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2014/06/30(月)
☆初優勝(JRR)
○第4戦の決勝レースが,時折激しい雨に見舞われるというコンディションの中スポーツランドSUGOにおいて行われました。今大会のJSB1000クラスは,120マイル(52周)というセミ耐久の形式で開催されました。本来は13時10分から行われる予定だった決勝レースでしたが,激しい雨に見舞われてあちらこちらに川ができたたリレイドとなったため,最終的に16時ちょっと前にレーススタートとなりました。レースの主導権を握ったのは,今年も自らのチームでフル参戦しているTeam KAGAYAMAの加賀山就臣でした。3周目には,その加賀山をTeamGREENの柳川明が交わしてトップに浮上。6周目には,その柳川をヤマハYSPレーシングチームの中須賀克行が交わしてトップに立ちました。ウェット路面に足元をすくわれて転倒するライダーが続出する中,一度はトップに立った柳川も転倒してリタイアになるという荒れた展開となりました。30周を越えた当りでピットインするライダーが出始め,32周目にはトップに立っていた中須賀がピットインしました。ところが,ハイポイントコーナーでオイルが出たためセーフティカーが導入され,そのオイルの量が多いことから赤旗が出て35周目の順位でレース成立となりました。この結果,加賀山がうれしい今季初優勝を飾り,2位にMuSASHi RTハルクプロの高橋巧,3位にヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也が入りました。結果的にタイミング悪くピットインした中須賀は,4位でレースを終えています。
この日最後のレースとなったJ-GP2クラスは,JSB1000クラスで出たオイル処理のため4時間近く遅れ,16周のレースとしてスタートとなりました。ホールショットを奪ったのはここまでランクトップをいく4番グリッドからスタートしたMORIWAKI RACINGの高橋裕紀でした。しかし,ポールからスタートしたWill-RaiseRacingRS-ITOHの井筒仁康が2周目の1コーナーで高橋を交わしてトップに浮上すると,荒れたコンディションの中ベテランらしい走りを展開していってレースをコントロールし,独走で今季初優勝を飾りました。ペースの上がらない高橋をエスパルスドリームレーシングの生方秀之とMuSASHi RTハルクプロの亀谷長純が交わし,2位で生形が,3位で亀谷がチェッカーを受けました。高橋は,4位でのチェッカーとなりました。
ST600クラスも,時折激しい雨に見舞われて荒れたレース展開となりました。決勝レースがスタートすると,4番グリッドのSP忠男レーシングチームの横江竜司がホールショットを奪い,そのままトップの座を守っていきました。ところが,6周目に雨で足元をすくわれて転倒を喫してしまい,そのままリタイアとなりました。その後C.ポラマイや稲垣誠がトップに立ちましたが,いずれも転倒してしまい,まさにサバイバルレースとなりました。その荒れたレースを制したのが,Honda鈴鹿レーシングの日浦大治朗でした。まだ10代だった頃将来を嘱望された彼でしたが,運に見放されたこともあってその後は表舞台から一時消えていました。ホンダの社員となってから職場内チームである鈴鹿レーシングに所属して再びJRRに復帰。ここ数年の不運を吹き飛ばすかのような勝利となりました。2位には,一度転倒を喫して復帰したYamaha Thailand Racing Teamのポラマイが入りました。3位には,18番グリッドからスタートしたRS-ITOH&ASIAの石塚健が入っています。
J-GP3クラスは,ポールからスタートしたHotRacingの大久保光と6番手からスタートしたMuSASHiRTハルク・プロの水野涼との間で1周目にトップ争いを展開しました。その争いを制したのは,初の優勝に燃える水野でした。1周目を制した水野は,徐々に後続との差を広げて独走状態に持ち込み,見事初の優勝を飾りました。2位に入ったのは,元GPライダーでアジア選手権とJRRの両方に参戦している41Planningの宇井陽一でした。予選で速さを見せることができず,10番グリッドからスタートしたTEC2&TDA&NOBBYの鳥羽海渡が,決勝では本来の速さを見せて3位でチェッカーを受けています。
2014/06/29(日)
☆今回も(MotoGP)
○第8戦オランダGPの決勝レースが,高速サーキットの一つであるアッセン・サーキットで行われました。不安定な天候である『ダッチウェザー』で知られるオランダですが,前日に行われた予選では,セッション途中から降り始めた雨により,オープンクラスにフル参戦しているNGMモバイル・フォワード・レーシングのA.エスパルガロが自身初,そしてオープンクラスとしても初めてポールを獲得するという展開を生みました。そのMotoGPクラスですが,雨により2度サイティングラップが行われたり,レース途中でマシンを乗り換えるという『フラッグトゥーフラッグ』の展開になったりしました。そのような中,2番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスは,ホールショットを奪うとトップで1周目を終えました。その後もトップの座を守っていきましたが,7周目にピットに行ってマシンをチェンジ。ところが,コースインした直後にオーバーランを喫してしまい,7番手まで順位を下げてしまいました。しかし,ここまで全勝を誇るマルケスは,徐々に順位を回復していって16周目に再びトップに立ちました。その後は危なげなくトップの座を守りきり,MotoGPクラス始まって以来初となる8連勝を飾りました。7番グリッドからスタートしたドゥカティのA.ドビツィオーゾは,2位走行中の7周目にこちらもマシンをチェンジ。一時トップを走行しましたが,マルケスにトップの座を奪われました。しかし,最後まで2位の座を守り抜き,ドゥカティに所属してからの自己最高位を獲得しました。3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,4位走行中の7周目にマシンを乗り換えると,その後3位に浮上。最終的にその順位を守ってチェッカーとなり,今季6回目の表彰台を獲得しています。ドライブM7アスパーの青山博一は,残念ながらポイント圏外となる16位でのチェッカーとなりました。ただ,開幕以来ずっと続けている完走は,今回も果たしています。
Moto2クラスは,スタート直前に雨が降り始めたため,2度のサイティングラップが実施されました。ウェットコンディションになると圧倒的な力を発揮するライダーがこのクラスにはいます。そのライダーとは,QMMFレーシング・チームから参戦しているA.ウェストです。23番グリッドからスタートしたウェストは,1周目にいきなり7位に浮上。その後も順位を上げていき,12周目にトップに立つと最後までその順位を守り抜き,2003年のオランダGP以来11年ぶりとなる勝利を収めました。ちなみに,この時もウェットコンディションでした。8番グリッドからスタートしたパギナス・アマリラスHP40のM.ビニャーレスは,このクラスで初めてウェットタイヤを装着して決勝レースを走行しましたが,ウェストとのバトルを展開し,コンマ3秒遅れの2位でチェッカーを受けました。3位には,4番グリッドからスタートしたマークVDSレーシング・チームのM.カリオが入っています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,開幕戦以来久々に上位グリッドを獲得して復活が期待されましたが,決勝レースは今シーズンの定位置になってきているポイント獲得ぎりぎりのポジションでの争いとなり,単独走行の14位でチェッカーとなりました。テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,レース途中で転倒を喫したものの,再スタートを切ることができ,1周遅れの20位でゴールしています。
