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2014/05/30(金)
☆段違い(F1)
○先日行われた第6戦モナコGPにおいて,F1参戦以来一度もポイントを獲得できていなかったマルシャに,J.ビアンキが9位でゴールして初のポイントをプレゼントしました。ほぼ毎年ケータハムとノーポイントで最下位争いをしているだけに,今回のポイント獲得は一歩も二歩も前に出た感じとなりました。今回のポイント獲得は,チームクルーに対して今後のモチベーションを高めたことは間違いありませんが,ただ単に精神的な影響を与えただけではありません。現実問題でも大きな影響を与えたことになります。その現実問題とは,財政的な点です。F1では,コンストラクターズタイトルの結果により分配金が支払われます。この賞金の仕組みにはいくつかの条件があるのですが,今回のポイント獲得によりチームタイトルで9位をいくことになったマルシャですが,もしこの順位でシーズンを終えたとすると,およそ5000万ドル(約51億円)がチームにもたらされることになります。それに対して,今年可夢偉が所属しているケータハムが,このままチームランク11位でシーズンを終えてしまった場合,チームにもたらされる賞金はおよそ1000万ドル(約10億円)にしかなりません。今回マルシャがポイントを獲得したことにより,ここまでノーポイントなのは,奇しくもかつて可夢偉が所属していたザウバーと,現在所属しているケータハムの2チームだけです。チームに大きな利益をもたらすコンストラクターズタイトルですが,果たしてどのチームが最下位を免れることになるのか,チャンピオン争いとはまた違った意味で注目点となります。
2014/05/26(月)
☆2連勝(JRR)
○第3戦の決勝レースが,ドライコンディションのツインリンクもてぎで行われました。最高峰のJSB1000クラスは,ポールからスタートしたMuSASHi RTハルクプロの高橋巧がスタートに失敗してしまい,オープニングラップで6位まで順位を下げてしまいました。しかし,今シーズン好調な走りを見せている高橋の勢いは衰えることなく,徐々に順位を回復していきました。そして,レース中盤にはトップをいくヤマハ YSP レーシングチームの中須賀克行との首位争いとなり,終盤まで激しく順位を入れ替えながらトップ争いが展開されていきました。しかし,トップに浮上した高橋は中須賀の追走を振り切り,前戦に引き続いてトップでチェッカーを受け,2連勝を飾りました。3位には,ヨシムラスズキ・シェルアドバンスの津田拓也が入っています。
J-GP2は,ポールからスタートしたMORIWAKI RACINGの高橋裕紀が,前戦に引き続いて絶好のスタートを切ってトップの座を守りました。しかし,これまた前戦と同じく簡単に逃げ切ることができず,今回は2番グリッドからスタートしたMuSASHi RTハルクプロの浦本修充との間で激しいトップ争いが展開されていきました。互いに順位を入れ替えながらのバトルは終盤まで続きましたが,残り3周となったところで浦本がコースオフを喫してしまい,2人のバトルはここで終了しました。その後はエスパルスドリームレーシングの生形秀之の追撃を振り切って高橋が連勝を飾りました。コースオフを喫した浦本と,WILL-RAISE&RS-Iの井筒仁康との間で展開された3位争いは,フィニッシュライン直前で井筒が交わして3位表彰台を獲得しています。
この日最後に行われたST600クラスは,スタート直後に多重クラッシュが発生して赤旗となり,あらためてスタートを切ることになりました。複数台で展開されていったトップ争いは,徐々にその数が絞られていき,最後は3台によるバトルとなりました。互いに順位を入れ替えながらのバトルは最後まで続き,最終的には3番グリッドからスタートしたミストレーサwith HARC-proの小林龍太がトップでチェッカーを受けました。2位,3位にはそれぞれポールからスタートしたYamaha Thailand Racing TeamのC.ポラマイと,2番グリッドからスタートしたRS-ITOH&ASIAの岩崎哲朗が入っています。
今大会が2レース制になっているJ-GP3クラスは,この日2レース目が行われました。複数台で展開されたトップ争いは,ST600クラスと同じくレースが進むにつれて絞られていき,最終的に3台によるバトルとなりました。順位を入れ替えながらのバトルは,終盤に入ってリベルトPLUSONE&ENDURANCEの山田誓己がスパートをかけると他の2台はついていくことができず,山田が今季初優勝を飾りました。2位には,ファイナルラップで2位に浮上したHot Racingの大久保光が入り,MuSASHi RTハルクプロの水野涼が3位でチェッカーを受けています。
☆2年連続(F1)
○伝統の第6戦モナコGPの決勝レースが,モンテカルロ市街地コースで行われました。ポールからスタートしたメルセデスのN.ロズベルグは,好スタートを切ってその位置を守りました。2番グリッドからスタートしたチームメイトでここまでランクトップに立っていたL.ハミルトンも順調にスタートを切り,メルセデス勢がワンツー体勢を早くも築きました。今シーズン異次元の走りを見せている2人は,途中アクシデントがいろいろ発生して脱落するマシンが出てくる中,1秒間隔でバトルを繰り広げていきました。しかし,終盤に入ったところで2位を行くハミルトンに異変が発生。どうやらバイザー越しに左目に泥が入ってきたようで,彼のペースはがくっと落ちてしまいました。ハミルトンのペースダウンにより追撃するマシンがなくなったロズベルグは,最後までその順位を守って今季2勝目をポールトゥーウィンで飾りました。ロズベルグは昨年もこの大会を制していますので,母国GPを2年連続制したことになります。また,ハミルトンは2位でチェッカーを受けていて,第2戦から連続してメルセデスのワンツーフィニッシュが継続しています。今回の結果により,ロズベルグが再びランクトップに立ちました。3位争いですが,4番グリッドからスタートしたレッドブルのS.ベッテルが好スタートを切って,3番手スタートでチームメイトのD.リカルドを押さえてスタートで3位に立ちました。ところが,4周目に突如スローダウンしてしまって緊急ピットイン。緊急ピットインして一旦はコースに復帰したものの,ギアボックストラブルでリタイアとなってしまいました。ベッテルに代わって3位に立ったのがフェラーリのK.ライコネンでしたが,そのライコネンは,アクシデントによるセーフティーカーランの途中で他のマシンに追突されてしまって緊急ピットインせざるを得なくなり,ポイント圏外に脱落となってしまいました。2人の脱落により3位に浮上したリカルドは,終盤ペースダウンしたハミルトンに迫りましたが,順位を入れ替えることはできず,3位でのチェッカーとなりました。何台ものマシンがリタイアを喫していきましたから,いつもは下位に沈むドライバーもポイント圏内に進出できる状況となりました。その好機を活かしたのがマルシャのJ.ビアンキで,見事9位でチェッカーを受けて同チームにF1参戦以来初ポイントをプレゼントしました。ケータハムの小林可夢偉は,彼もポイント獲得のチャンスはありましたが,そのビアンキが可夢偉を抜く際,両方のマシンが接触したためにペースアップすることができず,結局13位でのチェッカーとなりました。
2014/05/25(日)
