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2024/04/30(火) ◎今季最初(MotoGP) ○週末に行われた第4戦スペインGPの決勝レースは,ディフェンディングチャンピオンであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが開幕戦以来となる勝利を収め,今季からドゥカティ陣営に移籍したグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスが復活ののろしを上げるかのような走りを展開して2位フィニッシュを果たしました。さらに,ドゥカティ陣営は,トップ2だけでなく,トップ5を独占するという圧倒的な速さを見せました。そうした今まさに黄金期を迎えているドゥカティですが,コンセッション(優遇措置)のレギュレーションにより,マシン開発に様々な制限が課せられています。実際,スペインGPでは,KTM,ヤマハ,ホンダがワイルドカード参戦ライダーを投入しましたが,ドゥカティは今季そのワイルドカード参戦が認められていません。そうしたドゥカティにとって,シーズン中に行われるオフィシャルテストがマシン開発を行う上で貴重な機会となっています。その今季最初となるシーズン中のテストが,スペインGPの会場であるヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで昨日行われました。このテストでは,各メーカーとも新たなシャーシや空力関連のもの等,新たなパーツを投入したり,型落ちのマシンを使用しているライダーによっては現行のマシンのセッティングや完熟に務めたりしました。そのような中,この日の総合トップタイムをマークしたのは,スペインGPで7位フィニッシュを果たしていて,型落ちのマシンを使用しているドゥカティのサテライトチームであるペルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームのF.ディ・ジャンアントニオでした。総合2番手は,第3戦アメリカズGPで完勝したアプリリアワークスであるアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスでした。総合3番手タイムをマークしたのは,昨シーズンをもってヤマハワークスと袂を分かち,今シーズンから新たにドゥカティ陣営に加わったプリマ・プラマック・レーシングのF.モルビデリでした。そのモルビエリは,シーズン前にトレーニング中に怪我を負い,開幕前に2回行われたオフィシャルテストを全て欠場していました。ヤマハからドゥカティへの乗り換えが必要な状況にもかかわらず,貴重な走行機会を失っていただけに,今回のテストはマシン開発だけでなく,自身の完熟のためにもいい機会となったのではないでしょうか。スペインGPでトップだったバグナイアは総合4番手,2位だったマルケスが総合5番手となっていて,トップ5の内4台をドゥカティが占めるという結果となっています。相変わらず不振の日本メーカー勢では,モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのA.リンスの総合14番手が最高位でした。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,新たなプロトタイプマシンを駆ったりしてテストに臨み,ホンダ勢としては最高位となる総合16番手でテストを終えています。 なお,シーズン中に行われる今季のオフィシャルテストは,全部で3回行われる予定になっていて,2回目は6月開催の第7戦イタリアGP後にムジェロ・サーキットで,3回目は9月開催の第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP後にミサノ・ワールド・サーキット−マルコ・シモンチェリで行われます。 |
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2024/04/29(月) ◎接触しながらも(MotoGP) ○第4戦スペインGPの決勝レースが,前日と変わってドライコンディションとなったヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで行われました。 MotoGPクラスは,ポールからスタートしたグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスが好スタートを切ってトップの座を守りました。そのマルケスよりもよいスタートを見せたのが,7番グリッドからスタートとなったドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアでした。そのバグナイアは,オープニングラップの最終コーナーでマルケスを交わしてトップに立ちました。マルケスも負けじとバグナイアを攻めましたが,ラインを外して後ろを走っていたプラマック・レーシングのJ.マルティンに抜かれて3位に落ちてしまいました。バグナイアとマルティンのトップ争いとなり,そのバトルはマルティンが制してトップに立ちました。その後も2人のバトルは続いていきましたが,何とトップ走行のマルティンが11周目のバックストレートエンドのブレーキングで転倒をしてリタイアとなってしまいました。ペルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームのM.ベッゼッキとマルケスとの3位争いとなっていたのですが,この争いからマルケスが抜け出すと,単独走行となっていたバグナイアとの差を徐々に詰めていきました。そして,マシンとマシンが接触するような激しいバトルとなりましたが,幸いなことに両者は転倒することなく走り続け,ディフェンディングチャンピオンのバグナイアがスパートをかけてマルケスとの差を少し広げ,そのまま逃げ切って開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。惜しくも2位となったマルケスですが,ドゥカティ移籍以来決勝レースで表彰台に上るのはこれが初となります。トップ争いに2台からは遅れを取りましたが,ベッゼッキは単独走行で3位表彰台を獲得しています。前日に行われたスプリントレースでは,わずかに残っていたウェットパッチに足元をすくわれたりして次々にリタイアするライダーが出ましたが,ドライとなった決勝レースでもリタイアが続出し,最終的に17台が完走となりました。その中の1人が唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶で,ポイント圏内となる14位でレースを終えています。 Moto2クラスは,ポールからスタートしたスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが7周目にレースをリードすると,そのまま逃げ切って今季初優勝をポールトゥーフィニッシュで飾っています。11番グリッドからスタートしたオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツは,徐々にポジションを上げていき,最終的に3戦連続となる2位表彰台を獲得しました。これにより,このロバーツがランクトップに躍り出ています。3位には,4番グリッドからスタートしてホールショットを決める走りを見せたベータツールズ・スピードアップのF.アルデグエルが入っています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,予選で奮わず17番グリッドからのスタートとなったMTヘルメッツMSIの小椋藍は,周回を重ねる毎にポジションを少しずつ上げて行き,最後は6位でチェッカーを受けています。もう1人のフル参戦ライダーであるヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,前日の転倒の影響でドクターから出走の許可が下りず,手術明けとなった前回のレースに続いて,今回もレースをキャンセルしています。 Moto3クラスは,3番グリッドからスタートしたリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーと2番グリッドからスタートしたボエ・モータースポーツのD.ムニョスとの間で激しいトップ争いがファイナルラップまで持ち越されました。トップ走行のベイヤーはムニョスの追撃を交わしてその座を守り抜き,嬉しい今季初優勝を飾っています。7番グリッドからスタートしたMTヘルメッツMSIのI.オルトラが,後ろとの差を大きく広げて3位でチェッカーを受けています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの山中琉聖は,トップ争いからは離されてしまいましたが,終始上位争いに加わっていって4位でチェッカーを受けています。予選で苦戦して21番グリッドからのスタートとなったホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,ややポジションを上げて17位でチェッカーを受けています。9番グリッドと好位置からのスタートとなったリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生でしたが,マシンに不具合が生じて途中でピットインし,再出走はしたものの大きく順位を下げて25位でレースを終えています。 |
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2024/04/28(日) ◎大荒れ(MotoGP) ○第4戦スペインGPの各クラス予選とMotoGPクラスのスプリントレースが,フルウェットから徐々に路面が乾いていくという難しいコンディションとなったヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで行われました。 MotoGPクラスのスプリントレースは,所々にウェットパチが残っているものの,ドライタイヤでの走行となりました。スプリントレースは周回数が少ないため,やや無理をして追い越しをかける傾向にあり,その分接触が増えるところがあります。さらに,スリックタイヤを履いてウェットパッチの部分を走行せざるを得ない分,スリップダウンという危険性と隣り合わせになります。そうしたことからマシン同士が軽く接触したり,同じコーナーで複数台が同時にスリップダウンしたりというようなアクシデントが続出してしまいました。今回はワイルドカード参戦が3台あるため,出走台数は全部で25台だったのですが,完走台数が16台というサバイバルレースとなってしまいました。その中で優勝したのは,このスプリントを得意とするプラマック・レーシングのJ.マルティンでした。最初は独走状態に持ち込んでいたマルティンでしたが,自身93回目となるポールを獲得したグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスにトップを奪われるという状況がありました。しかし,マルティンとの差を広げつつあったマルケスが足元をすくわれて転倒を喫し,再びマルティンがトップに立ちました。その後ろでは,単独での多重クラッシュが発生する波乱があったりしてレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタが2位に浮上しました。次々にリタイアが出たりして3位に浮上してきたのが,来季以降もチーム残留が既に決定しているモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロでした。