トップ2002年トップ>9月の最新ニュース

最新ニュース

ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

2002・9・30
○完勝(F1)
・アメリカンレースの殿堂,インディアナポリスモータースピードウェイで第16戦の決勝が行われました。予選1,2位のフェラーリが,そのままの順位でオープニングラップを制し,後はいつものようにランデブー走行。チェッカー目前で,トップを走っていたM.シューマッハがややスロットルを緩め,僚友のR.バリチェロがトップでチェッカー。No1セカンドドライバーに徹した今年1年の感謝をこめて,トップの座を譲りました。これで,バリチェロのランキング2位が確定。今回のレースは,フェラーリのワンツーということで完勝といえるのですが,ドライバーズランキングがワンツー,そしてチームランキングも1位ですので,シーズン全体としてもフェラーリの完勝となりました。また,今回の勝利で年間勝利数が14となり,ホンダ黄金時代のセナ&プロストが記録した年間勝利数に並びました。次は,そのホンダのお膝元の鈴鹿でのレース。その場でホンダの記録を打ち破ることになるのでしょうか。なお,今回のレースで全車が2ストップ作戦を敢行したホンダ勢は,全車完走。そしてBARのJ.ビルヌーブが6位に入ってポイント獲得となりました。次の鈴鹿に向けて,こちらもいい流れができたといえるでしょう。

○チャンピオン決定(SBK)
・最終戦までもつれ込んだスーパーバイク世界選手権のチャンピオン争いですが,イタリアのイモラサーキットで行われた最終戦で,ホンダのエースC.エドワーズが,チャンピオンを争っているドゥカティのT.ベイリスと2ヒートとも白熱したトップ争いを展開。そして,どちらもエドワーズが勝利してチャンピオンを奪還しました。この2勝利で9連勝となり,チャンピオンの栄冠とともにSBKの連勝記録を塗り替えました。そうしたエドワーズですが,大方の予想では,タイトルの栄冠をホンダに残し,来年はそのチャンピオン争いをしたドゥカティに移籍するものと思われています。
また,併催で行われているスーパースポーツクラスですが,こちらも最終戦までチャンピオン争いがもつれていました。ランキング2位で最終戦にやってきたスズキの藤原克昭が,見事今季3勝目をゲット。しかし,ランキングトップのホンダのF.フォレが5位に入り,チャンピオンを獲得しました。藤原は,わずか3ポイント足らず,ランキング2位のままとなってしまいました。しかし,今季の藤原の活躍には,拍手を送りたいと思います。

○ワイルドカード確定(WGP)
・10月6日にツインリンクもてぎで開催されるパシフィックGPのワイルドカードライダーが確定しました。当初,昨年のスーパーバイクチャンピオン玉田誠が,4年ぶりで250ccに出場という話が浮上していましたが,結局その話はなくなり,彼に代わって若手の成長株である高橋裕紀が,チームHRCから出場することになりました。普段はダイドーミューレーシングというホンダ系のプライベートチームからR2−1に参戦していますが,今回はワークスであるHRCからの出場ということで,いかにホンダの期待が大きいかがわかります。なお,ワールドカードライダーは以下のようになっています。
MotoGPクラス(吉川和多留,柳川明)
250ccクラス(嘉陽哲久,大崎誠之,横江竜司,中須賀克行,高橋裕紀,青山博一)
125ccクラス(葛原稔永,青山周平,生形秀之,小室旭,安田毅史)

2002・9・29
○フェラーリ強し(F1)
・アメリカGPの予選が,インディー500で有名なインディアナポリスモータースピードウェイで行われました。ポールポジションは,今季5回目となるフェラーリのM.シューマッハが獲得。4回行われたフリー走行から予選までのすべてのセッションでシューマッハがトップタイムをたたき出していますから,今のところアメリカでも敵なしの状態です。2位には,ここでランキング2位の座を決めたい同じくフェラーリのR.バリチェロが入り,フェラーリのワンツーとなりました。今回のバリチェロはおまけがついていて,アメリカンフォーミュラの聖地であるインディアナポリスで最初の「ウォールキッス」,つまりオーバルコースの壁に激突するという洗礼を受けた最初のドライバーになっています。予選1位〜6位までは,例のごとくフェラーリ,マクラーレン,ウィリアムズの3強が占めていますが,それに次ぐ7位には,BARのJ.ビルヌーブが入っています。元CARTチャンピオンの本領発揮といったところでしょうが,ホンダとしても次が鈴鹿だけに,それに向けて少しでもいいマシン作りを目指しているでしょうから,その成果が表れたのかもしれません。

○エンジン獲得(F1)
・来季ホンダエンジンを失うことが既に発表されているジョーダンが,正式に3年間のフォードエンジン獲得を発表しました。これで来季からのフォードは,ジャガーとジョーダンの2チームにエンジンを供給することが決まりました。ただし,ジャガーについてはもちろん新型供給ですが,ジョーダンへは,1年落ちのエンジンの供給となります。それほどずば抜けた性能を発揮しているエンジンではないのに,さらに型落ちを使うことになるわけですから苦戦することが予想されます。

2002・9・28
○チャンピオンは誰の手に(SBK)
・ワールドスーパーバイク(SBK)の最終戦が,イタリアのイモラサーキットで開幕しました。スーパーバイククラスは,前半戦ではドゥカティのT.ベイリスが勝利を重ねたものの,後半戦になるとホンダのC.エドワーズが破竹の7連勝を達成。エドワーズについては,前半戦の勝利できないレースでもこつこつポイントを重ねていました。その結果,今回の最終戦を迎えた時には,エドワーズがわずか1ポイント差でランキングトップに浮上。今回のレースで勝った方がチャンピオンという,何とも分かりやすい状態で最終ラウンドを迎えた訳です。果たしてこのガチンコレースを制するのはどちらなのでしょう。なお予選第1日目は,エドワーズがトップタイムをマークしています。
もう一つの注目は,併催のスーパースポーツクラスです。ここまでのランキングトップは,ホンダのF.フォレ。それを追うのが,スズキの藤原克昭。その両者が,チャンピオンの可能性を残して最終戦を迎えました。二人のポイント差は17ポイントですので,藤原としてはかなり厳しい状態であることは間違いありません。しかし,マシン差があまりなく,毎回激しいバトルが展開されているだけに,転倒ノーポイントということが他のクラスと比べて起こりうるクラスです。我々日本人としては,藤原のチャンピオン獲得を願いたいですね。