☆2戦連続(JRR)
○第3戦の予選が,初夏を思わせる陽気のため,路面温度が最高50度まで上昇したツインリンクもてぎで行われました。JSB1000クラスは,前戦で今季初勝利を収めたMuSASHi RTハルクプロの高橋巧がその好調さを維持し,コースレコードをマークしてポールを獲得し,2戦連続勝利に向けていい結果を残しました。2番手タイムをマークしたのは,体の回復がだいぶ良くなってきたヤマハ YSP レーシングチームの中須賀克行でした。前日に行われたスポーツ走行でトップタイムをマークしたヨシムラスズキ・シェルアドバンスの津田拓也が,トップからコンマ3秒遅れで3番手タイムをマークしています。
J-GP2クラスは,オートポリスで行われた前戦で,ホールショットからトップに立つと,最後までそのポジションを守り抜いて,久々にJRRに復帰していきなり勝利を収めたMORIWAKI RACINGの高橋裕紀が,2戦連続勝利に向けてこちらもいい走りを展開してコースレコードをマークし,2番手タイムをマークしたMuSASHi RTハルクプロの浦本修充にコンマ6秒差をつける圧倒的な速さで2戦連続ポールを獲得しました。3番手タイムをマークしたのはエスパルスドリームレーシングの生方秀之で,こちらは高橋から1秒以上遅れています。
ST600クラスは,前戦で3位表彰台を獲得したPetronas.Yamaha.Malaysiaの伊藤勇樹が転倒し,マシンがコース上に残ったためセッション途中で赤旗中断となりました。再開してからは順調に予選セッションが展開されていき,このツインリンクもてぎで2年連続勝利を収めているYamaha Thailand Racing TeamのC.ポラマイが,コースとの相性のよさを見せてポールを獲得しました。2,3番手タイムをマークしたのは,それぞれRS-ITOH&ASIAの岩崎哲朗,ミストレーサwith HARC-proの小林龍太でした。
今大会が2レース制になっているJ-GP3クラスは,予選後にレース1が行われました。レース中盤になるとポールスタートからスタートしたリベルトPLUSONE&ENDURANCEの山田誓己と,3番グリッドからスタートしたTEC2 & NOBBY & TDAの鳥羽海渡とのマッチレースとなりました。最終ラップまで続いた2人の争いは,互いにポジションを入れ替えながらバトルを展開し,ダウンヒルコーナーで鳥羽がトップに立つとその位置を守り抜き,2戦連続勝利を収めました。3位にはMuSASHi RTハルクプロの水野涼が入り,自身初表彰台を獲得しています。
☆遺恨?(F1)
○世界3大レースの一つに数えられる伝統のモナコGPの予選が,快晴のモンテカルロ市街地コースコースで行われました。前戦まで2戦連続してポールトゥーフィニッシュを達成してランクトップに立ったL.ハミルトンと,逆にランク2位に順位を下げたN.ロズベルグとのチームメイト対決が注目されました。モナコ在住のロズベルグは,予選Q3のファーストアタックでトップタイムをマークし,今回の予選の主導権を握りました。対するハミルトンは,ラストアタックでロズベルグのタイムを更新すべくタイムアタックを展開していきました。セクター1でトップタイムをマークしながら走行をしていましたが,ミラボーで前を走行していたロズベルグがブレーキをロックさせてしまってエスケープゾーンにマシンをストップさせたため,この区間がイエローになってしまいました。この影響でタイムを更新することができず,メルセデスのワンツーには変わりなかったものの,ロズベルグが2年連続ポールを獲得しました。やむを得ない状況とはいえ,ハミルトンとしては納得いくものではありませんから,ただでさえ一触即発状態の2人の関係に新たな遺恨が残ったのかもしれません。3番手タイムをマークしたのは,前戦で3位表彰台を獲得しているレッドブルのD.リカルドでした。4番グリッドをS.ベッテルが獲得し,前戦から見せてきたレッドブルの巻き返しが今回も見られそうな感じです。ちなみに,5,6番グリッドをそれぞれF.アロンソ,K.ライコネンが獲得し,1列目がメルセデス,2列目がレッドブル,3列目がフェラーリといったチームメイト同士が並ぶ結果になっています。ケータハムの小林可夢偉は,直接的ライバルであるマルシャが1分19秒台をマークしているのに対して,1分20秒台での走行となり,21番グリッド獲得に留まっています。可夢偉のチームメイトであるM.エリクソンに至っては,唯一1分21秒台までタイムを落としていて,もちろん最下位からのスタートを切ることになりました。
2014/05/24(土)
☆復帰 PARTT(MotoGP)
○今月初めに行われた第4戦スペインGPを前に,2009年シーズンからワンメークタイヤを供給してきたブリヂストンが,来シーズン限りで撤退することを発表していました。これを受けて,MotoGPを主催するDORNAが,2016年からワンメークタイヤを供給するメーカーの入札を1日から開始していました。この入札には3つのメーカーが応募の意思表示をしていたようですが,22日の締め切り段階では,最終的に1メーカーのみが入札し,このメーカーが2016年から最高峰クラスのオフィシャルタイヤサプライヤーに就任することが決定しました。そのメーカーとは,フランスのタイヤメーカーであるミシュランです。ミシュランといえば,ブリヂストンがその性能をアップするまで,長年にわたってWGPで中心に立っていたタイヤメーカーです。ミシュランの復帰は,2008年10月に行われた最終戦バレンシアGP以来となります。これまで26回チャンピオンを輩出した経験を持つミシュランだけに,久々の復帰とはいえ,他メーカーよりはかなり早い段階でいいパフォーマンスを発揮することが期待できます。
☆復帰 PARTU(WEC)
○ニッサン及びNISMOから発表があり,かねてから噂があったとおり,ルマン24時間耐久レースと頂点とするWECシリーズに来シーズンから参戦することになりました。ニッサンが参戦するのは,アウディ,トヨタ,ポルシェが参戦しているLMP1クラスで,『ニッサンGT-R LMニスモ』という車名での参戦となります。ニッサンがルマンに本格参戦するのは,1999年以来16年ぶりです。来シーズンからの復帰とはいえ,今シーズンもニッサンはルマンに参戦します。今年ニッサンが参戦するのは,総合優勝を狙うLMP1クラスではなく,環境技術を志向したマシンで争われる特別枠の“ガレージ#56”で,このクラスは賞典外扱いです。この枠でニッサンが駆るのは,『ニッサンZEOD RC』という車名のもので,これはルマンが行われるサルテ・サーキットを電力だけで1周できる能力を備えています。今回の発表によると,来季からの復帰で投入するGT-Rは,このZEOD RCで培ったノウハウを活用するとのことで,LMP1に参戦しているトヨタなどの3メーカーがハイブリッド車を投入していますが,ニッサンは違ったマシンの方向性で臨むことになるようです。参戦台数やドライバーラインナップ等の具体的な発表は,現段階では行われておらず,今後明らかになってきます。今シーズンのルマンには,ZEOD RCを駆って本山哲が参戦していますし,WECシリーズの開幕戦では,LMP2クラスに参戦しているKCMGから松田次生が参戦し,1スティント目がスタート担当でしたが,クラストップに立つ速さを見せ,合計3スティント担当し,素晴らしいパフォーマンスを見せています。恐らくこの本山と松田を中心に,これから日本人ドライバーの人選が行われていくものと思われます。
