BC菌の働き

BC細菌群は、好熱性放線菌繊維素分解菌光合成細菌からなり、それぞれの役割は下記の通りになっております。これらの菌たちが、その土地に本来住む菌と協力し合って、土壌・水質を改善し、自然本来の力を取り戻していきます。


好熱性放線菌

生育可能範囲の広い微生物です。土壌中に散布しますと抗生物質を出して悪い菌の育成を阻害し、土壌を病気の出にくい健康な状態にしていきます。強い悪臭除去作用をもつものもいます。

*BC菌の消臭試験の結果については弊社パンフレットに記載しております。パンフレットは弊社についてのパンフレットのダウンロードボタンにて、入手いただけます。


BC菌の働き

土壌中の残根等の繊維質をよく分解し、他の微生物のエサとしてしまい高い土改良効果があります。


「土のイワシ」と呼ばれ、自らが良い微生物の栄養となり、いろいろな良い菌がバランスよく増殖します。


堆肥の製造過程

堆肥の製造過程には3つの段階があるといわれています。(西尾道徳ら, 1988,「有機物をどう使いこなすか」)
これら3段階とは、

①糖分解期
②セルロース分解期
③リグニン分解期

です。 以下にそれぞれの段階の詳しい説明を述べます。

①糖分解期
タンパク、アミノ酸の易分解物質が分解。納豆菌などのバチルス属や糸状菌が活動。高温になっていく。

②セルロース分解期
セルロースやヘミセルロースの難分解物質を分解。60℃以上。

③リグニン分解期
セルロースの分解のピークを越え温度が下がり、堆肥の組織が黒褐色の壊れやすい性状となる。リグニンはきのこ類によって分解される。難分解物質の中間物質が多くあり、さまざまな菌が分解し死滅し土壌の有効成分になる。


それぞれの段階のBC菌の役割とは?

第一段階で光合成細菌などの細菌類が、易分解性物質を分解し温度の上昇を速やかに進めます。

同時に、生育可能温度が広い好熱性放線菌がヘミセルロースの分解を始めて、繊維素分解菌の分解を促進させ、通常の第一、第二段階を同時進行で進めます。

温度が60℃以上になり、第二段階が進行している時期でも、好熱性放線菌繊維素分解菌が活動しており、さらに第三段階でのリグニン分解を先行しています。

BC細菌群は上記のような活動により、非常にすばやく、効率的な堆肥製造を可能にしています。



堆肥化具体例はこちら


[1] BC菌による地域を結ぶ循環型農畜産システム ーE&BC循環農畜産システムー

E&BC循環農畜産システムは、4つのバイオ技術を使ったシステムで、飼料の自給率を向上、悪臭のしない畜産舎、畜産施設廃水の解消、 糞汚泥のBC菌堆肥化による有機質リサイクルの完成を約束する循環型農畜産システムです。バイオサイクル研究所では、 このシステムを微生物の専門技術を持たない方でも出来るように、通年にわたって直接指導をいたします。
*BC細菌群を用いた堆肥の作成のみの指導も行っております。下記の[2]BC堆肥製造をご覧ください。

循環型農畜産システム

1. 地域バイプロを有効利用した乳酸発酵飼料
2. BC消臭菌を使ったバイオ消臭畜産舎
3. アルカリバイオ処理による高濃度有機廃液処理
4. BC発酵菌を使った糞尿処理システムで製造する無臭堆肥


1. 地域バイプロを有効利用した乳酸発酵飼料
本研究所では、乳酸発酵の助けとなるBC細菌群を用いて、それぞれの地域の特産物のバイプロを利用してサイレージを作り、それぞれの市町村での自給自足型の飼料調達を実現します。 本研究所の技術は、焼酎廃液やおから等様々な地域バイプロに応用可能です。
*サイレージ:青刈りした飼料作物をサイロに詰め、乳酸発酵させたエサのことをさします。
*バイプロ:バイプロダクト。何かを製造するときに生まれる副産物のことです。


2. BC消臭菌を使ったバイオ消臭畜産舎
好熱性放線菌を主要菌とするBC細菌群は、悪臭改善に高い効果を示しています。BC細菌群を散布することで、畜産施設の臭気が減少し、BOD*の基準値をクリア出来ます。 畜産舎内に菌の散布システムを取り付けること、臭気の強いところに定期的にBC細菌群を散布することにより、悪臭の地域への影響を最低限に抑えることが出来ます。
*BOD:生物化学的酸素要求量(Biochemical oxygen demand)。水中の有機物などの量を、その酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表したもので、BODの値が大きいほど、水質は悪いと言えます。