唯一ドライコンディションでの走行となったMoto3クラスは,2番グリッドからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0のA.マルケスが2周目にトップに浮上。一時2位に順位を下げることがありましたが,安定した速さを見せてトップに立つと後続との差を広げていき,前戦に引き続いてトップでのチェッカーとなりました。実兄であるM.マルケスがMotoGPクラスを制していますから,今回もマルケス兄弟がそれぞれのクラスでウィナーとなっています。そのマルケスのチームメイトであるA.リンスは,マヒンドラ・レーシングのM.オリベイラとの2位争いとなりました。最終ラップの最終コーナーまで争われた2位争いでしたが,最終的にリンスが前でチェッカーを受け,エストレラ・ガルシア0,0勢のワンツーフィニッシュで今大会を終えています。
☆ウェットコンディション(JRR)
○第4戦の予選が,スポーツランドSUGOにおいて行われました。この日のSUGOは,J-GP3クラスに続いて行われたST600クラスの途中で大雨に見舞われたため,この2クラス以外は全てウェットコンディションでの走行となりました。JSB1000クラスは,ウェットコンディションの中で激しいタイムアタック合戦が展開されていきました。その争いを制したのは,昨年この大会を制しているヤマハYSPレーシング・チームの中須賀克行でした。中須賀のポールは,開幕戦以来となります。2番グリッドを獲得したのは,今年久々に鈴鹿8耐に参戦することになっているTeam GREENの柳川明でした。今シーズンここまでランクトップに立っているMuSASHi RTハルクプロの高橋巧が,セッション終盤にようやくタイムアップを果たして3番グリッドを獲得しています。
J-GP2クラスは,激しい雨の中での予選となりました。次々に最速タイムが入れ替わるという激しいアタック合戦となりましたが,そのような中,最後の最後でWill-RaiseRacingRS-ITOHの井筒仁康が最速タイムを刻み,大逆転でポールを獲得しました。2番グリッドを獲得したのは,こちらも最後のアタックで2番手タイムをマークしたエスパルス・ドリーム・レーシングの生方秀之でした。3番グリッドを獲得したのは,MuSASHi RTハルクプロの亀谷長純でした。
セッション途中から激しい雨が降り始めたST600クラスは,まだドライコンディションの段階で最速タイムを刻んでいたGBSレーシング・YAMAHAの近藤湧也が自身初となるポールを獲得しました。他のグリッドもセッション序盤の順位が結果となり,2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれRS-ITOH&ASIAの岩崎哲朗,ミストレーサwithHARC-PROこ小林龍太でした。
唯一終始ドライコンディションでの走行となったJ-GP3クラスは,若手ながら自らのチームを率いてフル参戦しているHotRacingの大久保光が,ファイナルアタックでさらにタイムを短縮する走りを展開して見事今季初ポールを獲得しました。大久保に逆転されるまでタイミングモニターのトップに立っていたリベルトPLUSONE & ENDURANCEの山田誓己が,最終的に2番グリッドを獲得しています。3番グリッドを獲得したのは,犬の乳酸菌jp/プリミティブR.T&バトルFの伊達悠太でした。
2014/06/28(土)
☆初ポール(MotoGP)
○第8戦オランダGPの予選が,アッセン・サーキットで行われました。『ダッチウェザー』として有名なオランダですが,MotoGPクラスの予選ではこの天気が新たな展開を生みました。ドライコンディションで進行していた予選でしたが,最後の予選2が始まる前に雨が降り始めました。セッション開始後早い段階でトップタイムをマークしたのは,オープンオプションクラスにNGMモバイル・フォワード・レーシングから参戦しているA.エスパルガロでした。コンディションは回復することなく時間が経っていき,結局セッション序盤にマークしたタイムを破るライダーは現れず,エスパルガロが参戦150戦目にして初のポールを獲得しました。昨年までのCRTクラスに替って始まったオープンオプションクラスですが,このクラスのマシンがポールを獲得したのも初となります。2番手タイムをマークしたのは,ここまで全戦で勝利を収めているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。そのマルケスのチームメイトで,前戦のポールシッターであるD.ペドロサが3番グリッドを獲得しています。ドライブM7アスパーの青山博一は,14番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。
Moto2クラスは,2戦連続ポールトゥーフィニッシュを獲得して今大会に臨んでいるマークVDSレーシング・チームのE.ラバトが,その勢いを継続するかのようにトップタイムをマークし,3戦連続のポールを獲得しました。2番手タイムをマークしたのは,これが自己最高位となるテクノマグ・カーエキスパートのD.エガーターでした。昨年のWSSチャンピオンであるスピードアップのS.ロースが3番グリッドを獲得し,今季2回目のフロントロースタートとなりました。今シーズン不調の陥っているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,久々に予選でタイミングモニターの上位に顔を出して5番グリッドを獲得しています。テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,30番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,ランクトップに立っているレッドブルKTMアジョのJ.ミラーが,サーキットベストを更新する速さを見せ,今季4回目となるポールを獲得しました。前戦でポールトゥーフィニッシュを達成したエストレラ・ガルシア0,0のA.マルケスが2番手タイムをマークし,2戦連続3回目となるフロントローを獲得しました。アバント・テクノ・ハスクバーナ・アジョのN.アジョが,自己最高位となる3番グリッドを獲得しています。
2014/06/27(金)
☆4度目(MotoGP)
○第8戦オランダGPが開幕し,初日は2回のフリー走行が行われました。通常は金曜日からの開幕ですが,いつものように日曜日が安息日ということで,他の大会と違ってオランダGPは1日早い進行となっています。MotoGPクラスでトップタイムだったのは,オープンクラスで参戦しているNGMモバイル・フォワード・レーシングのA.エスパルガロでした。ここまでの7戦で6回クラストップに立っているエスパルガロですが,今回のフリー走行ではサーキットベストを更新してのトップタイムでした。彼が初日総合トップに立ったのは,今季通算4度目となります。総合2番手タイムだったのは,今季ここまで全てのレースを制しているレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。前戦カタルニアGPにおいて,今季初めてマルケスのポールを阻止したチームメイトのD.ペドロサが総合3番手タイムでした。ドライブM7アスパーの青山博一は,16番手タイムで初日を終えています。
Moto2クラスは,前戦の勝者で,ここまでランクトップに立っているマークVDSレーシング・チームのE.ラバトが,今季4度目となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2番手タイムをマークしたのは,昨シーズンWSSでタイトルを獲得し,今シーズンからGPに参戦しているスピードアップのS.ロースでした。総合3番手タイムだったのは,テクノマグ・カーエキスパートのD.エガーターでした。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は18番手,テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は31番手タイムで初日を終えています。
Moto3クラスは,前戦で自己最高位となる2位表彰台を獲得したジュニア・チームGO&FAN Moto3のE.バスティアニーニが,その勢いを継続するかのように自身初となる初日総合トップタイムをマークしました。総合2番手タイムをマークしたのは,ここまでランクトップをいくレッドブルKTMアジョのJ.ミラーでした。総合3番手は,ここまでランク6位につけているカルボ・チームのI.ビニャーレスでした。