2014/05/23(金)
☆今回も(F1)
○伝統の大会である第6戦モナコGPが,モンテカルロ市街地コースで開幕しました。通常のGPは,金曜日から開幕してフリー走行が行われ,土曜日が予選,日曜日に決勝という流れになりますが,モナコに関しては,木曜日に開幕してフリー走行が行われ,金曜日は休息日となり,コースは通常の公道として開放されます。予選,決勝に関しては,いつも通り土日に行われます。さて,その初日の走行ですが,午前中に行われたフリー走行1はドライコンディションで始まりましたが,午後のフリー走行2は,セッション開始前に降った雨によりウェットコンディションで始まりました。路面の回復が見込まれていましたから,フリー走行2はマシンがほとんど走行しないという状況が見られています。そうした状況の中,初日の総合トップタイムをマークしたのは,前戦でポールトゥーフィニッシュを達成してランクトップに立ったメルセデスのL.ハミルトンでした。総合2番手タイムをマークしたのは,ランクトップの座を譲ったチームメイトのN.ロズベルグでした。2人は,どちらもフリー走行1でのタイムです。今回もやはりこの2人を中心に進んでいくことには変わりはないようです。総合3番手タイムだったのが,午後の走行でトップタイムだったフェラーリのF.アロンソでした。ケータハムの小林可夢偉は,フリー走行1が22番手,フリー走行2が17番手で初日の走行を終えています。
2014/05/22(木)
☆交渉(F1)
○昨シーズンまでボーダフォン(Vodafone)がタイトルスポンサーだったマクラーレンですが,今シーズンは同社が撤退したことにより,タイトルスポンサー不在の状況が続いています。同チームのE.ブーリエによると,第4戦中国GPの後に新しいタイトルスポンサーとの交渉がまとまる可能性があると言っていたのですが,いまだにその発表はなされていません。ヨーロッパの報道では,マクラーレンのタイトルスポンサーについて,日本の『楽天』と舞台裏で交渉が進んでいるのではないかという噂が出ていました。来シーズンからホンダエンジンを搭載するマクラーレンですから,楽天にとっては願ってもないチャンスです。さらに,同社は,イギリスのplay.comとアメリカのbuy.comを買収して海外進出を進めていますから,F1への進出はこうした点でもプラスになります。一部の報道によれば,楽天との契約金は年間6200万ドル(約62億円)とも言われ,マクラーレンにとっても大きな価値をもたらします。ところが,ここ数日の報道によると,両者の交渉はまとまらず,破談に終わったのではないかということです。中国GPごという発表から何も音沙汰がありませんから,こうした噂が浮上しても何ら不思議はありません。この噂にはさらに付け足しがあって,マクラーレンとの交渉が不調に終わった楽天は,現在ロータスとの交渉をしているのではないかというイタリアでの報道があります。果たしてこの噂がどう進展していくのか,しばらく注目といえます。
2014/05/21(水)
☆3人(ルマン24)
○世界耐久選手権の第3戦として開催されるルマン24時間耐久レースの最新エントリーリストが,主催するACOフランス西部自動車クラブから発表されました。それによると,最高峰のLMP1クラスは,アウディ・トヨタ・ポルシェの3メーカーがハイブリッド車で争うLMP1-Hと,非ハイブリッド車を駆ってプライベーターで争われるLMP1-Lの2つ合わせて9台がエントリーされています。ちなみに,王者であるアウディは3台,トヨタとポルシェはどちらも2台がエントリーされています。また,ドライバーについてもかなり明らかとなっていて,今回発表されたリストでは,合わせて26カ国168人のドライバーになっています。その中で日本人ドライバーのみお伝えしますが,今回の発表では,全部で3人の名前が記載されています。まず,LMP1-Hクラスでトヨタのエースマシンとなる7号車を駆るのが,A.ブルツ,S.サラザンと組む中嶋一貴です。日本人唯一の女性ドライバーとして今年も登場するのが,LMP2クラスにラルブル・コンペティションから参戦する井原慶子です。環境技術を志向したマシンで争われる“ガレージ#56”枠には,ニッサンがエントリーしていて,ニッサンZEOD RCというマシンを駆るメンバーの中に,日本を代表するドライバーの一人である本山哲がエントリーしています。
2014/05/20(火)
☆永眠(F1)
○3度のワールドチャンピオンに輝いた経歴を持つJ.ブラバム卿が,オーストラリアのゴールドコーストにある自宅で息を引き取りました。享年88歳でした。1959,1960,1966年にチャンピオンを獲得していますが,59,60年はクーパー・クライマックスで,66年は自ら創設したブラバム・レーシングでチャンピオンに輝いています。長い歴史を誇るF1ですが,マニュファクチャラーとして自身のマシンでタイトルを獲得したのは,66年のブラバムだけです。ドライバーとしてはもちろん,エンジニアとしてもその才能の豊かさを示しています。ブラバムの栄光の中には,チャンピオン初年度となる1959年の最終戦セブリングにおいて,残り2つのコーナーとなったところで燃料切れとなり,マシンを押してゴールするという印象的なものもありました。1970年に引退をし,現在F1界のボスとして君臨しているB.エクレストンにチームを託し,その後N.ピケがタイトルを獲得したりして輝かしい記録を残しています。F1で頂点に立った後,モータースポーツへの貢献が認められてナイトの称号が与えられています。ここにあらためて同氏のご冥福をお祈りいたします。
2014/05/19(月)
☆ポールトゥーウィン PARTT(SF)
○第2戦の決勝レースが,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。今回のレースは,午前,午後にそれぞれ1回ずつ行われる2レース制での開催でした。レース1では,ポールからスタートしたLENOVO TEAM IMPULのJ-P.デ.オリベイラが好スタートを切ってホールショットを奪いました。2番手には,J-Pに負けず劣らず好スタートを切ったPETRONAS TEAM TOM'Sの中嶋一貴が浮上。3番手には,開幕戦の勝者であるKYGNUS SUNOCO LeMansのL.デュバルがつけました。上位陣は最後までその順位を維持し,J-Pが2年ぶりとなる勝利を収めました。レース1で気になったのは,SGTと同じくホンダエンジン勢の不振でした。先日富士で行われたSGTでも,ホンダユーザー勢にトラブルが多発して完走がままならない状況となりましたが,レース1でもホンダ勢にトラブルが多発し,昨年のチャンピオンであるTEAM無限の山本尚貴もその中の1人となりました。
午後に行われたレース2も,レース1と同様にスタートで表彰台が決まるという結果になりました。レース1はピットインの義務がありませんでしたが,レース2は4輪交換義務があり,ピットインのタイミングが勝敗に影響するかもしれないという予想もありました。しかし,蓋を開けてみると,ポールからスタートしたPETRONAS TEAM TOM'SのA.ロッテラーが好スタートを切ると,最後までその順位を守り切り,今季初優勝を飾りました。2位には,レース1のウィナーであるJ-Pが,3位にはJ-Pと同じく連続表彰台となる中嶋一貴が入っています。レース1では不振を極めたホンダ勢でしたが,レース2では山本尚貴が5位に入るなど,少し明るい兆しが見られました。ただ,NAKAJIMA RACINGの木暮卓史は散々な週末になってしまい,トラブルから予選は走れずじまい。レース1ではレース序盤でトラブルからマシンに火災が発生。この影響でレース2は出走できないままでレースを終えています。
