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2024/03/31(日)
◎初代ウィナー(FE)
○日本で初開催となる電動フォーミュラカーによって行われている世界選手権の1つである『FE』(フォーミュラE)の第5戦『東京E-Prix』最終日の走行が,東京・有明にある東京ビッグサイト周辺にこのためだけに新しく設置されたコースで行われました。通常のレースは,土曜日に予選,日曜日に決勝が行われますが,FEは,通常金曜日にフリー走行が行われ,土曜日に予選と決勝が行われています。ちなみに,FEが初開催と言うだけでなく,日本で本格的な公道レースが行われるのも,これが初となります。
マシンの性能差がF1に比べるとさほど無いだけに,レース序盤は,数珠つなぎ状態でレースは進行していきます。その途中では,『アタックモード』というものを2回消化しなければならず,そのためにはコースの外側に設定されたところを走行する必要があり,一時的にマシンがパワーアップされるものの,外側を通るため遠回りとなり,その分ラップが遅くなります。しかも,パワーアップされたとはいえ,数珠つなぎ状態の中で他のマシンをオーバーテイクできるという保証はなく,ただ順位を下げるだけに終わる場合もあります。そうした不確定要素が入っているのがこのFEの特徴の1つとなります。レースが進むに連れて速さを見せたのが,2番グリッドからスタートしたマセラティMSGレーシングのM.ギュンターでした。途中で順位を落としたりする場面もありましたが,25周目にトップに立つと,徐々に2位との差を広げて行き,もう1回残っていたアタックモードも乗り切ってトップの座を守っていきました。そのギュンターをパスするべく虎視眈々と後ろを走っていたのが,ポールからスタートしたニッサン・フォーミュラEチームのO.ローランドでした。ファイナルラップに突入するとローランドはアタックをしてギュンターに並びかけましたが,ギュンターの方が速さが勝っていてパスすることができず,惜しいところでチームの母国での勝利を収めることができませんでした。トップでチェッカーを受け,この大会初代ウィナーとなったギュンターは,昨シーズンのジャカルタE-Prix以来となる今季初優勝を飾っています。トップからおよそ1.4秒遅れで,アンドレッティ・フォーミュラEのJ.デニスが3位に入っています。タイトル争いでは,ランクトップでこの大会を迎えたジャガーTCSレーシングが7位だったのに対し,ランク2位で迎えたタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのP.ウェーレインが5位でチェッカーを受けました。この結果,ポイント的には並んだものの,ランキングでは何とかキャシディがトップの座を守っています。
2024/03/30(土)
◎参戦延長&新規参戦(FE)
○昨日から日本で初開催となる電動フォーミュラカーのレースであるFEの一戦であるABB FIAフォーミュラE世界選手権 2023/2024年シーズン10第5戦『東京E-Prix』が始まり,その初日に行われたフリー走行は,路面の水はけの悪さでコンディションが部分的によくなく,クラッシュにより赤旗が2度出されるという状況となりました。その中でエンビジョン・レーシングのR.フラインスが初日のトップタイムをマークしました。今日は,予選と決勝が行われる予定になっています。
そうしたFEですが,東京E-Prix開催を前に,日本メーカーとして唯一フル参戦している日産から3月28日(木)に発表があり,同選手権への参戦を2030年まで継続することになりました。国内メーカーで電気自動車へのシフトが最も進んでいるのが日産ですが,その日産がFEへの参戦を開始したのが2018-2019年シーズン5からでした。今回の発表により,同社が参戦するのは通算で20年を超える長期のものとなります。
さらに,日産の発表と同じ日に,ヤマハ発動機株式会社から発表があり,いつからという具体的な時期は明かされませんでしたが,ABB FIAフォーミュラE世界選手権にパワートレイン・マニュファクチャラーとしての活動を行っていくことになりました。ヤマハといえば2輪メーカーのイメージが強いですが,モータースポーツファンの多くはご存知のように,主にエンジン供給という形で4輪レースへも参戦してきています。過去には全日本F2選手権や全日本F3000選手権にエンジンコンストラクターとして参戦し,そこで力と経験をつけていって,ついには当時西ドイツにあったザクスピードと組んで1989年にF1へのフル参戦へとこぎ着けました。その後,ブラバムやジョーダン,ティレルと組み,ついにアロウズと組んだ1997年にD.ヒルがハンガリーGPで2位表彰台を獲得するといった戦績を残しました。ただ,この年にヤマハはF1から撤退しています。今回のヤマハは,名門レーシングカーマニュラクチャラーであるローラ・カーズとテクニカルパートナーシップ契約を結んでの参戦開始となります。もし来シーズンからの参戦開始となれば,ヤマハにとっておよそ30年ぶりの世界選手権進出となります。
2024/03/26(火)
◎レース復帰(EWC)
○MotoGPやヨシムラSERT MotulとしてEWCでワークス活動を展開していたスズキですが,サスティナブル実現のため2022年をもってそれらの活動を終了していました。ところが,3月22日(金)に東京ビッグサイトで開催されている『第51回 東京モーターサイクルショー』でプレスカンファレンスを開き,EWCシリーズの一戦である鈴鹿8耐で複数のサステナブルアイテムを使用してレースに復帰することを突然発表しました。今回の発表によると,『チームスズキCNチャレンジ』としての参戦で,使用するマシンはこれまでのスズキと同じくGSX-R1000Rとなります。ただ,参戦するクラスはこれまでと違い,実験的クラスとして設定されている『エクスペリメンタルクラス』になります。そうしたクラスですので,マシンで使用するものもそれに合ったものとなり,燃料については,40%バイオ由来のFIM公認サステナブル燃料が使用されます。その他タイヤやオイル,そしてカウル,ブレーキなどの各種パーツについても,このプロジェクトに賛同した企業から提供されるサステナブルな新技術開発のためのものを搭載します。こうしたプロジェクトですので,これまでのように勝利を目指すものではなく,完走を目指して数々のデータを収集することが目的となるようです。本格的レース復帰でないことは残念ですが,こうした技術を積み重ねていき,どれくらい先になるか分かりませんが,いずれは復帰することを期待して待ちたいですね。
2024/03/25(月)
◎初優勝&初表彰台(MotoGP)
○第2戦ポルトガルGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベで行われました。
MotoGPクラスは,3番グリッドからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンが,好スタートを切ってホールショットを奪うと,最後までトップの座を守り切ってチェッカーを受け,昨年10月に行われた第17戦タイGP以来の,そして今季初となる優勝を飾りました。この大会好調な走りを見せていたドゥカティ・レノボ・チームのE.バスティアニーニが,ファイナルラップで2位に浮上してそのままチェッカーとなり,こちらは昨年11月に行われた第18戦マレーシアGP以来となる表彰台を獲得しています。今回のレースで何といっても驚きの走りを見せたのはルーキーライダーであるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタでしょう。最高峰クラス昇格わずか2戦目にもかかわらず驚きの走りを見せてきたアコスタですが,今回はグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケス,そしてドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアといったチャンピオン経験者等をパスしていって,トップとは5秒以上の大差はついたものの,見事3位に入って自身初となる表彰台を獲得しました。最高峰クラスの最年少記録において,これまで『ノリック』こと故阿部典史さんが3番目の記録を持っていましたが,今回のレースでアコスタがこの記録を更新して3番手となっています。
Moto2クラスは,11周目にトップに立ったファンティック・レーシングのA.カネトが,後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込み,後ろを行くオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツとの差をおよそ2秒に広げてトップでチェッカーを受け,このクラス参戦70戦目にして嬉しい初優勝を飾りました。3位には,こちらも単独走行でQJモーター・グレシーニMoto2のM.ゴンザレスが入っています。4位争いをしていたMTヘルメッツMSIの小椋藍でしたが,残念ながらその争いに敗れて5位でチェッカーを受けています。このクラスのルーキーライダーの一人であるヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,16周目の13コーナーで転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto3クラスは,レッドブル・ガスガス・テック3ののD.オルガドとレッドブルKTMアジョのJ.ルエダによるトップ争いがファイナルラップまで続き,トップを走行していたオルガドが最後までその座を守りきってトップチェッカーを受け,今季初優勝を前年に続いてこの地で挙げています。トップ争いには敗れたものの,ルエダにとっては自己最高位獲得となっています。トップ2との差は広げられましたが,MTヘルメッツMSIのI.オルトラが3位表彰台を獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が13位に入って今季初ポイントを獲得しましたが,全戦で3位表彰台を獲得したホンダ・チーム・アジアの古里太陽は18位でノーポイントに終わっています。MTヘルメッツMSIの山中琉聖は,オープニングラップで転倒を喫し,2戦連続してリタイアに終わっています。

◎2年ぶり(F1)
