(大分合同新聞2008年5月12日付朝刊より)


■プロコフィエフ・ピアノ協奏曲第3番の演奏に関して録音のH氏曰く、
「私見では第1回目の音楽祭と比較して、曲の構造をバラして再構築し、より一層フレーズを磨き上げ、その上で音色の更なる充実を図ったと思われます。第1回目の音楽祭では、最初の音楽祭ということもあり、勢いが勝っていた部分があったのを、今回は直前にチョンミョンフンさんと韓国でリハーサルと本番をこなしてきたため打合せと信頼関係がしっかり出来たため、よりその傾向が強く現れたのではないかと思います。アルゲリッチさんの十八番中の十八番の曲であることも一因かと思います。実は今回、録音用のヘッドホンから、第3回から自分が録音するようになって以降、記憶の限りでは最も凄いピアノの音が流れ出てきていました。近年のアルゲリッチさんの演奏を録音していると、「ますます進化していて底が見えない」という評価が正しいのではないかと思っております。元来お持ちの圧倒的なテクニックと音楽性を場面に合わせて縦横無尽に使い分け、トータルで凄いものを作り上げる力を会得されつつあるとのではと考えております。」


「夢オケ日記」より