☆ポールトゥーウィン PARTU(MotoGP)
○第5戦フランスGPの決勝レースが,ルマン・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,開幕から5戦連続となるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールからスタートしました。ところが,スタートを苦手とするマルケスは,そのスタートで出遅れてしまい,1周目で10位まで順位を下げてしまいました。しかし,速さに勝るマルケスはどんどん順位を挽回していき,13周目にはトップに立ちました。あとはマルケスの一人舞台となり,開幕から5戦連続してのポールトゥーウィンを達成しました。5連勝に関しては,M.ヘイルウッドが1986年に達成した史上最年少記録を更新。さらに,5戦連続してのポールトゥーウィンとなると,1997年にM.ドゥーハンにマークした記録に並んでいます。今季復調を見せているモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシは,マルケスに抜かれる前までトップを走行し,2戦連続となる2位表彰台を獲得しています。3位には,GO&FUNホンダ・グレシーニのA.バウティスタが入り,一昨年10月に行われた日本GP以来となる表彰台を獲得しています。ドライブM7アスパーの青山博一は,17番グリッドからスタートし,ポイント圏内の14位でチェッカーを受けています。
Moto2クラスは,4番グリッドからスタートした前戦の勝者であるマークVDSレーシング・チームのM.カリオが,残り8周目にトップ争いから抜け出すと後続を振り切り,自身初となる2連勝を飾りました。自己最高位タイとなる2位表彰台を獲得したのは,6番グリッドからスタートしたNGMモバイル・フォワード・レーシングのS.コルシでした。カリオのチームメイトであるE.ラバトは,2番グリッドからスタートして3位表彰台を獲得しています。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,今回も予選から上位に顔を出すことができず,21番グリッドからスタートし,決勝レースでも同様の結果となり,ポイント圏外の16位でレースを終えています。31番グリッドからスタートしたテルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,6周目に転倒を喫してリタイアに終わっています。
Moto3クラスは,フィニッシュラインまで続いたトップ争いを制して,2番グリッドからスタートしたレッドブルKTMアジョのJ.ミラーが優勝し,ポイントランクトップの座を守りました。2位には,トップからおよそ100分の1秒差という僅差でA.リンスが入っています。6番グリッドからスタートしたカルボ・チームのI.ビニャーレスが3位に入り,自身初となる表彰台獲得となりました。
2014/05/16(金)
☆効果なし(F1)
○5月14日(水)に今季2回目となるインシーズンテスト2日目の走行が行われ,ロータスのP.マルドナルドがスーパーソフトタイヤを履いてトップタイムをマークしました。2番手タイムをマークしたのは,ここまでランク2位につけているメルセデスのN.ロズベルグでした。ただし,彼が使用したのは,ミディアムタイヤです。さて,この日の注目は,このロズベルグでした。というのも,彼が使用したエキゾーストパイプは,新たなタイプのものだったからです。これは,今年から1.6リッターV6ターボのパワーユニットが導入された結果,昨年までと比べてエキゾーストサウンドに魅力がないとの批判がファンはもちろん,関係者自体からも起きていて,これを改善するための対策として今回のテストに持ち込まれたものです。「メガホン型」や「トランペット型」と呼ばれる先端が大きく広がったエキゾーストパイプを装着したマシンを駆ったロズベルグによると,走らせた感覚は,これまでのものと変わりがなく,運転には支障がなかったようです。ただし,ロズベルグ本人をはじめ,そのサウンドを聞いた人たち及び後ろを走行したドライバーも含め,その感想はこれまでとさほど変わりはなかったということで,新たなものを開発する必要性に迫られる結果に終わったようです。
2014/05/15(木)
☆契約延長(MotoGP)
○レース以外で今シーズンの注目点の一つが,ワークスライダーの契約です。というのも,ホンダ,ヤマハの4人のライダーは今シーズンで契約が切れますし,ドゥカティも同様です。さらに,来季からはスズキが復帰してきます。果たして現在契約しているライダーがそのまま留まるのか,それとも移籍劇があるのか。さらに,新たな顔が登場するのか,レース結果以外でもこうした興味がわいてきます。このような中,まだシーズン序盤ながら早くも契約が成立しました。その契約が成立したのが,レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスです。2002年シーズンにMoto2クラスでチャンピオンに輝き,2013年シーズンからMotoGPクラスにステップアップを果たすと,その初年度で最年少記録を更新してチャンピオンに輝きました。そして,最高峰クラス2年目となる今シーズンは,ここまでの4戦全てポールトゥーフィニッシュを飾っています。マルケスのこうした活躍があれば,当然ホンダとしては手放したくないでしょうし,マルケス自身も,レプソル・ホンダで走ることが長年の夢でしたから,相思相愛の状況です。今回の契約延長は,当初から予想されていたとおり当然の結果だといえます。HRCの発表によると,契約期間は2016年までの2年間です。
2014/05/14(水)
☆トップタイムが(F1)
○今シーズン2回目のシーズン中のテストであるインシーズンテストが,スペインのカタルニア・サーキットで始まりました。今回のテストは,2日間にわたって行われる予定です。その初日にトップタイムをマークしたのは,毎年のようにケータハムとコンストラクターズタイトルで最下位争いを展開しているマルシャのマシンを駆るM.チルトンでした。このトップタイムをマークした時にチルトンが使用していたのが,最も柔らかいタイヤであるエクストラソフトで,このことがこのタイムに繋がったといえます。とはいえ,タイヤが違ったということはあるものの,通常トップチームと何秒も違うペースで走行しているマシンを使用してのものですから,2番手にコンマ2秒差をつけてのトップタイムはチームにかなりの自信を持たせたのではないかと思います。その2番手タイムをマークしたのは,ロータスのS.ピックでした。そして,3番手タイムをマークしたのが,今シーズン他チームと比べて異次元の速さを見せ,週末に同地で行われたスペインGPにおいてポールトゥーフィニッシュを飾っているメルセデスのL.ハミルトンでした。スペインGP決勝において3,4位を獲得し,復活の気配を見せたレッドブルは,テストドライバーのS.ブエミが初日を担当しましたが,S.ベッテルにQ3でギアボックストラブルに見舞われたように,今回のブエミにもそのギアボックスにトラブルが発生してしまい,総合10番手タイムで初日のテストを終えています。ケータハムは小林可夢偉が初日を担当しましたが,残り30分といったところでこの日のテストで最後の赤旗の原因となるコースオフを喫し,総合9番手タイムで初日のテストを終えました。