3. アルカリバイオ処理による高濃度有機廃液処理
畜産業の廃液において、特に高濃度な廃液として飼育舎からの廃液があります。 バイオサイクル研究所では、BC細菌群の好熱性細菌を用いることにより、汚染を2日間で約20分の1に軽減することができます。 このようにして廃液の汚染を軽減することにより、全体的な設備の簡易化をはかることができ、水質規制をクリアする設備対策を 行うことができます。


4. BC発酵菌を使った糞尿処理システムで製造する無臭堆肥
BC細菌群を添加することで堆肥発酵の促進が認められています([2]BC堆肥作成参照)。 さらに、BC細菌群は、発酵槽からのアンモニアによる悪臭を抑制することができます。 このようなBC細菌群の働きから無臭完全発酵堆肥の製造が可能となります。 ここで製造した堆肥は、それぞれの地域の特産物を製造する農家へと還元することができます。

これらの技術を使用し、飼料の自給率を向上、畜産舎の悪臭・廃水問題の解消、糞汚泥のBC菌堆肥化を行うことで、 バイオサイクル研究所は地域独自の「有機質リサイクル」を実現します。


[2] BC堆肥製造

BC細菌群による堆肥化は、BC好熱性放線菌、BC好熱性繊維素分解菌、 BC光合成菌を主要菌として用いることで、良質の堆肥を短期間に製造します。 バイオサイクル研究所では、技術指導、もしくはBC細菌群の販売により、 良質で短期間に出来る堆肥の製造を実現します。

BC堆肥

Q.BC細菌群は安全な菌なのでしょうか?

A. BC細菌群は、完熟堆肥を分離源とする好熱性細菌群と水田の土壌を分離源とする光合成細菌を混合したものです。
完熟堆肥を分離源とするBC好熱性細菌群は、分離培養温度が60℃で行うため好熱性細菌以外の細菌が混合することはなく、好熱性細菌で病原性の細菌は報告されていません。
光合成細菌は、有機農法を行っている土壌中に一般的に認められる細菌で、農業資材として市販されているものもあります。BC光合成細菌は、完熟堆肥を長年使用している水田の土壌から分離培養したもので、主に紅色非硫黄細菌の集積混合培養物です。
BC好熱性細菌群とBC光合成細菌の混合物については、日本食品分析センターで、「マウスを用いた急性経口毒性試験」(第499070107-002号)と「ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験」(第499070107-001号)を行って、いずれも問題は認められませんでした。これらのことから、BC細菌群は使用用途においては安全であると言えます。


Q.稲作後や前作の残渣を鋤き込む場合、BC菌を使って分解を速やかに進められるとの事ですが、10㌃当たりどのくらい散布すればよいでしょうか?散布方法等、注意事項があれば教えて下さい

A. BC菌の繊維素分解菌は土壌中でも植物の残渣繊維質をよく分解します。10アール当たりの使用量ですが、BC菌を1リットル散布して耕運してください。実施例としては、トマト残渣を田に鋤き込む時にBC菌を散布すると3週間で残渣が完全に分解されます。BC菌を散布しないと残渣は、3か月以上残っていました。


Q.溶液栽培の連作障害をBC菌を使って緩和したいのですが、散布方法と期待される効果を教えて下さい

A. 溶液栽培には、週に1回溶液タンクに500倍希釈になるように添加します。BC菌群の施用効果として、植物生理的には生殖生長の促進、果実の着色効果、根群の生長効果があります。微生物的には根圏微生物相の正常化による病害の抑制効果があります。特に、好熱性細菌の施用により、好熱性細菌の生産する生理活性物質の効果で静菌効果が期待できます。


Q.市販の肥料との併用は出来ますか?

A. 化成肥料との併用も可能です。化成肥料も有機質(鶏糞、油粕、米糠など)に混ぜて発酵させるといい発酵肥料になります。


Q.長年作付している耕作地で使用する場合の注意点があれば。

A. 最初に散布するときに耕作地の菌叢をBC菌の菌叢に変えるため1か月毎週1回、10㌃当たり菌原液1リットルを希釈して、BC菌を散布してください。耕作地の菌叢を変化させると同時に耕作地の残存有機物を分解します。


Q.気温の低い高地ですが、堆肥作りに利用できますか?

A. BC菌のルーツは、先代が卒業した盛岡高等農林です。東北の気候で堆肥発酵を促進させる菌の研究がベースとなっていますので、寒冷地での堆肥発酵に効果があります。古い話ですがシベリアでも堆肥発酵に効果がありました。


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