そのクアルタラロを抜くべく後ろでプッシュしていたのが,何とワイルドカード参戦しているKTMのテストライダーであるD.ペドロサでした。マルティンとアコスタが単独走行でチェッカーを受ける中,2人のバトルは最後まで続いていき,クアルタラロがペドロサの追撃を交わし続けて3位表彰台を獲得しました。今季も不振にあえぐ日本メーカー勢ですが,今回のクアルタラロでようやく日本メーカーとしては今季初となる表彰台を獲得となります。惜しくも4位に終わったペドロサでしたが,それにしてもサバイバルレースを生き抜き,表彰台争いに絡む走りを展開したのは見事としかいいようがありません。後方に沈んでいたLCRホンダ・イデミツの中上貴晶でしたが,その前を走るライダーが次々にリタイアする中,最後まで走りきってチェッカーを受け,今季自己最高位となる11位でチェッカーを受けています。 上記はレース終了後すぐの状況だったのですが,波乱のレースはレース後にも新たな展開が待っていました。レース後に行われた車検において,レギュレーションで決められているレース後に残っておかなければならないタイヤの空気圧違反が見つかり,5人のライダーに対して8秒加算のペナルティーが科されることになりました。その5人とは,3位のF.クアルタラロ,6位のR.フェルナンデェス,13位のF.ディ・ジャンアントニオ,14位のJ.ミラー,15位のA.リンスです。その結果,今季日本メーカー初の表彰台となったクアルタラロが5位降格となったため,何とワイルドカード参戦のペドロサが3位表彰台を獲得するという見事なリザルトを挙げました。また,中上についても順位が変更となり,今季自己最高位が1つ上がって10位となっています。さらに,トップを走りながら転倒したマルケスは,リスタートができていたのですが,最終的にリザルトは5位となっています。 Moto2クラスの予選は,スピードアップ・レーシングのF.アルデグエルがトップタイムをマークし,昨年の第18戦マレーシアGP以来のポールを獲得しています。2番手タイムをQJモーター・グレシーニMoto2のA.アレナスがマークし,こちらは昨年の第17戦タイGP以来のフロントローとなっています。3番手タイムをCFモト・アスパー・チームのJ.ディクソンがマークし,こちらは昨年の第14戦日本GP以来のフロントローとなっています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,プラクティスでは総合5番手と好結果だったMTヘルメッツMSIの小椋藍でしたが,この予選ではタイムが上がらず,Q2の中では最下位となる17番手でした。今回から復帰しているヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,午前中のセッションで転倒を喫してしまい,検査を受けるため病院に行ったため,予選は欠場しています。今日行われる決勝レースがどうなるのかは,現段階では情報を得ていません。 Moto3クラスの予選は,予選までのセッション全てでトップタイムだったCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが予選でも速さを見せ,2戦連続となるポールを獲得しています。2,3番手はそれぞれボエ・モータースポーツのD.オンジュ,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが獲得しています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの山中琉聖とリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生がQ2に進出していて,山中が5番手,鈴木が9番手でした。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽はQ1で敗退となり,21番グリッド獲得にとどまっています。 |
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2024/04/27(土) ◎レコード更新して(MotoGP) ○第4戦スペインGPがヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで開幕し,初日は2回のプラクティスが行われました。 MotoGPクラスは,2年連続タイトルを獲得しているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,自らの持つレコードタイムを更新して初日総合トップに立ちました。現在ランク5位に沈んでいるディフェンディングチャンピオンのバグナイアだけに,反撃ののろしを上げた初日となっています。前戦で予選,スプリントレース,決勝レースと全てトップで終わっているアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスが,転倒を喫したりしながらも,バグナイアからコンマ1秒遅れの総合2番手タイムをマークして好調さを維持しています。プラクティス1で2番手タイムだったグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケスは,順位こそ1つ下げたものの,プラクティス2で総合3番手タイムとなっています。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,ホンダ勢としては最高位となる16番手で初日を終えています。 Moto2クラスは,前戦の母国GPで2位表彰台を獲得しているオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツが,こちらも好調さを維持しているかのようにこの日の総合トップタイムをマークしています。午前中の走行でトップタイムをマークしたスピードアップ・レーシングのA.ロペスが,午後は順位を落としたものの,午前のタイムで総合2番手タイムとなっています。午後の走行で2番手タイムだったF.アルデグエルがこのタイムで総合3番手タイムとなり,スピードアップ・レーシングが総合2,3番手につけました。フル参戦日本人ライダー勢ですが,MTヘルメッツMSIの小椋藍は,トップからおよそコンマ3秒遅れで5番手でした。腕上がりを解消するため手術を受け,回復が十分でないことから前戦を欠場していたヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,今回から復帰して18番手で初日を終えています。 Moto3クラスは,前戦でポールトゥフィニッシュを果たしているCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが,これまでのレコードタイムを更新する走りを展開して初日総合トップに立ちました。トップからおよそ1秒とだいぶ離されてしまいましたが,総合2番手タイムはレッドブル・ガスガス・テック3のJ.ルールストーンがマークし,自身最高位につけました。そのルールストーンから1000分の83秒遅れで,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPのC.ベイヤーが総合3番手でした。フル参戦日本人ライダー勢はトップ10圏内に入ることができず,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が11番手,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が12番手,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は16番手で初日を終えています。 |
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2024/04/26(金) ◎別の形で(SBK) ○SBKにフル参戦しているカワサキ・レーシング・チームから発表があり,来季からBIMOTA(ビモータ)とカワサキで参戦することを発表しました。つまり,カワサキとしてのワークスによるフル参戦を終了し,別の形でSBKへの参戦を継続することになったわけです。13年間にわたってSBKにおいて活動を継続してきたカワサキは,その間7度のライダータイトルを獲得しました。その中で特にJ.レイがチームに加入すると,2015年から2020年まで6連覇するという快挙を成し遂げました。しかし,それ以後はタイトル争いには絡むものの,タイトル獲得には至っていません。さらに,大きく貢献してきたレイは,昨シーズン限りでカワサキとの契約を解消し,今シーズからヤマハワークスへと転身しています。今回の発表によると,今季は『Kawasaki Racing Team WorldSBK』としてワークス参戦していますが,来季からは『Bimota by Kawasaki Racing Team』として再出発します。このチームのマシンは,ビモータ製のシャーシにカワサキ製のエンジン(Ninja ZX-10RRのもの)を搭載したものになります。今回カワサキとタッグを組むことになったビモータは,1966年にイタリアで始まったオートバイ製造メーカーです。シャーシからエンジンまで全てのものを製造するというより,エンジンは他メーカーのものを採用し,そのエンジンを自社が開発したシャーシに搭載するという形を採っていました。その間,ホンダ,ヤマハ,スズキ,カワサキの日本メーカーをはじめ,ドゥカティやBMWといったメーカーのエンジンを搭載してきました。また,SBKへの参戦をすることもありました。しかし,経営的には安定せず,倒産したり活動停止になったりしていました。2019年にカワサキとの合弁会社を設立し,カワサキがエンジンの供給と販売を請け負うという形を採っています。そうした流れの中で,今回の新たなレース活動へと繋がっていると言えるのではないでしょうか。 |
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2024/04/25(木) ◎全25台(MotoGP) ○明日から第4戦スペインGPがヘレス・サーキット−アンヘル・ニエトで開幕しますが,この大会には3人のライダーがワイルドカード参戦するため,レギュラーライダーを含めて全部で25台のマシンがグリッドに並ぶこととなります。今回ワイルドカード参戦することになるのは,既に4月18日(木)付けのこのページでもお伝えしているように,KTMのテストライダーで,昨シーズンのスペインGPでワイルドカード参戦して見事トップ10フィニッシュを果たしているD.ペドロサです。その他,2人目はアプリリアのテストライダーであるR.サバドーリ,3人目はホンダのテストライダーであるS.ブラドルとなっています。昨シーズンまでは1つの大会に最大2名のライダーしかワイルドカード参戦できませんでしたが,今季はコンセッションのレギュレーションが変更となり,最大3名まで出場が可能となっています。ちなみに,もし全部で4メーカーが1つの大会に希望を出した場合,前年のコンストラクタータイトルやライダータイトルで下位のメーカーが優先されることになります。また,今季における各メーカーのワイルドカード出場可能数ですが,昨シーズン圧倒的な強さでシーズンを席巻したドゥカティについては,年間を通して1台も出場ができません。つまり,ドゥカティのテストライダーであるM.ピロは,今季代役参戦しかできないということになります。他の4メーカー(KTM,アプリリア,ヤマハ,ホンダ)については,いずれも年間6回出場が可能で,前半戦,後半戦にそれぞれ3回ずつとなっています。今回ヤマハがワイルドカード参戦をしていませんが,テストライダーであるC.クラッチローがどの大会に出場するのかは今のところ情報を得ていません。 |