2014/05/13(火)
☆提携(SF&SGT)
○日本人初のフルタイムF1ドライバーだった中嶋悟氏が率いる「NAKAJIMNA RACING」とプロ野球の「中日ドラゴンズ」との提携が成立し,昨日発表がありました。これは,中嶋氏自身が愛知県岡崎市出身でずっとドラゴンズファンだったことと,両チームの参戦するスポーツの振興を図るという観点から実現したものです。モータースポーツと他のプロスポーツとの提携は,ここ数年いろいろ見られるようになっています。特に多く見られるのがJリーグとの提携で,JRRや鈴鹿8耐では,ジュビロ磐田や清水エスパルスのカラーリングが施されたマシンがよく登場しています。4輪では,名古屋グランパスとSARD,横浜マリノスとNISMOなどの提携があります。というように,地域密着が基本となるのがJリーグですし,モータースポーツは裾野を広げるために地域との交流が重要となってきますから,両社が提携するのはある意味当然の流れなのかもしれません。しかし,プロ野球との提携となると,これまであまり見られなかった動きです。今回の提携により,中嶋氏が始球式に登場することがあるようです。また,NAKAJIMA RACINGがフル参戦しているSFやSGTのマシンに,ドラゴンズのステッカーが貼られることにもなるようです。
2014/05/12(月)
☆4連勝(F1)
○ヨーロッパラウンド初戦となる第5戦スペインGPの決勝レースが,バルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。予選でワンツーを獲得し,フロントローからスタートしたメルセデス勢のL.ハミルトンとN.ロズベルグは,好スタートを切ってグリッド通りの順であるハミルトン,ロズベルグと1コーナーをクリアしました。その後も両者は異次元の走りを展開し,3位以下をどんどん離して早くも独走態勢に持って行きました。3位以下では,3番手を行くウィリアムズのV.ボッタスと4位を行くレッドブルのD.リカルドとの3位争いが展開されていき,ピットストップのタイミングを変える作戦をとったリカルドが3位に浮上しました。チームメイト同士のバトルとなったトップ争いは,タイヤ選択の違いから終盤に入って更に激しくなり,ロズベルグが激しくハミルトンを追う状態になりました。チームメイトからの激しいプッシュを受けたハミルトンでしたが,何とかこれを交わしてトップの座を守りきってポールトゥーフィニッシュを達成し,第2戦から4連勝を飾りました。この結果,これまでロズベルグが守ってきたランクトップの座をハミルトンに譲ることになりました。前日に行われた予選Q3でギアボックストラブルが発生し,ギアボックスを交換せざるを得なくなったレッドブルのS.ベッテルは,5グリッド降格処分を受けたため15番グリッドからスタートすることになりました。しかし,こうした状況を払拭するかのような走りを展開し,最終的にはボッタスを抜いて4位でチェッカーを受けています。ケータハムの小林可夢偉は,開幕戦の時と同じようにブレーキトラブルが発生し,34周でレースを終えています。
2014/05/11(日)
☆今回も(F1)
○第5戦スペインGPの予選が,バルセロナにあるカタルニア・サーキットで行われました。この日の予選は,Q1ではロータスのP.マルドナルドがクラッシュで,Q3ではレッドブルのS.ベッテルがギアボックスのトラブルにより,それぞれのセッションでいきなり赤旗が提示されるというアクシデントがありましたが,それ以外は順調に進行していきました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,初日の総合トップタイムだったメルセデスのL.ハミルトンでした。そのハミルトンのチームメイトで,昨年のポールシッターであるN.ロズベルグが2番手タイムをマークし,今回もメルセデス勢によるワンツーとなりました。その2台とはおよそ1秒遅れで3番手だったのが,レッドブルのD.リカルドでした。今シーズンの予選は,この3人の顔ぶれがトップ3になっている印象がありますが,今回もそのような結果となっています。ケータハムの小林可夢偉は,いつものようにマルシャとの争いとなりましたが,グリップ不足の症状を変えることができず,クラッシュしたマルドナルドを除けば最下位で予選終了となり,決勝は21番グリッドからのスタートとなりました。なお,Q3でいきなり止まったベッテルですが,決勝レースはギアボックスを交換して臨むことになり,レギュレーションにより5グリッド降格処分となり,15番グリッドからスタートすることが決まっています。
2014/05/10(土)
☆ワンツー(F1)
○ヨーロッパラウンド初戦となる第5戦スペインGPが開幕し,初日は午前・午後にそれぞれフリー走行が行われました。今回も2つのセッションの中でいくつもトラブルが発生していましたが,その中で特に深刻だったのが,今シーズンなかなかいい走りを展開できていないレッドブルのS.ベッテルでした。午前に行われたフリー走行1で,わずか4周したところでトラブルが発生しました。トラブルで止まったマシンをコース脇に移動させた時,ベッテル自身が消火器を借りてリア部分にまきました。これがマシンのワイヤリングルームにダメージを与えてしまい,その後の初日の走行ができなくなってしまい,わずか4周で初日を終えてしまいました。そうした状況の中,初日にトップタイムをマークしたのは,ここまで3連勝で今大会迎えているメルセデスのL.ハミルトンでした。しかも,午前・午後共にトップタイムをマークしていて,まさに初日はハミルトンの速さを見せた形となりました。総合2番手タイムだったのは,そのハミルトンのチームメイトで,ここまでランクトップに立っているN.ロズベルグでした。初日はレッドブルのワンツーでしたが,そのレッドブルに次ぐ総合3番手タイムをマークしたのは,チームメイトであるベッテルの不調を横目に,チーム初年度ながらいい成績を出してきているD.リカルドでした。ケータハムの小林可夢偉は,総合20番手で初日を終えていますが,チームで見ると,最大のライバルであるマルシャの方がケータハムの2人より先行していました。
2014/05/09(金)
☆新開催地?(F1)
○年々新たな開催地が出てきているF1ですが,例えば今シーズンからロシアでの開催が始まります。年間レース数はほとんど変わらず,新たな開催地が出てくるということは,開催が見送られるようになるところも出てくるわけで,その例としては,昨シーズン限りで開催がなくなった韓国GPが挙げられます。今回新たな開催地として浮上してきているのが,石油資源に恵まれているアゼルバイジャン共和国です。奇しくも,今シーズンから開催されるロシアとは,旧ソ連邦の一員同士となります。F1界のボスであるB.エクレストンも,今回のアゼルバイジャンの話を認めていて,同国の首都であるバクーとは開催に向けての契約が成立しているとのことです。さらに,昨シーズン限りで開催がなくなった韓国にかわっての開催であることも認めています。今回の新開催地についてまだ公式な発表はなされていませんが,噂としては今月末には行われるのではないかということです。なお,開催するサーキットについてですが,首都バクーにあるストリートサーキットで開催されるということです。また,今回の契約話は,かつてF1で辣腕を振るったF.ブリアトーレが仲介したという話も出ています。
