
第五文型とは、第四文型の兄弟の文型です。 非常に似ているので、分類するのが難しい場合がある。
S + V + O + C
主語 動詞 目的語 補語
例えば、
@ They call me Ken.
S V O C
「彼らは私をケンと呼ぶ。」
です。 第二文型の補語が主格補語(主語の説明)であるのに対して、第五文型では目的格の説明をする目的格補語です。
この補語のあるせいで、第五文型の動詞は、不完全他動詞と呼ばれます。 何が不完全かと言えば、上の文で補語 Ken が無かったら、「彼らは私を呼ぶ。」だけになってしまい、不完全な意味になるからですが、あまり覚えなくてもいいですね。
目的格補語には、主格補語と同様に名詞、名詞句、形容詞、形容詞句の他、不定詞、現在分詞、過去分詞等も使われる。
1) 一般的な動詞
名詞、形容詞等を目的格補語とする例文を紹介する。
A She named that dog Hachi.
S V O C
「彼女はあの犬にハチと名付けた。」
B His remark made her happy.
S V O C
「彼の批評が彼女を幸せにした。」
C I know him a doctor.
S V O C
「私は彼が医者である事を知っている。」
D I think her shay.
S V O C
「私は彼女が恥ずかしがりと思う。」
E I found it true.
S V O C
「私はそれが真実だと分かりました。」
F We all elect Mr.Hashimoto the Prime Minister.
S V O C
「私達皆が橋本さんを総理大臣に選ぶ。」
G Jane kept her son alone.
S V O C
「ジェインは息子を一人ぼっちのままにした。」
<その他の動詞>
believe 「〜を〜と信じる」
consider 「〜を〜と見なす」
leave 「〜を〜のままにする」
suppose 「〜を〜と思う」
2) to不定詞句を目的語補語とする動詞
不定詞の形容詞的用法も目的格補語として使われる。 名詞的用法かな?と迷いますが、形容詞的用法
です。
@ Aya asked Homare to pass the ball.
S V O C
「あやは穂希にボールをパスする様に頼んだ。」
A I want [would like] you to tell a truth.
S V [V] O C
「私はあなたに真実を言って欲しい[のだが]。」
B Suzan got James to cook dinner.
S V O C
「スーザンはジェームスに夕食を作らせた。」
C My sister helped me (to) do homework.
S V O C
「私の姉は私が宿題するのを手伝った。」
<その他の動詞>
advise 「〜が〜する様に忠告する」
allow 「〜が〜するのを許す」 ← 第四文型の場合「与える」の意になる
force 「〜が〜するのを強いる」
order 「〜に〜する様に命令する」 ← 第四文型の場合「注文する」の意になる
require 「〜が〜する様に要求する」
recommend 「〜が〜する様に薦める」
tell 「〜に〜する様に言う」
help では、to不定詞でも原形不定詞(to無し不定詞)でも、用いることが出来る。
これらは、第四文型に分類するお方も居られますが、意味上で目的語が不定詞の動詞の主語となっている
事を考えれば、補語であるのは明確なので、第五文型です。
3) 知覚動詞
知覚 「見る、聞く、感じる、臭う、、、、」を表す動詞を述語として使う文も第五文型となる。
@ Everyone watched her singing. singing は 現在分詞
S V O C
「誰もが彼女が歌っていたのを見ていた。」
A We saw Kei play tennis. play は 原形不定詞
S V O C (不定詞句)
「私達は圭がテニスをしているのを見た。」
B I heard your name called. called は 過去分詞
S V O C
「私はあなたの名前が呼ばれるのを聞いた。」
2)と同じく、現在分詞、不定詞、過去分詞は形容詞的用法です。
知覚動詞が述語の場合、不定詞を補語にする時は、原形不定詞となる。
<その他の動詞>
feel 「〜が〜するのを感じる」
smell 「〜が〜の臭いがする」
taste 「〜が〜の味がする」
4) 使役動詞
使役動詞 let、have、make 「させる」の文も第五文型と考えられますが、異論を唱える方も居られる様です。
知覚動詞の場合と同じで、原形不定詞を使う。 こういう理由からも、第五文型と考えるのが正しい。
でなければ、第何文型に分類されるのでしょうか?!
@ Let's go fishing. go は原形不定詞
V O C (不定詞句) 基本的に、命令文なので、主語は無い
「釣りに行きましょう。」
A My mother made me drive her car. drive は原形不定詞
S V O C (不定詞句)
「私の母は私に彼女の車を運転させた。」
B Ryota can make himself understood in French. understood は過去分詞
S V O C ←- 修飾
「良太は自分自身をフランス語で理解させる事が出来る。」 → 「良太のフランス語は通じる。」
C Tom had his bike fixed by me, fixed は過去分詞
S V O C ← 修飾
「トムは私に彼の自転車を修理させた。」
= Tom had me fix his bike, fix は原形不定詞
S V O C (不定詞句)
D I have my hair cut by my mother, cut は過去分詞
S V O C ← 修飾
「私は私の髪の毛を私の母に切らせる。」 → 「私は母に散髪してもらう。」
= I have my mother cut my hair, cut は原形不定詞
S V O C (不定詞句)
@のLet's は、Let us の短縮形で、us が目的語です。
Aを、Cと同様に、過去分詞を使って書き変えると、
My mother made her car driven by me.
「私の母は彼女の車を私に運転させた。」
となるが、堅苦しい表現なので、しないと思いますね。 お友達の native speaker に聞いて下さい。
Bは慣用句的表現なので、丸覚えして下さい。 「英語が通じる」とか「英語が通じない」とか、よく言います
が、こう言う表現を使います。 can は助動詞なので、当然、文型に含まれません。
Dは頻繁に出題される表現です。 「散髪する」と言っても、普通は自分で切る訳でもない(筆者は自分で切る
がw)ので、こういう表現になります。 曖昧な表現をする日本語では、この他に、例えば、芝刈りを業者に
頼んでやって貰っても、あたかも自分でやった様に、「芝を刈った」と言います。 真面目な方は、「えっ、ご自分
で?」と聞き返されたりして、「いえ、業者に」と答えたりします。
また、cut は無変化動詞=原形、過去形、過去分詞が同じで、間違え易い為、問題に選ばれる事が多いので、
注意して下さい。
同じ「させる」の意味ですが、当然、強さの違いがあります。
let < have < make
let は「〜するのを許す」の意味で、make は「強制的に〜させる」の意を含んでいる。
2)、3)と同じく、原形不定詞、過去分詞は形容詞的用法です。
5) 受動態への書き換え
原形不定詞を補語とする第五文型=使役動詞、知覚動詞の第五文型の能動文を受動態で表現する場合、
to付き不定詞に変化する。 第四文型を第三文型に変化させるのと似てますね。
3)-A、4)-Aの文を受動態にすると、
Kei was seen to play tennis by us.
「圭は、私達にテニスをしているのを見られた。」
I was made to drive her car by my mother.
「私は、母に車を運転させられた。」
となる。 受動態への書き換えの手順は、be助動詞の節を見て下さい。
これまでの説明でお判りの様に、that、his、a、my 等は形容詞(限定詞)で、文型に含まれないのは、もう覚えたでしょうか!?


