形容詞・副詞の世界には、同級、比較級、最上級やその慣用句が多くあり、よく使われる。 似た様な表現でも、意味が違って来る場合も多く、使いこなしが難しい。 なんて、初めからハードルを上げちゃいましたが、以下に書いた事を覚えれば、ほぼOKと思います。
1) 同級
a) 肯定文 「~と同じ位~である」
① Hana runs as (so) fast as Miyo
「ハナはミヨと同じ位、速く走る。」
最初の as(so) は tall を修飾する副詞で、後の as は接続詞です。 fast は run を修飾する副詞ですね。
fullの文を書けば、
Hana runs as (so) fast as Miyo does.
なので、やっぱ、後の as は接続詞です。 前置詞扱いする輩もいますが、違うと思います。
② This lake is three times as deep as that one.
「この湖はあの湖より3倍深い。」
③ The moon is one fourth as large as the earth.
「月は地球の4分の1の大きさだ。」
不思議な事に、「何倍(何分の何)~である」と言う表現は主に同級で行ないます。 「2倍」は、two times でも
twice でも可です。 「何分の何」の表現方法は、数詞の節で確認して下さい。
b) 否定文 「~程~でない」
① My brother isn't as (so) tall as I.
「私の弟は私程と背が高くない。」
「~と同じ位~でない」とは訳さないので、注意すべし。
2) 形容詞、副詞の比較級、最上級への変化
動詞と同様に、形容詞にも規則変化、不規則変化がある。
a) 規則変化
比較級には er、最上級には est を付けるが、動詞に e, es を付ける場合の変化とほぼ同じです。
ⅰ) 一般
small → smaller, smallest
old → older, oldest
ⅱ) e で終わる場合
r、st のみ付ける。
nice → nicer, nicest
cute → cuter, cutest
ⅲ) 「子音 + y」 で終わる場合
y を i に換えて、er、est を付ける。
happy → happier, happiest
pretty → prettier, prettiest
ⅳ) 「単母音 + 単子音」 で終わり、この母音にアクセントがある場合
子音を重ねて、er、est を付ける。
big → bigger, biggest
hot → hotter, hottest
比較) few → fewer, fewest 「数が少ない」
few も「単母音+単子音」なのに、子音を重ねないのは発音から来ている。 この ew は eu と同じ扱いで、
2文字で[juː]「ュー」と発音する為です。 即ち、このwは母音扱いなのです。
b) 不規則変化
動詞の場合と違うのは、原級が違うのに、比較級、最上級が同じ形である事がある。 意味が近いので、
大昔は、1つ(共通)だったのかも? まぁ、覚えるしかありません。 声に出して、歌う様に覚えて下さい。
主な意味 .
bad → worse, worst 「一般的に悪い」
ill → worse, worst 「病気で気分が悪い」
good → better, best 「一般的に良い」
well → better, best 「健康が良い、良く」
many → more, most 「数が多い」
much → more, most 「量が多い、もっと」
little → less, least 「量が少ない、小さい」
bad と ill、good と well、many と much は同じ比較級と最上級ですね。 何故、勘違い易くしたのでしょうか?
これらと little と few の若干の意味の違いをしっかり覚えて下さい。 これって、試験に出るかも。
また、little と few は冠詞が無い場合は、否定の意味となります。 few は数えられる名詞に使うので、複数扱い
です。
① Tony has littile money, but Bob has a little.
「トニーは殆どお金を持っていないが、ボブは少し持っている。」
② There are few aranges left in the box but a few apples.
「箱の中には殆どオレンジが残っていないが、少し(2,3個)のリンゴはある。」
更に、little には「小さい」と言う意味もあり、small との使い分けに注意。 後者は「単に小さい」の意であるのに
対して、前者は、「愛らしい、ちっぽけな、重要でない」と言う意味である。
little girl 「ちいちゃくて、可愛らしい女の子」
small car 「小さい車、軽自動車」
c) 2音節以上ある形容詞、副詞
2音節以上とは、母音と子音が飛び飛びに続くもので、famous, important等の長い詞が対象ですが、beautiful,
wonderful 等のfulが付くもの、slowly, widely等のly が付くものは間違いなく、2音節以上である。
beautiful → more beautiful, most beautiful
lovely → more lovely, most lovely
また、否定の比較級で、less を付けることもある。
less challenging 「よりやり甲斐のない」
d) 意味の違いで、変化が変わるもの
late → later, latest 時間が遅い
latter, last 順番が遅い
old → older, oldest 年齢が高い
elder, eldest 年功が高い
far → farther, farthest 距離が遠い
further, furthest 程度が大きい
last「最後の」 って late の最上級だったんですねー!
