『歩くことの大好きなカメラマンが、少年の頃からの夢、日本列島縦断をついに敢行。北海道・宗谷岬から故郷の沖縄・那覇まで三三〇〇キロ、五ヵ月に及んだ旅は、どのような日々を刻んだか。クルマ優先の道路、農漁業の現状、自衛隊基地・原発、そして美しい自然、懐かしい人との再会……。日本と日本人の現在を写真とともに伝える全記録』

報道カメラマンの石川さんが２００３年７月から１２月にかけて日本列島を交通機関を一切使わず縦断した時の記録。ルートは日本海側を北から南まで、一日に１０〜３０キロ。文章を書くのは苦手と書いてある通り、その日あったことをそのまま書いた日記みたいな感じだが、一気に読める。人々との触れ合いや、現在の日本の風景。徒歩の旅は「感動の連続だった」という。そうなんだろうな、うらやましい。

石川さんはベトナムでの従軍経験もある報道カメラマンだが、楽しみながらの徒歩の旅と報道を両立させながら、人生の旅を続けたいと考えている。６５歳を過ぎても挑戦を続ける姿は素晴らしい。
（岩波新書、７００円＋税）