トップ2002年トップ>8月の最新ニュース

最新ニュース

ここでは,レースに関する情報をできるだけいち早くお伝えします。

2002・8・31
○またしても(F1)
・第14戦の予選がスパフランコルシャンで行われ,王者M.シューマッハが2レース振りにポールポジションを獲得しました。しかも,タイムは一人だけ43秒台に入れるという余裕のポールでした。2位にはK.ライコネンが入り,予選での自己最高位をゲットしました。前戦の勝者R.バリチェロは3位。シューマッハとは,コンマ6秒あまりの差をつけられています。今回は,普通に走ったのではシューマッハの前に出るのは難しいかもしれません。あくまでも「普通に走れば」の話ですけど…。前回のレースのように,バリチェロのランキング2位へのチームのこだわりがあるかもしれませんからね。それから,先日チーム売却の話がまとまり,ベルギーGPには出場するはずだったアロウズですが,売却手続きが完了していないことを理由に今回も出場を断念しています。

○ランキング1位,2位が(Fポン)
・第7戦の予選が行われ,LeMansの土屋武士が,今季3度目のポールを獲得しました。わずか4ポイント差でランキングトップを争うR.ファーマンと本山哲ですが,両者とも波乱の予選となりました。まず,本山は,予選終了間際にエンジンカウルが脱落するというトラブルに見舞われました。幸いにも大きな影響はなく,予選3位にはいっています。ファーマンの方は,ゼブラゾーンの走行違反でベストタイムが削除されました。それでもグリッドとしては本山の隣の4位になっています。

○2ヶ月ぶり(R2−1)
・6月23日に行われて以来,2ヶ月ぶりにR2−1が開幕しました。スーパーバイククラスは,8耐が終わりましたので例年のようにエントリー台数がぐっと減り,予選落ちなどもあって,明日の決勝に出場するマシンは17台となってしまいました。予選では,残り10分となったところで霧が発生し,そのまま予選終了。結局プロトタイプクラスの加賀山就臣がポールを獲得。2位には,ランキングトップを狙う玉田誠がつけました。なお,玉田は,当初の予定を変更し,後半は全戦エントリーする模様です。明らかにチャンピオン狙いでしょうし,来年の世界スーパーバイク選手権への布石かもしれません。250ccでは,今年も不調のホンダRS勢がこれまでになく好調で,予選6台中その半分を占めています。もちろんこれは,今季最高です。果たしてレースでもいい結果が出るのでしょうか。125ccでは,スハタイ=チャンサップという耳慣れない選手が3位につけました。彼はアセアン選手権でチャンピオンとなり,タイホンダの支援を受けてエントリーしているライダーです。

○タバコ広告(WGP)
・ヨーロッパを中心に,ますますタバコ広告規制の動きが強まってきています。今年の第2戦南アフリカGPでは,突然タバコ広告禁止となったため,冠スポンサー(ゴロワーズ)は撤退,マールボロやウェスト,フォルトゥーナなどのタバコ会社がメインスポンサーのチームは,マシンのカラーリングやチームウェア,ツナギなどを急遽変更という様な慌しい動きをみせたことがありました。それに対して,タバコ広告の規制が緩いのが日本を含めたアジア諸国。もちろんアジアの中でも規制しているところはありますが,全体的にはまだまだ規制の動きがみられません。まあこれは当然といえば当然。日本で考えてみると,タバコの葉の栽培をしている農家が多いですから,そうした人々を守るために強いことは言いづらい。ましてや保守系の議員は,自分の票田及び献金先ですから規制の動きなんかみせることはできません。また,JTは元をただせば国営企業。まだ他にも理由があるかもしれませんが,ともかく規制が起きそうな気配は今のところ全くありません。各国のタバコ会社も,規制の緩やかなアジアに力点を置いてきている動きも見られるようになってきました。で,10月に行われるもてぎとセパンのレースは,ゴロワーズが冠スポンサーを務めることが決定しました。日本でゴロワーズは,それほど浸透していません。皆さんの周りでも,吸ってる人をそれほど見かけないのではないかと思います。レースに興味のある人でさえも,ロゴはもちろん知っていますが,吸うところまではいってないと思います。恐らく今回の動きも,規制が緩く浸透の低いアジアへの進出の一環ではないでしょうか。蛇足ですが,開幕戦鈴鹿の冠スポンサーは「スカイウォッカ」。そしてもてぎは「ゴロワーズ」。どちらも,国内ではマイナーなブランドですよね。これは,たまたまそうなっただけなのでしょうか?(マイナーと言いましたが,酒もタバコもやらない管理人の私が知らないだけなのでしょうか?もしそうでしたらごめんなさいね。)

2002・8・30
○果たして誰に(R2−1)
・10月6日にツインリンクもてぎで行われるWGPでのワイルドカードの人数枠が発表されました。内訳が,125ccはMFJ枠3名とFIM枠2名(ただし25歳以下),250ccはMFJ枠3名とFIM枠2名とMSMA枠1名,MotoGPがMSMA枠1名とFIM&DORNA枠1名という人数枠です。今の段階では,その枠に誰が入るのかは決定していません。今週末に行われるR2−1第6戦SUGO大会終了時点で,各クラスのランキング上位者がこの枠に入ることになりますので,そういった意味からも,SUGOではランキング上位者の力の入り方がいつも以上に大きくなるのではないかと思います。ここで疑問なのが,MotoGPクラスの選考です。今年はプロトタイプクラスのエントリー者は章典外ですから,当然ランキングがありません。しかし,MotoGPクラスのマシンを走らせているのは,R2−1のSBクラスの人ではなくこのプロトタイプクラスの人たち。果たしてどちらのクラスから選んでいくのでしょう?それから,カワサキの来期のマシンが,依然として姿を現していません。当初の噂では,もてぎでのWGPでカワサキが走るというものだっただけに,柳川が選出されるかという点も含めて,このあたりが少々心配というか,楽しみな点ではあります。