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2024/04/24(水) ◎ポイント制度変更か(F1) ○今週,スイスのジュネーブにおいてF1委員会の会合が開かれる予定になっていて,その会合にはFIA(国際自動車連盟)やF1の首脳陣,そして各チームなどが参加することになっています。報道によると,その会合の議題の中には,新たなポイント制度についてのものが入っているようです。現在のポイントはトップ10までに与えられるようになっていますが,これは2010年から導入されているものです。それ以前では,1991年からがトップ6まで,2003年からがトップ8までポイントが与えられるという制度が導入されていました。現在10チーム,20名のドライバーがフル参戦していますが,レッドブル,フェラーリ,マクラーレン,メルセデス,そしてアストンマーティンの上位5チームでポイントを分け合っているのが現状です。残りのRB,ハース,ウィリアムズ,アルピーヌ,そしてキック・ザウバーといった下位5チームは,上位のチームに何かあったときにポイント獲得のチャンスが生じているというような現状があるのも事実です。こうした現状は,下位チームのモチベーションをはじめ,スポンサーの獲得といった部分等に大きな影響を与えています。こうしたことから,ポイント制度変更を希望する声が上がっているということもあります。そこで,今回議論に上がっている変更が,上位12位までポイントを与えるというものです。この制度を変更するためには,賛成が過半数のチームにならなければならず,必然的に下位チームだけでなく上位チームの賛同を得る必要があります。しかし,大幅な変更となると上位チームの賛同を得にくくなるのも間違いありません。そこで,今回の変更の内容ですが,上位7位までにそれぞれ25,18,15,12,10,8,6ポイントが与えられるという点は変更されず,8位以下のポイントが変更となるというものになっています。具体的には,現行の8位から10位までのポイントがそれぞれ4,2,1となっているのに対し,新たな制度である8位から12位までのポイントはそれぞれ5,4,3,2,1となります。こうした内容であれば,上位5チームの中に賛同するところが出ても不思議はないでしょうから,今後の展開が気になるところです。 |
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2024/04/23(火) ◎今季初優勝(WEC) ○先週末,世界耐久選手権(WEC)の第2戦『イモラ6時間レース』の決勝レースが,不安定な天候となったにイタリアにあるアウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(イモラ・サーキット)で行われました。前日に行われた予選では,母国でのレースに燃えるフェラーリ勢が圧倒的な速さを見せ,A.フォコ&M.モリーナ&N.ニールセン組のフェラーリAFコルセ50号車がポールを獲得すると共に,2番グリッドがAFコルセ83号車,3番グリッドがフェラーリAFコルセ51号車となり,トップ3をフェラーリが独占しました。しかも,この3台だけが1分30秒を切るタイムで走行しています。フェラーリ優勝の可能性を感じる中でスタートを切ったレースですが,いきなり多重クラッシュが発生する波乱の展開となりました。その後は一旦落ち着いたレース展開となりましたが,雨の影響で難しい走行になったりしたことが原因で,アクシデントが発生してセーフティーカーが導入されたり,バーチャル・セーフティーカーが導入されたりと再び難しい展開となりました。そうした状況にフェラーリ勢がうまく対応できず,速さがありながら順位を下げる中,タイヤ交換を含めたピットインの作戦がうまくはまり,M.コンウェイ&小林可夢偉&N.デ・フリース組のTOYOTA GAZOO Racing7号車が順位を上げていき,ついにはトップに立ちました。それをK.エストーレ&A.ロッテラー&L.ファントール組のポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ6号車が追う展開となり,終盤に激しいトップ争いが展開されていきました。追い上げるために燃料を使ってきたTOYOTA GAZOO Racing7号車でしたので,最終盤は燃費走行に切り替えざるを得ず,ポルシェのアタックに我慢を強いられる状況となりました。7号車は最後までポルシェの前を走行し続け,6番グリッドスタートからの大逆転でトップチェッカーを受け,今季初優勝を飾りました。3位には,M.キャンベル&M.クリステンセン&F.マコウィッキ組のポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ5号車が入っています。予選8番手となかなかペースを上げることができなかったS.ブエミ&B.ハートレー&平川亮組のTOYOTA GAZOO Racing8号車は,粘り強く走り続けて5位でチェッカーを受けました。 |
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2024/04/22(月) ◎2人とも(F1) ○新型コロナウイルス感染拡大により5年ぶりとなった第5戦中国GPの決勝レースが,曇り空ながらドライコンディションとなった上海・インターナショナル・サーキットで行われました。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンは,好スタートを切ってホールショットを奪うと,後続との差を広げて行きました。前日に行われたスプリントレースを圧倒的な速さを見せて独走で優勝を果たしたフェルスタッペンは,決勝レースでも同じように他を圧倒する速さを見せていき,ピットインのタイミングのズレによってトップの座を譲ることはありましたが,それが落ち着いて以後は再度トップに立ち続け,最終的に2位に13秒以上の大差をつけてトップでチェッカーを受け,今季4勝目,通算58勝目をポールトゥーフィニッシュで達成しました。4番グリッドからスタートしたマクラーレンのL.ノリスは,ポジションを上げていって,フェルスタッペンがピットインしたときには見た目上のトップに立ちました。その後は再び2位となってこちらも単独走行となり,3位に5秒以上の差をつけてチェッカーを受けました。2番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ペレスは,スタートでポジションを下げてしまいましたが,5周目には2位に返り咲きました。その後,ピットインで順位を4位に下げたりしましたが,ポジションを1つ上げてゴールし,レッドブルが2人揃って表彰台に上りました。それに対してビザ・キャッシュアップRB勢は,2人揃って不運に見舞われてしまいました。20周目にキック・ザウバーのV.ボッタスがマシントラブルでコース脇にマシンを止めてリタイアとなったのですが,そのマシン改修に時間がかかったことからセーフティーカーが導入されました。回収が済んでリスタートとなったのですが,その直前にD.リカルドがアストンマーティンのL.ストロールに追突されるアクシデントに見舞われてしまいました。その時は何とかコースに留まって走行したのですが,その時のダメージによりペースを上げることができず,その後結局ピットに入ってそのままリタイアとなりました。リカルドがリスタート直前にアクシデントに見舞われたのに対し,角田裕毅はリスタート後にハースのK.マグヌッセンから追突されてダメージを負い,リカルドと同様こちらもリタイアとなってしまいました。角田にとっては,今季初のリタイアとなります。 |
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2024/04/21(日) ◎スプリントでも(F1) ○今季初となる第5戦中国GPのスプリントレースが,曇り空ながらドライコンディションとなった上海・インターナショナル・サーキットで行われました。今季のスプリントレースは,今回の中国GPを含めて全6戦となっています。今回のスプリントレースは19周で争われ,通常の決勝レースはタイヤ交換義務がありますが,スプリントではありません。また,周回数が通常より少ないですので,決勝レースが上位10台にポイントが与えられるのに対し,スプリントは上位8位までとなっています。 ポールからスタートしたのはマクラーレンのL.ノリスでしたが,それよりもいいスタートを切ったのは,2番グリッドからスタートしたメルセデスAMGのL.ハミルトンでした。ハミルトンとの競り合いの中でノリスはコースオフを喫して順位を下げ,その影響から4番グリッドからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンが3位に浮上しました。そのフェルスタッペンは,前を走るアストンマーティンのF.アロンソを交わして2位に浮上し,さらにハミルトンとの差を詰めていきました。そして,9周目にハミルトンを交わすと,今季も決勝レースで圧倒的な速さを見せているのと同じように後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込み,最終的に2位に13秒以上の大差をつけて今季最初のスプリントを制しました。フェルスタッペンには遅れをとったものの,ハミルトンは2位の座を守っていき,こちらも単独走行で2位に入っています。一旦はフェラーリのC.サインツとアロンソとの3位争いとなりましたが,後ろから追走してきたレッドブルのS.ペレスが16周目にこの2台をまとめて交わして3位に浮上し,最終的にその順位でチェッカーを受けています。ビザ・キャッシュアップRB勢は後ろからのスタートとなり,短いこのレースでの挽回は厳しく,D.リカルドが11位,角田裕毅は16位でスプリントレースを終えています。 午前中はスプリントレースが行われましたが,午後は今日行われる決勝レースのグリッドを決める通常の予選が行われました。この予選でもフェルスタッペンが速さを見せてポールを獲得し,ペレスが2番手タイムをマークしてレッドブルがフロントローを独占しています。サインツとの争いの中で接触してスプリントレースをリタイアで終わったアロンソが,予選では3番手タイムをマークしています。ビザ・キャッシュアップRB勢は,予選でもスプリント予選と同じように上位に顔を出すことができず,リカルドが12番手,今回苦戦している角田はスプリント予選と同じ19番手でした。 |