2002・9・27
○新登場(WGP)
・ついにカワサキのMotoGP用のマシンNinja ZX−RR(下の写真)が公表されました。今季R2−1のプロトタイプクラスに参戦していますが,あくまでも暫定的なものでした。予定より開発にやや遅れがあったようですが,ここにきてようやく写真の公表までこぎつけました。このマシンのエンジンは,ヤマハと同じ並列4気筒です。このタイプのエンジンは,これまでSBKで実績をあげていますので最初からかなりのレベルまで仕上げられている可能性が高いだろうと思います。スタイリングについては,通常流線型が用いられる場合が多いのですが,直線を基調とした独特なものになっています。他のメーカーとは違う独自性を出しているところが,いかにも「男カワサキ」といった感じです。次のもてぎでのWGPにおいて,いよいよこのマシンが柳川の手により疾走します。どんな走りをみせるのかとても楽しみですね。

Ninja ZX-RR 右 Ninja ZX-RR 左 Ninja ZX-RR 前 Ninja ZX-RR 後ろ
カワサキ MotoGPマシン Ninja ZX−RR


○シトロエンへ(WRC)
・シトロエンスポールから,元WRCチャンピオンC.マクレー獲得の発表がありました。マクレーは,今季フォードに在籍していますが,かねてから移籍の噂が出ていました。噂の中には,自身がチャンピオンを獲得した時に在籍していたスバルに再度復帰するのではないかというものもありましたが,結局は新天地への移籍という事で決着しました。同じフランス,しかも同じ系列のプジョーは,このところチャンピオンチームになったりして大変活躍しています。それに対してシトロエンは今一歩。果たしてWRCで25勝しているマクレーの経験を生かして,勝てるマシン,勝てるチームづくりができるでしょうか。

2002・9・26
○チームタイトル(WGP)
・昨日は,F1のコンストラクターズポイント,つまりチームタイトルについて触れましたが,今日はWGPのチームタイトルについて。V.ロッシが圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したのと同じように,チームタイトルについても現在レプソルホンダが426ポイントを獲得してチャンピオンに王手をかけています。ちなみに,2位のマールボロヤマハが280ポイント,3位のウェストホンダポンスが210ポイントです。つまり,次戦のもてぎでレプソルホンダが35ポイント以上獲得すれば,3戦を残してチャンピオン決定ということになります。このポイントは,今シーズンの彼らにとってはそれほど困難なものではありません。それだけに,次戦でのチャンピオン獲得の可能性は高いと思います。4輪の最高峰F1で早々に個人及びチームのタイトル獲得が決まりましたが,それには及ばないものの2輪のほうも比較的早い段階で両タイトルが決定する訳ですから,今シーズンがいかに一人勝ち的な状態だったかがあらためてよく分かりますね。

○タバコマネー(CART)
・レースとタバコとは切っても切り離せないものです。つまりスポンサーとして多くのタバコメーカーがついていましたから,これまで多くのマシンのカラーリングにタバコのロゴが入っていました。しかし,世界的なタバコ広告禁止の流れから,この先徐々にロゴがマシンから消えていくことは間違いないでしょう。そうした中,レースファンには見慣れた一つのロゴが消えることが発表されました。それは,CARTで長年チームグリーンをサポートしていたB&Wがスポンサーを降りることになったというものです。B&Wというよりは,KOOLブランドと言った方が馴染みがあるかもしれません。チームグリーンのカラーリングが,KOOLのグリーン色になっているという非常に分かりやすいコンセプトでしたから,一層馴染みやすかったのだと思います。チームグリーンについては,M.アンドレッティが代表に就任,CARTからIRLへの転進,そして今回のスポンサーの変更というように,大きくチーム態勢の変化が出てきました。さて,心機一転,来年はどんな活躍を見せてくれるでしょう。ついでに,メインスポンサーはどこになるのでしょう?

2002・9・25
○コンストラクターズポイント(F1)
・今季ドライバーズポイント及びコンストラクターズポイントのどちらも,すでにフェラーリが手中におさめています。また,どちらのポイントも,ウィリアムズとマクラーレンが上位をおさめています。現段階では,この3チームに他を圧倒した力がありますので,こういう結果になるのは致し方のないこと。その3チームを別格として考えると,それ以降の順位については激しい争いがあります。たとえば,コンストラクターズで見ると,4位のルノーが20ポイント,5位のザウバーが11ポイント,6位のジャガーが8ポイント,7位のジョーダンが7ポイント,8位のBARが6ポイントと,かなり接近した状態となっています。それだけに,3強の次に来るチームがどこになるのか。これが今後注目の的の一つになってきます。6位以下のチームについては,ポイント的にも,チームの状態から考えても,苦しいことは間違いありません。ポイント的に見るとルノーがその座に一番近い位置にいますが,ザウバーとてこのまま引き下がるわけにはいきません。そこで今回飛び出した秘策が,来年ザウバーに戻ることが既に決まっているH.H.フレンツェンをF.マッサの代わりに起用すること。先日お伝えしたように,マッサはペナルティーにより,次戦アメリカGPの予選順位が10位降格。となるとポイント獲得はほぼ絶望状態。そこで,マッサを引っ込めて,ペナルティーの対象とならない人物を走らせることでポイント獲得の可能性を高めようとするのが今回の狙いのようです。果たして,今回のザウバーの賭けは吉と出るでしょうか,凶と出るでしょうか。

2002・9・24
○関係強化(F1)
・F1の世界では,自動車メーカーが直接チームを運営する流れが年々強くなっています。最近では,トヨタがフェラーリのようにメーカー自体として出場を開始しましたし,ホンダがBARを,そしてルノーがベネトンを買収する形で運営を行っています。ダイムラークライスラー(ベンツと言った方が馴染みがありますね)については,表面上はメーカーが直接という形ではありませんが,かなり強い影響力をもってチームの運営に参画しています。その影響力というのは株式の保有です。まず,チームであるマクラーレンの株の40%保有しています。そして,先日エンジンメーカーであるイルモア株の保有率を25%から55%へと引き上げることが発表されました。イルモアは,これまで独自にエンジンメーカーとして活動していたのですが,1993年からメルセデスベンツのバッジをつけたエンジンの開発や生産を請け負うようになりました。そして,今回の保有率アップに伴い,会社の名前をメルセデスイルモアと改めて,ダイムラークライスラー傘下として活動をはじめることになったわけです。2輪のMotoGPクラスに様々なメーカーが参入するようになりましたし,冒頭でも触れたように4輪のF1もメーカーが直接運営するようになってきています。これからは,2輪,4輪共にこうした流れが当たり前になってくるんでしょうね。