farther と further、farthest と furthest の違いは、一般的に、こう習うが、明確に区別されておらず、混用される
場合もある様です。
later と latter、farther と further、farthest と furthest の発音の違いを認識して下さい。
3) 比較級 「~より~である」
a) 一般文
① He is cleverer than I(me).
「彼は私より賢い。」
fullの文を書けば、
He is cleverer than I am.
なので、than は接続詞で、me は完全に間違いですが、than を前置詞的に使う事もある。 否~、アメリカが
こう言うことをやっているのです。
ここで、1)-a)-①を比較級に書き換えると、
② Hana runs faster than Miyo.
「ハナはミヨより早く走る。」
2音節以上の形容詞、副詞の例文を示す。
③ His picture is more beautiful than hers.
「彼の写真は彼女のものよりもっと美しい。」
≒ Her picture is less beautiful than his.
「彼女の写真は彼のものより美しくない。」
= Her picture is not so beautiful as his,
「彼女の写真は彼のもの程美しくない。」
これらの3文は、「ほぼ同じ意味なる様に書き換えなさい」と言う問題でよく出るので、よく覚えておいて下さい。
比較級を「より、ずっと」と強調する場合は、very でなく、much、far を使う。
④ This orange is much bigger than that one.
「このオレンジはあのオレンジよりずっと大きい。」
「~だけ~だ」は比較級で表現します。
⑤ This car is 10% heavier than that one.
「この車はあの車より10%重い。」
⑥ My father is ten centimeters taller than I.
「私の父は私より10cm(だけ)背が高い。」
= My father is taller than I by ten centimeters.
⑦ Her bag is twice more expensive than mine.
「彼女のカバンは私のものより2倍高い。」
= Her bag is twice as expensive as mine.
⑦の「何倍~である」と言う表現は主に同級で行ないますが、比較級でも書ける(らしい)。 らしいと言うのは、
あまり使わないと言う意見があるからです。 なので、出来るだけ、同級で表現して下さいね。
b) 疑問詞がある表現
① Who is younger, Jason or Bob ?
「ジェイソンとボブ、どちらが若いですか?」
② Which do you like better, apple or peach ?
「あなたはりんごと桃のどちらが(より)好きですか?」
好きなのに、better(より良く)を使うのですね。
原級で書くと、
I like apple very much.
となり、better の原級の well でなく、much を使います。 何故でしょう。 言い易いからですかね?
原級を比較級、最上級にしなさいと言う問題で、間違えない様に。
c) The 比較級 ~、the 比較級 ~ 「~すればする程、ますます~」
① The older we grow up, the cleverer we are.
「年を取れば取るほど、益々賢くなる。」
d) 比較級 and 比較級 「どんどん~」
① It's getting darker and darker.
「ますます暗くなっている。」
4) 最上級「~の中で一番~である」
a) 一般文
① He is the tallest boy in his class.
「彼はクラスで一番背が高い少年だ。」
= He is taller than any boy in his class.
「彼は彼のクラスのどの少年より背が高い。」
= No other boy is taller than he in his class.
「彼のクラスではどの(他の)少年も彼より背が高くない。」
= No other boy is as tall as he in his class.
「彼のクラスではどの少年も彼程背が高くない。」
「最上級を比較級で表現しなさい」と言う問題での書き換えです。 よ~く試験に出ますよ。
最上級の文で in、of がよく使われる前置詞です。
② This TV is the most expensive of all.
「このテレビは全ての中で一番高価です。」
③ This movie is much the best.
「この映画はめちゃくちゃ素晴らしい!」
最上級を強調するには、much、by far の他、比較級では使えなかった very も使えます。 very は the の後に
起きますが、何故でしょう? まぁ、言葉ですから、言い易さもありますからね。
④ This town is the second smallest in the city.