2014/06/26(木)
☆復帰(SGT)
○6月27日(金)と28日(土)には,鈴鹿サーキットで公式テストが行われる予定になっています。これは,スポーツランドSUGOにおいて行われる予定の第4戦と,鈴鹿で第6戦として行われる予定になっている恒例の鈴鹿1000qを見据えてのテストです。この度SGTの主催者であるGTAから,そのテストの最終エントリーリストが発表されました。そのリストを見ると,GT500クラスにおけるホンダ勢の中に注目のドライバーが見られます。鈴鹿1000qは,チームによっては3人体制で臨むレースですので,通常の大会ではエントリーしていないドライバーがステアリングを握ることになります。今回のエントリーは,その第3ドライバーの有力候補が参加する可能性が高いわけで,そうした点で注目となるわけです。その注目点ですが,まず1人目は,ARTA NSX CONCEPT-GTを駆る道上龍です。GTでチャンピオンを獲得した経歴を持ち,ホンダのエース的立場を長く続けていた道上ですが,今シーズンはTEAM無限でGT300クラスのエグゼクティブディレクターなどを務めています。ドライバーとして引退したわけではないものの,実質的にはそれに近い状態になっていました。今回の起用は,ドライバー引退ではないことをあらためて証明したものとなっています。2人目は,ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTを駆ることになったF.マコウィッキです。マコウィッキといえば,昨シーズン同チームからHSV-010 GTを駆ってフル参戦していました。フランス人ドライバーである彼は,今年もSGT継続参戦を望んでいたものの,家庭事情等から叶わず,ヨーロッパに戻ってポルシェとワークス契約を結び,ポルシェAG・チームマンタイからWECに参戦しています。ヨーロッパに戻ってからもSGT参戦への希望を持ち続けていたようで,今回のテスト参加に至ったようです。
2014/06/25(水)
☆どこが(F1)
○これまではヨーロッパを中心に行われてきたF1ですが,近年では徐々にヨーロッパでのレースが減ってきて,アジアなど様々な地域で行われるようになってきています。それに伴い,開催数が数が傾向にあり,20を越えるという場合も考えられる状況も見られています。それに対して開催数の増加はチームへの負担もその分増え,経済的に厳しい状況にあるチームにとっては対応できにくいのも事実です。来シーズンの開催数についてF1界のボスであるB.エクレストンがコメントし,来季は今シーズンと同じ19になることを明らかにしました。その来シーズンですが,アゼルバイジャンでのストリートレースに関しては開催目指して進めていくということです。大会数は変わらずに新規開催地ができるということは,どこか既存の開催地がカットされるということをしまします。果たしてどこが開催権を失うのか,新たな注目点が生まれたことになります。
2014/06/24(火)
☆怒り心頭(F1)
○11年ぶりの開催となったオーストリアGPですが,これはかつてエステルライヒリンクやA1リンクとして開催されてきていて,今シーズンからは新たにレッドブル・リンクとして開催されました。4年連続してチャンピオンを獲得してきたレッドブルにとっては,まさにその栄光を誇示するのに有効な場となるところでした。しかし,車体,エンジン共にブランニューとなった今シーズンは,メルセデスが圧倒的な強さと速さを見せ,トップ4全てがそのメルセデス勢で占められました。それに対して,ルノーエンジンを搭載するレッドブルは,チャンピオンであるS.ベッテルはオープニングラップからトラブルが発生し,最終的にはリタイアせざるを得なくなり,前戦で勝利を収めたD.リカルドは,一度もトップ争いに加わることなく8位でフィニッシュ。栄光を誇示するどころか,不振のシーズンをあらためて象徴する結果に終わってしまい,レッドブルとしては「面目丸つぶれ」でした。今シーズンの不調を受け,これまでもレッドブルを指揮するC.ホーナーはルノーに対して改善を要求していました。さらに,ルノーを見限って来シーズン以降は別のエンジンに乗り換えるのではないか,レッドブル自体が独自のエンジンを開発するのではないかという噂が浮上しています。こうした噂に対しては,ホーナー自身が2016年シーズンまでルノーとの契約があるとしています。しかし,今大会の結果を受けてのホーナーは「怒り心頭に発する」状態だったようで,フラストレーションを感じていることやさらなる改善などをルノーに伝えたようです。2016年まで契約があるとはいえ,何が起こるかわからないのがF1の世界。このままの状態が続くと,新たな動きが出てくるのかもしれませんね。
2014/06/23(月)
☆定番(F1)
○11年ぶりの開催となる第8戦オーストリアGPの決勝レースが,ドライコンディションのレッドブル・リンクで行われました。前日に行われた予選では,ウィリアムズのワンツーとなりましたが,今シーズン好調のメルセデス勢とのバトルがどうなるか注目されました。さてその決勝レースですが,2番グリッドからスタートしたV.ボッタスがスタート時で順位を1つ下げることがありましたが,すぐに順位を回復してワンツー体勢を築きました。対するメルセデスは,ロズベルグが3位に立つと共に,9番グリッドからスタートしたL.ハミルトンはみるみる間にポジションをアップしていき,何とオープニングラップで4番手に浮上しました。これにより,レース序盤はウィリアムズとメルセデスの4台によるバトルとなりました。レース中盤には,ピットストップの違いから一時フォース・インディアのS.ペレスがトップに立ちました。マッサ以外はペレスを交わしましたが,マッサはペレス攻略に手間取ってトップ争いから脱落していきました。ウィリアムズより早めのピットストップ作戦を敢行したメルセデスの2台は,ウィリアムズの2台を交わして今シーズンの定番となっているワンツー体勢を築きました。終盤になるとトップのロズベルグにハミルトンが迫り,ファイナルラップでは差が1秒近くとなりました。それでも最後までトップの座を守り抜き,ロズベルグが今季3勝目を挙げてランクトップの座を守ると共に,ハミルトンとのポイント差を29に広げました。3位にボッタスが入り,参戦2年目にして初の表彰台獲得となりました。4位のマッサは,フェラーリのF.アロンソの追撃を振り切って4位でゴールしています。ケータハムの小林可夢偉は,アップデートもままならない状態のマシンを粘り強く駆り続けて16位でゴールし,2戦ぶりの完走を果たしています。
2014/06/22(日)
☆独占(F1)
○前戦カナダGPでは,それまでメルセデスAMG勢がポールトゥーフィニッシュを達成してきましたが,予選はその通りになったものの,決勝レースでレッドブルのD.リカルドが勝利し,シーズンは新たな展開となりました。そして迎えた第8戦オーストリアGPの予選が,シュピールベルクにあるレッドブル・リンクで行われました。トップ10を決めるQ3では,まずウィリアムズのV.ボッタスが最初のアタックで最速タイムを刻み,最終アタックではこれが目標タイムとなりました。ここまでランク2位につけているメルセデスAMGのL.ハミルトンは,最初のアタックで4輪がコースからはみ出るという失敗に終わり,2回目のアタックにかけました。ところが,ファイナルアタックとなる2回目で,今度は2コーナーでコースオフを喫してしまい,ここがイエロー区間の原因となってしまいました。そのイエローの影響を受けたのが,ハミルトンのチームメイトでここまでランクトップにつけているN.ロズベルグでした。ハミルトンの後でタイムアタックに入ったため,2コーナーでのイエローにより減速せざるを得ず,タイムを更新することができませんでした。イエローが解除となってから1回目のアタックでトップタイムをマークしていたボッタスが2回目のアタックを開始しましたが,初ポールのプレッシャーがあったのか,一瞬コースオフを喫してしまってタイム更新がなりませんでした。そして,ボッタスの後ろでアタックしたのがチームメイトのF.マッサでした。そのマッサがボッタスのタイムを更新する走りを展開し,見事今季初ポールを獲得しました。ここまでメルセデスAMG勢がポールを独占してきましたが,予選でもその流れが途絶えました。マッサのポール獲得は,母国で行われた2008年のブラジルGP以来6年ぶり,通算16回目となります。1回目のタイムによりボッタスが2番グリッドを獲得し,ウィリアムズがフロントローを独占(J-P.モントーヤ&R.シューマッハ)しましたが,これは2003年のドイツGP以来11年ぶりとなります。メルセデスAMGがポールを逃したとはいえ,エンジンでいうとウィリアムズもメルセデス勢の一つですから,相変わらずエンジンではメルセデスがポールを獲得し続けていることになります。3番グリッドを獲得したのは,ロズベルグでした。ケータハムの小林可夢偉は,Q1で20番手タイムをマークして予選を終えています。
