オートポリス500ラップへの道

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寄り道

<<奈良自転車旅 | 四天王寺>>
2009年9月28日(月)
柳生街道

今日は柳生街道を歩きます。足が痛いので悩んだが、今回の旅最大の目的だったので、行けるとこまで歩くことに。駄目ならバスで帰ってきます(地図を見る限り、あまりバスの便は良さそうではないですが…)。

7時28分、JR奈良駅発のバスで柳生へ。結構な山道。後ろからくる車をやり過ごしながら進む。途中、通学の小中学生が乗ってくる。1時間ぐらいで柳生到着。柳生は静かで小さな町。朝早いので、まだ店も開いていないし、観光客もいない。まず十兵衛杉。柳生十兵衛が植えたらしい。雷で焼かれ、今は葉っぱ一つない。十兵衛杉から町が見渡せる。十兵衛もここから古里を眺めたのでしょうね。

続いて柳生藩家老屋敷。時間が心配なので、柳生をじっくり回ることはできないが、ここは押さえておく。スロープ付きの立派な石垣の上に建っている。柳生独特の造り。観光客は私ともう一人。受け付けの人がパソコンでポーカーをやっていた。月曜日の朝いちで暇だからいいのでしょうね。  

少し歩いただけだが、やはり足が痛い。雨もパラパラ。大降りにならねばいいが…。家老屋敷の横に小山田分家屋敷。似た建物だが、こちらは見学できない。今も人が住んでいるのか。こんな立派な家に住んでみたい。

小学校の横を過ぎる。まだ9時なのだが、剣道をする生徒の気合いの入った声が響いている。さすが柳生。新陰流か。毎日1時限目が剣道だったらすごい。

柳生八坂神社にお参り。高台に見える芳徳寺など行ってみたいところもあるが、このまま柳生街道を進む。道標によると奈良まで6時間ぐらい。  

柳生陣屋跡に寄ってから山道にはいる。石畳の道。岩に彫られた小さなお地蔵さまも。ちょっと上り坂を歩いてホウソウ地蔵に。大きな岩に彫られている。バスで一緒だった男性がいた。柳生を廻るのか、と思っていたら、私の後ろから柳生街道を上ってくる。ネクタイはしていないが、スーツ姿。どこまで行くのか、ちょっと気になる。この街道を歩く人がいるのは心強い気もする。

石畳の間にはセメントが入っている。石自体はともかく、この道も当時のままというわけではないのだろう。ホウソウ地蔵から先は急な上り。早くも息が上がってきた。道路には小さなカエルがいっぱい。私が近付くと逃げていく。夏にはマムシとかも出そう。

急な上りの後は、急な下り。少し休んでいると、さっきの男性に抜かれる。軽く会釈。首にタオルを巻いている。私も汗が出てきたので、真似してタオルを巻く。雨は止んだ。このまま晴れすぎず、雨降らずの1日になると助かるが…。東海自然歩道の道標を頼りに歩く。

山道を抜け、集落に出る。「お藤の池」には金魚が1匹泳いでいる。前の畑ではおばあさんが一人農作業中。

10時半ごろ南明寺到着。本堂は鎌倉時代に造られたもの。貫禄があって渋い。

集落を抜けるところで道が分からなくなった。農作業をしていた奥さんに尋ねる。山を越えるよう、言われる。これから奈良まで何度山越えがあるのか。ちょっと心配。青少年の森という施設のそばで山道に。二手に分かれる道の小さな方を選ぶ。ちょっと迷いそうなポイント。

山道を進むとすぐにアスファルトの道へ。奥さんが山越えの道を選ぶように話してくれたのは、道を間違えないためだったみたい。感謝します。

11時ごろ大柳生に到着。農作業をしている人が多い。農業をしながら、静かな町で暮らすというのはいいですね。もちろん、農業は大変で、不便なことも多いだろうけど、ちょっと憧れます。農作業をしているのは女性ばかり。簡単な作業は女性の仕事なのか。「アニマル・キラー」という動物除けの電気柵が張られている。太陽電池を使っている。畑に電気を引くよりいいのでしょう。

雨が降り始めた。風が強く、雲が動いている。集落の中は細い道。立派な石垣の上に家が建っている。三叉路には道標。見逃さないように進むはずだったが、失敗しました。近鉄てくてくまっぷを見ても、どうも現在地が分からない。すっかり油断していた。かなりルートから外れてしまった。

通りがかった軽トラの男性に尋ねると、遠くに見える小山に進むべき「夜支布山口神社」があるそう。男性は丁寧に街道に戻る道を教えてくれたが、実はよく分かりませんでした。集落の中心に戻って道標を探すことも考えたが、かなり進んでいたので面倒でした。男性が教えてくれた道をちょっと進んでから、引き返し、また「間違った道」を歩き始める。「あ〜完全に迷ったな」を思っていると、目の前にさっきの軽トラの男性が…  

