不定詞は動詞を名詞、形容詞や副詞に変化させる便利な詞であるので、色んな構文、用法がある。
1) 第五文型での不定詞
第五文型の目的格補語に不定詞を使うことがある。
@ I want [would like] you to attend the meeting.
S V O C
「私はあなたにその会議に出席して欲しい(のだが)。」
A Kana told Ken not to stay there.
S V O C
「カナはケンにそこに留まらない様に言った。」
B My mother asked me to cook dinner.
S V O C
「私の母は私に夕食を作る様に頼んだ。」
C Our teacher allowed us to use the dictionary then
S V O C
「私達の先生はその時私達に辞書を使う事を許した。」
D The king forced the citizens to pay more taxes.
S V O C
「王様は国民にもっと税金を払う事を強いた。」
E He promised me to quit smoking.
S V O C
「彼は私に禁煙する事を約束した。」
to不定詞を目的格補語とする述語動詞は、これら以外に、advise 「忠告する」、enable 「可能にする」、
expect 「期待する」、persuade 「説得する」、remind 「思い出させる」、request 「要求する」、require
「要求する」、recommend 「勧める」、urge 「かきたてる」、warn 「警告する」 等と沢山ある。
また知覚動詞、使役動詞が述語になる場合には原形不定詞を使うが、同じ扱いで、全て形容詞的用法
である。
2) it 〜 for 〜 to 構文
英語は、主語を大きくしたくないので、長い不定詞句をいきなり主語に置かず、it を代主語に用いる事が
多い。
To climb Mt.Fuji is hard for me.
S V C
直訳「富士山を登るのは私にとって大変だ。」 = 「私が富士山を登るのは大変だ。」
↓ it 〜 不定詞 を使った文に置き換えれば
It is hard for me to climb Mt.Fuji.
S V C 意味上 事実上
代主語 の主語 の主語
当然ながら、for 〜が無い文も存在する。 不定詞が事実上の主語です。
3) it 〜 of 〜 to 構文
You are very kind to help me.
S V C ← 副詞的用法
直訳「貴方は私を手伝ってくれるほど非常に親切だ。」 = 「私を手伝ってくれて有難う。」
↓ it 〜 不定詞 を使った文に置き換えれば
It is very kind of you to help me.
S V C 意味上 事実上
代主語 の主語 の主語
for と of の違いは、補語が kind、clever「賢い」、rude「無礼な」、careless「不注意な」等の様に、意味
上の主語の性質、性格を表す時に of となり、事実上の主語(不定詞)を単に説明する時は for となる。
同様に、不定詞が事実上の主語です。
4) find it 〜 (for 〜 ) to 構文
I found this movie interesting.
S V O C
「私はこの映画が面白いと判った。」
↓ it 〜 不定詞 を使った文に置き換えれば
I found it interesting to watch this movie.
S V 代目的語 C 事実上の目的語
「私はこの映画を観るのが面白いと判った。」
for 〜 が有る文も存在する。
5) too 〜 (for 〜 ) to 構文 と so [such] 〜 that 〜 cannot 構文
この2つの構文はほぼ同じ意味で、「〜過ぎて、〜出来ない」となる。
@ I was too tired to go there.
S V C ← 副詞的用法
直訳「私はそこに行くには疲れ過ぎていた。」 = 「私は疲れ過ぎてそこには行けなかった。」
↓ so 〜 that を使った節に置き換えれば
I was so tired that I couldn't go there.
S V C ← 副詞的節: 主節が過去形(was)なので、couldとなる
A The tree is too high for him to climb.
S V C ←--- 副詞的用法
直訳「その木は彼にとって登るには高過ぎる。」 = 「その木は高過ぎるので、彼は登れない。」
↓ so 〜 that を使った節に置き換えれば
The tree is so high that he can't climb it.
S V C ←-- 副詞的節
↓ such 〜 that を使った節に置き換えれば
It is such a high tree that he can't climb it.
S V ↑ C 副詞的節
|______↓
直訳「それは彼が登る事が出来ない程非常に高い木だ。」
= 「それは非常に高い木なので、彼は登る事が出来ない。」
否定で訳すのに、not to にならないので、注意!
such の後の数えられる名詞が単数なので、a を付ける。
that節は第三文型=他動詞の文なので、目的語 it が必要。 忘れがちなので、注意。
6) 〜 enough (for 〜 ) to 構文、 so 〜 as to 構文、so [such] 〜 that 〜 can 構文
ほぼ同じ意味で「十分に〜なので、〜出来る」となる。
@ He is clever enough to pass the test.
