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    S15シルビアによるオートポリス走行記

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2006年4月29日(土)
姜尚中さん講演会

大分市で開かれた姜尚中さんの講演会に行ってきました。

戦後社会は地域から抜け出すことを考えてきた。東京は全国から人を集める“マグネット”だった。東京に出て“偉くなった人”はやがて地域を裏切り、中央と地域の考え方にズレが生まれる。偉くなった人は地域の目線を失い、古里と切れることで社会の階段を昇っていく。

小泉改革が進めるグローバル化は今までの日本の構造を変えること。ヒルズ族のような人々は今までの社会にはいなかった。大都会がますます強くなり、地方はますます弱くなる。見捨てられる人が出てくる。

世界の転換点は79年。イラン革命、ソ連のアフガン侵攻、朴韓国大統領暗殺、中国のベトナム侵攻。それから日本はバブルに浮かれる「胸くそ悪い10年」を経て、オウム事件、阪神大震災、巨額の財政赤字などを生む「失われた20年」を過ごす。

姜さんは世界の転換点だった79年ごろ日本を離れ世界を見聞した。その経験から「白」「黒」を判断してきた。北朝鮮に対するスタンスを批判されることがあるが、一貫して批判的だった。30年前から社会主義は皮膚感覚でダメだと感じていた。今、北朝鮮を批判する人々より多くの経験がある、と言う。

最も恐いのは「ブレ」ること。イラク戦争万歳といった人は今どうなったか。一人の人間や国を国民全てが攻撃する「憎しみの政治」が行われていないか。民主主義を教えてくれたアメリカが「愛国」ひとつに染まっている。アメリカはアメリカならざるものになり、それを日本が後追いしている。国民が「一色」に染まる社会は危うい。

イラク侵攻の大義名分だった大量破壊兵器はあったのか、なかったのか。TVの映像などでフセインは恐い人物だとなんとなく思ったのではないのか。ホリエモン逮捕を予想した人はいるのか。見破れなかった我々とは何か。メディアに流れるものを疑わなければならない。試されるのは経験に裏打ちされた自分の「カン」だ。

1時間程度の講演だったので突っ込んだ内容ではなかったのですが、面白く、考えさせられることが多くありました。姜さんはTVについて批判的でありながら(もちろん全てではないでしょうが)、そこに出演し、自らの主張を続けている。なぜ、そうしているかも今回のように“生”の声を聞くことで分かる気がした。