オートポリス500ラップへの道

    S15シルビアによるオートポリス走行記
Copyright (C) 500Lap All Rights Reserved.
S15シルビア   
サーキット日記  
本          
麺          
酒          
旅          
その他        
掲示板       
リンク        
このHPについて  

寄り道

<<高野山 | 嵐山>>
2009年2月8日(日)
高野山「町石道」

きのう早く寝たら、4時に目が覚めた。朝のお勤めは6時。もう一眠りしようと布団に戻ったが、結局そのまま。お勤めの参加者は10人くらい。もっと泊まっているだろうに、これにでないのはもったいない。住職さんは下山していて留守。きのう会った唯一のお坊さん(ちょっとヤンキーっぽい人。外見で人を判断してはいけませんが…)ともう一人。二人でお経をあげてくれた。ろうそくの光が揺らめくお堂で、いろんな事を考えながら、こんな時間もいいな、と思う。お勤めの後、本来は入れない御本尊の前でお祈りさせてもらえた。本堂から庭が見られる。シャープのアクオスのCMに出ているそう。有名な庭なのですね。ちなみに私が泊まった部屋からはこの庭の端っこだけ見えます(笑)。今回の宿泊費は16000円。奮発しました。

福智院の庭

朝 9時前に福智院を出発。きょうはこの旅最大の目的、高野山の参道「町石道」を歩く。

まだ観光客も少なく、気持ちいい朝。大伽藍の石垣の木の中に「1町石」はあった。標識があるので分かったが、気を付けていなければ見落とすところだった。

1町石

町石は1町(約109メートル)ごと、次々現れる。大門までは町中の道沿いに普通に立っている。

高野山

大門の先から山道に入る。いきなり険しい下り坂。細いけど、しっかり踏み固められた道。

大門下

苔むして、何町か分からない町石がある。この先、何本の町石を確認できるのか。

13町石のそばに小さな木製の橋。沢を渡るために架けているよう。七つぐらい橋を渡りながら進む。

小さな木製の橋

日が差してきた。天気は大丈夫そう。大門での気温は2.9度だった。それほど寒くない。杉林には間伐材がそのまま放置されている。林業は大変なのだろうな。

24町石を過ぎたところで、上の方から車が走る音。高野山へ続く道路だろう。ここまでは鳥の鳴き声や木々のざわめきしか聞えなかった。水のきれいな小川がある。何に使うのか、黄色いエアホースが伸びている。

「表面が鏡のように平らなことから鏡石と呼ばれ、この石に向かって真言を唱えると心願成就するといわれる」という鏡石に到着。しっかりお祈り。

鏡石

すぐ上を車が走ている。延々と述べていたエアホースは最後は山の中に消えて行った。林業に使うのでしょうね。林の間から遠くの山々が見える。紀伊半島につながるのか。なかなか雄大。

40町石、崖の上に立っていて見落としそうになった。ここもすぐ上を道路がはしっている。“現代の参道”自動車道と町石道はかなり長い距離並行しているよう。もちろん町石道の方がずっと前からあるのだけど。

「40町石」と思っていた石柱のそばに 36町石と読める石柱。順番はどうなっている? ここまでも結構見落としがあったし完全に確認するのは無理。220程度あった町石も現在残っているのは180ぐらい。場所が変わったものもあるのか? 町石に彫られた字が達筆すぎて、この数字は何だ?ということも。まあ、字が読めない私が悪いのですが…

37町石(標識はあったが町石自体は見つからなかった)の近くで一度車道にぶつかる。

37町石付近

少し登った休憩所で一休み。11時過ぎ。まだ全体の4分の1か3分の1しか歩けていない。まだまだ頑張らないと。

40町石のところで道路を横切り、反対側へ。やはりさっきの石柱は40町石ではなかった。ただの読み違い? 

道路を横切る

44町石は二つある。W44町石です。

44町石

杉林を進むが、山が深いのか、冷気を感じる。寒くはない。気持ち良い冷たさ。53町石もW町石。

弘法大師が激しい雷雨から守るため大きな石を持ち上げ母親をかくまったと言われる「押上石(おしあげいし)」。この石を持ち上げた弘法大師はすごいですね。いたるところに伝説がある。

押上石(おしあげいし)

弘法大師が袈裟を掛けた「袈裟掛石(けさかけいし)」。この石の間をくぐると長生きするといわれているらしいが、私のサイズではどう見ても無理。

袈裟掛石(けさかけいし)

元気に坂道を登るハイカー。山道に入って初めて人に会った。

58町石のところで一般の道に出る。杖をついて登る二人。夫婦でしょうか。軽く挨拶してすれ違う。

矢立の分岐点。峠の茶屋みたいなお店がある(「町石道」唯一の店だった)。ここで広い道を渡る。12時過ぎ、3時間以上歩いたが、どうも6キロしか進んでないよう。本当? 町石道、なかなか手強い。

矢立の分岐点

矢立からは登りが続く。杉林から雑木林に変わる。落ち葉のじゅうたんが足に気持ちいい。 75町石あたりは自然遊歩道として整備されている。コンクリート製の擬木が埋め込まれた階段を歩く。

自然遊歩道

午後1時過ぎに80町石を通過。やっと半分クリア。

道の端っこに動物除けの電気柵が張られている。イノシシか猿か。農作物に被害が出ているのだろう。

マウンテンバイクで急坂を上る4人のグループに出会う。しかも1人を除いて外国人。こんな細くてアップダウンがある道をマウンテンバイクで走るんだ。でも、これがマウンテンバイク本来の使い方か?