○心機一転(WGP)
・まだ正式発表はないものの,今季マシン開発が思うように進まず,全く不本意なシーズンを過ごしているデルビの宇井陽一が,来期KTMへ移籍することがほぼ決定という話が報道されています。これは,ヤマハ時代からお互いに信頼しあっている名チューナーのH.バートルのKTM移籍に伴うものだそうです。ヤマハ色の強かった宇井が,現在のデルビに移籍するきっかけもこのバートルがデルビに招聘されたことに伴うものでしたから,今回の話も十分うなづけるものです。KTMというとオーストリアのバイクメーカーです。最近は,パリダカなどのオフロード色が強かったのですが,MotoGPクラスへの進出を目指しているというように,ロードレースに力を入れていく方針はすでに明言されていました。デルビ及びジレラを現在のようにチャンピオン争いできるまでに育てたバートル&宇井のコンビが,KTMでも発揮できるよう頑張ってほしいと思います。

2002・8・29
○星野引退
・「日本一速い男」と異名を取る星野一義の引退が,記者会見の場で正式に発表されました。このニュースは,すでに大手の新聞などのメディアでお盆前には取り上げていましたので,ご存知の方も少なくはなく,レースファンならほとんどの方がショックを受けたのではないかと思います。それほどまでに星野の存在は,日本レース界になくてはならないものでした。2輪のモトクロスライダー(カワサキ)としてスタートをきり,その後4輪に転向決意してニッサン入り。70年に初勝利をあげて以来,通算133勝の偉業を成し遂げていました。もちろんこの記録は,日本人最多勝利であり,「日本一速い男」と呼ばれる所以でもあります。5〜6年前から腰のヘルニアで苦しむようになり,朝起きるのも容易でない状態にまで悪化していたようです。今シーズンも,だましだまし走っていたようですが,自分の思うような走りができず,今回の決断に至ったとのことでした。大変残念でならないことですが,誰しもいつかは通る道でもあります。魂の走りをみせてくれた星野に感謝するとと共に,チーム監督としての活躍を期待したいと思います。

○パニス,トヨタへ移籍(F1)
・BARのO.パニスが,トヨタへ移籍することが決定しました。先日J.バトンのBAR入りが発表され,元F1チャンピオンのJ.ビルヌーブがBARに残留することはほぼ確実と見られていますので,パニスの動向が注目されていました。F1に参戦して間もないトヨタだけに,開発能力の高いパニスとの契約は理にかなったものといえましょう。今回の発表で驚かされたのは,今年のドライバーであるM.サロとA.マクニッシュの両名が,今シーズン限りでトヨタを離脱ことになったこと。確かにマクニッシュについては,以前から離脱が噂されていました。しかし,サロについては,残留が濃厚と言われていたからです。なお,もう一人のドライバーについての発表はありませんでした。噂には現在CARTのランキングトップを走るC.ダ.マッタをはじめ,数人の名前があがっています。果たして誰に決まるのか楽しみですね。ただ,残念なことは,この候補の名前の中に高木虎之助の名前がないことです。

2002・8・28
○アロウズ,次戦は参加(F1)
・資金難から前戦を欠場し,今週末に行われるベルギーGPもその可能性の高かったアロウズが,ベルギーには参加するとの発表がありました。その大きな原因が,アメリカの投資家への売却交渉が成立したからです。前回のレースを欠場した際,チーム代表であるT.ウォーキンショーは,「売却交渉を継続中のため」とのコメントを発表していましたが,その話が無事決着をみたようです。ただし,その「アメリカの投資家」というのがいったい誰であるのか,そして,H.H.フレンツェン離脱に伴う代わりのドライバーが誰になるのかについての発表がありませんでした。もしかするとレースウィークに入れば,そのあたりについてクリアになってくるのかもしれません。

○レース再開,テストも再開(WGP)
・先日後半戦が始まったWGPですが,レギュレーション上夏休み期間中のテストは禁止されています。そのため,ヤマハやスズキは,レースウィークに入って新しいパーツを装着して走行したわけです。しかし,レースが始まりましたから,自動的にテストも再開ということになります。ヤマハは,チェコGP終了後,そのままブルのサーキットに残って2日間のテストを行いました。これには,マールボロヤマハだけでなく,テック3,レッドブルWCMもいっしょに参加しました。テストのメニューは,新しいシャーシやフロントタイヤのテストが中心だったようです。ブルノでのテストは,ヤマハだけでなくスズキも行いました。メンバーは,ロバーツとジベルナウ,そして梁明でした。連勝記録が途絶えたホンダ陣営は,今回のテストには参加せず,最終戦の行われるバレンシアに舞台を移し,明日(木曜日)と明後日(金曜日)の両日に行うようです。とりわけヤマハの追い上げが急なだけに,ホンダ陣営としても危機感をもってのテストになるのではないかと思われます。

○MINEサーキットへ(Fポン)
・山口県にあるMINEサーキットは,親会社が民事再生法の適応を受けたため,今後のレースの開催が心配されています。Fポンを統括しているJRP(日本レースプロモーション)から公式リリースが発表され,9月21日,22日のレース実施運営に一層協力することが明らかにされました。同様なことは,先日GT選手権を統括するGTアソシエーション(GT−A)からも発表済みです。MINEの存在は,とりわけ鈴鹿サーキット以西でのレースファンになくてはならないもので,今回のリリースも,MINEのこれまでの貢献を受けてのものです。ぜひたくさんの方に観にきていただいて,レースを盛り上げていきましょう!そうしたことの積み重ねで,今年はもちろん,来年以降のレース開催についても光明が見出せると思います。実際来年以降は不透明な部分があるようで,先日発表されたR2−1の暫定レースカレンダーでは,MINEでの開催がまだ確定できていません。今後発表される他の暫定レースカレンダーも同じ様な形になる可能性が高いです。みんなでMINEを盛り上げて,ぜひ来年以降も安定したレース開催ができるようサポートしていきましょう!