2014/06/21(土)
☆変更なし(F1)
○第7戦カナダGPの決勝レースにおいて,3位争いを展開していたフォース・インディアのS.ペレスとウィリアムズのF.マッサがファイナルラップの1コーナー手前で激しくクラッシュして両者リタイアに終わるという事故が発生しました。レース後にカナダGPのスポーツディレクションが審議した結果,ブレーキング中にペレスがラインを変更したのがクラッシュの原因だとして,昨日から開幕した第8戦オーストリアGPの決勝で5グリッド降格処分が下されました。これを不服としたフォース・インディアとペレスは,新たな証拠が見つかったとして再審議を要請し,これが受理されて今度はオーストラリアGPのシュチュワードがペレスからの聞き取り調査を実施しました。カナダGPにおける審議では,ペレス,マッサ共に激しいクラッシュだったために病院で検査を受けていましたから,二人からの聞き取り調査ができないまま裁定が下されていました。今回ペレス側が提出した新たな証拠というのがどういうものであったのかは不明ですが,この証拠と共に審議が行われました。その結果は,カナダGPで判断されたように,ブレーキング中にペレスが3位という自身のポジションを維持するために,意図的にマシンを動かしたというのは明白だとして,5グリッド降格処分に変更が加わることはありませんでした。これにより,明日行われる決勝では5グリッド降格した位置からのスタートを切ることになります。
2014/06/20(金)
☆GPライダー(8耐)
○今シーズンの鈴鹿8時間耐久レースは,来月の27日(日)に決勝レースが行われることになっています。今年の8耐は,カワサキが本格復帰を果たしたり,ヨシムラの創業60周年を記念して,K.シュワンツと辻本聡のコンビが久々に復帰したりといったことがあったりして,例年の注目点に加えての楽しみがある大会となります。かつてはWGPの最高峰クラスでチャンピオン争いを展開しているライダーが参戦したりした8耐ですが,近年はそうしたことがなくなっています。しかし,最高峰クラスではないものの,現役のGPライダーの参戦などが発表されています。まず,昨年の8耐において,加賀山就臣に「ニトロ・ノリ」としてSBKを中心に人気を博していた芳賀紀行,そして今年も参加するシュワンツのドリームチームを結成して3位表彰台を獲得したTEAM KAGAYAMAですが,今年は加賀山と芳賀に加え,Moto2クラスにテクノマグ・カーエキスパートからフル参戦しているD.エガーターを起用します。そのエガーターは,カタルニアGP後に行われたMotoGPクラスのオフィシャルテストにおいてアビンティア・レーシングのマシンを駆って参加した若手の注目ライダーの一人です。次に,TEAM KAGAYAMAと同じスズキ勢の雄であるヨシムラからは,昨シーズンまでMotoGPクラスにフル参戦していたR.ド.ピュニエを起用することになりました。ド.ピュニエといえば,来シーズンからMotoGPクラスに復帰することになっているスズキの開発ライダーを今年は務めています。ちなみに,ド.ピュニエと同様にスズキのMotoGPマシンの開発に当たっている元GPライダーの青木宣篤もヨシムラから参戦(シュワンツ&辻本のドリームチームから)します。元,そして現役のGPライダーの走りもたくさんある注目点の一つとなりますね。
2014/06/19(木)
☆参戦(FE)
○今シーズンから新たなシリーズとしてスタートするのが,電動フォーミュラカーで争われる『フォーミュラE』(このサイトでは,FEで表記します。)です。これには,かつてF1にフル参戦した経験を持つスーパーアグリが参戦を表明していて,日本でも注目を集めるシリーズとなりそうです。その新しいカテゴリーに,新たに参戦するチームが発表されました。そのチームとは,かつてF1ドライバーとして活躍したJ.トゥルーリです。トヨタがF1参戦している時,同チームのドライバーを務めていますので,日本人にとっても親しみのあるドライバーの一人ではないでしょうか。そのトゥルーリが,FE参戦を断念したドレイソン・レーシングの参戦枠を買い取り,自ら起こしたチームを『トゥルーリGP・フォーミュラE・チーム』として参戦することにしました。今回の発表によると,参戦を断念したドレイソン・レーシングですが,トゥルーリGPにワイヤレス充電システムを供給する技術パートナーとしてFEシリーズとの関わりを継続することになります。FEシリーズには,元F1ドライバーの参戦が予定されていますが,優勝経験を持つ(2004年のモナコGPで優勝)のはトゥルーリが初めてとなります。
2014/06/18(水)
☆100勝目(MotoGP)
○週末に行われた第7戦カタルニアGPの決勝レースでは,ここまでランク3位までつけているライダーによる手に汗握るトップ争いが展開されていきました。そして,そのレースを制したのは,開幕以来ずっと勝利を収めてきたレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスでした。このマルケスの勝利により,ホンダはMotoGPクラスで通算100勝目を挙げるというメモリアルレースとなりました。長く2サイクル500ccマシンで争われてきた最高峰クラスでしたが,2002年から4サイクルマシンで争われるMotoGPクラスとしてスタートを切りました。その2002年には,当時ホンダに所属していたV.ロッシをはじめ,A.バロス,そして宇川徹が勝利を収め,それらを含め合計13人のライダーによって通算100勝目を挙げることになりました。さて,その100勝の内訳ですが,D.ペドロサ(25勝),V.ロッシ(20勝),C.ストーナー(15勝),M.マルケス(10勝),S.ジベルノー(8勝),M.メランドリ(5勝),N.ヘイデン(3勝),M.ビアッジ(3勝),A.バロス(3勝),玉田誠(2勝),宇川徹(1勝),T.エリアス(1勝),A.ドビツィオーゾ(1勝)となっています。具体的な勝利については,ホンダのモータースポーツ公式サイトをご覧になって下さい。
2014/06/17(火)
☆退院(F1)
○元F1チャンピオンであるM.シューマッハのマネージャーであるZ.ケームさんから発表があり,シューマッハがずっと治療を受けていた病院を既に退院し,別の場所でリハビリに取り組むことになりました。シューマッハについては,これまでに何度かお伝えしたように,昨年12月29日にフランス・アルプスのリゾート地であるメリベルでスキーをしている最中に転倒。その際,岩で頭を強打して昏睡状態に陥っていました。当初は命さえ危うい状況となりましたが,懸命な治療により生命の危機は脱していました。とはいえ,深刻な状況に変わりはなく,治療はあえて薬を使って昏睡状態を維持させていました。今年に入ってから徐々に覚醒させる治療を開始しはじめ,F1開幕の頃には覚醒のわずかな兆候が見られるようになり,4月には,これまたわずかな回復を示したというような発表がありました。ところが,それ以後は全く発表がないままでしたから,動向が心配されていたのも事実です。しかし,今回こうした発表があり,ホッと胸をなで下ろしました。今回な声明による発表だけでしたので,シューマッハ自身の姿を全く見ることができていません。ですからその姿を見るまで安心できない部分はありますが,今後は人目から遠ざかったところでリハビリに取り組んでいくとのことですから,新たな発表があることを心待ちにしながら,しばらくは待つ必要があります。
2014/06/16(月)
