムをマークしたのは,こちらもシェイクダウンテストからの走行となるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。ヤマハのマシンの戦闘力次第では,今季でヤマハと袂を分かつ可能性を秘めている彼だけに,ヤマハとしてもかなり気合いの入ったマシン開発となっているのではないかと思われます。今季も唯一のフル参戦日本人ライダーとなっているLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップから1秒261遅れの20番手で初日を終えています。なお,今季初めてのテストということでマシンにまだ慣れていないせいなのか,初日から転倒者が何人も出ています。今季から昨年までのRNFに替わってアプリリア・レーシング・インディペンデントチームとしてトラックハウス・レーシングが参戦を開始していますが,そのトラックハウス・レーシングに所属しているR.フェルナンデスも転倒者の中の一人です。他の転倒者には大きな怪我はないようですが,ハイサイドから激しく転倒を喫してしまい,大事を取って以後の走行をキャンセルしています。そのため,フェルナンデスの代わりとして,今日行われる2日目の走行からアプリリアのテストライダーであるR.サバドーリを起用することになりました。
ところで,レプソル・ホンダ・チームのJ.ミルはシェイクダウンテストから走行していますが,彼が装着しているAGV製のヘルメットには漢字で『絶賛仕事中』という文字が書かれていました。今回のテストでも同様のものを使用していて,私たち日本人にとっては,親しみを感じると共に,思わず笑ってしまいますね。
2024/02/06(火)
◎11年ぶり(JRR)
○HRCのテストライダーを務め,2022,2023年と連続して鈴鹿8耐を制している長島哲太が,JRRにフル参戦することが発表されました。2月1日(木)にDUNLOP Racing Team with YAHAGIから発表があり,長島哲太を擁してJSB1000クラスにフル参戦することになりました。長島がJRRにフル参戦するのは,2013年にテルル&EM★KoharaRT TSRに所属し,J-GP2クラスに参戦して以来11年ぶりとなります。また,レースにフル参戦するのは,2020年にRed Bull KTM Ajoに所属してカレックスのマシンを駆ってMoto2クラスに参戦して以来4年ぶりとなります。今回長島が所属することになったDUNLOP Racing Team with YAHAGIは,長島の古巣である7Cが運営し,ダンロップタイヤが全面的に協力するチームです。そうしたことから,長島は最高峰クラスにフル参戦しながらダンロップタイヤの開発を担うことになります。初めてのクラス,そして初めてのチームということではじめは思うような結果を残すのが難しいとは思いますが,シリーズを盛り上げるためにも,世界で鍛えてきた実力を発揮し,ヤマハワークスがトップを独占しているという状況に少しでも食い込んでいって欲しいものですね。なお,使用するマシンは,当然ホンダのCBR1000RR-Rとなりますし,カラーリングはイエローとブラックのダンロップカラーとなっています。
2024/02/05(月)
◎申請却下(F1)
○現在は全10チームで行われているF1ですが,新たにF1への参戦を希望するチームを募集していました。複数のチームから申請があったようですが,昨年1月にFIA(国際自動車連盟)はアメリカに本拠を置く『アンドレッティ・グローバル』のみを承認しました。ただ,FIAが承認したことだけで参入できるわけではなく,最終的に全チームの承認が必要となってきます。この部分のハードルはかなり高く,一定額を参戦しているチームで分け合う分配金を手にしている既存のチームは,新規参入チームがあるとそれだけ分配金の額が減ることになりますので,なかなか全チームが承認するというのは難しいところがあります。そのような中,1月31日(水)に商業権を有するFOM(フォーミュラワン・マネージメント)から発表があり,アンドレッティ・グローバルの2025年または2026年のF1参戦を却下することが正式に決まりました。この決定には,もちろん分配金のことが大きいのもありますが,アンドレッティ・グローバル側への不信感があったことも事実でしょう。2026年から全く新しいレギュレーションのもとでF1は行われることになっていますが,同チームが2025年から参戦するということになると,ほとんど違うマシンを短期間で2年連続して開発していかなければならなくなります。これは技術的,資金的な部分等から考えて,戦闘力を有するマシン開発はほぼ不可能です。また,同チームはアメリカのキャデラック社の支援を受け,2028年からそのキャデラックのパワーユニット(PU)を使用することになっているのですが,それまでの間のPUをどうするのかもやや不明確なところがあります。