2003年全日本ロードレース選手権シリーズ(暫定)
 3月23日 2&4 鈴鹿サーキット
 5月11日 筑波 筑波サーキット
 5月25日 200km 鈴鹿サーキット
 7月20日 もてぎ or MINE ツインリンクもてぎ or MINE
 8月24日 オートポリス or MINE オートポリス or MINE
 9月14日 SUGO or 鈴鹿 SUGO or 鈴鹿
10月19日 TI TIサーキット英田


2002・8・27
○2003年度のスーパーバイククラス(R2−1)
・国内2輪のレースを統括しているMFJから,来年のスーパーバイククラスについて決定事項のお知らせが先日ありました。今年は,過渡的な措置としてプロトタイプクラスなど4種目混走で行われていますが,国内の状況やFIMの動向などを視野に入れ,ローコスト&イコールコンディションを目的に以下のような決定がなされました。
@来年からJSB1000を主としたクラスとして開催する。
Aスーパーバイクの参加は1年間移行期間として認める。ただし,ワークスはだめ。
BS−NKは当面混走として,来年新たに検討する。
CJSBの振興策として,ローコストのためのホイール規制,タイヤ本数の制限,各メーカーによるベースマシンの安価供給や自社ユーザー賞の実施。
年々下火になっていく印象のロードレースですが,今年初開催となったオートポリスでのR2−1には,たくさんの観客が訪れ,国内の2輪レースは,潜在的にはまだまだ捨てたものではないということが証明されました。こうした改革で少しでもその歯止めがかかるといいですね。

2002・8・26
○ザウバーへ(F1)
・資金難に苦しむアロウズをシーズン途中でやめ,F1浪人となっているのがH.H.フレンツェン。ドライバーとしてのポテンシャルは,このまま浪人として終わらせるにはもったいないほどのものを持っているだけに,今シーズン途中でも様々な接触が噂されました。中には,クラッシュによって出場できなくなったジョーダンのG.フィジケラの代理で走る直前まで話が進んだこともありました。そうしたフレンツェンですが,ザウバーから来年のドライバーの発表があり,N.ハイドフェルドと共にステアリングを握ることが決定しました。今年のもう一人のドライバーであったF.マッサについては,テストドライバーとして起用する予定ですが,まだ結論は出ていないようです。ナンバー2ドライバーからテストドライバーになるわけですから,これはいわゆる降格人事。今年のパフォーマンスとしては,それほど悪くなかっただけに,すんなり話がまとまるとは思えません。さて,古巣ザウバーへ復帰するフレンツェン。チームとしては,ここ最近いいパフォーマンスをみせているだけに,果たしてどのような結果をもたらすことになるのでしょうか。

2002・8・25
○初優勝(WGP)
・ブルノサーキットでチェコGPの決勝が行われました。MotoGPクラスでは,ポールからスタートしたM.ビアッジとポイントランクトップのV.ロッシ,そして今回からRC211Vで参戦している加藤大治郎の三つ巴の争いとなりました。残り5周となったところでロッシがタイヤバーストにより後退。加藤もタイヤのライフが終わってしまい,結局ビアッジのポールトゥーウィンとなりました。ビアッジの優勝は今季初,そしてYZR−M1としては初優勝となりました。もともとビアッジにとって,ブルノサーキットは大変相性のいいところではあったのですが,ヤマハ陣営の開幕から夏休みまでの努力の成果がようやくここにきて表れたといえるでしょう。そして,ぶっつけ本番となった加藤大治郎でしたが,予選と決勝のどちらも2位となり,彼のポテンシャルの高さをあらためて感じさせた一戦となりました。怪我で苦しんでいる宇川徹ですが,トップから大きく離されているとはいえ,骨折して以後も連続して表彰台を獲得しています。この点に彼の粘り強さが表れています。今回のレースでロッシはノーポイントに終わりましたので,ランキング2位の宇川との差がやや縮まりました。とは言っても,まだ80点という大差がついています。シリーズを盛り上げる意味からも,他のライダーのますますの頑張りが期待されます。

○2003年RCVの供給先(WGP)
・チェコGPでの記者会見の席上,HRCの中嶋取締役兼総監督が,2003年のRC211Vの供給を最大で8台とする予定であることを明かしました。内訳は,HRCワークス(ロッシ&宇川)とグレシーニ(加藤),ポンスはほぼ決定しているようです。現有勢力で考えると,この3チームでは5台分にしかなりません。ということは,後3台分はどこかのチームということになります。果たしてどこになるのでしょう?さらに,この8台のほかに,モリワキへ2台分供給する予定ということも明かしました。モリワキは,ヨシムラとともに並び称される(親戚関係でもあります)有力なコンストラクターです。WGPの4サイクル化に伴いGPへの復帰に意欲を見せていたモリワキですが,ついに独自のフレームにRCVを載せて参戦する方向で本格的に活動を始めたようです。こちらの方も楽しみですね。なお,参戦コストについての質問では,「NSR500と比べて20%増し。同等なコストを目指している」との回答が出ました。

○中野へも4ストマシンを(WGP)
・まだ正式には発表されていませんが,ヤマハは4ストマシンYZR−M1をテック3チーム(中野真也&O.ジャック))へも供給することがほぼ確定したようです。供給は終盤の3戦となるようです。中野自身4ストマシンでレースに参加するということは,恐らくこれまでそれほどなかったでしょうから,その特性にやや戸惑いがあるかもしれません。今シーズンは,昨年と比べると低迷しているところがありますから,これがいい契機となることを期待しましょう。(4ストマシンに慣れてないといっても,実はすでにM1でテスト済みのようですね)

2002・8・24
○本当に初めて?(WGP)
・第10戦チェコGPの予選が行われ,MotoGPクラスでは,ヤマハのM.ビアッジがポールポジションを獲得しました。彼にとっては,第6戦以来のポールになります。ヤマハは,今回からYZR M−1の改良バージョンを投入していて,その効果が早くも出されました。予選だけでなく,レースでもその成果が表れるをこと期待させます。スズキもヤマハと同様に改良バージョンを投入していますが,こちらの方はあまりいい成績を収めることができず,S.ジベルナウの10位が最高成績となっています。なお,ランキングトップのV.ロッシは3位に入っています。今回の予選で一番驚かされったのが,今回から初めてRC211Vに初めて乗ることになった加藤大治郎です。ぶっつけ本番で乗るのにもかかわらず,途中まで予選1位のタイムをたたき出していました。最後にはビアッジに抜かれたものの,堂々の予選2位となっています。8耐での優勝が示すように,4ストとの相性がそれほど悪くないことが,このことからも証明されていると言えるでしょう。