○第3戦オーストラリアGPの決勝レースが,快晴となったアルバート・パーク・サーキットで行われました。ポールからスタートしたのは,今回もレッドブルのM.フェルスタッペンでした。順調なスタートを切ってトップの座を守ると,2位以下との差を広げて行くような走りとなり,いつものようにこのまま逃げ切るのかと思われました。ところが,思うようにペースが上がらず,2周目についにはフェラーリのC.サインツにDRSを使ってトップの座を奪われてしまいました。しばらくそうこうするうちに,フェルスタッペンの右リア付近から白煙が上がるようになり,しまいには炎も見られるようになりました。緊急ピットインしたフェルスタッペンは,そのままマシントラブルによりリタイアとなってしまいました。タイヤ交換のタイミングのズレで順位の変動はありましたが,トップに浮上したサインツは順調に後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込み,最終的に2位に2秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受け,自身3度目,そして今季初の優勝を飾りました。前戦を虫垂炎のために途中で欠場し,今大会は初日の状態次第で欠場かどうかの判断をするという状況でした。しかし,欠場どころか,チームメイトであるC.ルクレールを上回る走りを予選等で発揮していき,最終的には勝利を収めたわけですから,圧倒的な強さと速さを見せるフェルスタッペンのリタイアえを含め,やはりレースの世界は何が起こるか分からないものですね。サインツの後塵は拝したものの,ルクレールがこれまた単独走行に持ち込んで2位でチェッカーを受け,フェラーリのワンツーフィニッシュとなりました。これは,2022年の開幕戦バーレーンGP以来2年ぶりのワンツーとなります。3位には,こちらも単独走行でマクラーレンのL.ノリスが入っています。そのノリスからかなり遅れは取りましたが,チームメイトのO.ピアストリが4位となっています。前戦までワンツーフィニッシュとなっていたレッドブルでしたが,フェルスタッペンはリタイア,S.ペレスは5位フィニッシュと,表彰台を獲得できませんでした。これは,昨年の第16戦シンガポールGP以来となります。今季最高位の8番グリッドからスタートしたビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,トップ10圏内を死守しながらの走行を続けていました。そして,トップがファイナルラップに入った頃は9位を走行していたのですが,7番手を走っていたメルセデスAMGのG.ラッセルがターン6付近でコントロールを失ってクラッシュしてリタイアとなり,自動的にグリッドと同じ8番手に上がってチェッカーとなりました。レース終了後に,そのラッセルのクラッシュの原因がどうやら前を走っているアストンマーティンのF.アロンソに原因があったのではないかということになりました。そして,両者の話を聞いた結果,アロンソがそれまでとは違った走り方をした(スピードを落とした)ことが原因となってラッセルのクラッシュに繋がったという判断が下され,20秒加算のペナルティーが科されました。そのペナルティーのためアロンソは8位に順位が下がり,アロンソのチームメイトであるL.ストロールと角田が1つずつ順位が上がり,角田は7位という好結果となっています。今回の入賞は,角田にとっても,チームにとっても,これが今季初のポイント獲得となります。チームメイトのD.リカルドは周回遅れの12番手で終了しています。
2024/03/24(日)
◎初優勝&初ポール(MotoGP)
○アウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベで開催されている第2戦ポルトガルGP2日目の走行は,MotoGPクラスのスプリントレースと各クラスの予選が行われました。
MotoGPクラスのスプリントレースは,4番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが2周目にトップに立って主導権を握りました。ところが,9周目の1コーナーでオーバーランを喫してしまい,コースには復帰できたものの,優勝争いから脱落となりました。バグナイアの後ろを走行していたアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスが替わってトップに立つと,単独走行となってそのまま逃げ切り,ビニャーレスにとってスプリントレースで初優勝を飾りました。ビニャーレスから1秒以上離されたものの,1年前倒しでホンダから離脱し,今季からグレシーニ・レーシングMotoGPに所属しているM.マルケスが2位に入り,スプリントレースでは自己最高位を獲得しています。このスプリントを圧倒的な強さを見せているプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンが3位に入り,スプリントで10戦連続表彰台獲得となっています。オーバーランでトップ争いから脱落したバグナイアは4位でチェッカーとなり,何とかポイントランク首位の座を保っています。予選で下位4つを独占するという相変わらずマシンのポテンシャル不足を見せたホンダ勢ですが,スプリントでもその傾向は変わらず,レプソル・ホンダ・チームのJ.ミルの14位が最高位で,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は17位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスの予選は,午前中に行われたプラクティス2でレコードタイムを更新してトップタイムだったQJモーター・グレシーニMoto2のM.ゴンザレスが,予選でも速さを見せてさらにレコードタイムを更新し,自身初となるポールを獲得しました。そのゴンザレスからコンマ134秒遅れで,スピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが2番手タイムでした。そのゴンザレスからわずか1000分の65秒遅れで,ファンティック・レーシングのA.カネトが3番グリッド獲得となりました。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの小椋藍は7番グリッドを獲得し,Q1で敗退となったヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は21番グリッド獲得となっています。
Moto3クラスの予選は,レッドブルKTMアジョのJ.ルエダが,こちらもこれまでのレコードタイムを更新する走りを見せ,自身参戦24戦目にして初のポールとなりました。そのルエダからわずか1000分の59秒遅れで,ボエ・モータースポーツのJ.ケルソが2番手となっています。さらに,同じく1000分の59秒ケルソから遅れてCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが3番グリッド獲得となっています。フル参戦日本人ライダー勢は奮わず,唯一Q2進出を果たしたMTヘルメッツMSIの山中琉聖が17番手で,Q1敗退となったリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が20番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が21番手で予選を終えています。

◎3戦&2戦連続(F1)
○第3戦オーストラリアGPの予選が,ドライコンディションとなったアルバート・パーク・サーキットで行われました。今季ここまでの2戦ともポールを獲得しているレッドブルのM.フェルスタッペンは,前日こそトップタイムとなりませんでしたが,予選では相変わらずの速さを見せ,唯一1分15秒台に入るタイムをマークして3戦連続ポールを獲得しました。虫垂炎からの回復具合が心配されたフェラーリのC.サインツでしたが,前日はトップタイムをマークしていました。ただ,予選ではフェルスタッペンに上回れてしまい,100分の3秒遅れで2番手タイムとなりました。一時はフェルスタッペンに次ぐ2番手となっていて,レッドブルのワンツーも期待されましたが,サインツに逆転を許してS.ペレスは3番手タイムとなっています。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,見事2戦連続となるQ3進出を果たし,今季自己最高となる8番グリッドを獲得しています。母国GPとなっているチームメイトのD.リカルドですが,Q1のファイナルアタックでタイムを更新したかに思われましたが,トラックリミットを超えていたためこのタイムが抹消となってしまい,Q1で敗退してブービーとなる18番手と後方に沈んでいます。
なお,予選後にQ1におけるペレスの走りが問題となりました。これは,マクラーレンのL.ノリスがタイムアタックをしていた際,アウトラップを走行していたペレスがノリスの走行の妨げとなってしまったものです。どうやらペレスは後ろからノリスが来ていることを知らなかったようで,そのため結果的に邪魔する形となってしまったとのことです。とはいえ,結果として妨げたことには変わりありませんので,3グリッド降格のペナルティーが科されることとなり,今日行われる決勝レースにおいてペレスは6番グリッドからのスタートとなります。
2024/03/23(土)
◎1年半ぶり&開幕戦勝者が(MotoGP)
○第2戦ポルトガルGPがアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベで開幕し,初日は2回のプラクティスが行われました。
MotoGPクラスは,ドゥカティ・レノボ・チームのE.バスティアニーニがトップタイムをマークしました。バスティアニーニがトップタイムをマークしたのは,2022年9月に行われた第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPのウォームアップ以来およそ1年半ぶりとなります。まるでジャンプセクションがあるかのような走りを途中で見せて熱い走りを展開したレッドブルKTMファクトリー・レーシングのJ.ミラーが,総合2番手タイムで初日を終えています。24周目の5コーナーで今季初めてとなる転倒を喫したものの,グレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスが総合3番手タイムとなっています。日本メーカー勢ではモンスターエナジー・ヤマハMotoGP勢が好調な走りを見せ,F.クアルタラロが9番手,A.リンスが10番手タイムをマークし,今日行われる予選では,2台揃ってQ2からの走行となります。それに対して相変わらずホンダ勢は苦戦していて,その中でLCRホンダ・イデミツの中上貴晶の16番手が最高位でした。
Moto2クラスは,開幕戦を制しているスピードアップ・レーシングのA.ロペスが総合トップタイムをマークしました。そのロペスから1000分の13秒遅れで,ファンティック・レーシングのA.カネトが総合2番手となっています。そのカネトからコンマ17秒遅れで,オンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツが総合3番手タイムでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの小椋藍が12番手,ヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢はブービーとなる28番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,開幕戦を制しているCFモト・アスパー・チームのD.アロンソがトップタイムをマークし,自身参戦24戦目にして初のトップタイムとなりました。そのアロンソから1000分の37秒遅れで,ボエ・モータースポーツのJ.ケルソが総合2番手となっています。上位2台が抜け出た形となっていて,総合3番手タイムをリヴァコールド・スナイパーズ・チームのM.ベルテッレがマークしましたが,2番手のケルソからおよそコンマ65秒遅れでした。フル参戦日本人ライダー勢は上位に加わることができず,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が12番手,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が20番手,開幕戦で3位表彰台を獲得したホンダ・チーム・アジアの古里太陽は23番手で初日を終えています。

◎トップ3に(F1)
○第3戦オーストラリアGPがドライコンディションとなったアルバート・パーク・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。今回の会場となるアルバート・パーク・サーキットは,全大会中最多となる4つのDRSゾーンが設定されています。この日総合で最速タイムを刻んだのはフェラーリのC.ルクレールで,2番手とはコンマ3秒以上の差をつけました。その総合2番手タイムをマークしたのは,ここまでの2戦で勝利を収めているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。昨日手術からの回復がどうかをお伝えしたフェラーリのC.サインツですが,順調に回復していることを示すかのように総合3番手タイムをマークしていて,トップ3の内2つをフェラーリ勢が占めています。前戦でワンツーとなったレッドブルですが,S.ペレスは初日を8番手で終えています。ここまでポイントを獲得することができていないビザ・キャッシュアップRBですが,今回はポイント圏内でのフィニッシュが目標となります。角田裕毅は10番手タイムで初日の走行を終えていて,目標達成が期待できる初日となりました。角田の後塵を拝しているD.リカルドは,角田からおよそコンマ3秒以上遅れた12番手でした。
