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2007年7月18日(水)
追跡!「佐世保小六女児同級生殺害事件」(草薙厚子)

『私が本書を書くきっかけとなったのは、A子が"普通の子"という言い方で世間に伝えられたことへの強い違和感だった。 …取材を重ねるうちに見えてきたのは、A子に対する周囲の圧倒的な無理解と無関心だった』

「少年A矯正2500日全記録」に続いて草薙厚子さんの本を読んだ。今回は長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件について。初版が05年11月だから、事件発生から約1年半時点での報告ということになる。

「普通の子」と表現されることで、「A子」が抱える問題が見えなくなってしまう。実際に、家裁では障害は認定されなかったのに、児童自立支援施設ではA子を「アスペルガー症候群」と診断している。先天的な脳の問題が原因のようだが、A子が発する「SOS」を親や教師ら周囲は理解できない。父親による暴力があったようだ。教師は担当するクラスの問題に真正面から向き合おうとしない。対人関係をうまく築けないA子は"ひずみ"を抱えたまま成長し、ついに暴発してしまったのか。

事件当時11歳だったA子がこれからどうなるのかは、一般には知ることができない。少年法の精神は重要だろう。事件を起こした少年を、成年と同じように裁くことには疑問が多い。まだ一般に理解されていない"障害"を持つ少年もいるに違いない。だからこそ悲劇を繰り返さないため、A子のプライバシーを守ったうえで、治療、矯正について、また、この事件がなぜ起こったのかについて、社会に知らせる方法を探すことはできないだろうか。

最後に一点、この本を読んだ後、ネットを見ていて気づいたことがある。「菜の花とヒマワリ」という章があるが、「菜の花」と「ヒマワリ」は加害者と被害者を表すキーワードではないのか。筆者がどのような意図でこの章の見出しをつけたのか気になる。
(講談社、1500円+税)




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