以前アルピーヌとの提携があったのですが,その関係は一旦期限を迎えていて使用するPUがはっきりしていません。アルピーヌによると,今後PUを提供できる可能性はあるとのことですが,正式な契約が存在するわけでもありません。こうしたこともあって,今回の決定に至っているようです。ただ,キャデラックとの関係は存在しているわけですから,同社がF1参戦を目指している2028年以降からだったらアンドレッティ・グローバルの参戦が認められる可能性もあります。分配金の問題は存在しますが,新しいレギュレーションに基づいたマシン開発の期間が十分ありますし,搭載するPUもはっきりとしています。そうすると既存するチームが反対する明確な根拠がなくなってきますので,なかなか参入反対の声を上げにくくなります。今回は新規参入は叶いませんでしたが,数年以内に新たな展開を迎えることがあるかもしれませんね。
2024/02/04(日)
◎契約延長(F1)
○まだ初期の構想段階ではあるものの,大阪がF1開催を目指して活動を行うことを発表していて,日本国内でのF1開催について関心が向けられています。そのような中,2月2日(金)に鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドから発表があり,同サーキットにおけるF1を開催契約は今シーズンまでとなっていましたが,新たに2025年から2029年まで5年間にわたる契約延長が成立しました。1970年代に富士スピードウェイで2度開催された日本GPでしたが,その後一旦は途絶えたものの,1987年に鈴鹿サーキットで復活を果たしました。2007年から2年間富士での開催となりましたが,2009年に鈴鹿でのF1が復活しています。開催権は有していたものの,残念ながらコロナ禍で日本での開催は2020年から2年間行われない事態に見舞われてしまい,コロナ禍がある程度落ち着いた2022年に再開となっています。昨シーズンの日本GPは,3日間累計で22万を超える観衆を集め,以前の盛り上がりを再び取り戻しています。果たして大阪が目指し始めたF1開催がどのように進展し,どのような決着を見るのか注目ですが,やはり少なくとも日本GPは鈴鹿サーキットでの開催となるのが一番に感じているのは私だけでしょうか。

◎ルーキーながら(MotoGP)
○今年最初の公式テストとなるシェイクダウンテスト最終日の走行が,2日連続して雨に見舞われたペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の走行は,前日に降った雨があってウェットとなっていたため,乾くのを待って走行を開始しました。さらに,セッション終盤になって前日と同じく雨に見舞われてしまい,予定より早くテストが終了となってしまいました。そのような中で総合トップタイムをマークしたのは,今シーズン唯一のルーキーライダーとなるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタでした。KTMのテストライダーであるD.ペドロサの後ろを走行してMotoGPマシンの走行の仕方を学んだり,2回の転倒を喫したりしながらのトップタイムとなります。総合2番手タイムは,前日に総合トップタイムだったKTMのテストライダーであるP.エスパルガロでした。3日間にわたって行われた今回のテストでしたが,3日間ともKTMのマシンがトップタイムをマークしていて,マシン開発が順調に進んでいることを感じさせる結果となっています。総合3番手タイムは,今シーズンから再びホンダのマシンを駆ることになっているカストロール・ホンダLCRのJ.ザルコでした。3日間の中でホンダ勢がトップ3に食い込んだのは,この日のザルコが初めてでした。イデミツ・ホンダLCRの中上貴晶は,トップからコンマ9秒弱遅れた10番手タイムでテストを終了しています。シェイクダウンテストがこの日で終了し,次回は2月6日(火)から全てのチームとライダーが集まってセパンで行われる今季最初のオフィシャルテストとなっています。
2024/02/03(土)
◎突然の(F1)
○実は噂には上っていたものの,昨日驚きの移籍劇がスクーデリア・フェラーリから発表されました。それは,今季もメルセデスF1チームからフル参戦するL.ハミルトンが,来季からフェラーリのシートに座ることが決定したことです。ハミルトンとメルセデスとの契約は,既に2025年までのものが結ばれていました。どうやらその契約の中で,2025年の契約はオプションとなっていたようで,ハミルトン側がその契約を行使してフェラーリとの契約に至ったようなのです。マクラーレンを経て2013年からメルセデスのシートに座ったハミルトンは,当時新しいレギュレーションのもとでメルセデスが開発した強力なマシンとの相性もよく,2016年を除いて2014年から2020年までの間ずっとタイトルを獲得し続けました。