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2024/04/20(土) ◎今季最初(F1) ○新型コロナウイルスの流行により開催が中止となってきた中国GPですが,今年ようやく5年ぶりに復活を遂げました。今季第5戦となる中国GPは,これまで通り上海インターナショナル・サーキットでの開催となります。今大会は今季最初のスプリントレースが行われることになっていますが,昨シーズンまでと大会の流れが少し変更されています。まず午前中に1回目のフリー走行が行われることは通常と変わりませんが,午後は2回目のフリー走行は行われず,それに代わって今日実施されるスプリントレースのグリッドを決めるためのスプリント予選(SQ)が行われます。また,スプリントレースから予選までの間にマシンのセットアップを変更することができるようになりました。スプリント予選において使用されるタイヤに関しては,SQ1とSQ2は新品のミディアムタイヤを,SQ3は新品のソフトタイヤを使用しなければなっています。 そのような流れの中で行われたスプリント予選ですが,この日の上海は厚い雲に覆われた状況でした。いつ雨が落ち始めてのおかしくない状況の上,フリー走行の最中にコース脇にある芝生が燃えるという珍事が起きて赤旗が提示され,進行が遅れるという事態となりました。そうした中,SQ1は何とかドライコンディションで行われましたが,SQ2の途中でついに雨が落ち始め,最終のSQ3は激しい雨に見舞われた完全ウェットでの走行となりました。そこでトップタイムをマークしたのは,2番手に1秒以上の大差をつける速さを見せたマクラーレンのL.ノリスでした。彼が最速タイムを刻む1つ前の周の最終コーナーでコースオフを喫していて,通常はコースオフした周と次の周もタイム抹消となるところです。実際,ノリスの最速タイムは一旦は取り消しとなりました。しかし,その後ノリスの最速タイムが有効と判断されたため,彼のスプリントにおけるポールが決まりました。一旦は取り消されたタイムが復活したのは,このサーキットに特殊性があり,ここでは最終コーナーでコースオフしても,次の周のタイムに恩恵が無いということです。一旦抹消となってトップに立ったメルセデスAMGのL.ハミルトンでしたが,その後ノリスのタイムが復活したため,ハミルトンは2番手タイムとなりました。そのハミルトンからおよそコンマ7秒遅れで,大会前に2年間の契約延長が決まっているアストンマーティンのF.アロンソが3番手となっています。SQ2でトップだったレッドブルのM.フェルスタッペンは,アロンソからおよそコンマ1秒遅れの4番手でした。チームメイトのS.ペレスは6番手でした。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,思うような走りを展開することができずSQ1で敗退して19番手でした。チームメイトのD.リカルドは,SQ2まで進出したものの,14番手でスプリント予選を終えています。 |
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2024/04/19(金) ◎出場権獲得(JRR) ○先週末はモビリティリゾートもてぎにおいて第2戦が開催され,今季初となる全クラスの決勝レースが行われました。その中でJSB1000クラスに関しては,単にJRRの決勝レースというだけでなく,7月21日に開催される『2024FIM世界耐久選手権(EWC)“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会』に出場するためのトライアウトも兼ねていました。ここ数年の8耐は,希望する全てのチームが出場できるわけではなく,出場権を獲得しているチームのみ参戦することができます。EWCシリーズの中の一戦となっている8耐ですので,同シリーズにフル参戦しているチームは自動的に出場が可能ですが,それ以外のチームは,出場権を得るためのトライアウトを受けて成績を残すか,主催者側から特別推薦を受けるかの方法しかありません。開幕戦の2&4がその最初のトライアウトの機会でしたが,そこで成績を残すことができなかったチームは,今回の第2戦のレース1か,5月19日(日)に開催される予定の鈴鹿サンデーロードレース第2戦のどちらかで出場権を得るしか機会が残されていません。それぞれの大会には獲得できる枠が決まっていて,第2戦が10枠,鈴鹿サンデーが15枠となっています。 そのような状況で行われた第2戦の決勝レース1ですが,エントリーの段階で10枠に対してトライアウトの申請をしていたのは9チームでした。つまり,きちんと完走を果たすことができれば権利獲得というレースでした。そして,その申請をしていた9チームは全車完走を果たし,無事出場権獲得がみとめられました。今回のレースで権利を獲得できたライダー及びチームと,そのレースにおける順位は以下のようになっています。 水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)・・・2位,高橋巧(JAPAN POST HondaDream TP)・・・8位,榎戸育寛(TOHO Racing)・・・10位,星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)・・・14位,佐野優人(KRP SANYOUKOUGYO RSITOH)16位,児玉勇太(Team Kodama)・・・18位,柴田義将(Taira Promote Racing)・・・22位,加藤高史(Honda Soyukai TochigiRacing)・・・23位,須貝義行(TEAM SUGAI RACING JAPAN)・・・24位 |
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2024/04/18(木) ◎ワイルドカード(MotoGP) ○4月13日(土)にMotoGPクラスにおけるKTMのワークスチームであるレッドブルKTMファクトリー・レーシングから発表があり,KTMのテストライダーを務めているD.ペドロサとP.エスパルガロを,それぞれ第4戦スペインGP,第7戦イタリアGPにワイルドカードで参戦することになりました。今年もワイルドカード参戦することになったペドロサは,現役時代は一貫してホンダのマシンを駆ってきましたが,2018年に引退すると,その翌年から現在の役割に就いています。それ以後3回ワイルドカード参戦していて,その最初のレースは2021年の第10戦スティリアGPで,その時はKTM勢ではトップとなる10位でフィニッシュしました。2022年は一度も参戦することがなく,昨シーズンは2度ワイルドカードしています。その1回目は第4戦スペインGPで,スプリントレースが6位,決勝レースが7位とこちらもトップ10圏内でフィニッシュしています。驚くべきはこの年の2回目の参戦となった第12戦サンマリノGPで,スプリントと決勝は共にトップ争いを展開し,惜しくも表彰台は逃したものの,両レース共に4位でフィニッシュしています。現役ライダーと互角に戦い,3回とも全てのレースでポイントを獲得しているのです。果たして今年もポイント獲得なるのか,そして,ルーキーライダーながら2度表彰台を獲得しているレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタと,同じマシンでのバトルがどうなるのか興味は尽きません。もう1人のエスパルガロは,昨シーズンKTMのレギュラーライダーとしてフル参戦しましたが,今シーズンからテストライダーとなっています。これは,アコスタの昇格は決まっていたものの,肝心なKTMのシートが空いておらず,実質的にはエスパルガロがシートを明け渡す形で決着を見ています。果たしてテストライダーからの出場ということでどのような走りを展開することができるのか,昨シーズンまで現役だっただけに,こちらも興味のある出場となります。 |
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2024/04/17(水) ◎来季も(F1) ○今季はまだ4戦しか終わっていないF1ですが,4月12日(金)にFIAとF1から世界モータースポーツ評議会によって承認された来シーズンのレースカレンダーが早くも発表されました。今シーズンのレースカレンダーは,これまで秋開催だった日本GPが,桜の季節である春開催へとなっていました。これは,F1の開催の度にマシンや機材,そして人等多くのものが移動しますが,そうした物流の際に排出される温室効果ガス削減を目的に,効率的な移動となるためのカレンダー見直しが図られた結果です。今回発表されたカレンダーも,こうした姿勢を堅持してのものとなっています。そうした結果,来季の日本GPも今季と同じく春開催となっていて,開幕戦オーストラリアGPから始まって第2戦中国GP,そして第3戦日本GPへと近距離移動の開催となっています。その後,ラマダンの期間を避けて中東で開催され,アメリカを経てヨーロッパラウンドが始まっていきます。一旦はカナダ開催がありますが,再びヨーロッパ開催が続き,その後中東やアジア,そして南北アメリカ大陸のフライアウェイが続き,第23戦カタールGP,そして最終戦となる第24戦アブダビGPの中東開催で終了となっています。大会数の増加に伴って3週連続開催が増えていますが,来季もその傾向は変わらず,第4戦日本GPから,そして第7戦エミリア・ロマーニャGPから,さらに第22戦ラスベガスGPからの各3戦が連続開催となっています。開催地に関してですが,このところ新規の開催地があったりしていましたが,来季は開催順こそ違え,今季と同様となっています。なお,今回発表された具体的なレースカレンダーは,以下の表のようになっています。 |
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2024/04/16(火) ◎史上初(MotoGP) ○第3戦アメリカズGPの決勝レースが,好天に恵まれたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。 MotoGPクラスは,ポールからスタートしたアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスがスタートに失敗して遅れを取り,さらに1コーナーで他車と軽く接触してさらに順位を11番手まで下げてしまいました。しかし,予選,スプリントレースと速さを見せてきたところは決勝レースでも変わらず,徐々に順位を上げていって13周目にトップに立つと,後は後続を振り切ってトップでチェッカーを受け,スプリントレースに続いて決勝レースもポールトゥーフィニッシュを飾りました。これまでビニャーレスはスズキ,ヤマハのマシンで勝利を収めてきましたが,今回アプリリアのマシンで勝利したことにより,3メーカーでの優勝はMotoGPとなってからは史上初となる快挙です。2番グリッドからスタートしたレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタは,ホールショットを奪ってトップに立り,ビニャーレスに抜かれるまでその順位を守っていきました。最終的にトップからおよそ1.7秒遅れとはなりましたが,ルーキーながら最高峰クラスで自己最高位となる2位でチェッカーを受けました。前戦で3位表彰台を獲得していて,これは最高峰クラスにおける連続表彰台の最年少記録となります。上位2台から離されましたが,ドゥカティ・レノボ・チームのE.バスティアニーニが3位に入り,彼も前戦に次ぐ連続表彰台獲得となりました。何かと気になる日本メーカー勢ですが,このレースでも苦戦を強いられ,モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの12位が最高位で,レプソル・ホンダ・チームのL.マリーニが16位でノーポイントに終わっています。ただ,この2人は完走を果たしただけましで,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶を含む他のライダーは,全員転倒リタイアに終わっています。コンセッションの優遇措置を受けているヤマハとホンダですが,外国メーカーの背中が見えるようになるのはまだまだ先のような感じを抱かせる今回の大会になってしまいました。 Moto2クラスは,3番グリッドからスタートしたMTヘルメッツMSIのS.ガルシアが,ホールショットを奪うと徐々に後続との差を広げて行き,そのまま逃げ切ってトップでチェッカーを受け,このクラスで自身初勝利を収めました。今回がチームにとっても自身にとっても母国GPとなるオンリーファンズ・アメリカン・レーシング・チームのJ.ロバーツは,オープニングラップで2位に浮上し,一旦は順位を下げることがありましたが,再び2位に返り咲いて母国で表彰台を獲得しています。2番グリッドからスタートしたスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルは,オープニングラップで大きく順位を下げたものの,ポジション再び回復していって最終的に3位でチェッカーを受けて今季初表彰台を獲得しています。予選で奮わず17番手からスタートしたMTヘルメッツMSIの小椋藍でしたが,決勝では再び速さを回復してきていて,最終的に7位でチェッカーを受けています。 Moto3クラスは,ポールからスタートしたCFモト・アスパー・チームのD.アロンソがホールショットを奪うと,後は一人旅を続けていき,最終的に2位に5秒以上の差をつける独走で,開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。コロンビア人ライダーがポールを獲得するのも,当然ポールトゥーウィンを達成するのも,今回のアロンソが初となります。3台による2位争いが展開されていき,そのバトルをレッドブル・ガスガス・テック3のD.オルガドが制し,3位にはレオパード・レーシングのA.ピケラスが入りました。ルーキーライダーであるピケラスですが,参戦3戦目にして早くも表彰台獲得となっています。3位争いに加わっていたMTヘルメッツMSIの山中琉聖ですが,惜しくも表彰台獲得とはなりませんでした。他のフル参戦日本人ライダー勢ですが,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生は6位でチェッカー受けてポイントを獲得しています。ホンダ・チーム・アジアの古里太陽は,レース序盤2位争いに加わっていたものの,4周目の15コーナーで転倒してリタイアに終わっています。 |
