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寄り道

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2007年4月24日(火)
溥儀−清朝最後の皇帝(入江曜子)

『三度皇帝となり、後半生は「人民」として生きたラストエンペラー溥儀(一九〇六−六七)。三歳で清朝最後の皇帝として即位、辛亥革命後の張勲の復辟による二度目の即位、満州国の「傀儡」皇帝、東京裁判での証言、戦犯管理所での「人間改造」、自伝『我が前半生』の執筆、文革中のガンとの闘いなど波乱に満ちた数奇な生涯をいきいきと描く』

以前、テレビで「人間改造」を受けた溥儀を見たことがある。北京の民家のようなところで人民服を着て笑顔を見せる元「皇帝」。中国共産党にとってみれば、第2次大戦後の新しい中国社会をアピールする格好の材料なのだろうが、不思議なほど穏やかな表情には、逆に何かが潜んでいるようにも思えた。

中国旅行をした時には溥儀がかつて主だった「紫禁城」を見て回った。広大な敷地にスケールの大きな建物が並ぶ中で、皇帝が普段利用した部屋は意外と小さく質素だった。大中国の支配者としての皇帝と、一人の人間としての皇帝。小さな部屋こそ人間としての皇帝の心休まる場所だったのか。

その小さな世界から激動の世界に引きずり出された溥儀は、日本軍などの計略に翻弄され続ける。自分の力とは何だったのか、思い知らされたのではないのか。つらいだろう。溥儀の能力うんぬんではなく、一人の人間がどんなにもがいても逃れようもない"運命"ではないのか。

ただ救いがあるのは、溥儀が最後まで"生き残る"ことに疑問を抱いていないように感じられること。だからこそ、日本の傀儡政権としての満州国皇帝としての立場も、抵抗することなく受け入れたのではないだろうか。溥儀という人間に興味を惹かれる。
(岩波新書、780円+税)





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