2002・9・23
○チャレンジ(NASCAR)
・このHPで初めて取り上げるレースカテゴリーです。それは,アメリカンモータースポーツで最も人気のあるNASCARウィンストンカップシリーズ。どのレースも10万人を超える観客が集まるオーバルだけを使ったOHVエンジンサウンドが響くシリーズです。この人気のシリーズに日本人として初めて本格的に参戦するため,準備をすすめている人がいます。その人が,チームタイサンからGT選手権に参戦している(現在GT300クラスでランキング3位)福山英朗です。来年からの本格的参戦のため,今年の後半のレースにスポット参戦することになったのですが,その第1戦目に当たるレースが行われました。場所は1マイルオーバルコースのドーバーインターナショナルレースウェイ。福山が選んだスポット参戦する場所は,あえて難しいとされているサーキットです。新参者にとっては,チーム力もないと予選通過も難しいところがありますが,今回のレースで見事予選を通過し,決勝に駒を進めました。もちろん,本国アメリカで決勝を走るのは,日本人初になります。決勝レースは,予選最後尾からスタートして頑張ったものの,メカニカルトラブルにより243周目にリタイア。初レース初完走とはいきませんでしたが,いい経験になったのではないかと思います。次戦では無事チェッカーを受けるよう頑張ってほしいですね。

2002・9・22
○再接近(Fポン)
・MINEラウンドの決勝が行われました。ポールからスタートするとあまりゲンのよくない土屋武士が,案の定3コーナーでコースオフというアンラッキーぶり。幸いにもダメージがなく8位で復帰。その他,寿一がピットストップでエンジンストール,エンジントラブルやミッショントラブルでリタイアする選手が出るという波乱の展開。最終的には,MINEを得意とする本山哲がR.ファーマンをコンマ5秒離して優勝。この結果,ランキングトップのファーマンと2位の本山との差が,再び2ポイントという僅差になりました。残り後2戦。今日の結果でチャンピオンの可能性のあるドライバーは,本山とファーマンの2人に絞られ,ますます二人の争いが楽しみになってきました。

○連覇&初優勝(WGP)
・第12戦リオGPの決勝が行われました。MotoGPクラスは,昨年の王者V.ロッシが,チャンピオンに王手をかけて今回のレースに臨みました。ランキング2位の宇川徹と11ポイント差がついた順位でチェッカーを受ければチャンピオン決定となります。雨が降るあいにくのコンディションでレースがスタート。ウェットではからっきしだめな加藤大治郎が,やはり(?)スタート直後に転倒リタイア。雨を得意とする宇川は,予選9番手から5番手に浮上したところで何と2周目に痛恨の転倒リタイア。この転倒により5位以内にロッシが入ればチャンピオン決定ということになりました。果たしてロッシは,5位どころか,今季10勝目を獲得。その結果,昨年に続く連覇を達成しました。
125ccでは,18番グリッドからスタートした東雅雄が,得意の半乾きの路面コンディションの中,驚異の追い上げをみせて今季初優勝を達成しました!!125ccクラスを若手の登竜門という位置付けに変えられてきてしまっている現在,ベテランの東にとって,来年の参加権を得るためには,ランキング10位内に入ることが至上命題。今季エンジンの不調により不振にあえぐ東ですが,今回の優勝でランキング8位に浮上。次はもてぎでのレースとなるだけに,この勢いでランキング10位以内を確実なものとしていってもらいたいものです。

2002・9・21
○3戦連続(Fポン)
・倒産の危機に揺れるMINEサーキットで,無事第8戦の予選が行われました。ポールポジションはLe Mansの土屋武士が,コースレコードをたたき出す驚異の速さで獲得。これで3戦連続ポールからスタートになります。ただし,ポールからスタートしたこれまでの2戦は,決勝でいい結果が出ていませんので,その点がやや心配なところ。チャンピオン争いをしているR.ファーマンと本山哲ですが,ファーマンが同じくコースレコードを出して2位。本山はほんの少し遅れをとる4位からスタートします。スタート位置は本山が後ろですが,MINEは彼の得意なサーキットですから,面白いバトルになることは間違いないと思います。冒頭で触れたように,倒産の危機に面しているMINEですから,たくさんの観客が集まって盛大に大会が開かれるといいですね。(私は,他の用事があって観に行けないのが残念です。ぜひ皆さんは足を運んでください!)

○新タイヤ(Fポン)
・今回のレースでは,BSのかなり柔らかめのタイヤが投入されています。ということは,グリップはかなりいいということ。今回の予選タイムの向上は,このことが影響しているものと思われます。その反面,耐久性については当然以前のものより落ちます。ということは,タイヤのライフが落ちることによるバトルが期待できるということ。タイヤ交換が義務付けられているFポンですから,これまでとは比べ物にならないくらいタイヤ交換の作戦が大きく影響することになりますので,より一層面白くなるでしょう。

○好調(WGP)
・ブラジルGPの予選が行われ,後半戦から絶好調のヤマハ勢M.ビアッジがポールを獲得しました。プラマックホンダと3年間の契約を発表したばかりで気をよくしていることも,今回のポールに影響があったのかもしれません。2番手のV.ロッシは当然として,ビックリしたのが残りのフロントローである3位と4位の顔ぶれ。3位がG.マッコイ,4位がJ.マックウィリアムズという2スト勢が入っています。ハカレパグア(ネルソンピケ)サーキットは長いストレートで構成されていますので,4スト勢が有利と見られていました。そんな中でのフロントローですから,結構気合を入れて走ったのではないかと思われます。ところで,125ccで予選3位につけたのがG.タルマクシという名のライダー。私は全く知らなかったので,プロフィールを調べてみました。ハンガリー出身の21歳。4歳の時から父親の影響でミニバイクレースに参加していたようです。他のクラスと比べると125ccはイコールコンディション的なところがありますから,伏兵が現れる可能性があるクラスだけに,これから先も若手の名前をチェックしておく必要があるかもしれません。

2002・9・20
○やはりホンダへ(WGP)
・来シーズンヤマハワークスを離れることが決まっていたM.ビアッジの去就が決まりました。かねてから予想されていたプラマックホンダとの契約が成立。マシンは当然RC211Vとなります。今シーズンは原田哲也が在籍しているチームですが,原田についての契約はまだ成立していません。原田&ビアッジとなれば,元250ccチャンピオン同士のチームとなるわけですが,どちらも強烈な個性の持ち主。とてもうまくいくとは考えられませんので,ビアッジとの契約が決まったこの段階で,原田が契約延長に同意するとは思えません。かといって様々なチームのシートが決まってきている段階でもありますので,チームを選ぶゆとりがないのも現実です。果たして原田の去就はどうなるのでしょうか。