☆最年少記録(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPの決勝レースが,雨雲が上空の一部にはあるものの,ドライコンディションの中カタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,レプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサ,M.マルケスの2人と,モビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシとの三つ巴の争いとなりました。ファイナルラップまで続いた3人の争いを制したのは,今回ポールは逃したものの,前戦まで全てポールトゥーフィニッシュを飾ってきたマルケスでした。今回の勝利で7連勝となり,これは史上最年少記録を更新するものです。前戦でランク2位に浮上したロッシが,今回も粘り強い走りを見せて2位でチェッカーを受け,4戦連続5度目の表彰台獲得となりました。ポールからスタートしたペドロサが,3位に入り,今季5度目の表彰台獲得となります。ドライブM7アスパーの青山博一は,セッティングに苦しんで思うような走りを展開できていませんでしたが,20番グリッドからスタートして15位でゴールし,開幕から連続してポイント獲得を獲得しています。
Moto2クラスは,今季5回目となるポールからスタートしたマークVDSレーシング・チームのE.ラバトが,5周目にトップに立つと後続との差を広げていき,独走でポールトゥーフィニッシュを達成し,2連勝を飾ると共に,今季4勝目を挙げました。3番グリッドからスタートしたパギナス・アマリラスHP40のM.ビニャーレスが2位に入り,Moto2クラスルーキーながら今季2回目の表彰台獲得となりました。3台で争われた3位争いを制したのがJ.ザルコで,今季から新規参入チームであるエアー・アジア・ケータハム・レーシングに初の表彰台をプレゼントしました。ケータハムといえば,F1で小林可夢偉が所属していますが,今季途中で参戦をとりやめるのではないか。その影響から,Moto2クラスへの参戦も取りやめになるのではないかという噂が出てきているのですが,そうした噂を振り払うかのような表彰台獲得となりました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,レースウィークを通してなかなか上位争いに加わることができていませんでしたが,ポイント圏内争いでリタイアが続出したこともあって,25番グリッドからスタートしたものの,13位でチェッカーを受け,今季3度目のポイント獲得となりました。テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,レース途中で転倒を喫したものの,幸いにも再スタートを切ることができ,25位でチェッカーをチェッカーを受けています。
Moto3クラスは,通算35戦目にして初めてポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0のA.マルケスが,サーキットベストを更新する速さを見せて後続との差を広げていき,独走で今季初優勝を飾りました。彼が駆っているマシンは,ホンダのNSF250Rですが,昨シーズンまでKTMのマシンに押されて劣勢を強いられてきました。そうした状況を打破するため,HRCがてこ入れを図って大幅にマシンに改良を加えてきていますが,そうした努力が報われてホンダに勝利をもたらされました。MotoGPクラスにおいて兄であるM.マルケスが優勝していますから,兄弟が2クラスを制するという快挙を達成しています。2番グリッドからスタートしたジュニア・チームGO&FAN Moto3のE.バスティアニーニが,自身最高位となる2位でチェッカーを受けています。これは,自身初の表彰台獲得でもあります。8番グリッドからスタートしたサクソプリントRTGのE.バスケスが3位に入り,今季4度目の表彰台を獲得しています。
2014/06/15(日)
☆初ポール(MotoGP)
○第7戦カタルニアGPの予選が,スペインのバルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,開幕以来ずっとレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールトゥーフィニッシュを達成してきていて,その記録がどこまで続くか注目となっていました。そのマルケスですが,3回目のタイムアタックの時に今シーズン初めての転倒を喫し,ポール獲得に黄色信号が灯りました。そうした中で速さを見せたのは,マルケスのチームメイトで,ここまでランク3位につけているD.ペドロサでした。ここ2戦は腕上がりを解消するための手術の影響からいい結果を出すことができていませんでしたが,ここにきて本来の力を発揮できるようになってきたようです。そのマルケスは,2度目のタイムアタックで唯一となる1分40秒台をマークしました。結局これが最速タイムとなり,今シーズン初のポールを獲得すると共に,開幕以来続けていたマルケスの連続ポールは6でストップしました。2番グリッドを獲得したのは,前戦においてマルケスとファイナルラップまでトップ争いを展開し,ようやく本来の力を発揮し始めたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。今季初の転倒を喫したマルケスは,結局3番手タイムをマークし,今回もフロントローからスタートすることになりました。ドライブM7アスパーの青山博一は,思うようにセッティングを決めることができず苦しい走行となり,20番グリッド獲得で予選を終えています。
Moto2クラスは,ここまでランクトップにつけているマークVDSレーシング・チームのE.ラバトが,予選まで行われた3回のフリー走行全てでトップタイムをマークしてきました。そのラバトの予選での走りが注目されましたが,速いタイムをコンスタントに刻んでいき,2戦連続となるポールを獲得しました。今季好調な走りを見せている一人であるM.カリオが2番グリッドを獲得し,マークVDSによるワンツーとなりました。3番グリッドを獲得したのは,Moto2クラスルーキーの一人であるパギナス・アマリラスHP40のM.ビニャーレスでした。今シーズン不調に陥っているイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,初日こそ総合8番手と復調したかに見えたものの,やはり悪い流れからなかなか抜け出せていないようでマシンがなかなか決まらず,25番手タイムで予選を終えています。テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,31番手タイムで予選を終えています。
Moto3クラスは,フリー走行で総合トップタイムをマークしたエストレラ・ガルシア0,0のA.マルケスが,予選でも好調な走りを展開していき,参戦35戦で初のポールを獲得しました。ジュニア・チームGO&FAN Moto3のE.バスティアニーニが2番グリッドを獲得し,これは自身最高位となります。マルケスのチームメイトであるA.リンスが3番手タイムをマークし,4戦連続今季6回目となるフロントローを獲得しました。
2014/06/14(土)
☆日本初(WEC)