2014/05/08(木)
☆手術(MotoGP)
○ここまで全戦で表彰台を獲得し,現在ランキング2位につけているレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサが,ヘレス・サーキットでのスペインGP,そしてその後行われたオフィシャルテスト終了後,6日(火)に母国スペインで手術を受けました。今回受けた手術は,右前腕の腕上がり症状を回復するためのものです。手術は無事終了し,翌日には退院しています。術後ですから,数日間は安静が必要ですが,その後はリハビリに取り組む予定のようです。そのペドロサが退院した7日に,今度はLCRホンダMotoGPのS.ブラドルが,母国ドイツの病院で手術を受けました。その手術は,奇しくもペドロサと同じで,右前腕の腕上がり症状を回復するためのものでした。来週末にはヨーロッパラウンド2戦目となる第5戦フランスGPが行われますが,現段階では2人とも出場できる見込みとのことです。ここまでレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスが全勝していて,レースだけでなく,シーズン自体もマルケスの独走状態です。次戦フランスGPは,昨年ペドロサが優勝している大会ですから,シーズンを盛り上げるためには,今回の手術が功を奏してマルケスの独走を止められるようになるといいのかもしれませんね。
2014/05/07(水)
☆テストでも(MotoGP)
○レプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの4連勝で幕を閉じたヨーロッパラウンド初戦第4戦スペインGPでしたが,MotoGPクラスの各チームはそのままヘレスに留まり,決勝レース翌日にシーズン中のオフィシャルテストに臨みました。今回のテストには,多くのライダー及びチームが臨みましたが,ドゥカティのワークスライダーの2人であるA.ドビツィオーゾとC.クラッチロー,ドライブM7アスパーの青山博一のチームメイトであるN.ヘイデンなど数人のライダーが不参加となり,合計19名で行われました。その中でトップタイムをマークしたのは,リアセクションの改良を中心に取り組んだマルケスでした。2番手タイムをマークしたのは,レースで表彰台を逃してしまったモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾで,マルケスからはコンマ2秒遅れでした。3番手タイムをマークしたのは,チームメイトであるロレンゾから100分の6秒差遅れでV.ロッシでした。チームメイトのロレンゾがスイングアームのテストをしたのに対して,ロッシは電子制御等のテストに取り組んだようです。4番手タイムをマークしたのは,マルケスのチームメイトで,決勝レースでは3位だったD.ペドロサでした。マルケスがリアセクションに取り組んだのに対して,ペドロサはフロントセクションの改良に取り組んでいたようです。ヘイデンの欠場によりチームで唯一の参加となった青山博一は,総合10番手,クラス2番手でテストを終えています。
2014/05/06(火)
☆熱(SGT)
○昨日お伝えしたように,富士スピードウェイにおいて行われた第2戦の決勝レースは,カルソニックIMPUL GT-Rの優勝で幕を閉じました。今大会でそのGT-Rの強さが光りましたが,それに対してホンダのNSX CONCEPT-GT勢は,5台中4台がリタイア。唯一完走したマシンでさえも,レース中に修復を行ったりしたため,遥かに周回遅れでのフィニッシュとなっています。レース後の発表によると,今回リタイアの原因となったのは,熱による電装系のトラブルだということです。今シーズンからGT500クラスは,ドイツで行われているDTMシリーズとの提携を目指して共通モノコックを採用しています。このモノコックは,DTMのマシンが全てFRであるため,そのFR向きにつくられています。SGTでは,ニッサンのGT-RもレクサスのRC Fも,どちらもFRレイアウトですので,モノコックはそのまま使えます。それに対して,ホンダのNSX CONCEPT-GTは,ミッドシップレイアウトを採用しています。ホンダの要求を受けてモノコックをそれ向きにある程度作り替えることは認められていますが,やはりそこには限界があります。FR用のモノコックですから,エンジンが車体の前側にあることが前提となります。当然冷却はそれを前提につくられていますから,ミッドシップにエンジンを置くホンダのマシンは,その分冷却が十分にできないため,今回のようなトラブルが起きることは必然です。また,エンジンに関しては,ニッサン,レクサス共に通常のエンジンを採用しているのに対して,ホンダはハイブリッド仕様ですから,ハンディとして70sの重量が追加されています。SGTで採用されているエンジンは,SFとの共通化がなされていますが,そのSFにおいては,ニッサンは参戦していないものの,トヨタ,ホンダは参戦していて,レースではトヨタの一人勝ち状態になっていて,ホンダの開発遅れが顕著になっています。ニッサンやレクサスより最高速で20q程度劣り,タイムで1〜2秒遅れで周回しても冷却トラブルが発生するという状態のホンダ。3メーカーが拮抗する中で争われることにシリーズとして盛り上がりがあるわけですが,現段階ではそうした状況から遙かに遠い状態にあることは間違いないでしょう。
2014/05/05(月)
☆4連勝(MotoGP)
○10万人を遥かに超える大観衆を集め,ヨーロッパラウンド初戦となる第4戦スペインGPの決勝レースが行われました。MotoGPクラスは,ここまで昨年のチャンピオンであるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールトゥーウィンを決めてきていますが,今回もそのマルケスがポールを獲得。4戦連続ポールトゥーウィンを決めるかどうかが注目されていました。そのマルケスは,スタート直後は順位を下げたものの,すぐにトップに返り咲くとあとは後続との差をどんどん広げていき,レースをコントロールしながらの4連勝を飾りました。今回の勝利は,マルケスにとってGP通算100戦目となります。2位には,開幕戦以来となる表彰台を獲得したモビスター・ヤマハMotoGPのV.ロッシが入りました。そのロッシからわずかコンマ1秒差で3位になったのは,マルケスのチームメイトであるD.ペドロサでした。同チームにとっては,開幕以来ずっとダブル表彰台獲得となっています。前戦で表彰台を獲得し,今回は2番グリッドからスタートしたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾは,トップから8秒以上遅れの4位でチェッカーとなり,憮然とした表情でピットに戻ってきていました。ドライブM7アスパーの青山博一は,チームメイトのN.ヘイデンに次ぐ12位でチェッカーを受け,開幕以来ずっとポイントを獲得しています。