私ははじめ気が付かなかったのですが、男性は私を見て「どこを歩いている?」というような怪訝な表情。ちょっとバツが悪いが、また道を尋ねる。男性はもう口で言っても駄目だと思ったのでしょう。軽トラに乗せて運んでくれることに。優しい男性で車の中で柳生と大柳生の関係など簡単に教えてくれた。1キロぐらいショートカットになったが、無事、柳生街道に復帰できた。田んぼの中の道を戻っていく軽トラに頭を下げたり、手を振ったり。ありがとうございました。最初に聞いた説明の意味もやっと分かりました。男性は近道を通ったようです。夜支布山口神社には行けなかったが、このまま男性の好意に甘えようと思います。

山道を抜けて12時半ごろ円成寺に到着。あの運慶の処女作「大日如来像」や春日堂と白山堂などの国宝がある寺。大日如来像は多宝塔の中にあってガラス越しに拝むことができる。春日堂は最も古い春日殿造り。春日大社には同じようなお堂が4棟あったが、ここは2棟。小さなお堂です。春日大社と違って近づくことができる。

円成寺のお食事処で、マツタケうどんを食べる。「オッ!」と声が出そうなくらい大量なマツタケ。ただ、お店の人と他の客との会話を聞いていると、どうも近くで採れたものではなさそう。外国産なのか。ちょっと残念。いつか“強烈な香り”の国産マツタケを思う存分食べてみたい。

また、山道。蚊が多い。少しきつい上りを過ぎた後は平坦な道。幅2〜3メートル。なんとなく“街道らしい”道。江戸時代には早馬が駆け抜けたのでしょう。周りは杉林だから、今は林業のために車が入ることもあるのでしょうか。深い山。誰にも会いません。鳥やカエルの鳴き声が聞こえる。

1本、木を拾って杖にする。左ひざが少し不安。2本足で歩くより楽そう。写真を撮る度に杖を持ちかえるのは面倒だけど。

40〜50分、山道を歩いてアスファルトの道に出る。ほぼ一本道で迷うことはなかった。峠の茶屋まで1.8キロの看板。目標が見つかって着実に進んでいる手応えを感じる。県道184号線。誓多林町の標識。峠を下った所に事前にインターネットで見た茶畑が広がっていた。この道で間違いない。一安心。茶畑はそれほど大きなものではないが、この近辺に何カ所かある。

集落を通り抜けて峠の茶屋に到着。閉まっています。ここもネットの下調べで気になっていた。「茶屋」なんて街道歩き旅にぴったりなのに残念です。もう営業していない? それとも今日だけ休み? 中からテレビのような音や人の声が聞こえるので誰かいるようですが…

峠の茶屋の分岐点で、「地獄谷石窟仏」に続く細い道を選ぶ。きつい勾配、石段をぐんぐん下っていく。地図には雨の日は避けたほうがいいと書かれている。横が崖になっている所もあって危ない。気をつけて歩く。「地獄谷石窟仏」で休憩。道端の木の切り株には石が置かれている。以前歩いた人が作った“道標”ですね。

有料道路を横切って、下りの山道。手をつないだアベックが結構な勢いで上ってくる。「気持ちいいな〜」などと話している。この辺は手頃なハイキングコースなのでしょうか。残念ながら、私はもうかなり疲れているので、「気持ちいい」という感じではないのですが(笑)

首切地蔵に到着。一昨日行った百毫寺まで2.2キロの看板。ここまでくればゴールはすぐそこ。トイレを借りて、出発。石畳の道「滝坂の道」ですね。江戸時代に造られて、昭和に入っても柳生に生活物資を馬で運ぶために使われていたらしい。

朝日観音。今は午後3時半ごろ。背中の方に太陽の光が差している。朝にはちゃんと太陽が観音様を照らすのでしょう。

続いて夕日観音。道から見上げた岩に彫られている。出来るだけ近づいてズームアップして写真を撮る。

近くに寝仏。道端に横になっているが、よく見れば仏様に見えるかな、という感じ。元々こうだったのか、それとも風化したのか。それにしても、石仏が多い。柳生街道は石仏街道ですね。

4時過ぎにアスファルトの道に出る。柳生街道入り口の看板。人家も見える。市街地に入るようなので、ここまで一緒に旅をしてくれた杖をガードレールに立てかける。横に目をやると木の棒がもう1本。同じように使ったのでしょうね。頼りになる相棒でした。

飛鳥中学校前を通る。初日の北・山の辺の道の時もこの近くを歩いたのだが、位置関係がよく分からない。本当なら地図を使って、じっくり下調べすべきなのだろうけど…。まあ、今回もなんとかうまくいったのでOKとしましょう。 4時半に春日大社到着。GPSのスイッチを切って、ここをゴールにします。9時過ぎに柳生を歩き始めたので、8時間弱の歩き旅になりました。下りが多かったので、なんとか辿り着くことができた。奈良から柳生に向かう場合はもっと時間がかかるのかも。でも、いい旅でした。

ついでに書きますが、春日大社からJR奈良駅前のホテルまで約2キロ、これが長い長い。たくさんの観光客の中をちょっと汗臭い疲れた格好でトボトボ歩く。さすがに足が痛い。ホテルに着いたのが5時半ごろ。朝ホテルを出て10時間。万歩計の表示は36534歩。よく歩いたな。

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きょう撮った写真は「My写真庫」に




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