なお,FP1でウィリアムズのA.アルボンがターン6の出口でコントロールを失い,そのまま反対側の壁にマシンをヒットさせてしまうアクシデントに見舞われてしまいました。その後マシンの修復を図ろうとしたのですが,シャーシに深刻なダメージがあるため修復が困難であることが分かりました。しかも,スペアマシンを今回持ち込んでおらず,同チームの使えるマシンはチームメイトであるL.サージェントが使用しているマシンのみとなってしまいました。そこでチームの判断が下され,サージェントのマシンをアルボンが使用するようにし,サージェントは2日目以降の走行ができなくなってしまいました。第2戦終了段階で,ウィリアムズがコンストラクタータイトルで獲得しているポイントは28点で,その内の27ポイントはアルボンが獲得しています。こうしたことから,非情ともいえる今回の決断に至ったようです。
2024/03/22(金)
◎走行後に(F1)
○今日からアルバート・パーク・サーキットにおいて第3戦オーストラリアGPが開幕しますが,それを前にしてフェラーリから発表があり,前戦を途中で欠場したC.サインツがこの大会から復帰することになりました。今回復帰することになったサインツですが,前戦サウジアラビアGPの予選が行われる2日目に体調不良となり,その後虫垂炎であるという診断が下され,以後の走行をリザーブドライバーであるO.ベアマンが代役として出場しました。そのベアマンは,自身初となるF1のレースだったにもかかわらず,決勝レースでは7位入賞を果たすという驚きの結果を残しました。また,来季フェラーリにL.ハミルトンが加入することが決定していて,それに伴いサインツがシートを失うことも決定しています。そうした状況にあるサインツだけに,レースで結果を残すことが一段と重要になってきています。手術後のサインツは,トレーニング等には参加せず,回復することに注力していて,今回の復帰という流れになっています。ただ,半月のインターバルがあったとはいえ,病気が病気だけに,F1で戦うには回復期間として十分とは言えないことは間違いないでしょう。今回の復帰についてサインツ自身その事を自覚していて,どうやら初日にとりあえず走行してみて,その時のフィーリングで2日目以降も走行を続けるかどうか判断するようです。こうした状況のため,フェラーリも前回代役参戦したベアマンをスタンバイさせて様子を見るようです。
2024/03/21(木)
◎参戦か?(MotoGP)
○現在のMotoGPクラスは,ホンダとヤマハの日本メーカーと,ドゥカティ,KTM,アプリリアの海外メーカーの計5メーカーで争われています。ただ,一昨年まではスズキも参戦していましたから,6メーカーで争われるという体制が成立していました。2027年からは新たなレギュレーションに基づいたマシンで争われることになっていて,まだ正式発表はありませんが,100%持続可能な燃料を搭載した,排気量が850ccのマシンで争われることになるのではないかと噂されています。もしそうなると,現在フル参戦している5メーカーは,これまでとは大幅に違う新たなマシンを造っていく必要が生じます。別の言い方をすれば,現在参戦していないメーカーが参入するには絶好の機会になるとも言えます。そこで注目を集めることになりそうなのが,ホンダと同じように4輪と2輪両方の製造メーカーであるBMWです。現在のMotoGPとBMWとは,予選結果で争われている『BMWアワード』という賞と,同社の車をマーシャルカーとして提供しているという関係性があります。ところが,不思議なことにBMWはMotoGP(含むWGP)にフル参戦したことがありません。現在SBKにはワークス参戦していて,今季からは元チャンピオンであるT.ラズガットリオグルと新たに契約し,タイトル獲得に向けて本腰を挙げているような印象を持たせています。こうした積極的な動きに関して,昨年末にBMW MotorradのCEOに就任したM.フラッシュは,どうやらMotoGP参戦の可能性を排除しないという意向を持っているようです。もちろん市販車ベースのマシンで争われるSBKと,レース専用車で争われるMotoGPとでは,予算を含めた規模がかなり違いますので,そう簡単には決定できないでしょうが,MotoGP側が6メーカー体制を望み,しかも,新規参入メーカーのハンディがやや軽くなる2027年からのレギュレーションの存在がありますので,今後BMWの動向が大きく注目を集めることになりそうですね。
2024/03/20(水)
◎昇格決定(MotoGP)
○今シーズンのMotoGPクラスは,ほとんどのライダーがこのクラスに残留していて,今季はただ一人レッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタだけがルーキーライダーとなっています。そして,そのアコスタのポテンシャルの高さはかねてから評価されていて,実際開幕戦では,初めての最高峰クラスのレースにもかかわらず,見事9位でチェッカーを受けてその評価が単なる噂では無いということを証明しました。そうしたポテンシャルの高さが噂されているライダーがMoto2クラスにいます。それが,今季もスピードアップ・レーシングからボスコスクーロのマシンを駆ってフル参戦しているF.アルデグエルです。昨シーズンは第9戦イギリスGPで初優勝を飾ると,最後の4つのレースを全て制してランク3位でシーズンを終えました。フル参戦2年目にしてその成績を収めたわけですから,やはり彼の実力も噂通りだと言えます。そのアルデグエルに関して,3月18日(月)にドゥカティ・コルセから発表があり,来シーズン彼を最高峰クラスに昇格させ,2025年までの2年間の契約が成立しました。しかも,その契約を2年間延長するというオプションまであります。現在誰もが乗りたがっているドゥカティのデスモセディチですが,そのマシンに昇格していきなり乗れるわけですから,他のライダーからすれば何ともうらやましい話なのではないでしょうか。今回の発表では,ドゥカティとの契約が成立したということだけで,どのチームに所属するのかは発表されていません。ドゥカティとのワークス契約となりますので,普通で考えればワークスであるドゥカティ・レノボ・チームか,サテライトでナンバーワンの位置につけているプラマック・レーシングかのどちらかとなります。ワークスに関しては,チャンピオンであるF.バグナイアは既に長期契約を結んでいますから,彼の座は安泰です。となると,E.バスティアニーニの動向が鍵となります。J.マルティンとバスティアニーニのどちらがワークスに入るかという話になったとき,その座をバスティアニーニが射止めています。そうした流れを考えると,そう簡単にバスティアニーニとルーキーとが入れかわるということはあまり考えられません。そうなるとプラマックとなる訳ですが,どうもこちらの線の方が濃いような気がします。本人とチームがほぼ認めているように,マルティンに関しては,どうやら今季限りでチームを去ることが決まっているようです。バグナイアとの死闘を繰り広げているマルティンですから,彼が引く手あまたであることは間違いないでしょう。それだけに,ドゥカティワークスをはじめ,他メーカーのワークスへの移籍も,シートの空きさえできれば問題なく可能と考えられます。そうなると,アルデグエルがプラマックへという可能性が高いと思っても不思議ではないのではないでしょうか。
2024/03/19(火)
◎ご冥福を(ダカール・ラリー)
○今や年始めの大きなレースといえば,現在はアフリカで行われている『ダカール・ラリー』でしょう。かつては『パリ・ダカール・ラリー』,通称『パリダカ』としてレースファンにお馴染みとなっていたこの大会ですが,私たち日本人にこの大会を知らしめる大きな役割を果たしたのが三菱で,その時のマシンが『パジェロ』でした。今は国内での販売はなくなってしまいましたが,かつては高額な車にもかかわらず,とぶように売れていました。そして,そのパジェロを駆って大活躍し,パリダカを知らしめるのに絶大な貢献を果たしたのが『シノケン』こと篠塚建次郎さんでした。その篠塚建次郎さんが,昨日膵臓がんのためにお亡くなりになってしまいました。享年75歳ということです。この度お亡くなりになった篠塚さんは,三菱の社員としてパリダカに1986年から参戦を開始し,その翌年には3位表彰台を獲得しました。その後も三菱と共にパリダカへの参戦を続け,参戦12年目となる1997年についに日本人として初めてとなる優勝を飾りました。パリダカはラリーレイドというカテゴリーのレースですが,篠塚さんはWRCへも参戦し,1991年の『アイボリーコースト・ラリー』において,こちらも日本人として初となる優勝を飾っています。三菱でのパリダカ参戦は2002年で終了し,翌年からは日産とのコラボとなって2007年までパリダカへの参戦を続けています。そうした日本のレースを語る上でなくてはならない方の一人だっただけに,何とも残念なニュースとなってしまいました。篠塚さんのご冥福を,心からお祈りいたします。
ちなみに,レースとは全く関係ない話ですが,篠塚さんのお連れ合いさんは,俳優である三浦友和さんのお姉さんですので,篠塚さんと三浦さん(ということは,かつて日本を代表する歌手だった山口百恵さんも。)は義理の兄弟ということになります。
2024/03/18(月)
◎独占するも(SGT)
○2日間にわたる公式テスト最終日の走行が,開幕戦の地である岡山国際サーキットにおいて行われました。この日も午前と午後それぞれにセッションが行われたのですが,午前のセッションの途中で雨が降り始めたため途中からウェットとなり,今度は午後の走行の途中で雨が止んでいって徐々に路面が乾くという難しいコンディションとなりました。そうした状況のため,この日は午前のタイムが最速タイムとなっています。その午前のセッションで最速タイムを刻んだのは,坪井翔&山下健太組のau TOM’S GR Supraで,前日に続いく2日連続の総合トップタイムとなりました。総合2番手タイムを大嶋和也&福住仁嶺組のENEOS X PRIME GR Supraがマークし,こちらも2日連続して同じ順となっています。総合3番手タイムを石浦宏明&大湯都史樹組のKeePer CERUMO GR Supraがマークし,トップ3をGR Supra勢が独占するという結果となりました。また,2番手の福住,3番手の大湯は,どちらも昨シーズンまでホンダ勢の一員で,今シーズンからトヨタ陣営に移籍してきたドライバーになっていて,移籍組が今回のテストで速さを見せた形となっています。2日間総合で見るとGR Supra勢の独占となりましたが,午後の結果だけを見ると様相が変わってきます。ウェットから徐々に乾いていった状況となった午後の走行は,どのチームもレースを見据えたロングランを行っています。そうした午後の走行でトップタイムをマークしたのは松田次生&名取鉄平組のリアライズコーポレーション ADVAN Zで,2番手と3番手がそれぞれ塚越広大&太田格之進組のAstemo CIVIC TYPE R-GT,平峰一貴&B.バゲット組のMARELLI IMPUL Zでした。トップ3だけでなく,トップ5の中にGR Supra勢は入っていません。例年混沌としたタイトル争いとなるSGTのGT500クラスですが,今年もそうしたことが予想される今回のテスト結果となっています。なお,次の公式テストは,1週間後の3月23日(土)から2日間にわたって富士スピードウェイで行われる予定になっています。
2024/03/17(日)