○玉田が250ccへ(WGP)
・10月6日にツインリンクもてぎで行われるWGPのワイルドカードライダーが,かなりはっきりしてきました。MotoGPクラスの目玉は何と言ってもカワサキの参戦。ということは,ライダーは当然柳川明。もう一人はヤマハの吉川和多留で,マシンはYZR−M1。そして,何といっても驚きは250cc。このクラスに,何と昨年のR2−1スーパーバイクチャンピオン玉田誠が参戦することになりました。本当はMotoGPクラスといきたかったところなのでしょうが,ワイルドカードの枠が2名分しかなかったので断念したようです。玉田の250ccといえば,チーム高武でR2−1を走っていた頃にさかのぼらなければなりません。本当に久しぶりのクラスといえるでしょう。マシンは,現在WGPにフル参戦中の青木治親が駆っているRS250RWとなるようです。果たして久しぶりのクラスでどのような走りをみせてくれるのでしょうか。とても楽しみですね。

2002・9・19
○ホンダと共に(CART)
・久々にアメリカンフォーミュラの話題を。CARTで大変人気のあるドライバーのひとりで,元F1ドライバーでもあるM.アンドレッティが,チームクールグリーンを買収し,新たにアンドレッティグリーンレーシング(AGR)として出発することをご存知の方も多いのではないかと思います。ここ数年,チームグリーンはホンダとの提携をしてきていました。同様に,アンドレッティ自身もホンダとの関係を強めていました。今回の円満な買収劇には,ホンダの力添えもあったようです。それだけに,AGRとホンダの関係は,より強固になっていると考えていいでしょう。来年ホンダは戦いの場をCARTからIRLへ移ることになっていますが,AGRもIRLへ鞍替えするのではないかという予想がされていました。そして,今回その予想通りAGRが来年IRLへ参戦することが発表されました。もちろんエンジンはホンダ。ドライバーは,今年の3人のメンバーのうちの2人が顔をそろえました。その2人とは,チームオーナーのアンドレッティとD.フランキッティです。今年のメンバーの残りの一人,P.トレーシーはチームに加わりません。これはほぼ予想されたことでした。なぜなら,トレーシーはこれまでIRLを酷評する発言をしてきたからです。その彼が,IRLに参戦するはずがありませんもんね。人気者のトレーシーだけに,チームを移籍するのは少し寂しい感じがします。彼に代わってチームに加わるのは,モーナンレーシングに所属していたT.カナーンです。やはり彼も,ここ数年ホンダエンジンで戦ってきたドライバーですから,今回の移籍劇も十分うなづけること。さて,来年新たなフィールドに参戦して,いきなり活躍できるでしょうか。一つ楽しみが増えましたね。

2002・9・18
○初適応(F1)
・今年から新たに,衝突の原因をつくったドライバーに対して次戦の予選結果の10位降格というペナルティーを科すというレギュレーションができていました。恥ずかしながら,私はすっかりその存在を忘れていました。そして,前回のレースでそのルールの初の適応者が出ました。その人は,ザウバーのF.マッサ。ジャガーのP.デラロサとバトルを繰り広げている中で,彼の目前を突然横切ったそうです。F1中継では,デラロサのマシンが既に壊れているシーンと,その翌周にマッサがリタイアするシーンしか映し出されていませんでしたから,実際どうなったのかはテレビを観る限りは分かりませんが,ともかく危険な行為だったのでしょう。二人の言い分から分かることは,バトルをしている中で,デラロサがシケインをショートカットし,ペナルティーを恐れたデラロサが道を譲ろうとした際に接触したようです。双方に言い分があるようで明らかなことは分かりませんが,はっきりしているのは,結果としてマッサが不名誉な記録に名を連ねたことです。

2002・9・17
○ドゥカティの体制が判明(WGP)
・来年からMotoGPに参戦するドゥカティの体制が判明しました。ライダーのラインナップは,最近の噂どおりホンダポンスで3年間過ごしたL.カピロッシがナンバーワンライダーとなり,その相棒がSBKでチャンピオン争いをしているT.ベイリスです。ライダーの契約年数は両者とも2年。メインスポンサーは,ヤマハと袂を分かったマールボロで,こちらは4年契約。フィアット系のメーカー(F1のフェラーリもその一員ですよね)らしく,オイル及びガソリンはシェル。F1でフェラーリと組んでいるメーカーですから,高回転はお手の物といったところでしょうか。MotoGPに従事する人数は,全従業員の1割と言うんですから,いかにこのプロジェクトに力が入っているのかがわかります。今回の決定で,ホンダ,ヤマハ,スズキの日本メーカーにとって強力なライバルが出現したことがより一層はっきりしたと言えるでしょう。

○3極(WGP)
・HRCから新たな契約の発表がありました。それは,アメリカAMAのスーパーバイクチャンピオンN.ヘイデンと来年の契約を結び,MotoGPクラスに参戦することが正式に決まったということです。ただ,HRCとの契約だけで,どのチームに所属するのかは発表がありません。「HRC契約であれば当然ワークス」というのが普通ですが,加藤大治郎は,HRC契約でもチームはグレシーニ。ですから,一概にワークス(つまりホンダの場合はレプソルホンダ)とは限りません。では,どのチームに所属するのでしょう。可能性としては,加藤のチームメイトとしてグレシーニから,カピロッシが抜けた後のポンスチームから,レプソルの3台目(嫌な可能性としては,レプソルは2台で,宇川が別チームに弾き飛ばされるということもなくはない)から,以上のことが考えられます。チームははっきりしないものの,アメリカ人ライダーを獲得したということは,ホンダのマーケティング戦略の巧みさを感じさせます。ヘイデン&バロスの南北アメリカ,宇川&加藤の日本,そしてロッシ(&ビアッジとなるのではないかな)のヨーロッパと,ホンダのマーケティングで重要なところのライダーを獲得したことになるのです。さすがは「世界が市場のホンダ」という印象ですね。

2002・9・16
○様変わり(F1)
・正式発表ではありませんが,再来年から中東でもF1が開かれるようです。その舞台となるのはバーレーン。昨日行われたイタリアGPにおいて,バーレーンでの開催というプレスリリースが行われたようです。F1の開催地については,このHPでもたびたびお伝えしていますが,まだ他にもいくつかの国が誘致合戦を繰り広げています。中には,ロシアGPのようにほぼ確実といわれながらお流れになりそうな気配のところもあります。2輪のWGPでは,中国での開催が正式発表されていますが,おそらくF1についても開催はほぼ間違いないものと思われます。そのほか,トルコGPについてもかなり濃厚な模様。これまでは,ヨーロッパと一部の外国という開催地でしたが,これからは,ヨーロッパから他地域へのシフトするという動きが,より一層多くなるのではないでしょうか。5年後の開催地というのは,今と随分変わっているのかもしれませんね。

