トップ > 2月の最新ニュース
1月分へ
最新ニュース

2023/02/28(火)
◎国内復帰&大所帯に(JRR)
○ホンダ系の有力チームの1つである日本郵便 HondaDreamTPが,今シーズンの参戦体制発表会を2月23日(木)に開催しました。チーム名が示すとおり,タイトルスポンサーに日本郵便がティープロのタイトルスポンサーに就いている同チームですが,同日は『ふみの日』で,さらに発表会場は日本郵便株式会社の新宿郵便局でした。
今回の発表によると,ST1000クラスには,これまでと同様に元GPライダーで,同クラスの初代チャンピオンである高橋裕紀が参戦を継続します。さらに,同クラスにもう1人フル参戦するライダーがいて,それが昨シーズンまでBSBでホンダワークスからフル参戦していた高橋巧が加わることになりました。長くHRCライダーとして活躍してきた高橋ですが,昨シーズン限りでBSBへの参戦が終了となり,今シーズンの去就が注目されていました。そして,ようやく今回の発表となっています。元JSB1000クラスチャンピンで,昨シーズンの鈴鹿8耐を制したライダーでもありますので,ST1000クラスというのは意外でしたが,今シーズンの同クラスは,若手からベテランまでの有力ライダーが参戦する予定で群雄割拠の状態ですので,数々の実績を残してきた高橋巧の加入はある意味納得のできるものであるかもしれません。いずれにしても,今季同クラスにおける日本郵便 HondaDreamTPは,『ダブル高橋』でタイトル獲得に臨むことになります。参戦するのはST1000クラスだけでなく,ST600クラスへの参戦もあり,そこにはこちらもこれまで通り元GPライダーで,このクラスでチャンピオンを獲得した経歴を持つ小山知良が参戦し,タイトル奪還に臨みます。そして,J-GP3クラスへの参戦し,こちらについても岡崎静香が続投となります。さらに,その岡崎のチームメイトとしてあらたに若松怜が加わります。ということで,今季の同チームは,3クラス5名のライダーという大所帯となっています。
2023/02/27(月)
◎完勝(SBK)
○開幕戦のスーパーポールレースとレース2が,前日とは打って変わってドライコンディションとなったフィリップアイランド・サーキットで行われました。
スーパーポールレースでは,レース序盤こそレース1の勝者であるA.バウティスタとポールからスタートしたPata Yamaha Prometeon WorldSBKのT.ラズガットリオグルとのトップ争いとなりましたが,それを制したバウティスタがトップに立つと,最後までそのポジションを守って前日のレース1に続いてトップでチェッカーを受けました。2位走行していたラズガットリオグルを,バウティスタのチームメイトであるM.ルーベン.ディナルディが交わして2位に浮上し,最終的にトップから2秒以上遅れて2位に入り,ドゥカティワークスのワンツーとなりました。2人に交わされたラズガットリオグルは,3位でチェッカーを受けています。
レース2では,ポールからスタートしたバウティスタが,レース序盤からトップに立つと,これまた後続との差をどんどん広げて行き,2位に6秒以上の大差をつけてこのレースも制し,開幕戦を3レースとも制する完勝となっています。トップには差をつけられたものの,M.ルーベン.ディナルディがこのレースも2位に入り,最終日はどちらのレースともドゥカティワークスのワンツーとなっています。3位には,単独走行でラズガットリオグルのチームメイトであるA.ロカテッリが入っています。レース1とスーパーポールレースで2位に入ったラズガットリオグルですが,複数台による4位争いの中でKawasaki Racing Team WorldSBKのA.ロウズが転倒を喫し,それにラズガットリオグル巻き込まれてしまって両者リタイアに終わっています。
2023/02/26(日)
◎タイム更新(F1)
○プレシーズンテスト最終日の走行が,この日もドライコンディションとなったバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。最終日のレッドブルは終日S.ペレスが走行を担当しましたが,そのペレスが柔らかめのタイヤを履いてタイムアタックを敢行し,昨年のこの大会でマークされたポールタイムを更新する速さを見せました。チームメイトでディフェンディングチャンピオンでもあるM.フェルスタッペンが前日までに1,2番手タイムをマークしていましたので,今季型マシンの仕上がりの良さが表われています。2番手タイムをメルセデスAMGのL.ハミルトンがマークしていますが,彼が履いたタイヤはソフトタイヤの中で一番柔らかいタイヤであるC5タイヤを使用して出したタイムですので,C4タイヤを使用したペレスと単純には比較できません。3番手タイムをマークしたのは,一昨年までハミルトンのチームメイトで,昨シーズンからアルファロメをに所属しているV.ボッタスでした。そのボッタスも,ハミルトンと同じくC5タイヤを履いての3番手となっています。前日まで下位に沈んで心配されていたアルファタウリの角田裕毅は,ペレスと同じC4タイヤを履いて6番手タイムをマークし,ようやく上位につけました。各マシンがC5を履いてアタックする前にC3タイヤを履いて走行していた角田は,その段階で5番手タイムでしたので,3日間それぞれどのようなメニューでテストしていたか分かりませんが,今季の可能性を感じさせる最終日となっています。

◎トップ3が(SBK)
○ロードレースにおける世界選手権の先陣を切る形で,SBKが昨日から開幕しました。開幕戦はオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットが会場となっています。その初日に開幕レースとなるレース1が行われましたが,生憎のヘビーウェットというコンディションとなりました。そうした状況で始まったレースでまずトップを走行していったのが,チャンピオン返り咲きを狙うKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイでした。そして,それを追っていったのが,連覇を目指すAruba.it Racing-DucatiのA.バウティスタでした。しばらくの間レイの後ろにつけていたバウティスタでしたが,10周目に先頭を奪うと,その後はレイとの差を広げて行き,最終的に3秒以上の差をつけて開幕戦を制し,連覇に向けて好発進を切りました。残念ながらバウティスタに話されて2位になったレイですが,どうやらクイックシフターにトラブルが発生していたようで,これがトラブルとクラッチを使ってマシン操作をしなければならなくなり,その分ペースが落ちる可能性が出てきます。レイとしては惜しい結果となってしまったようです。3位でチェッカーを受けたのは,一昨年のチャンピオンで,このレースをポールからスタートしたPata Yamaha Prometeon WorldSBKのT.ラズガットリオグルでした。悪条件の中でのレースとなりましたが,それでも昨年のランクトップ3が表彰台を独占し,順調とも言えるスタートを切っています。
2023/02/25(土)
◎ソフトタイヤで(F1)
○今季最初のプレシーズンテスト2日目の走行が,この日もドライコンディションとなったバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の最速タイムを刻んだのは,今季が2年目のシーズンとなる中国人初のF1ドライバーであるアルファロメオの周冠宇でした。前日レッドブルのM.フェルスタッペンがマークした最速タイムをも上回るタイムを出した周ですが,この時彼が履いていたのはタイムを出しやすい最も柔らかいソフトタイヤを履いてのものでした。ただ,走行終盤に入ってスタート練習をしようとした際,マシントラブルが発生してスタートすることができず,この日の走行を早めにとりやめる事態となっています。2,3番手タイムは,それぞれフェルスタッペン,アストンマーティンのF.アロンソがマークしていて,この2人というのは初日の1,2番手タイムだったドライバーでしたので,2日続けての好タイムということになります。なお,ディフェンディングチャンピオンでもあるフェルスタッペンですが,今日行われる3日目の走行は,終日S.ペレスが担当する予定になっていますので,次にフェルスタッペンが今季型マシンを走らせるのは,開幕戦のFP1ということになります。なお,唯一のフル参戦日本人ドライバーであるアルファタウリの角田裕毅は,初日が15番手,2日目が17番手と下位に沈んでいて,テストですから担当するメニューに違いがあって一概には比較できないものの,2日間ともチームメイト,そしてルーキードライバーでもあるN.デ.フリースの後塵を拝する結果となっています。来季以降のシートを獲得するためには,少なくともチームメイトを上回る結果を残していかないといけない彼だけに,やや心配な2日間となっています。