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2024/04/15(月) ◎3連勝(JRR) ○初夏を思わせるような熱い日差しが差す中,第2戦の決勝レースがモビリティリゾートもてぎで行われました。 JSB1000クラスは,一旦スタートを切りましたが,3周目に多重クラッシュが発生して赤旗となり,もう一度最初からやり直しとなりました。リスタート後は,オープニングラップを終了した段階でYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と岡本裕生のヤマハワークスのワンツー態勢が早くも築かれました。2人によるバトルは終盤に入って差がつき始め,最後は中須賀が単独走行となってトップでチェッカーを受け,中須賀が開幕から3連勝となりました。ポールからスタートしたDUCATITeam KAGAYAMAの水野涼は,スタートで出遅れて順位を下げましたが,徐々にポジションアップしていって3位に浮上し,こちらも単独走行で3位表彰台を獲得しています。 ST1000クラスは,ポールからスタートとなったSDG Team HARC‐ PRO.の國井勇輝でしたが,クラッチミートがうまくいかなかったようでポジションを下げてしまいました。しかし,週末を通していずれのセッションでもトップタイムをマークしてきた國井の速さは決勝でも変わらず,すぐにポジションを上げていってオープニングラップを終える頃にはトップに立っていました。そして,その後も速いペースを刻み続けて2位以下との差をどんどんつけていき,最終的に2位に7秒近い大差をつけて開幕戦を制しました。國井からかなり遅れてしまいましたが,Astemo HondaDream Si Racingの作本輝介も単独走行となり,3位に3秒近い差をつけて2位でチェッカーを受けました。3位をTOHO Racingの國峰琢磨が走行していましたが,Kawasaki Piaza Racing Teamの岩田亮介が差を詰めていき,残り2周となったV字コーナーで岩田が3位に浮上し,そのままの順でチェッカーとなりました。 ST600クラスは,ポールからスタートしたSQUADRA TIGRE TAIRA PROMOTEの阿部恵斗と2番グリッドからスタートしたTEAMKENKEN Ytchの長尾健吾が好スタートを切ってこの2台が抜け出し始めました。トップ2の後ろでは,激しい抜きつ抜かれつのバトルが続いていくという状況となりました。トップの阿部は長尾との差を広げて行き,完全に独走態勢に持ち込みました。阿部には差を広げられたものの,長尾も独走態勢に持ち込み,2人はそのままの順でチェッカーを受けました。3位争いですが,最終盤まで3位を走行していたのはMOTO BUM HONDAの鈴木光来でしたが,その鈴木はタイヤの消耗があったのか思うようにペースが上がらず,その鈴木にAKENO SPEED・ MAVERICKの伊達悠太が追いついていきました。そして,ファイナルラップでテールトゥーノーズとなり,ついに最終コーナーでパスして伊達が3位表彰台を獲得しています。 J-GP3クラスは,オープニングラップで5台のマシンが抜け出してトップ争いを展開していきました。中盤に入ってから1台が少しずつ遅れをとりはじめ,4台によるトップ争いへと変わっていきました。この4台によるバトルはファイナルラップまでテールトゥーノーズ状態で進んでいき,これをJAPAN POST docolΥ 10 business TPの若松怜が制しました。トップと僅差となった2,3位には,それぞれTeam Plusoneの木内尚汰,ポールからスタートしたVVJ‐ Factory+F2の荻原怜大となっています。 |
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◎ワンツー(SGT) ○開幕戦の決勝レースが,前日に続いて好天に恵まれた岡山国際サーキットで行われました。レースはオープニングラップで多重クラッシュが発生し,早くもセーフティーカー先導となりました。 GT500クラスは,ポールからスタートした坪井翔&山下健太組のau TOM’S GR Supraがリスタート後もトップのポジションを守りました。そして,2位以下のバトルを尻目にトップを快走していき,最終的に2位に11秒の大差をつける独走で初戦を飾りました。2番グリッドからスタートした関口雄飛&中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supraは,トップから離され,3位以下からの追撃を受けたりしましたが,そのポジションを守り切って2位でチェッカーを受け,GR Supraが初戦をワンツーで飾っています。3番グリッドからスタートした山本尚貴&牧野任祐組のSTANLEY CIVIC TYPE R-GTは,順位を入れ替えながらの走行となりましたが,早いピット作業に助けられたこともあって3位でチェッカーを受け,今季から投入されているCIVIC TYPE R-GTがその初戦で3位表彰台を獲得しています。 GT300クラスは,2番手からスタートした平良響&堤優威組のmuta Racing GR86 GTが,ピットインしてもタイヤ交換をしない無交換作戦を敢行し,これが見事に功を奏して後続との差を広げて行き,2位に5秒近い差をつけて開幕戦を制しました。ポールからスタートした蒲生尚弥&篠原拓朗組のLEON PYRAMID AMGは,mutaが無交換だったのに対し,こちらはタイヤ4本とも交換する作戦が裏目に出てしまってmutaの先行を許してしまい,こちらも単独走行で2位表彰台となりました。5番手からスタートした荒聖治&N.クルッテン組のStudie BMW M4は,3位を走行していた吉田広樹&野中誠太組のGreen Brave GR Supra GTを残り7周となったところで交わして表彰台圏内に入り,その後は単独走行に持ち込んで3位表彰台を獲得しています。 |
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2024/04/14(日) ◎連勝 Part1(MotoGP) ○第3戦アメリカズGPの各クラス予選とMotoGPクラスのスプリントレースが,ドライコンディションとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われました。 MotoGPクラスのスプリントレースは,初日にプラマック・レーシングのJ.マルティンがマークしたレコードタイムを予選でさらに上回ったアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスがポールからスタートしました。そのビニャーレスは好スタートを切ってトップの座を守っていき,その後ろでは,2番グリッドからスタートしたレッドブル・ガスガス・テック3のP.アコスタと,3番グリッドからスタートしたグレシーニ・レーシングMotoGPのM.マルケス,そして4番グリッドからスタートしたプラマック・レーシングのJ.マルティンの3台による2位争いとなりました。トップに立ったビニャーレスは,徐々に後続との差を広げて行って独走態勢に持ち込み,2位に2秒以上の差をつけてトップでチェッカーを受け,前戦ポルトガルGPに続いてスプリントレース2連勝を飾りました。3台による2位争いは,スタートでアコスタを交わして2位に浮上したマルケスが,マルケスに抜かれて3位に落ちていたアコスタを交わして3位となっていたマルティンが,それぞれ単独走行となってそのままの順でゴールしています。初日の走行で下位4つ全てを占めていたホンダ勢ですが,予選でもその傾向は変わらず,ここでも下位4つを占めました。そして行われたスプリントレースでは,レプソル・ホンダ・チームのL.マリーニが最下位ながら完走を果たしましたが,LCRホンダ・イデミツの中上貴晶を含めた他の3台は全員転倒リタイアに終わっています。初日走行後にレプソル・ホンダ・チームのJ.ミルが,「ホンダは開発の方向性を間違えてしまっている」というような内容のコメントを出していたのですが,まさにその事を証明するかのような2日間の結果となりました。 Moto2クラスの予選は,ファンティック・レーシングのA.カネトがトップタイムをマークし,開幕戦以来となる今季2度目のポールを獲得しました。前戦で2番グリッドを獲得していたスピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが,トップからおよそコンマ1秒遅れとなって今回も2番グリッド獲得となっています。MTヘルメッツMSIのS.ガルシアが3番手タイムをマークし,昨年の第13戦インドGP以来となるフロントローを獲得しました。今回は唯一のフル参戦日本人ライダーとなるMTヘルメッツMSIの小椋藍は,タイムが上がらず17番手で予選を終えています。 Moto3クラスは,CFモト・アスパー・チームのD.アロンソがトップタイムをマークし,自身通算25戦目にして初のポールを獲得しました。レッドブルKTMアジョのJ.ルエダは,アロンソからわずか1000分の17秒遅れで2番手となり,開幕から3戦連続フロントロー獲得となりました。レッドブル・ガスガス・テック3のD.オルガドが,3番手タイムをマークし,開幕戦以来のフロントロー獲得となっています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽とリキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生がQ2進出を果たし,それぞれ10番手,16番手となっています。Q1で敗退したMTヘルメッツMSIの山中琉聖は,24番手で予選を終えています。 |
