よく噛める歯並びが一番大切な問題点です。
新生児がお母さんの母乳に力強く吸いつくことが、
子どもの行く末に健康を左右します。
昔からよく吸いつくほど、健康な子どもに育つといわれたこ
とは経験の中に生まれた格言で、強く噛むことの始まりです。
小学校三、四年生のころになって、
大人の歯並びが悪いことに両親はあわてだします。
「この子は軟らかいものばかり食べていました。」
とお母さんは告白します。
核家族の両親は、
よく噛み噛みしなさいという教育なんて知らないのです。
歯ごたえのある、硬い食べものやおやつがなくなってしまいました。
歯が生えてきた赤ちゃんに、たくあんの古漬けの
一片をしゃぶらすということは、今では全くなくなって
しまいました。たくあんの古漬けそのものがなくなって
しまいました。
食習慣の変化が、体も心も変えつつあります。
子どもの歯並び(乳歯の歯並び)に乱れはほとんどありません
が、大人の歯並びが乱れているのです。
この乳歯の歯並びのときに力強く噛む訓練が
一番必要なのです。大人の歯並びをよくするために。
乳歯の下に大人の歯が、大人の歯の頭がすでにできています。
三歳、四歳のときに、お母さんの間違った愛情で、軟らかいもの、
消化によいものばかり与えてしまいますと大変です。
世の中が変わって、昔のような生活の知恵が、家庭の中に生ま
れません。昔は、手作りの硬いおやつしかなかったのです。私は
香川県で生まれたのですが、そら豆をほうろくで炒ってかじって
いた記憶があります。硬い豆です。かりかり噛みます。
噛めば噛むほど顎の骨は頑丈に発育します。
正しい歯並びが揃います。
顎の骨だけではありません。
体全体の骨格が強く発育するのです。
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