○契約更改(F1)
・ウィリアムズがJ.P.モントーヤとの契約を2年延長したことを発表しました。今シーズンは,フェラーリとのマシン差があまりに大きく,早々にM.シューマッハのチャンピオン決定を許してしまいましたが,マシン差が縮まれば十分にシューマッハとチャンピオン争いができるドライバーです。今回の契約延長で優秀なドライバーの確保ができたわけですから,あとはフェラーリに勝るとも劣らないマシンの開発が,ウィリアムズの大きな課題といえるでしょう。なお,今回の発表では,R.シューマッハの契約についての発表はありませんでした。順当にいけば,彼も残留という方向になるはずです。

2002・8・23
○後半戦スタート(WGP)
・5週間にもわたる長い夏休みが終わり,WGPの後半戦がチェコからスタートします。MotoGPクラスでは,V.ロッシ&RC211Vが独走状態。RCVについては全戦優勝ですし,ロッシも南アフリカGP以外すべて優勝という驚異的な記録を継続中です。このページで既にお伝えしている通り,ヤマハもスズキも,夏休み中にマシン改良を施したようなのでその成果が期待されます。それだけでなく,何と言っても一番の注目点は,昨年の250ccチャンピオン加藤大治郎に今回からRCVが提供されるということ。加藤と4サイクルマシンの相性のよさは,鈴鹿8耐での優勝が示しています。もっとも,加藤は器用なライダーでもあるので,相性云々の前に,どのマシンに乗ってもすぐに乗りこなしてしまうのですけどね。ただし,事前のテストなしのぶっつけ本番で乗りますので,いくら加藤と言えどもやや苦労するのではないかと思います。しかし,期待度大であることには変わりありません。どうでもいいことですが,これまではレプソルカラーのRCVしか目にしていません(開幕戦で伊藤真一がHRCカラーで走りましたけど,わずか1戦ですからね。)ので,フォルトゥナカラーのRCVを見ることができ,新鮮に感じるかもしれません。そういった楽しみが多い後半戦なのですが,残念なニュースも入ってきました。昨年プライベートながらR2−1の250ccチャンピオンに輝き,今年はヤマハクルツからWGPの250ccクラスに参戦していた関口太郎が,チームとの契約を解消し,後半戦から参戦取りやめとなりました。彼のオフィシャルウェブサイトを見ると,取りやめの原因は後で詳しく伝えるとだけしか書かれていませんので,今一つ状況がつかめないのですが,資金的な問題であることは十分に予想されます。昨年は,プライベートで資金に苦しみながらもチャンピオンを獲得しただけに,大変残念な結果です。

2002・8・22
○対抗(F1)
・8月11日付けのこのページで,「存亡の危機にあるアロウズのT.ウォーキンショーが,ジャガーの監督に就任するかも」と言うニュースをお伝えしました。もしこの話が本当だとすると,一番抵抗感を示すのは,当然のことながら現ジャガー監督のN.ラウダです。権力争いが横行するF1の世界ですから,ラウダ側の反撃もあるようです。その内容というのが,ラウダと同郷で,F1のチームを持とうという意欲があるスポーツドリンクメーカーのレッドブル社長D.マティシッツと手を組み,ジャガーチーム自体を買収しようとするものです。こうすればフォードの影響力がなくなり,自分の監督としての座も安定することになります。レッドブルとしても,アロウズ買収の画策をしていて,これが不調に終わろうとしているだけに,渡りに船という感じだと思います。さて,フォード,ウォーキンショー,ラウダ,レッドブルの闘いの決着はどうなるでしょう!?

○玉田世界へ進出か(R2−1)
・昨年のスーパーバイクチャンピオン玉田誠が,全日本を離れ,世界へと進出する可能性が出てきました。玉田自身の一番の目標はWGPへの参戦でしょうが,宇川や加藤がその座を保っているだけに,来年の参戦はまず不可能。後もう一つ可能性のあるのが,ワールドスーパーバイク(SBK)への参戦。ここに来て,そちらの可能性の方が出てきました。アプリリアからSBKに参戦している芳賀紀行が,より戦闘力の高いドゥカティーへの移籍交渉を行っていましたが,条件面で折り合いがあわず,アプリリア残留へとなりそう。芳賀獲得ができなかったドゥカティーは,彼に勝るとも劣らないライダーがほしい訳ですから,そこで目をつけたのがホンダのエースC.エドワーズ。エドワーズとしても,現在最強と言われるドゥカティーのマシンを手に入れることは悪くないはず。もし,エドワーズが移籍するとなると,当然ホンダのエースライダーの座が空くことになります。ここに入るのが玉田ということになるわけです。今シーズンの玉田は,全レースに参戦してなくて,いわゆるスポット参戦をしています。にもかかわらず,参戦したレースはすべて優勝。他のライダーより2戦少ないにもかかわらず,現在ランキング2位に入っています。昨年はチャンピオン,今年も好成績,8耐でも表彰台獲得というように,ますますホンダの中での信頼感を獲得している訳ですから,SBK参戦が実現してもおかしくない状況だと思います。

○ノビー不参加(WGP)
・第5戦イタリアGPの予選初日にクラッシュし,首や腰を痛めていた「ノビー」こと上田昇ですが,当初チェコGPからの復帰を目指して治療及びリハビリを行っていました。しかし,怪我の回復が十分ではなく,医師との相談の結果チェコGPからの復帰を断念しました。ノビーのコメントでは,一日5時間のリハビリをこなし,次のエストリルでの復帰を目指すそうです。今シーズンあまりいい成績を収めていない125ccの日本人陣営ですので,エストリルでノビーらしい熱い走りができることを期待して復帰を待つことにしましょう。

2002・8・21
○スズキライダー情報(WGP)
・腕の血行障害によって思うようなマシンコントロールができず,手術のため第9戦を欠場した一昨年の500ccチャンピオンであるK.ロバーツですが,今週末のチェコGPから復帰します。長期の夏休みの間十分にトレーニングを積み,体調は完全に戻っているというコメントを本人が出しています。また,この休みの間にスズキ陣営もマシン開発を進め,今回のレースから新しいパーツを投入するようです。エースライダーの復帰と新しいパーツの投入ということで,今シーズンほとんどいいところのないスズキですが,名誉挽回となるでしょうか。それから,第6戦カタルニアGPからワイルドカードで参戦している梁明ですが,今回のチェコにも参戦することが決定しています。第1戦の鈴鹿では2位表彰台を獲得しましたが,ヨーロッパラウンドではあまりいい成績が残せていないだけに,こちらも名誉挽回といきたいところでしょう。