マウンテンバイク

笠木峠。南海「上古沢駅」まで3.5キロ。ここも一つの分岐点。町石道はぶっ通しでなく、何度かに分けて歩くこともできる。

笠木峠

人の声が聞えると思ったら、ゴルフ場。

ゴルフ場

また道沿いに電気柵。間違って人が触ったらどうなるのか、気を付けねば。ゴルフ場沿いを歩いている間、90番台の町石をあまり見なかったような気がする。なくなっているのか、疲れてきて見逃したのか。

葛城町の神田地蔵堂。のどかな田園。ここで休憩。トイレを借りる。このあたりも一面、電気柵がある。足元注意の看板。

神田地蔵堂

116町石でゴルフ場とお別れ。大きいゴルフ場なのかな。急な登りに出くわす。ちょっと余裕がなくなってきた。ただ黙々と歩くようになる。

二つの鳥居が並んだ「二つ鳥居」。何のために? 不思議な感じ。これも弘法大師が最初に作った。現在のものは1649年につくられたらしい。展望台からは田園風景が眺められる。

二つ鳥居

六本杉。ここから峠を下っていく。

六本杉

カメラの電池を交換した後、日付などが狂っていることに気づく。操作ミスか。疲労で注意力が落ちているのかも。まだ先は長そうだけど…

4時前、前方が開け、紀ノ川が見えてきた。なかなかいい景色。一瞬、疲れが消える。

紀ノ川

道標はたくさんあるが、目的地までの距離が書かれていない。距離が分かれば目標になるのに … ちょっと残念。まあ、ここまで迷わずにこられたのは道標のおかげ。整備してくれた人に感謝します。

160町石あたりで山道を抜ける。紀ノ川に沿って街が広がっている。何となくホッとした。いつもは自然の中を歩いてみたい、などと思っているのに、ちょっと険しい道だと弱音を吐いてしまう。修行が足りませんな。

紀ノ川に沿って広がる街

急な下り坂、へっぴり腰になる。足がきつい。ゴールが近付いてきた5時前、トラブル発生。道標を見失い、町石道を外れてしまう。あ〜ぁ最後になって…。へこむ。果樹園があり、スピーカーからはラジオが流れているが人がいない。急坂を戻る気にもなれず、勘を頼りに進む(私は方向音痴なので、自信はないが)。アスファルトの大きな道。下には街が見えているので、最悪、目標としていたゴール地点に着けなくてもいいや、などと考えていたら、たき火をしている人を発見。さっそく道を聞く。10分ぐらい歩けばゴールの慈尊院につながる道に突き当たるとのこと。ありがとうございます。助かりました。

道なりに行くと町石があった。何個か町石を見逃したが、なんとか町石道に復帰。町石道の道標は上ることを前提に作られているのかも。かなり遠回り、1時間ぐらいのロスか。でも、これぐらいで済んでよしとしよう。

町石道に復帰

丹生官省符神社に5時半到着。ここも弘法大師が開いた。

丹生官省符神社

お祈りしたあと石段を下る。石段の途中に180町石はあった。町石道を歩き切りました。20キロちょっと。長かった。感動です。

180町石

1000年以上続く祈りの道。私には信仰心なんてないし、ちょっと変わった旅をしてみよう、というだけなのだけど、昔の人が一つひとつ手を合わせた町石の前で、何度か思い出したように手を合わせてみた。

思っていた以上に時間がかかった。ガイドブックに上り8時間と書かれていたので高をくくっていた。写真を撮るたびに立ち止まるためだろう。以前、奈良の山の辺の道を歩いた時も予想以上に時間がかかったことを思い出した。このスタイルを続けるなら、もっと時間に余裕を持たないとだめですね。

慈尊院を少し見て回った後、南海「九度山駅」へ向かう。イヤ〜ここでまた道に迷いました。進む方向は間違っていなかったが、九度山駅がなかなか現れず、不安になって戻ってしまいました。途中で人に聞くと今の道でよかったそう。最後の最後、ダメージは大きいがしょうがない。 6時半、『やっと』九度山駅に。きょうは朝飯の後は、福智院でもらった菓子を1個食べただけ。コーラを飲んで疲れをいやす。九度山駅から難波まで770円。9時間歩いて500円浮かせました。素晴らしい。

大阪を経由して京都へ。アパホテル京都駅堀川通(楽天トラベル)に9時ごろ到着。近くの居酒屋で軽く呑む。“おばんざい”がおいしい。よく眠れそう。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
きょう撮った写真は「My写真庫」に




TOY&HOBBY
MATSUYA

別府市のおもちゃ屋
大神ファーム
大分県日出町の体験型ハーブ農園(楽天市場)