2023/02/24(金)
◎好発進(F1)
○今季最初のプレシーズンテストが,開幕戦の地であるバーレーン・インターナショナル・サーキットで始まりました。今回のテストは2月23日(木)から3日間にわたって行われる予定で,各チーム2人いるドライバーは同時にマシンを走らせることはできず,例えばその日の午前と午後で分けたり,日によって分けたりして走行することになります。
昨日行われた初日の走行でトップタイムをマークしたのは,2年連続チャンピオンに輝いているレッドブルのM.フェルスタッペンでした。この日は終日担当したフェルスタッペンですが,午前,午後共にトップタイムをマークしていて,今季型マシンである『RB19』の素性のよさを感じさせる好発進を決めています。カラーリングに関しては事前に発表されていたレッドブルでしたが,今季型マシンをお披露目するのは今回が初めてとなります。総合2番手タイムをマークしたのは,今シーズンからアストンマーティンに移籍しているF.アロンソでした。午前の走行を担当したF.ドルゴヴィッチが走行開始していきなりマシンがストップして赤旗の原因となる波乱のスタートとなった同チームでしたが,その問題が解決すると,元チャンピオンのアロンソが見事な走りを見せています。なお,今季はアロンソとL.ストロールの2人となる同チームですが,ストロールがテスト前に行っていたトレーニングで怪我を負ってしまって今回は欠場となり,代役としてドルゴヴィッチが参加しています。総合3,4番手タイムは,それぞれC.サインツ,C.ルクレールのフェラーリ勢で,今季もレッドブルとフェラーリのバトルが期待できそうな初日となっています。

◎ハイブリッド?(MotoGP)
○2月22日(水)に,スペインのマドリードにあるタイトルスポンサーのレプソル本社において,ホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダ・チームが今シーズンのチーム発表会を行いました。これまで数々の栄光を獲得してきたホンダワークスですが,今シーズンはこれまで最高峰クラスで6回のタイトルを獲得しているM.マルケスを継続して採用すると共に,新たに昨シーズンまでスズキのワークスライダーとして活躍してきた2020年のチャンピオンであるJ.ミルが加入してきました。まさに,チャンピオン経験者がタッグを組んだ最強の布陣とも言える体制です。ただ,昨シーズンのホンダは,コンストラクタータイトル争いでまさかの最下位に甘んじるという状況に陥っていて,数々の勝利を重ねてきたワークスマシンであるRC213Vに不安があるのは確かです。そのマシンですが,カラーリングについてはこれまでと同様オレンジと白が基調となるいわゆる『レプソルカラー』に,赤が加わるというものになっています。これまでとの大きな違いがエキゾーストに関してで,2017年からイタリアの『SCプロジェクト』製を採用してきましたが,今シーズンから新たにスロベニア共和国に本社を置くヨーロッパ最大のエキゾーストメーカーである『アクラポビッチ』製のものを採用することになりました。MotoGPのトレンドであるウィングに関しては,フロントウィングにしてもリアカウルのウィングもこれまでとやや形状の違うものになっています。フロントカウルも形状が少し変わっていて,やや小ぶりになった印象を受けます。2019年に3冠を達成して以来タイトルから遠く離れたところにいる状況が続いているホンダですが,今シーズンは,今回お披露目を行ったミルに加え,サテライトであるLCRホンダには昨シーズンまでミルと共にスズキのワークスライダーを務めていたA.リンスが加わりました。さらに,昨シーズンまでスズキワークスでテクニカルマネージャーを務めていた河内健を登用していて,今季のホンダは,昨シーズン限りで撤退したスズキワークスとのハイブリッドとも言える体制を築いて立て直しを図っている印象です。
2023/02/23(木)
◎滑り出し上々(SBK)
○開幕戦を前にした公式テスト最終日の走行が,2月21日(火)に開幕戦の地であるフィリップアイランド・サーキットで行われました。この日最速タイムを刻んだのは,ディフェンディングチャンピオンとしてシーズンを迎えているAruba.it Racing-DucatiのA.バウティスタで,これは2日間を通しても最速タイムとなります。チームメイトであるM.ルーベン.ディナルディが3番手タイムをマークしていて,初日が2,3番手,2日目が1,3番手と今季型ドゥカティ パニガーレV4 Rが連覇に向けて上々の滑り出しを見せました。初日好調だったヤマハ勢ですが,この日の2番手タイムをマークしたのがヤマハのサテライトであるGYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのD.エガーターでした。初日トップだったヤマハワークスであるPata Yamaha Prometeon WorldSBKのT.ラズガットリオグルは,リアのグリップ感に不安があったのか,この日は10番手タイムで終わっています。とはいえ,エガーターのチームメイトであるR.ガードナーが5番手とSBKルーキーの2人が上位につけ,さらに,ラズガットリオグルのチームメイトであるA.ロカテッリが4番手となっていて,初日同様今季型ヤマハYZF-R1の素性のよさが感じられる今回のテストとなっています。ドゥカティとヤマハの後塵は拝したものの,チャンピオン返り咲きを狙うKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイがカワサキ勢としてはトップの6番手で2日目を終えています。初日トップ10に1台も入れなかったホンダでしたが,2日目も同様にトップ10に入ることができず,ホンダワークスであるTeam HRCのI.レクオナの11番手が最高位でした。BMW勢では,ROKiT BMW Motorrad WorldSBK TeamのM.ファン.デル.マークの9番手が最高位でした。
2023/02/22(水)
◎3人とも(SBK)
○ロードレース世界選手権の先頭を切る形で,SBKはいよいよ今週末にオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで開幕戦を迎えます。それを前にして,20日(月)から2日間にわたる開幕戦前としては今季最後となる公式テストが開幕戦の地で始まりました。初日の走行では,フィリップアイランド・サーキットらしく(?)鳥がコースに進入したりした影響もあって5度にわたる赤旗が提示される荒れた展開となりました。その荒れた展開を象徴するかのように,昨シーズンのランクトップ3であるAruba.it Racing-DucatiのA.バウティスタ,Pata Yamaha Prometeon WorldSBKのT.ラズガットリオグル,Kawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイが,3人とも転倒を喫する場面があったりしました。そのような中でトップタイムをマークしたのは,チャンピオン返り咲きを狙う一昨年のチャンピオンであるラズガットリオグルでした。彼が駆るヤマハYZF-R1はこの日好調で,チームメイトのA.ロカテッリが5番手,ヤマハのサテライトであるGYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR.ガードナーとD.エガーターが,それぞれ7番手,9番手と,トップ10の内4台がヤマハ勢となっています。ただ,ドゥカティ勢も好調で,ワークスの2人であるM.ルーベン.ディナルディが2番手,昨年のチャンピオンであるバウティスタが3番手と,開幕を前にしてドゥカティ パニガーレV4 Rの仕上がりの良さを見せています。チャンピオン返り咲きを狙うもう一人のライダーである一昨年のチャンピオンのレイは,4番手で初日を終えています。昨シーズンSBKも(?)奮わなかったホンダ勢は,唯一1台もトップ10圏内に誰も入ることができず,Team HRCのI.レクオナがマークした11番手が最高位でした。