○WECシリーズの第3戦に当たるルマン24時間耐久レースの予選が,6月11日,12日の2日間にわたって行われました。ルマンの予選は,この2日間で合計3回行われ,その結果によって今日行われる決勝レースのグリッドが決定します。11日に行われた1回目の予選では,今シーズンから本格復帰したポルシェ919ハイブリッド勢が早々にタイムアタックを行ったのに対して,トヨタ勢はトラブルがあったり,アクシデントによる赤旗のためタイムアタックできないまま終了したりしたこともあって,ポルシェ勢のワン・ツーで終了しました。12日に行われた2回目の予選では,中嶋一貴がトヨタTS040ハイブリッド7号車のタイムアタックを担当しました。終盤に入ってライバルであるポルシェ919ハイブリッド勢やアウディR18 e-トロン・クワトロ勢とともにタイムアタック合戦を繰り広げました。そして,2回目の予選が終了して30分後,夜のとばりがおり始める中3回目の予選が行われました。この時間帯が一番タイムを出せる場合が多く,ここでも一貴がタイムアタックを担当しました。そのような中で一貴は速さを見せて3分21秒789というタイムをマークし,2番手のポルシェ14号車にコンマ3秒差をつけてトップに立ちました。終盤に入ってタイムアタック合戦が続きましたが,その終盤にLMP2クラスのマシンがコースオフして砂利をまき散らし,この区間が清掃のため時速60キロ制限となって実質上タイムアタックできなくなりました。この結果,一貴がマークしたタイムを誰も上回ることができず,A.ブルツ&S.サラザン&中嶋一貴組のトヨタTS040ハイブリッドが見事ポールを獲得しました。日本人ドライバーによるポール獲得は,長いルマンの歴史の中で初となりますし,当然日本車を駆った日本人ドライバーによるポール獲得も初めてとなります。トヨタTS040ハイブリッド8号車が3番グリッドを獲得し,トヨタにとってはルマン初制覇に向けて期待を更にいだかせる予選結果となりました。2番グリッドを獲得したのは,R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ組のポルシェ919ハイブリッド14号車でした。5連覇を狙うアウディ勢ですが,F.アルバカーキ&M.ボナノミ&O.ジャービス組のアウディR18 e-トロン・クワトロ3号車の5番手が最高位でした。
2014/06/13(金)
☆代役(WEC)
○昨日お伝えしたアウディR18 e-トロン・クワトロ1号車を駆るL.デュバルのアクシデントに関して,主催者であるACOから新たな発表がありました。時速270キロメートルもの高速でコンクリートウォールに激突したマシンは,リア部分が激しく破損しました。直後はデュバルの状態自体が心配されましたが,足に痛みはあるものの,意識があることは確認。直ちにルマン市内の病院に搬送されて検査した結果,現段階での発表は脚部に2カ所の擦り傷があるということで,幸いなことに深刻な事態は免れています。発表では擦り傷でしたが,裂傷ではないかという情報も出ているようです。マシンに関しても,チームの懸命な作業により,2回目の予選の段階では走行を果たし,7番手タイムをマークしています。今回のACOの発表によると,デュバルに替わって,アウディでリザーブドライバーを務めている元F1ドライバーのM.ジェネがアウディR18 e-トロン・クワトロ1号車を駆ることになりました。また,そのジェネは,今大会においてLMP2クラスでJOTAスポーツ38号車を駆っていたのですが,ジェネがLMP1クラスに移動したことにより,その代役としてO.ターベイが出場することになりました。2連覇を狙っていたデュバルでしたが,残念ながらその願いは叶いませんでした。とはいえ,深刻な事態にならなかったのは何と言っても幸いです。この悔しさは,ぜひSFやSGTにおいて晴らしてもらいたいものですね。なお,2回目の予選では,A.ブルツ&S.サラザン&中嶋一貴組のトヨタTS040ハイブリッドがトップタイムをマークしています。
2014/06/12(木)
☆トップタイム&クラッシュ(WEC)
○今週末は,いよいよ世界3大レースの一つで,WECシリーズの3戦目となる『ルマン24時間耐久レース』の決勝レースが行われます。その決勝レースに向け走行セッションがスタートし,その第1段として4時間のフリープラクティスが行われました。この日のプラクティスは,様々なアクシデントが発生し,赤旗が何度も出る荒れた展開となりましたが,その中でトップタイムをマークしたのは,ここまで2連勝し,悲願のルマン総合優勝を狙うトヨタ勢の8号車であるA.デイビッドソン&N.ラピエール&S.ブエミ組のトヨタTS040ハイブリッドがトップタイムをマークしました。昨シーズンまで連勝を重ねているアウディ勢の2号車であるM.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ組のアウディスポーツ・チーム・ヨーストが,トップと同じ3分23秒台で2番手タイムをマークしました。3番手タイムは,トヨタの7号車であるA.ブルツ&S.サラザン&中嶋一貴組のトヨタTS040ハイブリッドがつけています。今シーズンから本格復帰しているポルシェ勢では,T.ベルンハルト&M.ウエーバー&B.ハートレー組のポルシェ919ハイブリッド20号車の6番手が最高位でした。冒頭に記したように荒れた展開となったこの日のフリープラクティスですが,その中でも会場が凍り付いたアクシデントが,アウディ1号車のクラッシュでした。SFやSGTで日本人に大変お馴染みの外国人ドライバーのL.デュバルが走行している時,高速コーナーの一つであるポルシェカーブで高速のままコースオフ。マシンはコンクリートウォールにヒットし,さらにその勢いでキャッチフェンスに激突ながら地面に落下してようやく停止しました。リア部分を中心に大破し,デュバルの安否が心配されるほどのクラッシュ劇でしたが,幸いなことにデュバルには意識があって周囲はホッと一安心といったところでした。とはいえ,激しいクラッシュでしたし,足の痛みを訴えたこともあり,メディカルセンターに運ばれた後,市内の病院に搬送されて検査を受けています。もちろんデュバルの怪我の状況が最も懸念されますが,マシン自体はモノコックまで損傷を受けている可能性がありますので,修復がどの程度できるのかも懸念されます。
2014/06/11(水)
☆ラストマシン(F1)
○先日レッドブルから発表があり,チーフテクニカルオフィサーを務めるA.ニューエイと複数年契約を結びました。空力を駆使し,希代の天才デザイナーといわれているニューエイは,ウィリアムズ,マクラーレン,そして現在のレッドブルにおいて合計7回もチャンピオンマシンをつくり出しています。こうした実績を持つレーシング・デザイナーですから,どのチームも喉から手が出るほど彼を欲しがっているでしょうし,実際これまでもいろいろな噂が出たこともあります。最近では,今シーズンで契約が切れるニューエイに対して,フェラーリが彼を招聘するのではないかという噂が出たりしていました。今回の契約延長により,この噂は否定されたことになります。ただ,そのニューエイによると,彼が直接関わるマシンは,来季のマシンである「RB11」が最後になるということです。というのも,今回の契約には,同チームにおける「新たなプロジェクト」に関与することが明記されていて,これまでと違った形でチームに関わっていくとのことです。その具体的な形は夏以降に発表されることになるようですが,チームプリンシパルであるC.ホーナーによると,「チームへの指導と助言という役割で合意できた」というコメントを出しています。
2014/06/10(火)
☆ペナルティ(F1)
○今シーズンもサバイバルレースとなったカナダGPですが,その中で2つの大きな接触事故があり,合計4台のマシンがリタイアに追い込まれています。その2つの接触事故に関して,レーススチュワードが審議した結果,それぞれにペナルティが科されました。まず1つ目は,オープニングラップで起こった事故に関してです。これは,オープニングラップの3コーナーにおいて,マルシャのM.チルトンとJ.ビアンキが接触したものです。前戦においてチーム創設以来初めてポイントを獲得し勢いに乗るはずのチームだったのですが,一転して同士討ちによって2台共にリタイアとなりました。今回の発表によると,両ドライバーに話を聞いたりした結果,チルトン側に責任があったとして,次戦オーストリアGPにおいて3グリッド降格処分が下されました。もう一つの事故は,ファイナルラップで起こったものです。3位表彰台争いをしていたフォース・インディアのS.ペレスとウィリアムズのF.マッサが,ファイナルラップの1コーナー手前で接触し,高速のままウォールに激突しました。レース終了後に両者は近くの病院に搬送されましたが,幸いなことに2人とも大きなダメージがなかったため,すぐに退院しています。この点に関する発表によると,前を走っていたペレスが,走行ラインを変更したことが接触の原因だとして,次戦においてチルトンよりさらに重い5グリッド降格処分が下されました。
2014/06/09(月)
☆初優勝(F1)
