まず”合気”については諸説あり、他を否定するつもりは毛頭ありません。
また今から述べる事は、何処までも一個人の独断と偏見なので、あしからずご了承下さい。
元々、日本古来より伝わる武術とスポーツでは身体の使い方が根本的に違います。
スポーツは、駄目だという意味ではありません。
今の現代人は幼少期からスポーツを行う身体が身に付いていて、武術を行うには無理があります。(そのまま稽古するとスポーツの延長になりかねない。)
そこで身体を武術的身体に作り変えていかなければならない。
当会では、武術の基礎の身体を、"重み、呼吸力、浮身"を稽古する事で得られると考えています。
"重み"とは
地球上で最も強い力”重力”を意識操作と重心操作によって力と転化、伝達する事です。
初歩の内は体重と考えた方がわかりやすいかもしれません。
"呼吸力"とは
呼吸を行う事は膨大な内筋運動を必要とします。
その周辺の内筋(インナーマッスル)を呼吸と調和させたり、またコントロールしながら外部に伝達する事を言います。
"浮身"とは
宙に浮いてる訳ではありません。(笑)
不安定なのに安定していて且、直ぐに動ける状態です。
簡単に言えば”居つかない”事を言います。
一般的に人間は2本足で立っている以上、常に安定しません。
安定する為には、3本足が必要だからです。
そこで自身を固める事で安定しようとします。
ところが、安定状態から素早く動くには、筋力の溜めが必要になります。
その事が気配を出しやすくし、筋肉の性質上、多方向の動きには対応が難しくなります。
武術的には浮身を掛ける事で、気配を消して動け、また相手に対して重心のブレを起こす事が可能になります。
"合気"とは
瞬間的に脱力したり、相手の生理反射を起こしたり、浮身を伝えたりし、自分自身を相手と同期させる事で、相手に対して重心のブレ(結び)を起こす事が可能となります。
これを”一体化、無力化”と当会では言ってます。
そうすれば相手は100%の力を出せなくなったり、硬直したりします。
これを触れた瞬間に行う事を”触れ合気”と定義しています。
達人は、触れずに行う事も可能だと思います。(私は、出来ませんが。)
"武術的身体"とは
当会では、合気を使える身体を武術的身体と仮定してます。
"まとめ"
武術的身体を得て、初めて”武術の入り口”に立ったと言えます。
武術の入り口に立って初めて型の重要性に気がつくのでは、ないでしょうか?
よく合気系武術の指導者で”触れ合気”も出来ない人も多いようですが、
疑問を感じてしまいます。
触れ合気の出来ない指導者が”合気”を教える事が出来るのか?
合気系武術で”合気”が無ければただのダンスでは、ないでしょうか?
"さらなる高みに"
こうやってみると、いかに自然に調和する必要があるかわかります。
自然の力を借りる事、すなわち自然との一体化、自然を神だとすれば、神との一体化と言う事になります。