2023/02/21(火)
◎息子は(F1)
○昨日は,アルピーヌF1チームが2月16日(木)に行った今季型マシンの公開を行った際,アンドレッティ・キャデラックとの提携を明らかにしたことをお伝えしましたが,この会の発表の中では,リザーブドライバーについても発表を行っていました。同チームのリザーブドライバーといえば,昨シーズンO.ピアストリと契約を結んでいました。そのピアストリですが,昨シーズン限りでF.アロンソがチームを離れることになり,それに替わってチームとしてはピアストリと契約することにしていたようですが,ピアストリはマクラーレンと契約を締結。そのことで両チームとの間で一悶着ありました。結局ピアストリはマクラーレンに今季から所属することになり,アロンソの抜けたシートにP.ガスリーが座ることになり,まさにオールフレンチ体制となっています。ピアストリが抜けましたので,新しいリザーブドライバーが必要となり,今回の発表でそのシートにJ.ドゥーハンが座ることになりました。「ドゥーハン」と聞けば,古くからの2輪ファンには馴染みのある名前だと思いますが,その通り,彼はかつてホンダのワークスライダーとしてWGPの500ccクラスで5連覇を達成したレジェンドライダーのM.ドゥーハンの息子です。彼は,父とは違って4輪の道を選んでいたのです。2021年シーズンはレッドブルの育成枠でFIA F3に参戦していましたが,昨シーズンからアルピーヌの育成に移り,FIA F2にフル参戦を開始していました。今シーズンもそれを継続するわけですが,それと同時にアルピーヌF1チームのリザーブドライバーに昇格し,マシン開発はもちろん,レギュラードライバーに代役が必要となったときのためにチームに帯同することになります。果たして父親が2輪の最高峰で結果を残したように,息子は4輪の最高峰で結果を残すことができるようになるのか,今季はもちろん,来季以降の成長が楽しみですね。
2023/02/20(月)
◎供給予定(F1)
○現在は10チームの参戦となっているF1ですが,このページでもお伝えしたように,今年に入ってFIA会長が新規参入チームを迎え入れる可能性について言及しました。これを受けてまず最初に名乗りを上げたのが,元F1ドライバーで主にインディカーシリーズの前身であるCARTで活躍したM.アンドレッティが運営する『アンドレッティ・グローバル』でした。しかも,チーム単独ではなく,アメリカの自動車メーカーであるキャデラックと資金的に提携し,『アンドレッティ・キャデラック』としての参戦するという計画になっています。F1参入となると当然どのメーカーのパワーユニット(PU)を採用するかということも重要ですが,キャデラックについてはPUという面での提携はなされていません。そのため,現在供給しているメーカーという選択肢が主になりますが,当初噂になったのがホンダでした。インディカーにおけるチームとホンダとの関係性を考えると,そうした噂が浮上するのはある意味当然だったのかもしれません。しかし,これは単なる噂に過ぎなかったようです。というのも,この度アルピーヌのCEOを務めるL.ロッシが,アルピーヌF1チームの今季型マシンである『A523』の公開を2月16日(木)に行った際,F1参入を目指しているアンドレッティとの間でルノー製PUを供給することで合意しているという事を明らかにしたのです。今季ルノー製PUの供給先は,自身のワークスであるアルピーヌF1チームのみとなっています。当然データを得るためには供給先がある程度多い方がいいわけですから,アルピーヌとしては,現在参入チームは厳しいですので,新たな参入チームとの提携が重要となってきます。ということで,今回両者の思いが一致しての提携ということになったのでしょう。ただ,新規参入するためには全チームの同意が必要ですが,各チームに渡される分配金のこともあったりして,多くのチームがいい顔をしていないのが現状です。今回の提携話には,当然エントリーが承認された場合という限定的な措置となっているようです。
2023/02/19(日)
◎車名変更(SGT)
○2月17日(金)に日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が,今季GT500クラスにフル参戦する4台のニッサンZ GT500のチーム体制とカラーリングを発表しました。今季ニッサンのドライバー等のチーム体制については,既に1月27日(金)に発表があり,このページでも1月29日付の最新ニュースでお伝えしています。今回の発表は,各チームの車名とカラーリングについての発表でした。その中で何といっても大きな注目となるのが,昨シーズン見事チャンピオンを獲得したTEAM IMPULでしょう。同チームといえば,1988年以来ずっと『カルソニックカンセイ』社がタイトルスポンサーを務め,その間マシンは『カルソニック・ブルー』に彩られてきました。2019年にイタリアの自動車部品メーカー大手『マニエッティ・マレリ』社と経営統合し,それに合わせてブランド名を『マレリ(MARELLI )』に統合していました。車名としてはそれ以後もカルソニックを使っていましたが,そのブランド名は昨シーズン限りとし,今シーズンから本来のマレリを採用することになりました。これにより,約35年という長きにわたって続いた車名が変更となっています。ただ,カラーリングについては,これまで通りのブルーとなっています。もう1つは,昨シーズン限りでクラフトスポーツが離れることになったNDDP RACINGです。同チームのタイトルスポンサーには,スパークプラグ事業ではNGK,セラミック事業ではNTKブランドでお馴染みの『日本特殊陶業』社が就くことになりました。そして,その日本特殊陶業が4月1日付で新たに英文の商号である『Niterra』を採用することになり,それに合わせて同チームの車名もそれに合わせる形で変更となっています。なお,今回発表があった具体的な車名等は,以下の表のようになっています。
2023年 ニッサンZ 参戦体制 
チーム 車名 ドライバー 監督 タイヤ
1 TEAM IMPUL MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴 星野 一義(総監督)
星野 一樹(監督)
ブリヂストン
B.バゲット
3 NDDP RACING Niterra MOTUL Z 千代 勝正 島田 次郎 ミシュラン
高星 明誠
23 NISMO MOTUL AUTECH Z 松田 次生 中島 健   〃
L.クインタレッリ
24 KONDO RACING リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹 近藤 真彦 ヨコハマ
平手 晃平
2023/02/18(土)
◎1年以上ぶり(WRC)
