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2005年9月28日(水)
沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕(石川昌家)

『沖縄県本島南部にはガマとよばれる自然洞窟がいくつもある。半世紀前の戦争中にこのガマは避難壕として軍・民双方に使用されていた。本書に登場する「アブチラガマ」も「轟の壕」もそうした避難所のひとつだった。ガマでなにが起こっていたのか。人びとの忘却の彼方にあったこれらガマの記憶をたどる石原教授たちの調査行は、取材開始から二十五年の歳月を要することになる。半世紀をへて、よみがえる真実とはなんだったのか?裁かれざる「犯罪」は放置されたまま、闇のなかに眠るのか。「洞窟の惨劇」はいま姿を現そうとしている』

「軍官民共生共死の一体化」により日本軍は沖縄で住民を巻き込んだ地上戦を展開する。それは本土決戦あるいは終戦調停への時間稼ぎだった。持久戦に持ち込もうとガマに篭る日本軍。そこには戦火を避ける場所もなく逃げ込んだ住民もいた。

日本軍が支配するガマ内部。そこで何があったのか、数々の「惨劇」を生き残った住民の証言を丹念に集めている。「友軍」と信じていた兵士に利用するだけ利用され、最後には裏切られてしまう。沖縄の人々の苦しみは今も消えていないだろう。
(集英社新書、700円+税)