タイトルを獲得できなかった2016年は,チームメイトで幼い頃からのライバルでもあったN.ロズベルグがチャンピオンに輝いています。しかし,現行のレギュレーションになると,レッドブルがM.フェルスタッペンと共に強大な力を発揮してきたのに対し,メルセデスの戦闘力に陰りが見られるようになり,ついに一昨年,昨年と2年間にわたって1勝もできないままシーズンを終えています。今回の突然の移籍劇は,39歳になるハミルトンが,こうした流れの中で新たな道を模索した結果なのかもしれません。フェラーリの代表はF.バスールですが,ハミルトンが2006年のGP2シリーズにARTレーシングからフル参戦した際,チーム代表を務めていたのがバスールでしたので,そうした繋がりも多少ながらあったことも想像されます。
今季C.ルクレールとC.サインツJr.がレギュラードライバーを務めるフェラーリですが,今回の契約成立により,かねてから来季の去就に黄色信号が灯っていたサインツJr.のフェラーリのシートがなくなったことを意味します。ルクレールについては,既にフェラーリとの間で長期契約が成立しています。来季シートを失うことになるサインツJr.の去就が気になるところですが,ほぼ間違いなくF1のシートを失うことにはならないようです。例えば,1月28日(日)付けのこのページでもお伝えしたように,2026年シーズンからF1に参戦することになっているアウディがザウバーとタッグを組むことになっていることから,それに備えた契約が成立する可能性があります。また,ハミルトンが抜けるメルセデスのシートに,入れ替わる形で座ることになるかもしれません。その他にもいくつか可能性があるようですので,果たしてサインツJr.がどのような決着を見るのか,シーズン開幕前から早くも注目となります。

◎レギュラーライダーも(MotoGP)
○2月1日(木)から始まったシェイクダウンテスト2日目の走行が行われました。初日はこれまでのシェイクダウンテストと同様,テストライダーとルーキーライダーのみが走行しましたが,2日目はホンダとヤマハのレギュラーライダーも走行をしました。これは,2月1日(木)付けのこのページでもお伝えしたように,今シーズンから導入されている新たなコンセッションに基づいたもので,不振にあえぐ日本メーカーはレギュラーライダーの走行が認められていることによるものです。ホンダは中上貴晶を含めた4名の,ヤマハはインディペンデントチームが今シーズンもないため,ワークスの2名のレギュラーライダーがそれぞれ走行しています。この日の総合トップタイムをマークしたのは,ルーキーライダーとなるP.アコスタにシートを譲り,今シーズンはKTMのテストライダーを務めることになったP.エスパルガロでした。総合3番手タイムをアコスタがマークし,KTM勢の好調さがうかがえます。総合2番手タイムは,レギュラーライダー勢の中ではトップとなるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。今季もイデミツ・ホンダLCRからフル参戦している中上は,13台中9番手タイムでした。なお,終了までまだ2時間ほどある段階で,この地域特有のスコールに見舞われて赤旗が提示されてセッションは中断。残念ながらそのままこの日の走行は終了となっています。今回のテストは,今日行われる走行が最終日となっています。
2024/02/02(金)
◎開催中止(MotoGP)
○1月31日(水)に国際モーターサイクリズム連盟(FIM),国際ロードレーシングチーム連盟(IRTA),MotoGPを統括するドルナスポーツが,今シーズンのレースカレンダーの変更について発表を行いました。それによると,第3戦に予定されていたアルゼンチンGPが開催中止が決定し,当初は全22戦が開催される予定だった今季のカレンダーでしたが,アルゼンチンGPの代替開催は行わないことから,全21戦で争われることとなりました。今回開催中止となったアルゼンチンは,現在経済危機とも言える状況にあります。そうしたことから政権に対する国民の不満が高まり,新たに経済学者出身で右派に属するJ.ミレイ氏が新大統領に就任しました。厳しい経済状況にあることから,新政権は緊縮政策を推し進めていくことになっています。アルゼンチンGPは政府からの支援を受けて開催しているとのことですので,緊縮財政の中ではそうした支援を受けることは不可能となります。そのような状況の中ですので,同GPのイベントプロモーターからMotoGPの基準に則ったGP開催に必要なサービスを提供できないという話があり,今回の開催中止という判断に至っています。第3戦に予定されていたアルゼンチンGPがなくなったことから,当初第4戦に予定されていたアメリカズGPが第3戦となり,以降の大会も1つずつ繰り上がることになります。そのため,モビリティリゾートもてぎで開催予定の日本GPは,第17戦として開催されることになります。もちろん,アメリカズGP以降の全ての大会の開催日は,当初の予定通りで変更はありません。