○第7戦カナダGPの決勝レースが,ケベック州モントリオールにあるジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。今シーズンここまでメルセデスの2人が優勝を分け合っていますが,今回もそのN.ロズベルグとL.ハミルトンの2人によるトップ争いが展開されていきました。しかし,毎回サバイバルレースとなるこのカナダGPですが,それが今年はそのメルセデスの2人に襲いかかりました。一時は3位以下に25秒の大差をつける圧倒的な速さを見せていましたが,中盤に入ってこの2台が急激にペースダウン。何と今季ここまでほぼトラブルフリーだったメルセデスのマシンに,パワーダウンというトラブルが2台共に発生してしまったのです。1周当り2秒ほど遅いペースで周回せざるを得ない状況となったため,周を重ねる毎に縮まっていきました。さらに追い打ちをかけるように,今度は45周目に入ってハミルトンにブレーキトラブルが発生してしまい,何とかピットにはたどり着いたものの,ハミルトンはここでリタイアに終わってしまいました。ここまで全てのラップをメルセデスがラップリーダーを築いてきましたが,2回目のピットストップをロズベルグがしている間に1ストップ作戦をとっていたウィリアムズのF.マッサがトップに立ち,今シーズン初めてメルセデスの2人以外がリードラップを奪いました。ここでマッサは2ストップ作戦に切り替えたため再びロズベルグがトップに浮上。終盤にはトップをいくロズベルグに,マッサ,そしてD.リカルドとS.ベッテルのレッドブル勢,フォース・インディアのS.ペレスが加わった5台によるトップ争いとなりました。そして,68周目にはついにリカルドがトップに立ちました。サバイバルレースとなった今回の大会らしく,今回もファイナルラップで新たな展開となりました。トップ争いに加わっていたペレスとマッサが,そのファイナルラップで接触してしまい,激しくウォールにクラッシュしました。幸い2人にダメージはなかったものの,セーフティーカー導入となりました。レースはそのままチェッカーとなり,リカルドが自身初の優勝を飾りました。2位にはロズベルグ,3位にはベッテルが入り,レッドブルが昨シーズンの最終戦以来となるダブル表彰台を獲得しています。ケータハムの小林可夢偉は,サスペンショントラブルによりコース脇にマシンを止め,23周でレースを終えています。
2014/06/08(日)
☆2戦連続(F1)
○第7戦カナダGPの予選が,ドライコンディションのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われました。トップ10グリッドを決めるQ3でトップタイムをマークし,ポールポジションを獲得したのは,ここまでランクトップに立つメルセデスのN.ロズベルグでした。ロズベルグのポール獲得は,前戦モナコGPに続いて2戦連続となります。彼とポール争いとなったのは,やはりチームメイトのL.ハミルトンでした。最終アタックのセクター1まではトップタイムだったものの,8コーナーで少しブレーキングが遅くなったことが致命傷となり,コンマ07秒差の2番手となりました。3番グリッドは,レッドブルのS.ベッテルとウィリアムズのV.ボッタスとの争いとなりましたが,わずか1000分の2秒差でベッテルが制しています。ケータハムの小林可夢偉は,初日よりはマシンに進展が見られたものの,他チームと比べて戦闘力がかなり劣ることには変わりなく,20番手タイムで予選を終了しました。ただ,ギアボックストラブルが発生して交換せざるを得ない状況となったため,今日行われる決勝レースはペナルティでグリッド降格となります。
2014/06/07(土)
☆今回も(F1)
○第7戦カナダGPが開幕し,初日は午前・午後にそれぞれ1回ずつフリー走行が行われました。この日のジル・ビルヌーブ・サーキットは,一時雨がぱらつくことはありましたが,終始ドライタイヤでの走行となりました。ここまで好調な走りを見せてランク1,2位を独占しているメルセデス勢は,今回もその勢いに変化はなく,午後の走行でL.ハミルトンがトップタイムをマークし,総合でも初日のトップでした。前戦モナコGPを制してランクトップに返り咲いたN.ロズベルグが,そのハミルトンに次ぐ総合2番手タイムをマークし,今回もメルセデスによるワンツー体勢が築かれました。終盤に入って速さを見せてきたのが,全戦が散々な結果に終わっているレッドブルのS.ベッテルで,1回目の走行でトップのタイムをマークしていたフェラーリ勢を上回る走りを見せて総合3番手タイムで初日を終えました。ケータハムの小林可夢偉は,1回目のフリー走行はテストドライバーのA.ロッシにステアリングを託して走行せず,午後のセッションから走行を開始しました。いきなりスピンを喫したりして相変わらずマシンの不安定さが見られ,厳しい走行が今回も予想される状況に変わりなく,結局チームメイトと直接的ライバルであるマルシャのJ.ビアンキよりは上となる20番手で初日を終えています。
2014/06/06(金)
☆20年ぶり(F1)
○今年は10月5日(日)に決勝レースを迎える鈴鹿サーキットで行われる日本GPですが,その日に登場するスペシャルゲストが発表されました。今回発表されたスペシャルゲストは,F1はもちろん,アメリカンオープンホイールレースの最高峰としてかつて開催されていたCARTシリーズでもチャンピオンを獲得した経歴を持つN.マンセルです。マンセルが鈴鹿で走行するのは,1994年以来20年ぶりとなります。今回の発表によると,決勝レースが行われる前にかつて自身が駆ったウィリアムズFW11ホンダです。このマシンは,N.ピケと共に1986年に駆ってコンストラクターズタイトルを獲得したものです。この年のマンセルは,最終戦の段階でランクトップに立っていて,その最終戦で3位以内に入ればチャンピオンというところまで来ていたのですが,3位走行中に後輪がバーストしてリタイアとなり,チャンピオンをマクラーレンのA.プロスト(この時のチームメイトは,今季ランクトップに立っているメルセデスのN.ロズベルグの実父であるK.ロズベルグでした。)。)が逆転で獲得するという,マンセルにとって思い出深いマシンです。日本のオールドファンにとっては,"CANON"のロゴが印象的で,黄色を基調としたマシンが甲高いターボエンジンサウンドを奏でながら久々に登場するわけで,何とも懐かしい気分に浸れるのではないでしょうか。
2014/06/05(木)
☆延期(F1)
○昨日は,来シーズンからの新規参入チームについてお伝えしましたが,その中で,既に参入が決定していたNASCARに参戦するスチュワート−ハース・レーシングの共同オーナーであるJ.ハースが率いるチームの参戦が,2016年シーズンからの参戦が確実視されているということもお伝えしていました。この点に関して,そのJ.ハースが,2016年シーズンから参戦することを認めました。それによると,当初来季からの参入を「プランA」として進めていたようですが,1年延期の決定に至ったようです。アメリカのF1チームとしての参戦を目指すハースは,ノースカロライナ州カナポリスにあるスチュワート−ハース・レーシングのファクトリーに隣接する形でF1チームのデザインおよび空力部門を設置する予定ですが,計画を1年延期することでここにデザインおよび空力部門を立ち上げる時間が確保できます。また,エンジンに関しては,アメリカではなくヨーロッパに拠点を構える予定で,ほとんどのF1チームが拠点を置いているイギリスをその候補としているようです。そのハースですが,今週末に行われるカナダGPを訪れ,様々なノウハウを学ぶ予定にしているようです。
2014/06/04(水)
☆新チーム(F1)
○昨年の12月にFIAから新規参入チームを募集することが発表され,これに対して複数のチームから申請があったとされています。その結果,今年の4月に行われたモータースポーツ評議会の会議の後,FIAからNASCARシリーズに参戦しているスチュワート−ハース・レーシングの共同オーナーであるJ.ハースの申請を承認したことが発表されました。その発表の際,他にも新規参入チームが承認されるかもしれないということも発表されていて,具体的な名前も出ていました。その具体的なチームというのが『フォルツァ・ロッサ』です。そのチームに関して新たな報道がなされていて,どうやらそのチームの参入がFIAより承認されたとのことです。ただし,まだその点についてFIAかr公式発表はなされていません。現在11チームがフル参戦しているF1ですが,このフォルツァ・ロッサが『FRR F1チーム』という名称で12番目の参戦チームとなるようです。といのも,最初に発表されたアメリカを拠点とするハースについては,来季からの参入が不可能なようで,最速でも2016年シーズンからの参戦になることが確実視されています。それに対して,FRRの方は,来季からの参入が可能となっているようです。このフォルツァ・ロッサは,ルーマニアでフェラーリの正規輸入代理店の名前でもあり,報道によれば,このチームはそのルーマニアが資金源になっているとのことです。そして,そのルーマニア出身で,かつてフォース・インディアやHRTを率いた経歴を持つC.コレスがトップを務める模様です。エンジンに関しても報道されていて,ここに来てようやく力を見せてきたルノーを搭載するようです。