2002・9・15
○着々と(F1)
・第15戦の決勝が10万人を超える観客を集めた,フェラーリの地元モンツァで開かれました。優勝はR.バリチェロ,2位はM.シューマッハが入り,フェラーリのワンツーとなりました。ティフォシにとっては,こたえられない一日となったことでしょう。今日の結果は,ティフォシだけでなく,フェラーリチームにとってもこたえられないものでしょう。なぜなら,ワンツーだけでなく,ランキング2位のポイント争いをしているウィリアムズが,2台揃ってリタイアしノーポイント。残り2戦となった段階で,2位と3位とのポイント差が17となりましたので,フェラーリの完全優勝の可能性がますます色濃くなってきたからです。

○僅差(GT)
・第6戦の決勝が行われ,TAKATA童夢NSXが優勝しました。2位には,わずかコンマ5秒差で涙を飲んだRAYBRIG NSXが入り,開幕戦以来のNSXのワンツーとなりました。ポイント争いは,1位から3位までの差がわずかに6ポイント。残り2戦となり,こちらはどのチームがチャンピオンとなるのか,全く見当がつかない状況となっています。

○死守&逆転(R2−1)
・第7戦の決勝が行われました。スーパーバイククラスのランキング争いは,玉田と渡辺が1ポイント差という僅差でレースが始まりましたが,ポイントを追いかける方の玉田が転倒。渡辺はレースでは2位でしたが,1位が章典外の梁明でしたのでポイント的には1位となり,ランキングトップの座を守っただけでなく,ポイント差もあけました。玉田はノーポイントとなり,吉川に抜かれてランキング3位となりました。後残りが2戦で26ポイント差となりましたので,玉田には苦しい状態となりました。250ccでポイント争いをしているのが小山と嘉陽ですが,小山は前戦での怪我のために欠場。今日のレースで嘉陽が2位に入りましたので,小山に10ポイントの差をつけて逆転。しかし,2レースあれば逆転できなくもないポイント差ですから,ますます白熱してくるものと思われます。仲城が優勝した125ccは,ランキング1位の藤岡と2位の仲城との差が,わずかに2ポイントとなり,こちらはさらに白熱しています。

○最速タイム抹消(F1)
・マクラーレンのK.ライコネンに危険行為があったとして,最速タイム抹消の裁定が審査委員会から下りました。この結果,6位のE.アーバインが5位に,ライコネンが6位にそれぞれ予選結果が変更になりました。その危険行為というのは,アタックに入っていたジョーダンの佐藤琢磨の進路をふさぎ,クラッシュさせてしまったというもの。アタック中だった琢磨は,時速200km以上の速度でクラッシュし,タイヤバリアに突っ込んだようです。ですから,ルーキーの琢磨が,ピットに戻ったら真っ先にマクラーレンのところに向かい,ライコネンはもちろん,チームのボスR.デニスにまで抗議したのもうなづける行為でしょう。。琢磨の予選の結果は,18番グリッド。最後方グリッドがミナルディの19,20位ですから,本当に後ろの方。いくらスタートが得意とはいえ,かなり苦しい状況におかれていることに変わりはありません。

2002・9・14
○名門復活?(F1)
・超高速バトルが繰り広げられるモンツァサーキットで,第15戦の予選が行われました。ここでのテストでは,M.シューマッハがいいタイムを出していましたので,フェラーリのワンツーとなるのではないかと予想されていましたが,ウィリアムズのJ.P.モントーヤがトップタイムをたたき出し,ポールを獲得しました。今回の予選での注目は,5位に入ったジャガーのE.アーバイン。前回のレースの決勝で6位に入りましたが,今シーズンは鳴かず飛ばずといった印象でした。ところが,今回の予選でも,今季自己最高のグリッドを獲得できましたので,前回の結果がフロックでないことが証明されたといった感じです。名門が復活したということで,残りわずかではありますが,これからの活躍が期待できますね。

○帰ってきたぞ(R2−1)
・第7戦の予選が行われ,スーパーバイククラスでは,プロトタイプマシンを駆る梁明がポールを獲得しました。しばらくWGPにスポット参戦していて,久々にR2−1へ復帰した最初のレースでポールの座についたことになります。ランキング争いを繰り広げる玉田と渡辺は,それぞれ3位,4位につけ,予選でも激しい争いをしているといった感じです。

○チャンピオンの代役は元チャンピオン(R2−1)
・第6戦SUGOで怪我をし,今日予選を迎える第7戦を欠場する昨年のチャンピオンが2名います。一人は,600ccのチャンピオン武田雄一。もう一人は,S−NKクラスのチャンピオン北川圭一です。しかも,その代役は元チャンピオン&元WGPライダーです。武田の代役は,元全日本500cc&スーパーバイクチャンピオンの伊藤真一です。伊藤は,今年のWGP開幕戦鈴鹿GPでRC211Vを駆って4位に入賞しています。ですから,ライダーとしてはまだまだ十分やっていける人。それだけに活躍が期待されますし,何と言っても1ポイント差でチャンピオン争いをしている玉田誠の援護射撃(どちらもHRC契約ライダーですから)となる重要な役割も担っているのではないかと予想されます。北川の代役は,元全日本250ccチャンピオンの沼田憲保。彼は,今年の8耐に北川と組んで参戦していますので,ある程度乗り慣れたマシンとなります。久々のR2−1参戦とはいえ,十分活躍が期待できるのではないでしょうか。

2002・9・13
○代役(GT)
・情報としては随分遅くなってしまいましたが,先日TEAM IMPULからリリースがあり,引退した星野一義に代わって,昨年の全日本F3チャンピオンB.トレルイエがドライブすることが発表されました。明日からのツインリンクもてぎでのレースは,田中&トレルイエのコンビで走ることになるわけです。

○欠場1(R2−1)
・第7戦が鈴鹿サーキットで「秋祭り」という名称で開幕します。祭りの呼び物は,普段は有料ということもあってなかなか近づくことのできないパドックエリアが,無料で開放されること。入場料さえ支払えば,ライダーやマシンを間近に見ることができますので大変お得なイベントだと思います。レース自体も,すでに600ccクラスはチャンピオンが決定しているものの,他のクラスはポイント争いが激しくなっていますので,白熱したレースを観ることができるのではないかと思います。ただ,残念なのは,カワサキからプロトタイプマシンで参戦している柳川明が今回は欠場となったこと。実は9日と10日に,カワサキは我が大分県のオートポリスで,来年から本格的にWGPへ参戦するマシンZX−RRのシェイクダウンをすませていたのです。カワサキの本格的参戦は来年からですが,来月6日にツインリンクもてぎで開幕する第13戦から来年に備えてスポット参戦することになっています。で,今回の欠場は,開発の作業へ専念するためのもののようです。残念ではありますが,楽しみが増えるためのことですから,考えようによってはまんざらでもないのかもしれません。