◎走行開始(MotoGP)
○昨日お伝えしたシェイクダウンテスト初日の走行が,第21戦マレーシアGPの会場であるペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで行われました。これも昨日お伝えしたように,今回のテストは,各メーカーのテストライダーとルーキーライダーの走行となるのが通常ですが,コンセッションの見直しから,ホンダとヤマハはレギュラーライダーも走行が可能となっています。そうした予定の中で2月1日(木)に行われた初日の走行ですが,実際には通常のテストライダーとルーキーライダーは走行しましたが,レギュラーライダーは誰もコース上に現れないままで終了しました。
この日の総合トップタイムを刻んだのは,KTMのテストライダーであるD.ペドロサでした。昨シーズンワイルドカードで出場した時にはトップ10フィニッシュを果たしたペドロサだけに,現役を既に引退しているとは言え,トップタイムをマークしたのは十分頷くことのできる結果ではないでしょうか。総合2番手タイムをマークしたのは,昨シーズンのMoto2クラスチャンピオンで,今シーズン唯一のルーキーライダーであるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタでした。そのアコスタにレギュラーライダーのシートを譲り,今シーズンからKTMのテストライダーとなっているP.エスパルガロが総合3番手タイムをマークし,KTMがトップ3を独占しています。初日の走行の画像や動画を見ると,もちろん今後変更される可能性は十分ありますが,リアカウルの空力パーツが目立っていて,特にホンダのマシンはその傾向が強いように感じられます。唯一とも言えますが,ヤマハのリアカウルにはそうした目立った空力パーツが見られませんでした。この点でも,各メーカーの取り組み方の違いが面白いところです。
2024/02/01(木)
◎始動(MotoGP)
○このところMotoGPクラスにフル参戦するチームが,海外メーカーを中心に体制発表会を開いていて,シーズン開幕への期待が少しずつ高まってきています。そのような中,今日からついに本格的な始動へという流れが始まります。第21戦マレーシアGPの会場となるペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットにおいて,今年最初の公式走行となるシェイクダウンテストが3日間にわたって行われるのです。通常,シェイクダウンテストには,各メーカーのテストライダーとその年のルーキーライダーが参加することになっています。しかし,今年のシェイクダウンテストはかなり様相が違います。というのも,コンセッション(優遇措置)のルールが大きく変化したことが影響しているからです。特に昨シーズンは,ドゥカティを中心とする海外メーカーがかなりいいリザルトを残したのに対し,コロナ禍前まではMotoGPを牽引していたホンダとヤマハの日本メーカーが,そうしたことから大きく後退したリザルトを残すまで戦闘力を落としてしまってます。こうしたことからコンセッションの見直しが図られ,その区分の中で日本メーカーは様々な優遇を受けられることになったのです。上記したように,テストライダーとルーキーライダーが参加資格を有していた今回のテストですが,コンセッションの見直しにより,コンセッションの区分の中で『Dランク』に属するメーカーはレギュラーライダーの参加が可能となり,そのDランクに入っているホンダとヤマハは,少しでも早くマシン開発を進めるため,レギュラーライダーも今回は参加することにしています。ということで,今回のテストに参加するライダーですが,まずホンダは,J.ミル,L.マリーニ,J.ザルコ,そして今年も唯一のフル参戦日本人ライダーである中上貴晶のレギュラーライダーと,テストライダーであるS.ブラドルと国内で開発を担当している高橋巧が走行します。ヤマハは,F.クアルタラロとA.リンスのレギュラーライダーと,テストライダーであるC.クラッチローが走行します。Dランクを超えている海外メーカーは通常のテストライダーとルーキーライダーのみが走行となり,ドゥカティがM.ピロ,KTMがD.ペドロサとP.エスパルガロ,アプリリアがR.サバドーリとなり,今季唯一のルーキーライダーであるP.アコスタが,ガスガス(KTM製)のマシンを駆って正式なMotoGPクラスライダーとしてデビューを果たします。なお,全ライダーが集まってのテストは,2月6日(火)から3日間にわたって同地で開催される予定のオフィシャルテストということになります。
 

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