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2006年7月5日(水)
クライマーズ・ハイ(横山秀夫)

『1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは―。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、筆者渾身の傑作長編』

御巣鷹山にJAL123便が墜落して20年。筆者は実際に地元新聞社の記者として、この世界最大の航空機事故を体験した。もちろん小説だから作られた部分もあるだろう。でも、細部まで書き込まれた文章から、この大事故を伝える新聞がどのように作られたかを想像することができる。

520人もの命を奪った現場を生々しく伝える記事は、社内の“力関係”によって紙面から落とされ、小さな扱いになってしまう。プライドを持った記者と、その記者をコントロールしようともがく全権デスク。何度も衝突を繰り返した末につかんだ“特ダネ”をデスクの判断で取り逃がす。

主人公の「悠木」は日航機事故全権デスクを務めた後、地方の通信部に移る。そこで一記者として記事を書き続ける。出世とは無縁だが、走り続ける喜びがある… 「クライマーズ・ハイ」。 面白く、一気に読めた。
(文春文庫、629円+税)




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