○欠場2(F1)
・ハンガリー,ベルギーと2戦連続して欠場した,チーム存亡の危機にあるアロウズが,今日から開幕するイタリアGPも欠場することになったようです。一時期は,新たな投資家が見つかったという情報や負債の一部を支払ったという情報が流れ,好転するかに見えたのですが,やはり深刻な状況には変わりがないようです。資金難に苦しむチームは何もアロウズばかりではありませんから,国際自動車連盟(FIA)としても,欠場が続いたアロウズを大目に見ていた節がありますが,さすがにこれだけ欠場が続けば,「全戦出場」がF1参戦への条件だけに,アロウズのF1参戦の権利自体を剥奪するという措置に取り組まざるを得ない状態になるのではないかと危惧されます。

2002・9・12
○13台(WGP)
・第14戦マレーシアGPでは,4ストマシンが全部で13台走る可能性が出てきました。ホンダ勢は現在のロッシ,宇川,加藤に加えて,ポンスチーム(バロスか?)に1台の計4台。ヤマハ勢は,ビアッジ,チェカに加えて,テック3チームに2台(当然ジャックと中野)の計4台。スズキ勢はロバーツ,ジベルナウに加えて,ヨーロッパラウンドにもスポット参戦した梁明を加えて計3台。エキゾーストノートNo1のアプリリアが現在(ラコーニ)の1台。そしてシンガリは,来年からフル参戦するカワサキ(当然のことですが柳川明)が1台。以上が予想されるラインナップです。これまでは,2ストの高周波が響くサーキットでしたが,14戦以降は,重低音がかなり混じったサウンドが響き渡るサーキットへと変わっていくんでしょうね。

2002・9・11
○テスト終了(WGP)
・エストリルでのレースが終了しても,ヤマハワークスはそのままサーキットに残り,今年最後のテストを行いました。レースで2位表彰台を獲得したC.チェカは,サスペンションのテストを,来年このチームを去ることになっているM.ビアッジはセッティングの詰めを行ったようです。詳しい状況はわかりませんが,それそれが最終テストということで有意義なものになったようです。これから先,およそ8トンもの資材を飛行機に詰め込んでブラジルや日本,そしてマレーシアとヨーロッパ以外の国々を転戦します。移動距離や移動重量に,あらためて凄さを感じますね。

2002・9・10
○王手(WGP)
・雨の中のレースとなったポルトガルGPでしたが,出走33台中完走わずかに14台というサバイバルレースとなった125ccは,ランキングトップのM.ポッジャーリのノーポイントにより,ランキングトップが入れ替わりました。250ccもわずかですがポイント差が縮まりました。それに対して,MotoGPクラスはV.ロッシが勝利しましたから,ポイント差がますますついてしまいました。残りあと5戦。3位のM.ビアッジとの差は101ありますから,次のレースでビアッジに負けなければビアッジのチャンピオンの可能性はなくなります。もちろん両者が下位であれば,ビアッジに一順位負けただけでもOK。2位の宇川とのポイント差は89。ということは,次戦で11点差がつけばチャンピオンが決定します。もしロッシが勝ち,宇川が4位に終わった場合がこれに当てはまります。今年の様子から考えると,考えられなくはない順位です。確かに客観的に考えてロッシのチャンピオンは99%間違いないわけですが,だからといってすぐに決まってしまうのもよくありません。次のブラジルGPの次は,ツインリンクもてぎでのレース。ここは一つ宇川に頑張ってもらって,もてぎまでチャンピオン争いを引っぱっていてもらいたいと思います。宇川の怪我の方も,日が経てば経つほどよくなるでしょうから,ブラジルではほぼ完調で迎えられるでしょうし,怪我から復帰後は,幸運にも恵まれすべて表彰台という状態が続いています。今シーズン2勝目,そしてチャンピオン決定阻止に向けて頑張れ宇川!!

2002・9・9
○トップ交代(SBK)
・スーパーバイク世界選手権(SBK)の第12戦がオランダのアッセンサーキットで行われ,ホンダのエースC.エドワーズが前回に続いて2ヒートとも制し,7連勝を飾りました。ランキングトップのT.ベイリスが転倒ノーポイントということもあって,エドワーズがわずか1ポイントではありますがランキングトップに踊り出ました。

○チャンピオンのためには(WGP)
・昨日のレースで,あらためて加藤大治郎の弱点が露呈してしまいました。その弱点とは,以前から言われ続けている「ウェットレースでの弱さ」です。全日本を走っている頃も,雨のレースではなかなか勝てませんでした。昨日も,予選で2位につけておきながらスタートで大きく出遅れ,結局は転倒リタイア。確かにウェットでRC211Vを走らせたことがないというハンデはありますが,転倒ノーポイントというのは避けなければならないこと。特に,加藤の場合は,「日本人初の最高峰でのチャンピオン」の可能性を大きく秘めたライダーだけに,弱点の克服は大きな課題です。実際今回のウィナーV.ロッシも,以前はウェットレースに課題があるライダーの一人でした。それが,完全ウェットのレースとなった今回のポルトガルと開幕戦の鈴鹿の両方で勝利をおさめました。ドライで圧倒的な速さがあるのに,ウェットでもとなったら正に鬼に金棒です。加藤もロッシのように弱点を克服していくよう,さらに走りに磨きをかけてほしいものです。

2002・9・8
○惜しい(WGP)
・ポルトガルGPの決勝が行われました。開幕戦鈴鹿以来の完全ウェットのレースとなり,どのクラスも完走さえままならないという厳しいレース展開でした。特に250ccでは,2周目にトップに立った松戸直樹がその座を守りながら走行していましたが,残り5周といったところで無念の転倒。雨の中の開幕戦で,宮崎敦がプライベーターながらヤマハTZを駆って優勝したことの再現はなりませんでした。また,その同じく開幕戦で表彰台まであと一歩というところで転倒した青木治親が,今回も一時期3位を走行しましたが,17周目に転倒。こちらも惜しいレースとなりました。なお,MotoGPクラスは,V.ロッシが独走で優勝。宇川は,今回も3位表彰台を獲得しています。