S V C ←-- 副詞的用法
直訳「彼はそのテストに合格する程十分に賢い。」 = 「彼は十分に賢いので、そのテストに合格出来る。」
↓ so 〜 as to を使った句に置き換えれば
He is so clever as to pass the test.
S V C ←-- 副詞的用法
↓ so 〜 that を使った節に置き換えれば
He is so clever that he can pass the test.
S V C ←--- 副詞的節
A The bag was light enough for her to pick up.
S V C ←-- 副詞的用法
直訳「そのカバンは彼女にとって拾い上げるには十分軽かった。」
= 「そのカバンは十分に軽かったので、彼女は拾い上げる事が出来た。」
↓ so 〜 that を使った節に置き換えれば
The bag was so light that she could pick it up.
S V C ← 副詞的節: 主節が過去形(was)なので、couldとなる
↓ such 〜 that を使った節に置き換えれば
It was such a light bag that she could pick it up.
S V ↑ C 副詞的節: 主節が過去形(was)なので、couldとなる
|______↓
直訳「それは彼女が拾い上げる事が出来る程非常に軽いカバンだった。」
= 「それは非常に軽いカバンだったので、彼女は拾い上げる事が出来た。」
a、it を忘れない様に。 5)との違いは、不定詞の意味が否定的か肯定的かの違いである。
7) be動詞 + 不定詞
「主語がそういう状態(不定詞部の動詞)にある」と言う意味で、この簡素な表現は、義務、予定、可能、
意図、運命の意味を持つ。 逆に言えば、前後の文、会話から意味が決まる。
@ You are to leave here by noon. 義務
「貴方は正午迄にここを出発するべきだ。」
A We are to go on a trip. 予定
「私達は旅行に行く予定だ。」
B My bike was not to be found. 可能
「私の自転車は見付ける事が出来なかった。」
C If you are to buy a car, you must save money. 意図
「もし貴方が車を買いたいなら、貯金すべきだ。」
D She was never to meet her mother. 運命
「彼女は二度と母親に会えない運命だった。」
可能の場合は、否定文の受動態が主である。 意図の場合は、if(仮定=もし〜なら)文で使われる。
運命の場合は、never 等を伴い、否定文で使われる。
8) 動詞 + 不定詞
「動詞 + to」が助動詞的に使われる表現がある。
@ He seems to be sick.
S V C
「彼は病気の様に見える」
A Tom happened to meet Jun.
S V C
「トムはたまたまジュンに逢った。」
B No one bothers to drink dark water.
S V C
「誰もわざわざ汚い水を飲まない。」
C My son came to eat a green pepper
S V C
「私の息子はピーマンを食べる様になった。」
D Jane got to understand my intention.
S V C
「ジェインは私の意図を理解する様になった。」
E Her baby learned to talk a little.
S V O
「彼女の赤ちゃんは少し喋る様になった。」
come to と get to 及び learn to は同じ訳し方をするが、come to は「自然に〜になる」の意味で、後の
2つは「〜出来る様になる」(能動的)の意味なので、若干違う事を覚えておいて下さい。
動詞によって、to不定詞が補語だったり、目的語だったりするが、「動詞 + to不定詞」と言うより
「動詞 to + 原形動詞」の形で、「動詞 to」を助動詞的に使っている。 なので、文型を語るのは余り意味が
無い。 敢えて説明すると、@〜Dは自動詞なので、不定詞は補語で、形容詞的用法、Eは他動詞なので、
不定詞は目的語で名詞的用法となる。 覚えなくてもいいですが。
9) 疑問詞 + 不定詞
便利な表現で、目的語が主ですが、主語にもなる。
what to 動詞 「何を〜すべきか」
when to 動詞 「いつ〜すべきか」
where to 動詞 「どこで〜すべきか」
how to 動詞 「どう〜すべきか」=「〜の仕方」
which 〜 to 動詞 「どんな〜を〜すべきか」
@ I don't decide when to go there.
「私は何時いつそこに行くか決めていない。」
A Which color to paint was up to him.
「どの色を塗るかは彼次第だった。」
10) 独立不定詞
決まった形の句で、主に文頭に置くが、文中にも置く事が出来る。 又、同じ意味の独立分詞構文もあるの
で、一緒に示す。
to be frank with you = frankly speaking 「率直に言えば」
to be honest = honestly speaking 「素直に言えば」
to tell the truth = telling the truth 「本当の事を言えば」
to begin with 「まず、第一に、そもそも」
to be sure 「なるほど、いかにも」
needless to say 「言うまでも無く」
strange to say 「奇妙な事に」
so to speak [say] 「言わば」