◎模擬予選(SGT)
○昨日から2日間にわたる公式テストが,開幕戦の開催地である岡山国際サーキットで始まりました。初日の走行は午前と午後に行われましたが,その中で午後の走行は『模擬予選』となりました。3月13日(水)付けのこのページでもお伝えしたように,今シーズンからSGTの予選方式が大幅に変わることになっています。昨シーズンまでの予選は,Q1からQ2に進むごとに遅いマシンが敗退していくノックアウト方式が採用されていました。それに対して,今シーズンからの予選は『合算方式』が採用されることになりました。これは,これまで通りQ1とQ2の2つのセッションがあることは変わりないものの,全てのマシンがその両方のセッションで走行します。ただし,2つの条件があって,一人のドライバーが両方のセッションを走行するということはできず,必ずセション毎に担当するドライバーを交代しなければならないということと,ウェット時を除いて,両セッションで使用できるタイヤは1セットのみということです。そして,Q1とQ2でマークした最速タイムをそれぞれのマシンごとに合算し,そのタイムで順位を決めるというものです。今シーズンから始まる新たな取り組みということで,今回のテスト初日に『模擬予選』を設定し,エントラント側,そしてオフィシャル側双方の練習を行ったということになります。ただ,今回の模擬予選では,タイヤに関して1セットのみという制限は解除しています。
そうした中で行われた模擬予選ですが,今回はGT500クラスの結果のみをお伝えします。まず最初に行われたQ1で最速タイムを刻んだのは,ENEOS X PRIME GR Supraを駆る福住仁嶺でした。これまではホンダ陣営のドライバーとして活躍してきた福住ですが,今シーズンからトヨタ陣営へと転身していて,テストではあるものの,早くも結果を出しています。2番手タイムをマークしたのは,au TOM’S GR Supraを駆る山下健太でした。3番手タイムをマークしたのは,先日行われたSFの開幕戦において,昨シーズン後半にSGTのレースで負った怪我から回復した最初のレースで3位表彰台を獲得した山本尚貴が駆るSTANLEY CIVIC TYPE R-GTでした。なお,山本のチームメイトは牧野任祐ですが,テスト前に体調不良となってしまっていて,今回のテストは欠場しています。そのため,今回は山本一人が参加しているため,Q2も山本が走行しています。次に始まったQ2で最速タイムを刻んだのは,au TOM’S GR Supraを駆る坪井翔でした。2番手,3番手タイムを,それぞれDENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛,ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也がマークしました。その結果,合算すると山下健太&坪井翔組のau TOM’S GR Supraが逆転で総合トップ,逆転を許した福住仁嶺&大嶋和也組のENEOS X PRIME GR Supraが総合2番手となっています。また,中山雄一&関口雄飛組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraが,山本尚貴一人で両セッション共走行したSTANLEY CIVIC TYPE R-GTを逆転して総合3番手となっています。ということで,今回初めて行われた模擬予選は,トヨタのGR Supra勢がトップ3を独占して終了しています。なお,牧野の欠場により,初日は山本一人での走行となったSTANLEY TEAM KUNIMITSUですが,昨日発表があり,今日行われる2日目からは,昨シーズンまでFIA2にフル参戦し,今シーズンからTEAM MUGENに所属してSFにフル参戦している岩佐歩夢を起用することになりました。これは,これまた今季から新しい取り組みとなっている『リザーブドライバー制度』を活用しようとするものです。今季の岩佐は,SFのみ参戦する予定になっています。今季も拠点を海外に置いているその岩佐が,たまたままだ日本に滞在していることから急遽決まったもののようです。岩佐にとっては,これが初めてのSGTマシンということになります。
2024/03/16(土)
◎復帰(JRR)
○今シーズンのJRRは,SFとの併催となる2&4という開催形式をとって,JSB1000クラスのみで例年より早く開幕しています。そして,来月13日(土)から第2戦が開幕し,そこでようやく全クラスのレースが行われる通常の大会となります。ただ,この大会におけるJSB1000クラスは,単に第2戦というだけでなく,EWCシリーズの一戦となっている鈴鹿8耐への出場権を獲得することができるトライアウトも兼ねた大会となっています。EWCシリーズにフル参戦しているチームや,昨シーズンの8耐で上位に入ったチームは自動的に参戦する権利がありますが,それ以外のチームはこのトライアウトで権利を獲得する必要があります。そのトライアウトに臨むチームの中の1つが,有力なホンダ系プライベートチームであるTOHO Racingです。昨年の8耐における同チームは,他の有力チームを押しのけ,見事2位でチェッカーを受ける快挙を伸し遂げました。通常であればその段階で今年の8耐への出場権を得ることができたのですが,何とレース後に行われた車検において燃料タンクに関するレギュレーション違反が見つかって失格となってしまったのです。どうやら意図的に違反をしていたわけではなく,初歩的なミスが原因だったようです。意図的で無かったとはいえ結果的に違反していたわけですから,失格の裁定は覆ることなく,今季も8耐出場を狙う同チームは,第2戦でトライアウトを受ける必要があります。ところが,今シーズンは清成龍一と渡辺一樹の体制でJSB1000クラスにフル参戦している同チームですが,何と清成は開幕前に行われた事前テストで転倒を喫して怪我を負い,復帰の時期は未定となっています。また,渡辺は第1戦の決勝レースにおいて転倒を喫し,こちらも怪我を負ってしまっています。レギュラーライダーの2人が第2戦に復帰できるか未定ですし,同チームは國峰琢磨も所属していますが,第2戦における彼は,ST1000クラスへの出場となっています。まさに緊急事態とも言える同チームですが,昨日TOHO Racingから発表があり,第2戦に榎戸育寛を起用することになりました。今回起用されることになった榎戸は,昨シーズンの8耐で同チームから出場し,最終的に失格になってしまいましたが,2位でチェッカーを受けることに貢献しました。JRRではST1000クラスにフル参戦してタイトル争いに絡んだ榎戸でしたが,彼自身かなり悩んだようではあるものの,昨シーズンをもってレースから引退するという決断を下しています。とはいえ,8耐に関してはやはり悔しい思いをずっと抱えていたようで,それが今回のオファーを承諾することに繋がったということです。榎戸の復帰は,今回の第2戦と鈴鹿8耐の2レースのみということです。現役ライダーとしてまだ十分に上位争いができる彼だけに,ぜひその力を発揮してもらいたいものですね。
2024/03/15(金)
◎2年連続(NASCAR)
○アメリカにおいて最も人気の高いレースの1つが,オーバルコースを中心にして行われていて,マシン同士の接触がある意味当たり前の中で行われているNASCARシリーズです。そのNASCARにフル参戦している23XIレーシングから発表があり,サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で3月24日(日)に決勝レースが行われる予定の『エコパーク・オートモーティブ・グランプリ』に小林可夢偉を起用することになりました。彼が駆るマシンは,トヨタ・カムリとなります。元F1ドライバーである可夢偉は,このところSFとWEC(世界耐久選手権)にフル参戦しています。そうした中,昨シーズン彼の夢の1つだったNASCARシリーズにわずか1戦ではありましたがスポット参戦し,28番グリッドからスタートして33位完走を果たしています。その時に所属したのが,今回発表を行った23XIレーシングでした。初めてのシリーズ,初めて駆るマシン,そしていつも走っているコースレイアウトとは違うオーバルコースでのレースでしたから,下位に沈んだのはやむを得なかったでしょう。それでも,今年も同じ機会に恵まれたことになります。昨年と違うのはコースレイアウトで,昨年は『インディ500』のコースとして有名なインディアナポリス・モータースピードウェイでした。それに対して,今回はオーバルコースと違って,彼がいつも走っているサーキットレイアウトであるCOTAです。NASCARシリーズでは数少ないサーキットレイアウトでのレースとなります。それだけに,昨年よりはよい成績が期待できるのではないでしょうか。
2024/03/14(木)
◎リザーブドライバー(SGT)
○2名(レース距離が長い場合は3名の時も)のドライバーが交替しながらレースをするのがSGTですが,レギュレーションでは一人のドライバーが最後まで走り通すことはできず,必ずドライバーチェンジをしなければならなくなっています。ある意味当然といえば当然ですが,ウィーク中に怪我や体調不良等不測の事態が起きてどちらかのドライバーが走行できなくなる場合があります。もしそうなると,ドライバーチェンジができませんので,レース途中までの走行は可能ですが,実質上そのチームは完走できないことになります。実際,昨シーズンは富士スピードウェイにおいて開催された第4戦で,K2 R&D LEON RACINGの蒲生尚弥が体調不良になって走行できなくなったという事が起きています。こうしたことを受け,SGTを運営するGTアソシエーション(GTA)から新たな発表があり,今シーズンから「リザーブドライバー制度」が導入されることになりました。これは,3名登録をしている場合を除き,どのレースにおいてもリザーブドライバーを登録することができるようになり,万が一不測の事態によってドライバーが走行できなくなったとき,そのドライバーに代わってリザーブドライバーが走行できるようになったのです。もちろんどんな場合でも交替できるわけではなく,「レギュラードライバーが急病・怪我等(公式練習あるいは公式予選でのクラッシュによる怪我を含む)に見舞われ,当該ドライバーが以降の公式セッションに参加不可とGTAのメディカルデリゲート(医療担当者)が判断し,競技会組織委員会,競技会審査委員会が変更を認めた場合に限る」(レギュレーションを引用)とされています。その他の規定としては,複数のチームが同一のリザーブドライバーを登録することができますが,他チームでレギュラードライバーとして登録されているドライバーを登録することはできません。また,予選が終わった後にリザーブドライバーへ変更する場合は,レース中ドライブスルーペナルティーが科されます。
2024/03/13(水)
◎詳細発表(SGT)