Moto2クラスは,ポールからスタートしたマークVDSレーシング・チームのM.カリオが,オープニングラップからトップに立つと,危なげないレースを展開し,昨年8月に行われた第11戦チェコGP以来の勝利を収めました。カリオのポールトゥーウィンは,2007年の最終戦バレンシアGP以来7年ぶりとなります。2位には,4番グリッドからスタートしたテクノマグ・カーエキスパートのD.エガーターが入り,これは自己最高位となります。3位には,7番グリッドからスタートしたAGRチームのJ.フォルガーが入り,中量級において自身初となる表彰台を獲得しています。29番グリッドからスタートしたテルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,今季自己最高位となる22位でチェッカーを受けています。なお,イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,11位走行中のファイナルラップで転倒を喫し,リタイアに終わっています。
Moto3クラスは,軽量級クラスならではの8台によるトップ争いが展開されていきました。そして,最後に勝利を収めたのが,前戦のウィナーであるスカイ・レーシング・チームVR46のR.フェナティでした。フェナティにとって初優勝の地であるヘレスで,再び勝利を収めました。2位,3位に入ったのは,それぞれサクソプリントRTGのE.バスケス,エストレラ・ガルシア0,0のA.リンスで,今シーズンから大きく戦闘力をアップしたNSF250Rを駆るホンダ勢の2人でした。
☆波乱(SGT)
○第2戦の決勝レースが,ゴールデンウィークで5万人をはるかに超える多くの観客を集めた富士スピードウェイで行われました。GT500クラスは,ポールからスタートした安田裕信&J-P.デ.オリベイラ組のカルソニックIMPUL GT-Rが好スタートを切ってトップの座を守っていきました。しかし,本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-Rが火災に見舞われてセーフティーカーが導入されたりしてせっかく広げた差が全くなくなったり,GT300クラスのマシンと接触して一部を破損したりしてトップの座を譲る場面もありました。しかし,他のマシンにもトラブルが発生して再びトップに立つと,最後までその順位を守り抜き,波乱のレースを制しました。2位,3位には,それぞれ立川祐路&平手晃平組のZENT CERUMO RC F,大嶋和也&国本雄資組のENEOS SUSTINA RC Fのレクサス勢が入りました。予選で下位に沈んだホンダのNSX CONCEPT-GT勢は,全てのマシンがトラブルに見舞われてしまい,山本尚貴&J-K.ベルネイ組のウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT以外全てリタイアに終わってしまいました。ただし,完走扱いとはいえ,そのウイダー モデューロでさえトップから15周遅れという状態で,ホンダ勢の深刻さが顕著になったレース結果となりました。
GT300クラスは,アクシデントによるセーフティーカー導入,ピット戦略の違い等で全く先が読めないレース展開となりました。そのような中トップを走行していったのが,中山友貴&野尻智紀組のMUGEN CR-Z GTでした。そして,それを谷口信輝&片岡龍也組のグッドスマイル 初音ミク Z4と平中克幸&B.ビルドハイム組のGAINER DIXCEL SLSが追うという展開となりました。このままの順位で推移していくのかと思われたレース終盤に,何とトップをいくMUGEN CR-Z GTがスピンを喫してしまい,Z4とSLSとのトップ争いとなりました。激しいバトルとなった最終盤でしたが,Z4がトップの座を守り抜き,激しいレースを制しました。スピンを喫したCR-Zは3位でチェッカーを受けています。
2014/05/04(日)
☆4戦連続(MotoGP)
○第4戦スペインGPの予選が,好天に恵まれたヘレス・サーキットで行われました。MotoGPクラスは,開幕以来ずっとレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスがポールを獲得していて,4戦連続となるかが注目点になっていました。そのマルケスは,路面温度50度となる中,相変わらずの速さを見せ,最終ラップでサーキットベストを更新するタイムを出して4戦連続ポールを獲得しました。前戦で今季初表彰台を獲得しているモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾは,徐々に昨年までのペースを取り戻しつつあるのか,彼らしくロングランをしていきながら安定した高いペースを維持していき,2番グリッドを獲得しています。午前中に行われたフリー走行3でトップタイムだったレプソル・ホンダ・チームのD.ペドロサは,フリー走行4で5番手に順位を下げたものの,予選では3番手タイムをマークしました。ドライブM7アスパーの青山博一は,今季自己最高位となる13番グリッドを獲得して予選を終えています。
路面温度50度を超える厳しいコンディションの中で行われたMoto2クラスの予選は,2月に同地で行われたオフィシャルテストでトップタイムをマークしたマークVDSレーシング・チームのM.カリオが,その時の再現をするかのようにトップタイムをマークし,昨年の日本GP以来となるポールを獲得しました。開幕戦カタールGPで2番グリッドを獲得しているダイナボルト・インタックGPのS.コルテセで,その時以来となる2番手タイムをマークしました。ポンスHP40のL.サロムが3番手タイムをマークし,中量級自身初となるフロントローを獲得しました。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,やはり今回の予選も上位に顔を出すことができず,13番グリッド獲得で予選を終了しています。また,テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,29番手タイムでした。
Moto3クラスは,レッドブルKTMアジョのJ.ミラーが,今季絶好調の走りを今回も見せて,第2戦アメリカGP以来3戦連続してポールを獲得しました。ジュニア・チームGO&FAN Moto3のN.アントネッリが2番手タイムをマークし,自己最高位からのスタートとなります。3番手タイムをマークしたのは,エストレラ・ガルシア0,0のA.リンスでした。
☆3段階(SGT)
○第2戦の予選が,好天に恵まれた富士スピードウェイで行われました。今シーズンから全くのブランニューマシンで争われているGT500クラスには3メーカーのマシンが参戦していますが,今回の予選では明らかな差が生まれています。もっとも今回の大会に限らずプレシーズンテストでも同様の結果が出てはいましたが,今回ははっきりとその事が出ています。まず,最初に行われたQ1では,事前テストから他メーカーより遅れをとっていたホンダの今季型マシンであるNSX CONCEPT-GT勢が全車ここで敗退となりました。ストレートスピードが重要な鍵となる富士ですが,他メーカーより最高速で10〜20q遅いという状態ですから,なかなか思うように戦えないという状況に陥っています。ニッサンのGT-R勢とレクサスのRC F勢で争われたQ2でトップタイムをマークしてポールを獲得したのは,安田裕信&J-P.オリベイラ組のカルソニックIMPUL GT-Rでした。2,3番グリッドを獲得したのは,それぞれ本山哲&柳田真孝組のS Road MOLA GT-R,松田次生&R.クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rで,3メーカーの中で事前テストから速さを見せていたGT-R勢が,トップ3を独占するという予選となりました。レクサス勢で最高位だったのは,4番手タイムだったJ.ロシター&平川亮組のPETRONAS TOM'S RC Fでした。
