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2005年12月7日(水)
満州と自民党(小林英夫)

『戦後日本は満州国の再現だった。満鉄調査部、商工省、戦後の経済安定本部、そして保守合同まで―その中心には岸信介がいた』

小泉改革は戦後続いてきた自民党政治を「ぶっ壊す」ものだが、では「自民党政治」、そして「日本株式会社」と言われる官僚主導の政財官一体の日本的経営システムを造りあげたのは誰なのか。この本では岸を中心にした満州人脈にスポットを当てる。

満州事変後に誕生した満州国をどう運営していくか。商工省エリート官僚として渡満した岸らは経済統制政策を実行する。戦後、A級戦犯として投獄されるが、後に無罪放免。そこから一気に権力の階段を登っていく。首相となった岸は満州時代の統制経済を行い高度成長を果たす。

この時代のことはほとんど知識がないので、満鉄の事や日産コンツェルンの事など興味を引かれるものもあった。ただ岸を中心とした満州人脈を描いているが、いまひとつ“人間くささ”がない。新書本でページ数の制限があるのだろうが、人間関係が深くないし、岸についてもどんな人間だったのか、がよく分からない。その辺りをもっと書き込んで欲しかった。
(新潮新書、680円+税)