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◎連勝 Part2(JRR) ○今シーズンの第2戦がモビリティリゾートもてぎで開幕し,初日は各クラスの予選と,JSB1000クラスのレース1決勝が行われました。開幕戦はSFとの併催となる2&4でしたので,JSB1000クラスのみの開催となっていましたが,今回からようやく全クラスが開催される通常の大会となっています。 JSB1000クラスのレース1は,オープニングラップこそAstemo HondaDream Si Racingの野左根航汰がトップに立ちましたが,2周目にDUCAT:Team KAGAYAMAの水野涼がトップに立ちました。その後,野左根が徐々に順位を下げる中,水野の背後にYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と岡本裕生の2人が迫り,ヤマハとドゥカティのワークスマシン同士によるトップ争いとなりました。トップを行く水野の背後につけて様子をうかがっていた中須賀は,残り4周となったところで水野を交わしてトップに浮上しました。トップに立ってからの中須賀は,ファステストラップを刻んだりしながら水野との差を少し広げ,開幕戦に続いてトップでチェッカーを受けました。トップ3の順位は開幕戦と同じ結果となっていて,水野が2位,岡本が3位で終了しています。ちなみに,このレースは全部で24台が出走しましたが,1台も転倒やコースオフをすることなく全車チェッカーを受けています。タイムが上がってきた分転倒車が出たりしがちなのですが,全車完走というのはある意味凄いレースと言えます。 ST1000クラスの予選は,早い段階からSDG Team HARC‐ PRO.の國井勇輝とTOHO Racingの國峰琢磨とが接近してタイムアタックをしていきました。その中で國井が3周目にマークしたタイムを誰も上回ることができず,今季初戦のポールシッターとなりました。國峰に次ぐ3番手タイムをマークしたのは,ラストアタックで順位を1つ上げる走りを展開したKawasaki PlaZa Racing Teamの岩戸亮介でした。 ST600クラスの予選は,ヤマハYZF-R6によるポール争いが展開されていきました。その中で昨年のチャンピオンであるSQUADRA TIGRE TAIRA PROMOTEの阿部恵斗が中盤でこれまでのレコードタイムを更新する走りを見せてポールを獲得しました。早い段階でタイムを出していたTEAMKENKEN Ytchの長尾健吾とヽA′ ORK NAV!NITRO RACING TEAMの芳賀涼大は,その後にマークした阿部のタイムを上回ることができず,それぞれ2,3番手となっています。 J-GP3クラスの予選は,VVJ‐ Factory+F2の荻原怜大が,これまでのレコードタイムを10年ぶりに更新する走りを見せました。その荻原のタイムを更新すべく他のマシンもアタックしていきましたが,ラストアタックのタイミングでコースオフしたマシンが出て黄旗区間が生じたこともあって,誰もそのタイムを上回ることができず,荻原が見事に自身初となるポールを獲得しました。2,3番手には,それぞれJAPAN POST docomo business TPの若松怜,Team Plusoneの木内尚汰が入っています。 |
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◎新コンビ&新型車(SGT) ○今季開幕戦が好天に恵まれた岡山国際サーキットで開幕し,初日は各クラスの予選が行われました。今シーズンから予選方式が変更となっていて,昨シーズンまではセッション毎にタイムの遅いマシンから脱落していくノックアウト方式でしたが,今シーズンから2人のドライバーのタイムを合計した合算方式になっています。さらに,使用するタイヤはQ1,Q2両セッションで同じものとなっています。そのため,Q1で走るドライバーは,タイムは出しながらも,タイヤをある程度温存する必要がありますし,Q2で走行するドライバーは,Q1で使用したためグリップが落ちているタイヤで速いタイムを出す必要が生じてきます。 GT500クラスは,昨年のチャンピオンドライバーであるau TOM’S GR Supraの坪井翔がQ2で登場し,グリップの落ちたタイヤにもかかわらずかなり速いタイムを出し,Q1で走行した山下健太との合算でトップに立って今季最初のポールを獲得しました。今シーズンから新たな組み合わせとなったペアなのですが,いきなりポールシッターとなっています。2番グリッドをDENSO KOBELCO SARD GR Supraの中山雄一&関口雄飛組が獲得し,トヨタのGR Supraがフロントローを独占しています。3番グリッドを獲得したのはSTANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐&山本尚貴組で,今シーズンから新しくSGTに投入されたCIVIC TYPE R-GTがその初戦でいきなり3番手に立っています。 GT300クラスは,LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥がこちらもユーズドタイヤでかなり速いタイムをマークし,Q1で走行した篠原拓朗との合算で今シーズン最初のポールシッターとなりました。2,3番手には,それぞれmuta Racing GR86 GTの平良響&堤優威組,SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝&井口卓人組が立っています。 |
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2024/04/13(土) ◎再タッグ(F1) ○まだ始まったばかりの今シーズンですが,既にメルセデスAMGのL.ハミルトンが来季フェラーリへの移籍が決まったように,来シーズンのシート獲得競争がスタートしています。ハミルトンが移籍することになってメルセデスという重要なシートが空くことになったわけで,そこに誰が座ることになるのかという様々な憶測が出て,さらにシート獲得競争がヒートアップしているような印象です。そのような中,アストンマーティンF1チームから契約に関する重要な発表がありました。同チームは,新たなレギュレーションに基づいたマシンが登場する2026年シーズンからF1に本格復帰することになるホンダ製パワーユニット(PU)を搭載することになっています。いわゆるホンダのワークスという立場に立つわけです。来シーズンのシートを獲得するということは,その2026年シーズンに続くということになる訳で,とても重要なドライバーということになります。そして,今回の発表で,現在同チームに所属しているF.アロンソとの契約を2年間延長することになりました。つまり,ホンダ製パワーユニットを搭載したマシンの初年度をアロンソが駆ることになる訳です。2023年シーズンに現在のアストンマーティンへ移籍してきたアロンソは,6回表彰台を獲得したりする活躍を見せ,コンストラクターランキングで7位から5位へと浮上させるという貢献を見せました。こうしたことから,チームとの関係性は良好のようです。ただ,ホンダとの関係性では,ホンダがマクラーレンと2015年から2017年まで組んでF1に再登場したのですが,当時マクラーレンに所属していたアロンソがそのマシンを駆ったものの,久しぶりのF1ということでホンダ製PUの戦闘力と信頼性がかなり劣り,苦しいレースが続いていました。それに業を煮やしたのか,レース中「ホンダのPUは(F1の下のカテゴリーである)F2だ」というような無線交信をし,ホンダとの関係性が大きく損なわれたのも事実です。その後,マクラーレンとの提携を解消し,レッドブルとタッグを組んで以降は,現在の黄金時代へと続いています。そうした経緯もあって,ホンダとアロンソとの関係はさほどよくないと思われていましたが,今回の契約延長により,再び両者の関係が成立することになりました。アロンソによると,今回契約延長をした大きな理由の中にホンダへの期待があるようです。私としては正直「何をかいわんや」というところもありますが,今回のタッグの際には,アロンソが相手へリスペクトするという大事な点を常に持っていてほしいものです。 |
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◎レコード更新&逆独占(MotoGP) ○第3戦アメリカズGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕し,初日は2回のプラクティスが行われました。 MotoGPクラスは,ここまでランクトップに立っているプラマック・レーシングのJ.マルティンが,これまでのレコードタイムをおよそコンマ5秒更新する走りを見せて初日総合トップに立ちました。午前の走行でトップタイムだったのがアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスでしたが,午後の走行でも速さを見せ,マルティンには及ばなかったものの,わずか1000分の76秒遅れで総合2番手となっています。これまでこのサーキットで抜群の速さを見せてきたのが今季からグレシーニ・レーシングMotoGPに所属しているM.マルケスですが,トップにこそ立てなかったものの,トップからおよそコンマ4秒遅れで総合3番手となっています。相変わらず戦闘力不足が続いている日本メーカー勢ですが,何と下位6台を日本メーカー勢が独占するという悲惨な初日となってしまいました。唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,最下位で初日を終えています。 Moto2クラスは,スピードアップ・レーシングのF.アルデグエルが,これまでのレコードタイムをおよそコンマ4秒更新する走りを見せ,開幕戦以来となる初日総合トップに立ちました。トップからコンマ282秒差の総合2番手タイムは,MTヘルメッツMSIのS.ガルシアがマークしています。ガルシアからわずか1000分の88秒差で,イタルトランス・レーシング・チームのD.フォッジアが総合3番手となっています。フル参戦日本人ライダー勢ですが,一昨日のこのページでお伝えしたように,今シーズンからMoto2クラスにステップアップしているヤマハVR46マスター・キャンプ・チームの佐々木歩夢は,腕上がりの手術からの回復が十分でないため,今大会を欠場しています。ということで,今回はこのクラス唯一の日本人ライダーとなるMTヘルメッツMSIの小椋藍は,午前中の走行ではトップタイムだったものの,午後の走行では9番手タイムで初日を終えています。 Moto3クラスは,午前の走行でトップタイムだったCFモト・アスパー・チームのD.アロンソが,午後の走行でもトップタイムをマークして初日総合トップに立っています。総合2,3番手タイムは,それぞれレッドブルKTMアジョのJ.ルエダ,レオパード・レーシングのA.ピケラスでした。フル参戦日本人ライダー勢ですが,ホンダ・チーム・アジアの古里太陽の9番手が最高位で,MTヘルメッツMSIの山中琉聖が12番手,リキ・モリ・ハスクバーナ・インタクトGPの鈴木竜生が16番手で初日を終えています。 |