2002・8・20
○控訴棄却(GT)
・このページでもすでに何度かお伝えしている第3戦におけるピットロードエンドでの問題について,最終的な判断が出されました。これは,ピットワークを終了してピットロードから出ようとしていたトムスのW.ガードナー選手が,赤信号であったにもかかわらずコースインをしてしまったために,ペナルティーを受けたという問題です。ガードナーの主張によると,赤信号であったのは分かっていたものの,信号のそばにいたオフィシャルが,あたかもコースインをしていいかのようなアクションをしていたために行った行為であったということです。確かに車載カメラにもそのシーンが撮影されていましたので,十分にうなづけるものでした。これまで2回にわたりトムス側から異議が出され,すべて棄却されていました。それでも納得のいかないトムスは,最終判断の場であるJAFの中央審査委員会に控訴していました。そして,今回の「控訴棄却」となったわけです。裁定のあらましは,「指示を出したと判断されない」ということです。ただし,裁定の中に「挙動が曖昧であった」や「競技委員のレベル向上の必要性」なども含まれていましたので,控訴していたトムスも,一応今回の最終的な裁定に対して了承するといったコメントを出しています。

2002・8・19
○新パーツ投入(WGP)
・1ヶ月に及ぶ長い夏休みだったWGPも,ようやく今週末に再開します。序盤ホンダのRC211Vに大きく水をあけられていたヤマハでしたが,徐々にマシンの改良を施していき,2位や3位の座を手に入れることができるようになってきました。今回の夏休みの間もかなりのハードワークをしたようで,今週末に行われるチェコGPには,シャーシをはじめ,サスペンションにも改良バージョンが投入されるようです。さらに,空力にも手が入れられたようで,具体的な情報はないものの,部分的に変更されたカウルが装着されるのではないかと思います。ただ,これらの改良も,規定により休み中のテストが禁じられていますので,ぶっつけ本番ということになります。ですから,場合によってはあまり効果がないかもしれませんし,場合によってはロッシの連勝にストップをかけることができるかもしれません。いずれになるかは,今週末のレースが始まると分かる訳ですから,そういった意味での興味のもてるレースとなるでしょう。

○噂どおり(F1)
・このHPでは8月8日に,そして昨夜のF1放送でも伝えていましたが,ホンダと袂を分かったジョーダンは,来年から3年契約でフォードエンジンを使うことになりました。この決断は,チームオーナーのE.ジョーダン本人の方からホンダに伝えたようです。とは言っても,ジョーダンが積極的にこの決断をしたとは思えません。今年までは「エンジンの無償供給」だったのが,来年以降は「有償による供給」へと変わることがホンダから伝えられました。これは本来の契約が3年目以降は有償という条項がありましたので,何ら問題となることではありません。ただ,資金難に苦しむジョーダンとしては,有償というのはかなりのネックになったのではないかと思われます。今回の発表では,ドライバーについては一切ありませんでした。エンジンがフォードに代わって一番大きな影響を受けるのが佐藤琢磨です。F1一年目とはいえ,期待されていたほどの成績をここまで収めていないだけに,ただでさえ来年の契約にやや不安が生じるのに,バックアップをしてくれているホンダとチームの契約が無くなる訳ですから,ますます苦しい立場におかれてしまいます。ただ,HRD(端的に言うとホンダのF1における会社)社長のコメントでは,「日本人F1ドライバーの育成」ということを言及していましたので,何らかの対策が出てくるのかもしれません。

2002・8・18
○着々と(F1)
・第13戦ハンガリーGPの決勝が行われ,バリチェロ,M.シューマッハの順でチェッカーを受け,フェラーリの1,2となりました。すでにシューマッハがチャンピオンを決めていますので,後はコンストラクターズ(チームとしての順位)とドライバーズポイント2位の座を確保すれば,年間を通したフェラーリの完全勝利となります。そして,今回のレースで,フェラーリのコンストラクターズチャンピオンが決定しました。さらに,バリチェロ優勝&J.P.モントーヤがノーポイントということで,ドライバーズランキングでバリチェロが2位に再浮上しました。まさに,着々と完全優勝に向け前進している状態です。さて,日本関係では,ジョーダンのG.フィジケラが6位に入賞し,久々にポイントを獲得しました。実は,かねてから噂されていたことですが,来年度ジョーダンに対するホンダエンジンの供給停止が正式に発表されました。その直後にポイント獲得ですから,何とも皮肉な話ですね。

2002・8・14
○代役決定(F1)
・このページでもお伝えしていましたが,ミナルディのA.ユーンが既報どおり休養となりました。代わりのドライバーには,BARホンダのテストドライバーであるA.デビッドソンが起用されることになりました。当然彼は契約上BARのドライバーですから,ミナルディは借り受けという形になります。今回の契約は,第13戦ハンガリーGPと第14戦ベルギーGPの2戦のみです。第15戦からはユーンが復活する予定にはなっていますが,これについては「?」というのが正解でしょう。恐らく噂に上がっているCARTドライバーB.ハータをはじめ,他のドライバーが代役で走ることになると思います。

2002・8・13
○IRLへ
・今季CARTに参戦し,表彰台まであと一歩というところまでの活躍している高木虎之助が,第11戦の決勝終了後に記者会見を行い,来期はIRLに参戦することが発表されました。虎之介は現在トヨタの支援を受けています。ですから,トヨタからF1への復帰を視野に入れていたのですが,来期についてはその道を断念したようです。実際ドライバー枠の2名については,現在のドライバー2名又はCARTのランキングトップを走るT.カナーンが有力ですので,高木の入る余地がないのが現状です。また,CARTシリーズについては,その存在意義が薄れていってますし,トヨタやホンダはIRLへのエンジン供給に変わっています。そういった意味からも,今考えられるベストの選択なのではないでしょうか。IRLシリーズでいい成績を収めることができたら,再来年以降のF1復帰の道が残されているようですから,ぜひ好成績をあげていってほしいと思います。なお,高木の所属するチーム名は発表されませんでしたが,同じく来期からIRLシリーズへ鞍替えするチップガナッシが有力なようです。また,ホンダの支援を受けている中野信治についても,IRLへの参戦に向けて様々な動きがあるようです。ただし,こちらの方は正式に決まるまでもう少し時間がかかるようです。