○随分間が空いてしまいましたが,2月12日(日)に今季第2戦となる『ラリー・スウェーデン』最終日の走行が行われました。シーズンの中で唯一となるフルスノーラリーであるこの大会で速さを見せたのは,今シーズンからMスポーツ・フォードWRTに復帰したO.タナクでした。フォード・プーマ・ラリー1を駆る彼は,2日目にトップに立つと,その座を守って最終日を迎えました。トヨタに所属していた2019年にタイトルを獲得した経歴を持つベテランドライバーであるタナクは,最終日にステージ優勝こそなかったものの,滑りやすいフルスノーラリーで堅実な走りを展開し,見事フォード復帰2戦目にして大会を制しました。同チームの優勝は,昨シーズンの開幕戦でS.ローブが制して以来385日ぶりとなります。今季タナクとトレードする形でヒョンデに移籍したC.ブリーンが,2位で最終日を迎えて逆転を狙いましたが,最後までその座を奪うことができませんでした。ブーリンのチームメイトであるT.ヌービルと昨年のチャンピオンであるK.ロバンペラとの間で繰り広げられた3位争いは,ヌービルがステージ優勝を飾ったりしてロバンペラを振り切り,ヒョンデ勢が表彰台の2つを制しました。ロバンペラは4位に終わったため,この大会のトヨタ勢は表彰台を獲得することができませんでした。また,今回の結果,タイトル争いでタナクが開幕戦を制したロバンペラを逆転してトップに立っています。ただ,次戦グラベルラリーである『ラリー・メキシコ』は,タナクが初日最初のスタートを切ることになります。最初の走行者は,路面の掃除役を果たすことになりますのでやや不利になりますので,ロバンペラとしては今回の結果はある程度意識したものであったようです。なお,今シーズンからS.オジエと大会毎に入れ替わりながらワークス参戦することになっている勝田貴元は,今大会が彼にとっての最初のワークス参戦となりました。ステージトップタイムを飾る場面もありましたが,2日目の走行で壁に衝突してクラッシュするアクシデントに見舞われてしまい,デイリタイアを喫してしまいました。3日目は走行を行いましたが,2日目のクラッシュが原因となったようで,エンジンにトラブルが発生してしまい,残念ながらその日にリタイアとなってワークス参戦での初陣を飾ることができませんでした。
2023/02/17(金)
◎ステップアップ(JRR)
○2月15日(水)にJRRにフル参戦するオートレース宇部 Racing Teamが,今季の参戦体制について発表を行いました。昨シーズンからJRRに参戦を開始した同チームは,スズキのMotoGP開発ライダーを務めていた津田拓也をエースに,岡田秀之の2人でST1000クラスにフル参戦を開始しました。チームとしては初年度にもかかわらず,津田がオートポリスで開催された第6戦において3位表彰台を獲得し,最終的にその津田はランク4位でシーズンを終え,初年度としては一定の成績を収めることができました。今回の発表によると,参戦2年目となる今シーズンは,津田が継続となり,しかも参戦するのが最高峰のJSB1000クラスで,チームとしてはステップアップを果たすことになります。また,それだけではなく,鈴鹿8耐へもAutoRace Ube Racing TeamとしてEWCクラスに出場するとのことです。ただ,今回の発表では,8耐に出場する際の残り2人のライダーについては明らかにされていません。チームの方針によると,今後EWCシリーズにステップアップを果たし,そこでチャンピオンを獲得することを目標とするとのことです。プライベーターチームだけに,この目標を達成するのはかなり厳しいことでしょう。ただ,スズキがMotoGPから撤退したことにより,テストライダーを務めていた津田はJRRに集中できますので,彼に力を借りながら,徐々に力をためていってほしいものですね。
2023/02/16(木)
◎新規参入&ルーキーペア(SGT)
○Yogibo Racingから発表があり,今シーズンからGT300クラスに新規参入チームとしてフル参戦することになりました。『Yogibo』といえば,CMでは馬が寝そべるほどの気持ちよさをアピールしていますが,恐らく実際に座った経験がある方はホッとできるソファとして認識しているのではないかと思います。そのYogiboですが,2021年に元ホンダのワークスドライバーである道上龍が運営するチームであるDrago CORSEとジョイントしてGT300クラスに参戦した経歴があります。そのジョイントを1年で解消し,昨シーズンは『GTワールドチャレンジ・アジア』にフェラーリ488 GT3 EVOを駆って独自のチームとしてフル参戦し,GT3シルバークラスのタイトルを獲得しました。そして,SGTのGT300クラスのエントリー枠を今シーズン獲得することができ,晴れて単独の新規参入チームとしてSGTに復帰することになりました。使用するマシンは,2021年の時と同じホンダNSX GT3となります。新たな挑戦となりますので,マシン開発の意味からベテランドライバーを採用するところなのでしょうが,今回の発表によると,2人ともルーキードライバーとなります。その2人とは,昨シーズンFIA F4でランク4位に輝いた22歳の伊東黎明と,同じくFIA F4にフル参戦し,伊藤に次ぐランク5位に輝いた21歳の岩澤優吾です。使用するタイヤに関しては,今回の中では発表されていません。ルーキーペアの新規参入チームですので,果たしてどこまでの走りを見せることができるのかかなり未知数ですが,チームとしてもどんどん経験値を上げて活躍できるようになることを期待したいと思います。
2023/02/15(水)
◎公開ラッシュ(F1)
○このところF1に参戦する各チームが,続々と今季戦うマシンの公開を行っています。その公開されるマシンですが,チームによっては今季型のマシンとカラーリングだったり,マシン自体は昨年型で,カラーリングのみを公開するというどちらかのパターンになっています。1月31日(火)にハースF1が公開したのを皮切りに,一昨日のマクラーレンやアルピーヌF1,そして昨日のフェラーリとなっています。既に公開したチームの中には,2月12日(日)にニューヨーク・ファッションウィークの一環としてリンカーン・センターで開催されたイベントで行ったアルファタウリも含まれています。ただ,この時はカラーリングのみで,今季型のマシンの公開は行っていません。昨シーズンのアルファタウリは,グラウンドエフェクト効果を大きく活用するレギュレーションへと移り変わったのにうまく対応することができず,P.ガスリーと角田裕毅は一昨年ほどの活躍を見せることができませんでした。そのため,チームタイトルでは一昨年の6位から昨年は9位まで順位を下げてしまいました。今季型マシンがどのような進化を遂げるのか期待されますが,この日公開されたカラーリングは,大幅ではないものの,新たな変化を遂げています。アルファタウリといえば,レッドブルが展開するファッションブランドで,白と紺を基調としていて,マシンのカラーリングも同様でした。今季のカラーリングもその傾向に変わりはありませんが,大きな違いが1つあります。それは,今季からスポンサーに就いたポーランドの石油・ガス会社である『PKNオーレン』のイメージカラーである赤が新たに加わったことです。これまでは全体が白と紺の2色だったのですが,リアウィングをはじめ,ドライバー保護のためにつけられているヘイローの部分やマシン下部のフロアフェンス部分が赤く染められています。昨シーズンまでのPKNオーレンは,アルファロメオのタイトルスポンサーを務めていました。そのアルファロメオとの契約は昨シーズンをもって解消となり,今季から新たにアルファタウリのプリンシパルパートナーとなっていました。これまでの同社は,ポーランドを代表するドライバーの一人であるR.クビサをレギュラー,もしくはテストドライバーとしてスポンサーとして契約したチームに加えてきていました。しかし,今回のアルファタウリとの契約に彼の採用は加わっていません。なお,レッドブルと同様に今季もホンダ製パワーユニットを搭載しますが,エンジンカウル後端にHONDAのロゴが今季も飾られています。ドライバーの体制では,残留となる角田裕毅に加え,ガスリーのアルピーヌF1チーム移籍に伴い,新たにN.デ.フリースが加わりました。この新しいコンビで昨年の不振を払うことができるのか,今季型マシンのポテンシャルが気になるところですね。
2023/02/14(火)
◎3チーム目(EWC)