「この町は市で2番目に小さい。」
second「2番目に」、third「3番目に」、fourth「4番目に」、、、も付ける事も出来る。
b) 疑問詞がある場合
① Which fruit do you like the best of all ? best は形容詞
「あなたは全ての中でどの果物が一番好きですか?」
比較級と同様に、well の最上級の the best を使います。
② Who runs fastest of this club ? fastest は副詞
「誰がこのクラブで一番速く走りますか?」
形容詞の最上級の後に名詞がなくても、基本的には the を付ける。 当然、副詞の場合は付けない。
理由は、形容詞の最上級の後には名詞が省略されていて、the は、形容詞でなく、その後の名詞を修飾している
からで、副詞は動詞(形容詞、副詞))を修飾していて、名詞が無いからです。 判ったすか!
でも、best は形容詞ですかね!? 筆者には、副詞(well)の最上級に見えるが、皆さん、どう思いますか?
調べた結果、なんと、間違った慣習らしいです。
among 「~の間では」が使えそうですが、使えません。 理由は判りませんが、まぁ、習慣ですかね!?
c) one of the 最上級 「最も~の~のうちの一人、ひとつ」
この表現は、よく使われる。
① James is one of the best player (that) I've seen before.
「ジェームスは私がこれまでに見た最高の選手の内の一人です。」
5) よく使われる慣用句
a) no longer、 not ~ any longer、 no more、 not ~ any more 「最早~ではない」
① I can no longer eat anything.
「最早、何も食べれない。」
= I can't eat anything any longer.
= I can eat no more.
= I can't eat any more.
b) no more A than B、 not A any more than B 「Bでないと同様にAでない」
① My brother can no more speak English than my mother can.
「私の兄は母がそうでないと同様に英語をしゃべれません。」
= My brother can't speak English any more than my mother can.
何か気付きませんか? than節は否定で訳すのに、否定文でなく、肯定文を使うのに注意して下さい。
また、not any = no で、no more と同じですが、not と any more は離れ、no more は離れません。
なので、speak English は no more の後、not の後に来る、と覚えて下さい。
c) no more than 「たったの~だけ」、 not more than 「せいぜい、多くても」
no less than 「~も」、 not less than 「少なくとも」
① I have no more than 200 yen.
「私の所持金はたったの200円だけである。」 → 「私はたったの200円しか持っていない。」
② I have not more than 200 yen.
「私の所持金は多くても200円である。」 → 「私は多くても200円しか持っていない。」
③ I have no less than 200 yen.
「私の所持金は200円もある。」 → 「私は200円も持っている。」
④ I have not less than 200 yen.
「私の所持金は少なくとも200円である。」 → 「私は少なくとも200円持っている。」
not があっても、do not とならず、そのままの固まりで使うのに、注意。
b)との違いは、any が有るかどうかで、not any = no ですが、not ≠ no だと言う事ですね!
d) at most 「せいぜい、多くても」、 at least 「少なくとも」
① At most, fifty children joined the athletic meet.
「多くても50名の子供達が運動会に参加した。」
② At least, fifty children joined the athletic meet.
「少なくとも50名の子供達が運動会に参加した。」
意味的には、at most = not more than, at least = not less than です。
e) not ~ much less ~、 not ~ still less ~ 「~でない、ましてや~でない」
① I can't speak English much[still] less French.
「私は英語を話す事が出来ません、ましてや、フランス語も(話せません)。」
f) not so much A as B、 more B than A 「Aと言うよりBである」
① He isn't so much a technician as a scientist.
「彼は技術者というより科学者です。」
= He is more a scientist than a technician.
= He is a scientist rather than a technician.
A と B が入れ替わっているのに、注意して下さい。
g) make the most of 「~を最大限に利用する」
① You should make the most of this oppotunity.
「あなたはこの機会を最大限に利用すべきだ。」
h) had better 「~した方が良い」
① You had better lose your weight.
「あなたは体重を減らした方がいい。」
had better は過去形なのに、現在の意味です。 即ち、仮定法です。
「した方がいい」と言う意味なので、やさしい勧誘程度と思ったら、大間違いで、かなりキツイ表現ですので、
使う時は注意が必要です。 筆者も、上の台詞を外人さんに言った時、「ムッ!」されたので、調べ直したら、
命令に近い表現だと知りました。
これら以外に、書き切れない程、非常に多くの表現があるが、a)~h)で事足るので、しっかり覚えて下さい。