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2024/04/12(金) ◎ル・マンでも(EWC) ○EWCシリーズには,スズキのヨシムラやホンダのTSR,そしてカワサキのトリックスターといったチームが最高峰のEWCクラスにフル参戦していますが,今シーズンから新た起ち上げたチーム・エトワールがより市販車に近いクラスであるSSTクラスに参戦を開始することになりました。全く新しいチームだけに,何かと課題が山積していくものと思われますが,チームとしては10年計画で参戦を継続していくということです。そして,そのライダーとしては,スタート段階では大久保光と亀井雄大の2人が決まっていて,他のライダーは今後決めていくということになっていました。 そうしてスタートを切ったチーム・エトワールですが,その最初のレースは,4月20日(土)〜21日(日)にわたって行われる第1戦ル・マン・24時間耐久レースとなっています。そのル・マンにおけるライダーですが,本来のレギュラーライダーである大久保が,今季彼の主軸となっているスーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)が同日開催となっているため出場できません。そのため,同じくレギュラーライダーの亀井雄大と,大久保の代役として奥田教介が出場することになっています。さらに,24時間ということで4名のライダーが必要となりますので,渡辺一樹と川崎祥吾が出場予定となっていました。ところが,4月5日(金)付けのこのページでもお伝えしたように,ル・マンに出場予定だった渡辺がJRRの開幕戦2&4で転倒を喫して怪我を負ってしまい,ル・マンへの出場が不可能となってしまいました。その点に関してチーム・エトワールから発表があり,渡辺の代役として榎戸育寛を起用することになりました。つまり,5日付のページでお伝えしたJRRの第2戦でTOHO RACINGが清成龍一の代役として起用することになった榎戸が,今度はチーム・エトワールの渡辺の代役としてル・マンに出場することになったわけです。昨シーズンをもってレースから引退したはずの榎戸ですが,その翌年には鈴鹿8耐への出場枠獲得するべく1人で走行しなければならなくなり,さらに一度も出場したことのないル・マン24時間に,初めてBMWのマシンを駆ることになったのです。何とも不思議なことですね。 |
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2024/04/11(木) ◎欠場(MotoGP) ○今シーズンからヤマハVR46マスター・キャンプ・チームに所属してMoto2クラスにフル参戦している佐々木歩夢が,自らのSNSにおいて明日からサーキット・オブ・ジ・アメリカズで始まる第3戦アメリカズGPを欠場することを明らかにしました。昨シーズンまでMoto3クラスにフル参戦してきた佐々木は,昨年惜しいところでタイトルを逃し,ランク2位でシーズンを終えました。そして,今シーズンからMoto2クラスにステップアップしたものの,第1戦,第2戦と転倒を喫してリタイアに終わり,ここまでノーポイントレースが続いています。リタイアに終わった第2戦ポルトガルGPは,痛みを伴いながら腕の感覚がなくなっていく『腕上がり』の症状に見舞われての転倒だったようです。病院での診断を受けた佐々木は,レース翌日の夜に筋膜を切って筋肉の動きを妨げないようにする手術を受け,自宅のあるアンドラに戻って第3戦に備えるべくリハビリに取り組んでいました。ところが,医師の診断を受けた結果,手術の経過状態によりドクターストップがかかったため今回の欠場に至っています。現在は,2週間後に行われる第4戦スペインGPに向けて準備をしているとのことです。スペインまでにはレースに支障が無いほどに回復しているでしょうから,ぜひ完走とポイント獲得を果たして欲しいものですね。 |
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2024/04/10(水) ◎メーカー間交流(S耐) ○SFやSGT等にフル参戦しているKONDOH RACINGのオーナー兼監督であり,SFの主催団体であるJRPの会長でもある『マッチ』こと近藤真彦がパーソナリティーを務めている文化放送『近藤真彦 RADIO GARAGE』の4月7日(日)放送において,トヨタ自動車の会長である『モリゾウ』こと豊田章男氏がゲスト出演しました。その場で新たな発表があり,5月25日(土)〜26日(日)に富士スピードウェイで決勝レースが行われるスーパー耐久(S耐)シリーズの『富士SUPER TEC 24時間レース』において,近藤真彦が久々にレーサーに復帰して出場することになりました。マッチといえば日産との関係性をもっていますが,この大会で彼が駆るのは,モリゾウが監督を務めるROOKIE Racingがかねてからレースを通して開発を進めている水素エンジンを搭載したORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptとなります。つまり,日産のマッチがトヨタのモリゾウのマシンを駆ることになるわけで,一種のメーカー間交流ということになります。もちろんこのレース参戦に関しては,日産もゴーサインを出しているようです。メーカーの垣根を越えた今回の取り組みは,今後地球温暖化防止のため,水素エンジン車の開発が重要となってくるだけに,その思いがメーカーの垣根を越えたものになっています。昨年行われた富士24時間では,トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ(TGR-E)の副会長を務めている中嶋一貴がTEAM IMPULのニッサンZ GT4を駆って出場しました。今回はその逆バージョンともいえますね。 |
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2024/04/09(火) ◎契約延長(MotoGP) ○レース以外のことで今シーズンの注目点の1つが,今季末で契約が切れるライダーが多いということです。そして,結果が伴っているドゥカティを中心とした海外メーカーは,誰が残留することになるのかということが注目となります。それに対して,ヤマハ,ホンダといった日本メーカーに所属しているライダーに関しては,マシンの戦闘力不足が原因となって成績が伴っていないだけに,海外メーカーに移籍ということを主眼に置いているのではないかという懸念があります。その中の1人が,2021年の王者であるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロです。彼に関しては,ここ数年ヤマハに対して移籍を臭わせたりしながら,マシンの戦闘力を上げるよう強く要求を出してきています。さらに,アプリリアが彼を獲得するべく既に交渉しているのではないかという現実味を帯びた噂も浮上していました。こうした流れの中,ヤマハとしてはクアルタラロを引き留めるべく,様々なチームの改革を実行してきています。今シーズンまだ2戦しか経っていませんが,ホンダよりかは成績が上向いてきているような印象を与える状況にあります。そのような中,4月5日(金)にヤマハ発動機株式会社から発表があり,クアルタラロと2026年までの2年間にわたる契約延長が成立しました。ここまで6年間ヤマハと活動してきていますが,少なくとも8年間はヤマハライダーとしてフル参戦を継続することが決定したわけです。もちろん海外勢と比べるとまだまだ戦闘力が劣っていることはクアルタラロ自身も認めていますが,彼の要求に応えるべく努力してきているヤマハの誠意が彼に伝わったことは間違いありません。これでワークスのシート1つが決まったことになりますが,それが単なるライダーではなく,チャンピオン経験者で,さらにその回数を重ねる力を持っているライダーなのですから,今後のシート獲得争いに大きな影響を与えることは間違いありませんね。 |
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2024/04/08(月) ◎決勝も&母国初入賞(F1) ○第4戦日本GPの決勝レースが,満開の桜が咲く鈴鹿サーキットで行われました。これまでの日本GPは秋に行われてきましたが,今回が史上初の春開催でした。ポールからスタートしたレッドブルのM.フェルスタッペンと2番手スタートのS.ペレスはそれぞれコースターとを切って,レッドブルのワンツー体勢を築きました。それに対してビザ・キャッシュアップRBで10番手スタートだった角田裕毅はやや出遅れ,12位まで順位を下げてしまいました。11番手スタートだったD.リカルドも,角田と同じく出遅れて順位を下げてしまいました。そのリカルドは,ウィリアムズのA.アルボンとのバトルとなり,その中で両車が接触して激しくタイヤバリアにクラッシュしてしまいました。そのため,いきなり赤旗中断となってしまいました。30分後にリスタートとなり,その時もレッドブルのワンツー体勢は崩れず,中断中にタイヤをソフトタイヤに履き替えた角田は12番グリッドから好スタートを切り,今度は9番手まで順位を上げました。ピットインのタイミングのズレで上位の順位に変動はありましたが,それが一通り終わると,レッドブルの2人は順調に再びトップ2に返り咲きました。レッドブルの後ろではフェラーリ勢による3位争いとなり,タイヤ交換のタイミングがC.ルクレールより後だったC.サインツが,タイヤライフがあることを活かして3位走行のルクレールを交わし,単独走行に持ち込んでいきました。レッドブルの2人は,レースウィークを通してペースに勝るフェルスタッペンがペレスのとの差をどんどん広げて行き,最終的に12秒以上の差をつける独走で今季3勝目,そして日本GP3年連続勝利を収めました。ペレスは3位のサインツに8秒以上の差をつける独走で2位に入り,決勝レースもレッドブルによるワンツーとなりました。母国GPで大勢の観客の声援を受ける角田は,ピットクルーによる驚異的な速さでのタイヤ交換等もあって終始ポイント圏内争いを展開していき,34周目に10位を走行していたハースのN.ヒュルケンベルグを自力で交わしてポイント圏内に入りました。応援の後押しを受けて角田はその順位を死守し,2戦連続ポイント獲得になると共に,母国GPで初のポイント獲得となります。ちなみに,日本人ドライバーが母国GPでポイントを獲得したのは,2012年に小林可夢偉が3位表彰台を獲得して以来12年ぶりとなります。リカルドはリタイアに終わりましたが,ホンダのホームグランプリでホンダ製パワーユニットを搭載しているマシンは,4台中3台がポイントを獲得するという好結果に終わった日本GPでした。 |
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2024/04/07(日) ◎3年連続&予選も(F1) ○第4戦日本GPの予選が,曇り空ながらドライコンディションとなった鈴鹿サーキットで行われました。前日に総合トップだったレッドブルのM.フェルスタッペンは,予選でもその速さは変わらず,予選のどのセッションでもトップタイムをマークし,日本GP3年連続となるポールを獲得しました。S.ペレスが2番手タイムをマークし,前日に続いて予選でもレッドブルのワンツーとなりました。ファーストアタックでは2番手タイムだったマクラーレンのL.ノリスでしたが,ファイナルアタックでペレスに逆転を許して3番グリッド獲得となっています。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は,ここまで2戦連続Q3に進出していて,母国GPでの期待がかかっていましたが,その期待に添うようにここでもQ3進出を果たしました。残念ながらQ3では他のマシンを上回ることができず,今日行われる決勝レースは10番グリッドからのスタートとなります。チームメイトである角田の後塵を拝する傾向が見られるD.リカルドは,Q1は突破したものの,惜しいところでQ2敗退となり,11番グリッド獲得にとどまりました。 |