○4月13日(土)に開幕するSGTですが,今シーズンから予選方式に変更が加わりました。変更するということについては,既に2月に発表が行われています。ただ,その時は大まかな概要だけで,詳細については後日発表ということになっていました。そして,この度SGTを運営するGTアソシエイション(GTA)から,詳細な予選方式の発表がありました。まず,2月に発表されていたことの確認ですが,昨シーズンまでは徐々に遅いマシンが落とされていくノックアウト方式が採られていましたが,今シーズンからノックアウト方式はとりやめ,Q1とQ2のタイムを合算してグリッドを決めるというやり方が採用されることになりました。そのQ1とQ2に走行するドライバーですが,同一のドライバーが両セッション共に走ることはできず,これまで通り違うドライバーが走らなければなりません。もしその合算したタイムが同じだった場合ですが,Q2のタイムがいい方が上位グリッドとなります。さらに,もしそのタイムまでもが同じだった場合は,先にそのタイムを出した方が上位ということになります。これらはクラスに関係なく適応されますが,走行車両が多いGT300クラスに関しては,予選時の混雑を避けるため,Q1,Q2共にグループ分けが行われます。そのグループ分けの方法ですが,Q1に関してはチームランキングの奇数と偶数で分けられ,奇数ランクは「グループA」,偶数が「グループB」となります。Q2に関しては,Q1において各グループの上位8チームが「Q2グループ1」,それ以下のチームが「Q2グループ2」というようになります。GT500クラスに関しては,グループ分けはありません。タイヤに関しては,Q1,Q2合わせて1セットのみとなり,タイヤ戦略をどうするのかチームにとっては頭の痛いところかもしれません。ただ,SDGsという観点で考えると,これは致し方ない措置なのかもしれません。赤旗に関する点についても変更があり,これまでは赤旗の原因となった場合,そのセッションのタイムは全て抹消となっていました。しかし,今シーズンからはそのセッションのベストタイムが抹消となり,セカンドタイムが採用されるということになります。もちろん,原因となった車両は,セッションが再開となっても走行はできません。予選の成績によってポイントが与えられ,1位が3で,2位が2,3位が1ポイント与えられます。もちろん合算ですので,2人のドライバーどちらにもポイントは与えられます。今回の発表はその他の点もありますが,詳細については,SGTの公式サイトで確認(こちらから)してください。
2024/03/12(火)
◎依然として?(MotoGP)
○開幕戦カタールGPが行われ,ディフェンディングチャンピオンであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが勝利を収めて無事終了しました。今シーズンの見所は,もちろんバグナイアを中心として誰がタイトルを獲得するかということでしょうが,私たち日本人にとっては,ホンダとヤマハの戦闘力がどうなるのかという点も注目点になっているのではないでしょうか。コロナ禍前までは,日本メーカーのマシンに乗らなければタイトル獲得はおぼつかないという状態でした。しかし,ここ数年はそうしたものは影を潜め,ドゥカティを中心としてKTMやアプリリアといった外国メーカーのマシンによるトップ争いに終始しています。そうした状況を受け,日本メーカー製マシンの戦闘力を少しでも高める目的のため,コンセッション(優遇措置)のレギュレーションの改定が行われ,数々の点で日本メーカーが優遇されています。そうした状況が始まった中で今回の開幕戦を迎えたわけですが,リザルトを見ると,やはり上位争いを展開していたのは海外メーカーで,スプリントレースでは海外3メーカーが仲よく表彰台を分け合うという結果になっています。日本メーカーで最も上位だったのはモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの10位でした。何とかトップ10には加わっているものの,それでもトップとは最終的に13秒以上の差をつけられています。クアルタラロのチームメイトであるA.リンスは,ポイント圏外の16位となっています。もちろん,リンスについては今シーズンからヤマハのマシンを駆っているわけですから,クアルタラロと単純に比較するのは酷なのかもしれません。とはいえ,今季唯一MotoGPクラス初参戦となっているレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタは,その初めてのレースで上位争いに加わり,最終的に9位とクアルタラロより1つ上の順位でゴールしていますので,リンスのリザルトは「酷だ」ということだけでは済まされないのかもしれません。もう一方のホンダについては,4台中2台がポイントを獲得していて,LCRホンダ・カストロールのJ.ザルコが12位,レプソル・ホンダ・チームのJ.ミルが13位でチェッカーを受けています。昨シーズンは,ポイント獲得さえ難しい状況で,しかも,中上1人だけがポイントを獲得したり,完走を果たしたりということもありました。それから考えると,2台ポイントを獲得できたのはある程度はよかったのかもしれません。ただ,ポイント獲得できなかった2台は,完走を果たした中で後ろから2番目と3番目の位置です。報道によると,今回の結果についてクアルタラロは「これまで以上に差がついている」というようなコメントを出しているようです。クアルタラロが厳しい言葉を並べるのはこれまでにもありましたから,真意の程は想像の域を出ないものの,やはり手応えらしきものがあまり感じられていないのかもしれません。ホンダに関しては,これまた報道によると「我々の可能性を証明できた」といっていたようです。開幕前のテストから日本メーカーは優遇措置に則って改良を施してきていて,ザルコのコメントからも分かるようにある程度進歩があったことでしょう。とはいえ,クアルタラロのコメントが象徴しているように,依然として海外メーカー勢との差はかなり大きいのは間違いないでしょう。果たしてシーズンが進むに連れどの程度まで差を縮めることができるのか,長い目で見ていく必要性がまだあるようです。
2024/03/11(月)
◎決勝では(MotoGP)
○第1戦カタールGPの決勝レースが,ドライコンディションとなったルサイル・インターナショナル・サーキットにおいて,ナイトレースという形で行われました。
MotoGPクラスは,レース前のグリッド上でトラブルが発生したマシンが出たために仕切り直しとなり,周回数が1周減算されて全21周のレースでスタートしました。5番グリッドからスタートしたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアは,オープニングラップの4コーナーでトップに立つと,後は2年連続チャンピオンの貫禄を見せる走りを展開して後続を寄せ付けず,昨シーズンに続いて開幕戦を制しました。バグナイアの最大のライバルと目され,今回もスプリントレースを制しているプラマック・レーシングのJ.マルティンは,ポールからスタートしたもののバグナイアにトップに立たれ,レッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーとの2位争いとなりました。トールトゥーノーズのバトルがしばらく続きましたが,徐々にビンダーがマルティンとの差をつけていき,最終的におよそコンマ6秒差でビンダーが逃げ切って2位に,スプリントを制したマルティンは3位でのチェッカーとなりました。この結果,ランキングではバグナイアがトップとなっています。両レースとも2位だったビンダーが,ランキングでは2位となっています。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ウィークに入ってからも下位争いから抜け出すことができず,決勝レースもセットアップが決まらず19位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスは,スピードアップ・レーシングのA.ロペスとRWレーシングGPのB.バルタスとの間で激しいトップ争いが続いていき,1000分の55秒差でロペスがトップでチェッカーを受けています。その後ろでは,MTヘルメッツMSIのS.ガルシアと小椋藍というチームメイト同士の3位争いとなりましたが,最後はガルシアが小椋との差をつけて3位の座を獲得しています。今回がMoto2クラスデビューレースとなるヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,7周目の1コーナーでコースアウトして転倒となり,残念ながらリタイアに終わっています。
Moto3クラスで目をひいたのは,18番グリッドからスタートしたホンダ・チーム・アジアの古里太陽でした。周回を重ねる毎にどんどん順位を上げていって,ついにはトップ集団へと追いつき,時にはトップを走行することもありました。その古里を含めて全部で6台による激しいトップ争いがファイナルラップまで続き,CFモト・アスパー・チームのD.アロンソがレッドブル・ガスガス・テック3のD.オルガドにわずか1000分の41秒差でトップチェッカーを受けました。上位2人には先を越されたものの,トップからおよそコンマ14秒差で古里が3位でチェッカーを受け,自身2度目となる表彰台を開幕戦で獲得しています。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,19番グリッドからスタートしたリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生も,徐々にポジションアップを果たしていき,最後は7位でチェッカーを受けています。15番グリッドからのスタートとなったMTヘルメッツMSIの山中琉聖は,トップグループに絡む走りを展開していたものの,残り2周となったところで転倒を喫してリタイアに終わっています。

◎可能性(JRR)
○開幕戦の決勝レースが,好天に恵まれた鈴鹿サーキットにおいて,SFとの併催となる2&4で行われました。レース序盤は,ヤマハワークスであるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行,ドゥカティワークスであるDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼,そしてマシンとしてはキット車ながら,タイヤはダンロップのワークスであるDUNLOP Racing Team with YAHAGIの長島哲太との間でトップ争いが展開されました。しかし,4周目に転倒車が出たため赤旗が提示され,レースは一旦ストップとなりました。残り14周という周回数でリスタートした後は,早い段階で中須賀と水野との間でトップ争いという状況となりました。圧倒的なストレートスピードを誇るドゥカティのマシンの特性を活かして水野がトップの立つとしばらくの間ずっとその位置を守っていきました。7周目に中須賀が水野の前に立つと,少し差をつけていきましたが,それでも水野は激しく中須賀を追っていきました。その2人の後ろでは,YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2の岡本裕生と徐々に差を詰めてきたヨシムラSERT Motulの渥美心との間で3位争いとなり,その後ろに長島がつけるという形になりました。前を行く岡本を渥美がパスし,表彰台獲得の期待が持たれたのですが,残り6周といったところで渥美が転倒してリタイアとなり,岡本が単独で3位を走行していきました。渥美の転倒により残り4周となったところでセーフティーカーが導入され,解除されれば超スプリントレースになるかと思われる状況にもなりましたが,その最中に転倒車が出てしまって赤旗中断となり,レースはそのまま成立となりました。ということで,1,2,3位はそのままの順となり,中須賀が開幕戦を制し,水野がJSB1000クラス初めてのマシンで2位となっています。最終的には表彰台の2つをヤマハワークスが占めるというここ数年と同じような結果となったわけですが,水野や長島,そして元チャンピオンであるJAPAN POST HondaDream TP高橋巧が5位に入っていて,ヤマハワークスの独壇場という流れが,少し変わる可能性を感じさせる開幕戦になりました。

◎圧勝(SF)
○鈴鹿サーキットにおいて開幕戦の決勝レースが,上記したようにJSB1000クラスとの併催となる2&4で行われました。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは3番グリッドからスタートしたTEAM MUGENの野尻智紀でした。トップに立った野尻は,ピットのタイミングのズレで順位の入替えはあったものの,それが落ち着くと再びトップに立ち,最終的に2位に2秒弱の差をつけて開幕戦を制しました。2021,2022年の王者が,再びその速さを見せた開幕戦となりました。その野尻からは差をつけられたものの,6番グリッドからスタートしたKONDO RACINGの山下健太がこちらも単独走行で2位表彰台を獲得しています。3位に入って残りもう1つの表彰台を獲得したのは,昨シーズンSGTにおいて激しいクラッシュに見舞われて首を痛め,その後欠場せざるを得なくなったPONOS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴でした。山本にとっては,怪我からの復帰戦でいきなりの表彰台獲得となります。