○今季からEWCにフル参戦することになっているTeam Kawasaki Webike Trickstarが,2月12日(日)に鈴鹿サーキットにおいて今季使用するマシンであるカワサキNinja ZX-10RRのシェイクダウン走行を行いました。2019年にEWCにおいてタイトルを獲得したのはTeam Webike SRC Kawasaki Franceでしたが,同チームで監督を務めていたJ.スタフレアが昨シーズンをもって引退することになり,それに伴ってSRCチームも活動を停止することになってしまっていました。そこで同チームをサポートしてきた元JRR500ccクラスのライダーで,現在はTRICKSTAR代表を務めている鶴田竜二がチームを引き継いで代表兼監督となってTeam Kawasaki Webike Trickstarとして参戦を継続することになりました。今回のシェイクダウンテストを担当したのが,今季同チームからフル参戦することになった渡辺一樹です。昨年までの渡辺は,ヨシムラに所属してJRRや鈴鹿8耐,そしてEWCにヨシムラ製のスズキのマシンを駆って参戦してきました。わずか1戦だけですが,MotoGPに代役参戦したこともありました。そうした渡辺でしたが,昨シーズン限りでヨシムラとの契約が解消となり,今季の活動が注目となっていました。そして,2月3日(金)にTeam Kawasaki Webike Trickstarから発表があり,渡辺との契約が成立してEWCシリーズにフル参戦することになっていました。彼にとっては,TEAM GREENに所属してJSB1000クラスにフル参戦していた2017年以来6年ぶりのカワサキとなります。その渡辺のチームメイトですが,元GPライダーのR.ド.プニエとフランス人ライダーであるC.ポンソンとなります。今季のEWCは,昨年タイトルを獲得したF.C.C. TSR Honda Franceと,一昨年タイトルを獲得したヨシムラSERT Motulが継続してフル参戦しますので,今回のTrickstarを含めて3つの日本系チームがフル参戦することになります。
2023/02/13(月)
◎再び(MotoGP)
○3日間にわたって行われた今季最初のオフィシャルテスト最終日の走行が,最後の最後になって雨に見舞われたものの,ほとんどの時間でドライコンディションとなったセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。この日の総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズン終了後に行われたオフィシャルテストで最速タイムを刻んでいたムーニーVR46レーシング・チームのL.マリーニでした。今シーズンをディフェンディングチャンピオンとして迎えているドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアが,マリーニからわずか100分の8秒遅れで総合2番手でした。初日総合2番手タイムだったアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスが,最終日は総合3番手タイムでテストを終了しています。前日は雨のために思うような走行ができなかったという特殊な状況でしたが,初日と最終日は多くの時間がドライでほぼ同じ状況でした。その初日は,上位に入った顔ぶれをドゥカティとアプリリアのイタリアメーカーが独占する状況でした。そして,最終日もトップ9をイタリアンメーカーが占めるという結果となり,特に昨シーズンから見られるようになったこの傾向が,今シーズンも継続するのではないかという予想を抱かされる結果となっています。日本メーカー勢では,今季復活をかけるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの10番手が最高位でした。ヤマハ勢での最高は,タイトル奪還を目指すモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロの19番手でした。オーストリアメーカーであるKTMの最高位は,レッドブルKTMファクトリー・レーシングのB.ビンダーがマークした14番手でした。今季も唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は総合21番手で終了し,3日間を通してほぼ同じような結果となっています。今季進退がかかっているとも言える中上だけに,やや心配な今季のスタートとなっています。今回のテストが終了し,次のテストは開幕前の3月11日(土)から開幕戦ポルトガルGPの会場であるアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ(ポルティマオ・サーキット)で行われる予定のテストとなります。果たしてその間に各メーカーがどこまでマシンの進化を果たすことができるのか,日本メーカーを中心にとても気になるところですね。
2023/02/12(日)
◎雨のため&新体制チームが(MotoGP)
○今季初のオフィシャルテスト2日目の走行が,マレーシアGPの会場であるセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。初日は一時的な雨に見舞われたものの,さほど影響がなく走行を終えていました。しかし,2日目は,前夜からの雨によりしばらくの間ウェットコンディションとなったため,本格的走行は午後からとなりました。ところが,2時間以上経ったところで再び雨に見舞われてしまい,どのチームもテストメニューを思うように消化できなかったようです。そのような状況の中,2日目の総合トップタイムをマークしたのは,ワークスへの昇格が叶わず,今季も残留となったプリマ・プラマック・レーシングのJ.マルティンでした。昨シーズンまでヤマハのサテライトチームだったRNFですが,そのヤマハとの袂を分かち,今シーズンからアプリリアのサテライトとなっています。そのRNFに今シーズン移籍してきたM.オリベイラが,2日目の総合2番手タイムでした。また,総合3番手タイムをマークしたのは,昨シーズンまではホンダのワークスライダーでしたが,今シーズンからMotoGPクラスへ新たに参入することになったガスガス(マシンはKTM製)のワークスであるガスガス・ファクトリー・レーシング・テック3に所属することになったP.エスパルガロでした。初日はトップ9がイタリアンメーカーでしたが,モンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロが総合4番手,今季スズキワークスからホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールに所属することになったA.リンスが総合8番手に食い込んでいます。リンスのチームメイトであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,この日も上位に顔を出すことができず,21番手タイムで2日目を終えています。なお,テストライダーとして参加しているホンダのS.ブラドルとヤマハの中須賀克行は,この日走行しておらず,ノータイムとなっています。
2023/02/11(土)
◎独占(MotoGP)
○今週初めは,テストライダーとルーキーライダーだけが参加できるシェイクダウンテストが行われましたが,そのテストが行われたセパン・インターナショナル・サーキットにおいて,今度はレギュラーライダーも参加できる今季最初の走行となるオフィシャルテストが始まりました。このテストは,2月12日(日)までの3日間にわたって行われる予定です。初日の走行は,短時間だけ雨が降ることはあったようですが,ドライコンディションでの走行となりました。その初日に総合トップタイムをマークしたのは,昨シーズンに続いてドゥカティのサテライトチームの1つであるムーニーVR46レーシング・チームからフル参戦するM.ベツェッキでした。総合2番手タイムは,マシンに慣れてきて昨シーズン後半になって結果を残すことができるようになったアプリリア・レーシングのM.ビニャーレスで,彼がこの日の最多周回数をマークしていました。総合3番手タイムは,今シーズンからドゥカティのワークスであるドゥカティ・レノボ・チームでフル参戦することになったE.バスティアニーニでした。以前は日本製のマシンでないと勝てないという状況がずっと続いていましたが,特に昨シーズンは逆に日本製マシンでは優勝できないという状態にMotoGPクラスはなっていました。この初日はその事が継続しているかのような錯覚に陥るほどの結果となり,トップ9まで全てドゥカティとアプリリアのイタリアメーカーが独占しました。