○暫定の修正(R2−1)
・2003年のR2−1の暫定カレンダーを8月28日の当HPで紹介(こちら)しました。あれ以後修正がありましたので,再度暫定カレンダーを紹介します。もちろんこれも「暫定」ですから再度修正が出てくる可能性があります。もしその場合,情報が入り次第お伝えします。

2003年全日本ロードレース選手権シリーズ(暫定改訂版)
 3月23日 2&4(※スーパーバイクのみ) 鈴鹿サーキット
 5月11日 筑波 筑波サーキット
 5月25日 200km 鈴鹿サーキット
 6月 8日 MINE CP MINEサーキット(調整中)
 7月20日 ツインリンクもてぎ ツインリンクもてぎ
 8月24日 オートポリス オートポリスサーキット(調整中)
 9月14日 SUGO スポーツランドSUGO
10月19日 TI TIサーキット英田



2002・9・7
○ヤマハ好調(WGP)
・ポルトガルGPの予選が行われました。MotoGPクラスはC.チェカ,250ccクラスはS.ポルトがそれぞれポールポジションを獲得しました。どちらも今季初のポール獲得です。しかもどちらもヤマハのマシン。前回のレースでは,M.ビアッジが優勝していますので,ここにきてヤマハ勢の勢いがついてきた感じです。125ccクラスでは,宇井陽一が3番手の位置につけました。これは,彼にとって予選での今季最高位になります。決勝が楽しみになりますね。

○日本人明暗(WGP)
・ヤマハテック3チームに対して,10月13日に行われる第14戦マレーシアGPからYZR−M1が与えられることがこのほど明らかになりました。ということは,中野真也がM1を駆ることになるわけです。今季なかなかいい成績を出せていないだけに,残りたったの3戦だけですが,期待をもたせてくれるニュースです。まだ正式な発表はありませんが,来年についてもテック3にM1が供給されることはほぼ確実な模様。ヤマハの方針としては,03年は2チーム4台の供給体制を取るそうですから,ワークスヤマハ(スポンサーは相変わらず「?」)とテック3がこの恩恵を受けることになります。ということで,昨日のニュースでお伝えしたように,ノリックの所属するアンテナ3チームにはM1がわたらないことになりますので,ノリックがワークスヤマハかテック3チームに移籍しない限りはヤマハ4ストマシンが手に入らないことになります。テック3は現体制でいくでしょうから,あとはヤマハワークスの1つのシートだけしか空いてません。ここにノリックが入るという可能性はかなり低いようですから,来期のノリックが大変気になるところです。今季ヤマハ2ストマシンでは現在のところランキング最上位,ヤマハ全体でも3位に入っているノリックがマシンを得られないなんて何ともおかしな話ではあります。

2002・9・6
○国際化(APRC)
・このHPでは初登場のAPRCです。これは「アジアパシフィックラリー」のことで,その名の通りアジア及びその周辺の地域で開催される国際的なラリーのシリーズです。WRCを頂点とする国際的なラリーに関しての日本は,トヨタや三菱,スバルなどのメーカーの大活躍はあるものの,「開催」となるとこれまで全くありませんでした。ラリーの国内選手権もありますが,一般的にはほとんど誰も知らない状態です。我が大分県でも開催されていましたが,話題にさえなったことがありません。それほどラリー後進国の日本で,ようやく国際格式のラリーが昨夜から北海道で開幕しました。名称はAPRC第4戦「ラリー北海道2002」です。関係者の目標としては,APRC開催の実績を積んで,近い将来WRCが国内でも開催できるようにすること。今回の初レースが無事終了することを祈っております。

○ますます熾烈に(WGP)
・第11戦ポルトガルGPがエストリルサーキットで開幕します。今回の注目点は,何といっても前回のレースからRC211Vを手に入れた加藤大治郎の走り。前回は初ライドということでタイヤの消耗で苦戦しましたが,今回は2回目だし,8月末に行われた事前テストではサーキットレコードをたたきだしています。それだけに,ランキングトップのV.ロッシ,全戦の勝者M.ビアッジ,そして加藤と三つ巴の激しいレースが期待されます。これに体調が随分戻ってきている宇川が絡むともっといいのですね。250ccと125ccでは,ランキング争いが一段と激しくなっています。それぞれのランキングトップであるM.メランドリ,M.ボッジャーリが,他のライダーを突き放すことができるでしょうか!?各クラス共通していえるのは,来年のシート獲得のためにますますヒートアップしていくこと。今回のも含めて残り6戦。その中で少しでもいい結果を出すことで,シート獲得交渉の好材料を見つけ出すことができますので,一段と熱い走りが出てくるでしょう。日本関係では,怪我で欠場していた上田昇が今回から復帰します。前回のレースも,少し無理をすれば出場できたようですが,少しでもいい走りをするため万全を期したようです。今季絶不調の125ccの日本勢ですから,久々復帰の彼がどういう走りをするか楽しみです。シート獲得といえば,ノリックこと阿部典史のヤマハでのシートがかなり怪しくなってきているという情報も入ってきています。この先どういう展開になるか,やや心配ですね。もっとも,かなりポテンシャルの高いライダーですから,完全にシート喪失ということにはならないでしょうけどね。

2002・9・5
○ハッキネン,F1の場へ(F1)
・今シーズン限りで引退(と言っても,実質は昨年からですが)を発表した元F1のチャンピオンM.ハッキネンが,F1の場に帰ってくることになりました。ただし,もちろんドライバーとしてではありません。ペイチャンネルであるキャナルデジタルのF1中継で,フィンランド語バージョンの解説者として登場することになったのです。ということは,日本人の私たちは見ることができないというわけです。できれば,F1は無理でも,他のカテゴリーのレーサーとして戻ってほしいのですが…。

○ユーン復帰するも(F1)
・来週末に行われるイタリアGPから,しばらく休養していたミナルディのA.ユーンが復帰します。それに向け,その大会の場であるモンツァサーキットで行われているテストにユーンも参加しています。74周にわたって走行したのですが,唯一の28秒台で一番遅いタイム。久しぶりの走行ですからある程度は仕方ないものの,やはりレースに向けてはやや不安…。情報によると,今季は復帰できても,来期のシートの獲得をするのはほぼ絶望。頼みはスポンサーであるクアラルンプール市。しかし,ミナルディ自体はロシアのスポンサーがつきましたので,予算的にかなり潤いが出てきています。ますますユーンの肩身は狭くなってきているのは間違いないようです。