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2024/04/06(土) ◎ワンツー発進(F1) ○第4戦日本GPが鈴鹿サーキットで開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。これまでの日本GPは秋開催となっていましたが,今シーズンから桜の花がさく春に開催されるようになりました。これは,温室効果ガス削減のため,効率的にシーズンを進めていくことを目指しての改革となっています。この日の鈴鹿は,降水確率がやや高めとなっていて,実際,午前中に行われたフリー走行1はドライコンディションの中で行われましたが,午後からの走行となったフリー走行2は雨に見舞われてウェットコンディションとなり,ドライバーによっては走行をとりやめる状況となってしまいました。そのため,この日のタイムは1回目の走行が初日の最速となっています。その1回目の走行ですが,レギュラードライバーであるビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅はもちろん走行しましたが,D.リカルドに代わって今シーズンから戦いの場を国内に移しているレッドブル育成ドライバーの一人である岩佐歩夢が走行したため,2人の日本人ドライバーが走行するという近年にない状況となりました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,前戦をマシントラブルによりリタイアに終わっているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。総合2番手タイムをS.ペレスがマークし,ホンダ製パワーユニットを搭載しているレッドブルが,そのホンダのお膝元である鈴鹿でワンツー発進を決めています。総合3番手タイムは,前戦でポールトゥーフィニッシュを決めて絶好調状態にあるフェラーリのC.サインツでした。RBの角田裕毅は,前戦で見事にポイント獲得して母国GPに臨んでいますが,その勢いを保つかのように総合9番手と初日でトップ10フィニッシュを決めています。もう一人の日本人ドライバーである岩佐歩夢は,今季初の走行にもかかわらず16番手と良い走りを見せています。 |
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2024/04/05(金) ◎代役で(JRR) ○ホンダ陣営の1つであるTOHO Racingは,今季も清成龍一を擁してJSB1000クラスにフル参戦する予定になっていました。ところが,2月26日(月)に鈴鹿サーキットで行われた第1戦鈴鹿2&4レースの事前テスト初日にS字で転倒を喫して怪我を負ってしまい,以後の走行をキャンセルしました。その怪我の影響から開幕戦を欠場し,同チームはこの大会にスポットで参戦した渡辺一樹のみの出場となりました。この2&4は単に開幕戦と言うだけでなく,鈴鹿8耐に出場するためのトライアウトも兼ねていました。ところが,渡辺がレースで転倒リタイアに終わってしまったため,この大会での出場権獲得とはなりませんでした。しかも,転倒の際,渡辺は怪我を負ってしまっています。そうしたチームのために,モビリティリゾートもてぎで行われる第2戦も,8耐に向けてのトライアウトを兼ねています。当然TOHO Racingとしては何としても出場権を獲得したいところですが,肝心の清成の回復が十分ではなく,この大会も欠場せざるを得ない状況となりました。その点に関して4月2日(火)にTOHO Racingから発表があり,第2戦に清成の代役として榎戸育寛を起用することになりました。今回代役として起用されることになった榎戸は,2016年にST600で自身初となるチャンピオンに輝きました。その後,J-GP2クラスを経てST1000やJSB1000クラスにフル参戦しました。昨シーズンはST1000クラスにフル参戦し,最終戦で転倒リタイアに終わったこともあってランク4位で終了しています。今年で26歳という年齢なのですが,昨シーズンをもってレースから引退することを発表し,早すぎる引退に残念な思いをしたファンも少なからずいたのではないでしょうか。しかし,やはり才能ある彼のことをレースの世界が放って置くはずがなく,今回の復活劇へと繋がっています。とはいえ,わずか1台での参戦ですから,万が一彼が転倒等をして上位でのリザルトが出なかった場合,チームの出場権が得られなくなってしまうわけですから責任重大です。是非とも好結果が出るような走りを見せてほしいですね。 |
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2024/04/04(木) ◎改訂(SGT) ○今シーズンから新たに取り入れられることになることの1つが予選方式で,これまではQ1からQ2へと順次ドロップダウンしていく方法が採られていましたが,今シーズンからQ1とQ2それぞれ別の全ドライバーが走行し,2人のドライバーがマークしたタイムの合算でグリッドが決まることになりました。もう1つ取り入れられたことが『リザーブドライバー制度』の導入で,どちらかのドライバーが急病やアクシデント等により以降のセッションで走行できなくなった場合,あらかじめ登録していたリザーブドライバーが替わって出場することになるという制度です。これにより,誰か一人のドライバーが走行できなくなった場合,当該チームはリタイアを強いられるという問題が起きなくなります。そのリザーブドライバー制度について,先月末にSGTをプロモートするGTアソシエーションから改訂版が発表されました。その大まかな内容ですが,当初の規則では,300kmレースでは全チームが,長距離レースでは第3ドライバーを登録していないチームが登録できるとされていました。しかし,今回の改訂では,300kmレースの場合,レギュラードライバー2名,リザーブドライバー最大2名となりました。そして長距離レースの場合,レギュラードライバー2名のチームはリザーブドライバー最大2名,レギュラードライバー3名のチームの場合はリザーブドライバー1名となりました。これにより,可能性はかなり低いですが,もし2人のドライバー共にやむを得ない事情で走行できなくなっても,リザーブドライバーが2人いますので,リタイアせずに済むこととなります。その他の改訂ポイントもあり,GT500クラスのリザーブドライバーについてですが,GT300クラスのチームの中でリザーブドライバーを登録しているチームに関しては,そのチームが同意すればレギュラードライバーをGT500クラスのリザーブドライバーとして登録することができるようになりました。なお,当初の規則では,予選終了後にドライバーがチェンジすることになった場合,決勝レースではドライブスルーペナルティーが科されることになっていました。しかし,GT300クラスのドライバーをGT500クラスのドライバーにリザーブとして出場することになた場合,GT300クラスのチーム側にはペナルティーが科されないこととなりました。 |
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2024/04/03(水) ◎同一オーナーに(F1&MotoGP) ○現在F1の商業権を有しているのは,アメリカの企業である『リバティ・メディア』です。それに対して,レース専用車で争われるMotoGPと市販車ベースマシンで争われるSBKの商業権を有しているのが,スペインに本社を置く『ドルナスポーツ社』となっています。かつては,ルクセンブルクに拠点を置く投資ファンドである『CVCキャピタル・パートナーズ』がF1とMotoGPの両方を所有していましたが,2006年に欧州の独占禁止法当局によってMotoGPを売却させられて現在に至っています。ところが,このところリバティ・メディアがMotoGPを買収する動きが出てきていて,近々発表されるのではないかという噂が浮上してきていました。そして,昨日そのリバティ・メディアから発表があり,同社とドルナスポーツ社との話し合いにより,噂されていたようにリバティ・メディアが約42億ユーロ(約6860億円)でMotoGPとSBKの両方を買収することになりました。その内容ですが,MotoGPの株式の86%をリバティ・メディアが所有し,残りの14%をドルナスポーツ社が保有することになります。これにより,4輪の最高峰と2輪の最高峰の両方が同一のオーナーというかつてと同じような状況に戻ることとなります。ただ,買収は成立しましたが,今後各地域の独占禁止法・競争法当局による審査と許可を待つことになり,これらの作業は2024年末までに完了予定になっていて,実際に経営が統一された形で行われるのは2025年からということになりそうです。今回の契約成立によると,ドルナスポーツ社はMotoGP及びSBKの経営会社として今後も続いていき,CEOはこれまで通りC.エスペラータが務め,他の経営陣もそのまま残ることとなります。 |
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2024/04/02(火) ◎新拠点(F1) ○3月27日(水)にホンダにおける2輪,4輪のレース分野を担う会社である株式会社ホンダ・レーシング(HRC)から発表があり,新会社である『Honda Racing Corporation UK Ltd.(HRC UK)』をイギリスに設立しました。2026年シーズンからのF1は,新たなレギュレーションに基づいて開催されることになっていて,これに合わせてホンダは,アストンマーティンF1へパワーユニット(PU)等をワークスとして供給する形で正式に復帰することが決まっています。PUの開発を担当するのはこれまで通り栃木県さくら市にある『HRC Sakura』ですが,今回新たに設立されたHRC UKは,そのHRC Sakuraのヨーロッパにおける拠点として,メンテナンス作業やオペレーションなどのPU運営業務を主に行うということです。さらに,F1のレースは今でもヨーロッパ域内で開催されることが多く,新たにタッグを組むアストンマーティンF1の拠点はイギリスにあることから,イギリスに会社を設立することは作業効率の面でも十分メリットがありそうです。ちなみに,現在タッグを組んでいるオラクル・レッドブル・レーシングも拠点はイギリスですので,2025年までの関係性ではあるものの,この面でも効率的だと言えますね。 |
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2024/04/01(月) ◎好相性(WRC) ○第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』最終日の走行が,雨期に入っているものの,ドライコンディションの中で行われました。この大会はシリーズの中で最も過酷となっていますが,今回も初日からずっとアクシデントやマシントラブルなどに見舞われ,その洗礼を浴びるドライバーが続出していきました。その中で,2日目からトップに立っていたTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のK.ロバンペラが速さと堅実さを維持し続けました。2位以下に2分以上の差をつけて最終日を迎えたロバンペラは,その差を有効に使って終始堅実な走りを展開していき,最終的に2位に1分30秒以上の差をつける独走でトップの座を守って今季初優勝を飾りました。ロバンペラのチームメイトで,唯一のフル参戦日本人ドライバーである勝田貴元は,この大会での相性がとても良く,初参戦となった2021年ではいきなり2位表彰台を獲得し,さらに2022年は順位は1つ下がりましたが,3位に入って2年連続表彰台を獲得しています。昨シーズンはアクシデントに見舞われて表彰台獲得はなりませんでしたが,それでも4位に入っています。再び表彰台を獲得すべく迎えた今大会では,初日こそ3位内に入ることができなかったものの,2日目には3位に,そして3日目に2位に順位を上げて最終日を迎えていました。残念ながら大差がついていたロバンペラを捉えることはできませんでしたが,3位に50秒近い差をつけて2位のポジションを守り続け,自己最高位タイとなる2位表彰台を獲得しています。3位には,Mスポーツ・フォードのA.フルモーが入っています。 |
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