日本製のマシンでのトップは,総合9番手タイムだったモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.モルビデリでした。ホンダ勢では,今季怪我からの完全復活にかけるレプソル・ホンダ・チームのM.マルケスの12番手が最高位でした。オーストリアメーカーであるKTM勢では,昨シーズンまでドゥカティのワークスライダーで,今季KTMのワークスライダーに復帰したレッドブルKTMファクトリー・レーシングのJ.ミラーの16番手が最高位でした。今季も唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶は,トップから2秒以上遅れた総合22番手タイムで初日を終えています。ヤマハのテストライダーとして今回も参加している中須賀克行は,中上に次ぐ23番手でした。なお,今回はあくまでも開幕までのテスト期間ですので,各メーカーとも色々な仕様のマシンを投入してテスト項目をこなしていますので,マークしたタイムが今季の状況を示すものではありません。蛇足ではありますが,その事を念頭に置いてのニュースであることも確認しておきたいと思います。
2023/02/10(金)
◎国内復帰(JRR)
○元GPライダーで,長い間ホンダのワークスライダーを務めていた伊藤真一が監督を務めるホンダ系有力チームの1つであるAstemo Honda Dream SI Racingは,12月に今シーズンの体制を発表していました。ただし,その段階ではJSB1000クラスの一部とST600クラスのライダーが未定となっていました。その点に関して,2月7日(火)に正式発表がありました。まず最高峰のJSB1000クラスですが,1人は作本輝介の続投は決まっていました。そのチームメイトに誰がなるのか発表があり,昨年まで2年間にわたってイギリスで行われている英国スーパーバイク選手権(BSB)にフル参戦していた水野涼が同チームに所属してJRRに復帰することになりました。イギリスで慣れないサーキットや環境に苦戦した水野でしたが,そこで得た経験を活かして3年ぶりに国内での戦いに臨むことになります。1台体制で臨むST600クラスは,新たにタイ人ライダーであるB.ワンムーンを起用することになり,彼にとっては初の600ccマシンとなります。なお,既に発表されていましたが,ST1000クラスは,一昨年,昨年と同クラスで連覇を果たしている渡辺一馬が,3連覇を目指してフル参戦します。ところで,今回水野の去就が発表されましたが,水野と共にBSBにフル参戦し,昨年は見事鈴鹿8耐を制した高橋巧の去就についてはいまだに発表がありません。昨シーズンをもってBSBから撤退していますので,果たしてどのシートに座ることになるのか気になるところです。
2023/02/09(木)
◎体制維持(MotoGP&JRR)
○昨日,ヤマハ発動機が今シーズンのモータースポーツ活動の体制について発表を行いました。この発表では,国内外における各種2輪のレースに関する発表を行っていますが,当サイトでは,ロードレースに関する点についてのみお伝えします。まず海外のレースについてですが,MotoGPに関しては,既報通りモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPからF.クアルタラロ&F.モルビデリの2人が昨シーズンに続いてフル参戦します。一昨年チャンピオンを獲得したクアルタラロですが,昨シーズンはランク2位に終わっていますので,タイトル奪還を目指すことになります。SBKについては,こちらも昨シーズンと同じくPata Yamaha Prometeon WorldSBK Official TeamからT.ラズガットリオグルとA.ロカテッリがフル参戦します。クアルタラロと同じく一昨年トルコ人ライダーとしては初となるタイトルを獲得したラズガットリオグルですが,昨年はランク2位に終わってタイトル奪還を目指すことになります。昨年との違いは,昨シーズンまで2年間にわたってSBKにおけるヤマハのサテライトであるGYTR GRT Yamaha WorldSBK Teamからフル参戦した野左根航汰についてです。ヤマハが若手育成を目的としてMoto2クラスにおいてYamaha VR46 Master Camp Teamを立ち上げてフル参戦していますが,今季はそのチームに野左根が加わることになりました。チームメイトは,昨シーズンからの継続となるM.ゴンザレスです。野左根が抜けるSBKのGYTR GRT Yamaha WorldSBK Teamについては,昨シーズンから総入替えとなり,SBKと併催であるWSSにおいて昨年2年連続してタイトルを獲得したD.エガーターと,MotoGPから戦いの場をSBKに移したR.ガードナーの2人となります。
国内では,昨年までと同じくJSB1000クラスに,このクラス唯一のワークスチームであるYAMAHA FACTORY RACING TEAMが継続参戦となり,ライダーについても昨シーズンと同じく中須賀克行と岡本裕生の2人となります。中須賀については,前人未踏の11度目のタイトルを,これまた前人未踏の2年連続全勝優勝で飾っています。ワークス初年度となった岡本は,怪我で欠場があったものの,最終的にランク3位でシーズンを終えています。果たして中須賀の連勝はどこまで続くのか,そして怪我が完全に癒えている岡本がどこまで中須賀に食い込むことができるのか,他メーカーのライダーを含め注目となります。
2023/02/08(水)
◎最終日に(MotoGP)
○各メーカーのテストライダーとルーキーのみが参加できる今季初のシェイクダウンテスト最終日の走行が,路面温度50度を超える厳しい暑さのセパン・インターナショナル・サーキットで行われました。初日はドライコンディションだったものの,2日目は雨に見舞われて多くの時間がウェットでの走行となりましたが,最終日は路面が徐々に乾いていってドライでの走行となりました。2日間共にヤマハのテストライダーを務めるC.クラッチローがトップタイムをマークしましたが,最終日にはドゥカティのテストライダーであるM.ピロが,トップタイムと2番手タイムをマークしました。ピロの先行は許したものの,クラッチローは3番手タイムをマークし,今回のテストは3日間共速さを見せた結果となっています。ちなみに,JRRのJSB1000クラスで2年連続全勝優勝を決めているヤマハのテストライダーである中須賀克行は,当初の予定通り最終日にテスト走行を行っています。唯一のルーキーライダーであるテック3・ガスガス・ファクトリー・レーシングのA.フェルナンデスは,4番手タイムで今回のテストを終えています。テストライダー中心のテストは終わり,今週末からはいよいよレギュラーライダーが今季初のオフィシャルテストに臨みます。ディフェンディングチャンピオンであるドゥカティ・レノボ・チームのF.バグナイアがどのような走りを見せるのか,王者奪還を目指すモンスター・エナジー・ヤマハMotoGPのF.クアルタラロをはじめ,復活を期すレプソル・ホンダ・チームのM.マルケス,今季背水の陣で臨む唯一のフル参戦日本人ライダーであるLCRホンダ・イデミツの中上貴晶等がどこまでマシン開発を進めることができるのか,注目の3日間になることは間違いありません。
2023/02/07(火)
◎シェイクダウン(MotoGP)
○2月10日(金)から今季初となるオフィシャルテストがマレーシアGPの会場であるセパン・インターナショナル・サーキットで始まりますが,それを前にして2月5日(日)から3日間にわたり,同じセパンにおいてシェイクダウンテストが始まりました。今回のテストには,各メーカーのテストライダーとコンセッション対象となるメーカーのライダー,そしてルーキーライダーが参加できるようになっています。ただ,昨シーズンはアプリリアがコンセッションの対象となっていましたが,ランキング争いにおいてメーカータイトルで3位,ライダータイトルで4位に入ったため,今季はコンセッションの対象となるメーカーはなくなっています。また,ルーキーライダーは,昨年のMoto2クラスチャンピオンで,今季テック3GASGASファクトリー・レーシングに所属してフル参戦するA.フェルナンデス1人だけになっています。日本人ライダーとしては,ヤマハのテストライダーで,2年連続全戦優勝でJSB1000クラスチャンピオンの中須賀克行と今季からMoto2クラスにフル参戦する野左根航汰の2人が参加します。