2002・9・4
○チームメイトは誰に(WGP)
・すでにページでもお伝えしたように,来期のヤマハワークスは,C.チェカの残留は決定済み。M.ビアッジはほぼ間違いなく離脱。ということで,焦点になってくるのは,果たしてチェカのチームメイトは誰になるかということです。ここで浮上してきているのは,アメリカのAMAスーパーバイクで史上最も若いチャンピオンとなったN.ハイデンです。チャンピオンとなったハイデン自身も,当然のことながらアメリカレベルから世界レベルのレースへと進出したがっているわけですから,ヤマハワークスから声がかかれば心が動かない訳がありません。ただ,ホンダとしても黙って見ているわけにはいきません。ホンダのスーパーバイク世界選手権(SBK)のエースC.エドワーズの離脱がかなり高い確率となっていますので,その後釜を誰に据えるのかということが出てきます。これからSBKのレギュレーションが変更となり,現在のVTR SP−2からファイヤーブレードへとマシンをチェンジするという段階に入ります。ですからハイデンをそう簡単に他の陣営に取られることをホンダは良しとしないでしょうから,引止めに入るのは当然です。ということで,この若くて活きのいいライダーの去就が,要注目といったところでしょう。(ヤマハワークスのメインスポンサーがどこになるのかということも気になる点ですね。)

2002・9・3
○いったい誰に(F1)
・2003年には,現在のM.サロとA.マクニッシュとの契約を解除し,あらたにO.パニスの加入を発表したトヨタですが,もう一人のドライバーが誰になるのかという点については,情報が錯綜しています。当初は,現在CARTのランキングトップをいくC.D.マッタが有力とされていました。実際この交渉は続けられているようで,ネックとなっているのがマッタの所属チームからの移籍金のようです。この部分の交渉がうまくいけば契約となるのかと思っていました。ところが,ザウバーのF.マッサが有力ではという情報が流れました。確かに将来性を感じさせるドライバーの一人ですから,ベテランのパニスとの組み合わせも悪くありません。と思っていたら,大手の朝刊に現在F3000を走っている元ウィリアムズのテストドライバーA.ピッツォニアの名前が報道されました。大手の朝刊紙が報道するくらいですから,結構信憑性が高いのかもしれません。もちろん大手であっても嘘の報道はありますから,完全に信じ込むのは危険がありますが。と思っていたら,ミナルディのA.ユーンの代役で出走したA.デイビッドソンの名前も候補に出てきました。もっとも,こちらは「?」という感じではあります。というように,情報が入り乱れてカオス状態になっています。はっきりしていることは,今年のようにベテランの組み合わせにはならないということ。さて,どの若手がシートを得るのでしょうか。

2002・9・2
○ランキングトップに肉薄(SS)
・ワールドスーパーバイク(SBK)の中のスーパースポーツというカテゴリーをご存知でしょうか?600ccの市販マシンを使って,かなり厳しい改造範囲で争っているレースです。ほぼイコールコンディションとなりますので,毎回激しい争いが展開されています。現在日本人としては,スズキワークスからWGPへ参戦したこともある藤原克昭がGSX−R600を駆って参戦しています。昨年も参戦していたのですが,新しいマシンということもあって,ほとんどいいところがなく終わってしまいました。ところが,今年はマシンとのマッチングも次第によくなってきて,ここまで2勝しています。昨日第11戦がドイツのオーシャスレーベンで行われ,3位表彰台を獲得することができました。ランキングトップのホンダCBR600を駆るF.フォレは6位。この結果,フォレとの差がわずか3ポイントとなり,十分チャンピオンを狙える位置までなってきました。今後要注目のカテゴリーですね。なお,SBKの方の結果は,今年の8耐の覇者であるホンダのエースC.エドワーズが2ヒートとも制し,ランキングトップでドゥカティーのマシンを駆るT.ベイリスとの差が27ポイントとなり,こちらも面白い争いとなっています。

2002・9・1
○またしても(F1)
・ヨーロッパも秋の気配を感じさせるようになったのか,20℃以下の気温という涼しい気候の中でベルギーGPの決勝が行われ,前戦に引き続きまたしてもフェラーリのワンツーフィニッシュで終了しました。前回との違いは,1位がM.シューマッハであったこと。シューマッハの勝利は,予選でのタイムからほぼ予想できていました。それほどまでに今回のシューマッハは好調さをキープしていました。これで今季の勝利数が10となり,自己最高記録をさらに更新しました。6位には,F1からの引退を表明しているトヨタのM.サロと接戦を演じ,僅差で入賞したジャガーのE.アーバインが入りました。彼のポイント獲得は,開幕戦以来となります。

○おめでとう寿一(Fポン)
・苦労に苦労を重ねていた脇坂寿一が,第7戦にしてようやく優勝することができました。いつ優勝してもおかしくない実力と体制だったのですが,本人の責任という部分は無きにしも非ずのところもありましたが,何といってもツキに見放されていた部分が大きかっただけに,ここにきてようやく花開いたといったところでしょう。おめでとう脇坂選手!!

○1ポイント差(R2−1)
・第6戦の決勝が行われ,スーパーバイククラスでは,プロトタイプの加賀山就臣がトップでチェッカーを受け,3連勝を飾りました。2位には玉田誠が入り,ランキングトップの渡辺篤との差が1ポイントと迫りました。玉田が今季続けている参戦したレースのすべてで優勝という記録は,まだ続行中といったところです。250ccクラスでは,予選で勢いを見せたRS勢が決勝でもその勢いが続き,青山博一が今季初優勝を飾りました。これは,青山自身はもちろんですが,ホンダRSにとっても今季初優勝となります。ここにきてようやくRSとTZの熾烈な戦いが見られるようになってくるのでしょうか。

○さようなら「ダブルミカ」(F1)
・契約を1年残したままトヨタを去ることになったM.サロが,ラジオ番組のインタビューの中でF1からの引退を表明しました。F3時代には,同じフィンランド出身のM.ハッキネンとトップ争いをし,名前が同じ「ミカ」ですので「ダブルミカ」という呼ばれ方もして,その将来性を高く評価されていました。しかし,ハッキネンの方はF3を経てそのままF1へステップアップ。サロの方はすぐにシートを得ることができず,日本でレース生活を送りました。94年にロータスからデビューし,その後はティレルなどで活躍しました。最近は,常にシートを得るということができず,怪我をしたM.シューマッハの代理で走ったりと,「スーパーサブ」的な役割が目立っていました。先日はハッキネンが引退を表明。そして今回はサロというように,「ダブルミカ」が引退するということになり,以前からのレースファンにはちょっと寂しい思いをさせます。特にサロについては,日本でレースをし,そして日本人の女性と結婚をしていますので,特に親しみをもたせてくれていただけに,時の流れとはいえ残念な思いがします。