2024/03/10(日)
◎2戦連続(F1)
○第2戦サウジアラビアGPの決勝レースが,ナイトレースとしてジェッダ・コーニッシュ・サーキットで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは、順調なスタートを切って後続との差を広げて行きました。レース途中はタイヤ交換のタイミングのズレからトップの座を譲ることはありましたが,その後再びトップに立つと2以下との差をどんどん広げて行き,最終的に2位に13秒以上の大差をつけて2戦連続ポールトゥーフィニッシュを飾りました。2番グリッドからスタートしたフェラーリと3番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ペレスとの間で争われた2位争いは,時折順位を入れ替えながらのバトルが展開され,最終的にペレスがルクレールにおよそ5秒の差をつけてこのバトルを制し,2戦連続してレッドブルのワンツーフィニッシュとなりました。9番グリッドからスタートしたビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,序盤こそポイント圏内で走行していたものの,レースが進むに連れて徐々に順位を下げていき,最終的にポイント圏外となる14位でのチェッカーとなりました。チームメイトのD.リカルドは,レース序盤からペースが上がらず,レース途中でスピンを喫したりして,16位でチェッカーを受けています。フェラーリのC.サインツが虫垂炎となったため,急遽テストドライバーであるO.ベアマンが代役を務めましたが,F1での初レースにもかかわらず速さを見せ,7位でチェッカーを受けて見事デビューレースでポイントを獲得しています。

◎今季も(MotoGP)
○開幕戦カタールGP2日目は,各クラスの予選とMotoGPクラスのスプリントレースが行われました。
MotoGPクラスのスプリントレースは,ポールからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンが好スタートを切ってトップに立ちました。昨季スプリントレースで圧倒的な速さを見せたマルティンは,それを彷彿させるように最後までその座を守りきってトップでチェッカーを受け,今季もスプリントレースでの活躍が予想される結果となっています。4番グリッドからスタートしたレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーは,好スタートを切って2位に浮上しました。マルティンとトップ争いがあったものの,最後まで抜くことはできずに2位の座をキープし続け,そのままチェッカーとなりました。ドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアとアプリリア・レーシングのA.エスパルガロとの間で3位争いとなりましたが,バグナイアから3位の座を奪ったエスパルガロがそのまま突き放し,やや差を広げてゴールしています。表彰台を獲得したマシンを見ると,海外3メーカーが分け合った形となっています。今季も海外メーカーとの差を見せつけられている日本メーカー勢ですが,その中でトップとなったのはモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの12位でした。LCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,下位争いに終始して19位でのチェッカーとなっています。
Moto2クラスの予選は,ファンティック・レーシングのA.カネトが速さを見せ,2番手にコンマ1秒の差をつけて昨シーズン最終戦からの連続となるポールを獲得しました。2,3番手タイムは,それぞれスピードアップ・レーシングのA.ロペス,QJモーター・グレシーニMoto2のA.アレナスでした。フル参戦日本人ライダー勢は奮わず,MTヘルメッツMSIの小椋藍がトップからおよそコンマ9秒遅れで13番手,今回がMoto2クラスデビューレースとなるヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢はQ1で敗退となり,今日行われる決勝レースは25番グリッドからのスタートとなります。
Moto3クラスは,レッドブル・ガスガス・テック3のD.オルガドが速さを見せ,これまでのレコードタイムを1秒以上更新する走りを見せてポールを獲得しました。MTヘルメッツMSIのI.オルトラが3番手,レッドブルKTMアジョのJ.ルエダが3番手タイムをマークして予選が終了しています。フル参戦日本人ライダー勢は上位に顔を出すことができず,Q2進出を果たしたMTヘルメッツMSIの山中琉聖が15番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が18番手でした。リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生はQ1で敗退となり,19番グリッド獲得にとどまっています。

◎天候不良で(JRR)
○例年と比べてかなり早い時期に開幕を迎えたJRRですが,その開幕戦はSFとの併催となる2&4という形での開催となり,今回はJSB1000クラスのみのレースとなっています。初日はその予選が行われる予定になっていたのですが,昨日は全国的に低い気温となってしまい,会場である鈴鹿サーキットでも時折雪が舞うという天候となってしまいました。路面温度が低く,雪も舞うということで,かなりのパワーがある2輪の最高峰クラスにとっては危険な状況となってしまったため,4輪であるSFの方は予選が行われたものの,JSB1000クラスの方は残念ながら予選中止となってしまいました。とはいえ,今日行われる決勝レースのグリッドは決めておかなければなりませんから,開幕前日の金曜日に行われたART走行会のタイムで決勝グリッドを決めることになりました。その走行会でトップタイムをマークしていたのは,今シーズンから新規参入チームであるDUNLOP Racing Team with YAHAGIに所属して自身初のJSB1000クラスフル参戦となる長島哲太で,変則的な形ではありますが,その最初のレースでいきなりポール獲得となりました。ダンロップタイヤの開発を担っている同チームですが,ブリヂストンが幅をきかせているこのクラスでポール獲得となったわけです。元Moto2クラスフル参戦ライダーで,HRCの開発ライダーを務めている長島ですが,鈴鹿8耐では2年連続してポールと勝利を収めています。そうした彼の持つポテンシャルがいきなり出た今回のポール獲得となっています。2番グリッドを獲得したのは,ドゥカティの支援を受けて今シーズンからワークス仕様のPanigaleを駆ることになったDUCATI Team KAGAYAMAの水野涼でした。これまで一貫してスズキのマシンを駆ってきたTeam KAGAYAMAが,ドゥカティにチェンジしていきなりのフロントロー獲得となったわけです。3番グリッドを獲得したのは,チームメイトである絶対王者の中須賀克行から何としてもタイトルを奪いたいYAMAHA FACTORY RACING TEAM 2の岡本裕生でした。ちなみに,YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀は,岡本に次ぐ4番グリッドとなっています。

◎初ポール(SF)
○例年と比べて1ヶ月ほど早い開幕となっているSFですが,上記したように,今回はJRRのJSB1000クラスとの併催となる2&4という開催形式を採っています。その予選が昨日行われましたが,会場となる鈴鹿サーキットは,これまた上記したように時折雪が舞い,気温,路面温度共に低いコンディションとなってしまいました。そのため,2輪の方は予選が中止となったものの,4輪であるSFの方は寒いコンディションの中で予選が行われました。Q2でタイムアタック合戦が繰り広げられましたが,その中でまずDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの太田格之進がトップタイムをマークしました。しかし,その後にアタックをしたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの阪口晴南がおよそコンマ1秒太田を上回るタイムをたたき出しました。その阪口に続いて,元2年連続王者であるTEAM MUGENの野尻智紀が阪口のタイムを上回るべくアタックを敢行しました。しかし,野尻は自身がQ1でマークしたタイムより遅れを取る走りとなってしまい,阪口が自身初となるポールを開幕戦で獲得しました。2,3番グリッドは,それぞれ太田と野尻となっています。今シーズン最も注目を集めているSF初の女性ドライバーであるTGM Grand PrixのJujuは,Q1で敗退となり,アイムアタックするタイミングがなかったこともあってトップから5秒弱遅い19番手となっています。
2024/03/09(土)
◎2戦連続(F1)
○第2戦サウジアラビアGPの予選が,照明に照らされたジェッダ・コーニッシュ・サーキットで行われました。開幕戦でポールを獲得したレッドブルのM.フェルスタッペンは,今回の予選でも速さを見せ,2番手にコンマ3秒以上の差をつけて最速タイムを刻み,2戦連続してポールを獲得しました。一旦はレッドブルのS.ペレス2番手タイムをマークして,レッドブルによるワンツーかと思われる時間帯もありましたが,最終アタックでフェラーリのC.ルクレールがペレスを上回って2番手タイムとなり,フロントローの一角を奪いました。ルクレールに逆転されたペレスは,ファイナルアタックでルクレールを上回ることができず3番グリッド獲得となっています。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,前回のレースでたまっている鬱憤を晴らすかのような走りを見せ,見事Q3進出を果たしました。ファイナルアタックでアストンマーティンのL.ストロールを上回り,見事9番グリッドを獲得しています。なお,フェラーリのC.サインツは,体調不良を抱えながらも初日は走行しましたが,その後,その原因が虫垂炎(盲腸)であることが判明して急遽手術することになって欠場することになり,彼の代役として併催で行われているFIA F2に参戦していて,フェラーリのテストドライバーを務めているO.ベアマンが代役で出場することになりました。F1デビューとなるベアマンは,突然の走行にもかかわらずQ1は突破し,Q2で敗退とはなったものの,11番グリッド獲得と健闘しています。

◎砂漠の地ながら(MotoGP)
○例年より早くMotoGPが開幕し,その開幕戦は再びカタールGPとなっています。今シーズンからMotoGPクラスは初日にFP1走行後プラクティスを行い,そのタイムで2日目に行われる予選のQ1,Q2進出者を振り分けることになっています。ところが,砂漠の中に位置しているルサイル・インターナショナル・サーキットが会場ですので,多くの場合ドライコンディションで大会は進行していきますが,この日はFP1こそドライだったものの,Moto3クラスのFP2が終了する間際に雨に見舞われてしまいました。その後雨は止んだものの,以後の走行はフルウェットとなり,安全確保のため,MotoGPクラスのプラクティスをFP2に変更し,2日目にプラクティスを行うこととなりました。なお,Moto3クラスは2回目の走行がトータルとして速くなっていますが,Moto2とMotoGPクラスはドライだった最初の走行が総合のタイムとなっています。