5日に行われたシェイクダウンテスト初日にトップタイムをマークしたのは,今季もヤマハのテストライダーを務めているC.クラッチローでした。パワーアップが大きな課題となっているヤマハですが,昨年に比べるとトップスピードは向上していたようです。サテライトチームであったRNFがヤマハと袂を分かったため,今季はワークスのみの参戦となっているヤマハだけに,今回のテストは他メーカー以上に貴重なデータ収集の場になっているのではないでしょうか。総合2番手タイムをマークしたのはルーキーのフェルナンデスで,クラッチローとの差はコンマ185秒でした。GASGASは今季からMotoGPクラスにフル参戦を開始していますが,そのマシンはKTMのマシンのブランド名違いというだけです。そのKTMですが,テスト開始前に新たな発表があり,元MotoGPライダーであるJ.フォルガーがD.ペドロサ,M.カリオに続く3人目のテストライダーとして加わっています。総合3番手タイム(タイミングボード上は4番手)は,今季もホンダのテストライダーを務めているS.ブラドルがマークしています。昨シーズンメーカータイトル争いで最下位に沈んだホンダだけに,今回のテスト,そしてオフィシャルテストでどこまで進化を遂げているのか確認できるものになりそうです。
なお,昨日は2日目の走行となりましたが,最後ようやく路面が乾く状況となりましたが,ほぼウェットコンディションでの走行となってしまったため,どのメーカーもテスト項目に変更があったようです。もちろんタイム的に初日より遅くなっていますが,この日もクラッチローがトップタイムとなっています。2番手がドゥカティのテストライダーであるM.ピロ,3番手がフェルナンデスという順で2日目を終えています。
2023/02/06(月)
◎現在6&供給先は?(F1)
○現行のPUに関するレギュレーションは再来年まで続き,2026年からは新たなレギュレーションが導入されることになっています。その新たなレギュレーションとはカーボンニュートラルを主体としたもので,具体的な部分としては,これまでの化石燃料ではなく,自然由来の材料を元に製造されるカーボンニュートラル燃料がのみが使用されることになります。また,動力源としては,内燃機関エンジンのパワーに頼ることから脱却して電動化をさらに高め,パワーユニットで扱う電力量が,これまでより50%増加する予定になっています。そうしたカーボンニュートラルという側面だけでなく,コストについてもこれまで以上に削減されることにもなっています。ヨーロッパを中心に電動化をさらに推し進められようとしていますが,こうしたことはもちろん価値はあるものの,現実的にはかなりハードルが高いのも事実です。電動化には当然充電のためのインフラが必要となりますが,もし全部の車が電気自動車になった場合,1台の車の充電に時間がかかりますから,かなりの充電場所が街中にないとまかなうことは不可能で,それが世界中となると現実的には現状夢物語でしかありません。発電する際にも二酸化炭素は発生しますし,バッテリー製造にはレアメタル等の資源が大量に必要となります。こうしたことから,100%電動化というのはかなり厳しく,2026年以降F1が導入していこうとすることは現実に即した部分が大きいものとなります。今回フォードが同年からの参戦を表明しましたが,これは自動車メーカー内でF1に対する価値観が向上していることの表れと考えられます。そのような中,2月3日(金)にFIAから発表があり,新たなレギュレーションが用いられる2026年から2030年までに6社が製造者登録を行ったということです。この6社の内4社は現在も参戦しているメーカーで,フェラーリをはじめ,メルセデスAMG,アルピーヌ(ルノー),そして一旦は完全撤退を発表したものの,参戦を継続することになったホンダ(HRC)です。この4社に,2026年から参戦することになるアウディと今回発表のレッドブル・フォードを加えた計6社となります。その中で,5メーカーは供給先となるチームが既に決まっていて,唯一決まっていないのがホンダです。一時はアルファタウリに供給するのではないかという噂がありましたが,現実的には厳しく,実際今回の発表でレッドブル・フォードが供給することが発表されています。こうした宙に浮いたちぐはぐな状態になってしまったのは,やはり2021年限りで撤退するということを表明したことが大きかったのではないでしょうか。「カーボンニュートラルを目指す」という目標を達成するために撤退するとしたわけですが,だったら『動く実験室』であるF1への参戦を継続するべきで,実際完全撤退を棚上げしました。こうした事態を招いた責任は,レースに実際関わっている頑張っている人たちではなく,レース現場とは全く違うところで経営の実権を握っている経営陣にあると断罪せざるを得ません。創業者である本田宗一郎以来のレーシングスピリッツがどんどん忘れ去られていった結果が,今回のことに繋がっています。ぜひホンダには原点に立ち返って経営を行っていってほしいものです。
2023/02/05(日)
◎ヨーロッパでは最後の(SBK)
○今月末に開幕を迎えるSBKですが,1月31日(火)と2月1日(水)の2日間にわたって,今季2回目となるプレシーズンテストが,ポルトガルにあるアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われました。2日間総合でトップタイムをマークしたのは,前回のテストでは総合3番手タイムだった今季ディフェンディングチャンピオンとなるAruba.it Racing-DucatiのA.バウティスタでした。総合2番手タイムは,2年ぶりのタイトル奪還を目指すKawasaki Racing Team WorldSBKのJ.レイで,バウティスタとの差はわずか1000分の9秒という僅差でした。前回のテストでも総合2番手タイムだったレイですが,その時のトップタイムだったPata Yamaha with Brixx WorldSBKのT.ラズガットリオグルとは1000分の83秒差でしたから,レイが駆るカワサキZX-10RRの好調さがうかがわれます。総合3番手だったのは,バウティスタのチームメイトで,初日のトップタイムだったM.ルーベン.リナルディした。前回トップだったラズガットリオグルは,トップからおよそコンマ4秒遅れの総合4番手タイムでした。昨シーズンMotoGPクラスにフル参戦したものの,1年限りでシートを喪失した一昨年のMoto2クラスチャンピオンであるR.ガードナーは,戦いの場をSBKに移し,今季GYTR GRT Yamaha WorldSBK Teamに所属してフル参戦することになっていますが,今回のテストでは,ルーキー勢としてトップとなる総合7番手タイムでテストを終えています。なお,前回のテストには参加していなかったホンダのサテライトとなるMIEは,タイムは奮わなかったものの今回は参加することができています。今回のテストによってヨーロッパ内で行われるプレシーズンテストは終了し,次回のテストは,開幕直前の2月21日(火)から2日間にわたって開幕戦の地であるオーストラリアで行われる予定になっています。
2023/02/04(土)
◎復帰&提携(F1)
○昨日2026年に関して大きな発表が2つありました。2025年までパワーユニット(PU)等に関するレギュレーションは現行のものが継続していくF1ですが,2026年から新しいレギュレーションに基づいたPUが用いられるようになります。その2026年からどのようなメーカーがPU供給するのか注目となっていますが,現行のメーカーはホンダを含めて参戦を継続するようです。そして,その中に新たな自動車メーカーが加わることになりました。それが,かつて『DFV』というF1で中心的なエンジンを供給してきた歴史を持つアメリカの自動車メーカーであるフォードです。これまでF1におけるフォードは,コンストラクターズタイトルで10回,ドライバーズタイトルで13回チャンピオンに輝いています。そうしたメーカーが新たに加わるわけですから,2026年以降のF1は,まさに群雄割拠の状態になりそうです。