2002・8・12
○夏休み
・お盆の時期となり,日本全国お休みに入った方も少なくはないと思います。ただし,特にサービス業に従事されている方などは,夏休みどころではないでしょうけど。さて,ライダーも今夏休みの真っ只中。とは言っても,ライダーであっても「サービス業」的な側面はあり,とりわけスポンサー関連のものには,休み中であってもイベントに参加することがあります。例えば,昨日オランダで行われた4輪の「マールボロマスターズF3」には,アトラクションとしてマールボロヤマハのM.ビアッジ,C.チェカ,そして往年の名ライダーで,現在レポーター等で活躍されているR.マモラが参加しました。ビアッジとチェカは,現在レースで使用しているYZR−M1でデモンストレーション走行しました。どちらも,実際のレースではない状況でマシンを駆ったわけですから,たとえ仕事といってもリラックスして走行したことでしょう。とりわけ,すでにヤマハとの契約を2年延長したチェカは,かなり明るい表情だったようです。果たして,まだ契約が決まっていないビアッジのほうはどうだったのでしょう?マモラは,ヤマハの2ストマシンであるYZR500を2人乗りに改造したマシンを使ってデモンストレーションをしました。これまでにも,様々なイベントで色々な人を後ろに乗せて走行してきたマモラ。現役時代,決勝レースの最中に派手なウィリーをしあいながら観客を楽しませてきた人だけに,後ろに人を乗せて,ウィリーはもちろん,全開に近い走行,そしてジャックナイフまで今回のイベントでもやらかしていたようです。暑気払いには,もってこいかもしれませんね。もっとも,寿命が数年縮むかもしれませんけど。

2002・8・11
○チーム監督(F1)
・F1には,フェラーリのJ.トッドをはじめ,何人かの有名なチーム監督がいますが,その中の2名の話題を。まずはルノーのF.ブリアトーレから。2005年までチームとの契約がありますが,それ以後F1から引退するつもりであることを公表しています。現在52歳で,05年には55歳。引退するのにはちょうどいい年齢だととらえているようです。もう一人は,アロウズのT.ウォーキンショー。今年は経済的に大変苦しく,チームを手放すのは時間の問題だといわれています。普通ならその後F1から手を引くところなのですが,最近出てきた噂が,ジャガーのチーム監督に就任するということです。現在アロウズは,フォードエンジンを使っていて,そのリース料が思うように支払えない状況です。なのになぜジャガーがと思うところなのですが,昔からのレースファンの方なら覚えていると思いますが,ウォーキンショーは「シルクカットジャガー」というチーム名で,ルマン等において無敵の状態の時期がありました。つまり,ジャガーとのつながりは元々強かったのです。今季なかなかいい成績が残せていないジャガーですから,監督を変えて以前の強いジャガーを再現すると考えても不思議ではありませんね。

2002・8・10
○右京,エベレストに挑戦
・元F1ドライバーで,現在GTやパリダカ等様々なレースのドライバーとして,そしてTeamUKYOのオーナー兼監督として活躍している片山右京が,世界最高峰のエベレスト登頂に挑戦するため,空路カトマンズに到着しました。F1を走っている頃,トレーニングを兼ねて登山を始めたのがきっかけとなって今回の挑戦ということになっていったようです。今回の登頂は,交通遺児へのチャリティーを兼ねています。「チャレンジチャリティー」という名称で,登頂から下山までの行程の中で6箇所のチェックポイントをつくり,そのポイントへ到達するごとに募金していくというシステムになっています。詳しくはTeamUKYOウェブサイトでチェックしてください。片山右京が無事登頂及び下山できるといいですね。(登頂の後は,パリダカがあるんです。精神的にも肉体的にもタフな人ですね。)

2002・8・9
○月曜日に発表(F1)
・唯一のマレーシア人F1ドライバーであるA.ユーンが,成績不振から残りのレースへの参戦を取りやめることになりそうですが,ミナルディチームのボスであるP.ストッダートから,月曜日に何らかの発表があるというコメントが出されました。これがユーン離脱の発表であることは間違いありません。ここで気になるのは,誰がその代わりを務めるかということ。諸説入り乱れて,予想がつかない状況となっています。現役CARTドライバーであるB.ハータが,その第1候補であるという話が出たかと思うと,ここ数日はF1浪人であるJ.フェルスタッペンの名前が急浮上。その他,色々なチームのテストドライバーの名前があがっています。その中では,BARのテストドライバーで元F3000チャンピオンのA.デイビッドソンが有力候補の一人。ただし,大柄な彼の体が災いし,通常ですとミナルディのマシンであるPS02に彼が座ると,F1の安全基準をクリアできないようです。そのため,マシンに何らかの対策が必要となります。現段階でテストドライバーの中での最有力は,ルノーのF.アロンソなのかもしれません。ただし,こちらも当初から名前があがっていたわりには,徐々に名前がしぼんできてる印象もあります。いずれにしても月曜日にははっきりする訳ですから,その結果を楽しみにしておきましょう。

2002・8・8
○フォードか(F1)
・来年ホンダエンジンの供給先がBAR一本に絞られる可能性が高まった中,今年のもう一つの供給先であるジョーダンがどうなるかというのが話題の一つになっています。そんな中浮上してきた話題が,現在ジャガーとアロウズにエンジンを供給しているフォードがその相手となるのではないかということです。これは単なる噂ではなく,ジャガーの監督であるJ.スチュアートやフォードの幹部のコメントからのものですから,信憑性が高いと言えると思います。もちろん公式発表ではありませんから,この先どうなるかは分かりません。フォードのスポークスマンによると,ジャガーはもちろん,チームの存続自体が怪しくなっているアロウズについても,供給を続けるようです。ということで,フォードエンジンと言うか,正確にはフォードの子会社であるコスワースエンジンは,来年3チームへの供給という形になるかもしれません。となると,ホンダの支援を受けている佐藤琢磨はいったいどうなるのでしょう?そう言えば,同じくホンダの支援を受けていた(現在も協力関係が続いていますが)中嶋悟も,F1ドライバーだった時にフォードエンジンのマシンに乗っていたことがあったですね。