GT300クラスの予選では,Q2でタイムアタックを担当したL.アルドネスが最速タイムをマークしました。このオルドネスですが,現代のドライバーらしいと言えるのかもしれませんが,シミュレーションゲームでかなりの腕前があり,まさにこれで富士の攻略が出てきているのかもしれません。星野一樹&L.オルドネス組のB-MAX NDDP GT-Rがポールを獲得したことにより,両クラス共にGT-Rがポールを獲得するという結果になりました。トップのGT-Rには届かなかったものの,最後のアタックで2番手タイムをマークしたのは,佐々木孝太&井口卓人組のSUBARU BRZ R&D SPORTでした。最後で2番手タイムを上回れて3番手タイムとなったのは,高木真一&小林崇志組のARTA CR-Z GTでした。
2014/05/03(土)
☆初トップ(MotoGP)
○第4戦スペインGPがヘレス・サーキットで始まり,初日は2回のフリー走行が行われました。MotoGPクラスで初日に総合トップタイムをマークしたのは,オープンオプションクラスでいつも好成績を収めてきているNGMモバイル・フォワード・レーシングのA.エスパルガロでした。1回目の走行でトップタイムだったエスパルガロですが,2回目の走行では自身のタイムを更新することができませんでした。しかし,路面温度が49度に達する厳しいコンディションの中で行われた2回目の走行では,どのライダーも1回目にマークしたエスパルガロのタイムを更新することができず,エスパルガロが自身初となる初日総合トップとなりました。総合2番手タイムをマークしたのは,前戦で今季初の表彰台に輝いたモビスター・ヤマハMotoGPのJ.ロレンゾでした。そのロレンゾも,1回目の走行でマークしたタイムで総合2番手となっています。開幕からずっとポールトゥーフィニッシュを続けてきているレプソル・ホンダのM.マルケスは,午後の走行ではトップタイムだったものの,総合では3番手タイムでした。前戦の決勝レースでは,オープンオプションクラス最上位でゴールしたドライブM7アスパーの青山博一は,初日を総合16番手で終えています。
Moto2クラスは,ここまで絶好調のシーズンを送っているマークVDSレーシング・チームのE.ラバトが,路面温度50度をはるかに超える状況となった2回目のセッションでは4番手タイムだったものの,1回目のタイムで2年連続総合トップとなりました。チームメイトのM.カリオが2回目の走行で12番手ながら,1回目のタイムで総合2番手でした。2回目のタイムが10番手だったAGRチームのJ.フォルガーが,1回目のタイムで総合3番手でした。今シーズン失格があったりして思うような成績が残せてきていないイデミツ・ホンダ・チーム・アジアの中上貴晶は,午後の走行では3番手タイムと好位置につけました。しかし,総合では10番手タイムでした。テルル・チームJiRウェビックの長島哲太は,2回目の走行は33番手でしたが,総合では31番手でした。
Moto3クラスは,カルボ・チームのI.ビニャーレスが,2回目は8番手タイムだったものの,1回目のタイムで初日の総合トップに立ちました。エストレラ・ガルシア0,0のA.マルケスは,2回目の走行は5番手タイムでしたが,こちらも1回目のタイムで総合2番手でした。2回目の走行でトップだったサクソプリントRTGのE.バスケスは,このタイムで総合3番手でした。
2014/05/02(金)
☆撤退(MotoGP)
○今日から第4戦スペインGPが開幕しますが,それに先だってMotoGPクラスにワンメークタイヤを供給しているブリヂストン(BS)から発表があり,2015年シーズン限りでタイヤサプライヤーとしての契約を終了することになりました。2002年シーズンから最高峰クラスへタイヤ供給を開始したBSは,当時は圧倒的にミシュランが威力を発揮していましたが,徐々にBSも力をつけていき,GPにおけるシェアを広げていきました。そして,2009年シーズンからワンメークタイヤになるとBSがこれに応募し,以後その立場を継続してきました。F1ではピレリがワンメークタイヤになっていますが,毎年のように何らかの問題が浮上していますが,BSに関しては,ごく稀に問題が生じたりしたものの,どのライダーからも信頼を受けるほどの評価を得てきました。この間,世界最高峰マシンの足元を支える中で技術が飛躍的に向上すると共に,ブランド力も高まりました。こうした中,BSとしては目標を達成したということで撤退を決定したようです。当初は今シーズン限りでという意向があったようですが,移行期間が必要という判断から来シーズンでの撤退という結論に達したようです。今回の決定を受け,MotoGPを主催するDORNAスポーツから発表があり,5月1日(木)から22日(木)までの期間に,タイヤサプライヤーに関心のあるメーカーからの入札を受け付けることになりました。F1,そしてMotoGPと,世界最高峰からBSのブランドが消えるというのは,日本人レースファンとしては何とも残念な決定です。来シーズンからホンダがF1に復帰しますので,こうなったらぜひBSもF1への復帰となるといいですね。
2014/05/01(木)
☆音量アップ(F1)
◯シャーシ,エンジンと全く新しくなった今季型のF1マシンですが,その中で一番不評を買っているのがエキゾーストノートです。これまでのF1マシンは,高周波で音量的にも迫力のある音が聞こえてきて,いかにも最高峰のレーシングカーという雰囲気を醸し出していました。ところが,今季型のマシンは,低周波であまり迫力を感じないものになっています。音量が小さいため,タイヤがスライドする音がテレビ画面を通して聞こえてくるほどです。こうしたあまりの迫力のなさに,観客だけでなく,当のF1関係者でさえも苦言を呈している状況にあります。その中の1人が,F1界のボスであるB.エクレストンですし,メルセデス,フェラーリ,そしてルノーといったエンジン供給メーカーからもそうした声が聞こえてきます。こうした状況を打破するため,音量アップを目指した取り組みが水面下で進行しているようです。ただ,今季型のエンジンは,ノイズとして放出されるはずのエネルギーをターボが回生する構造になっているわけですから,根本的にエンジン部分ではいかんともしがたいところがあります。あと取り組めるのは,排気の最終部分であるエキゾーストパイプに工夫を凝らすしかないという状況にあります。現段階の報道では,イタリアのある企業に委託してその点の改良に取り組んでいるのではないかということです。ただ音がうるさければいいというものではありませんが,やはり最高峰マシンにふさわしい感じに音の部分でもなるようになってほしいものではありますね。
     
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