MotoGPクラスで総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズン最終戦までタイトル争いに絡み,今季こそタイトル獲得を目指しているプラマック・レーシングのJ.マルティンでした。アプリリア・レーシングのA.エスパルガロが総合2番手でしたが,マルティンからわずか1000分の47秒遅れでした。今シーズン唯一の新顔となる昨年のMoto2クラスチャンピオンであるレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタは,ステップアップして初めての大会にもかかわらず,総合3番手という見事なデビューを果たしています。ホンダと1年契約を残して移籍となっているグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスは,初日総合4番手と好発進をしていますが,ウェットとなったFP2ではトップタイムをマークしています。今季も唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,FP1,FP2共にブービーとなる21番手で初日を終えています。この日最下位だったのは,プライベート走行で頭を強打したため,その後に予定されていたオフィシャルテストを欠場することになり,今回が今年初走行となるプラマック・レーシングのF.モルビデリでした。今年初走行ということだけでなく,昨シーズンまでヤマハワークスに所属し,今季からドゥカティ陣営に加わっているというハンディを負っていますので,トップから2秒以上遅れたのも致し方ないところでしょう。
Moto2クラスは,大会前に行われたヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで行われた今年最初のオフィシャルテストで総合トップとなったスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが,サーキットこそ違え,ここでも速さを見せて初日総合トップに立ちました。トップからわずか1000分の34秒遅れで,RWレーシングGPのZ.ファン・デン・グールベルフが総合2番手となっています。総合3番手タイムは,レッドブルKTMアジョのC.ビエッティでした。今シーズンからMTヘルメッツMSIに移籍している小椋藍は総合10番手,今季からMoto2クラスにステップアップしているヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は総合24番手タイムでした。
唯一2回の走行ともドライでのタイムとなったMoto3クラスですが,トップ8までがこれまでのレコードタイムを更新する走りを見せました。その中で初日総合トップに立ったのは,レッドブル・ガスガス・テック3のD.オルガドでした。そのオルガドからわずか1000分の63秒遅れで,レオパード・レーシングのA.フェルナンデスが総合2番手となっています。総合3番手タイムは,リバコールド・スナイパーズ・チームのM.ベルテッレでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,今季から古巣であるMTヘルメッツMSIに所属している山中琉聖の12番手が最高位で,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が17番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が19番手で初日を終えています。
2024/03/08(金)
◎僅差(F1)
○開幕からいきなり2週連続開催となるF1ですが,昨日からその2つ目のレースとなる第2戦サウジアラビアGPが開幕しました。開幕戦と同じく,今回も土曜日に決勝レースが行われるため,木曜日からの開催となります。また,前回と同じく,レース自体照明に照らさせる中で行われるナイトレースとなっています。
初日は2回のフリー走行が行われ,この日の総合トップタイムをマークしたのはアストンマーティンのF.アロンソで,唯一1分28秒台のタイムをマークしてのトップでした。とはいえ,アロンソからの遅れが1秒以内というドライバーも多く,トップ14までがそれに該当して僅差となっていました。その中で総合2,3番手タイムだったのは,それぞれメルセデスAMGのG.ラッセル,FP1ではトップタイムだったレッドブルのM.フェルスタッペンでした。開幕戦でワンツーフィニッシュとなったレッドブルですが,2位でチェッカーを受けたS.ペレスは,この日の総合5番手タイムでした。その開幕戦でポイントを獲得することができなかったRB勢ですが,チェッカー後の振る舞いに問題があった角田裕毅は総合11番手,角田にポジションを譲ってもらったものの,ポイント獲得までは至らなかったD.リカルドは,ブービーとなる19番手で初日を終えています。
2024/03/07(木)
◎ぎりぎりで(SF)
○今週末はレースが目白押しで,今日からF1の第2戦サウジアラビアGPが始まり,明日からはMotoGPの開幕戦カタールGPが,そして,国内ではJRRのJSB1000クラスとSFの開幕戦が2&4という形で始まります。というように,SFにとってはまさに開幕直前といった状況なのですが,そうした中にもかかわらず,ホンダ陣営の1つであるTGM Grand Prixに関しては,今季大きな話題の一人である19歳の女性ドライバーであるJuju(野田樹潤)を起用することは決まっていたものの,そのチームメイトが誰になるのかが未定のままの状態でした。2月下旬に行われた公式テストではR.ハイルマンを起用しましたが,彼自身認めていたように,誰を起用することになるのかテストの一環としてのものでした。それ以降も発表が行われていない状況が続いていましたが,3月5日(火)にチームのオフィシャルX(旧Twitter)で発表があり,今季SGTにARTAからフル参戦することは決まっていた松下信治を起用することが決定しました。彼が駆ることになる同チームの55号車については,昨年12月に行われた合同/ルーキーテストにおいて松下とL.リンドがマシンをシェアする形でステアリングを握っていました。つまり,先日のハイルマンと合わせて3人がテストした結果,松下がシートを得たということになるわけです。今回ぎりぎりの段階でSFのシートを獲得することができた松下は,ホンダの育成ドライバーとしてGP2/FIA F2にフル参戦し,当時はF1に最も近い日本人ドライバーというように言われていました。そして,実際に2016年からの2年間,当時ホンダと提携関係にあったマクラーレンのテストドライバーを務めています。しかし,最終的にF1のシートを得ることができずに終わり,戦いの場を国内に移してSFやSGTにフル参戦してきました。一昨年シーズンからはB-MAX Racing Teamに所属していて,昨シーズンはようやく最終戦で7位入賞を果たしています。今回の発表により,ようやく今季SFにフル参戦するシートが全部埋まって無事開幕戦を迎えることになります。
2024/03/06(水)
◎契約延長(MotoGP)
○今週末はいよいよMotoGPの開幕を迎えますが,それを前にした3月4日(月)にドゥカティ・コルセから契約延長に関する発表がありました。今シーズンのMotoGPクラスは,チーム間の移籍はありましたが,昨シーズンと比べてライダー自体の変更はガスガスの1人のみ(P.エスパルガロがテストライダーとなり,Moto2クラスからP.アコスタが昇格。)でした。移籍劇自体は激しいものがありましたが,メンバーとしては結果的にほぼ無風だったわけです。しかし,今シーズン末に関しては,ほとんどのライダーの契約が切れますので,来季のシート獲得競争が激化することは間違いありません。それだけに,タイトル争いの行方と共に,来季のシートを誰が獲得することになるのかについても注目となります。今季で契約が切れるライダーの一人が,2年連続チャンピオンに輝いていて,事前テストでも速さを見せたドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアです。今回のドゥカティの発表は,このバグナイアとの契約延長成立で,延長期間は2026年末までの2年間となっています。今回契約延長が成立したバグナイアは,2019年にMotoGPクラスへ昇格し,ドゥカティのインディペンデントチームであるプラマック・レーシングに所属しました。そこで2年間所属した後,ついに2021年シーズンにドゥカティワークスへ昇格しました。そして,昇格2年目で初タイトルを獲得し,最終戦までもつれ込んだ昨シーズンのタイトル争いを制して2年連続チャンピオンに輝いています。来季については,昨シーズンまでににレッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダー(2026年シーズン末まで),LCRホンダ・カストロールのJ.ザルコとレプソル・ホンダ・チームのL.マリーニ(いずれも2025年シーズン末まで)の契約がそれぞれ成立していますので,今回のバグナイアを含めて4つのシートが埋まったことになります。
2024/03/05(火)
◎初優勝&独占(WEC)
○今シーズンのWECシリーズは,トップカテゴリーであるHYPERCARクラスには4メーカーが新たに加わり,全てのクラスを総合すると全部で14メーカーが参戦するという活況を呈しています。その開幕戦の決勝レースが,カタールにあるルサイル・インターナショナル・サーキットにおいて3月2日(土)に行われました。今回の開幕戦となる大会は『カタール1812q』という大会名で,とても中途半端な走行距離名となっています。これには訳があって,開幕の地であるカタールの建国記念日が12月18日で,これにちなんでの名称になっているようです。もちろん本当に1812q走行するわけではなく,実際には335周もしくは10時間で争われることとなります。この開幕戦で速さを見せたのはポルシェ963でした。その中で5番グリッドからスタートしたK.エストーレ&A.ロッテラー&L.ファントール組が駆るポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車がポジションを上げて行き,スタートからおよそ1時間半過ぎについにトップに立ちました。その後,接触されて緊急ピットインすることはありましたが,大事に至ることなくトップを守ることができ,その順位を守ってチェッカーを受けました。その後ろでは,W.スティーブンス&C.アイロット&N.ナト組が駆るハーツ・チーム・JOTAのポルシェ963と,M.イェンセン&N.ミューラー&J-E・ベルニュ組が駆るプジョー・トタルエナジーズのプジョー9X8との間で2位争いが展開されていきました。ファイナルラップまで続いた2位争いでしたが,リアウィングが無いという独特な形状をしているプジョー9X8がついに表彰台獲得かと思われる中,何とそのファイナルラップでガス欠に見舞われてしまって走りきることができず,ハーツ・チーム・JOTAが2位表彰台を獲得しました。プジョーの脱落により,4位を走行していたM.キャンベル&M.クリステンセン&F.マコウィッキ組が駆るポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ5号車が3位となりました。この結果,ポルシェ963が初優勝&表彰台独占という完勝となりました。ディフェンディングチャンピオンのトヨタ・ガズー・レーシングはコースとの相性が全くよくなかったようで,ウィークに入ってからずっと苦戦し続けていました。決勝レースでも優勝争いに絡むことができず,最終的にM.コンウェイ&小林可夢偉&N.デ・フリース組のトヨタGR010ハイブリッド7号車が6位,昨年のチャンピオンであるS.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組のトヨタGR010ハイブリッド8号車が9位という結果に終わっています。