2002・8・7
○どうなるヤマハ&ドゥカティー(WGP)
・8月に入ってヤマハからC.チェカの残留が発表されました。ただし,M.ビアッジについては発表がありません。これは当然といえば当然で,既にお伝えしたように,マールボロが来年スポンサードを降りることが発表されています。つまり,ビアッジが離脱することを意味しています。インタビューに答えてビアッジ自身の口からも,「ヤマハを離脱する。」とすでに明言しています。ということは,来年はヤマハワークスの椅子が一つ空くということ。果たして誰がすわることになるのでしょう?それに伴って,もう一つの注目は,来年からMotoGPに復活するドゥカティーの動向。復活に向けて,8月2〜3日にイタリアのムジェロサーキットで来年のマシンをテストしました。このテストでは,ワールドスーパーバイク(SBK)のチャンピオンマシンも合同でテストしたのですが,ストレートスピード等ですでにSBKマシンを越えたようですし,何のトラブもなく終了したようです。復活に向け着実な一歩を踏み出しているようです。で,このマシンに誰が乗るのかということが大きな話題に。順当であればSBKチャンピオンのT.ベイリスが乗ることになるのでしょうが,もう一つの席が空いています。ドゥカティーが,イタリアンライダーを欲しているのは周知の事実。そこでビアッジの去就が絡んでくるのです。スポンサーにマールボロがつくことがほぼ決まっているようですから,ますますビアッジの線が強くなってきます。ただし,ヤマハで今一つ思ったほどの成績を残せなかっただけに,ビアッジ自身は「勝てるマシン」を欲しています。ですから,復活直後のドゥカティーのマシンに乗るかどうかが微妙。ドゥカティーはもちろん,ホンダとの交渉も持っているようですから,こちらも結果が注目されます。

2002・8・6
○ワンメイク(Fポン)
・今年はすべてのチームがレイナードシャシを使っています。これはレギュレーションで決まっている訳ではなく,選択肢がそれしかなかったというのが原因です。しかし,ご存知のようにレイナードが今年倒産してしまいましたので,今年は何とかなるようですが,来年以降レイナードシャシを使う訳にはいきません。今年新車を購入したチームは,何ともお気の毒な感じがしますね。来年度のシャシを使うようになるのか注目されていますが,ほぼローラに決まったようです。ローラはチームノバを中心にしてFポンで走っていましたし,今年は国際F3000のワンメイクのシャシとして走っていました。ですから,現状では一番Fポンで走らせるのに適したメーカーなのかもしれません。ただ,シャシがワンメイクになるとお金の面ではいいのかもしれませんが,いろいろなコンストラクターが参戦することで,レースの活性化が図られるという面ではやや物足りなくなる心配もあります。

2002・8・5
○夏休み
・このHPでは,主に5つのカテゴリーをカバーしていますが。これだけあると,だいたい毎週日曜日にはどれかのレースがあるという感じなのですが,昨日で8耐が終わり,レースの世界の本格的な夏休みとなりました。来週の日曜日は,大きなレースは何もありません。再来週の日曜日に,ようやくF1の後半戦が始まります。ただし,ご存知のように既にチャンピオンは決まっちゃってますけどね。2週間ほどレースがなくて寂しいかもしれませんね。その間は,これまでのレースでビデオに撮ってるものがあったら見直すとか,大分県関係でいえば,今度の日曜日に「スパ直入」(カワサキの所有するサーキット,大分県直入郡直入町にあります)で3時間耐久レースがありますので,それを観戦するとかして気を紛らしてはいかがでしょう。

2002・8・4
○表彰台独占(8耐)
・25周年を迎えた鈴鹿8時間耐久レースの決勝が行われました。戦前からホンダを中心にレースが展開されるだろうという予想がありましたし,ホンダ自身も25回の記念大会ですからかなり力を入れて優勝を狙っていました。今回は走る前から作戦を公表するという非常に珍しいことをやっていたのですが,逆の見方をすればそれだけ自信があったのだろうと思います。その作戦というのは,優勝できる速さで走りつつ,ピットの回数を減らすということ。口で言うのは簡単ですが,速さと燃費は相反するものですから,かなり厳しい作戦ともいえます。ところが,その作戦を見事にやり遂げ,219周という新記録を達成しての優勝となりました。さらに2位,3位にもホンダが入りましたから,表彰台をホンダが独占しました。全くホンダにとっては,「記念大会」が本当に「記念すべき大会」になったと言えましょう。唯一ホンダ勢の表彰台独占を阻もうとしていたのが,R2−1で絶好調のスズキワークスである梁明&加賀山就臣ペアでしたが,始まって6時間目にマシントラブルによりリタイアとなりました。
   8耐の結果

第1ライダー 第2ライダー チ   ー   ム マ  シ  ン 周回数
加藤 大治郎 C.エドワーズ チームCABINホンダ VTR1000SPW 219
玉田 誠 岡田 忠之
A.バロス 武田 雄一 チーム桜井ホンダ
吉川 和多留 辻村 猛 YSPレーシングチーム&PRESTO YZFーR7 217
藤原 儀彦 嘉陽 哲久 チーム茶レンジャー 214
出口 修 野田 弘樹 ウィダーホンダ学園DDBOYS VTR1000SP−U 211



○入れ替わり(Fポン)
・第6戦の決勝が行われました。昨日に引き続いてはっきりしない天候となり,雨や霧の影響でスタート時刻が下がるというように,レースがはじまる前から波乱を感じさせていました。その前兆があたり,ランキングトップの本山哲がレース序盤でリタイア。接触によりセーフティーカーが入るというような荒れたレースとなりました。そのような中,チャンピオンを目指すR.ファーマンが荒れたレースを制し,再びランキングトップとなりました。2位には初の表彰台となるDANDELIONのR.ライアンが入りました。そして,3位には何と道上龍が入りました。復帰後2戦目にして早くも表彰台を獲得するという驚くべき結果をこのタフな男は出しました。凄いですね。