2014/06/03(火)
☆途中採用?(F1)
○車体,エンジン共に全くのブランニューマシンになっている今シーズンのF1ですが,その中で話題になっていたのが燃料流量センサーです。開幕戦オーストラリアGPにおいては,このセンサーの信頼性に不信感をもっているレッドブルがチーム独自のセンサーを採用。これがレギュレーション違反だとして,2位でチェッカーを受けたD.リカルドがレース後に失格になってしまいました。これを不服としたレッドブルは提訴しましたが,結局は棄却され,このセンサー問題は表面上現れなくなっていました。とはいえ,信頼性への不信は消えていたわけではなく,一部の報道によれば,代替センサーの開発が進んでいたようで,今シーズン途中からの導入があるかもしれないということです。現在使用されているセンサーは,ギル・センサー社製のものですが,今回新たに開発されたとされるセンサーは,セントロニクス社製のものだということです。このセントロニクス社製のものの開発には,当初ギル・センサー社と共に開発に携わったハイスピード社が関わっているそうで,ギル社とハイスピード社とのコラボは昨年末に終了していたようで,その後セントロニクスと手を組んで開発を進めていたという経緯があったようです。今回の報道によれば,開発終盤を迎えている今回のセンサーは,『フローソニック』という名称がついていて,「コンパクトかつ強固で,素材やパーツが最小限であるために故障が少ない」ということです。さらに,FIAが規定している重量よりも軽く,およそ半分の重量しかないとのことです。
2014/06/02(月)
☆独占(SGT)
◯第3戦の決勝レースが,好天に恵まれた我が大分県にあるオートポリスで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rが好スタートを切り,それを2番グリッドからスタートした本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-Rが追うという展開となりました。ここオートポリスでは,これまでニッサンとの相性のよさがしばしば見られてきましたが,今回もその傾向に変わりはなく,この2台のGT-Rによるトップ争いは終盤まで続きました。MOTUL AUTECH GT-Rが一歩抜き出た速さを終始見せてきましたが,その終盤に入ってGT300クラスのマシンがストレートエンドでタイヤが外れ,ほぼノーブレーキ状態でタイヤバリアに突っ込むという激しいクラッシュが発生しました。タイヤバリアを乗り越え,ガードレールを突き破るという激しいクラッシュとなりましたが,ヘリコプターで病院に運ばれたものの,幸いにもドライバーは深刻な事態とならずに済みました。このアクシデントによってセーフティーカーが導入され,MOTUL AUTECH GT-Rがここまで築いてきたリードは一挙になくなってしまいました。最終盤になって残り10周で争われるスプリントレース的要素となりましたが,最後までMOTUL AUTECH GT-Rの速さは揺るぎがなく,リスタート後も再び後続との差を広げていき,今季初優勝を飾りました。前戦で優勝を飾っている安田裕信&J-P.デ.オリベイラ組のカルソニックIMPUL GT-Rは,4番グリッドからスタートし,一時的に5位に下がる場面があったものの,今季好調さを維持して3位に浮上しました。最後のスプリントレースでもこの3台はそのポジションを維持し,そのままの体勢でチェッカーとなりました。この結果GT-Rが表彰台を独占し,これは1995年以来となります。
GT300クラスは,ポールからスタートした佐々木孝太&井口卓人組のSUBARU BRZ R&D SPORTを,2番グリッドからスタートした高木真一&小林崇志組のARTA CR-Z GTが追うという展開となりました。ピットストップでこの状態に変化が現れ,燃費のいいハイブリッド車であるARTA CR-Z GTがピット作業の時間が短く,先にピット作業を済ませていたSUBARU BRZ R&D SPORTの前でコースインしました。セーフティーカー導入後もこのポジションに変化がなく,ARTA CR-Z GTが今季初優勝を飾りました。3位には,星野一樹&L.オルドネス組のB-MAX NDDP GT-Rが入り,両クラス合わせて6つの表彰台がありますが,その内4つの表彰台をGT-Rがとったことになり,ニッサンとしては大きな成果が出た大会となりました。
☆6連勝(MotoGP)
○第6戦イタリアGPの決勝レースが,路面温度45度となったムジェロ・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,今回もレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールを獲得し,今回もスタートでやや出遅れて3番手まで順位を下げました。それに対して,3番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾが好スタートを切ってトップに立ちました。順位を下げたマルケスでしたが,今回もそのポジションを回復していき,終盤に入ってロレンゾとマルケスによるテールトゥーノーズの激しいバトルが展開されていきました。ファイナルラップまで続いたバトルを制したのは,ポールからスタートしたマルケスで,今回の勝利により開幕から6戦連続でポールトゥーフィニッシュを達成しました。3位には,2戦連続して2位表彰台を獲得してきているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが入りました。ここまでランク2位につけていたレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが4位でゴールしたことにより,ロッシがランク2位に上がっています。ドライブM7アスパーの青山博一は14位でチェッカーとなり,開幕以来6戦連続してポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,上位陣で唯一リアにハードタイヤを選択したマークVDSレーシング・チームのE.ラバトは,1周目に他車と接触して4位に順位を下げたものの,しだいにそのポジションを回復していってトップに浮上し,今季3度目となるポールトゥーフィニッシュを達成しました。2位には,ポンスHP40のL.サロムが入り,中量級で自己最高位を獲得しました。3位には,4番グリッドからスタートしたAGRチームのJ.フォルガーが入り,今季2回目の表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,今回も上位に顔を出すことなくレースを展開していき,ポイント圏外の16位でチェッカーを受けています。27番グリッドからスタートしたテルルチームJiRウェビックの長島哲太は,28位でレースを終えています。
Moto3クラスは,軽量級らしく10台にも上るトップ集団での争いが展開されていきました。その中で今季自己最高位の4番グリッドからスタートしたスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティが後続を振り切って,今季3勝目を母国GPで飾りました。最終的にトップからわずか100分の1秒差で2位に入ったのはカルボ・チームのI.ビニャーレスで,これは自己最高位となります。3位には,ポールからスタートしたエストレラ・ガルシア0,0のA.リンスが入っています。
     
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