2024/03/04(月)
◎史上初(F1)
○3月2日(土)に第1戦バーレーンGPの決勝レースが行われ,レッドブルのM.フェルスタッペンが2位に22秒以上の大差つける独走で開幕戦を制しました。このレースでのフェルスタッペンは,優勝とファステストラップを記録したことにより,優勝ポイント25とファステストラップ達成者に与えられる1ポイントの合計26ポイントを獲得しました。チームで見ると,2位にS.ペレスが入っていますので,この大会におけるレッドブルは,1つのレースでチームが獲得可能となるポイントの44をゲットしたことになります。フェルスタッペンの記録はポイントの面だけでなく,優勝とファステストラップに加え,オープニングラップからトップに立つと,全ての周回をトップで通過しましたので,レースにおけるグランドスラムを達成したことになります。開幕戦でグランドスラムを達成したのは,2004年にフェラーリのM.シューマッハが達成して以来ちょうど20年ぶりとなります。こうした個人的な記録だけでなく,大会自体が史上初の快挙を達成しています。それは,多少のアクシデントはありましたが,全車が最後まで走り抜いてチェッカーを受けたことです。開幕戦において全車完走となったのは,長いF1の歴史の中で初となります。開幕戦は,マシン,ドライバー,そしてチームと,当然のことながらいずれもシーズン初の走行となります。それだけに,マシントラブルに見舞われたり,コースオフやマシン同士の接触といったアクシデントが起こったりする可能性が最も高い大会となります。それだけに,今回の記録は十分評価されるべきものだと言えるでしょう。まあ,ビザ・キャッシュアップRBの采配に関しては,決して評価できると言えるものでなかったことは確かですけど・・・。とはいえ,レース後の角田の行為については,現時点における彼の短所が出ているとも言えますね。
2024/03/03(日)
◎圧勝(F1)
○開幕戦バーレーンGPの決勝レースが,ナイトレースとして照明に照らされたバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。今年最初のポールシッターとなったのはディフェンディングチャンピオンであるレッドブルのM.フェルスタッペンですが,そのフェルスタッペンは好スタートを切ってトップの座を守りました。その後ろではフェラーリ勢やメルセデスAMGのG.ラッセルなどの争いがありましたが,徐々に順位を上げてきたのがレッドブルのS.ペレスでした。レッドブル勢の速さは他のマシンより群を抜いていて,フェルスタッペンはどんどん独走態勢を築いていき,ペレスは他のマシンを交わしていって2位にまで浮上し,そのまま順調にワンツー態勢を維持していきました。最終的にフェルスタッペンはペレスに22秒以上の大差をつける独走でトップチェッカーを受け,開幕戦をポールトゥーフィニッシュで飾りました。トップとは大差がつきましたが,ペレスは3秒近い差をつけて2位でチェッカーを受け,レッドブルがこの大会を圧勝で飾りました。一時はチームメイト同士によるバトルとなったフェラーリでしたが,今季限りでチームを去ることが決まっているC.サインツがルクレールとの差をつけて単独走行で3位表彰台を獲得しています。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,ポイント圏内を走行していたものの,タイヤ交換のタイミングやタイヤ選択といったチーム側の作戦ミスと思われることがあってポイント圏外に落ちていきました。さらに,終盤に入ってちょっとだけペースが速かったチームメイトのD.リカルドを前に行かせるようチームからオーダーが出て,最終的に14位でのチェッカーとなってしまいました。角田から順位を譲ってもらったリカルドでしたが,本来はペースを上げて行ってポイント獲得を目指していくところだったのでしょうが,元々その作戦には無理があって思うように行かず,最終的に角田の前の13位でチェッカーを受けています。今季から新たな態勢で臨んでいるRBですが,タイヤ交換のタイミングやチームオーダー等の作戦ミスでポイント獲得の可能性を有していた角田を後ろに下げてしまうというところがあったように感じますので,新たな態勢にやや不安を感じさせる開幕戦となった印象です。
2024/03/02(土)
◎今季も?(F1)
○開幕戦となる第1戦バーレーンGPの予選が,照明に照らされる中バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。今季最初のポールシッターとなたのは,昨シーズン圧倒的な強さと速さを見せてタイトルを防衛したレッドブルのM.フェルスタッペンで,自身33回目のポール獲得となります。やはり,今季も彼がタイトル争いの中心に来ることは間違いないことでしょう。Q2をトップタイムで通過してQ3を迎えたフェラーリのC.ルクレールでしたが,フェルスタッペンからおよそコンマ2秒遅れの2番手タイムでした。予選3番手タイムとなったのは,メルセデスAMGのG.ラッセルでした。レッドブルのS.ペレスは,5番手タイムで予選を終えています。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,Q3進出まであと一歩となる11番手でしたが,何とわずか1000分の7秒足らずにQ2敗退となっています。チームメイトのD.リカルドは,角田と同じくQ2で敗退して14番手となっています。

◎更新続出(MotoGP)
○3日間にわたって第4戦スペインGPの開催地であるヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで行われた中・軽量級クラスのオフィシャルテストでしたが,その最終日の走行が行われました。
Moto2クラスで最速タイムを刻んだのはスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルで,非公式ながらこのサーキットのラップレコードを更新してのトップタイムでした。このレコード更新は彼だけでなく,トップ8のライダーが記録しています。先日行われたMotoGPクラスのテストでも非公式で記録更新が続出していましたので,やはりマシンの熟成が進んでいることは間違いないのでしょうね。総合2,3番手タイムは,それぞれオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツ,QJモーター・グレシーニMoto2のM.ゴンザレスでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの小椋藍が10番手,今季からこのクラスにステップアップしているヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は27番手タイムで今回のテストを終えています。
Moto3クラスも同様に非公式ながらラップレコードを更新するライダーが続出し,全部で15台がそれを記録しています。その中でトップタイムをマークしたのはレッドブルKTMアジョのJ.アントニオ・ルエダで,何と1.7秒以上のタイム更新となります。総合2,3番手タイムは,それぞれCFモト・アスパー・チームのD.アロンソ,MTヘルメッツMSIのI.オルトラでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,オルトラのチームメイトである山中琉聖が4番手,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が15番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽が22番手でテストを終了しています。
これで今年最初のオフィシャルテストは終了し,次回はいよいよ開幕戦カタールGPとなります。
2024/03/01(金)
◎ワンツー発進(F1)
○今季最初のレースとなる第1戦バーレーンGPがバーレーン・インターナショナル・サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。通常の大会ですと,金曜日が初日となり,日曜日に決勝レースが行われますが,この大会は決勝を3月2日(土)に行うため,通常より1日早い木曜が開幕にとなっています。2回のフリー走行の内でFP2は,2日目以降に行われる予選や決勝の走行時間に近い中での走行となりますので,当然このFP2の方が重要となってきます。FP2では,早い段階でタイムアタックを敢行し,後半はロングランという流れにどのチームもなっていきました。そうした中でこの日の総合トップタイムをマークしたのは,既に今シーズン限りでチームを去ることが決まっているL.ハミルトンでした。総合2番手タイムをG.ラッセルがマークし,初日はメルセデスAMG勢によるワンツーとなりました。総合3番手タイムをマークしたのは,昨シーズン好調な走りを見せていたアストンマーティンのF.アロンソでした。昨シーズン圧倒的な強さと速さを見せてタイトルを獲得したレッドブルのM.フェルスタッペンは,トップからコンマ5秒弱遅れの6番手タイムでした。トップ8までが1分30秒台でしたが,レッドブルのS.ペレスは10番手タイムで初日を終えています。ビザ・キャッシュアップRB勢はFP1で速さを見せ,D.リカルドがトップタイム,角田裕毅が4番手でした。しかし,各車タイムアップしていったFP2では,リカルドが12番手,角田が15番手となっています。

◎2日連続(MotoGP)
○3日間にわたって行われている中・軽量級クラスのオフィシャルテストですが,昨日その2日目の走行が行われました。
Moto2クラスは,初日の総合トップだったファンティック・レーシングのA.カネトが速さを見せ,2日連続しての総合トップとなりました。前日に総合2番手だったオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツが,カネトと同じように2日連続して総合2番手となっています。前日総合4番手だったスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが,1つ順位を上げて総合3番手タイムとなっています。この日のセッション2でトップタイムだったMTヘルメッツMSIの小椋藍は,最終的に5番手タイムでした。今季ステップアップを果たしているヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,23番手タイムで2日目の走行を終えています。
Moto3クラスは,前日総合トップに立ったCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが,この日も速さを見せて2日連続して総合トップに立ちました。前日総合2番手タイムだったレッドブルKTMアジョのJ.ルエダが,この日も同じ総合2番手タイムでした。前日に総合4番手タイムだったリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが,1つ順位を上げて総合3番手となっています。奇しくも,Moto2クラス,Moto3クラスも,総合トップ3は前日と比べると同じ結果となっています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が総合5番手,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生は総合16番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は総合21番手で2日目の走行を終えています。
 

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