2002・8・3
○動向(F1)
・F1ドライバーの動きについて,2つほど話題を。まず,昨日アロウズからの離脱の発表があったH.H.フレンツェンの動向ですが,何とWRCへの転向が噂されています。WGPのV.ロッシが今シーズン終了後WRCに参戦しますが,フレンツェンはWRCドライバーとしての参戦となるかもしれないという話。日本でのWRCのステータスはそれほど高くありませんが,ヨーロッパではかなりのもの。それから考えると,こうした動きが出ても何ら不思議はないのかもしれません。もう一つの話は,来年のトヨタのドライバーにアメリカのCARTシリーズでランキングトップを走るC.D.マッタがほぼ決まったようです。契約上は,来年まで所属チームのニューマンハースに権利があるのですが,トヨタが契約を買い取るというような形をとるそうです。ということは,A.マクニッシュがシートを失うことになるのでしょうかね。まさかM.サロということは考えられませんから。ついでに,ということは高木虎之介のF1復帰もなくなったということになるんでしょうね。

○ホンダ独占(8耐)
・通常のレースですと,決勝スタートのグリッドは予選の結果で決まります。しかし,鈴鹿8耐は,「スペシャルステージ(SS)」といって,金曜日に行われた予選の上位20台が1台ずつコースインし,1周の一番速いタイムを出した順でグリッドが決まる方式をとっています。今日そのSSが行われ,チーム桜井ホンダのA.バロス&武田雄一組が最速タイムをたたき出し,ポールポジションを獲得しました。マシン的にはもちろんワークスマシンですが,チーム自体はいわゆるサテライト。そもそも「桜井ホンダ」というのは,東京にあるオートバイ屋さん。そうしたチームがワークスチームを押さえてポールを獲得したのですから,何とすばらしいことでしょう。ただ,ライダー自体は,MotoGPクラスの現役WGPライダーと元ホンダワークスライダーですから,ポテンシャル的には十分獲得できるものをもってますね。2番手には加藤大治郎&C.エドワーズ組,3番手には岡田忠之&玉田誠組が入りました。どちらもホンダのワークスチームであるCABINホンダです。ということで,今年の予選はホンダが1〜3位を独占したことになります。なお,決勝は明日11時から8時間の長いレースがスタートします。

○自身2回目(Fポン)
・第6戦の予選が行われ,LeMansの土屋武士が第4戦に続いて自身2回目のポールを獲得しました。今日は朝に霧が出たりしてコースコンディションが心配されましたが,2回ある予選のどちらもドライコンディションで行われました。前回のレースで怪我から復帰し,見事4位入賞した道上龍は,今回も怪我の影響をあまり感じさせない走りで4番手を獲得。本当に驚異的なドライバーですね。

2002・8・2
○ブロードバンドの方は(8耐)
・日曜日に決勝を迎える8耐がすでに開幕していて,今日も予選が行われました。暫定のポールは,バロス&武田組です。さて,今年も8耐の放送が地上波では生で行われないため,結構多くの方が残念な思いをされているのではないかと思います。数年前まではNHKのBS1で放送していたんですけどね。ところが,今年は新たな取り組みがなされます。何と,ホンダのサポートにより,インターネット上で生のレースを観ることができるのです。しかも無料で!!サーキットに6つのカメラを据え付け,その一つ一つの画面が同時に流れるという仕組みのようです。ですから,トップ争いを追うもよし,気になるチームを追うもよし,それぞれの楽しみ方があります。ただ,何せネット上ですから,画面は大画面テレビを見るようにはいきませんし,何といっても,その性質上ブロードバンドの環境でないと見ることができません。まだローバンドの方は我慢してくださいね。見ようと思う方は,リアルプレーヤーが必要なようですから,今のうちに準備されていた方がいいでしょう。なお,アドレスはhttp://www.8tailive.comです。

○フレンツェン離脱(F1)
・オレンジアロウズから参戦していたH.H.フレンツェンが,チームを去ることが決定しました。これは,彼自身から申し出があったようです。今シーズンのアロウズは,資金難からレースへ出場すること自体が薄氷を踏むような状態ですから,ドライバーとしてはなかなかやる気がおきないのも仕方のないところだと思います。フレンツェンがこの先どうなるのか,そして代わりのドライバーが誰になるのかについては一切発表がありませんでしたから,3週間の夏休みの間に新たな動きが出てくるものと思われます。

2002・8・1
○宇川断念(8耐)
・残念なニュースですが,8耐ですでに3勝をあげ,今年4勝というまだ誰もなしえていない記録を目指していた宇川徹が,第8戦イギリスGPで負った怪我がまだ完治してないため,残念ながら欠場ということになりました。彼の代わりには,SBKに参戦中のC.エドワーズが加藤大治郎とペアを組むことになりました。もっとも,加藤もエドワーズも8耐の優勝経験者だけに,優勝候補ペアの一つには変わりありません。さすが層の厚いホンダ陣営といったところでしょう。それにしても,宇川にとって8耐というのは,WGPで勝利することと同じくらいの重さでこれまで取り組んできただけに,残念で仕方ないところでしょう。この悔しさをバネに,WGPでの勝利を目指してほしいと思います。


○シルビアに代わり(GT)
・先日多くのニュースで取り上げられていましたが,ニッサンから新フェアレディーZの発表がありました。このところスポーツカータイプの車は,排ガス規制や売上不振のため生産中止ということばかりでしたから,寂しい思いをしていた方も少なくはなかっただろうと思います。レースの観点からいっても,スポーツタイプの車がなくなるというのはあまりいい傾向ではありません。実際GTに参戦している車の中で,スープラやGT−R,シルビア,RX−7といったところは,すでに生産中止か中止予定といった状況になっていますので,私個人は来年以降どうなるのか不思議に思ってました。ところが,今回のフェアレディーZは,レース仕様のマシンも同時に発表されていました。大方の予想では,生産中止となったシルビアに代わりGT300クラスに投入します。GT300クラスですから,ワークス参戦ではなくプライベーターに委託という形になるでしょうが,来年以降の新たな楽しみが増えたことには変わりありませんね。