
不定詞の名詞的用法と動名詞は非常に近い関係にある。 と言うより、ほぼ同じです。
1)名詞的に使う:「〜すること(は、を)」、「〜するの(が、を)」
動詞を不定詞や動名詞にして、主語、補語、目的語として使える。
@ To watch movies is my fun. = Watching movies is my fun. 主語
S V C S V C
「映画を観るのは、私の楽しみです。」
A My sports is to play tennis. = My sports is playing tennis. 主格補語
S V C S V C
「私の(趣味の)スポーツはテニスをする事です。」
B I like to fish. = I like fishing. 動詞の目的語
S V O S V O
「私は釣りをするのが好きです。」
C I want to take pictures. ( = I wanna take pictures.) 動詞の目的語
S V O S V O
「私は写真を撮りたい。」
Cでは、動名詞は使えない。 全てが、不定詞の名詞的用法=動名詞となるとは限らない。 理由は、
2)以降に示す様に、want が未来志向だからです。
Cの右文は口語体で、want to を一言で wanna となる。 be going to = be gonna に似てますね。
但し、これらは口語体なので、正式な文章や公式の場では使わない様に、注意が必要です。
2)不定詞と動名詞で意味が変わる場合
何故、2通りも表現があるのでしょう。 日本語にも同じ意味で若干の表現の違いがあるものです。 その違
いは、不定詞は未来志向で、動名詞が現在、過去志向なので、意味が変わって来る例を挙げると、
@ My grandmother forgot to have lunch.
S V O
「私の祖母は昼食を食べるのを忘れた。」
A My grandmother forgot having lunch.
S V O
「私の祖母は昼食を食べたのを忘れた。」
若干でなく、かなりの違いでしょう! 不定詞の文は「未だ食べていない」が、動名詞の文は「食べた」事実を
忘れたと言う認知症的な危ない内容です。
これと同じ様な意味になる動詞には、regrect「後悔する」、remember「覚えている」等がある。
3)動名詞しか使えない場合
a) 前置詞の目的語
不定詞は前置詞の目的語になれないので、動名詞のみ使える。 理由は、to は元々、前置詞なので、重ねて
使わないと、覚えましょう。
I am fond of fishing. = I like fishing = I like to fish.
S V C 前置詞 目的語 S V O S V O
「私は釣りをする事を好む。」 → 「 私は釣りをするのが好きです。」
b) 慣用的表現
「名詞 for 動名詞」 を 「動名詞 名詞」の順で表現したもの。
a sleeping bag = a bag for sleeping 「寝る為の袋」 → 寝袋
a dining room = a room for dining 「食事の為の部屋」 → 食堂
a drinking water = a water for drinking 「飲む為の水」 → 飲み水
現在分詞の様にも見えるが、例えば、最初を現在分詞で訳すと、「寝ている袋」となり、おかしな意味になるの
で、動名詞です。 訳せば、判りますね。
a walking dictuionary 「歩いている辞書(の様な人)」 → 生き字引
この walking は現在分詞の形容詞的用法です。 「歩く為の辞書」ではおかしいですよね。
直訳すれば、判ります。
c) 動名詞しか目的語に取らない動詞
2)で説明した様に、動名詞が現在、過去志向なので、動名詞しか目的語にしない動詞は限られる。
@ He enjoyed reading books.
S V O
「彼は本を読むのを楽しんだ。」
その他、stop 「止める」、finish 「終わらせる」、give up 「諦める」、mind 「気にする」、advoid 「避ける」、
practice 「練習する」、escape 「逃げる」等がある。
A He stopped to take pictures.
stop は動名詞しか目的語にしないので、この文は成立しないと思いますか? 否、成立しますね。
to take pictures を副詞的用法として考えれば、「彼は写真を撮る為に、立ち止まった。」と訳せる。
4)不定詞しか目的語に取らない動詞
「じゃ、不定詞しか目的語に取らない動詞もあるんじゃないの!」と、感のいい生徒の指摘がある筈。
中学英語ではあまり教えないのですが、挙げときます。
agree 「同意する」、decide 「決心する」、determine 「決心する」、expect 「予期する」、hope 「希望する」、
mean 「意図する」、promise 「約束する」、pretend 「ふりをする」、seek 「求める」、refuse 「拒否する」、
want 「〜したい」
等ですが、動名詞しか目的語に取らない動詞より多い。
不定詞だけを目的語に取るので、未来志向の動詞である事が判りますね。
もし、問題で不定詞か動名詞か迷った時は、未来志向かどうかで決めてもいいのです。