そのフォードの発表があって,今度は昨年ドライバータイトルに加え,コンストラクタータイトルをも獲得したレッドブル・レーシングが,アメリカのニューヨークで今季型マシン『RB19』の発表を行いました。今回の発表では,それよりもさらに大きなことが公表されました。現在はホンダからPUの供給を受けているレッドブルですが,2026年からレッドブル・パワートレインズが開発するPUを使用することになっていました。そのレッドブル・パワートレインズと今回F1復帰が発表されたフォードとが提携を開始し,2026年から『レッドブル・フォード・パワートレインズ』としてPUを使用することになったのです。同PUが供給されるのは,レッドブル・レーシングはもちろん,兄弟チームであるスクーデリア・アルファタウリもその供給先となります。一時は2026年以降もホンダとの提携が継続していくのではないかという予測もあったのですが,つい最近からフォードの名前が出始め,ついに今回の発表に至っています。2026年以降のレッドブルは,レッドブル・パワートレインズが新たに開発するPUを使用することが決まっていましたから,同年以降も独自開発を進めようとしているホンダとの協業がどうなるのか疑問視されていたのも確かです。そのような中,今回の発表によると,復帰を果たそうとしているフォードは,バッテリーセルや電気モーター技術をはじめ,PUを制御するソフトウェア,分析などの分野に特化してレッドブルに技術を供給するという形を採ることにより,今回の決定に至っています。レッドブルとの提携が2025年をもって解消されることが決まったホンダですが,2026年以降どのような形でF1参戦を継続するのか,我々日本人レースファンとしてはとても気になる今回の発表となりました。
2023/02/03(金)
◎3メーカー目(JRR)
○昨シーズンをもって5年間所属した桜井ホンダを離れ,今季の去就がどうなるのか注目されていたのが濱原颯道です。その彼の去就が2月に入って明らかとなりました。彼が今季所属することになったのは,京都に本拠を置くカワサキ系のチームであるFineTechnicalRacingです。参戦するクラスは,これまでのJSB1000クラスではなく,それより改造範囲の狭いST1000クラスで,もちろん駆るのはカワサキZX-10RRとなります。JSB1000クラス参戦初年度となる2017年にいきなりヨシムラからの参戦となった彼ですが,その翌年に昨年まで所属した桜井ホンダへ移籍。スズキ,ホンダとマシンを駆ってきたわけですが,クラスこそ違うものの,今季はカワサキ陣営に移籍しましたので,メーカーとして3メーカー目となります。彼のコメントによると,どうやらカワサキへの移籍は彼の希望だったようで,関係者の協力により今回の移籍となったとのことです。チームメイトは,昨シーズンもこのチームからST1000クラスにフル参戦し,ランク17位でシーズンを終了した松本隆征となります。チームとしても昨シーズンから参戦を開始した新しいチームではありますが,監督が塚本昭一,顧問が清原明彦と,古くからJRRに興味のあった方にはお分かりのように,まさにカワサキを代表するレジェンドライダーの2人がチームの指揮を執っていることになります。初めてカワサキのマシンを駆る濱原にとっては,心強い味方となるのではないでしょうか。
2023/02/02(木)
◎先陣を切って(F1)
○今季それぞれのマシンがどのような変化を遂げるのか気になる時期となってきていますが,その先陣を切って1月31日(火)にハースF1チームが,今季のカラーリングをSNSを通して発表しました。ただし,今回公開されたのはカラーリングのみで,今季型マシンである『VF-23』の公開はシェイクダウンテストで行うことになります。アメリカの工作機械メーカーである『ハース・オートメーション』が新たに立ち上げた同チームは,2016年シーズンから新規参入チームとして参戦を開始しました。2021年シーズンには,ロシアの肥料メーカーである『ウラルカリ』がタイトルスポンサーに就き,カラーリングが大幅に変更となりました。その年にドライバーを務めたのが,かつてF1で皇帝と呼ばれたミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハと,ウラルカリの創始者の息子であるN.マゼピンでした。この年のマシンであるVF-21は,2022年型マシン開発に注力するためシーズン中のマシン開発を行わず,1ポイントを獲得できないままチームタイトル最下位となる10位でシーズンを終えました。そこまでして開発した22年型マシンであるVF-22は,開幕戦でいきなり5位入賞を果たしました。ただし,その時のドライバーは,シューマッハでも,マゼピンでもなく,K.マグヌッセンだったのです。なぜなら,ロシアによるウクライナ侵略がはじまり,この影響でシーズン開幕前にタイトルスポンサーであるウラルカリと,ロシア人ドライバーであるマゼピンとの契約が解除。そのマゼピンに替わって開幕直前にマグヌッセンが起用されることになり,ベテランドライバーの彼が見事入賞を果たしたのです。その後イギリスGPやオーストリアGPでは,シューマッハとマグヌッセンのダブル入賞があったりして,最終的にチームタイトル7位でシーズンを終えました。
今シーズンのハースF1は,マグヌッセンは残留したものの,シューマッハはシートを失い,替わってこちらもベテランドライバーのN.ヒュルケンベルグを獲得しました。タイトルスポンサーには,アメリカに本社を置く国際送金関連企業の『マネーグラム』社が就き,これに伴ってチーム名は『マネーグラム・ハースF1チーム』となっています。今回公開されたカラーリングですが,黒を中心にして赤と白でカラーリングされたものになっています。リアウィングにはこれまで通りハース社のロゴが大きく飾られていますが,エンジンカバーやフロントウィング部分には,新たなスポンサーであるマネーグラムのロゴが飾られています。一昨年はルーキードライバー2人がステアリングを握った同チームですが,今季はベテランドライバー2人へと大きく変化を遂げています。果たして今季型マシンと2人のドライバーがどのような走りを展開するのか注目となります。
2022/02/01(水)
◎昨シーズン限りで(SGT)
○昨シーズンSGTにおけるニッサン陣営の1つであるNDDP RACINGのタイトルスポンサーを務めていたのが,群馬県の前橋市にある『クラフトスポーツ』です。そのため,同チームのマシンのエントリー名は『CRAFTSPORTS MOTUL Z』となっていました。1月29日(日)にそのクラフトスポーツが自社のYouTubeにおいて,昨シーズン限りでNDDPへのスポンサー活動を終了することを発表しました。GT-Rの専門店である同社は,2014年にニッサン陣営へのスポンサー活動を開始して以来,GT500クラスにフル参戦していたMOTUL AUTECH GT-Rをはじめ,GT300クラスにフル参戦していたS Road CRAFTSPORTS GT-Rへのスポンサー活動を展開していました。そして,NDDPがGT500クラスに復帰した2018年からCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rとしてフル参戦していき,上記したように昨シーズンはCRAFTSPORTS MOTUL Zとしてフル参戦していました。しかし,その昨シーズンからニッサンがそれまでのGT-Rによる参戦をとりやめ,フルモデルチェンジを果たしたニッサンZを投入しました。GT-R専門店ですので,Zへのチェンジは同社としてどうなのか疑問が残るものとなっていましたが,それでも昨シーズンはスポンサー活動を継続していたわけで,今回の発表により,Zへのスポンサー活動は昨シーズン限りで終了ということになりました。残念なことではありますが,ある意味当然の結果なのかもしれませんね。
 

トップ > 2月の最新ニュース